6408 J-小倉クラッチ 2021-09-03 16:00:00
東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ [pdf]
2021 年9月3日
各 位
会社名 小倉クラッチ株式会社
代表者名 代表取締役社長 小倉 康宏
(コード番号:6408)
問合せ先 執行役員経営管理本部長 関根 秀利
(TEL.0277-54-7101)
東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ
当社は、2021 年2月 22 日に東京証券取引所に提出いたしました「改善報告書」につきまして、有価証券上場規
程第 503 条第1項の規定に基づき、改善措置の実施状況及び運用状況を記載した「改善状況報告書」を本日、別添
のとおり提出いたしましたので、お知らせいたします。
別添書類:改善状況報告書
以 上
改 善 状 況 報 告 書
2021 年 9 月 3 日
株式会社東京証券取引所
代表取締役社長 山道 裕己 殿
小倉クラッチ株式会社
代表取締役社長 小倉 康宏
2021 年 2 月 22 日提出の改善報告書について、有価証券上場規程第 503 条第 1 項の規定に
基づき、改善措置の実施状況及び運用状況を記載した改善状況報告書をここに提出いたし
ます。
1
目次
I. 経緯 ..................................................................... 3
1. 過年度決算訂正の内容 .................................................... 3
2. 過年度決算短信等を訂正にするに至った経緯・原因 .......................... 7
(1) OCD ................................................................... 7
(2) OCC .................................................................. 10
(3) OIC .................................................................. 13
II. 改善措置並びにその実施状況及び運用状況等 ................................ 15
1. 改善報告書記載の改善措置並びにその実施状況及び運用状況等 ............... 15
(1) 当社管理部門における海外子会社の管理体制の強化 ....................... 15
(2) 責任体制と役割の明確化 ............................................... 17
(3) OCD 及び OCC における会計システムの適切な運用に向けた仕組みの構築 ...... 23
(4) OCD 及び OCC における実地棚卸の精度の向上 .............................. 28
(5) OIC における送金業務プロセスの見直し .................................. 33
(6) OIC 経営陣に対する教育 ................................................ 35
(7) 内部監査の強化 ....................................................... 36
(8) 適正かつ迅速な情報開示のための取り組み ............................... 40
(9) その他追加的な対応について ........................................... 45
2. 改善措置の実施スケジュール ............................................. 48
3. 改善措置の実施状況及び運用状況に対する上場会社の評価 ................... 50
2
I. 経緯
1. 過年度決算訂正の内容
小倉クラッチ株式会社(以下、
「当社」又は「OCJ」という。
)は、当社の中国の在外
子会社 2 社(小倉離合機(東莞)有限公司(以下、
「OCD」という。
)及び小倉離合機(長
興)有限公司(以下、
「OCC」という。)において、棚卸資産の帳簿価額と実際残高との
)
間に多額の差異があることが判明したため、棚卸資産の過大計上の可能性を、また米国
の在外子会社(Ogura Industrial Corporation(以下、
「OIC」という。)において、銀
)
行口座からの不審な送金が判明したため、元従業員による横領の可能性(以下、
「本件
事案」という。
)を認識したため、2020 年 10 月 5 日、特別調査委員会を設置し調査を
進めてまいりました。
2020 年 12 月 16 日に特別調査委員会から調査報告書を受領し、棚卸資産の帳簿価額
と実際残高との間の多額の差異に関しては、2014 年 12 月末以降、仕掛品、原材料及び
貯蔵品、商品及び製品が過大に計上されていたこと、また、銀行口座からの不審な送金
に関しては、2018 年 6 月以降、虚偽の費目で複数回にわたり元従業員の口座に不正に
送金され横領されていたことの報告を受けました。
当社は、報告内容を検討の結果、過年度において過大計上となっていた棚卸資産の修
正を行うとともに、不正な送金額について会計処理の訂正を行いました。
これらの訂正に伴い、当社は 2020 年 12 月 16 日に過年度の決算短信等の訂正及び有
価証券報告書等の訂正報告書の提出を行いました。訂正した過年度決算短信等及び本
件事案が業績に及ぼす影響額については、以下のとおりです。
【訂正した過年度決算短信】
第 91 期(2020 年 3 月期)
決算短信 (自 2019 年 4 月 1 日 至 2020 年 3 月 31 日)
第 92 期(2021 年 3 月期)
第 1 四半期決算短信(自 2020 年 4 月 1 日 至 2020 年 6 月 30 日)
【訂正した過年度有価証券報告書等】
第 87 期(2016 年 3 月期)
有価証券報告書 (自 2015 年 4 月 1 日 至 2016 年 3 月 31 日)
第 88 期(2017 年 3 月期)
有価証券報告書 (自 2016 年 4 月 1 日 至 2017 年 3 月 31 日)
第 89 期(2018 年 3 月期)
第 3 四半期報告書 (自 2017 年 10 月 1 日 至 2017 年 12 月 31 日)
有価証券報告書 (自 2017 年 4 月 1 日 至 2018 年 3 月 31 日)
第 90 期(2019 年 3 月期)
3
第 1 四半期報告書 (自 2018 年 4 月 1 日 至 2018 年 6 月 30 日)
第 2 四半期報告書 (自 2018 年 7 月 1 日 至 2018 年 9 月 30 日)
第 3 四半期報告書 (自 2018 年 10 月 1 日 至 2018 年 12 月 31 日)
有価証券報告書 (自 2018 年 4 月 1 日 至 2019 年 3 月 31 日)
第 91 期(2020 年 3 月期)
第 1 四半期報告書 (自 2019 年 4 月 1 日 至 2019 年 6 月 30 日)
第 2 四半期報告書 (自 2019 年 7 月 1 日 至 2019 年 9 月 30 日)
第 3 四半期報告書 (自 2019 年 10 月 1 日 至 2019 年 12 月 31 日)
有価証券報告書 (自 2019 年 4 月 1 日 至 2020 年 3 月 31 日)
第 92 期(2021 年 3 月期)
第 1 四半期報告書 (自 2020 年 4 月 1 日 至 2020 年 6 月 30 日)
4
【過年度決算短信等の訂正による連結業績への影響額】
過年度決算の本件訂正による連結財務諸表への影響額及び影響率は以下のとおりで
す。
(単位:百万円)
訂正前 訂正後 影響額 増減率
期間 項目
(A) (B) (B-A) (%)
売上高 38,664 38,664 - -
営業利益 1,043 873 △169 △16.2%
第 87 期 経常利益 517 348 △169 △32.7%
(2016 年 3 月期) 親会社株主に帰属
171 △10 △181 △106.2%
通期 する当期純利益
総資産 41,188 41,080 △108 △0.3%
純資産 15,907 15,705 △201 △1.3%
売上高 37,845 37,845 - -
営業利益 972 739 △232 △23.9%
第 88 期 経常利益 881 648 △232 △26.4%
(2017 年 3 月期) 親会社株主に帰属
589 336 △253 △43.0%
通期 する当期純利益
総資産 41,197 40,760 △436 △1.1%
純資産 16,316 15,880 △436 △2.7%
売上高 30,458 30,458 - -
営業利益 1,233 1,064 △168 △13.7%
第 89 期 経常利益 1,284 1,115 △168 △13.1%
(2018 年 3 月期) 親会社株主に帰属
834 662 △172 △20.6%
第 3 四半期 する四半期純利益
総資産 42,248 41,630 △617 △1.5%
純資産 17,418 16,800 △617 △3.5%
売上高 40,482 40,482 - -
営業利益 1,422 1,260 △161 △11.4%
第 89 期 経常利益 1,373 1,211 △161 △11.8%
(2018 年 3 月期) 親会社株主に帰属
957 796 △161 △16.8%
通期 する当期純利益
総資産 42,262 41,644 △617 △1.5%
純資産 17,638 17,021 △617 △3.5%
売上高 10,424 10,424 - -
営業利益 423 431 8 1.9%
第 90 期 経常利益 518 526 8 1.6%
(2019 年 3 月期) 親会社株主に帰属
520 529 8 1.6%
第 1 四半期 する四半期純利益
総資産 41,507 40,911 △596 △1.4%
純資産 17,543 16,947 △596 △3.4%
売上高 20,886 20,886 - -
営業利益 864 844 △19 △2.3%
第 90 期 経常利益 923 898 △25 △2.7%
(2019 年 3 月期) 親会社株主に帰属
803 779 △23 △2.9%
第 2 四半期 する四半期純利益
総資産 42,299 41,681 △618 △1.5%
純資産 17,910 17,290 △619 △3.5%
5
(単位:百万円)
訂正前 訂正後 影響額 増減率
期間 項目
(A) (B) (B-A) (%)
売上高 31,109 31,109 - -
営業利益 1,146 1,100 △45 △4.0%
第 90 期 経常利益 1,196 1,130 △65 △5.5%
(2019 年 3 月期) 親会社株主に帰属
958 895 △62 △6.6%
第 3 四半期 する四半期純利益
総資産 42,245 41,593 △651 △1.5%
純資産 17,904 17,251 △652 △3.6%
売上高 41,024 41,024 - -
営業利益 1,028 934 △94 △9.2%
第 90 期 経常利益 1,091 963 △128 △11.8%
(2019 年 3 月期) 親会社株主に帰属
802 681 △121 △15.2%
通期 する当期純利益
総資産 43,297 42,604 △693 △1.6%
純資産 17,599 16,901 △697 △4.0%
売上高 10,608 10,608 - -
営業利益 394 402 7 1.9%
第 91 期 経常利益 375 358 △16 △4.5%
(2020 年 3 月期) 親会社株主に帰属
373 362 △10 △2.8%
第 1 四半期 する四半期純利益
総資産 44,263 43,547 △715 △1.6%
純資産 17,897 17,175 △721 △4.0%
売上高 21,132 21,132 - -
営業利益 427 434 7 1.6%
第 91 期 経常利益 392 356 △35 △9.1%
(2020 年 3 月期) 親会社株主に帰属
265 235 △30 △11.5%
第 2 四半期 する四半期純利益
総資産 42,326 41,624 △702 △1.7%
純資産 17,510 16,803 △707 △4.0%
売上高 30,996 30,996 - -
営業利益 535 482 △53 △9.9%
第 91 期 経常利益 541 447 △93 △17.4%
(2020 年 3 月期) 親会社株主に帰属
319 217 △101 △31.9%
第 3 四半期 する四半期純利益
総資産 42,591 41,839 △751 △1.8%
純資産 17,540 16,787 △752 △4.3%
売上高 40,658 40,658 - -
営業利益 672 586 △86 △12.8%
第 91 期 経常利益 677 532 △144 △21.3%
(2020 年 3 月期) 親会社株主に帰属
487 345 △142 △29.2%
通期 する当期純利益
総資産 43,360 42,546 △814 △1.9%
純資産 17,359 16,545 △814 △4.7%
売上高 8,142 8,142 - -
営業利益 △50 △117 △67 -
第 92 期 経常利益 △65 △159 △94 -
(2021 年 3 月期) 親会社株主に帰属
△113 △200 △86 -
第 1 四半期 する四半期純利益
総資産 40,694 39,809 △884 △2.2%
純資産 16,964 16,081 △882 △5.2%
6
2. 過年度決算短信等を訂正にするに至った経緯・原因
本件事案判明後、2020 年 10 月 5 日に特別調査委員会を設置し、2020 年 12 月 16 日
に調査報告書を受領いたしました。対象子会社ごとの不適切な会計処理の発覚の経緯
及び特別調査委員会の報告を踏まえた本件事案に関する当社の事実認識は以下のとお
りです。
(1) OCD
① 発覚までの経緯等
1) OCD においては、2019 年 4 月頃から当社原価管理部を中心に進められていた標準
原価計算による棚卸評価を行い、付加価値分析をすることを目的としたプロジェクト
の一環として、棚卸資産の数量を正確に把握するため当社と断続的にメールや Web 会
議でのやり取りをしていました。その過程で、当社は OCD における実地棚卸及び在庫管
理の状況を把握する必要がありましたが、 の実地棚卸や在庫管理の方法が当社とは
OCD
異なっていたこと等により、OCD の在庫管理等の把握に時間を要していました。同様の
状況は同年 12 月まで継続していましたが、一部のロケーションの仕掛品について棚卸
対象外になっていたことが判明したことから、同年 12 月末には、棚卸対象外となって
いたエリアの仕掛品がゼロになるように生産調整をして実地棚卸を行うことを OCD 及
び当社間で決定しました。
2) 上記に記載のとおり、2019 年 12 月末の棚卸において、生産ライン上の仕掛品を
ゼロにするように生産調整を行うことになっていたにも関わらず、実際にはこの方針
が徹底されておらず、生産ライン上の仕掛品が残った状態で棚卸が行われました。その
結果、生産ライン上の仕掛品は実数カウントされておらず、OCD において同年 12 月末
の棚卸を受けて帳簿上の在庫金額と実地棚卸結果との間の差異金額(以下、
「実地棚卸
差異」という。)を算出したところ、差異金額は約 1.1 百万元(約 17 百万円)に及ぶこ
とが判明しました。当該差異金額は、2014 年 6 月の金蝶 ERP システム導入以来、生じ
たことのなかった規模であったため、 の金沢総経理は上記経緯を当社に報告するこ
OCD
とにしました。2020 年 1 月 10 日の当社との Web 会議において、金沢総経理は、実地棚
卸の精度が低いことから当該差額が生じている可能性があるため同年 2 月末に再度実
地棚卸を行い、今後は四半期ごとに実地棚卸を行いながら精度を上げていきたい旨及
び棚卸差損を帳簿に反映せずに従来どおり金蝶 ERP システムのデータに基づいて決算
を行うことを提案し、Web 会議の中で了承されました。
3) その後、仕掛品が残存しないように生産調整も行う等の準備を行った上で、2020
年 4 月末(当初計画されていた同年 2 月末から当該棚卸までの間は新型コロナウイル
ス感染症拡大のため実地棚卸は未実施)に実地棚卸を行いました。当該棚卸の結果、金
7
蝶 ERP システム上の棚卸資産残高と実地棚卸金額の間に約 3.7 百万元(約 58 百万円)
の実地棚卸差異が存在すること、金蝶 ERP システム上の「製造原価」勘定について、実
際には在庫が存在していないにも関わらず帳簿上には約 17.8 百万元(約 277 百万円)
の在庫が記録されていること、当該「製造原価」勘定は、過去から実地棚卸が行われて
いなかった生産ライン上の仕掛品に対応する勘定である「5001 製造原価(仕掛品) 1で
」
あり、実際には存在しない在庫が帳簿上に記録されている(以下、
「仕掛品の過大計上」
という。)ことが、金沢総経理より当社にメールにより同年 6 月 3 日付けで報告がなさ
れました。また、当該棚卸の結果については翌日の Web 会議においても金沢総経理から
説明がなされたものの、仕掛品の過大計上という新たな疑義が突如として浮上したこ
とから、金蝶 ERP システムのメンテナンスサービスを委託している広東金拓社の協力
を得て、原因究明のための調査を行うことといたしました。
4) その後も棚卸差異の原因解明がなされないままの状態が続き、2020 年 6 月末に実
施した実地棚卸の結果、金蝶 ERP システム上の棚卸資産残高と実地棚卸金額の間に実
地棚卸差異として約 4.7 百万元(約 73 百万円)「5001 製造原価(仕掛品)
、 」の帳簿残
高から生じた仕掛品の過大計上として約 21.4 百万元(約 332 百万円)が存在している
と報告されました。その後も、広東金拓社も含めて「5001 製造原価(仕掛品)
」に関連
する仕掛品の過大計上の発生原因について分析していたところ、同年 8 月 24 日に広東
金拓社から、金蝶 ERP システムにおいては、BOM2変更時には、旧 BOM に係る製造命令書
の「5001 製造原価(仕掛品)
」の残高をゼロにした上で当該製造命令書をクローズ処理
する必要があり、プログラムの特性上、上記処理を行わない場合には「5001 製造原価
(仕掛品) が帳簿上積み上がることになるとの指摘がなされました。 及び当社は、
」 OCD
当該説明により金蝶 ERP システムにおける上記特性の認識及び過大計上が生じたメカ
ニズムを初めて完全に理解し、 における仕掛品の過大計上は紛れもない事実である
OCD
という確証を得るに至りました。これを受けて、金沢総経理は同年 9 月 3 日に棚卸差
額に関する当社への顛末書を作成し、関根執行役員経営管理本部長(以下、
「関根執行
役員」という。、河内取締役常務執行役員(以下、
) 「河内常務執行役員」という。
)及び
井上取締役会長(以下、
「井上会長」という。
)より同年 9 月 8 日に小倉代表取締役社長
(以下、「小倉社長」という。)へ報告が行われました。
5) 関根執行役員は、前述の小倉社長への報告後、当社の会計監査人である有限責任
1 企業が各種製品(完成品、半製品等) 、自社製材料等を製造する過程で発生する各種製造コストを集
計・計算する科目であり、中国企業会計準則の「会計科目及び主要な帳簿処理」に規定されている。製造
過程における原材料やその他の原価が一時的に投入される仮勘定であり、本来最終的には資産科目である
「製品」や「半製品」に振り替えられるべき勘定。
2 Bills of Materials の略であり、製品の製造に必要な原材料・部品の構成や必要数量を記載した表であ
り、設計図に基づいて作成される。
8
あずさ監査法人(以下、
「あずさ監査法人」という。
)にも本件を報告する必要があると
判断しましたが、中国現地法人における問題であったため、現地監査人である Deloitte
Touche Tohmatsu Certified Public Accountants LLP Guangzhou Branch(以下、
「DTT」
という。)に報告する前にあずさ監査法人に報告しては混乱を招くと考えました。そこ
で、関根執行役員は、2020 年 9 月 8 日に金沢総経理に DTT への報告を指示し、金沢総
経理の依頼を受けた市川副総経理が同日中に DTT に本件の概要を報告した上で、同月
10 日に OCD に来訪した DTT に詳細報告を行いました。その後、DTT において資料等の
確認が行われ、同月 18 日に DTT から過年度の取扱いについてあずさ監査法人に確認す
るよう要請されました。これを受け、関根執行役員は、同日、あずさ監査法人に本件の
概要を電話で報告し、さらに、同月 23 日、当社に来訪したあずさ監査法人に対し、同
事案に係る詳細な事情の説明を行いました。
② 過年度訂正の処理の内容
「5001 製造原価(仕掛品)
」については、旧 BOM に係る製造命令書の当該残高をゼロ
にした上で当該製造命令書をクローズ処理しなかったことに起因して生じたものであ
ることから、その全てを実在性のない仕掛品の過大計上と判断し、損失処理を行いまし
た(2021 年 3 月期第 2 四半期:413 百万円)
。
また、材料等払出伝票の処理漏れ等に起因した、製品及び原材料等の実地棚卸差異に
ついては、各期のあるべき金額について各期末時点で各対象棚卸資産の実地棚卸が行
われている部分については、当該数量に金蝶 ERP システム上の各時点における単価を
乗じた金額を用いて算定し、実地棚卸が行われていない部分については、各期における
直近の棚卸記録や、一定の在庫残高に対して、入手可能な情報及び一定の仮定に基づい
て数量を推定し、上記単価を乗じた金額と、帳簿金額との差額を用いて算定した上、帳
簿価額との差額を実在性のない棚卸資産の過大計上であると判断し損失処理しました
(2021 年 3 月期第 2 四半期:106 百万円)。
③ 不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
OCD の金沢総経理及び市川副総経理は、2019 年 12 月末の棚卸結果に基づき棚卸差異
の金額は約 1.1 百万元(約 17 百万円)と財務課長の a 氏より報告されたものの、当該
差額は、前述のとおり実地棚卸の精度が低いことから算出されたものであると考えて
おりました。しかしながら、2020 年 4 月末の実地棚卸結果を分析した結果、金沢総経
理及び市川副総経理は、遅くとも同年 5 月 20 日には実地棚卸差異が発生していたこと
を認識、
「5001 製造原価(仕掛品) 勘定における仕掛品の過大計上の存在については、
」
同年 6 月 3 日のメールによる当社への報告時点で認識をしておりました。
当社においては、2019 年 12 月末の OCD の実地棚卸時に棚卸差異が識別されて以降、
前述のとおり OCD より継続的に報告を受けていたものの、関根執行役員ら当社役職員
9
は OCD が実施した実地棚卸の精度への疑念や金蝶 ERP システム上のメカニズムへの理
解不足から、棚卸資産の過大計上(実地棚卸差異及び仕掛品の過大計上の両者を含む。)
については、システムエラー又は何らかの人為的ミス等により差異が生じていると一
貫して考えており、2020 年 8 月 24 日に広東金拓社から説明を受けるまでは棚卸資産の
過大計上の存在に関しての明確な認識を持つことができませんでした。
(2) OCC
① 発覚までの経緯等
1) OCC では、2014 年 5 月の工場稼働開始以降、材料の入出庫時において、伝票を参
照して品目コード等の情報を会計システムとして使用していた用友システムに手入力
等していたところ、これにより入力漏れや誤入力等のミスが生じており、当該入力漏れ
等を原因とした棚卸差異(以下、
「実地棚卸差異」という。)が生じていました。また、
2017 年 3 月、用友システムに原価計算モジュールを追加した結果、生産現場において
より複雑な入出庫処理を行う必要が生じたことで材料や製品の受け払い処理での品目
コードの入力ミスが生じたり、 のメンテナンス不足によるデータの取り込み漏れに
BOM
より仕掛品の材料費部分の不適切な計算を招き、結果として「5001 製造原価(仕掛品)」
の過大計上(以下、
「仕掛品の過大計上」という。
)等が発生するようになりました。
2) 2017 年 7 月頃から、本格的に OCC に標準原価による棚卸資産の評価を導入するた
めの準備作業が始まり、毎月の実地棚卸結果を当社に提出するようになりました。そこ
で、総務課長の b 氏は毎月の実地棚卸の結果及び用友システムの在庫の突合結果を確
認したところ、 においてこれまで継続的に棚卸差異が発生していたことを初めて認
OCC
識し、杉田総経理に同年 9 月に約 1.6 百万元(約 25 百万円)の差異が生じている旨報
告しました。これを受け、OCC 内において、杉田総経理の指示の下、当該棚卸差異が生
じる原因分析や、 氏を中心とした実地棚卸の精度向上のための様々な原因究明や棚卸
b
差異を解消しようとする対策が実施されましたが、用友システムに対する理解不足等
が原因で、実地棚卸差異の発生や仕掛品の過大計上は解決できませんでした。
3) OCC に標準原価による評価を導入するにあたり、2017 年 10 月以降、当社と OCC の
プロジェクトメンバーによる OCC 標準原価 Web 会議(以下、
「Web 会議」という。)を不
定期で開催するようになりました。Web 会議開催当初より、実地棚卸の数量をベースに
計算される標準原価による評価金額と用友システム上の数量をベースに計算される実
際原価による評価金額に差異が生じていましたが、当該差異の主要因は、当社と OCC の
間で利用している図面番号や工程番号が異なっている、マスターの登録情報が一致し
ていないといった問題によるエラーであり、これら要因によるエラーを解消すること
で差異が解消するものと認識していました。
10
しかし、当該状況が改善された 2019 年 1 月頃においても、依然として差異が生じて
いたため、これまで検討されてきた標準原価で評価できない在庫が存在するというこ
とだけではなく、評価対象となる実地棚卸の数量と用友システムの数量に差異がある
のではないかという議論をするようになりました。
4) 上記以降、Web 会議における議論の中心は実地棚卸の数量と用友システム上の数
量の差異に移っていったものの、実地棚卸差異や仕掛品の過大計上に関する原因究明
は進まない状況が続いていました。その後、2020 年 6 月 9 日開催の Web 会議において、
実地棚卸の結果と用友システムの間に多額の差異がある可能性が OCC 側参加者の杉田
総経理らより当社の財務部長 c 氏らに報告され、 氏より関根執行役員に対しても、
c OCC
で OCD と同様に棚卸差異の問題が生じている可能性がある旨報告されました。当該報
告を受け、関根執行役員は、同年 6 月 29 日に開催された Web 会議に出席し、同会議に
おいて、同年 6 月末に実施する実地棚卸について、精度を高めて行うように指示しまし
た。
5) その後、OCC における 2020 年 6 月末の実地棚卸は、当社からの出向者が分担して
実地棚卸現場を巡回する等、従来と比較してより精緻な形で行われ、その結果は同年 8
月 5 日に OCC から関根執行役員や c 氏らに共有されました。
関根執行役員においては、
実地棚卸に基づいた棚卸資産金額と用友システム上の棚卸資産残高の差異が約 22.1 百
万元(約 343 百万円)もの金額に上っていた事実を受け、実地棚卸の精度や入出庫処理
に関する入力ミスが解消されても説明できない、実在性のない在庫計上による棚卸差
異が発生している可能性があるとの認識を徐々に高めていきました。なお、関根執行役
員は、同年 8 月 5 日頃、河内常務執行役員に対して、OCC で OCD と同様に棚卸差異の問
題が生じている可能性及び現在も調査中である旨を報告しました。そして、当該差異が
その後も解消されなかったことより、同年 9 月 8 日、関根執行役員、河内常務執行役員
及び井上会長とともに小倉社長に本件を報告するに至りました。
6) 関根執行役員は、 と同様に、
OCD 現地監査人である PricewaterhouseCoopers Zhong
Tian LLP(以下、「PwC」という。)への報告後にあずさ監査法人に報告すべきと考え、
OCC に PwC への報告を指示し、2020 年 9 月 9 日に OCC は PwC に本件の概要を報告しま
した。その上で、同月 18 日に OCD の件と合わせて、あずさ監査法人に本件の概要を電
話で報告し、さらに、同月 23 日、当社に来訪したあずさ監査法人に対し、本件に係る
詳細な事情の説明を行いました。
② 過年度訂正の処理の内容
調査報告書の内容とそれを受けた当社内での検討を踏まえ、
「5001 製造原価(仕掛品)
」
11
については、その全てを実在性のない仕掛品の過大計上であると判断し、損失処理を行
いました(2021 年 3 月期第 2 四半期:96 百万円)。
また、入出庫処理の入力漏れや誤入力等に起因した製品及び原材料等に関連する実
地棚卸差異については、各期のあるべき金額について以下のように算定した上、帳簿価
額との差額を実在性のない棚卸資産の過大計上であると判断し、損失処理しました
(2021 年 3 月期第 2 四半期:192 百万円)。
原材料、貯蔵品 各期の実地棚卸数量に、各期において入手できる直近の仕入
平均単価を乗じて算定
半製品、商品、製品 材料部分については、各期の実地棚卸数量と各半製品及び製
品の BOM による標準材料使用量を用いて数量を確定し、原材
料の単価を乗じることにより算定
人件費、経費 各期の実際発生額に、半製品及び製品の回転期間を加味した
上で総配賦金額を算定し、人件費、経費別に標準社内費の割
合で半製品及び製品に按分
③ 不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
OCC においては、財務課が実地棚卸のとりまとめを担当するようになった 2015 年 4
月以降、用友システムの在庫との突合結果を作成していました。しかし、杉田総経理が
当該結果について定期的に報告を受けることはありませんでした。また、財務課係長の
e 氏及び財務課の f 氏より複数回にわたって、主に OCC 生産管理課の従業員に宛てて棚
卸差異の報告メールの宛先に杉田総経理が含まれていたこともありましたが、杉田総
経理はいずれも生産管理課が主導して対応しているものと考えており、時折発生する
棚卸差異についても、その都度、実地棚卸の精度の確認や差異が発生していれば入出庫
処理を調整して実地棚卸の数量に合わせる等の対応が行われているものと考えていま
した。そのため、杉田総経理自身が実地棚卸のやり直しや入出庫処理における入力ミス
の有無の確認などの対策を指示することはなく、棚卸差異を会計上処理するよう指示
することもありませんでした。
また杉田総経理は、2017 年 9 月 14 日に棚卸差異の金額が約 1.6 百万元(約 25 百万
円)となっていることを b 氏から伝えられ、2014 年 5 月以降、多額の棚卸差異が発生
していたことを認識しましたが、それ以降も、多額の棚卸差異について会計上処理され
ていないことを知りつつも、実地棚卸の精度や入出庫処理に関する入力ミスの調査等
棚卸差異の原因調査を行うことのみに終始していました。
当社側においても、 から多額の棚卸差異の可能性について示唆されていたものが
OCC
後になって当該報告は誤りであった旨が報告される等、 側の報告内容自体が変遷し
OCC
ており、また、品目コードが用友システムに登録されているものと一致しない等の理由
12
による、実在する在庫が用友システム上で評価されないエラーが多発しており、当該エ
ラーが解決されれば棚卸差額も解消される可能性がある、といった議論もなされてい
ました。そのため、前述に記載のとおり、2020 年 8 月 5 日に OCC から関根執行役員ら
に同年 6 月末の棚卸結果が共有されましたが、当社側はそもそも OCC の棚卸資産に関
するデータの信ぴょう性に疑問を持っていたため、棚卸差異が実際に生じている可能
性について確定的なものとまで認識していませんでした。その後、関根執行役員は、同
年 8 月 24 日及び 9 月 7 日の OCC との Web 会議を通じて徐々に棚卸差異が実際に生じて
いる疑いを強め、翌日の 9 月 8 日に小倉社長に報告するに至りました。
(3) OIC
① 発覚までの経緯等
1) 2020 年 4 月 14 日(以下、米国東部夏時間とする)に OIC の Flemming 取締役社長
(以下、「Flemming 社長」という。
)が、Capital One Bank(以下、「CO」という。
)よ
り、OIC の銀行口座から CO 上の個人の銀行口座に対し、ACH3を用いた複数件の不審な
送金が繰り返し行われているため、確認を勧める旨のメールを受け取りました。また、
Flemming 社長は同年 8 月 27 日にも、CO 担当者から OIC の Bank of America(以下、
「BoA」という。 の当座預金口座において不審な取引が識別されたことをメールで受け
)
取っており、同月 31 日に CO 担当者と話をし、OIC 銀行口座から CO の個人口座に 2018
年 6 月以降不審な送金が複数回あることを伝えられました。
2) これを受け、2020 年 8 月 31 日から OIC 社内で調査を開始し、OIC 経理担当者で
あった g 氏へのヒアリング及び同氏の自白を受けて、2018 年 6 月 13 日から 2020 年 3
月 12 日における ACH を用いた自己の銀行口座への不正送金約 1,275 千米ドル(約 135
百万円)及び 2020 年 6 月 19 日から同年 8 月 28 日における OIC 銀行口座から自己の債
務その他の請求に対して支払処理をする方法を用いた不正送金約 189 千米ドル(約 20
百万円)の横領行為が判明しました。その後、同年 9 月 6 日(日本時間 7 日)に、当該
横領行為について OIC から当社に対して報告がなされ、本件が発覚しました。
3) これを受け、関根執行役員は本件を把握するため、本件に関する事実確認や不正
送金が生じた原因等について OIC 海老澤取締役財務責任者兼書記役(以下、
「海老澤財
務責任者」という。
)との間でやり取りを行い、2020 年 9 月 18 日(日本時間)にあず
さ監査法人に本件の概要を電話で報告し、さらに、同月 23 日(日本時間)、当社に来訪
したあずさ監査法人に対し、本件に係る詳細な事情の説明を行いました。
3Automated Clearing House の略称。様々な銀行からの送金情報を集めて一括で処理する送金方法であ
り、米国では主に国内送金の手段として以前から使用されてきた。
13
② 不適切な会計処理の内容
g 氏は、上記不正送金の際に、既に支払いが終了している過去の請求書の一部を再利
用し、あたかも新しい請求があったかのように会計処理を行い、会計帳簿上においても、
通常利用しているベンダー等への支払いとして記帳し、摘要欄にそれらの名称を記載
していました。なお、g 氏は、着服金の一部の返済を行っており、返済時に、不正送金
時の会計仕訳を取り消す処理を記帳していました。
③ 不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
g 氏は、一回目の不正送金を 2018 年 6 月 13 日に行っています。g 氏は、2017 年 1 月
から 2018 年 6 月までに累計約 120 千米ドル(約 13 百万円)のギャンブル損失を出し、
その後 2020 年 6 月には、ギャンブル損失の累計額は約 883 千米ドル(約 93 百万円)に
及んでいました。g 氏は、当初、ギャンブル損失の穴埋めを目的として不正送金を実行
し、不正送金を社内で疑われずに実行できることが分かって以降、ギャンブル損失が拡
大し、それに伴って横領金額が加速度的に拡大していったものと考えております。
なお、海老澤財務責任者は、ACH や BoA に対する支払方法の理解不足により、他の支
払手段と同様に支払情報の入力権限を有する者が、自己が情報を入力した支払いを承
認することはできず、内部牽制が効いていると考えていたことから事後に入出金状況
も確認しておらず、結果として g 氏の不正送金や着服に関する認識がありませんでし
た。
また、Flemming 社長についても、本件発覚までに計 2 回 CO より不審な送金に関する
連絡を受け取っていますが、財務・経理に関するメールは日常的に g 氏に転送し、重大
な内容であった場合にのみ Flemming 社長へ連絡するように求めるという慣行を有して
いたため、上述のとおり、2020 年 4 月に CO から初回の連絡を受け取っていましたが、
連絡の内容を精査することを行わなかったため、早期の発見には至りませんでした。
14
II. 改善措置並びにその実施状況及び運用状況等
1. 改善報告書記載の改善措置並びにその実施状況及び運用状況等
(1) 当社管理部門における海外子会社の管理体制の強化(C-1 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案を受け、以下の取組みにより当社管理部門による管理を強化します。
2021 年 6 月までに、当社財務部に会計知識のみならずグループ会社を管理できる知
識や能力を持った人材 1 名を新規に採用することとします。
また、当社財務部は、四半期ごとに全ての子会社より財務報告の観点からのリスク情
報を収集します。その方法として、財務状況の変化やその他各種開示に影響する可能性
のある事象等の情報を収集することを目的としたアンケートを定期的に実施します。
アンケートにより収集した情報については、当社財務部において影響の程度や情報開
示の要否等を分析し、何らか対応が必要と判断した場合には、当社経営陣、内部監査室
及び監査法人に速やかに情報共有を行い、対応の要否や具体的な対応を検討します。
今回、不適切な会計処理が発生した OCD 及び OCC については、2020 年 12 月より週
次で、当社財務部及び情報システム室と、OCD 及び OCC の財務部及び会計システムの責
任担当者(後述)が定期的に Web 会議を開催しています。当該 Web 会議では、各種改善
措置に関する進捗管理や指導、新たに発生した財務上もしくはシステム上の課題等に
関する情報を共有するなど、課題の解決に積極的に関与しています。
【実施・運用状況】
ⅰ)当社管理部門の管理強化
改善報告書で報告したとおり、当初は財務部に会計知識のみならずグループ会社を
管理できる知識や能力を持った人材を 1 名採用することにより子会社管理を強化する
方針でした。しかし、経営管理本部内に子会社の管理を担う部門を新たに設置すること
によって、より充実した子会社管理を行うことができるという判断から 2021 年 3 月 24
日に実施した臨時取締役会において当初の計画を変更することを決定し、グローバル
財務部を 2021 年 4 月 1 日に設置しました。
グローバル財務部は経営管理本部内において財務部(当社単体の経理・財務及び連結
決算業務)と並立し、国内外の子会社の財務のみならず管理会計・総務・人事・IT も含
めた経営管理全般の管理を行います。これまでは財務・総務・人事・IT の各部門が各々
で子会社の状況を把握し、その状況を経営管理担当常務執行役員及び、経営管理本部長
へ報告し、また、管理会計に関しては、原価管理部が子会社の状況を把握し海外空調本
部長へ報告していたところ、グローバル財務部が子会社の経営管理全般の管理を一括
で行うことにより、レポーティングラインが明確になるだけでなく、問題が生じた場合
の情報共有や他の業務への影響を素早く把握することが可能となっています。
15
グローバル財務部には、金融機関において長年にわたる海外拠点勤務やグループ会
社統括を含む管理部門での経験があり、2018 年 4 月にグループ会社である東洋クラッ
チに入社して経営管理を担当している人材を部長として配置し、海外空調本部におい
て長年にわたり原価管理や海外子会社の管理を担当している人材を次長として配置し
ました。さらに当社の従来組織から総務部長、財務部長・次長、IT 推進部次長、原価管
理部長もグローバル財務部を兼任させ、グループ会社の経営管理全般をグローバル財
務部で管理する体制を構築いたしました。
グローバル財務部は、地域ごとに、欧米子会社を担当するグローバル財務一課、中国
子会社を担当するグローバル財務二課、中国以外の日本を含むアジア子会社を担当す
るグローバル財務三課を設置しています。各課の業務は従来から子会社を担当してい
る財務部の各課員が、グローバル財務部を兼任する財務部部長及び次長の元で管理会
計業務を遂行致します。同様に総務・人事・コンプライアンス・IT についても、それぞ
れを所轄する兼任部長及び次長の元で、既存各課で課員が子会社管理の職務を遂行し
ています。
なお、グローバル財務部では長期的にこの体制を維持・強化するため採用活動を進め
ており、本報告書提出日時点では 2022 年 4 月に新卒社員の配属が予定されています。
さらに、複数の海外を含む人材紹介エージェントを用い、財務や海外会社の管理の経験
者の採用活動を積極的に行っており、今後もより一層管理体制の強化に努めてまいり
ます。
ⅱ)子会社アンケートの実施
次に子会社からの情報収集手段として、主に財務状況の変化やその他各種開示に影
響する事象等に関する質問事項を列挙した子会社アンケートを作成の上、2021 年 3 月
より四半期決算毎に配布と回収を実施しております(これまで 2021 年 3、 月及び 7 月
4
に実施)。当該アンケートは、経理部門責任者、販売部門責任者、購買部門責任者、生
産管理責任者及び総務部門責任者への質問で構成しており、決算及び内部統制に関連
の質問も加え、広範囲な情報の収集を進めました。
アンケートにより収集した情報については、当社財務部による分析を行った後、分析
結果を内部監査室及び監査法人に共有しています。また、当該アンケートの結果、子会
社において連結決算に影響を与える可能性のある事象が発覚した場合やそのような問
題を引き起こす可能性のある内部統制上の不備等が発見された場合には、財務部長が
担当本部長を通じて経営陣に報告を行うとともに、必要なフォローアップを行います。
これまでに実施した 2 回のアンケートでは、財務諸表に大きな影響を与える事象及
び開示をすべき事象はありませんでした。今後も引き続き子会社へのアンケートによ
る情報収集を四半期ごとに実施していきます。
16
ⅲ)OCD 及び OCC との定期的な Web 会議
2020 年 12 月より、当社財務部及び原価管理部、情報システム室(当社「情報システ
ム室」 2021 年 4 月より
は 「IT 推進部」に組織名を変更しておりますが、本報告書では、
従前の名称をそのまま用います。、内部監査室が、OCD 及び OCC の財務部及び工場関係
)
者と週次で Web 会議を実施しております。 及び OCC のシステム上の課題等について
OCD
協議・指導を実施し、当社による OCD 及び OCC の管理の強化にも努めてきました。
今後も継続的に Web 会議を開催することによって、課題の早期発見・解決に積極的に
関与してまいります。
(2) 責任体制と役割の明確化
① 出向者に対する担当業務の明確化(A-3 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案が発生した一因には、海外子会社への出向者の責任や役割が不明確であっ
たことが挙げられることから、以下の取組みにより出向者の責任と役割を明確にしま
す。
当社からの各拠点への出向時には、当社総務部による事前の出向者研修において、出
向者の責任と役割についての指導を行います。さらに、現在出向中の者に対しても研修
(オンライン研修を予定)を行い、知識と経験を生かした指導・助言を出向先で行うこ
と、ローカル従業員とのコミュニケーションを深めることなどについて指導します。
また、出向者の人事評価を見直します。具体的には、現地業務への積極性やローカル
従業員とのコミュニケーション等を評価項目に追加し、出向者の出向先への貢献度の
確認を実施します。なお、人事評価については各拠点の社長、総経理又はその代理者が
人事考課を行い、課長以上については当社取締役会、係長以下については当社執行役員
会において確認を行っております。
その他、OCD への出向者については、一律、
「アドバイザー」という呼称としており
ましたが、担当業務を明確にするため、2021 年 2 月に担当業務範囲を追記した呼称
(「○○担当アドバイザー」等)に変更を行いました。また、当該改定後の呼称を組織
表に明記することで各出向者の担当業務を明確にしています。これをローカル従業員
にも周知することで、 への出向者に責任意識の醸成が図られるものと考えます
OCD (OCC
においては、従前から担当業務が含まれた呼称としており、呼称の変更はありませ
ん。。
)
【実施・運用状況】
ⅰ)出向者への研修の実施
当社から海外子会社への出向者の責任と役割の明確化のため、出向者全員に対して、
外部の教育会社によるオンライン研修(年間プログラム)を取り入れました。当該研修
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においては、出向者はその知識と経験を生かして出向先で指導・助言を行うことと、特
にローカル従業員とのコミュニケーションの重要性を強調したものとし、具体的には
グローバルマインド、異文化コミュニケーション、異文化マネジメント等について年間
コースとなる学習プログラムを実施しており、本報告時点では全対象者が初回 1 回目
の学習を終了していることを確認しております。また、第 2 回目については 8 月を受
講時期として設定しており、総務部よりリマインドメールを配信の上、全受講者の履修
修了に向けて取り組んでいます。
今後も月次管理を徹底し、全 12 過程の修了確認を継続して参ります。
海外子会社名 研修期間 対象出向者数
OCD 2021 年 6 月 28 日より 1 年間 8名
(2022 年 6 月 27 日まで)
OCC(小倉離合機(無錫)有限公司 同上 10 名
(中国、以下、「OCW」という。)
含む。)
OIC 同上 2名
Ogura Corporation (アメリカ、以 同上 4名
下「OC」という。 )
Ogura S.A.S.
(フランス、 「SAS」以下 同上 2名
という。)
Ogura Clutch Thailand CO., LTD. 同上 8名
(タイ、以下「OCT」という。 )
Ogura Clutch India PVT. LTD.(イ 同上 2名
ンド、以下「OCI」という。 )
Ogura Clutch Philippines, INC. 同上 3名
(フィリピン、 以下 「OCP」 という。 )
砂永精工電子(東莞)有限公司(中 同上 3名
国、以下「砂永精工」という。 )
当該研修については、新たに子会社へ出向することとなった従業員も対象といたし
ます。また、上記研修期間経過後も出向者に関しては継続的な研修を実施してまいりま
す。
ⅱ)出向者への人事評価項目の見直し
次に出向者の人事評価に関しては、従前より評価対象としている「リーダーシップ」
や「業務標準化」「コスト意識」等に加え、「出向先従業員とのコミュニケーション」
や「日本の関係部署とのコミュニケーション」等の項目を 2021 年 4 月に追加し、出向
者にはより一層のコミュニケーションを促しています。2021 年 4 月の人事評価からは、
前述の項目を追加した評価表にて、評価を実施しております(人事評価は毎年 4 月及び
10 月の年 2 回の実施)。
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ⅲ)OCD への出向者に関する担当業務の明確化
OCD への出向者については、改善報告書に記載のとおり、2021 年 2 月より「アドバイ
ザー」という一律的な呼称から、「生産管理担当アドバイザー」や「品質管理担当アド
バイザー」のようにその担当業務を明示した呼称へ変更を行っております。当該呼称変
更については、OCD の組織表に明記し、社内掲示板への掲示を行うとともに、2021 年 6
月の朝会議でも再周知のためのアナウンスを行い OCD の関係者に共有しております。
② 会計システムに関する責任担当者の設定(A-1 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案を受けた各種改善及びシステム管理体制の向上並びに当社情報システム室
との連携強化のため、当社及び全ての子会社【*1】に会計システムに関する責任担当者
を任命し、会計システムの管理に係る責任所在の明確化を図ります。
同担当者の具体的な役割は、システム管理体制の整備、各種改善、異常発生時の原因
究明と対応及び各種改善等に関する当社情報システム室への状況報告等となります。
また、会計システムへの新たな機能の導入や設定変更については同担当者の起案もし
くは承認を必須とします。当該運用については IT 管理規程に明記、文書化します。
今回不適切な会計処理が発生した OCD については、金蝶 ERP システムの導入推進及
び運用指導を担当し同システムに精通している推進室部長(現地採用者)を、OCC につ
いては用友システムに理解が深い総務課長(当社からの出向者)を同担当者に任命
(2021 年 1 月に任命済み)当社については情報システム室長を任命する予定です
、 (2021
年 3 月予定)。
なお、OCD 及び OCC における今回の不適切な会計処理に係る各種改善について、会
計システムに係る事項については、2021 年 3 月以降、月 1 回の Web 会議において当社
情報システム室長及び当社情報システム室が OCD 及び OCC の会計システムに関する責
任担当者より状況報告を受け、2021 年 6 月開催の CSR 委員会【*2】において当社経営
陣への進捗状況等の報告を行います。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【*1】 Ogura Industrial Corporation (アメリカ)、Ogura Corporation(アメリカ)
、Ogura S.A.S.
(フランス)、Ogura Clutch Thailand CO.,LTD.(タイ) 小倉離合機(無錫)有限公司(中国)
、 、Ogura
Clutch India PVT.LTD.(インド)
、Ogura Clutch Philippines, INC.(フィリピン)
、砂永精工電子
(東莞)有限公司(中国)、東洋クラッチ株式会社(日本)
、東京精工株式会社(日本)
、株式会社三泉
(日本)
【*2】 当社グループの、全社リスク、財務リスク、コンプライアンス、情報セキュリティ等のリス
ク管理に関する体制整備と管理を担う正式な組織である。事務局を当社総務部に置き、小倉社長を委
員長、当社取締役と海外子会社社長を委員としている。また、社外取締役及び監査役がオブザーバー
として関与している
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【実施・運用状況】
ⅰ)会計システムに関する責任担当者の任命
2021 年 1 月から 4 月にかけて順次、当社並びに、OCD 及び OCC を含むすべての子会
社において、会計システムに関する責任担当者を任命いたしました。改善報告書に記載
のとおり、OCD については、金蝶 ERP システムの導入推進及び運用指導を担当し同シス
テムに精通している推進室部長(現地採用者)を、OCC については用友システムに理解
が深い総務課長(当社からの出向者)を同担当者に任命、当社については情報システム
室長を任命しております。また海外子会社において現地採用者を会計システムに関す
る責任担当者に任命した場合、当社と日本語でコミュニケーションが必ずしも十分に
できない可能性があるため、2021 年 6 月から 8 月に、現地の日本人社員(主に当社か
らの出向者)を会計システムに関する責任担当者に追加で任命し、当社との連携がより
スムーズに行い得る体制をとるようにしております。
会計システムに関する責任担当者の役割は、システム管理体制の整備、各種改善、異
常発生時の原因究明と対応及び各種改善等に関する当社情報システム室への状況報告
等となりますが、2021 年 3 月以降、OCD 及び OCC の IT 管理規程を改訂し、会計システ
ムへの新たな機能の導入や設定変更については、必ず会計システムに関する責任担当
者が起案者又は確認者となる旨を規定し、運用しております。
加えて、当社情報システム室では 2021 年 3 月から 4 月にかけて全ての子会社に会計
システムやその運用規程に関するアンケート調査も実施し整備状況のモニタリングを
実施しております。モニタリングの結果、各社における運用中のシステムに関する問題
点や IT に関するルールに不備も識別できたため、対象拠点(OIC、OCC、OCW、OCD、OCP、
OCI、砂永精工)のルールの見直し及び整備を進め、2021 年 7 月末までに体制の整備を
完了いたしました。
ⅱ)OCD 及び OCC における改善状況の確認
OCD 及び OCC における今回の不適切な会計処理に係る各種改善について、2021 年 3 月
以降、 会議等において当社情報システム室が OCD 及び OCC の会計システムに関する
Web
責任担当者より改善状況報告を受けるとともに、その過程において発見された課題に
ついて協議を重ね、改善を進めてまいりました。
なお、 については 2021 年 3 月から 7 月にかけて計 13 回、 については 2021 年
OCD OCC
4 月から 7 月にかけて計 8 回の Web 会議を開催しました。
また両社における対応状況・改善状況については、当社情報システム室がとりまとめ、
その内容を 2021 年 6 月 24 日開催の CSR 委員会(当社経営陣のほか、子会社の代表者
等も参加する会議体)において改善状況を報告しております。
③ 実地棚卸に係る各管理階層の役割及び責任の明確化(A-3 に対応)
20
【改善報告書に記載した改善策】
OCD 及び OCC において仕掛品の過大計上の発覚が遅れた遠因は、実地棚卸に関する責
任の所在が不明瞭だったことが挙げられます。このため、工場長、生産管理、財務等、
各管理責任者の具体的な役割及び責任について明確にし、棚卸実施規程にも明記しま
す。また、2021 年 3 月末の棚卸説明会において、工場長からローカル従業員に対し役
割と責任について説明します。
他の海外子会社においても同様の規程改訂を実施の上、2021 年 3 月末の棚卸説明会
において説明します。
なお、海外子会社における規程の整備や説明等の対応については、当社財務部が進
捗及び実施状況を確認します。
【実施・運用状況】
OCD 及び OCC では、2021 年 3 月に棚卸実施規程を改訂し、各管理責任者の役割及び
責任を明確化するとともに、それぞれ 2021 年 3 月 26 日及び 3 月 29 日の棚卸説明会に
おいて、工場長からローカル従業員に対し役割と責任について説明を行いました。
また、その他の子会社においても、下表のとおり 2021 年 3 月に棚卸関連の社内規程
改訂を実施の上、2021 年 3 月末、5 月末もしくは 6 月末の棚卸説明会において説明を
行いました。
子会社名 棚卸説明会 実施日
OC 2021 年 7 月 1 日
SAS 2021 年 6 月 29 日
OIC 2021 年 6 月 18 日
OCW 2021 年 6 月 30 日
OCT 2021 年 5 月 28 日
OCI 2021 年 3 月 12 日
OCP 2021 年 3 月 30 日
砂永精工 2021 年 6 月 29 日
東洋クラッチ株式会社(日本、 2021 年 6 月 25 日
以下「東洋クラッチ」という。) 2021 年 7 月 1 日
東京精工株式会社(日本、以下
2021 年 3 月 30 日
「東京精工」という。)
株式会社三泉(日本、以下「三
2021 年 3 月 30 日
泉」という。)
なお、上述の社内規程の整備や説明等の対応については当社グローバル財務部が進
捗管理や実施状況等の確認を行ってまいりました 月までは財務部が担当しました。 。
(3 )
④ 出向者及びローカル従業員とのコミュニケーション不足の解消(A-3 に対応)
21
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案が発生した一因として、 及び OCC における出向者とローカル従業員との
OCD
コミュニケーション不足により、出向者とローカル従業員が有する情報に差が生じた
り、役割や責任への意識が希薄となったことが挙げられます。このため、以下の取組み
によりコミュニケーション不足の解消を図ります。
OCD においては、以前からローカル従業員も朝会議(各課のスタッフが集まり、客先
情報、生産状況や品質状況等を報告し情報を共有するとともに、必要に応じて日々の課
題への対応を検討する会議体)
、工場会議(月次で各課業務目標に対する実績報告を行
う会議体)及び部門別会議へ参加しておりますが、今後、さらにコミュニケーションの
機会を増やすことを目的として、棚卸レビューミーティング、システム運用会議につい
てもローカル従業員に参加を求めることにします。
OCC においては、管理職を兼務する出向者のみを工場会議の参加者としておりました
が、今後はローカルの役職者(係長以上)にも参加者を求めることにします。
さらに、OCD 及び OCC において、出向者及び全ローカル従業員を対象とした課単位
での意見交流会(原則として特段の明確な議題やテーマ設定は行わない)を月 1 回開催
し、情報交換や各自の課題の共有等の自発的なコミュニケーションを促します。当該意
見交流会については、議事録を作成して総経理及び工場長に報告を行うとともに、工場
会議の場でも報告を行い、対応が必要な課題等があれば、対応方法等の検討を行います
(OCD においては 2021 年 3 月から実施予定、OCC においては 2021 年 2 月から実施)
。
【実施・運用状況】
ⅰ)各種会議へのローカル従業員の参加
OCD においては、改善報告書に記載のとおり、従来からローカル従業員が朝会議、工
場会議及び部門別会議へ参加しておりますが、棚卸レビューミーティング(2021 年 2
月から)及びシステム運用会議(2021 年 3 月から)にも関係するローカル従業員を参
加させ、情報ギャップの低減を図っております。
同様に、OCC においても、2021 年 2 月以降、ローカルの役職者(係長以上)を工場会
議へ参加させております。
ⅱ)コミュニケーション会議の開催
また、OCD 及び OCC における意見交流会として、出向者及び全ローカル従業員を対象
とした課単位での「コミュニケーション会議」を毎月開催するようにいたしました(OCD
は 2021 年 3 月から、OCC は 2021 年 2 月から開催)。毎月の意見交流会では、業務にお
ける改善提案だけでなく、例えば夜勤食や空調設備などの職場環境の改善に関する意
見が出されるなど、これまでは吸い上げることのできていなかったローカル従業員の
率直な意見の収集ができるようになり、コミュニケーション向上に一定の効果がある
22
ものと考えております。コミュニケーション会議は、議事録を作成し、各社の総経理及
び工場長に共有するとともに、総経理が取り上げられた意見への対応の要否について
の検討を行っております(OCD 及び OCC に限らず、全社で対応の要否を検討すべき意見
を受領した場合には、グローバル財務部が対応の要否について検討いたします。。
)
(3) OCD 及び OCC における会計システムの適切な運用に向けた仕組みの構築
① 外部専門家と連携した管理部門の強化(A-1 、A-3 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
OCD 及び OCC における会計システムに対する理解不足の解消を進め、会計システムの
適切な運用のための仕組みを構築するため、以下のとおり対応します。
外部のシステムコンサルタント及び会計専門家を活用します。具体的には、金蝶シス
テム及び用友システムのベンダーであるコンサルティング会社、グローバル会計ファ
ームの中国現地事務所による支援を受けるものであり、OCD 及び OCC ともに 2021 年 1
月より受けております。
会計システムに関する知識・経験を有する人材を採用します。具体的には、2021 年
6 月を目途に、会計システムに関して知識・経験を有する人材を採用(係長クラスの人
材を OCD 及び OCC で各 1 名採用予定)します。採用した人材に対しては、情報システム
室及び外部のシステムコンサルタントによる会計システムに関する教育、財務部及び
外部の会計専門家による会計に関する教育を同年 12 月まで行うことで育成を図りま
す。なお、人材育成の期間中については、システムコンサルタントや会計専門家の助力
及び改善指南を受け、製造原価及び棚卸資産残高の適正な算定及び管理を行います。
OCD 及び OCC の出庫担当者及び仕訳担当者を対象にした研修等を実施します。研修の
内容として、システムコンサルタントによる会計システムの概要や機能に関する勉強
会(OCD は 1 回あたり約 4 時間の研修を 2 回実施予定。OCC は 1 回あたり 1.5 時間~6
時間の研修を 4 回実施予定。)を計画しています。また、本件事案を踏まえた会計シス
テムの操作、運用、留意点等に関して、会計専門家と打合せ・相談等の機会(月 1 回程
度)を設けます。その内容はシステム運用会議(OCD)又は棚卸レビューミーティング
(OCC)において社内共有いたします。
当社においては、OCD 及び OCC において発覚した課題の把握と課題の改善に向けた
取り組みをサポートするため、財務部、情報システム室及び原価管理部が OCD 及び OCC
のシステム運用会議に参加します。
【実施・運用状況】
ⅰ)外部リソースの活用と採用による人材の拡充
改善報告書に記載のとおり、OCD は 2021 年 1 月よりグローバル会計ファームの中国
現地事務所の会計専門家(h 氏)によるサポートと、金蝶システムのベンダーである外
23
部のシステムコンサルタントによるシステム診断(毎月 1 度)を受けております。また
OCC も 2021 年 1 月よりグローバル会計ファームの中国現地事務所の会計専門家(i 氏
等の計 4 名)による日常財務業務も含めた決算支援と、用友システムのベンダーである
外部コンサルタント(j 氏等の計 3 名)より用友システムの日常入出庫業務の支援等を
受けております。
加えて両社では管理部門の人材の増強のため、会計システムに関して知識・経験を有
する人材の採用活動を進め、OCD では 2021 年 6 月より 1 名、財務経理経験(会計シス
テム操作経験 1 年半。日本語対応可能)をもつ人材を採用いたしました。当該人材に関
しては現在、会計やシステムに関する教育研修を実施中です。また 2021 年 7 月にも中
国の会計士資格
(経験年数 14 年)
を有し日本語対応が可能な人材を 1 名採用しました。
その結果、現在、OCD の財務課は 2 名の増員となりますが、1 名辞職により合計 10 名体
制となります。 OCD では今後も引き続き、採用活動を行ってまいります。
一方、OCC では、本報告書提出日現在で、人材の新規採用ができておりません。現在
も複数の人材紹介エージェントを利用するとともに、取引銀行にも声を掛ける等、採用
活動を積極的に行っておりますが、OCC 所在地の限られた人材供給環境下、募集要件・
雇用条件と応募者の要望がマッチせず、採用まで至っておりません。OCC では今後も引
き続き、採用活動は行ってまいりますが、当面は外部のコンサルティング会社も継続的
に活用し、会計システムの適切な運用を行ってまいります。
ⅱ)会計システムに関する勉強会の実施
次に、 及び OCC 出庫担当者及び仕訳担当者を対象に会計システムの概要や機能に
OCD
関する勉強会を下記のとおり実施いたしました。
OCD
日付 テーマ 講師 出席者 出席者
(出向者) (ローカル従業員)
2021 年 3 月 11 日 金蝶システム講習 外部システムコ 9名(全部門) 40 名
ンサルタント計
2名
2021 年 3 月 16 日 金蝶システム講習 外部システムコ 1 名(製造) 12 名
ンサルタント計
2名
2021 年 3 月 25 日 金蝶システム講習 外部システムコ 1 名(技術) 2 名
ンサルタント計
2名
24
OCC
日付 テーマ 講師 出席者 出席者
(出向者) (ローカル従業員)
2021 年 2 月 23 日 用友操作説明会 k 氏(OCJ から ‐ 11 名
OCC への出向者
(技術課長) )
2021 年 3 月 4 日 用友操作運用マニ k 氏、b 氏(OCC 3名 11 名
ュアル学習会 総務課長)
2021 年 3 月 12 日 在庫調査及び再入 k 氏、b 氏 ‐ 11 名
力説明会
2021 年 1 月 4 日~ 用友操作関連個別 j 氏等の外部シ ‐ 15 名
4 月 16 日(計 42 回) ステムコンサル
指導 タント計 3 名
また、OCD 及び OCC においては、本件事案を踏まえた会計システムの操作、運用、留
意点等に関して、会計専門家との打ち合わせを下記のとおり実施しております。
OCD 外部会計専門家との打ち合わせ状況
日付 テーマ 会計専門家 出席者
2021 年4月 13 日 「5001」の取扱い h 氏(会計士)、広東 総経理、財務課長、推
進 室 部 長 、 OCJ 財 務
金拓社総経理 (WEB)
2021 年 5 月 21 日 「5001」の取扱い h 氏(会計士) 総経理、推進室部長、
財務課長
2021 年 6 月 30 日 棚卸立会 h 氏(会計士)、DTT 総経理、推進室部長、
財務課長
2021 年 7 月 7 日 今年度通期損益予想の見直 h 氏(会計士) 総経理、副総経理、OCJ
しについて 財務(WEB)
2021 年 7 月 19 日 資金繰りについて h 氏(会計士) 副 総 経 理 、 OCJ 財 務
(WEB)
2021 年 8 月 18 日 組織変更について h 氏(会計士)、広東 総経理、副総経理、OCJ
金拓社総経理 財務(WEB)
OCC 外部会計専門家との打ち合わせ状況
日付 テーマ 会計専門家 出席者
2020 年 2021 年 1 月 1 日からシステ i氏 (会計士) j氏
、 (外 仕入担当、在庫入力者
12 月 29 日~31 日 ムに新帳簿を適用するため 部システムコンサル
の打合せ タント)
2021 年 2021 年からの在庫管理フロ i 氏を含む計 3 名(会 仕入担当、在庫入力者
1 月 11 日~21 日 ーの見直し、実務上の課題 計士) 、外部システム
25
日付 テーマ 会計専門家 出席者
の把握 コンサルタント 1 名
2021 年 リモートでシステム入力者 i 氏(会計士) 氏を、j 仕入担当、在庫入力者
1 月 21 日~3 月末 のサポート 含む外部システムコ
ンサルタント計 3 名
2021 年 新帳簿及び見直した在庫管 i 氏(会計士) 、外部シ 仕入担当、在庫入力者
2 月 17 日~21 日 理フローの運用状況につい ス テ ム コ ン サ ル タ ン
ての確認 ト1名
2021 年 新帳簿及び見直した在庫管 i 氏(会計士) 仕入担当、在庫入力者
3 月 18 日~20 日 理フローの運用状況につい
ての確認
2021 年 新帳簿及び見直した在庫管 i 氏(会計士) j 氏
、 (外 仕入担当、
5 月 31 日~6 月 1 日 理フローの運用状況の確認 部 シ ス テ ム コ ン サ ル 在庫入力者
タント)
2021 年 新帳簿及び見直した在庫管 i 氏(会計士) 仕入担当、
6 月 21 日~22 日 理フローの運用状況につい 在庫入力者
ての確認
OCD では 2021 年 4 月及び 5 月のシステム運用会議及び朝会議にて外部会計専門家打
ち合わせ出席者以外の関係者へ本内容の情報共有を行っております。また OCC に関し
ては、当該打ち合わせに社内関係者が参加することで情報共有をしております。
ⅲ)月次でのシステム運用会議開催
最後に、当社では、財務部、情報システム室及び原価管理部が 2021 年 3 月より、OCD
及び OCC のシステム運用会議(毎月)に関係部署が必要に応じてオブザーバーとして参
加し、 及び OCC において発覚した課題の把握と課題の改善に向けた取り組みをサポ
OCD
ートしてまいりました。
② システム操作プロセスの見直しと改善の実施(A-1 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
OCD では、推進室において、外部のシステムコンサルタントの支援も受けながら、今
回の仕掛品の過大計上を発生させることになった BOM 変更時及びクローズ処理時の手
順の見直しを行いました。また、併せて金蝶 ERP システムの設定変更を行い、BOM 変更
時の警告メッセージの追加と、クローズ処理については、「5001 製造原価(仕掛品)
」
残高をゼロクリアにしないとクローズ処理そのものが出来ない様、2020 年 12 月にシス
テム対応を行いました。
OCD では、2021 年 6 月に金蝶 ERP システムのバージョンアップを予定しております。
その際にはバージョンアップに伴うシステム操作手順の見直し等の要否を外部のシス
テムコンサルタントも交えて検討を行います。
これらの変更点(バージョンアップにより変更となる部分も含む)やシステム操作上
の留意点は、推進室が外部システムコンサルタントの支援を受けてマニュアル(中国
26
語)の改定を行い、システム運用会議において関係者に周知します。
OCC では、これまで生産管理課が BOM の設定及び更新を行っていましたが、生産管理
課では設計情報や工程情報の詳細について不案内な部分があることから、設計や工程
に詳しい技術部に BOM の設定及び更新の業務を移管します。その上で、BOM の新設や変
更があった場合には、技術部が遅滞なく BOM の更新を行い、BOM 情報を用いた自動材料
引き落とし機能を用いることで、在庫の受け払い処理の効率化と入力ミス発生の低減
を図ります。
また、今後の実地棚卸の棚卸差異分析により検出された入力ミスについては、生産管
理課が補正伝票を用いて修正し更なる発生原因を追究の上、不良品処理等のシステム
運用上の問題があれば運用方法の改善処置に繋げてまいります。
また OCC においては、用友システムの操作に係るマニュアルが未作成となっていた
ため、外部の会計専門家の支援を受けて統一的なマニュアルを作成し、一連の業務フロ
ーについて 2021 年 1 月に中国ローカルスタッフ向け及び日本人管理職向けにそれぞれ
説明会を開催いたしました。さらに、BOM の設定及び更新の業務における変更点に関し
ても、2021 年 2 月中に技術部及び生産管理課がマニュアル改定を行い、説明会を実施
いたします。
会計システムの操作プロセスの見直しについては、原則、各子会社において実施する
ものではありますが、本件事案の発生を受けて、OCD 及び OCC については、当社情報シ
ステム室がサポートを行ってまいります。
またシステムのバージョンアップや改修を行う場合には、OCD 及び OCC の担当部門
と当社情報システム室が協議の上、対応を行うこととします。
【実施・運用状況】
ⅰ)OCD におけるシステム操作の見直し及び改善
改善報告書に記載のとおり、OCD では、BOM 変更時及びクローズ処理時の手順の見直
しや、金蝶 ERP システムの設定変更を 2020 年 12 月に実施し、さらにシステムコンサ
ルタントによるユーザー教育と質疑応答を行いながら、2021 年 6 月から 7 月下旬にか
けて、金蝶 ERP システムのバージョンアップを行いました。
2021 年 6 月から 7 月下旬にかけて実施したバージョンアップにより、BOM 登録時に
今までの操作手順を変えることなく、生産任務単の材料登録漏れを回避できるように
なりました。
なお、当初の計画では、金蝶 ERP システムのバージョンアップは 2021 年 6 月に終了
する予定でしたが、新型コロナによる海外渡航の制限から OCD と当社側での検証作業
に遅れが生じ、実際のバージョンアップの完了が 7 月までずれ込みました。
また、当初計画に加え、システム操作手順の見直しが必要な生産任務単、投入材料(材
料出庫)、仕掛の状況を一元管理できる機能(画面)や、異常な材料出庫の発見ができ
27
る機能の追加を予定しています。これらのバージョンアップは 9 月下旬を目処とした
実施計画となっております。
ⅱ)OCC におけるシステム操作の見直し及び改善
OCC においては、2020 年 11 月より順次、BOM の設定及び更新業務を生産管理課から
技術課に移管し、在庫データ処理の効率化と正確性の向上につながるタイムリーな BOM
データの更新作業を行っております(2021 年 2 月に業務移管完了)。
2020 年 11 月以降の実地棚卸においても入力ミス等による棚卸差異がごく少額なが
ら発生しておりますが、後述する棚卸レビューミーティング等を通じた原因追及を進
め、関連業務の改善を進めてまいりました。
また、改善報告書に記載のとおり、OCC では新たに作成した用友システムの操作に係
るマニュアルを 2021 年 1 月にローカルスタッフ向け及び日本人管理職向けにそれぞれ
説明会を開催しておりますが、さらに、BOM の設定及び更新の業務における変更点に関
して、2021 年 2 月に技術課及び生産管理課がマニュアル改定を行ったことから、改定
内容の説明会を実施いたしました。
ⅲ)当社情報システム室によるサポート
これら各社での会計システムに関する改善や変更については、当社情報システム室
が前述(1.(2).②.ⅱ)での対応の協議を通じてサポートを行ってまいりました。具体
的には OCD については、主に業務フローの見直しやバージョンアップ機能の詳細調査
を実施し、OCC については、主に生産管理モジュール導入ベンダーの選定やプロジェク
ト支援、標準原価計算の導入支援を実施いたしました。
(4) OCD 及び OCC における実地棚卸の精度の向上
① 実地棚卸時の「5001 製造原価(仕掛品)」に関する運用方法の見直し(A-2 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
2020 年 12 月の実地棚卸から、
「5001 製造原価(仕掛品)
」がゼロになるように生産計
画(日々の作業計画)を立案し、「5001 製造原価(仕掛品)
」の状況に留意のうえで実
地棚卸を実施する運用としました。これにより、実地棚卸時に現物確認を行うことが難
しい加工・組立中の仕掛品または半製品の在庫を極小化し、実地棚卸を行うようにいた
します。
また当社財務部は、2021 年 1 月の実地棚卸から「5001 製造原価(仕掛品)
」の原価
計算モジュールと会計モジュールの在庫データを回収し、「5001 製造原価(仕掛品)
」
の残高が無いこと(
「5001 製造原価(仕掛品)」がゼロになるように生産計画が立案さ
れ、運用されていること)を確認します。
28
【実施・運用状況】
改善報告書に記載のとおり、OCC では 2020 年 12 月の実地棚卸から「5001 製造原価
(仕掛品)
」が月末には残らないように月中にて生産計画を変更し生産調整をしました。
その結果、実地棚卸時には実在庫がゼロになっており、財務データ上も「5001 製造原
価(仕掛品)」勘定がゼロとなっております。
OCD においても、2020 年 12 月の実地棚卸から「5001 製造原価(仕掛品)」が月末に
は残らないように生産調整をして、実地棚卸時には実在庫がゼロになるようにしたも
のの、労務費・製造経費の配賦計算の関係から、月跨ぎの生産任務単があった場合「5001
製造原価(仕掛品)
」への配賦が行われてしまい、帳簿上ごく僅少の金額が残るという
状況が 2021 年 2 月末まで見られました。そこで広東金拓社(金蝶 ERP システムのメン
テナンス委託会社)
、外部コンサルタント及び当社(財務部、原価管理部及び情報シス
テム室)の三者で原因分析と配賦の再設定を行い、2021 年 3 月末以降、帳簿数量及び
金額もゼロとなっております。
当社財務部においても 2021 年 1 月の実地棚卸以降、
「5001 製造原価(仕掛品)」のデ
ータを回収し両社において適切な対応が取られていることについて確認を行っており
ます。
② 棚卸実施規程の見直し(A-2 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
今回判明した実地棚卸上の問題を踏まえ、 においては生産管理課が中心となって
OCD
2021 年 2 月中に棚卸実施規程やマニュアルの見直しを行います。また棚卸実施規程や
マニュアルが制定されていなかった OCC においては工場長が中心となって 2021 年 2 月
中に新たに棚卸実施規程やマニュアルを策定します。
棚卸実施規程やマニュアルにおいては、実地棚卸の目的や意義についても明確に示
すとともに、「5001 製造原価(仕掛品)
」の取扱い、不良品や OCD において棚卸対象外
となっていた外部倉庫品についても棚卸対象とする点、棚卸差異については必ず実在
数量へ帳簿数量を修正する点を記載するなど、適正な在庫数量把握のための実地棚卸
手順をまとめます。
見直しを行った棚卸実施規程やマニュアルについては、2021 年 3 月末の実地棚卸前
に開催する棚卸説明会において、OCD 及び OCC の工場長より棚卸実施者へ説明・指導を
行います。
OCD 及び OCC における棚卸実施規程やマニュアルの見直しの状況については、当社
財務部が進捗管理及び内容の適正性について確認を行います。さらに OCD 及び OCC 以
外の子会社についても、当社財務部の指揮の下、棚卸実施規程やマニュアルの見直しを
行います。各子会社においては、見直し後に棚卸実施規程やマニュアルの再周知を行
い、実地棚卸がルールに沿って実施されるようにいたします。
29
【実施・運用状況】
OCD では、生産管理課が中心となり、棚卸実施規程の見直しを行い、2021 年 3 月に規
程改訂を行いました。OCC においても、工場長が中心となり棚卸実施規程を新たに作成
の上、2021 年 3 月より運用を行っております。
いずれの棚卸実施規程にも、実地棚卸の目的や意義についても明確に示すとともに、
「5001 製造原価(仕掛品)
」の取扱い、不良品や OCD において棚卸対象外となっていた
外部倉庫品についても棚卸対象とする点、棚卸差異については必ず実在数量へ帳簿数
量を修正する点を記載するなど、適正な在庫数量把握のための実地棚卸手順を規定し、
2021 年 3 月末の実地棚卸前に開催する棚卸説明会において、OCD 及び OCC の工場長よ
り棚卸実施者へ説明・指導を行いました。
また、他の子会社においても、前述の(2)③に記載のとおり、2021 年 3 月末、5 月末
もしくは 6 月末の棚卸説明会にて説明・指導を行っております。なお、これら各社での
対応については、当社グローバル財務部がサポート及び進捗管理等を行ってまいりま
した(3 月までは財務部が担当しました。。
)
③ 棚卸レビューミーティングの実施(A-2 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
OCD 及び OCC においては、毎月の実地棚卸後、工場長主催の下、実地棚卸の振り返り
のための棚卸レビューミーティング(参加者は主に総経理、生産管理、製造、財務、シ
ステムに関する各責任者)を開催し、以前の棚卸で発見された課題への対応状況、新た
な課題の抽出、新たに発見された課題への対応の検討等を行い、実地棚卸の精度の向上
を図ります。
また、棚卸レビューミーティングで取り上げられた課題、当該課題の原因及び対策に
関しては、議事録としてまとめ、都度、当社財務部に提出します。
さらに、実地棚卸において、コミュニケーション細則に規定する重要な棚卸差異や実
務上の重要な課題が生じた場合は、棚卸レビューミーティングの開催を待たず、即座に
当社財務部に報告を行うものとし、財務部においては報告を受けた内容を確認の上、他
の子会社において類似の事象が発生することのないように未然防止(又は課題の早期
発見)の観点から情報共有を行います。
なお、OCD においては 2021 年 3 月から棚卸レビューミーティングの開催を予定して
おり、OCC については 2020 年 12 月から開催をしております。また、当社では 2021 年
3 月からの対応を予定しております。
【実施・運用状況】
OCD においては 2021 年 1 月末の実地棚卸より、OCC においては 2020 年 12 月末の実
30
地棚卸より、毎月の実地棚卸後、棚卸レビューミーティングを行い、実地棚卸上の問題
や課題についての検討を行いました。取り上げられた課題についてはその場で改善策
を協議し、次月以降の棚卸での改善対応により実地棚卸の継続的な精度向上に努めて
きました。
また棚卸レビューミーティングの議事録については、当社財務部でも確認を行い、両
社の改善対応状況についても確認を行っております。
改善報告書提出日以後、本報告書提出までの間、決算開示に影響を与える可能性があ
るような重要な棚卸差異や問題は検出されておりませんが、今後も引き続きこのよう
な形での情報共有を進めてまいります。
④ 実地棚卸に関する教育研修(A-2 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
OCD 及び OCC において実地棚卸に関する管理者の責任と意識を高めるべく、本件事案
を踏まえ実地棚卸の意義や重要性に関して継続的に教育研修を行います。
OCD 及び OCC の出向者に対しては、2020 年 12 月に当社取締役常務執行役員(輸送機
器担当)が Web 会議にて研修を実施、2021 年 1 月には当該研修を踏まえて、OCD におい
ては工場長、OCC においては総務課長が講師となり、ローカル従業員(各部門責任者を
含む棚卸実施メンバー)に対して中国語による研修を実施しました。具体的な研修内容
は、棚卸の目的や棚卸全般に関する説明、当社香林工場の実地棚卸の実例等を用いた解
説、研修内容に関する質疑応答であり、参加者の疑問点を取り除くことで理解度が向上
したものと考えております。今後も年 1 回の教育研修を継続するとともに、当該研修に
ついては新入社員教育にも組み込みます。
また、その他の製造子会社に対しても実地棚卸の重要性を伝えるため、当社取締役
常務執行役員(輸送機器担当)が、2021 年 3 月までに実地棚卸に関する出向者向けの
教育研修を行うことを予定しています(タイ、インド、フィリピンの子会社においては
2020 年 12 月に研修を実施済み。。
)
【実施・運用状況】
実地棚卸の意義や重要性に関する研修を下記のとおり実施いたしました。
今後も引き続き継続的な研修を行ってまいります。
ⅰ)出向者に対する「棚卸の重要性」に関する研修
(講師:当社取締役常務執行役員(輸送機器担当)、当社香林工場生産管理部次長)
子会社名 日付 出席者 備考
OCD 2020 年 12 月 24 日 10 名 東洋クラッチからの
出向者 1 名を含む
31
子会社名 日付 出席者 備考
OCC(含む OCW) 2020 年 12 月 24 日 9名
OCT 2020 年 12 月 24 日 10 名 現地雇用者 (日本人)
1 名を含む
OCI 2020 年 12 月 24 日 2名
OCP 2020 年 12 月 24 日 4名 三泉からの出向者 1
名を含む
砂永精工 2020 年 12 月 24 日 3名
OIC 2021 年 3 月 24 日 2名
SAS 2021 年 3 月 26 日 2名
東京精工 2021 年 3 月 29 日 2名
OC 2021 年 3 月 30 日 4名
三泉 2021 年 4 月 2 日 三泉従業員 (管理職)
8名
6 名を含む
※ OCJ からの出向者全員が研修受講済(ビデオ教材視聴を含む)
ⅱ)OCD 内における「棚卸の重要性」研修
日付 講師 対象者 参加者数
2021 年 1 月 27 日 OCD 工場長 棚卸メンバー 56 名
2021 年 2 月 25 日 OCD 工場長 棚卸メンバー 40 名
2021 年 3 月 26 日 OCD 工場長 棚卸メンバー 54 名
2021 年 4 月 28 日 生産管理担当アド 棚卸メンバー 62 名
バイザー
ⅲ)OCC 内における「棚卸の重要性」研修
日付 講師 対象者 参加者数
2021 年 1 月 29 日 b 氏(OCC 総務課 全従業員 154 名
長)
2021 年 2 月 27 日 b氏 全従業員 148 名
2021 年 3 月 30 日 b氏 全従業員 154 名
2021 年 6 月 30 日 b氏 全従業員 153 名
⑤ 実地棚卸の頻度の見直し(A-2 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
OCD においては、従来、四半期に 1 回としていた実地棚卸を 2021 年 1 月から 1 年間
は月次で実施し、前述の棚卸レビューミーティングによる実地棚卸の改善活動を組み
合わせることによって、早急に実地棚卸の精度向上を図ります。OCC については設立当
初より毎月実地棚卸を実施していますが、引き続き月次での実地棚卸を継続いたしま
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す。OCD 及び OCC ともに、1 年経過後、当社取締役常務執行役員(輸送機器担当)
・常務
執行役員(一般クラッチ生産担当)及び当社財務部長が棚卸差異の発生状況やその後の
分析状況等を評価し、四半期の実地棚卸へとその頻度の再検討を行う予定です。
なお、従前の実地棚卸は、手順や作業のポイント等の記載が不十分なマニュアルに基
づいて実施しており、精度が低かったことから、今後は新たに策定する棚卸実施規程や
マニュアルに則り取り組んでまいります。棚卸レビューミーティングによる実地棚卸
の改善活動を組み合わせることによって、早急に実地棚卸の精度向上を図ります。
また、OCD 及び OCC における月次の実地棚卸の実施状況(指導を受けたとおり、会
計システムの操作及び運用を行っているか)及び実施結果(棚卸差異の規模、原因の調
査・分析、実地棚卸結果を踏まえた帳簿の修正)については、システムコンサルタント
及び会計専門家にチェックを依頼するとともに、当社財務部においても、実施の都度、
棚卸差異の発生状況、差異分析の結果、棚卸レビューミーティングにおける議論等も含
めてモニタリングを行います。実地棚卸の実施結果のチェックについては、将来的には
自社で実施する体制を構築することを目標としていますが、当面は外部専門家の支援
を得て実施していきます。
【実施・運用状況】
改善報告書に記載のとおり、OCD では実地棚卸を 2021 年 1 月から月次で実施してお
ります(OCC においては設立当初より月次で実施)
。
OCD 及び OCC における実地棚卸は、各種ルールの整備と、棚卸レビューミーティング
等による各社の改善活動を受け、実地棚卸における帳票の記載不備が減少し、実地棚卸
の精度向上が図られたものと認識しています。引き続き、実地棚卸は月次で実施し、継
続して適切な実地棚卸の実施が確認できる場合には、改善報告書に記載のとおり、2022
年 3 月ごろを目途に、実地棚卸頻度の再検討を行う予定です。
また、2021 年 1 月以降、 及び OCC の実地棚卸の実施状況や実施結果については、
OCD
会計専門家にチェックを受けるとともに、当社財務部でもそのモニタリングを実施し
てまいりましたが、継続して適切な実地棚卸の実施が確認できる場合には、当該モニタ
リングについても 2022 年 3 月ごろを目途に、自社で実施する運用へ切り替えの検討を
行う予定です。
(5) OIC における送金業務プロセスの見直し
① 送金手続の見直しと送金データの事後チェック(B-1 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案において不正送金を許した原因は同一人物に対して支払情報の入力権限と
承認権限を付与してしまったことにあります。当該状況については、本件事案の発覚
後、即座に改めておりますが、今後の運用方針として経理担当者と現地経営陣の業務分
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担や運用手順(支払業務の承認権限者や、承認権限者が不在の場合の取扱い、権限設定
の変更時の取扱い等を含む)を明確化するため、OIC 財務部門が 2021 年 3 月に金銭出
納管理規程(支払業務に関する業務フローを含む)を改正し、その周知徹底を図ります。
また OIC 経営陣は、2021 年 3 月より、月次で送金データ(支払先・支払金額・支払
処理者・承認者等)のレビューを全件行い、金銭出納管理規程(支払業務に関する業務
フローを含む)に従い、送金手続における入力者と承認者の権限設定が明確に区分され
運用されていることの検証を行います。
さらに、当社財務部においても、2021 年 3 月期分から、年次で送金データの事後チ
ェック(支払い情報の入力者と承認者が同一人物でないこと)を実施いたします。
【実施・運用状況】
ⅰ)金銭出納管理規程の制定
従前、OIC における金銭出納管理は主に支払業務に関するフローによって規定され、
運用されておりましたが、支払方法毎の作成者・承認者の詳細な業務分担や承認者不在
時といった例外時の取扱い等明文化されていない部分が一部ありました。そのため、
2021 年 3 月に当社と OIC 財務部門で金銭出納管理規程(日本語版及び英語版)を新設
し、支払方法毎の経理担当者と現地経営陣の業務分担や運用手順(支払業務の承認権限
者や、承認権限者が不在の場合の取扱い、権限設定の変更時の取扱い等を含む)を明確
化し、OIC 社内で伝達を行って周知しております。
ⅱ)OIC 経営陣による送金データの全件レビュー
OIC 経営陣は、2021 年 3 月より、本件で不正送金が識別された BoA における送金デ
ータ(支払先・支払金額・支払処理者・承認者等)の全件レビューを実施しております。
具体的には、2020 年 10 月以降の送金データについて、関連証憑(ワイヤートランスフ
ァー及び ACH については、インボイス、支払指示データ、入力画面及び送金履歴。小切
手については、インボイス、支払指示データ、小切手の控え及び銀行の小切手支払記録)
の確認及び銀行のオンラインサイトにおける支払処理者・承認者権限一覧表の確認に
より、送金手続における入力者と承認者の権限設定が明確に区分され、適切に運用され
ていることの検証を実施しております。
ⅲ)当社財務部による送金データの事後チェック
当社財務部は、2021 年 3 月期における年次の送金データチェックとして、上記 OIC
経営者によりレビューされた支払処理者・承認者権限一覧表を確認し、金銭出納管理規
程に則り、送金業務における支払情報の入力者と承認者が同一人物でないことの確認
を 2021 年 5 月に実施しております。
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② OIC 経営陣による支払業務への関与(B-2 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
OIC 経営陣は支払業務を経理担当者に一任するのではなく、担当者の業務の概要を理
解し、疑問点等については随時確認をすることで、支払業務に積極的に関与します。送
金方法や金融機関のシステムの仕様については、必要に応じて、経理担当者とともに、
金融機関等からの情報を確認します。また、OIC 経営陣は銀行のオンラインサイトでユ
ーザーの権限を照査し、入力担当者と承認者の権限付与の状況を確認します。具体的に
は、四半期に 1 度、銀行のオンラインサイトでトークンの保有状況・有効無効と権限の
内容を確認します。
さらに今後新たな送金システムを導入した際には、その仕組みやリスクを理解の上、
OIC 経営陣が主導して入力担当者と承認者の相互牽制が働く業務プロセスの設計を行
います。
【実施・運用状況】
OIC 経営陣(具体的には、海老澤財務責任者)は、支払業務を行う経理担当者の業務
の概要について、担当者に対する確認を随時行い、業務内容の変更の有無を確認してお
ります。また、銀行のオンラインサイトにおける支払処理者・承認者権限一覧表の確認
によりユーザーの権限を四半期毎に照査し、入力担当権限と承認権限(トークンの保有
状況・有効無効状況の確認含む)が適切な人員にのみ付与されていることを確認した上
で、Flemming 社長への報告を行っています(直近では 2021 年 4 月に海老澤財務責任者
が確認を行い、確認結果を Flemming 社長へ報告)
。
なお、本報告書提出日現在、新たな送金システムの導入は確認されておりません。
(6) OIC 経営陣に対する教育
① OIC 経営陣へのリスク管理及びコンプライアンス教育の実施(B-2 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案を踏まえ、送金方法に関する手順の解説やそれを踏まえた資金送金に関す
るリスクとその管理方法、その他一般的な従業員による不正事例について、2021 年 3
月に外部講師を招いて OIC 全役職員が参加する社内勉強会を開催します。
さらに OIC 全役職員を対象として、弁護士等の外部講師によりコンプライアンス教
育を継続的に年 1 回実施し、OIC 経営陣・従業員の職責や不正が発生した場合の法的責
任等に関する啓発を図ります(次回以降の研修の具体的な内容については適宜見直し
を行う予定です。。
)
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【実施・運用状況】
ⅰ)OIC 社内リスク管理勉強会の実施
本件事案を踏まえ、送金方法に関する手順の解説やそれを踏まえた資金送金に関す
るリスクとその管理方法、その他一般的な従業員による不正事例について、2021 年 3
月 16 日に外部講師(会計士)を招いて社内不正事例研修会を実施し、OIC 全役職員が
参加しました。
ⅱ)OIC 社内コンプライアンス勉強会の実施
当社において、2021 年 3 月に外部講師を招いて実施したコンプライアンスセミナー
の内容(具体的には、コンプライアンスの重要性、実効性のあるコンプライアンス体制
等)を基に、OIC 経営陣・従業員の職責や不正が発生した場合の法的責任等に関する啓
発を目的として、OIC 全役職員が参加した社内コンプライアンス勉強会(講師は海老澤
財務責任者)を実施しました。
また、2021 年 6 月 9 日及び 14 日に外部講師(弁護士)を招いて社内勉強会を実施
し、OIC 全役職員が参加しました。
(7) 内部監査の強化
① 内部監査業務の見直しと体制強化(C-2 に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案を受け、OCD 及び OCC の棚卸資産の管理体制、OIC の送金業務については重
点的に内部監査を実施します。また、当該 3 社については年 1 回、その他の子会社につ
いても 3 年毎に現地往査による内部監査を実施いたします(コロナ禍環境下により海
外現地への往査が難しい場合には、 会議や Web カメラ等を活用した内部監査を実施
Web
することとします。。
)
内部監査対象の選定においては、当社社長、監査役、監査法人及び財務部との定期的
なコミュニケーションによりリスク情報を共有のうえで的確にリスクの洗出しを行
い、相対的にリスクの高い部門又は子会社に対して内部監査を実施いたします。
内部監査の結果については、監査対象会社経営陣への監査結果の講評に加え、当社経
営陣、監査役、監査法人及び財務部とも共有します。また、指摘事項や不備に対しては
速やかにその改善状況や対応についてフォローアップを行います。
さらに、当社内部監査室の体制強化のため、内部監査業務の経験や知識を有する人材
を 1 名増員いたします。現状、2021 年 6 月の入社を目途に採用活動を行っており、こ
れにより当社内部監査室は 5 名体制となる予定です。また、OCD 及び OCC においては、
実地棚卸に関与していない人材を実地棚卸業務専任の内部監査担当者として任命し、
当社内部監査室と連携のうえ、実地棚卸の適切性について確認することとします。
なお、OCD 及び OCC を除く製造子会社においては棚卸資産の管理体制に問題は発見
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されておりませんが、棚卸資産の管理においては不適切な処理が生じるリスクが高い
ものと認識しており、OCD 及び OCC と同様の不備が発生していないこと、実地棚卸が棚
卸実施規程やマニュアルに則って行われていることについて、実地棚卸の結果等を入
手の上、四半期毎に確認いたします。
【実施・運用状況】
ⅰ)OCD 及び OCC の棚卸資産の管理体制、OIC の送金業務に対する内部監査の実施
当社内部監査室は 2021 年 4 月から 6 月にかけて、OCD 及び OCC の棚卸資産の管理体
制を検証するため、実地棚卸を含む棚卸資産の入出庫その他主要な関連業務について
内部監査を実施しました。監査対象期間を 2021 年 1 月から 5 月とし、関連証憑(サプ
ライヤーからの見積書、単価決定書、客先からの注文書、出荷指示書、売上リスト等)
をサンプル抽出の上、入手し、購買・外注管理規程、購買管理指導書等に則って業務が
適切に行われていることを確認しましたが、 及び OCC において不備は識別されませ
OCD
んでした。
また、2021 年 2 月から 4 月にかけて、OIC の送金業務に関する管理体制について内
部監査を実施しました。監査対象期間を 2020 年 10 月から 2021 年 2 月とし、同期間に
処理した