6634 J-ネクスG 2019-07-10 18:45:00
株式会社フィスコの第三者割当増資の引受けに関するお知らせ [pdf]

                                                        2019 年7月 10 日

各    位
                                  会 社 名           株式会社ネクスグループ
                                  代 表 者 名         代表取締役社長 秋山 司
                                                (JASDAQ・コード 6634)
                                  問 合 せ 先
                                  役職・氏名          代表取締役副社長     石原 直樹
                                  電     話                   03-5766-9870


    株式会社フィスコの第三者割当増資の引受けに関するお知らせ

 当社は、本日開催の取締役会において、株式会社フィスコ(以下「フィスコ」という)が第三者割当
により発行する普通株式(デット・エクイティ・スワップ、以下「DES」という)を引受けることを決
議いたしましたので、お知らせいたします。

                                      記

1.本件 DES の概要
 当社は 2019 年7月 10 日現在、フィスコに対する金銭債権を 1,400 百万円(以下「本件金銭債権」と
いう)有しており、その内訳は 2017 年 12 月 14 日付金銭消費貸借契約書に基づく貸付金債権の元本金
残高 250 百万円及び 2019 年1月 30 日付金銭消費貸借契約書に基づく貸付金債権の元本金 150 百万円を
合わせて、貸付金債権 400 百万円、その他に当社とフィスコの 2019 年7月 10 日付債権譲渡契約書に基
づき、当社がフィスコに対して有している債権譲渡代金の未払債権 1,000 百万円となっております。
 当社は、その全額について、フィスコによる DES を引き受けることで、フィスコが今回、新たに発行
する株式の全てを当社に割り当てるものであります。

                                                    (2019 年7月 10 日現在)
 発行新株式          株式会社フィスコ 普通株式 7,179,400 株
 発行価額           1株当たり 195 円(2019 年7月9日付東京証券取引市場におけるフィ
                スコ普通株式の終値)
 発行価額の総額        1,399,983,000 円
                (当社がフィスコに対して有する債権を現物出資)
 資本組入額          資本金                   699 百万円
                資本準備金                 699 百万円
 払込期日           2019 年7月 31 日(予定)
 割当先及び株式数       当社 7,179,400 株
 増資後の発行済株式総数    45,776,722株
 取得後の保有株式数及び    当社 7,179,400株
 議決権比率          (15.68%)




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2.本件 DES の経緯・目的について
  当社及び当社の連結子会社(以下「当社グループ」という)では、長年培った自社通信技術を基礎と
して「モバイル・ワイヤレスコミュニケーションのパイオニア(先駆者)         」として成長を続けつつ、よ
り良い製品・サービスを提供することによって経済社会に貢献していくことを社是としております。そ
のため、当社グループは、2012年7月にフィスコが当社を子会社化してからも、変わらず高付加価値に
よる収益性の高い企業を目指しており、今まで培ってきた様々な分野に対するIoT技術をベースにした
IoT関連事業や多様化・高度化する現代の消費者ニーズに対応できるサービスを備えたインターネット
旅行事業、また国内外問わず、顧客基盤の拡充を図りながら展開を続けるブランドリテールプラットフ
ォーム事業や今後成長著しいと考えられる暗号資産(仮想通貨)を対象とした仮想通貨・ブロックチェ
ーン事業を主要な事業領域として進めております。
  そして、政府が成長戦略に盛り込む第4次産業革命においては、車や家電などすべてのものがインタ
ーネットに接続され、現実世界の制御対象の様々な状態を数値化し、仮想世界において定量的に分析す
ることで新しい知見を引き出し、      さらに現実世界へフィードバック及び制御するCyber-Physical System
が実現されることになり、現実世界のビッグデータをIoT技術によって保持、収集する能力、それらを
仮想世界においてAIやブロックチェーンによって管理、分析する能力が重要と言われております。
  このような事業環境において当社グループでは、早くよりIoT技術に注力しており、フィスコのグル
ープ企業である株式会社フィスコ仮想通貨取引所(以下「FCCE」という)との協業により、ビットコイ
ンを含めた暗号資産(仮想通貨)プラットフォームを活用することで、例えばシェアリングエコノミー
市場での、マンションや貸事務所向けのスマートロックと決済システムの提供や、レンタカーやカーシ
ェア向けのスマートキーと配車サービスの提供といった、        暗号資産(仮想通貨)   やトークンを用いたIoT
決済のプラットフォームサービスと、IoTとブロックチェーンを連携させたデバイス製品の開発を目指
しております。
  また、当社子会社の株式会社イーフロンティア(以下「イーフロンティア」という)とFCCEが業務提
携契約を締結し、暗号資産(仮想通貨)向けのAIトレーディングシステム開発に当たってきました。そ
して、イーフロンティアでは、開発中のソフトの実証試験を兼ねて、ビットコインに対する投資を開始
し、前年度において、1,278百万円の売上高を計上いたしました。
  さらに、2018年7月に当社本社(岩手県花巻市)において暗号資産(仮想通貨)のマイニング事業を
開始いたしました。当事業においては、マイニングそのものを事業とするだけでなく、マイニング機器
により排出される熱を、当社の農業ICT事業へ有効活用するよう取り組んでおり、将来的には、排熱の
利用だけではなく、マイニングしたコインにより農業事業に必要な苗や肥料、薬剤などの仕入を行うな
ど、自立回転型の農業システムを目指しております。このように、他の事業も含めたトータルでの効率
化を図ることで、当社は独自のマイニング事業を構築しております。
  以上に代表されるように、当社グループでは、今後も高いIoT技術に裏打ちされた質の良いデバイス
製品を提供するだけではなく、そこにブロックチェーン技術を連携させることで、さらに新たなソリュ
ーションの提供を常に目指しております。そして、2019年7月8日に開示した「当社の親会社及び主要
株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」で、2019年7月8日(見込み)でフィスコが親会
社ではなくなる旨を開示しておりますが(2019年7月10日現在、振替手続が完了していないため、現時
点でも引続き親会社となっております)      、当社グループ事業が高い収益性を維持し、安定性を確保した
経営を続けていくためには、フィスコグループとの資本業務提携関係は継続し、保持していくことがこ
れからも必要であると判断しております。
  一方でフィスコは、情報サービス事業を中心に事業を展開しておりますが、2018 年 12 月期において
は最終赤字が 1,267 百万円、有利子負債残高が 2,450 百万円、純資産は 190 百万円という状況になって
おります。
  その中で、2019 年7月 10 日現在、当社のフィスコに対する金銭債権は 1,400 百万円となっており、
その全額について、DES を実施し、フィスコが新たに発行する株式の全てを当社に割り当てるものであ
ります。
  本意思決定においては、当社役員は審議に先立ち、フィスコ代表取締役社長狩野仁志氏(以下「狩野

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氏」という)から、現在のフィスコの財務状況及び今後の事業計画と経営方針の説明を受けました。
 フィスコの主要事業たる情報配信サービス事業のうち、個人向けの情報配信事業の順次見直しが行わ
れており、安定的な収益の確保を目指していること、またフィスコの主要な事業領域である情報サービ
ス業界で、企業収益の回復を背景に、クラウドやビッグデータ、IoT、AI、ブロックチェーン等の技術
を活用した設備投資や IT 投資が堅調に推移しており、フィスコグループにおいて引き続きビットコイ
ンを中心とした暗号資産(仮想通貨)の情報やシステムを網羅することで、暗号資産(仮想通貨)によ
る一気通貫のサービス提供を可能とすることを成長戦略とし、先行投資を行うために潤沢な資金が必要
となることの二点を主軸に、フィスコとしての中核事業の拡大を推し進め、その結果として財務状況の
改善を図り、中長期的な成長軌道を確立していくという内容でした。
 当社としては、まず今後の成長戦略の柱として暗号資産(仮想通貨)事業に注力していきたいという
フィスコの経営方針に対し、入念に検討いたしました。
 そして、現在の米中貿易戦争を背景とした世界情勢により、各国の伝統的な資産である株価が下落す
る中、ビットコインが安全資産としての機能を発揮していること、またツイッター共同創業者兼 CEO で
あるジャック・ドーシー氏が、2019 年2月2日に公開されたポッドキャストの中のインタビューで、ビ
ットコインがインターネットのネイティブ通貨になると確信していると表明していること、さらに実際
に昨今の暗号資産(仮想通貨)の緩やかな値上がりの事実等の周辺諸事情を勘案すると、暗号資産(仮
想通貨)には今後も先行投資が求められるものの、その見返りは大きく、フィスコが今後暗号資産(仮
想通貨)事業に注力することは世界情勢にも合致していると判断いたしました。
 次に、フィスコの事業計画を慎重に審議すると、昨年 10 月以降、個人を対象とした有料サービスは
ストップして全面的な見直しを行い、今年度7月には再開する見込みであるため、今後の安定した収益
が望め、このまま順調に推移することが認められました。
 加えて、フィスコが今回の DES により、有利子負債の大幅な圧縮及び自己資本比率の向上による財務
体制の強化・改善を行うことで、経営は現在以上に安定化し、対外的な信用力も増し、これからのフィ
スコの成長に繋がっていくという点についても十分に納得できる説明を受けました。
 以上により、フィスコが現在の主力事業である情報サービス事業にて安定した経営戦略を行った上で、
暗号資産(仮想通貨)      事業によって今後の飛躍的な成長を図っていくというその経営方針と事業計画に、
当社は一定程度の経営合理性があると判断いたしました。
 当社としては、フィスコから要請を受けて、金銭債権のまま残存させるか、DES の要請に応じるかに
ついて当社にもたらす利益について比較検討をいたしました。
 金銭債権としてこのまま残存させることによる利息に比べて、               フィスコが擁する暗号資産(仮想通貨)
事業が今後大きく成長していくことで、今回新たに保有することになるフィスコ株の株価上昇を背景と
したキャピタル・ゲインが、当社にとって、より大きな利益をもたらすこと、現在の金銭債権だと償還
期限(2020 年 12 月 13 日、2022 年 1 月 29 日)まで資金を動かすことができませんが、株式の売却によ
り償還期限以前に資金を回収することも可能で、今後の事業投資のための手元資金の確保ができ、ひい
ては経営の自由度を増すことに有益であると判断いたしました。
 また、今回 DES を受け入れるに当たって、他の手段として、フィスコの所有する当社株式を売却する
ことにより発生するキャッシュにて、当社からの貸付金の返済を求めることも検討いたしましたが、現
在の当社株式の流動性と株価を考慮したところ、必要資金を満たす売却は困難であると想定されること、
フィスコが当社株式を売却することで当社の株価が下落することが懸念されるため、予防的見地から、
かかる手法は適切ではないと判断いたしました。
 加えて、利回り確定の社債としての安全性と値上がりが期待される株式としての魅力の両方の利点を
兼ね備えた転換社債型新株予約権付社債(以下「CB」という)の発行を受けて、当社が払い込みを行う
ということも、同時に検討いたしましたが、フィスコにおいて、既に既存の CB については償却予定で
あること、また今後も CB を減らしていく方針であるという意向を受けて、かかる手法も取ることは出
来ないと判断いたしました。
 取得予定のフィスコ株式の当社保有方針としては、               上記の通り、純投資目的となりますが、今回の DES
で相互に株式を保有すること自体は、両社の企業価値向上に大きく寄与するものであると判断し、今回
の決議に至りました。当社が意図する企業価値上昇とは、フィスコの株式価格が上昇することで当社の
特別利益の増加が見込め、当社の総資産の増加が、当社の対外的な信用力の上昇に繋がり、ひいては当
社の企業価値の上昇に繋がるというシナジー効果を期待しているため、現時点においては小幅の株価の


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上昇による利益確定売りを短期間のうちに行うことは予定しておりません。
 そのため、当社が結果的に中・長期的にわたり、フィスコ株を保有することとなる可能性もあります
が、今回取得する株式を当社が売却する際には、市場の動向及び既存のフィスコ株主に与える影響を十
分に考慮した上で、その影響がなるべく少ない方法を選択する予定であります。具体的には、フィスコ
の経営方針に賛同し、株式の保有方針を中・長期の保有方針とする投資家へのブロックトレード、また
は市場株価を混乱させないことを優先した緩やかなスピードでの市場での売却等を検討しております。
 また、フィスコは当社の親会社ではなくなりますが、これまでのフィスコグループとの協業を含めた
良好な関係性は維持を続ける予定であり、当社の提携先は、今までもフィスコが情報サービス事業を主
力とするゆえに保有する豊富な上場企業の情報に依拠しているため、協業面、情報収集面における事業
的なシナジー効果は今後も引き続き期待できます。一方で、支配株主が不在となったことで、当社が注
力する IoT 関連事業の成長に必要な技術である、5G(第5世代移動通信システム)分野をはじめ今後
の市場成長が期待される事業の展開に寄与する企業との資本業務提携などの話が進めやすくなり、より
経営の自由度が増し、機動的な判断を行えるようになったと当社は認識しております。
 当社の子会社である株式会社ネクス(以下「ネクス」という)では、次世代通信規格である5G に注
目しており、自社の強みである BtoB 向け通信機器の開発・カスタマイズにおいて5G に対応した製品の
開発を行っていく予定です。4G より高速化を実現するとともに多数同時接続、超低遅延といった特徴
を持つ5G は、2020 年春頃から商用サービスを開始するとの報道がされております。当社はこの 2020
年のサービスインに向けて製品の開発、サービスインに有用な企業とのアライアンスを進めてまいりま
す。

3.当該会社の状況
                                                      (2019 年7月 10 日現在)
 名称            株式会社フィスコ
 本店の所在地        大阪府岸和田市荒木町二丁目 18 番 15 号
 代表者の役職及び氏名    代表取締役 狩野 仁志
 資本金           100 百万円
 設立年月日         1995 年5月 15 日
 事業の内容         情報サービス事業
 大株主及び持株比率     SEQUEDGE INVESTMENT INTERNATIONAL 36.51%
 上場会社と当該会社との   資本関係                    フィスコは、当社の株式の 19.96%を保有
 間の関係                                 しております。※
               人的関係                    当社取締役の深見修がフィスコの取締役を
                                      兼務しております。また、当社取締役の石原
                                      直樹及び齊藤洋介がフィスコの子会社であ
                                      る株式会社フィスコ・キャピタルの取締役を
                                      兼務しております。
               取引関係                    フィスコは、当社より 2019 年 7 月 10 日現
                                      在借入金及び未払金が 1,400 百万円ありま
                                      す。
※こちらの数字はフィスコの株式振替手続完了後の数字となります。

4.支配株主との重要な取引等に関する事項
 本件では、2019 年7月 10 日現在、フィスコが当社の親会社であることから、本件 DES の決定は、「支
配株主との重要な取引等」に該当すると考えております。
(1)支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針との適合状況
 当社コーポレート・ガバナンス報告書(2019 年3月8日開示)で示している「Ⅰ4.支配株主との取

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引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針」には、   「支配株主との取引については、各
取引における市場状況等を把握し当該市場等の客観的な情報をもとに、一般的な取引条件と同様に合理
的な決定がなされており、少数株主に不利益を与えることがないように適切に対応しております。      」と
記載しており、本件 DES の引受けは、下記の(2)公正性を担保するための措置、(3)利益相反を回
避するための措置、及び(4)本件 DES が少数株主にとって不利益なものでないことに関する、支配株
主と利害関係のない者から入手した意見の概要に記載の措置を講じており、適切なものであって、当該
指針と適合しているものと考えます。
(2)公正性を担保するための措置
 当社は、本件 DES に関する当社の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性、透明性及び客
観性を確保するため、当社及びフィスコから独立したリーガル・アドバイザーである本澤法律事務所か
ら、意思決定過程、意思決定方法その他の留意点について、適宜法的助言を受けており、本澤法律事務
所は、当社及びフィスコの関連当事者には該当せず、本件 DES に関して、重要な利害関係を有しており
ません。
 対価の公正性について、当社はフィスコとの間で協議を行った結果として、発行価額は、本件 DES に
係るフィスコ取締役会決議日の直前営業日(2019 年7月9日)の東京証券取引所JASDAQ市場にお
けるフィスコ普通株式の終値である 195 円にて最終的に合意いたしました。当社は、本件 DES に係る取
締役会決議日の直前営業日を発行価額の基準とすることが現在の上場株式市場において、最も経済合理
性があると考えております。
 そして、今回の発行価額について、当社監査役3名(うち社外監査役2名)は、フィスコの経営状況
及び直近で開示された連結売上の減少と本件 DES を実行することによるフィスコの大幅な財務状況の改
善の効果を総合的に検討した結果であり、かつ日本証券業協会の「第三者割当増資等の取扱いに関する
指針」も勘案の上、フィスコの株式価値を反映しているものと判断しております。
 当社取締役会は、本澤法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本件 DES の一連の手続及び本件に関
する諸条件について、当社の企業価値向上及び当社の株主利益の最大化の観点から慎重に協議・検討い
たしました。
 その結果、本日開催の当社取締役会において、本件 DES により当社の企業価値の向上が見込まれると
ともに、本件 DES に係るその他の諸条件は当社の株主にとって不利益を与えるものではないと審議及び
決議に参加した当社の取締役全員一致で決議いたしました。かかる対応は、当社が決議に至るまでの過
程と手続きが公正であったことを担保するものと考えております。
(3)利益相反を回避するための措置
 本日開催の当社取締役会においては、当社の役員9名のうち、深見修氏(以下「深見氏」という)は
当社及びフィスコの取締役を兼務しており、また石原直樹氏(以下「石原氏」という)及び齊藤洋介氏
(以下「齊藤氏」という)は当社取締役とフィスコの子会社である株式会社フィスコ・キャピタルの取
締役を兼務しているところ、本件は、会社法上の利益相反取引には該当しませんが、利益相反の可能性
を極力排除する観点から、まず、   (ⅰ)深見氏、石原氏、齊藤氏及び張偉取締役を除く2名の取締役及
び監査役において審議の上、当該取締役全員一致により上記の決議を行い、さらに、本件は、会社法上
の利益相反取引には該当せず、必ずしも深見氏、石原氏及び齊藤氏が特別利害関係を有する取締役とは
言い切れないため、当社取締役会の定足数を確保する観点から、   (ⅱ)石原氏及び齊藤氏を含む5名の
取締役及び監査役において改めて審議の上、出席取締役全員一致により上記の決議を行うという二段階
の手続を経ております。
(4)本件 DES が少数株主にとって不利益なものでないことに関する、支配株主と利害関係のない者か
ら入手した意見の概要
 当社は本件 DES が当社の少数株主にとって不利益なものとはいえない旨の意見書を、2019 年7月 10
日に当社及びフィスコから独立した第三者である弁護士本澤順子氏及び弁護士小林俊介氏より頂いて
おります。
 内容としては、下記の通りです。
(ⅰ)本件 DES の目的
 貴社が本件 DES を実施する目的は、大きく①貴社のフィスコに対する債権をフィスコ株式に転換する
ことにより、フィスコ株式からのキャピタル・ゲインを取得すること、②資本関係の構築により同社と


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の連携の強化を図ることにある。
 ①については、貴社のフィスコに対する債権の回収を行う場合等複数の選択肢についてそのメリット
及びデメリットを比較し決定した結果であり、かつ、当該比較における考慮事項も合理的なものと考え
られ、②についても、フィスコが有する上場企業に関する情報を活用することで、ネクスが推進する 5G
分野で有用な提携先の紹介や、ブロックチェーン技術に関する最新の情報を入手するなどのシナジー効
果が期待できるという判断には一定の合理性があるものと認められる。
 以上によれば、本件 DES は貴社にとって相応の合理的な目的があるものと認められ、殊更に貴社の少
数株主の損害のもと支配株主たるフィスコの利益を図ったものとは認められない。
(ⅱ)交渉過程の手続き等
①情報の取得方法の合理性検討
 貴社は、貴社取締役会に狩野氏を招聘し、同人より直接現在のフィスコの財務状況並びに今後の事業
計画及び経営方針に関する説明を受けた。貴社の情報取得方法は、フィスコの代表取締役から本件 DES
の実施に関する具体的な決定を行う貴社役員が直接情報を取得するというものであり、特段不合理な点
はなく、相応の合理性が認められる。
②フィスコの事業計画の合理性検討
 貴社は、狩野氏の説明を受けて、暗号資産事業に注力するというフィスコの経営方針の合理性を検討
し、現在の世界情勢の中で、暗号資産が成長戦略の柱となるかを総合的に考慮した。そして、暗号資産
事業への先行投資と、当該事業から期待できる利益を比較し、暗号資産事業に注力することは、合理性
を有する選択であると判断するに至った。
 さらに、フィスコの事業計画について、貴社は、フィスコの主力事業である情報サービス業にて安定
的に収益を得る予定であり、フィスコの有利子負債の大幅な圧縮及び自己資本比率の向上が、同社の財
務体制の強化・改善、  今後のフィスコの成長に繋がっていくとの想定が合理的であると貴社は判断した。
 以上のとおり、貴社の判断について特段不合理な点はなく、本件 DES を利用したフィスコ株式
の取得について貴社には相応の合理性があるものと認められる。
(ⅲ)本件 DES 以外の方法をとる場合との比較検討
 貴社は、本件 DES が貴社にもたらす利益について、他の手段と比較検討した。
 そこで本件金銭債権として残存させた場合、本件金銭債権から生じる利息に比べて、フィスコ株の株
価上昇を背景としたキャピタル・ゲインが、貴社にとってより大きな利益をもたらすものであり、本件
金銭債権を上場株式とすることで手元資金の確保を可能にし、経営の自由度を高めるために有益である
と判断した。
 他方、本件 DES の代替手段として、フィスコが保有する貴社株式を売却する方法は、貴社の株価が下
落し、かえって貴社の企業価値を毀損するおそれが高いため、かかる手法をとることは適切ではないと
判断した。
 さらに、貴社は、CB の発行についても検討したが、フィスコの協力が得られず、実施は不可能と判断
した。
 以上のとおり、貴社は複数の選択肢を検討し、本件 DES の実施が最適であると判断したものである。
そして、かかる比較の手法及び内容について特段不合理な点は認められない。
(ⅳ)対価の公正性
 本件 DES に関する普通株式の払込金額(本普通株式1株につき 195 円)は、2019 年7月9日のフィス
コ普通株の終値である 195 円を基準としており(以下「本件基準株価」という)    、本件基準株価につい
ては、フィスコが 2019 年7月8日に開示した業績修正を含めた同社の経営状況が適切に反映されてい
るものと考えられる。そして、同社株式について現状異常な投機等により本件基準価格が同社株式の客
観的価値を反映していないと解すべき特段の事情はないと認められるため、フィスコ株式の価値を客観
的に表示しているものと認められる。本件 DES に関する払込金額は本件基準株価と同一であるから、本
件 DES に関する対価は相応に公正なものと認められる。
(ⅴ)貴社の企業価値向上への関与

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 本件 DES の目的は貴社にとって相応の合理性が認められ、また、貴社に利益をもたらす可能性が一定
程度あるものと認められる。したがって、本件 DES により貴社の企業価値は向上する可能性があると解
することが可能である。
 上記の通り、当社の今回の判断には相応の合理性が認められるものであり、当社の少数株主に不利益
を与えるものとは解されない、との意見を得ております。

5.今後の見通し
 本件DESによる2019年11月期の当社連結業績に与える影響は精査中であり、開示すべき事項が発生し
た場合には、速やかにお知らせいたします。
                                                以上




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