6501 日立 2021-04-28 15:00:00
子会社株式に係る契約の締結ならびに個別決算における特別利益及び連結決算におけるその他の収益の計上に関するお知らせ [pdf]
2021年4月28日
株式会社日立製作所
執行役社長兼CEO 東原 敏昭
(コード番号:6501)
(上場取引所:東・名)
子会社株式に係る契約の締結ならびに
個別決算における特別利益及び連結決算におけるその他の収益の計上に関する
お知らせ
<発表のポイント>
日立は、ベインキャピタル連合の出資を受ける予定である株式会社 BCJ-52 と日立金属株式に
係る契約(公開買付不応募契約)を締結しました。
一連の取引成立後、日立金属は、日立の連結子会社から外れ、ベインキャピタル連合の下
で、競争力強化と収益力の回復を図っていく予定です。
日立は、Lumada を活用した社会イノベーション事業のグローバル展開を加速しており、引き
続き、日立のプロダクトに日立金属の高機能材料を活用していきます。
2022 年 3 月期の個別決算における特別利益として、関係会社株式売却益約 3,280 億円を、
同期の連結決算におけるその他の収益として、事業再編等利益約 1,140 億円を、それぞれ計
上する予定です。
詳細は以下本文をご参照ください。
株式会社日立製作所(執行役社長兼 CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、本日、Bain Capital
Private Equity, LP 及びそのグループ(関係会社及びそのグループを総称して以下、ベインキャピタ
ル)が投資助言を行う投資ファンドが持分の全てを間接的に所有する合同会社 BCJ-51(以下、公開
買付者親会社)の完全子会社である株式会社 BCJ-52(以下、公開買付者)との間で、以下の 4 点に
関する公開買付不応募契約(以下、本不応募契約とし、一連の取引を、本取引とする)を締結しました。
① 公開買付者は、本不応募契約に定める前提条件が充足された場合(又は公開買付者により放
棄された場合)、日立の連結子会社である日立金属株式会社(執行役会長兼執行役社長:西
山 光秋/以下、日立金属)の普通株式(以下、日立金属株式)に対して公開買付け(以下、本
公開買付け)を実施し、日立は、日立が保有する日立金属株式の全て(228,221,199 株、以下、
日立売却予定株式)について本公開買付けに応募しないこと。
② 本公開買付けが成立し、公開買付者が本公開買付けにおいて日立金属株式の全て(ただし、
日立金属が所有する自己株式及び日立が売却する予定の株式を除く)を取得できなかった場
合に、公開買付者及び日立は、日立金属に対して株式併合(以下、本株式併合)の実施に必
要な事項を議案とする株主総会の開催を要請し、当該議案に賛成の議決権を行使すること。
③ 本株式併合の結果として公開買付者及び日立が日立金属株式の全て(ただし、日立金属が所
有する自己株式を除く)を所有することになった後、実務上可能な限り速やかに、日立金属が、
自己株式取得(以下、本自己株式取得)を行うために必要な分配可能額を確保するため、日立
金属が減資等(以下、本減資等)を実施すること。
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④ 本減資等の効力発生後速やかに、日立は、本自己株式取得により、本自己株式取得価格で
ある 1,674 円に、日立が所有する日立売却予定株式から本株式併合に伴い端数株式として日
立金属に買い取られる株式を控除した数を乗じた金額を対価の総額として、日立売却予定株
式の全てを日立金属に譲渡すること。
なお、公開買付者親会社は、本公開買付けに係る決済開始日前に、ベインキャピタルが投資助言
を行うファンド、日本産業パートナーズ株式会社(以下、JIP)が管理・運営・情報提供等を行うファンド、
ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ株式会社(以下、JIS)が運営を行うファンドからの出資(これ
ら 3 つのファンドからの出資を総称して以下、本出資)を受けることを予定しており、本出資後は、ベイ
ンキャピタルが投資助言を行うファンド、JIP が管理・運営・情報提供等を行うファンド、JIS が運営を
行うファンドが公開買付者の発行済株式の全てを間接的に所有する予定です(ベインキャピタル、JIP、
JIS を総称して以下、ベインキャピタル連合)。
本取引の成立後、日立金属は日立の連結子会社から外れる予定です。
1. 本取引の目的及び背景等
日立金属は、事業開始以来、自動車・産業インフラ・エレクトロニクスの各分野において特色ある製
品を提供することを通じ、社会に貢献してきました。2019 年 4 月よりスタートした 2021 年度中期経営
計画では、「持続可能な社会を支える高機能材料会社」として社会に貢献することを基本方針として掲
げ、「Only1、No.1」事業・製品の拡充に取り組んできました。しかしながら、同中期経営計画を発表後、
自動車分野や FA・ロボットといった産業分野、エレクトロニクス分野の需要環境の厳しさが公表時の想
定以上に増したこと等により、収益性が悪化したので、日立金属は、業績を抜本的に立て直すための
方策及び成長戦略について様々な検討を継続的に行ってきました。また、その後の新型コロナウイル
ス感染症の影響により更に事業環境が大きく変化しており、特に、自動車分野では、グローバルの自
動車販売台数の減少により、多くの主要製品での需要減少が見られ、航空機分野では航空機材の需
要減少により、航空機関連材料需要が減少しています。同中期経営計画では資本効率の向上・成長
事業へのリソース集中を掲げるも、成果実現に至らず、売上収益減少により収益性が悪化しました。
上記のような状況や検討を踏まえて、日立金属は、競争力と収益力を回復させ再成長により企業価値
の向上をめざすためには、これまで以上の意思決定のスピードアップや、投資資金の獲得、また外部
知見の導入が必要であり、そのためには、現在の資本構成に制限されることなく非上場化した上で改
革を進めることが最適と判断しました。
2020 年 7 月下旬、日立は日立金属と、日立金属の今後の方針について協議し、日立金属の競争
力強化及び企業価値向上のために、現在の資本構成に制限されることなく様々な選択肢を検討する
方向性を確認しました。日立及び日立金属は 2020 年 11 月上旬より、複数の買手候補先に打診を開
始し、入札手続を進め、2021 年 4 月上旬、ベインキャピタル連合を最終買付候補者として選定したう
えで、本日の本不応募契約締結に至りました。
日立は、人々の Quality of Life 向上や、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の 3 つの価
値向上への貢献をめざし、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、IT、オートモティブシステム
の 6 分野を中心に、Lumada を活用した社会イノベーション事業のグローバル展開を加速しており、
引き続き、日立のプロダクトに日立金属の高機能材料を活用していきます。なお、日立は、本取引で
得た資金を、財務基盤の強化や株主還元、成長投資の原資として活用します。
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2. 日立金属の概要
① 名称 日立金属株式会社
② 所在地 東京都港区港南一丁目2番70号
③ 代表者の役職・氏名 代表執行役 執行役会長 兼 執行役社長 西山 光秋
④ 事業内容 金属材料、機能部材の製造と販売
⑤ 資本金
262 億 84 百万円
(2021 年 3 月 31 日現在)
⑥ 設立年月日 1946 年 3 月 2 日
⑦ 大株主および持株比率 株式会社日立製作所 53.38%
(2021 年 3 月 31 日現在) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 3.75%
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 2.04%
ジエイピーエムビーエル シテイーグループ グローバル マーケット リミテツド コル エクイティ 1.78%
日本証券金融株式会社 1.50%
ジェーピー モルガン チェース バンク 385632 1.14%
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505103 1.10%
J.P.MORGAN SECURITIES PLC 1.03%
株式会社日本カストディ銀行(信託口 7) 1.02%
ジェーピー モルガン チェース バンク 380072 0.83%
⑧ 日立と当該会社との間 日立は日立金属の発行済株式総数(自己株式を除く)の 53.38%
資本関係
の関係 を所有しています。
人的関係 日立の執行役 1 名が日立金属の取締役に就任しています。
日立に特殊鋼製品、素形材製品、磁性材料・パワーエレクトロ
取引関係
ニクス製品及び電線材料を販売しています。
関連当事者へ 日立金属は日立の連結子会社であり、関連当事者に該当しま
の該当状況 す。
⑨ 当該会社の最近3年間の連結財政状態および連結経営成績(IFRS)
決算期 2019 年 3 月期 2020 年 3 月期 2021 年 3 月期
親会社株主持分(百万円) 587,979 520,313 489,671
総資産(百万円) 1,099,252 977,766 972,249
1株当たり親会社株主持分
1,375.16 1,216.92 1,145.26
(円)
売上収益(百万円) 1,023,421 881,402 761,615
営業利益(百万円) 42,442 △39,126 △49,213
親会社株主に帰属する
31,370 △37,648 △42,285
当期純利益(百万円)
1株当たり当期純利益(円) 73.37 △88.05 △98.90
1株当たり配当金(円) 34.00 26.00 0.00
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3. 公開買付者の概要
① 名称 株式会社BCJ-52
② 所在地 東京都千代田区丸の内一丁目1番1号パレスビル5階
③ 代表者の役職・氏名 代表取締役 杉本 勇次
④ 事業内容 日立金属の株券等を取得及び所有し、日立金属の事業活動を支配及び管理する
こと
⑤ 資本金
25,000 円
(2021 年 4 月 28 日現在)
⑥ 設立年月日 2021 年 4 月 23 日
⑦ 大株主及び持株比率
合同会社 BCJ-51 (持株比率 100.00%)
(2021 年 3 月 31 日現在)
⑧ 日立と当該会社との間 資本関係 該当事項はありません。
の関係 人的関係 該当事項はありません。
取引関係 該当事項はありません。
関連当事者への該当状況 該当事項はありません。
4. 本取引による譲渡予定株式数、譲渡価額及び本取引前後の所有株式数
① 本取引前の所有株式数 228,221,199株
(議決権の数:2,282,211個)
(議決権所有割合:53.45%)
② 本取引による譲渡予定株式数 日立売却予定株式数:228,221,199株※1
(議決権の数:2,282,211個)
(議決権所有割合:53.45%)
③ 譲渡価額(予定) 総額約3,820億円※2(1株当たり1,674円)
④ 本取引後の所有株式数 0株
(議決権の数:0個)
(議決権所有割合:0%)
※1 本自己株式取得による譲渡予定株式数については、日立売却予定株式から本株式併合に伴い端数株式として日立金属に
買い取られる株式を控除した数となります。
※2 本自己株式取得の譲渡価額総額は、1株当たり譲渡価額に、日立が所有する日立売却予定株式から本株式併合に伴い端数
株式として日立金属に買い取られる株式を控除した数を乗じた金額となる予定です。上記に記載している金額は、1株当たり譲
渡価額に日立売却予定株式数を乗じて算出した参考値である旨にご留意下さい。
5. 日程
公開買付者は、本不応募契約に定める本公開買付前提条件が充足された場合(又は公開買付者
により放棄された場合)には、本公開買付けを速やかに開始することを予定しており、2021 年 11 月下
旬頃に本公開買付けを開始することをめざしています。
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6. 今後の業績に与える影響
本取引において、2022 年 3 月期 (2021 年 4 月 1 日~2022 年 3 月 31 日)中に日立売却予定株
式の全ての売却が行われた場合、日立は、2022 年 3 月期の個別決算における特別利益として、関
係会社株式売却益約 3,280 億円を、同期の連結決算におけるその他の収益として、事業再編等利益
約 1,140 億円を、それぞれ計上する予定です。
(参考)当期連結業績予想(2021 年 4 月 28 日公表分)および前期連結実績(単位:百万円)
継続事業 親会社株主に
調整後
売上収益 税引前 当期利益 帰属する
営業利益※3
当期利益 当期利益
当期連結業績予想
9,500,000 740,000 800,000 620,000 550,000
(2022年3月期)
前期連結実績
8,729,196 495,180 844,443 518,510 501,613
(2021年3月期)
※3 調整後営業利益は、売上収益から、売上原価ならびに販売費および一般管理費の額を減算して算出した指標です。
<将来の見通しに関するリスク情報>
本資料における当社の今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述は、当社が現時点で合理的
であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがあり
えます。
その要因のうち、主なものは以下の通りです。
・COVID-19の流行による社会的・経済的影響の悪化
・主要市場における経済状況及び需要の急激な変動
・為替相場変動
・資金調達環境
・株式相場変動
・原材料・部品の不足及び価格の変動
・長期請負契約等における見積り、コストの変動及び契約の解除
・価格競争の激化
・人材の確保
・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社及び子会社の能力
・製品等の需給の変動
・製品等の需給、為替相場及び原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社及び子会社の能力
・信用供与を行った取引先の財政状態
・社会イノベーション事業強化に係る戦略
・企業買収、事業の合弁及び戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生
・事業再構築のための施策の実施
・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国及び欧州)における政治・社会状況及び貿易規制等各種規制
・持分法適用会社への投資に係る損失
・コスト構造改革施策の実施
・地震・津波等の自然災害、気候変動、感染症の流行及びテロ・紛争等による政治的・社会的混乱
・当社、子会社又は持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続
・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等
・情報システムへの依存及び機密情報の管理
・自社の知的財産の保護及び他社の知的財産の利用の確保
・退職給付に係る負債の算定における見積り
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■お問い合わせ先
[報道関係]
株式会社日立製作所 ブランド・コミュニケーション本部 広報部
03-5208-9324
[IR 関係]
株式会社日立製作所 インベスター・リレーションズ
03-5208-9323
以上
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別紙 [本取引のスキーム図]
現状
・2021 年 4 月 28 日時点において、日立金属株式の 53%
を日立が、残りの 47%を一般株主(東京証券取引所有
価証券上場規程第 441 条の 2 及び同施行規則第 436 条
の 3 における「少数株主」と同義)が保有しています。
公開買付者による公開買付け及びその決済に要する資金の調達
・公開買付者は、日立売却予定株式及び日立金属が保有
する自己株式を除く日立金属株式の全てを対象とし
て、本公開買付けを実施します。
・公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金
を、公開買付者親会社からの出資(以下、本親会社出資)
及び株式会社三菱 UFJ 銀行、株式会社三井住友銀行、
株式会社みずほ銀行、三井住友信託銀行株式会社、株
式会社新生銀行及び株式会社あおぞら銀行からの借
入れ(以下、本公開買付決済資金借入れ)により賄うこ
とを予定しており、本公開買付けの成立等を条件とし
て、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日前ま
でに本親会社出資及び本公開買付決済資金借入れを
受けることを予定しています。また、公開買付者親会
社は、本親会社出資に要する資金を、ベインキャピタ
ル連合がそれぞれ運営等するファンドからの本出資に
よって調達することを予定しており、本公開買付けの
成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始
日の前営業日前までに本出資を受けることを予定して
います。
・本親会社出資後は、ベインキャピタルが投資助言を行う投資ファンドが公開買付者親会社の持分の 3 分の 2 超を
所有することを予定しています。ベインキャピタルが投資助言を行う投資ファンド、JIP が管理・運営・情報提
供等を行うファンド及び JIS が運営を行う投資ファンドの具体的な出資比率は、ベインキャピタル連合において
現在協議しており、本公開買付け開始前までに合意される予定ですが、ベインキャピタルが投資助言を行う投資
ファンドの出資比率が 3 分の 2 を超える割合を想定しています。
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公開買付者による株式併合を用いたスクイーズアウト
・本公開買付けの成立後、公開買付者が日立金属株式の
全て(但し、日立金属が保有する自己株式及び日立売却
予定株式を除く)を取得できなかった場合には、公開買
付者は、日立金属に対して、本株式併合を実施するこ
とにより、日立金属の株主を公開買付者及び日立のみ
とすることを要請する予定です。
・なお、本株式併合について、本公開買付け成立後に開催
される臨時株主総会による承認を経た後の効力発生を
想定しています。
公開買付者から日立金属に対する資金提供、日立金属による日立からの自己株式取得及び自
己株式取得のための分配可能額の確保を目的とした日立金属による減資
・日立金属による日立からの自己株式取得に必要な分配
可能額を確保するために、日立金属は速やかに本減資
等(資本金、資本準備金及び利益準備金の額の減少)を
実施する予定です。本資金提供者の公開買付者は、本
自己株式取得に要する現金の額及び日立金属の保有す
る現預金やその事業運営に要する現預金の水準等を勘
案し、本自己株式取得の原資として日立金属に対する
貸付け又は社債の引受けを行い、日立金属が当該資金
を本自己株式取得に際して日立に支払う金額の一部に
充てることを予定しています。
・なお、本減資等に関する議案を付議する臨時株主総会
は、本株式併合の効力発生を経て、日立金属の株主が
日立と公開買付者のみとなった後に実施することを予
定しています。
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・本公開買付け、本株式併合及び本減資等の完了後、日
立金属が、日立売却予定株式の全てを本自己株式取得
を通じて取得する予定です。
・本自己株式取得は、本株式併合後、有価証券報告書提
出義務免除承認前に実施される可能性がありますが、
日立金属株式の上場廃止後であり、上場廃止後の株式
は自社株公開買付けの対象となる「上場株券等」(金
融商品取引法第 24 条の 6 第 1 項、同法施行令(昭和 40
年政令第 321 号、その後の改正を含む)第 4 条の 3)に
該当しないため、自社株公開買付けは実施されない予
定です。
本取引後
・本取引後、公開買付者は日立金属の発行済み株式総数
(自己株式数を除く)の全てを保有する予定です。
日立の保有する全ての日立金属株式を対象とする日立金属による自己株式取得は、日立の株主にとり経済合理的
なスキームです。
以 上
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