6627 テラプローブ 2020-02-12 15:00:00
株主提案権行使に関する書面の受領及び当該株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]

                                                  2020年2月12日
各 位
                                会 社 名   株式会社テラプローブ
                                代 表 者   代表執行役社長 浦崎 直彦
                                   (コード番号:6627 東証マザーズ)
                                問合せ先    Vice President 地主 尚和
                                            (TEL 045-476-5711)



                 株主提案権行使に関する書面の受領及び
             当該株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ


 当社は、当社株主1名より、2020年1月19日付で、2020年3月26日開催予定の当社第15期定時株主総会に
おける株主提案権の行使に関する書面を受領いたしましたが、本日開催の取締役会において本株主提案に反
対する決議をいたしましたので、下記のとおり、お知らせいたします。


                          記


1.提案株主
 300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する個人株主


2.本株主提案の内容
 (1)議題
  議題1 準備金の額の減少の件
  議題2 剰余金の処分等にかかる定款変更の件
  議題3 剰余金の処分の件
  議題4 中期経営計画を含む決算説明会資料の公表にかかる定款変更の件


 (2)議案の内容
  別紙1「株主提案の内容」に記載のとおりです。
  (提案株主から提出された「株主提案書」の当該記載内容を原文のまま掲載)


3.本株主提案に対する当社取締役会の意見
 当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。
 反対の理由につきましては、別紙2「本株主提案に対する当社取締役会意見」に記載のとおりです。


                                                         以 上
<別紙1>


                          株主提案の内容


第1 提案する議題
   議題1     準備金の額の減少の件
   議題2     剰余金の処分等にかかる定款変更の件
   議題3     剰余金の処分の件
   議題4     中期経営計画を含む決算説明会資料の公表にかかる定款変更の件


第2 議案の要領及び提案の理由等


(1)議題1 準備金の額の減少の件


   ① 議案の要領
    配当の実施、自己株式の取得等、今後の資本政策の機動性、柔軟性を確保するため、会社法第448
    条第1項の規定に基づき、資本準備金の額の減少を行い、その他資本剰余金に振り替える。


   (ア)減少する準備金の項目及び額
        資本準備金        資本準備金の総額から、2,955,828,000円を控除した額。


   (イ)増加する剰余金の項目及び額
        その他資本剰余金     資本準備金の総額から、2,955,828,000円を控除した額。


   (ウ)資本準備金の額の減少が効力を生ずる日
        2020年3月27日


   ② 提案の理由
    当社はホームページ上の公開情報で確認できる限りにおいても、2010年3月期以降(2017年3月期
    と2017年12月期を合わせて1期としても)9期にわたり無配当を続けており、株主還元の充実は喫
    緊の課題といえます。一方で、当社は議題2の提案の理由で詳しく述べるとおり、過剰な設備投資
    により必ずしも配当原資を確保できておりません。そこで、機動的な資本政策を実現すべく、資本
    準備金を資本剰余金に振り替えることを提案いたします。


(2)議題2 剰余金の処分等にかかる定款変更の件


   ① 議案の要領
    本議案による定款変更は、本議案が本定時株主総会において承認可決された時点で、その効力を
    生じるものとする。


   (ア)配当に関する決議
        現行定款の33条第1項を削除すると共に、現行定款の第33条第2項を第1項に、同条第3項を第2
      項にそれぞれ繰り上げる。


   (イ)自己株式の取得に関する規定の新設
      現行定款の第34条を、第34条第1項とし、第2項を以下のとおり新設する。


      第2項 取締役会は、本会社の株価が株価純資産倍率1倍を回復するまで、期末自己資本の1%
      相当額を取得価額の総額として、配当可能額の範囲内において、毎期自社株式の取得を行う。


   (ウ)剰余金の処分に関する規定の新設
      以下の条文を新設する。


      第36条(剰余金の処分の方針)
      本会社は、毎期末において、期末剰余金の処分として、配当可能額の範囲内において、当期純
      利益の30%相当額または純資産の3%相当額のいずれか大きい額を配当することを目標とするも
      のとする。


   ② 提案の理由


    当社の株価純資産倍率は0.34倍(2019年12月25日時点)で、東証1部平均の1.26倍に対して著しく
    低く評価されています。この原因は、前期の過大かつタイミングを誤った設備投資による減価償
    却費負担がもたらす低収益状況にあります。前期に実施された売上総利益40億円に対して177億円
    もの設備投資は、台湾に業務の軸足を移すという経営判断を勘案しても、明らかに過大であり、当
    期第3四半期末には7億円近い経常赤字を生じさせました。このような安易な設備投資は、資本コ
    ストに対する経営陣の意識の低さに起因すると考えられます。
    経営陣の意識改善のため、配当等に関する決定を株主総会に委ね、かつ、剰余金の配当及び自己株
    式取得による株主還元の目標を定めることとし、経営陣は株主資本がコストフリーの資金ではな
    いことを意識し、株価の過小評価を看過しないという強い姿勢を市場に示すことを求めます。


(3)議題3 剰余金の処分の件


   ① 議案の要領
    議題1及び2が原案どおり承認可決されることを条件として、第15期の期末剰余金の配当として、
    純資産の3%相当額を、その他資本剰余金を配当原資として以下のとおり配当する。


   (ア)配当財産の種類
      金銭


   (イ)株主に対する配当財産の割当てに関する事項
      当社普通株式1株につき金   66円
      配当総額            604,125,450円
      ただし、上記の配当財産の割当てに関する事項は、当社の発行済株式総数が9,282,500株、その
      うち自己株式の数が185,241株であること、及び配当総額については、第14期末の純資産額を
      前提としている。
      そのため、当社普通株式1株あたりの割当金額は、604,125,450円(但し、剰余金の配当にかか
      る基準日である令和元年12月31日時点の純資産額が第14期末純資産額と異なる場合、同時点の
      純資産額に100分の3を乗じた額(小数点以下切り捨て) を、
                                ) 剰余金の配当にかかる基準日であ
      る令和元年12月31日時点の発行済株式総数から自己株式の数を控除した数にて除した金額(小
      数点以下切り捨て)とする。また、配当総額については、令和元年12月31日時点の純資産額が
      第14期末純資産額と異なる場合、上記算式にて算定された当社普通株式1株あたりの割当金額
      に、令和元年12月31日時点の発行済株式総数から自己株式の数を控除した数を乗じた額とする。


   (ウ)剰余金の配当が効力を生ずる日
      2020年3月28日


   ② 提案の理由
    議題1及び2の「②提案の理由」でも述べたとおり、当社経営陣において、株主資本がコストフリ
    ーの資金ではないと認識していることを市場に示す必要があると考えられます。したがって、議
    題1が可決承認されることを前提として創出された分配可能額をもって、まず純資産の3%相当額
    程度の配当を実施させることを目指すものです。


(4)議題4 中期経営計画を含む決算説明会資料の公表にかかる定款変更の件


   ① 議案の要領
    議題2が原案どおり承認可決されたことを前提に、以下の条文を新設する。議題2が否決された
    場合、第36条とする。なお、本議案による定款変更は、本議案が本定時株主総会において承認可決
    された時点で、その効力を生じるものとする。


   第37条 決算説明会資料の公表
    本会社は、中期経営計画を含む決算説明会資料を毎半期ごとに公表し、当該決算説明会資料は本条
   各号に定める内容をすべて含むものとする。


   (1)業績及び財務状況
   (2)企業価値向上の基本方針及び施策
   (3)中期経営計画及びその進捗状況
   (4)設備投資の具体的な内容(目的・金額・資金調達方法・地域など)
   (5)株主還元の方針


   ② 提案の理由


    株主に重大な影響を与えうる重要事項についての配慮・説明として、コーポレートガバナンス・コ
    ードの原則1-3は、資本政策の基本的な方針を説明することを求めています。また、原則5-2では、
    経営戦略や会社計画の策定・公表にあたっては基本的な方針とともに収益力・資本効率等に関す
    る目標を提示し、その実現のために経営資源の配分等に関し、具体的に何を実行するのかについ
    て、株主に分かりやすい言葉と論理で明確に説明を行うべきとされています。
議題2の提案の理由でも述べたように、当社においては資本コストに対する経営陣の意識の低さ
が安易な経営を助長してきました。昨春、経営陣が交代し、今後の経営改革が期待されますが、経
営陣の意識の更なる改善のためには、株主還元による資本コストの意識付けと併せ、精緻な中期
経営計画の策定・公表・実施・検証を通じた、株主による外部チェック機能を働かせることが重要
と考えます。



                                        以 上
<別紙2>


                  本株主提案に対する当社取締役会意見


議題1 準備金の額の減少の件


 当社取締役会は 、本議題に反対いたします。
 当社は、すでに2018年6月に、資本政策の柔軟性を向上させることを目的として、3,768,945,719円を資本
準備金からその他資本剰余金に振り替えるとともに、その同額を、繰越利益剰余金に振り替えております。
 また、当社は一定の事業基盤を得ておりますが、当社がテストを受託する半導体製品市場は、今後も成長
が期待されている一方、競争が激しく、また変化も速いことから、事業機会獲得と事業基盤強化のためには、
タイムリーな設備投資と、資金面での対応力、更に、事業リスクを吸収し、借入金等の有利子負債による機
動的な資金調達を可能にする財務体質の維持、が必要であります。
 これに対し本議案は、さらに資本準備金を取り崩すことによる当社財務体質への懸念、資金対応力の低下、
及び企業価値と株主価値向上の機会損失、につながる可能性があるため、当社取締役会は反対いたします。


議題2 剰余金の処分等にかかる定款変更の件


 当社取締役会は、本議題に反対いたします。
 本議題の提案理由において、設備投資の判断と、資本コストに対する意識について触れられていますが、
当社の2019年12月期における設備投資額は約53億30百万円であり、前年度の約176億円から大幅に抑制し、
事業環境・機会に対応しております。
 また、設備投資に必要な資金につきましても、資本コストの観点から、2010年12月の上場以降、新株発行
等は行わず、銀行借入等の有利子負債での調達により対応してまいりましたが、これも、一定の自己資本規
模の維持により可能となったものです。
 これに対して本議題は、事業環境等のいかんにかかわらず、株主還元を固定化する内容であり、当社財務
体質への懸念を生じ、資金対応力や与信を損ない、企業価値と株主価値向上の機会損失につながる可能性が
あることは、議題1への意見で述べたことと同様であるため、当社取締役会は反対いたします。


議題3 剰余金の処分の件


 当社取締役会は、本議題に反対いたします。
 本議題は、議題1及び議題2の承認可決を条件としており、上記の通り、その両議題について当社取締役
会は反対しております。
 また、当社は、半導体テストサービス事業を譲渡したことにより計上した固定資産売却益の一部を株主の
皆様に還元するため、2019年2月に185,000株または150百万円を上限として自己株式を取得することを決定
し、2019年4月までに185,000株の取得を完了しております。今後とも、当社経営陣一同、安定的な収益を上
げられる事業構造の構築と、原資の規模と性質に応じた株主還元のため、注力して参ります。
 一方、本議案は、事業環境や業績、またコーポレートガバナンス・コードが求める企業の「持続的成長と
中長期的な企業価値の向上」のための資金を損なう、一時的かつ短期的な株主還元の提案であり、企業価値
向上に必要なリスクテイクを可能とする財務体質の維持を考慮しないものであるため、当社取締役会は、反
対をいたします。
議題4 中期経営計画を含む決算説明会資料の公表にかかる定款変更の件


 当社取締役会は、本議題に反対いたします。
 提案の新設条文における各号の項目は、会社が、株主をはじめとする様々なステークホルダーに対して説
明する事項として、その充実に努めるべきものであることは理解しておりますが、その項目・内容、特に本
議題で求められているように一般に開示するものについては、事業に応じて考慮すべき事情があり、また開
示することによる事業機会、競争力への影響を考慮しつつ、対象とするステークホルダーとの対話の中で、
柔軟に対応・改善していくべきものと考えます。
 これに対し、提案に従い、決算説明資料の内容を定款において一律に固定化することは、ステークホルダ
ーに対し誤解を招く説明となる可能性、及び競合先を利する情報を開示する危険性を踏まえますと、結果と
して株主利益に反する可能性がありますので、当社取締役会は反対いたします。


                                            以 上