新中期経営計画
『中期経営計画2024』
2021年5月13日
株式会社明電舎
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目次
１．中期経営計画2020 総括
２．社会変化と中計2024の考え方
３．中計2024概要
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１．中期経営計画２０２０ 総括
成果：コア事業の収益向上と、次の成長の準備が出来たこと（成長投資の実施）。
課題：海外変電の事業戦略の進捗遅れ。
経営目標 取組み
2018 2019 2020
単位：億円 目標 実績 評価 目標 実績 評価 目標 実績 評価 ・ 成長事業への投資
→ 海外変電事業における現地企業への
売上高 2,450 2,450 〇 2,600 2,557 △ 2,800 2,312 ×
(％) (4.7%) (4.2%) (4.8%) (5.0%) (5.0%) (3.6%)
営業利益 115 103
×
125 127
◎
140 83
×
資本参画や拠点の設立（米国、ベトナム）
(％) (3.0%) (3.1%)
◎
(3.2%) (3.2%)
△
(3.4%) (3.2%)
× 成 → EV事業への投資拡大（日本、中国）
・ 新たな成長領域への事業拡大
当期純利益 *1 74 76 84 82 94 73
ROIC 5.9% 6.7% 7.0% 4.2% 果
ROE 9.3% 9.6% 10.0% 8.0%
×
→ NPI：ピュアオゾン技術の活用した新会社
→ ELMODIS：
*1 親会社株主に帰属する当期純利益
・ 19年度は過去最高益。『稼ぐ力』の強化が進んだ。 デジタル活用を目的としたパートナシップ
成 → 公共インフラ・保守サービス事業が業績を牽引
果 半導体装置向け事業は、高利益率を継続
・ スマート工場・現場の取り組みには、まだまだ
改善の余地あり
反 ・ インドおよびインド以西への変電事業の拡大
・ 最終年度は大幅な未達（コロナ禍の影響）
反 省 → PML（訴訟問題）
・ 海外変電事業の採算向上は道半ば
省 ・ 電子機器事業の領域拡大
・ 半導体向け製品の需要が想定を下回る
→ VCの次の製品の創出と事業化
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２．社会変化と中計2024の考え方 （１）当社を取り巻く環境の変化
社会は企業に地球規模の課題解決への取組み強化を求めており、今後、その傾向が更に強まる。
デジタル化を中心とした技術革新が更に加速。異業種連携も進んでいく。
蓋然性の高い時代の変化 当社にとって重要な世の中の動き・キーワード
■ 気候変動対策（グリーンニューディール、他）
気候変動 ■ 環境と社会経済のバランスを意識した持続的成長
■ 異業種との提携・共創の進展
デジタル化 ■ 分散型社会の進展（インフラ・都市等）
■ 人々の雇用意識・価値観の多様化
多様化 ■ 多様な人財・経験の活用によるイノベーションの創出
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２．社会変化と中計2024の考え方 （２）位置づけと考え方
成長と収益力向上の取り組みの成果を創出し、『質の高い』成長を実現する。
新しい社会の構築に向けて、時代の変化に対応しながらESGを軸とした経営を推進する。
FY15~17 FY18~20 FY21~24 FY25~
『V120』 『中計2020』 『中期経営計画2024』 次期以降
HOP Powerful
STEP JUMP
収益基盤強化 『質の高い』成長 経
収益基盤の確立 ありたい姿・ビジョン
の実現 営 E
成長投資 の S
両利きの経営 推 G 地球・社会・人に対する
成長領域の設定 誠実さと共創力で、
新規領域の探索 の推進 進
新しい社会づくりに挑む
気候変動への対策（カーボンニュートラル）
蓋然性の高い
デジタルトランスフォーメーション（DX）化
時代変化
様々なコミュニティ、人の多様性
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２．社会変化と中計2024の考え方 （２）位置づけと考え方
コロナ影響に鑑み、期間は4年間（1+3年）。最終年度の経営目標はコロナ禍が
落ち着くことを前提とし、初年度に回復とコロナ後を見据えた具体的戦略を立案。
2021年度（With Corona）： 2022~24年度
コロナ禍から回復しつつ、22～24年度の具体的戦略を立案するフェーズ （After Corona）
【喫緊の課題への対応】 【次年度以降に向けた検討】
質の高い成長の ・ サプライチェーン見直し ・ アフターコロナを見据えたビジネスモデル変革
実現 ・ 収益性の向上、他 ・ パートナーシップ検討
ESGを軸とした
・ 内部統制の強化 ・ 設定したKPIに関する具体的な施策の検討
ESG経営の推進 経営・事業戦略
・ KPI設定(30年度目標) ・ 評価制度などの見直し（企業改革）
（実行フェーズ）
両利きの経営 ・ 設立した新会社を ・ 設定したKPIに関する具体的な施策の検討
推進 軌道に乗せる。 ・ 次世代事業（EVの次の事業）の探索
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３．中計2024基本方針 （１）経営目標、ESG指標、他
経営目標（2024年度） 投資（4か年累計）
受注高 3,000億円 設備投資 600億円
売上高 3,000億円 （うち、成長投資 200億円）
営業利益/率 180億円/6.0% 研究開発投資 400億円
当期純利益 120億円
海外売上高 730億円 財務指標：格付け向上（A格レベル）
ROIC 8.0% 自己資本 1,200億円
ROE 10.0% 配当性向 安定的に30％レベル
第二次明電環境ビジョン：2030年温室効果ガス 削減目標（2019年度比）
ESG
事業活動に伴う排出(Scope1+2) 30％削減
指標
製品使用段階の排出(Scope3) 15％削減
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３．中計2024基本方針 （２）経営基盤強化：機構改革
機構改革の目的は、①責任と権限を明確化、②迅速な意思決定と事業シナジー創出
③環境変化や多様なニーズへの迅速な対応。
【事業グループ】 【主要顧客】
発電事業者、新電力、他
電力インフラ 社会システム 産業電子
グループ グループ モビリティグループ 電力会社、他
（発電・変電事業） （社会システム事業） （EV事業）
（電力エネルギー事業） （電鉄システム事業） （モビリティT&S事業
（水インフラ事業） ：旧動計事業）
（電動力ソリューション事業） 官公庁、地方自治体
（電子機器事業） 民間事業者（鉄道・放送など）
他
自動車メーカ
EV関連業者、他
民間事業者
フィールドエンジニアリンググループ （半導体、産業機械、他）
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３．中計2024基本方針 （２）経営基盤強化：業務改革・能力強化
新しい時代の流れに合わせ、委員会・プロジェクトを立ち上げ、必要な経営基盤を強化。
デジタル化による業務改革と機能最適化 ■ 間接部門の効率化と生産性向上
経営基盤 プロセス・基幹システムの見直し （24年度目標）
売上高販管費比率 19%以内
/仕組み 組織間の連携強化（グループ・大工場制）
（21年度：20%）
グループ会社の機能整理
■ 付加価値向上
製品競争力の強化、両利きの研究開発 ＆固定費抑制/削減
（24年度目標）
ものづくり力 低コスト・高品質な量産ラインの構築
売上総利益率 25%以上
/研究開発 受注生産の原価低減 （21年度：24%）
第2次明電環境ビジョンの完遂
■ GHG削減
（30年度目標、19年度比）
ESG推進とイノベーション創出
事業活動に伴う排出：30％削減
企業風土 多様な人財の活躍 製品使用段階の排出：15％削減
/人財育成
カーボンニュートラルへの対応
/イノベーション ■ 女性役員クラス（プロパー）
イノベーションを支える体制構築 （24年度目標）１名以上
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３．中計2024基本方針 （３）グループ戦略
電力インフラグループ 2024年度経営目標 （）は21年度目標
発・変電機器事業：投資成果の創出と事業規模の拡大
受注高 580億円 （515億円）
売上高 555億円 （475億円）
インド拠点
■ インド事業の規模拡大・インド以西への進出 営業利益 20億円 （▲10億円）
■ 日・ASEANへの製品供給
電力エネルギー事業
ASEAN・中国拠点 分散型社会・カーボンニュートラルをチャンスに事業拡大
■ ベトナム市場での事業拡大
■ シンガポール市場トップシェア維持とO&M需要獲得 電力
■ 送配電網整備の受注取り込み
北米拠点 ■ DXを活用した次期変電所システム
■ 新会社を拠点に環境対策需要の獲得・事業拡大 ＋エコ化の展開
再生可能エネルギー
国内拠点 ■ 水力向け保守（遠方保守、省力化）
■ マザー工場機能の強化
■ 風力事業拡大（O&Mの拡大）
■ 環境をテーマにした特長製品の拡充と拡販
■ 中小水力発電事業の拡大
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３．中計2024基本方針 （３）グループ戦略
社会システムグループ 2024年度経営目標 （）は21年度目標
受注高 958億円 （795億円）
公共インフラ関連事業
DXを活用した技術・製品・サービス・ソリューションを通し、
売上高 928億円 （913億円）
分散型社会と環境に貢献 営業利益 56億円 （38億円）
■ 事業範囲の拡大（パートナーシップ・PPP事業）
■ 環境に配慮した上下水道施設製品の展開 電鉄システム事業
■ ＤＸを活用した維持管理の省力化 鉄道インフラを支え、カーボンニュートラルに貢献
■ セラ膜事業の収益力向上 国内
■ 保守省力化への対応：
（カテナリーアイ拡販、巡視点検レス対応等）
社会システム関連事業 ■ 特長製品の拡販（インピーダンスボンド等）
製品・保守を通じて、脱炭素とレジリエンス社会に貢献 海外
■ BCP対応製品（移動電源車等）とサービス強化 ■ プロジェクトリスク低減と収益力強化
■ ICT技術の製品適用による提供価値の向上 ■ 新規プロジェクト案件への取り組み（ASEAN）
■ 日系企業向け海外EPC案件のリスク管理強化 ■ 日系商社・エンジニアリング会社との連携強化
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３．中計2024基本方針 （３）グループ戦略
電力インフラG＆社会システムG
電力インフラGと社会システムGのシナジーで新しい価値を創出し、「レジリエント」かつ「サスティナブル」な
地域の基盤づくりに取り組む。
◆ 取組み事例③
◆ 取組み事例① EV駆動用のバッテリーのリユース技術を活用した
IoTを活用したスマート雨水マネジメントのための バーチャルパワープラント（VPP）実証実験
共同実証実験（守谷市） （中国電力株式会社・マツダ株式会社）
【VPPのイメージ】
◆ 取組事例②
洪水・浸水対策支援サービスの実証実験
（つくばみらい市）
【協定締結式典（守谷市）】 【協定締結式典（つくばみらい市）】
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３．中計2024基本方針 （３）グループ戦略
産業電子モビリティグループ 2024年度経営目標 （）は21年度目標
電動力ソリューション事業 受注高 1,000億円 （653億円）
電動化・デジタル化を通じた省エネ・省人・省力化に貢献 売上高 1,000億円 （659億円）
■ モータ・インバータ：
IoT活用による保守サービス・ソリューション
営業利益 81億円 （15億円）
（ELMODISとの連携） モビリティT&S（Testing & Solution）事業：
■ 産業車両： 製品・エンジニアリングを通じて、
FL向け市場シェアと電動建機などへの領域の拡大 次世代モビリティ開発の推進に貢献
■ 搬送： ■ EV試験機（高速モータ試験機）
SI・ロボットメーカとの連携拡大 ＋HILS※のパッケージ販売
電子機器事業 ■ ＥＶ用モータ認証試験の受託
社会のデジタル化による豊かな未来創りに貢献 ■ ＭＢＤ（モデルベース開発）モデルを最大限に
活用した、車両開発エンジニアリングの拡大
■ VC製品 ：北米への拡販
カスタム製品の開発と拡販 ■ 中国・米国向け電動化対応製品の拡販
※HILS（Hardware-In-the-Loop-Simulation）
■ Ｘ線管/源 ：大電流・高電圧化 エンジン機能や車両挙動を数値化し、実機を模した開発用シミュレータ
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３．中計2024基本方針 （３）グループ戦略
産業電子モビリティグループ ＜モータ・インバータ 年間生産台数＞
年産
EV事業：脱炭素社会に向けた電動車両普及に貢献 国内拠点（沼津・名古屋・甲府） 79万個
中国拠点（杭州） 20万個 ※
■ 地産地消型の事業展開とシェア拡大
（Max 34万個）
（設備投資の成果創出）
※ 10万個(Max17万個)は、FY21稼働予定。
■ 次世代モビリティ対応製品強化 残りの10万個(Max17万個)はFY23稼働予定。
（冷却技術・高速化・ノイズレス技術） ＜売上高推移＞
ノミネーション済み
■ e-Axleの小型・軽量・高効率化 1,000 22年度：9割、23年度：8割、24年度：6割
■ 新規顧客（中国＋国内）の開拓
■ 事業規模1,000億円に向けた 中計2024
生産能力の増強
実績
500 1,000
500
・・・
459
374 385
271
0
FY16 FY17 FY18 FY19 FY20 FY21 FY22 FY23 FY24 FY25 FY28
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３．中計2024基本方針 （３）グループ戦略
フィールドエンジニアリンググループ 2024年度経営目標 （）は21年度目標
受注高 420億円 （395億円）
フィールドエンジニアリング事業 売上高 410億円 （394億円）
ＬＣＥ（ライフサイクルエンジニアリング）を柱とした
スマートソリューションサービスの提供 営業利益 60億円 （58億円）
■ ワンストップと
環境保全の統合
（省エネ・GHG削減）
■ スマート保安の推進
（遠隔メンテ、状態監視等）
■ 若手技術者の育成と
熟練技術者の活躍できる
職場づくり
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３．中計2024基本方針 （４）両利きの経営の推進
既存領域で得た収益を新規領域への投資に回し、新しい社会づくりを加速させる。
新しい社会を支える新しい価値創出
既存事業で得た収益を （目標：2024年売上高50億円）
積極的に新規領域の探索や投資に回す
「両利きの経営の推進」
デジタルを活用した
カーボンニュートラル
省人化・高効率化
新領域への投資予算枠を設定し、 貢献製品・サービス
サービス
組織・個人発のアイディアを磨き・事業化
安心・安全な
社会に資する
人と組織、両輪の強化を目指した BCP事業
「イノベーションを支える3本の柱」
①イノベーションプロセスの整備 世の中を
②新規開発を担う多様な人財の育成 ワクワクさせる
新価値提供
③新たな社会ニーズの探索・共創
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３．中計2024基本方針 （５）ESG経営の推進
2030年の目指す社会を想定し、「ありたい姿・ビジョン」を設定。今年度にかけて、
バックキャストから取り組むべき事項を逆算し、ESG経営を軸とした経営・事業戦略に深化させる。
社会変化想定 明電舎が目指したい社会の姿 明電舎のDNA（強み）
「気候変動」 ・ 人間社会と自然が調和したレジリエントな社会 「誠実な姿勢」「責任感」「社会貢献」
「デジタル化」 ・ 安心かつ豊かさ・ワクワクを感じられる社会 失ってはいけないDNA
「多様化」
・ 様々なコミュニティや人が共生できる社会 「イノベーション精神」「主体性」
ありたい姿・ビジョン
「地球・社会・人に対する誠実さと共創力で、新しい社会づくりに挑む」
目指す社会に向けて リニューアブル サステナブル グリーン スマート
注力する領域 エナジー インフラ モビリティ インダストリー
E S S G E S
大事にする
価値観 持続可能性 多様性 誠実さと責任感 未来志向
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３．中計2024基本方針 （６）資本政策
財務健全性を高めることを前提に、成長への投資と株主還元を実施していく。
投 成長投資 EV事業、風力リプレースへの投資、他
資
戦 通常投資 既存生産設備の更新、環境対策に関する投資、他
略
株 事業を通じた企業価値の向上
４か年累計営業キャッシュフロー： 主
700~750億円 還 安定配当の継続（配当性向30%レベル）
元
財 自己資本の拡充：1,200億円 資産の圧縮・有効活用
務
戦 ネットD/Eレシオ 0.25~0.30倍
略
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