6674 GSユアサ 2019-05-13 16:00:00
第五次中期経営計画(2019~2021年度)のお知らせ [pdf]

                                                                2019 年 5 ⽉ 13 ⽇
各位
                                       会 社 名 株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション
                                       代 表 者 取締役社⻑ 村尾 修
                                           (コード番号 6674 東証第⼀部)
                                       問合せ先 専務取締役 コーポレート室⻑ 中川 敏幸
                                           (TEL.075-312-1211)


                    第五次中期経営計画(2019〜2021 年度)のお知らせ


株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション(以下、GSユアサ)は、このたび、第五次中期経営
計画を策定しましたので、お知らせいたします。
ここ数年、世界経済は総じて拡⼤基調にあり、当社の業容も⼀定の伸⻑を⾒ました。しかし昨今、⽶
国を中⼼とした保護主義の台頭、英国の「合意なき EU 離脱(ハードブレグジット)」が現実味を増
し、さらには中国の経済成⻑減速を中⼼に成⻑を続けていた地域・国々の経済変調など、世界経済に
悪影響を及ぼすリスクが顕在化しつつあります。このように先⾏きの不透明感が増し、国内外の経済
環境の悪化が⾒込まれるため、当社としても 2019 年度の⾒通しは慎重な⾒⽅をせざるを得ないと判
断いたしました。
しかしながら、当社主⼒の鉛蓄電池・電源事業はこの先 10 年以上にわたり安定的に推移するとみて
おり、当事業の収益⼒強化・未開拓地域への進出など、既定の中期⽅針は堅持してまいります。
また、リチウムイオン電池の市場規模は引き続き⼤きく成⻑すると⾒込まれます。この事業では当社
の強みを活かせる市場・⽤途を⾒極め、将来的な事業成⻑のために経営資源を配分、先⾏投資を⾏い
ます。
当社はエネルギー・デバイス・カンパニーとして⻑期的・持続的発展を⽬指すため、第五次中期経営
計画をその基盤として位置づけて真摯に取り組んでまいります。


I.        第四次中期経営計画(2016〜2018 年度)の総括
     1.    経営⽬標
           第四次中期経営計画(2018 年度)は未達となりました。その要因は、課題の⼀部未達や原材
           料費、物流費、エネルギー費等の諸経費のコスト上昇分を合理化で吸収できず、またコスト低
           減も不⼗分であったことによるものです。
                                 ⽬標         2018 年度
                   売上⾼        4,800 億円      4,131 億円
                   営業利益率        8%以上           6.1%
                   ROE         10%以上           9.0%
                   総還元性向       30%以上          35.1 %
              ※上記指標はのれん償却前利益(営業利益・当期純利益)に対するものです。



                                   1
  2.    重要課題の結果
       ①   新規事業(⾞載⽤リチウムイオン電池事業)
           ⾞載市場は変化のスピードが速く、また厳しい競争環境が継続し、投資に対する早期回収が
           厳しい事業環境下にありましたが、合理化等の諸施策を進めた結果、⿊字化継続を実現しま
           した。
       ②   成⻑事業(海外事業)
           主要原材料の鉛価格の⾼騰や未開拓地域攻略が不⼗分であったこと等により計画を下回り
           ましたが、既存拠点の収益向上、体質改善、M&A により事業拡⼤を実現しました。
       ③   既存事業(国内⾃動⾞電池事業、国内産業電池電源事業)
           国内⾃動⾞電池事業は主要原材料の鉛価格⾼騰の影響が出ましたが、⾼性能・⾼品質製品の
           拡販と Panasonic 鉛電池事業の譲受が貢献し、キャッシュフローの拡⼤、収益安定化につな
           がりました。
           国内産業電池電源事業では、市場環境変化に伴う収益性の低下に対し売価改定やコスト低
           減を進めましたが、計画未達となりました。
       ④   財務政策
           投下資本に対する効率性向上を進め、有利⼦負債残⾼は 669 億円となりました。
       ⑤   コーポレートガバナンス
           2017 年 4 ⽉に CSR 室を設置し、持続的企業価値の創造や企業社会責任の推進に向けた体
           制整備に努めました。また、2017 年 12 ⽉には安全衛⽣統括部を設置し、各拠点の安全体制
           強化に努めました。




II.    ⻑期的な事業環境の⾒通し(2030 年頃)
       現在、⾃動⾞産業は「CASE」
                     (Connected、Autonomous、Shared、Electric)という⼤きな変⾰
       期を迎えています。また社会の SDGs(持続可能な開発⽬標)への取り組みは加速され、地球環
       境へのエネルギーデバイスの役割は、より重要なものになっていると想定しています。
       これらの事業環境に伴い、⾃動⾞⽤途、産業⽤途等のリチウムイオン電池需要は、先進国を中軸
       に⼤幅な増加が⾒込まれます。また、GSユアサの主たる事業である鉛蓄電池需要もグローバル
       で安定的に推移すると⾒込んでおり、持続可能な社会に対する当社の役割を果たす機会は、ます
       ます増えると考えております。
       これらの事業機会に対し、第五次中期経営計画期間は、鉛電池事業において主要地域の収益⼒強
       化と重要地域・拠点に対する販売拡⼤策展開を⾏います。また、リチウムイオン電池事業におい
       ては当社の強みを活かした施策を展開し収益⼒の維持を図るとともに、設備投資・開発費⽤を戦
       略的に先⾏投⼊し、第六次中期経営計画以降の更なる成⻑に備える予定です。




                                   2
III. 第五次中期経営計画の概要
  1.   中期経営⽅針
       予測した⻑期事業環境を前提に設定した⻑期⽬標を実現するために、第五次中期経営計画の
       ⽅針は次の通りといたします。


       <⻑期に⽬指す姿>
       〜新たな価値を創造し続けるエネルギー・デバイス・カンパニーへ〜


       <経営⽅針>
       「モノ・コトづくり」をキーワードに新しい価値創造を通じて、鉛電池事業とリチウムイオ
       ン電池事業それぞれの持続的成⻑に繋がる戦略的な企業活動を⾏います。


       <CSR ⽅針>
       GSユアサでは企業理念である「⾰新と成⻑を通じ、⼈と社会と地球環境に貢献する」を実
       践することが事業の持続的な成⻑に結びつくものとしています。
       第五次中期経営計画期間は、CSR 課題を事業戦略に取り込んだビジネスプロセスを確⽴し、
       財務・⾮財務の両⾯で経営の質を向上させ、事業と社会のサステナブルグロース(持続可能
       な成⻑)を⽬指します。


   ①    計画期間       2019 年 4 ⽉〜2022 年 3 ⽉までの 3 ヵ年
   ②    中期経営⽬標
                                      ⽬標
                   売上⾼           4,600 億円以上
                   営業利益           280 億円以上
                   ROE               8%以上
                   総還元性向            30%以上
            ※上記指標はのれん償却前利益(営業利益・当期純利益)に対するものです。



  2.   重要戦略課題
   第五次中期経営計画期間では 3 つの重要戦略課題に取り組みます。第⼀にビジネスプロセスに
   おいて特定した CSR の重要課題に対する取り組みを強化します。第⼆に鉛電池事業の収益強
   化と海外事業拡⼤を通じて、経営基盤の強化を図ります。そして第三の課題として、第六次中
   期経営計画以降にリチウムイオン電池事業の規模と収益を拡⼤させるための布⽯を打ちます。




                                 3
3.   経営⽬標達成のための課題
 ①    CSR
     ESG(Environment、Social、Governance)の観点から重点的に次の課題に取り組みます。⼀
     つは、⼈と社会と地球環境に配慮した商品開発と拡販やモノづくりの体制の構築、加えて事
     業活動に伴う CO2 排出量と⽔使⽤量の削減に努め、気候変動と社会リスクの低減に取り組み
     ます。次に⼈権尊重を最優先とし、サプライチェーンに携わる⼈々に対する継続的な啓発と
     活動を展開します。そしてガバナンスを徹底し、グローバルステークホルダーの要求に応え
     る事業運営を実⾏します。
 ②    ⾃動⾞電池事業
     当事業の主要展開地域である⽇本・アジア等においては⾼品質・⾼付加価値な製品提供、⽣
     産性の向上を通じて更なる収益⼒強化に取り組むとともに、低シェア地域および未進出地域
     に対する販売拡⼤策を展開します。また地球環境配慮や“くるまの電動化”への対応として、
     12V リチウムイオン電池の市場開発・展開を推進します。
 ③    産業電池電源事業
     既存市場においては、AI や IoT を活⽤した”モノ・コトづくり”を通じて更なる収益⼒向上、
     海外展開強化を通じた事業拡⼤に取り組みます。また、鉛電池からの置き換え需要や環境・
     エネルギー分野の新規市場拡⼤を背景として、産業⽤途のリチウムイオン電池の開発・販売
     を⼀層推進します。
 ④    リチウムイオン電池事業
     当社の強みを活かした独⾃の市場ポジショニングを⾏い、安定的成⻑と収益⼒強化策の展開
     に取り組みます。特に HEV ⽤途へのビジネス展開強化、12V リチウムイオン電池の開発・量
     産は事業成⻑のドライバーとして位置づけ、これを推進します。また EV/PHEV ⽤途で得ら
     れるノウハウを応⽤し、産業⽤途の拡⼤を図ります。
 ⑤    財務政策
     投下資本に対する効率性向上を図り、必要資⾦は⾃⼰資⾦にて調達することを原則として以
     下を⽬指します。
     債務償還年数(2021 年度)   3年未満
     ⾃⼰資本⽐率     45%以上維持


4.   設備投資
                   設備投資累計額                     設備投資累計額
      ⾃動⾞電池事業        240 億円   ⾞載⽤リチウムイオン電池事業     480 億円
      産業電池電源事業        80 億円   その他                150 億円
                                    合計           950 億円


5.   研究開発費⽤
     第六次中期経営計画以降のリチウムイオン電池事業の成⻑のため、当事業向け研究開発費⽤
     を戦略的に投⼊します。
     研究開発費⽤累計額    350 億円
                                                          以   上

                              4
<添付資料>


1.   業績と経営⽬標
           4,800                                                                               400
                                                                                4,600
           4,600                                                                               375
           4,400
                                                                                               350
           4,200                  4,110         4,131                                                営
       売                                                                                       325   業
       上                                                                                             利
       ⾼   4,000
                                                                                               300   益
       ︵                                                                                             ︵
       億   3,800                                                                        280
                   3,596                                                                             億
       円                                                                                       275   円
       ︶   3,600
                                                          251                                        ︶
                           242            241                                                  250
           3,400

           3,200                                                                               225

           3,000
               0                                                                               200
                                                                                                 0
                   2016年度         2017年度        2018年度           2019年度         2021年度


                           第四次中期経営計画(実績)                         第五次中期経営計画
                                                                      売上⾼      営業利益額




2.   経営⽬標(セグメント別)
                                                                                               (単位:億円)

                                 ⾃動⾞電池                                    ⾞載⽤
                                                            産業電池
                                                                          リチウムイオン
                     国内           海外            ⼩計              電源
                                                                           電池            その他             合計
2021   売 上 ⾼               850      2,000       2,850           1,000         550             200        4,600
年度     営業利益※                70       130            200              80         10            ▲10         280
※営業利益はのれん償却前営業利益です。




                                                5