6579 M-ログリー 2019-05-10 15:30:00
(開示事項の経過)Cookieを使用せずにユーザー属性を推定する技術を確立し、特許を取得したことに関するお知らせ [pdf]

                                                                  2019 年5月 10 日
各   位
                                         会 社 名   ログリー株式会社
                                         代表者名    代表取締役社長       吉永 浩和
                                                 (コード番号:6579       東証マザーズ)
                                         問合せ先    取締役CFO      岸本 雅久
                                                 (TEL.03-6277-5617)
                                                 (URL.https://corp.logly.co.jp/)




(開示事項の経過)Cookie を使用せずにユーザー属性を推定する技術を確立し、特許を取得
                  したことに関するお知らせ



 当社は、2018 年 6 月 20 日付「成長可能性に関する説明資料」において開示しましたとおり、成長戦略として
掲げておりました「より高度化されたネイティブ広告配信技術の開発・提供」をインターネット広告配信におい
て Cookie などのユーザーを一意に特定する技術を使用せずに、ユーザーの属性を推定する技術を確立し、特許
(特許第 6511186 号)を 2019 年 4 月 12 日付で登録されたことにより取得したことをお知らせいたします。


1. 特許取得の背景
 近年、インターネットにおけるユーザーのプライバシー保護について関心が高まり、ブラウザの Cookie が制
限されるようになりました。また、EU 圏では GDPR(EU 一般データ保護規則 *1)が制定され、Apple 社の Safari
ブラウザでは ITP(Intelligent Tracking Prevention(以下、ITP)*2)によって Cookie によるトラッキングを
禁止する機能が搭載されるなど、今後もユーザーのプライバシー保護に対する仕組みが整備されていきます。
 ログリーが実施したスマートフォンにおける ITP の影響調査では図に示すように、iOS のバージョンアップ
以降、Cookie によるトラッキング捕捉数が約 25%減少していることがわかりました。




                       図 ITP による Cookie トラッキングの影響
                                     1
  これらの基準に対応した地域やデバイスにおいて、インターネット広告事業者は従来のような Cookie を用
 いた効率のよい広告配信が行えなくなり、同時にユーザー側も自分の興味や関心と関係のない広告を見る機
 会が増えることになりました。


2. 特許技術の概要
   これらの背景を踏まえ、ログリーでは 2018 年 1 月よりユーザーのプライバシーを考慮した広告配信技術
  の研究開発を進めてまいりました。そして、その第一弾として、2018 年 7 月 11 日に「ユーザーの興味を分
  類・可視化する技術に関して特許を取得」を発表しています。


   今回の特許はそれをさらに推し進め、Cookie をまったく利用せずに Web ページのアクセス情報からユー
  ザーの性別・年齢などのデモグラフィック情報、そして興味・関心などのサイコグラフィック情報を推定す
  る技術を確立しました。




                         図 特許技術の概念


   従来、ユーザーの属性を推定する技術として、Cookie を用いてユーザーが過去に閲覧した Web ページの
  履歴(行動履歴)から機械学習によってユーザーを分類し、属性を推定する手法が用いられてきました。し
  かしながら、Cookie が利用できない端末においては行動履歴を蓄積することができず、アクセスした単一
  ページの情報しか保持できません。この場合、ページの内容を解析することでユーザーの興味を推定する手
  法が用いられてきました。この手法ではテキストの形態素解析や意味解析を行う必要があり、膨大な Web ペ
  ージを解析するには多くの時間と計算リソースが必要でした。また、リアルタイム性を求められる広告配信
  においては利用が難しい状況でした。さらに、グローバルに適用するには地域ごとに言語対応をしなければ
  ならないという課題もありました。


   本特許技術では、ページの内容を利用することなくユーザーが Web ページにアクセスした際に取得でき
  る URL、日時、端末情報などのアクセスログをパターン化、機械学習の技術を用いて高速にユーザー属性を
  推定することが可能になりました。また、アクセス情報はページの言語に依存しないため、日本語以外の
  Web ページにおいても適用が可能です。
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   属性の推定結果を広告配信に適用するシミュレーションを行った結果、アルゴリズムが適用可能と判断
  した広告の約 90%で CPA、CTR、 CVR の改善が見込めることがわかっています。下図はそれぞれ本特許技術
  を適用した場合(オレンジ)と適用していない場合(青) CPA
                            の   (広告による獲得単価)を比較したもので、
  本特許技術を適用した場合に、CPA を下げる、つまり広告効果を高める結果となりました。




                   図 広告の CPA シミュレーション例




3. 今後の見通し
  本件が当社の 2020 年 3 月期の業績に与える影響は軽微であります。なお、今後業績に与える影響に関して
 は 2020 年 3 月期の通期業績予測に織り込み済みです。




                                                       以上




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