6721 ウインテスト 2019-07-31 17:00:00
第三者割当による新株式の発行及び資本提携契約の締結並びに、親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ [pdf]
2019 年7月 31 日
各 位
会 社 名:ウインテスト株式会社
(コード:6721 東証二部)
代表者名:代表取締役会長 奈良 彰治
問合せ先:専務取締役 樋口 真康
(TEL:045-317-7888)
第三者割当による新株式の発行及び資本提携契約の締結
並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ
当社は、2019 年7月 31 日開催の取締役会において、以下のとおり、武漢精測電子集団股份有限公司(以下、
「武漢精測」といいます。
)を割当先とする第三者割当による新株式の発行(以下、
「本第三者割当増資」とい
います。
)を行うこと及び武漢精測と資本提携契約を締結することを決議しましたので、お知らせいたします。
また、本第三者割当増資により、当社の親会社及び主要株主である筆頭株主の異動が見込まれますので、併
せてお知らせいたします。
Ⅰ.第三者割当による新株式の発行
1.募集の概要
(1) 払 込 期 間 2019 年8月 16 日から 2019 年 10 月 31 日
(2) 発 行 新 株 式 数 20,000,000 株
(3) 発 行 価 額 1株につき 130 円
(4) 調 達 資 金 の 額 2,600,000,000 円
募集又は割当方法
(5) 第三者割当の方式により、20,000,000 株を武漢精測に割り当てます。
( 割 当 予 定 先 )
金融商品取引法に基づく有価証券届出書の効力が発生していることを払
(6) そ の 他
込の条件とします。
(注)中華人民共和国(以下、
「中国」といいます。
)の外国為替規制上、日本への元以外の外貨を送金するた
めには、締結済の資本提携契約書を添付した上で中国の関連当局に申請しその認可を得る必要がありま
す。本第三者割当増資に関しては、2019 年8月 16 日から 2019 年 10 月 31 日までを会社法上の払込期間
として決議しております。この期間を払込期間とした理由は、上記の外国為替規制に関する認可を得た
後に払込みがなされることを予定しており、当該認可の審査期間を勘案して払込期間を決定する必要が
あるところ、本届出書の提出時点においては当該時期が確定できないためです。
2.募集の目的及び理由
(1)募集の目的及び理由
(背景と当社を取り巻く現状のマーケット)
当社は、1993 年8月の設立当初より、日本における半導体自動検査装置のマーケットを中心にビジネ
スを展開し、設立以来事業規模及び売上高を伸ばしてまいりました。しかしその後、日本の半導体産業
は落込み、代わって台湾、中国、そしてハイテク分野ではアメリカに大きく水をあけられている状況に
あります。
また、技術面では、TV などのハードウエアを中心とした製品から、情報端末を使ったインターネット
を中心とした技術等が台頭し、そこから生み出される自動運転技術、ロボット技術、そしてキャッシュ
レス技術など、新技術が生まれ、それに合わせて半導体が新たに開発されます。当社は、これまでも技
術トレンドの変化に合わせた検査装置を開発してまいりましたが、日本国内をメインマーケットとして
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いたことから、国内半導体メーカーの凋落に伴い当社の業績も大きく落ち込むこととなり、市場を日本
から海外に求めざるを得ない状況が続いてまいりました。そこで、2014 年からは、LCD ドライバーIC 検
査装置分野の事業を強化するとともに、海外(台湾)での営業活動に集中する戦略を取り、台湾の複数
の半導体メーカーから継続的な受注を受けるまでに顧客開拓ができてまいりました。しかしながら、現
在は台湾においても、中国の半導体メーカーの台頭への対応を余儀なくされ、工場の新設を台湾国内か
ら中国本土に軸足を移している状況であり、当社受注は回復傾向にあるものの黒字化には至っていない
状況です。更に、当該分野では検査コストの低減要求は強く、検査時間短縮など、検査装置の機能性向
上に必要な技術的要求が高まってきております。
当社は顧客の技術的要求に対応すべく、検査装置の検査機能の高速化及び機能性向上を図るとともに、
営業力の強化、顧客サポートの充実を強力に推進する必要があると考えております。また、当社が営業
活動を展開しているアジア圏の商習慣上、受注から資金回収までに長期を要する傾向が強く、装置部材
等の仕入並びに在庫を長期保有するための運転資金が必要となります。
当社の業績を回復させるため、既存事業領域における海外市場攻略のための新技術の開発、当該新技
術を搭載した新装置の開発及び中国国内拠点の整備が急務であり、加えて新規事業方面の製品化には更
に時間と製品化へ移行するための資金が必要となり、既存領域、新規領域共に、施設、環境、人的リ
ソースの拡充、政情、市場変化に機動的に対応するための資金を可及的速やかに調達したいと考えてお
ります。また、これらの諸施策が当社業績の回復及び向上に貢献するまでには、相応の時間が必要であ
り、その間の運転資金も準備する必要があります。それらの目的を達成するために、以下の内容により
本第三者割当増資による資金調達を行い、上記状況の打破のための開発、海外事業展開及び運転資金に
使用する予定です。
当社は、2017 年より中国市場の開拓を開始しましたが、何より言語・慣習をはじめとする障壁は台湾
より高く、参入に思わぬ時間を要することとなりました。そこで、平成 30 年 10 月より、中国出身の姜輝
取締役を代表取締役とし、中国市場における言語・慣習をはじめとする参入障壁を乗り越えるべく、事
業再生に取り組んでおります。
また、当社は、半導体検査装置事業における継続的な業績低迷を受け、第三者割当を伴う資金調達を
行い、新規事業開拓にも積極的に取り組み、第二第三の柱を構築すべく施策を講じてまいりました。具
体的には、下記(目的と戦略2 新規事業による事業の多角化の背景と現状の取り組み)をご参照くだ
さい。
当社の業績は当社のメインマーケットを国内から台湾、中国へシフトした後の 3 年間でも継続的な赤字
計上を行っており、かつ業績が回復していない影響により、平成 30 年 7 月期連結会計年度における業績
の状況は、売上高 426,037 千円、営業損失 290,609 千円、親会社株主に帰属する当期純損失 358,425 千円
となり、2019 年7月第3四半期連結累計期間における当社業績は、2019 年 6 月 14 に公表した通り、依然
赤字が続いており、売上高 305,118 千円、営業損失 227,920 千円、となりました。その上で、監査法人と
も協議を行い将来にかかる大阪事業所の「のれん」の全額減損損失を決定、その結果、親会社株主に帰
属する四半期純損失 496,873 千円を計上しております。
そのような状況から、依然として「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況」
が存在しております。しかし、財務戦略の結果、向こう1年分の運転資金は十分に確保していることか
ら、
「継続企業の前提に関する重要な不確実性」は認められないとの評価を監査法人から受けております。
当社はこのような状況をサステナビリティ―の観点から、危機的な状況であると強く認識し、打破、成
長に向けて大きく舵を切るため、大胆な改革断行が必要であるとの観点から、今回、大規模増資を計画
し、今後、成長と株主の皆様への利益還元の好環境を強固なものとする施策を実行してまいります。
本件第三者割当増資を行うことにより、割当予定先が当社の支配株主になりますが、現状で当社と割
当予定先との間に資本提携契約(以下、「本件資本提携契約」といいます。)を締結しているものの、
業務提携など経営施策に影響を与える契約等を締結する予定はございません。また両社における共通の
認識として、今回の増資の主目的は「次世代半導体検査装置の開発」と中国における「製造拠点の確立」
、
両社の販売チャンネルや部材調達チャンネルの「相互利用」によるコストの削減とビジネスチャンスの
最大化であり、その間の開発資金、拠点設立と運転資金の調達で一致しております。本件増資に伴って、
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割当予定先より常勤ではない取締役2名を招聘する予定でありますが、当社の経営体制に大きな変更は
なく、コーポレートガバナンスに与える影響は少ないと考えております。
(当社の既存事業である検査装置事業の拡充、そして新規事業の事業化への課題)
このように、検査装置事業、新規事業の推進を行う上で重要な課題は2つあり、一方は、事業化を実
現する上での人材の確保が必要となり、他方は、特にインフラを伴った開発設備、営業拠点の設置及び
これらの事業を推進・立上げていくための運転資金の調達であり、それぞれの事業化の目処が立つまで
の期間は異なりますが、当社が目指すマーケットはそれぞれ潜在的可能性が高く、会社規模と価値の増
大を図るため、それらを事業化するための資金調達、そして体制の構築が急務となります。既存検査装
置事業においては、タイムリーな新機能の開発及び次世代検査装置の開発、そして中国市場への進出、
加えて、新規事業の技術開発を本格化し、業績のアップ及び収益化を早期に実現し、会社価値を大きく
伸ばす所存です。
(目的と戦略1: 既存事業の拡充と中国戦略に係る資金の調達)
このような状況の中、当社は顧客の営業・技術的要求に対応すべく、以下大きく分けて4つの対応
を取ってまいります。
1.検査装置の検査機能の高速化及び機能性向上を短期に図る。
当該分野は「日進月歩」ならぬ「分進秒歩」と揶揄される程、機能面での変化が速いことで知られ
る分野であり、その技術レベルが上がるごとに開発費の増大が見込まれます。タイムリーに開発を進め
るために必要な「人的資源」の充実と、それを支える「資金調達」が必須となっています。特に当社が
「主力装置」と位置付ける LCD ドライバーIC 検査装置はスマートフォンに代表される、進化の早い情報
端末に多く使われ、且つ5G 通信規格の実現と共により早い技術革新が当該検査装置にも求められており
ます。本検査装置の開発に 500 百万円を充当する計画です。
2.営業力の強化、顧客サポートの充実を強力に推進、2020 年までに現地での地保を固める。
当社は、中国マーケットに挑戦するため、言語・慣習等の厚い壁を乗り越えるべく、トップ営業戦略
を推し進めており、現地代理店及び台湾代理店の協力を得ながら、検査装置の事業再生に取り組んでお
りますが、中国の内製化政策の影響もあり、中国国内の顧客からは、一日も早い「拠点」の設立と立ち
上げを求められています。メイドインジャパンのブランドを維持しつつ、優秀な人員を確保、拠点を整
備し、顧客とのリレーションの構築、受注体制の拡充とスピードアップ、また、拠点からの直接サポー
ト、納入ができる体制を敷くことが、今後の巨大な中国マーケット攻略の大きな課題と考えております。
中国国内での工場、拠点設立に 800 百万円を充当する計画です。
3.大阪事業所の設備更新について
当社が本年 3 月に事業譲受した大阪事業所の生産設備の老朽化に伴う設備入替えおよび開発ツールの更
新行い、新規開発のための効率の改善を図ります。また、本社及び大阪事業所間の共通データベース整
備のため、今回の増資資金の一部 200 百万円を充当する計画です。
4.装置部材等の仕入並びに長期納期部材を必要数保有するための運転資金の確保
当社が営業活動を展開しているアジア圏の商習慣上、受注後の短納期要求に加え、資金回収までに時
間を要する傾向が強く、装置部材等の仕入、特に長納期部材並びに仕掛在庫をある程度、長期に渡り保
有する必要があります。これが運転資金の増嵩する1つの要因ともなっております。また、アジア方面
顧客ではその戦略上、方針が固まると2桁台の受注が急に決まる場合もあることから、納期に関してビ
ジネスチャンスを逃さないために、部材調達の資金 780 百万円を充当する計画です。
(目的と戦略2 新規事業による事業の多角化の背景と現状の取り組み)
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当社は、半導体検査装置事業における継続的な業績低迷を受け、2016 年6月 17 日の取締役会決議によ
り第三者割当増資による資金調達を行い、新規事業開拓に積極的に取り組み、第二第三の柱を構築すべ
く施策を講じてまいりました。
具体的な調達済み資金の充当状況は、新エネルギー方面でオランジュ株式会社(代表取締役社長:清
水 拓也、本店所在地:神奈川県横浜市、以下、
「オランジュ」といいます。
)の発行済株式 100%を取得、
約 180 百万円を投資して連結子会社化したほか、IoT センサーを駆使した新ビジネス、また FA(ファクト
リーオートメーション)やロボットへの応用が可能な技術シーズの研究開発を産学連携のもと進めてお
り、慶応大学と進めている工場内製造工程で使われる重量物搬送、組立て補助機器、また介護現場、病
院そして災害発生現場での救護、復興に役立つ、電気や圧縮空気など動力機器が不要な「自重補償機構」
の開発に8百万円、また IoT センサーの精度向上に関する技術研究費として大阪大学との「信号波形の低
ノイズ化」の共同研究に4百万円、脱炭素社会への切り札である太陽光発電所のメンテナンスを容易に
するモニタリングシステムの開発を茨城大学と共同で行っており、特許化も含め 28 百万円、また当社の
持つ技術を利用したオーディオ機器事業に 23 百万円、その他産学連携費用として富山大学に約 4 百万円
を支出しております。またそれら新規事業方面の調査、マーケティング費用(交通費、学会参加費、関
連書籍購入費)として現在までに 25 百万円を充てています。
2019 年3月には山田電音株式会社(代表取締役社長:松井秀夫、本店所在地:大阪府大阪市、以下、
「山田電音」といいます。
)から買収金額 330 百万円と買収関連費用並びに仕入資金等合わせて、合計 414
百万円を充て、事業の譲受けを完了しております。なお 2019 年6月 14 日付け特別損失(のれんの減損損
失)の計上に関するお知らせ記載のとおり、山田電音譲受時に発生したのれん 274 百万円について、現状
赤字が継続していることを鑑み、減損損失として全額を特別損失に計上しております。このように、第
6回及びに第7回で資金調達した金額を含んだ総投資額は、約 711 百万円となり、調達金額の残金は 91
百万円となっておりますが、製品化ならびに販売体制の確立には、なお数年の開発継続、人的リソース
の増員、および投資が必要となる見込みであり、今回の調達金額の一部 300 百万円を充当する計画です。
(2)第三者割当増資による資金調達の方法を選択した理由について
当社は、今回の資金調達に際しては、当社の置かれた状況を踏まえて、既存の株主の皆様の利益を保
護すべく必要十分かつ確実な資本基盤強化を実現するため、資金調達の確実性が高く、資金調達の機動
性が認められる手法が最善であるとの考えに基づき、最適な資金調達方法を検討してまいりました。一
般的なその他の資本増強のための資金調達方法についても検討いたしましたが、以下の理由から、いず
れも今回の資金調達においては適切ではないと判断いたしました。
①公募増資
公募増資による新株発行は、当社の財務状況に鑑みた場合、実現性に乏しく、他の方法により資金調
達を図らざるを得ません。
②株主割当
株主割当増資では希薄化懸念は払拭されますが、割当先である既存投資家の参加率が不透明であるこ
とから、十分な額の資金を調達できるかどうかが不確実であり、資金調達方法として適当でないと判断
いたしました。
③行使価額が固定された転換社債(CB)
通常 CB の転換は割当先の裁量により決定されるため、資本増強の蓋然性が乏しく、タイミングが不透
明なため、今回の資金調達方法としての本第三者割当増資と比較した場合に、適当でないと判断いたし
ました。
④MSCB
株価に連動して行使価額が修正される転換社債型新株予約権付社債(いわゆる MSCB)の発行条件及び
行使条件は多様化していますが、一般的には、転換により交付される株数が行使価額に応じて決定され
るという構造上、転換の完了までに転換により交付される株式総数が確定しないため、株価に対する直
接的な影響が大きいと考えられます。
⑤行使価額が固定された新株予約権
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行使価額が修正されない新株予約権は、株価下落時には行使が進まず資金調達が困難となるため、資
金調達の確実性は本第三者割当増資と比較して低いと考えられます。
⑥行使価額修正条項付新株予約権
株価に連動して行使価額が修正される新株予約権(いわゆる MSWT)の発行条件及び行使条件は多様化
していますが、一般的には株価推移により調達金額が決定されるという構造上、行使の完了まで調達金
額が確定しがたいため、必要とする十分な資金を調達できるかどうかが不透明であり、資金調達方法と
して適当でないと判断いたしました。
⑦新株予約権無償割当てによる増資(ライツ・イシュー)
株主全員に新株予約権を無償で割り当てることによる増資、いわゆるライツ・イシューには当社が金
融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・イシューと、当社が金融商品取引業
者との元引受契約を締結せず新株予約権の行使は株主の決定に委ねられるノンコミットメント型ライ
ツ・イシューがありますが、コミットメント型ライツ・イシューについては国内で実施された実績が乏
しく、資金調達手法としてまだ成熟が進んでいない段階にある一方で、引受手数料等のコストが増大す
ることが予想され、適切な資金調達手段ではない可能性があります。他方でノンコミットメント型ライ
ツ・イシューについては、当社は連続で経常赤字を計上しているため、取引所の規則上実施することが
できません。
⑧借入による資金調達
当社の財務状況を鑑みた場合、与信上金融機関からの借り入れは困難な状況であります。従って、他
の方法により資金調達を図らざるを得ません。
3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期
(1)調達する資金の額
① 払 込 金 額 の 総 額 2,600,000,000 円
② 発 行 諸 費 用 の 概 算 額 18,863,600 円
③ 差 引 手 取 概 算 額 2,581,136,400 円
※1.発行諸費用の概算額には消費税等は含まれておりません。
※2.発行諸費用の概算額の内訳は、弁護士費用 7,000,000 円、翻訳費用 2,200,000 円及び登録免許税として
9,1000,000 円、割当予定先の反社会的勢力該当性の調査費用 113,400 円、その他諸費用として 450,200
円を予定しております。
(2)調達する資金の具体的な使途
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具体的な使途 金額(百万円) 支出予定時期
①検査装置における新技術開発及び新規装置の開
発
ア)次世代LCDドライバー検査装置 200百万円
イ)次世代(4K、8K向け)CMOSイメージセン
サー検査装置
500
100百万円 2019年8月~2022年7月
ウ)高速LOGIC-VLSI検査装置 100百万円
エ)ミックスド・シグナルIC検査装置 100百万円
(上記の人件費、開発部材機器費用等は運転資金項目
に含む)
②中国における事業推進及び当該拠点の開設
ア)拠点設立
a. 工場・事務所設立(募集教育費、教育出
向費3年程度で10名前後、賃貸ビル関連
費用、施設、設備費、運営人件費、運転
資金)等
400百万円
b. 受入れ調整、修理用スペア部品配備、並
びに計測器等配備、それに伴う一切の費
用等 800 2019年11月~2022年10月
100百万円
イ)販売、サポート拠点確立(募集教育費、拠点
賃貸費用、デモシステム整備、運転資金
等)
100百万円
ウ)中国等の海外拠点をサポートするための日本
国内体制強化
(人材確保、拠点立上げ、ER、転資
金等)
200百万円
③新規事業推進、投資資金
ア)半導体検査装置向け工場FA化(自重補償機
構)製品化と事業化
100百万円
イ)IoTセンサーシステムの開発及び事業化と 300 2019年8月~2022年7月
そのデータ通信及びサーバ構築、低周波か
ら超音波を利用したIoTセンサー機器の開
発と製品化
200百万円
④大阪事業所の今後の展開と拡充
ア)製造設備の入替え SMTシステム、リフ
ロー、加工装置、太陽光発電設備の設置他
120百万円 200 2019年10月~2021年9月
イ)開発ツール・システムの更新 50百万円
ウ)募集教育費用、人件費 10百万円
エ)管理システム、大阪工場整備 20百万円
⑤その他運転資金
増加運転資金(仕入費用) 290百万円
販売費 120百万円 780 2019年8月~2022年7月
一般管理費 370百万円
(注)1.調達した資金につきましては、支出するまでの期間、銀行預金においてリスクの低い適時適切な資
金管理をする予定であります。
本第三者割当増資により調達する資金の具体的な使途は以下のとおりです。
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①検査装置における新技術開発及び新規装置の開発
前記「2.募集の目的及び理由」の「 (目的と戦略1 既存事業の拡充と中国戦略に係る資金の調達) 」に記
載した1.~3.の戦略を推進するにあたり、最も重要となるのは、頻繁に更新される半導体新技術に対応可能
な検査装置のタイムリーな開発であり、そのためには、より多くの優秀な技術者を確保するとともに、開発環
境整備(機器、ソフトウエアツール及び FPGA 等 IP の利用)とそれらの購入資金が必要となります。
検査装置における新技術開発及び新規装置の開発のための資金使途は、以下のとおりです。
ア)次世代 LCD ドライバー検査装置の開発 200 百万円
i) 高周波対応 70 百万円
ii) 多ピン対応 80 百万円
iii) 高機能、省スペース、省電力 50 百万円
イ)次世代(4K、8K 向け)CMOS イメージセンサー検査装置 100 百万円
i) 高速カメラ・シリアル・インターフェイス対応 30 百万円
ii) 携帯電話、監視カメラ、車載、一眼レフカメラ用 CMOS イメージセンサー測定対応 50 百万円
iii) 高機能、省スペース、省電力 20 百万円
ウ)高速 LOGIC-VLSI 検査装置 100 百万円
i) Touch Control IC 測定対応 15 百万円
ii) 任意波形発生装置 45 百万円
iii) 独自小型筐体、高機能、省スペース、省電力 40 百万円
エ)ミックスド・シグナル IC 検査装置 100 百万円
i) Power IC 測定に注力 80 百万円
ii) 高電圧、大電流対応 20 百万円
上記 合計 500 百万円
※ 開発費用の概算は過去の検査装置開発にかかった費用から見積算出しております。
※ 上記に係わる人件費、開発部材機器費用等は運転資金項目に含みます。
上記施策への投資時期は払込みと同時に開始し、また2022年7月までを目途に、開発完了次第、順次市場に投
入してまいります。
②中国における事業推進及び当該拠点の開設
これまでの当社の中国市場攻略の成果として、中国の半導体メーカーから 2018 年 11 月に WTS-577LCD ドラ
イバーIC 検査装置の初号機を受注し、2019 年1月には連続で2号機を受注、いずれも納入を完了して売上を
計上しております。しかし、中国市場において事業を大きく展開していくためには、中国本土に拠点を築き、
中国顧客向けの装置のハード面とソフト面でのサポートの充実はもとより、数年後を目処に、基本部分や各種
主要部品を日本から輸出し、最終組立工程を中国国産化するなどの戦略を進め、メイドインジャパンのブラン
ドを守りつつ、コストの削減と顧客対応力の両方を強化、さらに最終組立工程のローカライズについては中国
の国策である「内製化」政策に合致させる戦略を取り、中国国内マーケットへの深耕を計画してまいります。
その戦略の1歩として、中国本土に組立工場を含む、複数の拠点(営業とアフターサポート)を築くことが必
要であると考えます。そのためには、現在当社で保有する、日本国内における開発力、製造組立技術(大阪事
業所)を更に強化することが必須であり、またそれらを円滑に行うために十分な運転資金の確保が重要となり
ます。この中国における事業推進及び当該拠点の開設のための資金使途は以下のとおりです。
ア)拠点設立
a. 拠点設立 400 百万円
工場設立 160 百万円
事務所設立 30 百万円
募集教育費 10 百万円
教育出向費 3 年程度で 10 名前後 88 百万円
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賃貸ビル関連費用(施設、設備費、運営人件費等) 112 百万円
b. 受入れ調整 100 百万円
修理用スペア部品配備 68 百万円
計測器等配備 15 百万円
それら上記に係る一切の費用等 17 百万円
イ)販売、サポート拠点確立 100 百万円
募集教育費 3 百万円
拠点賃貸費用 40 百万円
デモシステム整備 40 百万円
運転資金等 17 百万円
ウ)中国等の海外拠点をサポートするための日本国内体制強化 200 百万円
人材確保 20百万円
拠点立上げ 100 百万円
ER 30 百万円
運転資金等 50 百万円
合計 800 百万円
当社は継続的な業績赤字に悩み、資金面での足枷がございましたが、今回の資金調達を行う事でそれらの制
約から離れ、「SEMI.ORG」(注)の発表する、海外、特に今後益々加速すると予測される中国市場に大きく次の一
歩を進め、市場の拡大に合わせて、会社業績が伸ばせる体制を構築してまいります。
(注)「SEMI.ORG」は、半導体業界の発展と成長を促進するために国際規模での展示会・会議等を開催し、標準
規格の国際統合及びビジネス・交流・協力・情報共有の促進を図っております。
③新規事業推進、投資資金
当社は、未来技術の獲得を目的に、産学連携を積極的に進め、それら市場への新規参入を計画、事業の多角
化展開により、抜本的な事業構造の改革と収益基盤の拡充に取り組んでおります。
以下に産学連携の概要を説明いたします。
※産学連携について
(ア)検査装置向け工場 FA 化機器技術「自重補償機構技術」 (注)については、学校法人慶應義塾大学 慶應
義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、重量キャンセル型アームの試作機を2号機まで完成
させております。今後、完成度を高めるとともに 2019 年8月までに3号機を完成し特許部分への対策を講じ
て成果を公表する予定です。将来の介護現場や農業、加えて被災地でのパワーアシスト機器等、数兆円規模に
も及ぶ幅広いマーケットの存在を見据え、安全面の問題を解決した上で、当該技術は当社の検査装置の「マニ
ピュレータ」や、応用製品として「半導体製造工場内 FA 化システム」「半導体工場内物流搬送システム」の
、
他、完成品の「出荷倉庫」での「種まき方式荷物搬送システム」 (棚から棚へ物流製品を移動、仕分けするシ
ステム)への応用が可能であることから、搬送重量 300 ㎏程度までの重量物を移載することができる機器の製
品化を目指します。
(注)検査装置向け工場 FA 化機器技術に使われる「自重補償機構技術」とは
一般的な「重量物搬送装置」は、電気モーターやエンジン等の動力源を持ち、かつ、重いカウンター
ウエイトや油圧・圧縮空気の出力を借りる事で、数十キロから数百キロの重量物の移動をアシストしま
すが、装置が大掛りで重量が重くなることや、重量物に見合う外部動力が必要となるといった課題を有
しています。これらの課題克服のため、当社と慶應義塾先端科学技術研究センターは、いかなる動力や
重いカウンターウエイト、そして油圧・空圧機器をも使用しない「自重補償機構」の開発を進め、バネ
の弾性力を応用した軽量かつシンプルな構造を内蔵したロボットアームの継続開発を行っております。
今般開発した試作機は、被搬送物の重量が変化した場合でもその重さに見合った自重補償ができる構造
となっており、回転軸を除く各軸にて搬送する重量物の自重補償を達成し、自身の腕部分の自重をも含
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め、より安全な自重補償を成立させています。
(2号機までの開発成果は開示済み)
ア)半導体検査装置向け工場 FA 化(自重補償機構)製品化と事業化
自重補償機構継続開発費用 30 百万円
工場 FA システム(検査装置向けマニピュレータ) 40 百万円
安全制御 IoT センサー開発と組み込み 20 百万円
遠隔制御システム 10 百万円
合計 100 百万円
(イ)半導体 IoT センサー分野では、幅広いマーケットへの応用が考えられるトータルソリューションを計画
しています。現在産学連携で、茨城大学と部分影補償機能(太陽光パネルの効率向上)一体型コンバータの開
発を終了しており、今後 IoT センサーを取り付けることによるモニタリングシステムの開発を行っており、
IoT センサー活用における成長分野開拓に向けた取り組みを行い、1年以内での事業化を目指します。また、
2018 年 10 月に、その技術の狙いの先進性を認められ、横浜市経済産業局からの「もの作り助成金」の対象に
選ばれたことに伴い、プロジェクトを加速、IoT センサーと通信部分を除き、2019 年3月にモニタリングソフ
トウエア(GUI)と共に、プロトタイプを完成させました。IoT センサー技術並びにデータサーバー(ビッグ
データ)ソフトウエア技術は、検査装置分野で必要とされる様々な方面へも幅広く、応用が可能であることか
ら、2019 年末までに「IoT センサー」(センサーによるセンシング」と「通信部分」
(データ転送に係る通信)
の改善を含む最終製品化に向けてプロジェクトを進めております。
また、富山大学とアナログ位相再構成技術に関する共同研究を行っており、当社で研究中の DA コンバータ
(デジタルメモリーに記録されているデジタル信号をアナログ信号に変換する技術)の技術と上記 IoT セン
サー技術を組み合わせることでより精度の高い信号の発生が可能となり、幅広い分野への応用が可能であると
ことから、新たなシーズ技術の開発を行っております。
このように、当社が有する基礎技術は、IoT センサーに不可欠となる信号の発生とセンシング(低周波から
超音波などの広帯域波形の発生とセンシング、加えてノイズ低減技術)等幅広い分野への応用が可能であるた
め、今後の検査装置及び IoT センサービジネスマーケットにおいて新たなシーズ技術の開発が重要な課題とな
ります。
イ)IoT センサーシステムの開発及び事業化とそのデータ通信及びサーバ構築、
低周波から超音波を利用した IoT センサー機器の開発と製品化
センサー情報収集データベース開発 10 百万円
IoT センサーの開発と応用 10 百万円
IoT モニタリングシステム製品化 20 百万円
次世代モニタリングシフトウエア開発 20 百万円
太陽光発電所パネルマッピング化技術開発 10 百万円
データセンター構築 30 百万円
振動型 IoT センサー開発 20 百万円
赤外型 IoT センサー開発 20 百万円
超音波超微細顕微鏡システムの研究 20 百万円
IoT センサーデータ収集解析ソフトおよびデータセンター 40 百万円
合計 200 百万円
④大阪事業所の今後の展開と拡充
当社は、2019 年3月に山田電音から音響関連機器及び半導体検査装置の開発・製造・販売、ROM 書込み事業
を譲り受けました。それぞれの事業分野で高い技術と営業部門を継承いたしましたので、開発中の検査装置の
開発力及び販売力を強化することができ、今後の既存事業の展開に有益であるとともに、当社グループの指向
する新規事業分野において、ハード・ソフトのトータルシステム設計製造技術にも活用できることから、高い
シナジー効果が見込まれます。また、山田電音から譲り受けた事業部門は、検査装置事業における組立工程に
おいて十分な技術力を有し、今後の新規事業推進に不可欠な設計力、組立て製造力をも備えた機動的な工場と
して、現在は当社大阪事業所として事業活動を継続しておりますが、中長期的な安定供給体制を構築するため
の環境整備及び最新設備への更新が急務となります。
さらに、今回の事業譲り受けにより、よりスピーディーで顧客満足度の高いサービスの提供ができるととも
9
に、コスト削減、品質管理及び海外からの大量受注の際の迅速な対応並びに納期の短縮などが見込まれます。
今後、開発ツール等の更新、人材育成及び増員など組織の拡充を行い、より機動的にかつ最新の環境で、既存
事業、新規事業における設計、開発そして組立て製造能力を強化するとともに、製造コストの削減、納期の短
縮と品質の向上を目指し、顧客満足度を上げることで受注増を図ってまいります。
ア)製造設備の入替え、SMT システム、リフロー、加工装置、太陽光発電設備の設置他 120 百万円
イ)開発ツール・システムの更新 50 百万円
ウ)募集教育費、人件費 10 百万円
エ)管理システム、大阪工場整備 20 百万円
合計 200 百万円
⑤その他運転資金
その他、上記①から④を継続的に推進し、かつ安定した経営を行うために、横浜本社、大阪事業所の当面の
運転資金として 780 百万円を見込んでおります。以下に内訳を記します。
増加運転資金(装置製造に係る仕入れ、製造に係る外注費用等) 290 百万円
販売費 (人件費、荷造運送費、広告宣伝費、募集教育費) 120 百万円
一般管理費 (試験研究費、地代家賃・賃借料、支払い手数料) 370 百万円
合計 780百万円
当社の業績は当社のメインマーケットを国内から台湾、中国へシフトした後の3年間でも継続的なマイナス計上を行って
おり、かつ業績が回復していない影響により、平成30年7月期連結会計年度における業績の状況は、売上高426,037千円、
営業損失290,609千円、親会社株主に帰属する当期純損失358,425千円となり、2019年7月第3四半期連結累計期間におけ
る当社業績は、2019年6月14日に公表した通り、依然赤字が続いており、売上高305,118千円、営業損失227,920千円、と
なりました。その上で、監査法人とも協議を行い将来にかかる大阪事業所の「のれん」の全額減損損失を決定、その結
果、親会社株主に帰属するし四半期純損失496,873千円を計上しております。
そのような状況から、依然として「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況」が存在しておりま
す。しかし、銀行からの借入、現在受注分の出荷による確実な売上利益等に代表される財務戦略の結果、向こう1年分の
運転資金は十分に確保していることから、
「継続企業の前提に関する重要な不確実性」は認められないとの当社判断に対し
監査法人から適正であるとの意見が出ています。しかし当社はこのような状況をサステナビリティ―の観点から、危機的
な状況であると強く認識し、打破、成長に向けて大きく舵を切るため、大胆な改革断行が必要であるとの観点から、今回
大規模増資を計画、今後、成長と株主の皆様への利益還元の好環境を強固なものとする施策を実行してまいります。
4.資金使途の合理性に関する考え方
今回の本第三者割当増資により調達する資金は、前記「3.
(2)調達する資金の具体的な使途」に記載
の使途に充当していくことで、当社の基幹業務の強化と成長戦略に基づく新事業分野での事業展開を通じ
た、収益機会の拡大を実現していくとともに、財務基盤の安定に資すると見込んでおります。
よって当該資金使途は、企業価値の向上を実現するためのものであり、売上及び利益を向上させるとと
もに、当社の安定した業績の拡大に寄与するものであり、合理的であると判断しております。
5.発行条件等の合理性
(1)払込金額の算定根拠及びその具体的内容
払込金額につきましては、本第三者割当増資にかかる取締役会決議日の直前営業日(2019 年7月 30 日。
以下、
「直前営業日」といいます。
)の株式会社東京証券取引所における当社普通株式の終値である 137 円
並びに直前営業日から1か月、3か月及び6か月をそれぞれ遡った期間の終値単純平均値(111 円、110
円及び 109 円)を参考としつつ、割当予定先である武漢精測との協議・交渉も踏まえ、一株当たり 130 円
に決定いたしました。
払込金額について、当社普通株式は上場されていることから、直前営業日の終値を原則として参考にす
べきところですが、直前営業日の終値に加えて、本第三者割当増資にかかる取締役会決議日の直前営業
日までの1か月間、3か月間及び6か月間の終値の平均値も参考としたのは、最近の当社株価の動向や
売買高、株式市況全般の動向も踏まえると、取締役会決議日の直前営業日の終値という特定の一時点の
10
株価のみを基準にするよりも、一定期間の平均株価という平準化した値を採用した方が算定根拠として
客観性が高く合理的なものであると考えられることによります。
なお、払込金額は、直前営業日の終値(137 円)に対し 5%のディスカウント、直前営業日から1か月
遡った期間の終値の単純平均値(111 円)に対し 17%のプレミアム、直前営業日から3か月遡った期間の
終値の単純平均値(110 円)に対し 18%のプレミアム、直前営業日から6か月遡った期間の終値の単純平
均値(109 円)に対し 19%のプレミアムを加えた金額となっております。これらのプレミアムについては、
武漢精測が当社の開発技術力及び製造能力を高く評価した結果の数値となります。
かかる払込金額につきましては、日本証券業協会の「第三者割当て増資の取扱いに関する指針」にも準
拠しております。
以上のことから、本第三者割当増資の払込金額は、適正かつ妥当な価額であり、割当予定先に特に有利
な条件で発行するものには該当しないと判断いたしました。また、当社は経営に関する実情を把握して
いる監査等委員会に対して、事前に今回の資金調達の内容及び資金調達を行う理由について可能な限り
詳細な説明を行いました。
以上の経緯を経て、発行決議日である 2019 年7月 31 日に監査等委員会より、
「次の各号に示す事項を
総合的に勘案した結果、本第三者割当増資は合理的であり、その必要性及び相当性は認められると判断
する。
」旨の意見を得ております。
① 当社を取り巻く経済環境及び事業環境を鑑みて、検査装置事業に関わる開発及び運転資金並びに新規
事業に係る研究開発資金の確保を資金調達の目的及び理由とする本第三者割当増資は、特段不合理な
ものではないと認められること
② 本第三者割当増資により調達する資金の使途及び支出予定時期に特段の問題はなく、調達金額との合
理性も認められること
③ 当社の財政状態を鑑みると現状の手元資金では、基幹業務の運転資金及び研究開発のためには十分と
いえず、外部から資金調達する必要性があること
④ 資金調達方法については、公募増資及び株主割当等のその他の調達手段と比較検討した上で決定して
おり、本第三者割当増資による資金調達を選択した判断に特に不合理な点は認められないこと
⑤ 本第三者割当増資による新株式の発行価額は、最近の当社株価の動向や売買高、株式市況全般の動向
も踏まえ、武漢精測との合意に基づき決定していること及び発行価額を含む発行条件並びにその算定
方法について不合理な点はなく適正であると認められることから有利発行には該当しないこと
なお、当社取締役会の判断と異なる社外取締役の意見はありません。
(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠
本第三者割当増資による募集株式の数は 20,000,000 株(議決権数 200,000 個)であり、2019 年7月 31
日現在の当社の発行済株式の総数 13,041,000 株(うち単元未満株 900 株、議決権 130,401 個)に対して
153.36%の割合(議決権における割合 153.37%)で希薄化が生じることになります。
しかしながら、当社は、前記「3.
(2)調達する資金の具体的な使途」に記載のとおり、当社にとって、
本第三者割当増資により、財務基盤の強化を図りつつ、これらの諸施策の実行に必要な資金を迅速かつ確
実に確保し、これにより、当社の業績拡大ひいては企業価値向上に寄与するものと考えております。かか
る企業価値の向上は、既存株主の皆様の利益保護につながるものと考えており、本第三者割当増資による
発行数量及び株式の希薄化の規模は合理的であると判断しております。
6.割当予定先の選定理由等
(1)割当予定先の概要
(1) 名 称 武漢精測電子集団股份有限公司(注)1
(2) 所 在 地 中華人民共和湖北省国武漢市洪山区書城路 48#(北港工業園)1棟 11 階
(3) 代表者の役職・氏名 董事長 彭騫
(4) フラットディスプレイ技術の研究開発;OLED ティスプレイ検査システ
事 業 内 容
ム、コンピュータコントロールシステムインテグレータ、オートメーショ
11
ン設備の研究開発、生産、販売及び技術サービス;太陽エネルギー、リチ
ウム電池及びその他新エネルギー検査システム、電源検査システムの研究
開発、生産、販売及び技術サービス;IC デザイン、半導体検査設備の研
究開発、生産、販売及び技術サービス;貨物及び技術の輸出入(中国にお
いて禁止又は制限された貨物及び技術の輸出入を除く)
;電子製品設計、
生産、販売。
(5) 資 本 金 2,633 百万円(2018 年 12 月 31 日現在)(注)4
(6) 設 立 年 月 日 2006 年4月 20 日
(7) 発 行 済 株 式 数 163,614,000 株(2018 年 12 月 31 日現在)
(8) 決 算 期 12 月
(9) 従 業 員 数 連結 1,711 名(2018 年 12 月 31 日現在)
(10) BOE、CEC-Panda Group(中国電子熊猫集団)
、CSOT(深圳市華星光電技術
主 要 取 引 先
有限公司)
、TIANMA(天馬微電子株式有限公司)
、AUO(友達光電)
(11) 招商銀行、民生銀行、華夏銀行、交通銀行、工商銀行、浙商銀行、興業銀
主 要 取 引 銀 行
行
彭騫 29.22%
(12) 大株主及び持株比率 陳凱 12.60%
(2017 年 12 月 31 日現在)
(13) 当事会社間の関係
当社と当該会社との間には、記載すべき資本関係はありません。また、当
資 本 関 係 社の関係者及び関係会社と当該会社の関係者及び関係会社との間には、特
筆すべき資本関係はありません。
当社と当該会社との間には、記載すべき人的関係はありません。また、当
人 的 関 係 社の関係者及び関係会社と当該会社の関係者及び関係会社との間には、特
筆すべき人的関係はありません。
2018 年 1 月に、当社が製造する半導体検査装置(LCD アレイ検査装置)の
取 引 関 係
販売代理店契約を締結しております。
関 連 当 事 者 へ の 当該会社は、当社の関連当事者には該当しません。また、当該会社の関係
該 当 状 況 者及び関係会社は、当社の関連当事者には該当しません。
(14) 最近3年間の経営成績及び財政状態
決算期 2016 年 12 月期(注)2 2017 年 12 月期(注)3 2018 年 12 月期(注)4
連 結 純 資 産 12,050 14,979 19,447
連 結 総 資 産 16,508 22,091 42,187
1株当たり連結純資産(円) 151 183 119
連 結 売 上 高 8,835 15,521 22,357
連 結 営 業 利 益 1,223 3,364 5,534
連 結 経 常 利 益 1,773 3,334 5,536
親会社株主に帰属する
1,664 2,893 4,649
当 期 純 利 益
1 株 当 た り 連 結
13 18 29
当 期 純 利 益 ( 円 )
1 株当たり配当金(円) 7 9 8
(単位:百万円)
(注)1.武漢精測は、深圳証券取引所の上場企業です。当社は、武漢精測が反社会的勢力とは一切関係がない
ことを確認しており、その旨の確認書を株式会社東京証券取引所に提出しています。また、当社は、
中国企業に関する信用調査に実績を有する第三者信用調査機関である株式会社トクチョー(代表者:
12
武藤 隆、本店所在地:東京都千代田区神田駿河台3-2-1)に対し、割当予定先である武漢精測が
反社会的勢力と関係するか否かの調査を依頼しましたが、公開情報を調査した結果、武漢精測と主要
株主である董事長および総経理に関して反社会的勢力との関連は見当たらなかった旨の報告を受けて
おります。また、武漢精測は中国深圳証券取引所に上場している状況企業であることおよび同社の投
資アドバイザーである天津梧桐樹投資管理有限公司からもそのような事実は認められないとの報告を
受けていることから、当社の把握する限りにおいて、割当先、当該割当先の役員又は主要株主と暴力
団等とは一切関係がないことを確認しております。
2.上記円換算は、2016 年 12 月末の中国人民銀行の為替レート(TTB)1人民元=16.86 円にて換算してお
ります。
3.上記円換算は、2017 年 12 月末の中国人民銀行の為替レート(TTB)1人民元=17.34 円にて換算してお
ります。
4.上記円換算は、2018 年 12 月末の中国人民銀行の為替レート(TTB)1人民元=16.09 円にて換算してお
ります。
(2)割当予定先を選定した理由
当社は、早期黒字化に向けた既存事業の建て直しと、新規事業等による業容拡大が必要不可欠であり、
特に、前記「3.(2)調達する資金の具体的な使途」記載の諸施策を推進するための資金を早期かつ機
動的に調達する方法を模索してまいりましたが、国内における資金調達規模には限界があり、広く海外に
その調達先を求めて調査を実施しておりました。かかる調査を行う中、2017年10月より表示検査を主業と
する武漢精測(中国湖北省武漢市に拠点を置く)と交渉を開始し、2018年1月に、武漢精測からの要請を
受け、LCDアレイ検査装置を主体とする販売代理店契約を締結いたしました。しかしながら、同装置の販売
ビジネスの受注には進展せず、2018年10月より武漢精測と中国における半導体検査装置市場攻略に関する
協議を始めるに至りました。その後の交渉の過程で、スマートフォン等に代表される情報端末などのLCD/
有機EL等の半導体検査装置市場の大きな伸びが期待できることが判明したため 、当社として同市場に参入
する意向を持ち、相談、協議を続けたところ、2019年1月に武漢精測からの出資提案があり、検討を重ね
た結果、武漢精測側においてもビジュアル検査装置に加え、メイドインジャパンの半導体検査装置の販売
を希望しており、利害が一致するとの双方の認識から、2019年3月に武漢精測からの出資を最終的に受け
入れる方向となりました。
(3)割当予定先の保有方針
当社は、武漢精測が本第三者割当増資により割当てを受ける当社普通株式については、企業価値向上に
向けて、中長期的に継続保有する予定である旨を口頭で確認しております。また、武漢精測と当社の間で
2019年7月31日付で本件資本提携契約を締結しており、武漢精測が本第三者割当増資により割当てを受け
る当社普通株式について、本件株式取得後3年間、当社の書面による事前の承諾なくして、第三者に対して
本件株式の全部又は一部の譲渡、担保設定その他の一切の処分を行わないことについて合意しておりま
す。詳細は、後記「Ⅱ.資本提携」記載のとおりであります。なお、当社は、武漢精測より、本第三者割
当増資に基づく払込みがなされた日から2年以内に当社普通株式の全部又は一部を譲渡した場合には、そ
の内容を当社に報告すること、並びに当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること及び
当該報告内容が公衆縦覧に供されることに同意することを内容とする確約書を受領する予定であります。
(4)割当予定先の払込みに要する財産の存在について確認した内容
当社は、武漢精測の払込みに要する財産の存在について、武漢精測より 2019 年7月 11 日時点の中国招商
銀行の預金残高証明書の写しを受領し、現在の武漢精測の預金残高について確認を行っており、当該預金
残高が本第三者割当増資に係る払込みに必要な金額を上回っていることを確認しております。
7.募集後の大株主及び持株比率
13
募集前(2019 年1月 31 日現在) 募集後
奈良彰治 6.33% 武漢精測電子集団股份有限公司 60.53%
PHILLIP SECURITIES (HONG KONG) 3.01% 奈良彰治 2.50%
渡邉薫 2.83% PHILLIP SECURITIES (HONG KONG) 1.19%
J.P.Morgan Securities plc 2.51% 渡邉薫 1.12%
松井証券株式会社 1.81% J.P.Morgan Securities plc 1.00%
日本証券金融株式会社 1.41% 松井証券株式会社 0.71%
株式会社 SBI 証券 1.32% 日本証券金融株式会社 0.56%
阿部裕 1.18% 株式会社 SBI 証券 0.52%
株式会社ライブスター証券 1.18% 阿部裕 0.47%
エイシャント・ウエルフェア合同会社 1.05% 株式会社ライブスター証券 0.47%
(注)募集後の持株比率については、2019 年1月 31 日現在の普通株式の株主名簿を基準として、本第三者割
当増資による異動を反映しております。
8.今後の見通し
今回の資金調達による 2019 年7月期の当社業績に与える影響はございません。また、2020 年7月期の当
社業績に与える影響については、今後精査していく予定でありますが、当社は、今回の資金調達により、
新たな収益の柱を構築するための成長戦略を推進し、事業領域を拡大することが、経営の安定及び当社の
企業価値の向上につながり、ひいては既存の株主の皆様の利益にもつながるものと考えております。
9.企業行動規範上の手続きに関する事項
本第三者割当増資による資金調達は希薄化率が 153.36%の割合(議決権における割合 153.37%)となり、
25%以上であることから、株式会社東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」第 432 条に規定される
「経営者から一定程度の独立した者による当該割当ての必要性及び相当性に関する意見の入手」又は「当該
割当てに係る株主総会の決議などによる株主の意思確認」のいずれかの手続を得る必要があります。なお、
本第三者割当増資による決済が行われた場合には、当社の総株主の議決権に対する武漢精測の議決権所有割
合が 60%以上となるため、会社法第 206 条の 2 に規定する特定引受人となり、武漢精測は、新たに当社の
親会社及び主要株主である筆頭株主に該当することとなります。
今回の資金調達につきましては、当社及び当社の経営者から独立した者からの意見の聴取のため、当社及
び武漢精測と利害関係のない独立した者として、伊達雄介氏(弁護士、新千代田総合法律事務所)
、金田一
広幸氏(公認会計士・税理士、金田一会計事務所代表者)及び当社社外取締役・監査等委員である大山亨氏
を選定し、当該3名を構成員とする第三者委員会(委員長大山亨氏、以下、
「本第三者委員会」といいます。
)
に対し、本第三者割当増資に関して、その必要性及び相当性について意見を求めました。なお、外部有識者
の2名につきましては、当社のリーガル・アドバイザーと協議の上で、弁護士又は公認会計士・税理士とし
て、同種の案件等における豊富な実績及び知見に基づく適切な意見を得ることができると考え、それぞれ起
用したものであります。
(本第三者委員会の意見の概要)
2019年7月31日開催の取締役会において、本第三者委員会からは、本第三者割当増資に関して概要以下
の意見が示されております。
Ⅰ. 本第三者割当増資の必要性
対象会社の現況は、国内の半導体業界の凋落により厳しい経済環境及び事業環境が続き、業績の低迷
による連続赤字と財務内容の悪化により、経営状態は厳しい状況にある。現在対象会社には「継続企業
の前提に重要な不確実性」は認められないものの、依然として「継続企業の前提に疑義を生じさせるよ
うな事象又は状況」が存在しており、このような状況を打破するための新たな事業資金の必要性が最重
要課題としてある。
14
しかしながら、対象会社の既存業務である半導体検査装置事業においては、装置需要の集中する東南
アジア圏、主に台湾中国の顧客に対してこれまでにまとまった装置売上を上げてきており、今後も顧客
の技術的要求に応え検査の高速化等の機能向上に向け研究開発を継続することにより、更なる追加受注
を獲得できることが予想される状況であることから、同分野の事業を伸ばす戦略を立てることが業績回
復にとって最も重要と考える。加えて、対象会社においては前回のエクイティ・ファイナンス資金で取
組みを始めた、新たな収益の柱を構築するための成長戦略として事業の多角化を行うことが喫緊の課題
であり、その上で対象会社の財政状態を鑑みると現状の手元資金では、上記の既存業務の研究開発等に
係る必要な資金や、海外マーケットへ積極的にアプローチするための資金、さらには成長戦略に基づい
た新規事業展開のための必要資金が確保されておらず、対象会社には明らかに資金調達の必要性が認め
られる。
さらに、東南アジア圏、特に台湾、中国本土への進出と当該地域での新規顧客の獲得、及び対象会社
の既存事業の製造基盤と新規事業の開発強化の重要拠点となる大阪事業所(対象会社が2019年3月に旧
山田電音株式会社から事業譲受した事業・設備等)への設備投資、という事業戦略を推進する計画を立
てているが、そのためにも資金調達の緊急性は高いものと認められる。
Ⅱ.資金調達手法の妥当性
1. 資金調達手法については、公募増資や、株主割当増資、新株予約権の発行の手法も考えられる。
しかしながら、ここ数年の売上高の低迷及び赤字が続く中で、対象会社が単独で広く多数の出資者
を募り、必要十分な金額を調達することは容易ではなく、相当な時間を要すると考えられるため、
かかる手法の実効性は低いと考えられる。また、借入や社債による資金調達も考えられるが、赤字
が続いている対象会社にあっては、借入等による資金調達は不可能であること、また返済を伴う資
金調達は、収益回収が可能となるまでに時間を要する開発資金や、商慣習の違いから売掛金の回収
に時間を要する海外マーケットへの展開には不向きであることなどから、収益の回収までに耐え得
る資本の増強、財務基盤の拡充という目的には見合わないことから妥当ではない。以上の手法に照
らし合わせて比較した場合、本第三者割当増資による資金調達の相当性が認められる。
なお、本来ならば株主総会を招集して、株主にその信を問うのが原則であると考えるが、資金調
達の緊急性から当該手続きにかかる期間、およびかかるコストを鑑みると第三者委員会による意見
の入手によってファイナンスを実行する妥当性が認められる。
2.増資による調達金額の妥当性(資金使途の合理性)
対象会社によるその資金使途は明確であるといえる。メインマーケットとする台湾・中国向け次世代
検査装置の開発、中国国内への工場設立及び運用を計画しており、さらに製造組立てにおける大阪事
業所の整備及び設備更新を行う等、従来とは異なる対象会社の取組みを計画している。経営陣へのヒ
アリングによれば、新規事業への取組みとして、2017年から進めている複数の産学連携を交えた研究
開発を継続することで一部はすでに製品化、事業化に向けた段階に入っていることを確認した。運転
資金に関する項目では、増加傾向にある中国、台湾からの受注、今後予定される大口受注に対応する
部材の仕入れ資金として、「増加運転資金」を見込んでおり、またそれに伴う人件費などを含む「販
管費」および「一般管理費等」の増加に「増資資金」の一部を充当することで、収益が安定するまで
の期間、経営を維持させる目的で計画されており、全体を通して過度の出資を受けるものではないと
評価することができる。
Ⅲ.発行条件の相当性
本第三者割当増資における新株の発行価格については、本第三者割当増資に係る取締役会
決議日の直前営業日の終値(137円)に対し5%のディスカウント、直前営業日から1か月遡った期間の
終値の単純平均値(111円)に対し17%のプレミアム、直前営業日から3か月遡った期間の終値の単純
平均値(110円)に対し18%のプレミアム、直前営業日から6か月遡った期間の終値の単純平均値
(109円)に対し19%のプレミアムを加えた金額となっている。かかる発行価格については、日本証券
業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」にも準拠しており、本第三者割当増資の発行価格
は、適正かつ妥当な価額であると判断できるものである。
15
Ⅳ.割当予定先の相当性
対象会社は、早期黒字化に向けた既存事業の建て直しと、新規事業等による業容拡大が必要不可欠で
あり、そのための資金を早期かつ機動的に調達する方法を模索しきたとのことである。その過程にお
いて、対象会社は中国への販路を求め、対象会社製品を取り扱う代理店開拓において武漢精測とコン
タクトし、武漢精測と代理店契約を結ぶに至った。その後、度重なる交渉の結果、武漢精測からの出
資の提案があり、対象会社は検討を重ねた結果、武漢精測から出資を受け入れる方向とのことであ
る。
武漢精測は、中国深圳証券取引所に上場する企業であり、業容も順調に拡大している。また、事業内
容から対象会社との親和性は高く、また、対象会社の優良顧客になり得る半導体関連企業の顧客も多
数抱えている。加えて対象会社の中国内の販売代理店として対象会社の業容拡大に大きく貢献してく
れるものと想定することができる。
対象会社は、武漢精測が反社会的勢力とは一切関係がないことを確認しており、その旨の確認書を株
式会社東京証券取引所に提出している。また、対象会社は、中国企業に関する信用調査に実績を有する
第三者信用調査機関である株式会社トクチョー(代表者:武藤 隆、本店所在地:東京都千代田区神田
駿河台3-2-1)に対し、割当予定先である武漢精測があらゆる不法組織と関係するか否かの調査を依頼
し、公開情報を調査した結果、武漢精測に関してあらゆる不法組織との関連は見当たらなかったとの報
告を受けている。
また、対象会社は武漢精測との間で、2019年7月31日付で資本提携契約(以下「本件資本提携契約」
という。)を締結しているが、本件資本提携契約によれば、本第三者割当増資で引き受ける株式取得後
の対象会社の経営体制等に関して、以下に定める事項に同意し、この内容を遵守するとしており、武漢
精測は対象会社の経営権に関し支配するものではないことを確認することができる。
以上より、「出資者による株式取得後の発行会社の経営体制等」に関して定めた事項について、対象
会社へ特段の不利益を与えるものではないと判断できることおよび漢精測は、半導体またはディスプ
レイ等のビジュアル検査装置のメーカーであり、対象会社は半導体検査装置メーカーであることから
両社の顧客は同一であり、かつ競業する分野はなく、両社が相互に協力する関係を構築することがで
きることから、本件第三者割当ての割当先として相当であると認められる。
Ⅴ.既存株主への影響について
本第三者割当増資は、既存株主の持ち株比率および議決権比率に 153.36%の希薄化率を生じるもの
の、武漢精測との間で資本提携を行うことおよび武漢精測が本第三者割当増資により割当てを受ける対
象会社普通株式については、中長期的に継続保有する予定である旨を口頭で確認している。このように
武漢精測が安定株主として中長期的な視点において対象会社との協業体制を資本面および資金面から支
援することを考えると、本第三者割り当てが対象会社の企業価値および株主価値の向上につながる蓋然
性は非常に高いと思われ、対象会社の株主にとっては、希薄化を上回る効果があると評価できる。
Ⅵ.結論
以上のような点を踏まえ、第三者委員会として慎重に検討した結果、本第三者割当増資は事業拡大の
ために必要な資金を確保しつつ、対象会社の財務状態を改善させることが可能であり、対象会社全体で
の売上高および利益の向上ならびに財務体質の安定化につながることから、中長期的に企業価値の向上
による既存株主の利益拡大が図られる見込みが認められるという対象会社の説明に不合理な点は見当た
らず、調達予定の金額規模やその使途および、支出時期の予定に関する対象会社の説明に照らしても合
理性のある内容と考えられ、本第三者割当増資による資金調達は、対象会社にとって相当性及び必要性
があると認められる。
10.最近3年間の業績及びエクイティ・ファイナンスの状況
(1)最近3年間の業績
2016 年 7 月期 2017 年 7 月期 2018 年7月期
連 結 売 上 高 213 百万円 229 百万円 426 百万円
連 結 営 業 利 益 △213 百万円 △186 百万円 △290 百万円
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連 結 経 常 利 益 △222 百万円 △183 百万円 △285 百万円
親会社株主に帰属する連結当期
純 利 益 △226 百万円 △205 百万円 △358 百万円
1株当たり連結当期純利益 △34.80 円 △18.46 円 △27.48 円
1 株 当 た り 配 当 金 - - -
1 株 当 た り 連 結 純 資 産 85.87 円 86.71 円 58.34 円
(注) 第 24 期連結会計年度(2017 年7月期)より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については
単体の決算を記載しております。
(2)最近の株価の状況
① 最近3年間の状況
2016 年7月期 2017 年7月期 2018 年7月期
始 値 267 150 171
高 値 324 293 201
安 値 111 126 142
終 値 153 166 148
② 最近6か月間の状況
1月 2月 3月 4月 5月 6月
始 値 89 103 109 120 113 100
高 値 132 119 154 128 129 154
安 値 88 97 106 112 96 99
終 値 101 109 120 113 102 111
③ 発行決議日前営業日における株価
2019 年7月 30 日
始 値 148 円
高 値 152 円
安 値 135 円
終 値 137 円
(3)最近3年間のエクイティ・ファイナンスの状況
①第三者割当による第6回新株予約権の発行
(1) 割 当 日 2016年7月4日
(2) 発行新株予約権数 32,610個
(3) 発 行 価 額 5,184,990円(本新株予約権1個当たり159円)
発 行 時 に お け る 調 達 399,765,990円(差引手取概算額 396,265,990円)
(4) 予 定 の 資 金 の 額 (内訳) 新株予約権発行分 5,184,990円
新株予約権行使分 394,581,000円
( 差 引 手 取 概 算 額 )
(5) 割 当 先 Oakキャピタル株式会社
(6) 募集時における発行済株式数 7,429,400株
(7) 当 該 募 集 に よ る 3,350,600株(本新株予約権1個につき100株)
潜 在 株 式 数
(8) 現時点における行使状況 32,610 個全ての新株予約権が行使済みです。
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現時点における調達した
(9) 資 金 の 額 ( 差 引 手 取 概 算 396百万円
額 )
(10) 発 行 時 にお 成長戦略推進に係る事業資金
ける当初の資金使途 M&A等の資金 (第6回新株予約権) 396百万円
(10) 現時点における充当状況 第6回本新株予約権の発行にて取得したM&A資金約396百万円を積極
的にシナジーの高い事業会社のM&Aや資本・業務提携を実施する
方針に沿って、以下の資金使途に充当しています。詳細は2019年7
月30日開示の「資金使途の変更のお知らせ」をご覧ください。
1)オランジュ株式会社
M&A資金 156百万円
2)山田電音株式会社
事業譲受 240百万円
②第三者割当による第7回新株予約権の発行
(1) 割 当 日 2016年7月26日
(2) 発 行 新 株 予 約 権 数 33,506個
(3) 発 行 価 額 5,260,442円(本新株予約権1個当たり157円)
発 行 時 に お け る 調 達 410,683,042円(差引手取概算額 406,983,042円)
(4) 予 定 の 資 金 の 額 (内訳) 新株予約権発行分 5,260,442円
新株予約権行使分 405,422,600円
( 差 引 手 取 概 算 額 )
(5) 割 当 先 Oakキャピタル株式会社
(6) 募 集 時 に お け る 発 行 済 株 式数 9,690,400株
(7) 当 該 募 集 に よ る 3,350,600株(本新株予約権1個につき100株)
潜 在 株 式 数
(8) 現時点における行使状況 33,506個全ての新株予約権が行使済みです。
(9) 現時点における調達した資 406百万円
金の額(差引手取概算額)
(10) 発行時における当初の資金使途 成長戦略推進に係る事業資金
M&A等の資金 (第7回新株予約権) 376百万円
マーケティング費用等(第7回新株予約権) 30百万円
(11) 現時点における充当状況 第7回本新株予約権の発行にて取得したM&A資金約376百万円、マー
ケティング資金30百万円を、積極的にシナジーの高い事業会社のM
&Aや資本・業務提携を実施する方針に沿って、以下の資金使途に
充当しています。詳細は2019年7月30日開示の「資金使途の変更の
お知らせ」をご覧ください。
1)オランジュ株式会社
運転資金 24百万円
2)山田電音株式会社
事業譲受 119百万円
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運転資金 55百万円
3)産学連携慶応大学
自重補償機構の開発費用 14百万円
4)産学連携茨城大学
太陽光パネル部分影補償コンバータ開発費用 42百万円
5)オーディオ機器事業 28百万円
6)その他産学連携 8百万円
‐産学連携富山大学
デジタルアナログ位相制御研究開発費用
‐産学連携大阪大学
信号波形の低ノイズ化研究開発費用
7)新規事業マーケティング調査費用 25百万円
(12) 現時点における支出未了額 1)M&A等の資金(第7回新株予約権) 86百万円
2)マーケティング費用等(第7回新株予約権) 5百万円
本、支出未了額につきましては、2019年12月末までに進行中の案件に
充当する計画です。
11.発行要項
別紙「発行要項」をご参照ください。
Ⅱ.資本提携
前記Ⅰ.記載の第三者割当増資を行うにあたり、当社(以下、
「発行会社」といいます。
)は、割当予定先で
ある武漢精測(以下、
「出資者」といいます。
)との間で、本件資本提携契約を締結いたしました。本件資本提
携契約では、本第三者割当増資実施後の当社の経営体制等に関し、概要を以下に定めております。
(出資者による株式取得後の対象会社の経営体制等)
1.出資者は、本第三者割当増資で引き受ける株式(以下「本件株式」といいます。
)取得後の当社の経営体
制等に関して、以下に定める事項に同意し、この内容を遵守する。
(1)法令遵守及びコンプライアンス経営
出資者は、会社法、金融証券取引法、外国為替及び外国貿易法その他の日本の法律、政令、省令、規
則、ガイドライン、東京証券取引所の諸規則及びガイドラインを遵守することと、発行会社は上場企業
として出資者以外にも多数の株主が存在することから、これら株主に対しても十分な配慮をもって経営
を行い、株主全体の利益向上を図る必要があることを十分理解の上、この内容に抵触する提案又は要請
を行わないこと
(2)上場維持
出資者は、発行会社が東京証券取引所における上場を維持する方針であることを了解の上、上場廃止
基準に抵触し又は抵触し得る行為(発行会社と出資者の合併その他組織再編行為を含むが、これらに限
られない。
)を自ら行わず、かつ発行会社に対して要請しないこと
(3)事業内容及び資金使途
出資者は、本件株式取得後、発行会社が株主その他一般投資家に東京証券取引所規則に基づき開示し
た適時開示資料に定める事業内容及び資金使途に沿って経営を行うことに関し、これに矛盾又は抵触す
る行為を自ら行わず、かつ発行会社に対して要請しないこと
(4)株式の買い増しの制限
19
出資者は、市場内取引、市場外取引など取引の形態に関わらず、発行会社の株式を追加で取得しないこ
とその他当社が東京証券取引所規則における株式に関連する上場維持要件に抵触する結果を将来する行
為を自ら又は第三者を介して行わないこと
(5)役員体制
出資者は、本件株式取得後の発行会社は役員体制に関して、以下の取扱いとすることに同意する。
① 発行会社の役員(監査等委員である取締役以外の取締役、及び、監査等委員である取締役を総称し
ていう。
)の選任は、発行会社において毎事業年度末日から3か月以内に開催される定時株主総会にお
いてのみ行うものとし、出資者は、役員選任のための臨時株主総会開催を発行会社に対して要求しな
いこと
② 出資者は、本件株式取得後、最初に開催される定時株主総会及びその後に開催される3事業年度に
関する定時株主総会において、本資本提携契約締結日現在における当社の役員(本資本提携契約締結
日現在の発行会社の代表取締役が別途指名する者を含む。以下、かかる役員及び発行会社の代表取締
役が別途指名する者を総称して「現経営陣」という。
)を発行会社の役員に選任するものとし、当該役
員の選任議案に賛成の議決権を行使すること
③ 出資者は、現経営陣の各任期中の現経営陣の解任を求めないこと。ただし、当該各役員が会社法その
他法令に関して重大な違反行為を行った場合を除く
④ 発行会社の代表取締役は、現経営陣から選定するものとし、出資者が発行会社に派遣する役員は代
表取締役に就任しないこと
⑤ 出資者が発行会社に派遣する役員(以下「派遣役員」という。
)は、監査等委員である取締役以外の
取締役(非常勤)2名以内に限る。なお、本件株式取得後最初に開催される発行会社の定時株主総会
において選任する派遣役員は、彭騫氏及び陳凱氏の2名とすること
⑥ 派遣役員を変更する場合には、事前に、発行会社に対して候補者の氏名、経歴等を開示すると共に、
候補者と現経営陣との面談の機会を設けた上で、現経営陣が同意した場合に限り変更可能とすること
⑦ 派遣役員の役員報酬額は、発行会社の非常勤取締役に報酬を支給していなかったことに鑑み、無報酬
とすること
⑧ 本資本提携契約締結日現在における現経営陣の役員報酬額その他待遇について、上記②に定める事
業年度中は維持すること
(6)従業員の雇用
出資者は、本件株式取得後3年間、発行会社に対し、発行会社の従業員の解雇、賃金減額その他労働
条件の不利益な変更を求めないこと。但し、非違行為等により懲戒処分の対象となった従業員の労働条
件を、出資者の就業規則に従って不利益に変更する場合は除くこと
(7)商号及び商標
出資者は、本件株式取得後、当社に対し、当社の商号及び当社が使用する商標の変更を求めないこと
(8)出資者による本件株式の譲渡禁止
出資者武漢精測は、本件株式取得後 3 年間、当社の書面による事前の承諾なくして、第三者に対して本
件株式の全部又は一部の譲渡、担保設定その他の一切の処分を行わないこと
なお、本件資本提携契約書本文中には違約条項を設けております。概要は以下のとおりです。
(本件資本提携契約から違約条項の抜粋)
(補償)
1 発行会社及び出資者は、本契約に基づく義務の不履行又は表明保証の違反に起因又は関連して、
他の当事者が損害、損失(合理的な弁護士費用を含むものとし、以下「損害等」という。
)を被った
場合、当該損害等を賠償又は補償する。
2 前項の規定にかかわらず、出資者が第 16 条第 1 項各号に定める事由に該当し発行会社が本契約を
解除した場合、発行会社は出資者に対し、本契約が解除された日の翌日から起算して①5 年間、日本
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以外において WTS-577LCD ドライバー検査装置及びその後継機として発行会社が開発した検査装置を
製造することができる独占的権利、及び、②2 年間、発行会社の製品に関する中国国内(但し、台湾
は含まれない。
)での独占的販売代理権を付与するものとし、出資者は発行会社に対し、これらの対
価として、本契約が解除された日の翌日から起算して 28 日以内に発行会社が別途指定する銀行口座
に日本円で振込送金を行う方法により金 4 億 8000 万円を支払う。なお、振込送金に要する費用は出
資者の負担とする。
(2の趣旨の説明)
発行会社は中国をはじめとする半導体工場の新設、増加が見込まれる「東南アジア地域にマーケッ
トを広げることが本来の目的」です。本件投資契約において、出資者が投資を行えないことが明白に
なった場合、発行会社は中国における販売総代理店である出資者に販売のみならず、検査装置製造
(組立て)を委託することを想定しています。具体的には発行会社は、出資者に部材を支給し、製品
の組立のみを委託します。製品の所有権は発行会社に帰属し、出資者は製品を発行会社から受取り、
製品の販売を受託します。
Ⅲ.親会社及び主要株主である筆頭株主の異動
1.異動が生じる経緯
前記Ⅰ.記載のとおり、武漢精測を割当先とする第三者割当増資による新株式の発行により、武漢精測は、
当社の議決権の 60.53%を保有することになるため、新たに当社の親会社かつ主要株主である筆頭株主に該当
することになります。
2.異動する株主の概要
本第三者割当増資により当社の親会社及び主要株主である筆頭株主となる武漢精測の概要は、前記「Ⅰ.6.
(1)割当予定先の概要」に記載のとおりであります。
3.異動前後における武漢精測の所有する議決権の数及び議決権所有割合
議決権の数(議決権所有割合)
属性 大株主順位
直接所有分 合算対象分 合計
異動前
― ― ― ― ―
(2019 年 1 月 31 日現在)
親会社及び主要株 200,000 個 200,000 個
異動後 ― 第1位
主である筆頭株主 (60.53%) (60.53%)
(注)1.総株主の議決権の数に対する割合は、2019 年 月31日 在 議 権 数
1 現 の 決 総 130,401個を基準として計算しておりま
す。
2.総株主の議決権の数に対する割合については、小数点第三位を切り捨てて表示しております。
4.開示対象となる非上場の親会社等の変更の有無等
本第三者割当増資により、武漢精測が非上場の親会社となりますが、武漢精測は中国深圳取引所に上場して
おり、当社の非上場の親会社等として開示対象とはなりません。
5.異動予定日
2019 年8月 16 日から 2019 年 10 月 31 日までの間に異動が生じる予定です。
6.今後の見通し
前記「Ⅰ.6.
(3)割当予定先の保有方針」に記載のとおりです。
21
以上
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別紙 発行要項
1.株式の種類及び数 普通株式 20,000,000 株
2.払込金額 1株当たり金 130 円
3.払込金額の総額 金 2,600,000,000 円
4.払込期間 2019 年8月 16 日から 2019 年 10 月 31 日
5.増加する資本金の額 金 1,300,000,000 円
6.増加する資本準備金の額 金 1,300,000,000 円
7.募集の方法 第三者割当の方法により、以下のとおり割り当てる。
武漢精測電子集団股份有限公司 20,000,000 株
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