6568 M-神戸天然物化学 2021-02-12 15:00:00
2021年3月期 第3四半期決算補足説明資料 [pdf]

2021年3月期第3四半期
 決算補足説明資料
    証券コード:6568




    2021年2月12日
1.2021年3月期第3四半期決算実績




                      1
    2021/3期第3四半期決算におけるポイント

    3Q累計決算は前年比減収減益。機能材料、医薬品は堅調に進捗した一
1   方、バイオはコロナ禍が重石に。EBITDAは増益確保


    通期見通しを減額。主要因はコロナ禍による納期遅れや顧客サイドの開発
2   計画見直しなど。コロナ禍の影響が顕在化し、営業利益は前年比横ばい
    圏と想定


3   前期実施した「屈む選択」 の効果は着実に発現。粗利率の水準は前期比で
    大きく上昇




                                         2
       1-1. 2021/3期3Q累計 経営成績

•   対前年で減収減益。機材分野は中間体開発案件が堅調。医薬・バイオ分野は量産案件が順調に推移した
    ものの、コロナ禍の影響が出始めたバイオの開発案件が減少。バイオの減収を機材・医薬で吸収できず
•   利益面では減価償却増が利益圧迫要因として発生。生産能力のボトルネック解消を狙った「屈む選択」効果
    が下支えたものの、経常減益。ただし、EBITDAでは増益確保し、同マージンは25.1%に改善

                                       経営成績の推移
                                        2020/3期              2021/3期    3Q累計前年同期比
    (百万円)                2019/3期
                                    3Q累計          通期          3Q累計      差異        変化率
    売上高                     6,290     4,030        6,347        3,915    △114     △2.8%

              機能材料分野        2,724     1,652        2,249        1,718        66   +4.0%

                医薬分野        2,355     1,586        2,846        1,675        88   +5.6%

               バイオ分野        1,210      791         1,250          521    △269     △34.1%
    営業利益
                            1,240      331             574        295       △35   △10.8%
    経常利益
                            1,285      385             644        322       △62   △16.3%

               経常利益率       20.4%      9.6%        10.2%         8.2%    ー         △1.3pp

    当期純利益                     936      327             518        162    △164     △50.4%

    EBITDA*                 1,995      905         1,377          984        79   +8.8%

           EBITDAマージン*     31.7%     22.5%        21.7%         25.1%   ー         +2.7pp
    * EBITDA=営業利益+減価償却費で算出

                                                                                           3
          1-2. 四半期別経営成績推移
•    3Qのみの実績では対前年、対2Qともに減収減益。軽微と見ていたコロナ禍の影響が徐々に発現。原材料調
     達や開発案件の先送りといった形で、ほぼ全方位で売上減速。唯一、前年低調だった機材は増収を確保
•    EBITDAも対前年、対2Qで減少。ただし、マージンは24%と高水準を持続。収益力の底上げ進捗を確認

                              2019/3期                           2020/3期                         2021/3期
                     1Q      2Q      3Q      4Q      1Q        2Q      3Q      4Q      1Q         2Q       3Q

    売上高             1,405   1,518   1,502   1,864   1,012     1,450   1,567   2,317   1,064      1,525    1,325

          機能材料        812     694     615     601     537       552     561     597     494        638      586

              医薬      355     552     567     879     226       763     597   1,260     476        631      566

              バイオ     237     271     318     382     249       134     408     459      93        255      173

    営業利益              325     188     268     457    △20         92     260     242     △8         204       99

    経常利益              348     197     265     472         1     102     281     259      12        215       94

        経常利益率       24.8%   13.0%   17.7%   25.4%   0.2%       7.1%   18.0%   11.2%   1.2%       14.1%    7.1%

    当期純利益             255     151     194     334     △3        137     193     191         3      164      △5

    EBITDA*           498     371     460     664     164       279     461     472     237        428      319

    EBITDAマージン*     35.5%   24.5%   30.6%   35.7%   16.2%     19.3%   29.5%   20.4%   22.3%      28.1%    24.1%

     * EBITDA=営業利益+減価償却費で算出

                                                                                                                  4
           1-3. 2021/3期3Q累計 経常利益増減要因分析

•   経常減益の主な要因は、減価償却費の増加。生産能力のボトルネック解消/緩和を狙った設備が新規に
    稼働。定率法を採用しているため、稼働初年度は償却費が特に重く圧し掛かることとなった
•   しかし、同時にボトルネック緩和により操業度改善などのコストダウン効果も発現。製造管理コストの削減
    も進展し、人件費の上昇といったマイナス要因はあったものの、償却負担増の影響を大幅に減殺
•   なお、売上減による損益影響は、製品構成改善などが貢献し、ほぼゼロに

                        2021年3月期3Q経常利益の増減要因
    (億円)


                                       増収効果 △0.0億円
                                        機能材料分野:開発案件好調継続で、製品構成改善
                                        医薬分野:量産案件順調も研究開発案件は低調
                                        バイオ分野:量産案件順調も開発案件は低調

                                       減価償却費の増加 △1.2億円
                                        減価償却費    6.8億円
                                        主な設備投資実績 6.5億円
                 増益要因                     ・出雲工場原薬精製棟
                                          ・市川研究所事務所棟
                 減益要因

                                       固定費等の減少 +0.8億円
                                        人件費    △0.5億円
                                        操業度等改善・製造管理費減等 +1.7億円

                                       営業外収支の悪化 △0.3億円


                                                                5
     1-4. 2021/3期3Q末 財政状態

•   売掛金回収や未払金支払が引続き進捗。ただし、コロナ禍において潤沢な手元流動性を確保しておくべく、借
    入と現預金を両建てで計上。資金繰りに懸念はないものの、リスク管理を保守的に運用
•   在庫増は主として医薬量産製品。受注好調に加え、コロナ禍による材料手当の遅れから仕掛品在庫が増加
•   自己資本比率は79.7%。財務安全性に変化なく、実質的な無借金状況を維持

                        財政状態の推移
     (百万円)           2019/3期    2020/3期    2021/3期3Q   前期末差異
                                                                   借入増により
     流動資産               4,774      4,335       4,842     +507    手元資金を積み増し

               現預金      3,072      1,476       1,710     +233   前期4Qの売上増加で
              売上債権       505       1,528        678      △849   膨らんだ売掛金回収

              棚卸資産      1,097      1,285       2,057     +771    医薬品等の在庫増
               その他        99         44         395      +351
     固定資産               7,227      8,435       7,586     △849   設備投資額:6.8億円
                                                                減価償却費:6.5億円
     総資産               12,002     12,770      12,428     △341
     負債                 2,547      2,943       2,526     △416   保守的なリスク管理により
             有利子負債       978       1,428       1,633     +205      借入手当て

               その他      1,569      1,515        893      △621
                                                                設備未払金解消など
     純資産                9,454      9,827       9,902      +75
                                                                  自己資本比率
     負債純資産合計           12,002     12,770      12,428     △341      79.7%
                                                                               6
     1-5. 「屈む選択」の検証

•   生産能力のボトルネック解消/緩和を目的に、2020/3期に「屈む選択」を決断。
    投資を急ぎ、効果的な操業ができる体制構築にシフト。後顧の憂いを抑制すべく、一時費用の一括計上も断行
•   「屈む選択」戦略の効果は2021/3期において着実に発現中。減収局面という逆風下ながら、3Qのみの粗利
    益率は30%以上を維持。売上回復時には、より高い利益率の期待できる収益体質を構築

                                            売上総利益率の推移
                                                                                  生産能力ボトルネック解消
                                                                                    設備投資拡大
              44.4%                                                                 人員採用強化
                                                    「屈む選択」の実行
                                                                                  一時費用の一括計上
                                          38.7%

                                 35.6%                                34.9%

                       30.8%
                                                                                                31.0%   30.4%
                                                                                        27.8%
                                                   25.5%
                                                                               25.1%
                                                            23.7%




         1Q       2Q        3Q       4Q       1Q       2Q        3Q       4Q       1Q       2Q          3Q

                      2019/3期                              2020/3期                        2021/3期


                                                                                                                7
2.2021年3月期通期見通し




                  8
2-1. コロナ禍の影響顕在化


  上期まで

 • 当社業績に大きな影響なし
 • 新型コロナウィルス感染症薬の研究開発に対し支援を実施

   3Qまで
 • 直接的な影響は発現せず
 • しかし、顧客サイド・購買サイドで影響が徐々に顕在化
 • コロナ対策関連需要は未だ盛り上がらず

  4Q見通し
 • 顧客サイドで研究開発中断やサンプル評価の遅れが蔓延(医薬・バイオ)
     上期よりその兆しは見えていたが、4Qよりその影響が顕在化
 • 海外原材料の調達遅延が深刻化(バイオ)
     一部原材料では需給が逼迫

                                       9
       2-2. 2021/3期見通し①

•   通期見通しを減額修正。従来の増収増益想定から減収減益へと方向転換。主因はコロナ禍による影響。上期
    までは大きな影響なかったものの、コロナ第三波と相俟って下期から顕在化した影響を織り込んだ
•   分野別では、医薬分野、バイオ分野で売上想定を引下げ。顧客の研究開発の優先度変更など計画見直しや
    海外原材料調達遅延などが深刻化

                                        2021年3月期見通し
                                                       2021/3期見通し      従来→修正       前年比較
          (百万円)         2018/3期   2019/3期   2020/3期
                                                       従来      修正        差異     差異    変化率
    売上高                   6,312     6,290      6,347   6,800   5,850     △950   △497   △7.8%

              機能材料分野      2,962     2,724      2,249   2,230   2,130     △100   △119   △5.3%

               医薬分野       2,881     2,355      2,846   3,270   2,860     △410    +13    +0.5%

               バイオ分野        468     1,210      1,250   1,300     860     △440   △390   △31.2%

    営業利益                  1,222     1,240       574      950     530     △420   △44    △7.7%

    経常利益                  1,208     1,285       644    1,000     570     △430   △74    △11.6%

              経常利益率       19.1%     20.4%     10.2%    14.7%   9.7%     △5.0%    ー     △0.4pp

    当期純利益                   900       936       518      740     310     △430   △208   △40.2%

    EBITDA*               2,004     1,995      1,377   1,934   1,490     △444   +112    +8.2%

          EBITDAマージン*    31.7%      31.7%     21.7%    28.4%   25.5%    △2.9%    -     +3.8pp

           * EBITDA=営業利益+減価償却費で算出

                                                                                                10
        2-3. 2021/3期見通し②

•   4Qのみでは対前年16%減収の想定。例年、4Qは季節要因から売上が集中する傾向にあるものの、今期は
    その傾向が弱い公算高まる
•   対前年でみると、これまで顕在化していなかったコロナ禍の影響により、 4Qは16%減収と2021/3期で最も
    厳しい四半期に。ただし、これ以上の経済活動収縮がないとすれば、4Qの減収率が当面のボトムになる見通し

                                      2021年3月期見通し(四半期別)

       (百万円)          1Q         2Q        3Q        4Q見通し    通期見通し                  (百万円)

                                                                           売上高         経常利益
    売上高               1,064      1,525    1,325       1,934    5,850
              前年比      5.1%       5.2%   △15.4%      △16.5%   △7.8%
       機能材料分野           494        638      586         411    2,130
                                                                                                               1,934
           医薬分野         476        631      566       1,184    2,860
                                                                                    1,525
          バイオ分野            93      255      173         338      860
                                                                                                  1,325
    営業利益                △8         204          99      234      530   1,064
    経常利益                   12      215          94      247      570
              前年比      +8倍       +2.1倍   △66.4%      △4.6%    △11.6%
    当期純利益                    3     164      △5          147      310                                                   247
                                                                                            215
                                                                               12                         94
    EBITDA*             237        428      319         505    1,490
     EBITDAマージン*      22.3%      28.1%    24.1%       26.1%    25.5%     1Q           2Q            3Q           4Q
    * EBITDA=営業利益+減価償却費で算出                                                                                      見通し

                                                                                                                             11
       2-4. ステージ別売上高比率

•   3Q累計では量産ステージ売上が大きく伸長。全社売上に占める割合は初めて60%超に
•   一方、研究ステージ売上が全社売上に占める割合は16%台まで低下。コロナ禍による研究・開発案件の
    減少が影響。4Qもこの傾向は続くと想定

                                                      ステージ別売上割合推移

    (百万円)

                                                                      研究・開発ステージ案件
               6,312     6,290    6,347                                新型コロナ禍の影響により顧客の開発計画遅延
                                                      5,850     量産      などが生じ、研究・開発案件は低迷
                                                                開発
     4,768                                                             こうした中、機材分野で医農薬中間体関連の開
                                                                研究
               42.2%                        3,915                       発案件に注力
                         55.5%     54.6%
                                                       56.7%
     42.8%
                                                                      量産ステージ案件
                                                                       機材分野を中心に展開
                                             60.3%
               37.6%                                                   最近では、医薬分野で開発から量産へのステー
     23.2%
                         27.0%     27.5%                                ジアップが進展し、量産ステージが稼ぎ頭に台頭
                                                       27.3%

                                             23.3%
     34.0%
               20.2%     17.5%     17.9%               16.0%
                                             16.3%

    2017/3期   2018/3期   2019/3期   2020/3期   2021/3期   2021/3期
    ※パーセンテージは全社売上に占める割合                       3Q       見通し


                                                                                                 12
           2-5. 2021/3期 経常利益増減要因分析(見通し)

•   増減益分析要因では、売上見通し引下げやR&D費用積増しの影響を除き、従来見通しを継続。
•   前期計上の一時費用の消失、設備投資効果の発現などがプラス要因として寄与するものの、減価償却負担
    の増加やコロナ禍による売上の減少影響は吸収できないと予想


                                       2021年3月期 経常利益の増減要因(見通し)
    (億円)


              退職給付
                                                                          減収影響 △2.6億円
              引当金
                                                                          機能材料分野:機能材料製品は減少するも、
                                                                                 医農薬中間体でカバー
                                                                          医薬分野:量産品の受注堅調も、材料調達
                                                                               遅延や開発案件減少が発生

                                                    1.8                   バイオ分野:材料調達遅延や開発案件減少が発生
              2.4              △2.6
                                                           △0.1           減価償却費の増加 △1.7億円
                      8.8                                                 原薬精製設備取得により増加
                                      △1.7
                                             △0.5                         研究開発費の増加 △0.5億円
     6.4
                                                                  5.7
                               実力ベースの                                     来期以降の量産案件でプロセス開発費の増加
                               経常利益                       増益要因

                                                                          固定費等の減少 +1.8億円
                                                          減益要因
                                                                          人員増はあるも、設備投資効果や本社移転費用等の
    2020/3期   一時費用   2020/3期   減収影響 減価償却費 研究開発費 固定費等の 営業外収支 2021/3期       消失が寄与
     経常利益            経常利益                           増減            経常利益

                                                                          営業外収支 △0.1億円
                                                                                                 13
         2-6. 設備投資・研究開発動向

•   設備投資の2021/3期計画は現時点で変更なし、老朽化投資を含め15億円。
    減価償却費は1.7億円増加の見通し。原薬精製棟や新本社の検収進行が影響。
•   R&Dは量産候補案件のプロセス開発費の増加で2.4億円から3.1億円に計画変更。

                    設備投資と減価償却費の推移                                             研究開発費の推移
    <2021/3期の設備投資計画>                                           <中分子医薬>
       医薬原薬精製棟建設取得                                             次世代産業である中分子医薬(糖鎖、ペプチド、核酸)の技術開発
       その他老朽化更新
                                                               <低分子医薬>
                                                                低分子医薬の研究を実施し、創薬会社へのライセンスアウト、さらに
         設備投資額
                                                                 量産候補案件のプロセス開発
                                 20.0      19.5
         減価償却費
          (億円)
                                                               <バイオ分野、機能材料分野>
                                                                バイオを利用した製造技術の開発
                                                     15.0       企業との共同研究による新素材の製造技術の開発

                                                                                      3.5
                                                                                                          3.1
                                                                 (億円)
                     8.8                                                                        2.6
                                                                            2.4
                                                                  2.1
        5.0
                                                        9.7
              8.3          7.8      7.5       8.0




        2017/3期      2018/3期     2019/3期   2020/3期   2021/3期    2017/3期   2018/3期   2019/3期   2020/3期   2021/3期
                                                                                                                  14
     2-7. 中期見通し

•   当期を最終年度とする中期見通しは、業績見通し減額修正の通り、コロナ禍の影響により達成は厳しい状況
•   ただし、「屈む選択」の効果は着実に発現。厳しい局面だからこそ、早めに身軽になっていたことのメリットも大。今
    後は新規顧客開拓にもさらに注力し、見通し数字に近づけるべく企業努力を継続
•   新中期見通しの必要性は認識しているが、現在はウィズコロナ下での顧客動向を見極める段階との位置付け

                                          長期業績トレンド
        (百万円)                                            20%
                                          19%
           経常利益率

                                         6,312           6,290           6,347
          売上高
                               16%
          経常利益                                                                         5,850

                9%
                                                                                               10%
                           4,768                                           10%
            4,541




                                                 1,208           1,285

                                   740                                           644            570
                     409



                2016/3      2017/3        2018/3          2019/3          2020/3        2021/3

                                                                                                      15
            < 見通しに関する注意事項 >


当資料に記載されている内容は、いくつかの前提に基づいたものであり、将来の計画数値や施策
の実現を確約したり保証したりするものではありません。




                                問い合わせ先
                                経営企画室 IR担当
                                078-955-9900 (代表)
                                knc-ir@kncweb.co.jp

                                                      16