6675 サクサ 2020-11-16 15:00:00
再発防止策の策定について [pdf]
2020 年 11 ⽉ 16 ⽇
各 位
会 社 名 サクサホールディングス株式会社
代表者名 代表取締役社⻑ 丸井 武⼠
(コード番号 6675 東証第1部)
問合せ先 CSR 統括室⻑ 和島 準
(TEL.03-5791-5511)
再発防⽌策の策定について
当社は、10⽉7⽇付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」において公表いたしま
したとおり、特別調査委員会からの 19 項⽬に亘る再発防⽌策の提⾔を真摯に受け⽌め、具体的な
再発防⽌策の策定について検討してまいりました。
当社は、当社における⼀連の不正あるいは不適切な会計処理等の問題(以下「本件事案」といいます。
)
の原因について①ガバナンス体制が不⼗分かつ実効性がなかったこと、②コンプライアンス意識が
低かったこと、③会計リテラシーが⽋如していたこと、④内部監査報告プロセスに不⼗分な点が認め
られたこと、
⑤内部通報制度が機能していなかったこと、
⑥⼈事ローテーションが不⾜していたこと、
⑦率直にモノが⾔える職場環境になっていなかったこと、以上の7項⽬を認識し、本⽇開催の取締役会
において、下記のとおり再発防⽌策について、決議いたしましたのでお知らせいたします。
今後、
速やかに再発防⽌策を実⾏することにより、
皆さまからの信頼回復に努めてまいりますので、
何卒ご理解とご⽀援を賜りますようお願い申しあげます。
記
1.再発防⽌策の内容
(1)ガバナンス体制の再構築
① 再発防⽌のための検討体制
次の3つの項⽬に対する検討体制(タスクフォース)を構築し、運営しています。
ア.経営体制強化(当社・当社グループ⼦会社の経営体制の刷新、当社グループ会社の再編)
イ.内部統制システム再構築(監督・モニタリング機能の強化)
ウ.経営改⾰(事業⾯)および中期経営計画の策定
② ガバナンス上の原因と対応策
本件事案におけるガバナンス上の原因とその対応策は次のとおりです。
ア.原因
(ア)当社および当社グループ⼦会社の経営陣が経営数値に対する不適切な判断を⾏ったこと
(イ)当社からの売上および業績に対する圧⼒ならびに不当な指⽰や判断が、当社グループ⼦会社
の企画部⾨および経理部⾨の役職員へ伝播し、無批判に受け⼊れてしまう体制になっていた
こと
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(ウ)監査室管掌取締役であった者が複数の当社グループ⼦会社の管掌取締役であったこと
(エ)コンプライアンス意識が低く、会計リテラシー、各種の会計ルールの理解不⾜により、
会社の真実の姿を覆い隠そうとする各種不正が⾏われたこと
(オ)監査室は当企業グループの不正の疑義を発⾒したが、それを管掌取締役に遠慮し、代表
取締役および監査役に対して報告を要する「指摘事項」ではなく、報告を要しない「懸念事項」
にとどめたこと
(カ)執⾏部⾨のコンプライアンス意識が乏しく、社内取締役相互間の監視監督が脆弱だったこと
(キ)取締役会審議の前提となる体制の不備、情報の不⾜、事前の検討時間の不⾜
イ.ガバナンス上の対応策
(ア)取締役会の運営改⾰と取締役会の監督機能の強化
常勤取締役の⼈数を⾒直し、社外取締役と同等数にすることにより、社内および社外取締
役の間で相互牽制(チェックアンドバランス)を効かせる体制とします。また、取締役会に
上程する議題を、タスクフォース会合において、社内社外取締役および監査役が事前に⼗
分な情報共有を⾏い、協議します。
(イ)管理部⾨の適正化、経理部⾨の再編・強化
財務戦略担当取締役を外部からの登⽤し、管理担当取締役と分離します。
また、外部専⾨家(会計アドバイザリー)を活⽤して適切な判断ができる体制とし、経理
業務の⼀部に他社シェアードサービスを採⽤します。
正確な会計基準を理解させるため、次の教育を実施します。
〇経理要員としてのモラルの再徹底
・社内の不正を容認しない ・法令に抵触することを拒む ・警告の発信
〇経理要員としての不適切な会計処理の理解
・不適切な会計処理(不正・誤謬)の中⾝の理解
〇社内ルールの理解
・グループ共通ルール(経理規程、収益認識基準、⾒積もり会計に係る各ガイドライン)
の理解・定着・教育
(ウ)グループ内部統制室の設置
グループ内部統制室を設置し、外部⼈材を責任者に登⽤することで、コンプライアンス
遵守を徹底させ、業務執⾏部⾨による内部統制機能を強化します。
何が正しいことか、真っ当なことかを判断できる知識の習得、役員および従業員がルール
を遵守するというコンプライアンスの再認識(階層ごと、職種別)
、会計リテラシーの向上、
外国公務員贈賄防⽌策の教育などに取り組みます。
(エ)決算・財務報告プロセスおよび業務プロセスの改善(ルール化と可視化)
決算・財務報告プロセスおよび各種業務プロセスにおいて不適切な対応が散⾒された
ことから、経営状況を可視化するため、当社グループ⼦会社主体の予算計画ごとの施策を
策定し、進捗管理を徹底します。
また、ソフトウェアの会計処理に関するルール、販売プロセスにおける売上計上のルール、
修理取引に関するルール等を⾒直します。これらの⾒直しとその他の施策により、財務報告
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に係る内部統制報告制度の全社レベル統制を再構築します。
(オ)内部監査の強化と監査体制の強化
監査役、会計監査⼈および内部監査部⾨(監査室)の連携を強化し、監査機能を強化します。
監査室が、不正の疑義を代表取締役および監査役に対して報告しなかったなどの機能不全
が認められたため、内部監査の組織体制、規程、要員を⾒直します。
〇監査室を代表取締役社⻑直轄組織へ変更
監査室を代表取締役社⻑の直轄とし、経営者不正に対する内部監査の独⽴性と客観性を
確保します。監査室⻑の⼈事は監査役との協議事項とします。
〇内部監査規程の⾒直し
運⽤上の取扱いとしていた内部監査における発⾒事項の区分、報告先、報告対象を「内部
監査規程」に明⽂化し、経営者による隠蔽防⽌のため、監査報告書を代表取締役社⻑への報
告前に監査役へ提出します。
〇要員の強化
経理業務経験者を含め増員し、公認内部監査⼈または公認不正検査⼠の有資格者等を採⽤
します。また、既存要員の強化として、内部監査のスキルアップ、資格取得への取組みを推奨
していきます。
〇監査役、会計監査⼈への報告、連携強化
監査室⻑は、内部監査結果を監査役および会計監査⼈に報告します。会計監査⼈から監査
役会への四半期レビュー、期末監査報告、財務報告に係る内部統制監査の打合せに監査役
が同席します。
(2)グループ経営体制の強化
① 当社と当社グループ⼦会社との関係性の再構築
当社と当社グループ⼦会社との間で、適切な独⽴性と対等性を有する関係性を再構築するため、
いくつかの策を実施します。当社グループ⼦会社の事業計画を協議する場を設けること、当企業
グループ各社に内部統制管掌取締役をおくこと、当社グループ⼦会社が⾃社の内部統制システム
を構築し⾃主点検して、当社は当社グループ会社と適切な関係を基礎に経営判断と業務運営を
⾏い、その結果をグループ内部統制室から取締役会、監査役会へ報告します。
② グループ会社の再編
当社と当社グループ⼦会社との関係性を再構築することに加え、当社グループ会社の事業計画
および事業採算性を考慮のうえ、その再編の検討を開始します。
(3)企業⾵⼟改⾰
モノが⾔えない雰囲気を改善し、率直にモノが⾔える職場環境の整備を⽬指して企業⾵⼟の
改⾰に取組むこととし、当企業グループの全ての役員、従業員に適⽤される「グループ⾏動憲章・
⾏動規範」を⾒直す。そして、⾏動規範の項⽬を半期の業務⽬標に落とし込む仕組みを構築し運⽤
していくことで、守るべき⾏動を業務上で具体化させます。
また、当企業グループの全社員に対する当社取締役のワークアウト(対話)を実施し、経営者と
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従業員の距離を縮め、⾵通しの良い組織に変えていきます。
(4)⼈事ローテーションの実施
本件事案では、特定の役職員が⻑期間にわたり同じ部⾨にとどまり、または同じ業務に関与し
続けたことが不正の⼀因となっていることから、不正防⽌および⼈材育成のために⼈事ローテー
ションのガイドラインを策定し、実⾏することで⼈事ローテーションの活性化を実現します。
(5)内部通報制度の改訂
本件事案では1件も内部通報制度の利⽤がなく、当企業グループ従業員の内部通報制度に対す
る期待感および信頼感の乏しいことが、経営者⾃らが不正を起こしたことの原因になっていると
考えられます。
内部通報の機能強化に向け、既存の社内窓⼝および顧問弁護⼠の事務所を窓⼝とした外部窓⼝に
加え、経営陣から独⽴した外部の弁護⼠事務所を通報窓⼝に追加します。また、内部通報制度
の通報者保護などの制度内容を⾒直し、当企業グループ従業員へ制度内容を定期的に周知しま
す。さらに、内部通報制度が適切に運⽤されていることを⽰すため、内部通報制度の運⽤状況を
定期的に監査します。
2.今後の対応について
以上の再発防⽌策を今後、速やかに実⾏することにより、当企業グループを再⽣してまいります。
今後、本件事案に関係した役員および従業員の責任追及ならびに懲罰など、皆さまへお知らせすべき
ことが⽣じた場合は、適時、公表いたします。
株主、投資家の皆さまをはじめ関係者の皆さまには、多⼤なご迷惑とご⼼配をおかけしましたこと
を、⼼よりお詫び申しあげます。今後、皆さまからの信頼回復に努めてまいりますので何卒ご理解とご
⽀援を賜りますようお願い申しあげます。
以 上
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