6656 INSPEC 2021-02-25 15:00:00
連結業績予想の修正及び剰余金の配当予想(期末配当)に関するお知らせ [pdf]
2021 年2月 25 日
各 位
会 社 名 イ ン ス ペ ッ ク 株 式 会 社
代表取締役社長兼
代表者名 菅 原 雅 史
代表執行役員
(コード番号:6656 東証第二部)
取締役兼執行役員
問合せ先 佐 藤 真
管理部長
TEL 0187-54-1888(代表)
特別損失の計上及び連結業績予想の修正並びに
剰余金の配当予想(期末配当)に関するお知らせ
当社は、2021 年4月期第3四半期決算において、下記のとおり、特別損失の計上をお知ら
せするとともに、最近の業績動向等を踏まえ、2020 年6月5日に公表しました 2021 年4月期
(2020 年5月1日~2021 年4月 30 日)通期連結業績予想及び配当予想を下記のとおり修正
いたしますのでお知らせいたします。
記
1.特別損失の計上
(1)連結子会社株式の減損処理による特別損失(個別決算)
スイスにて精密基板装置関連事業を展開する当社の連結子会社である First EIE SA は、当
社の連結子会社となって以来5年が経過しましたが、First EIE SA 単体の業績は累計で約 60
百万円の損失を計上しました。またエレクトロニクス市場においてハイエンドのマーケットを
ターゲットとしている当社と異なり、First EIE SA はミドルエンドからローエンド市場をター
ゲットとして事業を展開しているため、クロスセルによる双方の売上増加への貢献も難しくシ
ナジーを生み出すことが極めて困難な状況にあります。この結果当社にとっての First EIE SA
の企業価値は大きく毀損していると判断せざるを得ません。また、First EIE SA が海外企業の
子会社であることから自主的に資金調達をすることに関して、スイスの国内法による制約があ
り成長戦略を実現するための資金調達が難しい状況にあります。一方、当社も新たな成長戦略
を実行していくため引き続き製品開発や市場開拓に向けた先行投資を続けていかなければな
らず、子会社への資金援助をする余力は無いものと判断しております。以上のことから、当社
が保有している First EIE SA の全株式 4,450 株を同社 CEO に譲渡することといたしました。
当該 CEO は、当社が買収した当時から CEO として事業を牽引し、先代経営者の負の課題をこな
しつつ直描露光機という新製品の開発を実現し、さらにこれを高い競争力を持つ優れた製品と
するべく明確な戦略を立案していることなど、今後の First EIE SA の経営を担う最適な人材
であると認識しております。
以上のことにより当第3四半期連結累計期間において投資有価証券評価損として 375 百万円
を特別損失として計上いたします。
なお、個別決算で計上されるこの特別損失は連結決算では消去されるため、連結業績に与え
る影響はありません。
(2)のれんの減損処理による特別損失(連結決算)
First EIE SA は、主力製品である精密プリント基板用フォトプロッター及び直描露光機事業
で事業の拡大に取り組んでおりますが、実績の多いフォトプロッター分野で一定の安定受注が
あるものの、直描露光機分野では競争力強化のための開発課題に取り組んでいる段階となって
おります。First EIE SA が当社の子会社となって以来5年が経過しましたが、First EIE SA 単
体の業績はコロナ禍の影響もあいまって累計で約 60 百万円の損失を計上し連結決算において負
担が継続していることに加え、今後シナジーを生み出す可能性も見いだせない状況にもあるこ
とから、前項の連結子会社株式評価損計上に伴い、のれんの減損損失として 120 百万円を特別
損失として計上いたします。
(3)クラーロ株式会社第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の減損処理による特別損失(個
別決算)
当社は、2019 年 12 月及び 2020 年1月に THE ケンコウ FUTURE 投資事業有限責任組合の業務
執行組合員である株式会社ウィズ・パートナーズからクラーロ株式会社第1回無担保転換社債
型新株予約権付社債(以下「本転換社債」といいます。
)500 百万円を取得いたしました。本転
換社債の発行先であるパスイメージング株式会社は、メディカル分野のデジタル化に貢献する
ことを目的として将来性のある事業に取り組んでおりますが、長期的には成長が期待できるも
のの医療系のビジネスであり成長に時間を要すると想定されることから、当社が取り組んでい
るエレクトロニクス産業の変革の環境と異なる部分が多く、シナジーを見込むことが難しい状
況にあります。この状況を総合的に判断し、投資有価証券評価損として 500 百万円を特別損失
として計上いたします。
2.連結業績予想値の修正
2021 年4月期(2020 年5月1日~2021 年4月 30 日)
(単位:百万円)
親 会社 株
1株当た
主 に帰 属
売 上 高 営業利益 経常利益 り当期純
す る当 期
利 益
純 利 益
前回発表予想(A) 2,400 170 130 100 26 円 51 銭
今回発表予想(B) 1,715 △373 △413 △1,039 -
増 減 額 ( B - A ) △685 △543 △543 △1,139 -
増 減 率(%) △28.5 - - - -
(ご参考)前期実績 2,348 44 98 70 20 円 24 銭
3.連結業績予想の修正理由
当社は、
「社会の繁栄と発展に貢献する」という経営理念のもと、産業革命以来と言われてい
る技術革新の真っ只中において、そこから生まれるチャンスをしっかりと捉えるべく全社一丸
となり事業活動に取り組んでおります。また、いまだ収束が見えないコロナ禍の中でその後を
しっかりと見据え、自動車の軽量化に寄与する車載用 FPC のロール to ロール型検査装置及び新
たに取り組んでいるロール to ロール型露光機事業を、カーボンニュートラル(注1)という大
きな社会課題の解決に貢献する事業として、今後の成長エンジンとするべく取り組んでおりま
す。
このような中、当期間において当社がコロナ禍の影響を大きく受けたのが海外ユーザー向け
の案件であります。当期中に売上予定であったマレーシア・タイ・中国向けユーザーの案件につ
いて、渡航ができないため設置引き渡しの遅れや商談自体のずれ込み等が発生し、当第3四半
期及び当第4四半期に売上予定だった案件が、翌第1四半期又は翌第2四半期に大きくずれ込
む見通しであり、今年度の売上計画 1,900 百万円に対し売上見通しが 1,288 百万円となり大幅
な未達となる見込みです。
また、連結子会社の First EIE SA(精密基板製造装置関連事業)は、欧州における新型コロ
ナウイルスの急速な感染拡大の影響を受け、当期前半に大きな受注の落ち込みが発生し、スイ
ス政府の緊急融資の支援を受けて急場をしのいできましたが、早期に市況が回復した中国ユー
ザーからの受注が 11 月から入り始めその後受注が継続しております。2021 年2月現在も引き
続き受注が獲得できておりますが、当期前半の落ち込みをカバーするには至らず、連結対象と
なる期間損益はほぼゼロの見込みです。
以上より、営業利益につきましては、売上の落ち込みによる売上総利益の減少及び下記「4.
社員の退職金の引当不足への対応」にあります退職給付費用 121 百万円の計上などにより営業
損失 373 百万円となる見込みです。経常利益につきましては経常損失 413 百万円、親会社株主
に帰属する当期純利益につきましては、上記「1.特別損失の計上」により親会社株主に帰属す
る当期純損失 1,039 百万円の見込みです。
(注1)カーボンニュートラル:地球上の二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロにな
るようなエネルギー利用の在り方を指します。
4.社員の退職金の引当不足への対応
当社は、社員の退職金制度として 2017 年7月から確定拠出年金(401K)を取り入れて運
用を開始しております。これに対し、2017 年6月以前に入社した社員は本制度による拠出期間
が短いため拠出金の累計額が不足いたします。この差異を予め引き当てることを目的として、
121 百万円を未払費用として当第4四半期末において販売費及び一般管理費に計上いたします。
5.その他(現在の取り組みについて)
当社が戦略的に取り組んでいるロール to ロール型検査装置は、巨大市場であるスマートフォ
ン向け FPC に加え、AR(注2)やVR(注3)さらにはMR(注4)などで拡大を続けている
ウエアラブルデバイス向け FPC など、
精密フレキシブル基板のニーズの拡大傾向が続いており、
今後も市場が拡大していくと予想しております。これに加え、新たな取り組みとして開発した
ロール to ロール型シームレスレーザー直描露光機は、カーボンニュートラルに向けた取り組み
として世界的な流れになっている電気自動車の軽量化に貢献するシステムとして、当社事業の
大きな柱となるよう取り組んでまいります。
また、半導体分野では、クラウドコンピューティング(注5)の拡大に伴うクラウドサーバー
への投資拡大、コロナ禍におけるリモートワークの急拡大による PC の需要増加、自動車の電子
化による自動車向け半導体の需要増加等々多くの分野で需要が増加しており、それに伴って半
導体パッケージの検査ニーズも増加しております。
これらの状況のもと、当社では昨年 12 月から受注が増加しはじめ 2021 年2月現在で、期末
に受注残となる案件が約 13 億円に積み上がる見込みであり、更に商談が活発化しております。
コロナ禍において当社は大きく業績を落とし、また不良化した資産の減損や評価損の計上を
行い厳しい決算を余儀なくされていますが、技術革新の中心となっているDX(注6)への取り
組み、エレクトロニクス分野・自動車の電動化などいずれの分野においてもその中心に近いと
ころで事業を行っており、コロナ禍を大きな転換点として業績のV字回復をめざすことにとど
まらず、その先の大きな目標にむけて突き進んでまいります。その大きな目標を含めた長期ビ
ジョン及び中期経営計画は、コロナ禍後をしっかりと見据え、2022 年5月末までに策定し翌6
月に発表致します。
(注2)AR(Augmented Reality:拡張現実)
:スマートフォンなどを通して見た現実世界に、
3Dデータや動画等のデジタルコンテンツを表示し、情報を補足する技術を指します。
(注3)VR(Virtual Reality:仮想現実)
:ゴーグルなどを使って、現実世界と切り離された
仮想世界に没入する技術を指します。
(注4)MR(Mixed Reality:複合現実)
:現実世界と仮想世界を融合させるVRとARを組み
合わせた技術を指します。
(注5)クラウドコンピューティング:インターネット上のサーバーにあるコンピューターが
提供している機能をインターネット経由で利用できる仕組みを指します。
(注6)DX(デジタルトランスフォーメーション)
:企業がITの活用を通じて、ビジネスモ
デルや組織を変革し、競争優位性を確立することを指します。
6.配当予想の修正
年間配当
第2四半期末
期末 合計
(実績)
前 回 発 表 予 想 0 円 00 銭 3 円 00 銭 3 円 00 銭
今 回 修 正 予 想 0 円 00 銭 未定 未定
前 期 実 績
0 円 00 銭 3 円 00 銭 3 円 00 銭
(2020 年4月期)
7.配当予想修正の理由
当社は、株主の皆様に対する長期的かつ総合的な利益の拡大を重要な経営目標と位置づけて、
中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針として取り組んでおります。
当社は、昨年上場以来初の配当を実施いたしましたが、上記の連結業績予想の修正により、当期の
配当予想を「3円」から「未定」へ修正させて頂きます。
(注)本資料に記載している業績予想等に関する将来に関する記述には、発表日現在において入手
可能な情報から得られた判断に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異な
る可能性があります。
以上