6408 J-小倉クラッチ 2021-02-22 16:00:00
東京証券取引所への「改善報告書」の提出に関するお知らせ [pdf]

                                                 2021 年2月 22 日
各 位
                            会社名    小倉クラッチ株式会社
                            代表者名   代表取締役社長 小倉 康宏
                                   (コード番号:6408)
                            問合せ先   執行役員経営管理本部長 関根 秀利
                                   (TEL.0277-54-7101)

         東京証券取引所への「改善報告書」の提出に関するお知らせ



 当社は、過年度決算短信等を訂正した件につきまして、2021 年2月5日付で株式会社東京証券取引所より、有価
証券上場規程第 502 条第1項第1号に基づき、その経緯及び改善措置を記載した「改善報告書」の提出を求められ
ておりましたが、本日別添のとおり提出いたしましたので、お知らせいたします。




 別添書類:改善報告書




                                                        以 上
                 改 善   報   告   書
                                       2021 年 2 月 22 日


株式会社東京証券取引所
代表取締役社長 清田 瞭 殿




                                      小倉クラッチ株式会社
                                   代表取締役社長 小倉 康宏




 このたび、過年度決算短信及び四半期決算短信、並びに有価証券報告書及び四半期報告書
(以下、「過年度決算短信等」といいます。)の一部訂正の件について、有価証券上場規程
第 502 条第 3 項の規定に基づき、その経緯及び改善措置を記載した改善報告書をここに提
出いたします。




                       1
                                                          目次
I.         経緯 ..................................................................... 3
     1.    過年度決算訂正の内容................................................................................................. 3
     2.    過年度決算短信等を訂正にするに至った経緯・原因 ................................................. 7
          (1) OCD ................................................................... 7
          (2) OCC .................................................................. 10
          (3) OIC ................................................................... 13
II.        改善措置 ................................................................ 15
     1.    不適正開示の発生原因の分析.................................................................................... 15
          (1) OCD 及び OCC における業務プロセス上の問題点と OCD 経営陣及び OCC 経営陣
            における課題 ........................................................... 15
          (2) OIC における業務プロセス上の問題点と OIC 経営陣の課題.................. 17
          (3) 当社の海外子会社管理・モニタリング上の問題点 .......................... 17
          (4) 当社の上場企業としての適正な情報開示上の問題点 ........................ 19
     2.    再発防止に向けた改善措置(実施済みのものを含む。 .......................................... 19
                                   )
          (1) 当社管理部門における海外子会社の管理体制の強化 ........................ 19
          (2) 責任体制と役割の明確化 ................................................ 19
          (3) OCD 及び OCC における会計システムの適切な運用に向けた仕組みの構築 .... 22
          (4) OCD 及び OCC における実地棚卸の精度の向上 ............................ 23
          (5) OIC における送金業務プロセスの見直し .................................. 26
          (6) OIC 経営陣に対する教育 ................................................ 26
          (7) 内部監査の強化 ........................................................ 27
          (8) 適正かつ迅速な情報開示のための取り組み ................................ 28
          (9) その他追加的な対応について ............................................ 30
     3.    改善措置の実施スケジュール.................................................................................... 31
III.       経営責任等の明確化について .............................................. 33
IV.        不適切な情報開示が投資家及び証券市場に与えた影響についての認識 .......... 33




                                                            2
I.   経緯
1.   過年度決算訂正の内容
      小倉クラッチ株式会社(以下、
                   「当社」又は「OCJ」という。
                                 )は、当社の中国の在外
     子会社 2 社(小倉離合機(東莞)有限公司(以下、
                             「OCD」という。
                                     )及び小倉離合機
     (長興)有限公司(以下、
                「OCC」という。)において、棚卸資産の帳簿価額と実際残
                         )
     高との間に多額の差異があることが判明したため、棚卸資産の過大計上の可能性を、ま
     た米国の在外子会社(Ogura Industrial Corporation(以下、
                                              「OIC」という。)におい
                                                      )
     て、銀行口座からの不審な送金が判明したため、元従業員による横領の可能性(以下、
              )を認識したため、2020 年 10 月 5 日、特別調査委員会を設置し
     「本件事案」という。
     調査を進めてまいりました。
      2020 年 12 月 16 日に特別調査委員会から調査報告書を受領し、棚卸資産の帳簿価額
     と実際残高との間の多額の差異に関しては、2014 年 12 月末以降、仕掛品、原材料及び
     貯蔵品、商品及び製品が過大に計上されていたこと、また、銀行口座からの不審な送金
     に関しては、2018 年 6 月以降、虚偽の費目で複数回にわたり元従業員の口座に不正に
     送金され横領されていたことの報告を受けました。
      当社は、報告内容を検討の結果、過年度において過大計上となっていた棚卸資産の修
     正を行うとともに、不正な送金額について会計処理の訂正を行いました。
      これらの訂正に伴い、当社は 2020 年 12 月 16 日に過年度の決算短信等の訂正及び
     有価証券報告書等の訂正報告書の提出を行いました。訂正した過年度決算短信等及び
     本件事案が業績に及ぼす影響額については、以下のとおりです。


     【訂正した過年度決算短信】
      第 91 期(2020 年 3 月期)
          決算短信          (自 2019 年 4 月 1 日 至 2020 年 3 月 31 日)
      第 92 期(2021 年 3 月期)
          第 1 四半期決算短信(自 2020 年 4 月 1 日 至 2020 年 6 月 30 日)


【訂正した過年度有価証券報告書等】
      第 87 期(2016 年 3 月期)
          有価証券報告書       (自 2015 年 4 月 1 日 至 2016 年 3 月 31 日)
      第 88 期(2017 年 3 月期)
          有価証券報告書       (自 2016 年 4 月 1 日 至 2017 年 3 月 31 日)
      第 89 期(2018 年 3 月期)
          第 3 四半期報告書 (自 2017 年 10 月 1 日 至 2017 年 12 月 31 日)
          有価証券報告書       (自 2017 年 4 月 1 日 至 2018 年 3 月 31 日)
      第 90 期(2019 年 3 月期)


                                  3
   第 1 四半期報告書 (自 2018 年 4 月 1 日 至 2018 年 6 月 30 日)
   第 2 四半期報告書 (自 2018 年 7 月 1 日 至 2018 年 9 月 30 日)
   第 3 四半期報告書 (自 2018 年 10 月 1 日 至 2018 年 12 月 31 日)
   有価証券報告書       (自 2018 年 4 月 1 日 至 2019 年 3 月 31 日)
第 91 期(2020 年 3 月期)
   第 1 四半期報告書 (自 2019 年 4 月 1 日 至 2019 年 6 月 30 日)
   第 2 四半期報告書 (自 2019 年 7 月 1 日 至 2019 年 9 月 30 日)
   第 3 四半期報告書 (自 2019 年 10 月 1 日 至 2019 年 12 月 31 日)
   有価証券報告書       (自 2019 年 4 月 1 日 至 2020 年 3 月 31 日)
第 92 期(2021 年 3 月期)
   第 1 四半期報告書 (自 2020 年 4 月 1 日 至 2020 年 6 月 30 日)




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【過年度決算短信等の訂正による連結業績への影響額】
     過年度決算の本件訂正による連結財務諸表への影響額及び影響率は以下のとおりで
   す。
                                                  (単位:百万円)
                           訂正前       訂正後       影響額         増減率
    期間             項目
                            (A)       (B)      (B-A)        (%)
                売上高         38,664    38,664       -            -
                営業利益         1,043       873     △169      △16.2%
    第 87 期      経常利益           517       348     △169      △32.7%
(2016 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              171      △10       △181      △106.2%
     通期         する当期純利益
                総資産         41,188    41,080     △108       △0.3%
                純資産         15,907    15,705     △201       △1.3%
                売上高         37,845    37,845        -           -
                営業利益           972       739     △232      △23.9%
    第 88 期      経常利益           881       648     △232      △26.4%
(2017 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              589       336      △253      △43.0%
     通期         する当期純利益
                総資産         41,197    40,760     △436       △1.1%
                純資産         16,316    15,880     △436       △2.7%
                売上高         30,458    30,458       -            -
                営業利益         1,233     1,064     △168      △13.7%
    第 89 期      経常利益         1,284     1,115     △168      △13.1%
(2018 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              834       662      △172      △20.6%
  第 3 四半期       する四半期純利益
                総資産         42,248    41,630     △617       △1.5%
                純資産         17,418    16,800     △617       △3.5%
                売上高         40,482    40,482       -            -
                営業利益         1,422     1,260     △161      △11.4%
    第 89 期      経常利益         1,373     1,211     △161      △11.8%
(2018 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              957       796      △161      △16.8%
     通期         する当期純利益
                総資産         42,262    41,644     △617       △1.5%
                純資産         17,638    17,021     △617       △3.5%
                売上高         10,424    10,424       -            -
                営業利益           423       431        8        1.9%
    第 90 期      経常利益           518       526        8        1.6%
(2019 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              520       529            8      1.6%
  第 1 四半期       する四半期純利益
                総資産         41,507    40,911     △596       △1.4%
                純資産         17,543    16,947     △596       △3.4%
                売上高         20,886    20,886       -            -
                営業利益           864       844      △19       △2.3%
    第 90 期      経常利益           923       898      △25       △2.7%
(2019 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              803       779       △23       △2.9%
  第 2 四半期       する四半期純利益
                総資産         42,299    41,681     △618       △1.5%
                純資産         17,910    17,290     △619       △3.5%




                             5
                                                  (単位:百万円)
                           訂正前       訂正後       影響額      増減率
    期間             項目
                            (A)       (B)      (B-A)     (%)
                売上高         31,109    31,109       -         -
                営業利益         1,146     1,100      △45    △4.0%
    第 90 期      経常利益         1,196     1,130      △65    △5.5%
(2019 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              958       895       △62    △6.6%
  第 3 四半期       する四半期純利益
                総資産         42,245    41,593     △651    △1.5%
                純資産         17,904    17,251     △652    △3.6%
                売上高         41,024    41,024       -         -
                営業利益         1,028       934      △94    △9.2%
    第 90 期      経常利益         1,091       963     △128   △11.8%
(2019 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              802       681      △121   △15.2%
     通期         する当期純利益
                総資産         43,297    42,604     △693    △1.6%
                純資産         17,599    16,901     △697    △4.0%
                売上高         10,608    10,608       -         -
                営業利益           394       402        7     1.9%
    第 91 期      経常利益           375       358      △16    △4.5%
(2020 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              373       362       △10    △2.8%
  第 1 四半期       する四半期純利益
                総資産         44,263    43,547     △715    △1.6%
                純資産         17,897    17,175     △721    △4.0%
                売上高         21,132    21,132       -         -
                営業利益           427       434        7     1.6%
    第 91 期      経常利益           392       356      △35    △9.1%
(2020 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              265       235       △30   △11.5%
  第 2 四半期       する四半期純利益
                総資産         42,326    41,624     △702    △1.7%
                純資産         17,510    16,803     △707    △4.0%
                売上高         30,996    30,996       -         -
                営業利益           535       482      △53    △9.9%
    第 91 期      経常利益           541       447      △93   △17.4%
(2020 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              319       217      △101   △31.9%
  第 3 四半期       する四半期純利益
                総資産         42,591    41,839     △751    △1.8%
                純資産         17,540    16,787     △752    △4.3%
                売上高         40,658    40,658       -         -
                営業利益           672       586      △86   △12.8%
    第 91 期      経常利益           677       532     △144   △21.3%
(2020 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                              487       345      △142   △29.2%
     通期         する当期純利益
                総資産         43,360    42,546     △814    △1.9%
                純資産         17,359    16,545     △814    △4.7%
                売上高          8,142     8,142       -         -
                営業利益          △50      △117       △67        -
    第 92 期      経常利益          △65      △159       △94        -
(2021 年 3 月期)   親会社株主に帰属
                            △113      △200        △86          -
  第 1 四半期       する四半期純利益
                総資産         40,694    39,809     △884    △2.2%
                純資産         16,964    16,081     △882    △5.2%


                             6
2.   過年度決算短信等を訂正にするに至った経緯・原因
      本件事案判明後、2020 年 10 月 5 日に特別調査委員会を設置し、2020 年 12 月 16 日
     に調査報告書を受領いたしました。対象子会社ごとの不適切な会計処理の発覚の経緯
     及び特別調査委員会の報告を踏まえた本件事案に関する当社の事実認識は以下のとお
     りです。


(1) OCD
①    発覚までの経緯等
      1) OCD においては、2019 年 4 月頃から当社原価管理部を中心に進められていた標
     準原価計算による棚卸評価を行い、付加価値分析をすることを目的としたプロジェク
     トの一環として、棚卸資産の数量を正確に把握するため当社と断続的にメールや Web
     会議でのやり取りをしていました。その過程で、当社は OCD における実地棚卸及び在
     庫管理の状況を把握する必要がありましたが、OCD の実地棚卸や在庫管理の方法が当
     社とは異なっていたこと等により、OCD の在庫管理等の把握に時間を要していました。
     同様の状況は同年 12 月まで継続していましたが、一部のロケーションの仕掛品につい
     て棚卸対象外になっていたことが判明したことから、同年 12 月末には、棚卸対象外と
     なっていたエリアの仕掛品がゼロになるように生産調整をして実地棚卸を行うことを
     OCD 及び当社間で決定しました。


      2) 上記に記載のとおり、2019 年 12 月末の棚卸において、生産ライン上の仕掛品を
     ゼロにするように生産調整を行うことになっていたにも関わらず、実際にはこの方針
     が徹底されておらず、生産ライン上の仕掛品が残った状態で棚卸が行われました。その
     結果、生産ライン上の仕掛品は実数カウントされておらず、OCD において同年 12 月
     末の棚卸を受けて帳簿上の在庫金額と実地棚卸結果との間の差異金額(以下、「実地棚
     卸差異」という。)を算出したところ、差異金額は約 1.1 百万元(約 17 百万円)に及ぶ
     ことが判明しました。当該差異金額は、2014 年 6 月の金蝶 ERP システム導入以来、
     生じたことのなかった規模であったため、OCD の金沢総経理は上記経緯を当社に報告
     することにしました。2020 年 1 月 10 日の当社との Web 会議において、金沢総経理は、
     実地棚卸の精度が低いことから当該差額が生じている可能性があるため同年 2 月末に
     再度実地棚卸を行い、今後は四半期ごとに実地棚卸を行いながら精度を上げていきた
     い旨及び棚卸差損を帳簿に反映せずに従来どおり金蝶 ERP システムのデータに基づい
     て決算を行うことを提案し、Web 会議の中で了承されました。


      3) その後、仕掛品が残存しないように生産調整も行う等の準備を行った上で、2020
     年 4 月末(当初計画されていた同年 2 月末から当該棚卸までの間は新型コロナウイル
     ス感染症拡大のため実地棚卸は未実施)に実地棚卸を行いました。当該棚卸の結果、金


                             7
    蝶 ERP システム上の棚卸資産残高と実地棚卸金額の間に約 3.7 百万元(約 58 百万円)
    の実地棚卸差異が存在すること、金蝶 ERP システム上の「製造原価」勘定について、
    実際には在庫が存在していないにも関わらず帳簿上には約 17.8 百万元(約 277 百万
    円)の在庫が記録されていること、当該「製造原価」勘定は、過去から実地棚卸が行わ
    れていなかった生産ライン上の仕掛品に対応する勘定である「5001 製造原価(仕掛品)」
    1であり、実際には存在しない在庫が帳簿上に記録されている(以下、
                                   「仕掛品の過大計
         )ことが、金沢総経理より当社にメールにより同年 6 月 3 日付けで報告が
    上」という。
    なされました。また、当該棚卸の結果については翌日の Web 会議においても金沢総経
    理から説明がなされたものの、仕掛品の過大計上という新たな疑義が突如として浮上
    したことから、金蝶 ERP システムのメンテナンスサービスを委託している広東金拓社
    の協力を得て、原因究明のための調査を行うことといたしました。


     4) その後も棚卸差異の原因解明がなされないままの状態が続き、2020 年 6 月末に
    実施した実地棚卸の結果、金蝶 ERP システム上の棚卸資産残高と実地棚卸金額の間に
    実地棚卸差異として約 4.7 百万元(約 73 百万円)「5001 製造原価(仕掛品)
                                、              」の帳簿
    残高から生じた仕掛品の過大計上として約 21.4 百万元(約 332 百万円)が存在してい
    ると報告されました。その後も、広東金拓社も含めて「5001 製造原価(仕掛品)
                                          」に関
    連する仕掛品の過大計上の発生原因について分析していたところ、同年 8 月 24 日に広
    東金拓社から、金蝶 ERP システムにおいては、BOM2変更時には、旧 BOM に係る製
    造命令書の「5001 製造原価(仕掛品)」の残高をゼロにした上で当該製造命令書をクロ
    ーズ処理する必要があり、プログラムの特性上、上記処理を行わない場合には「5001
    製造原価(仕掛品)」が帳簿上積み上がることになるとの指摘がなされました。OCD 及
    び当社は、当該説明により金蝶 ERP システムにおける上記特性の認識及び過大計上が
    生じたメカニズムを初めて完全に理解し、OCD における仕掛品の過大計上は紛れもな
    い事実であるという確証を得るに至りました。これを受けて、金沢総経理は同年 9 月 3
    日に棚卸差額に関する当社への顛末書を作成し、河内取締役常務執行役員(以下、「河
    内常務執行役員」という。、井上取締役会長(以下、
               )           「井上会長」という。
                                    )及び関根執
    行役員経営管理本部長(以下、          )より同年 9 月 8 日に小倉代表
                 「関根執行役員」という。
    取締役社長(以下、
            「小倉社長」という。
                     )へ報告が行われました。


     5) 関根執行役員は、前述の小倉社長への報告後、当社の会計監査人である有限責任


1 企業が各種製品(完成品、半製品等)          、自社製材料等を製造する過程で発生する各種製造コストを集
計・計算する科目であり、中国企業会計準則の「会計科目及び主要な帳簿処理」に規定されている。製造
過程における原材料やその他の原価が一時的に投入される仮勘定であり、本来最終的には資産科目である
「製品」や「半製品」に振り替えられるべき勘定。
2 Bills of Materials の略であり、製品の製造に必要な原材料・部品の構成や必要数量を記載した表であ

り、設計図に基づいて作成される。

                            8
    あずさ監査法人(以下、
              「あずさ監査法人」という。
                          )にも本件を報告する必要があると
    判断しましたが、中国現地法人における問題であったため、現地監査人である Deloitte
    Touche Tohmatsu Certified Public Accountants LLP Guangzhou Branch
                                                                    (以下、 DTT」
                                                                       「
    という。)に報告する前にあずさ監査法人に報告しては混乱を招くと考えました。そこ
    で、関根執行役員は、2020 年 9 月 8 日に金沢総経理に DTT への報告を指示し、金沢
    総経理の依頼を受けた市川副総経理が同日中に DTT に本件の概要を報告した上で、同
    月 10 日に OCD に来訪した DTT に詳細報告を行いました。その後、DTT において資
    料等の確認が行われ、同月 18 日に DTT から過年度の取扱いについてあずさ監査法人
    に確認するよう要請されました。これを受け、関根執行役員は、同日、あずさ監査法人
    に本件の概要を電話で報告し、さらに、同月 23 日、当社に来訪したあずさ監査法人に
    対し、同事案に係る詳細な事情の説明を行いました。


②   過年度訂正の処理の内容
     「5001 製造原価(仕掛品)」については、旧 BOM に係る製造命令書の当該残高をゼ
    ロにした上で当該製造命令書をクローズ処理しなかったことに起因して生じたもので
    あることから、その全てを実在性のない仕掛品の過大計上と判断し、損失処理を行いま
    した(2021 年 3 月期第 2 四半期:413 百万円)。
     また、材料等払出伝票の処理漏れ等に起因した、製品及び原材料等の実地棚卸差異に
    ついては、各期のあるべき金額について各期末時点で各対象棚卸資産の実地棚卸が行
    われている部分については、当該数量に金蝶 ERP システム上の各時点における単価を
    乗じた金額を用いて算定し、実地棚卸が行われていない部分については、各期における
    直近の棚卸記録や、一定の在庫残高に対して、入手可能な情報及び一定の仮定に基づい
    て数量を推定し、上記単価を乗じた金額と、帳簿金額との差額を用いて算定した上、帳
    簿価額との差額を実在性のない棚卸資産の過大計上であると判断し損失処理しました
    (2021 年 3 月期第 2 四半期:106 百万円)。


③   不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
     OCD の金沢総経理及び市川副総経理は、2019 年 12 月末の棚卸結果に基づき棚卸差
    異の金額は約 1.1 百万元(約 17 百万円)と財務課長の a 氏より報告されたものの、当
    該差額は、前述のとおり実地棚卸の精度が低いことから算出されたものであると考え
    ておりました。しかしながら、2020 年 4 月末の実地棚卸結果を分析した結果、金沢総
    経理及び市川副総経理は、遅くとも同年 5 月 20 日には実地棚卸差異が発生していたこ
    とを認識、
        「5001 製造原価(仕掛品)」勘定における仕掛品の過大計上の存在について
    は、同年 6 月 3 日のメールによる当社への報告時点で認識をしておりました。
     当社においては、2019 年 12 月末の OCD の実地棚卸時に棚卸差異が識別されて以
    降、前述のとおり OCD より継続的に報告を受けていたものの、関根執行役員ら当社役


                                     9
    職員は OCD が実施した実地棚卸の精度への疑念や金蝶 ERP システム上のメカニズム
    への理解不足から、棚卸資産の過大計上(実地棚卸差異及び仕掛品の過大計上の両者を
    含む。
      )については、システムエラー又は何らかの人為的ミス等により差異が生じてい
    ると一貫して考えており、2020 年 8 月 24 日に広東金拓社から説明を受けるまでは棚
    卸資産の過大計上の存在に関しての明確な認識を持つことができませんでした。


(2) OCC
①   発覚までの経緯等
     1) OCC では、2014 年 5 月の工場稼働開始以降、材料の入出庫時において、伝票を
    参照して品目コード等の情報を会計システムとして使用していた用友システムに手入
    力等していたところ、これにより入力漏れや誤入力等のミスが生じており、当該入力漏
    れ等を原因とした棚卸差異(以下、
                   「実地棚卸差異」という。 が生じていました。
                              )          また、
    2017 年 3 月、用友システムに原価計算モジュールを追加した結果、生産現場において
    より複雑な入出庫処理を行う必要が生じたことで材料や製品の受け払い処理での品目
    コードの入力ミスが生じたり、BOM のメンテナンス不足によるデータの取り込み漏れ
    により仕掛品の材料費部分の不適切な計算を招き、結果として「5001 製造原価(仕掛
    品)」の過大計上(以下、
               「仕掛品の過大計上」という。
                            )等が発生するようになりまし
    た。


     2) 2017 年 7 月頃から、本格的に OCC に標準原価による棚卸資産の評価を導入する
    ための準備作業が始まり、毎月の実地棚卸結果を当社に提出するようになりました。そ
    こで、総務課長の b 氏は毎月の実地棚卸の結果及び用友システムの在庫の突合結果を
    確認したところ、OCC においてこれまで継続的に棚卸差異が発生していたことを初め
    て認識し、杉田総経理に同年 9 月に約 1.6 百万元(約 25 百万円)の差異が生じている
    旨報告しました。これを受け、OCC 内において、杉田総経理の指示の下、当該棚卸差
               b
    異が生じる原因分析や、 氏を中心とした実地棚卸の精度向上のための様々な原因究明
    や棚卸差異を解消しようとする対策が実施されましたが、用友システムに対する理解
    不足等が原因で、実地棚卸差異の発生や仕掛品の過大計上は解決できませんでした。


     3) OCC に標準原価による評価を導入するにあたり、2017 年 10 月以降、当社と OCC
    のプロジェクトメンバーによる OCC 標準原価 Web 会議(以下、
                                     「Web 会議」という。)
    を不定期で開催するようになりました。Web 会議開催当初より、実地棚卸の数量をベ
    ースに計算される標準原価による評価金額と用友システム上の数量をベースに計算さ
    れる実際原価による評価金額に差異が生じていましたが、当該差異の主要因は、当社と
    OCC の間で利用している図面番号や工程番号が異なっている、マスターの登録情報が
    一致していないといった問題によるエラーであり、これら要因によるエラーを解消す


                          10
    ることで差異が解消するものと認識していました。
     しかし、当該状況が改善された 2019 年 1 月頃においても、依然として差異が生じて
    いたため、これまで検討されてきた標準原価で評価できない在庫が存在するというこ
    とだけではなく、評価対象となる実地棚卸の数量と用友システムの数量に差異がある
    のではないかという議論をするようになりました。


     4) 上記以降、Web 会議における議論の中心は実地棚卸の数量と用友システム上の数
    量の差異に移っていったものの、実地棚卸差異や仕掛品の過大計上に関する原因究明
    は進まない状況が続いていました。その後、2020 年 6 月 9 日開催の Web 会議におい
    て、実地棚卸の結果と用友システムの間に多額の差異がある可能性が OCC 側参加者の
    杉田総経理らより当社の財務部長 c 氏らに報告され、 氏より関根執行役員に対しても、
                              c
    OCC で OCD と同様に棚卸差異の問題が生じている可能性がある旨報告されました。
    当該報告を受け、関根執行役員は、同年 6 月 29 日に開催された Web 会議に出席し、
    同会議において、同年 6 月末に実施する実地棚卸について、精度を高めて行うように
    指示しました。


     5) その後、OCC における 2020 年 6 月末の実地棚卸は、当社からの出向者が分担し
    て実地棚卸現場を巡回する等、従来と比較してより精緻な形で行われ、その結果は同年
    8 月 5 日に OCC から関根執行役員や c 氏らに共有されました。関根執行役員において
    は、実地棚卸に基づいた棚卸資産金額と用友システム上の棚卸資産残高の差異が約
    22.1 百万元(約 343 百万円)もの金額に上っていた事実を受け、実地棚卸の精度や入
    出庫処理に関する入力ミスが解消されても説明できない、実在性のない在庫計上によ
    る棚卸差異が発生している可能性があるとの認識を徐々に高めていきました。なお、関
    根執行役員は、同年 8 月 5 日頃、河内常務執行役員に対して、OCC で OCD と同様に
    棚卸差異の問題が生じている可能性及び現在も調査中である旨を報告しました。そし
    て、当該差異がその後も解消されなかったことより、同年 9 月 8 日、関根執行役員、井
    上会長及び河内常務執行役員とともに小倉社長に本件を報告するに至りました。


     6) 関根執行役員は、OCD と同様に、現地監査人である PricewaterhouseCoopers
    Zhong Tian LLP(以下、
                     「PwC」という。)への報告後にあずさ監査法人に報告すべき
    と考え、OCC に PwC への報告を指示し、2020 年 9 月 9 日に OCC は PwC に本件の
    概要を報告しました。その上で、同月 18 日に OCD の件と合わせて、あずさ監査法人
    に本件の概要を電話で報告し、さらに、同月 23 日、当社に来訪したあずさ監査法人に
    対し、本件に係る詳細な事情の説明を行いました。


②   過年度訂正の処理の内容


                            11
     調査報告書の内容とそれを受けた当社内での検討を踏まえ、「5001 製造原価(仕掛
    品)」については、その全てを実在性のない仕掛品の過大計上であると判断し、損失処
    理を行いました(2021 年 3 月期第 2 四半期:96 百万円)。
     また、入出庫処理の入力漏れや誤入力等に起因した製品及び原材料等に関連する実
    地棚卸差異については、各期のあるべき金額について以下のように算定した上、帳簿価
    額との差額を実在性のない棚卸資産の過大計上であると判断し、損失処理しました
    (2021 年 3 月期第 2 四半期:192 百万円)。


    原材料、貯蔵品         各期の実地棚卸数量に、各期において入手できる直近の仕入
                    平均単価を乗じて算定
    半製品、商品、製品       材料部分については、各期の実地棚卸数量と各半製品及び製
                    品の BOM による標準材料使用量を用いて数量を確定し、原
                    材料の単価を乗じることにより算定
    人件費、経費          各期の実際発生額に、半製品及び製品の回転期間を加味した
                    上で総配賦金額を算定し、人件費、経費別に標準社内費の割
                    合で半製品及び製品に按分


③   不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
     OCC においては、財務課が実地棚卸のとりまとめを担当するようになった 2015 年
    4 月以降、用友システムの在庫との突合結果を作成していました。しかし、杉田総経理
    が当該結果について定期的に報告を受けることはありませんでした。また、財務課係長
    の e 氏及び財務課の f 氏より複数回にわたって、主に OCC 生産管理課の従業員に宛て
    て棚卸差異の報告メールの宛先に杉田総経理が含まれていたこともありましたが、杉
    田総経理はいずれも生産管理課が主導して対応しているものと考えており、時折発生
    する棚卸差異についても、その都度、実地棚卸の精度の確認や差異が発生していれば入
    出庫処理を調整して実地棚卸の数量に合わせる等の対応が行われているものと考えて
    いました。そのため、杉田総経理自身が実地棚卸のやり直しや入出庫処理における入力
    ミスの有無の確認などの対策を指示することはなく、棚卸差異を会計上処理するよう
    指示することもありませんでした。
     また杉田総経理は、2017 年 9 月 14 日に棚卸差異の金額が約 1.6 百万元(約 25 百万
    円)となっていることを b 氏から伝えられ、2014 年 5 月以降、多額の棚卸差異が発生
    していたことを認識しましたが、それ以降も、多額の棚卸差異について会計上処理され
    ていないことを知りつつも、実地棚卸の精度や入出庫処理に関する入力ミスの調査等
    棚卸差異の原因調査を行うことのみに終始していました。
     当社側においても、OCC から多額の棚卸差異の可能性について示唆されていたもの
    が後になって当該報告は誤りであった旨が報告される等、OCC 側の報告内容自体が変

                             12
    遷しており、また、品目コードが用友システムに登録されているものと一致しない等の
    理由による、実在する在庫が用友システム上で評価されないエラーが多発しており、当
    該エラーが解決されれば棚卸差額も解消される可能性がある、といった議論もなされ
    ていました。そのため、前述に記載のとおり、2020 年 8 月 5 日に OCC から関根執行
    役員らに同年 6 月末の棚卸結果が共有されましたが、当社側はそもそも OCC の棚卸資
    産に関するデータの信ぴょう性に疑問を持っていたため、棚卸差異が実際に生じてい
    る可能性について確定的なものとまで認識していませんでした。その後、関根執行役員
    は、同年 8 月 24 日及び 9 月 7 日の OCC との Web 会議を通じて徐々に棚卸差異が実
    際に生じている疑いを強め、翌日の 9 月 8 日に小倉社長に報告するに至りました。


(3) OIC
①   発覚までの経緯等
      1) 2020 年 4 月 14 日(以下、米国東部夏時間とする)に OIC の Flemming 取締役社
    長(以下、
        「Flemming 社長」という。)が、Capital One Bank(以下、
                                               「CO」という。)
    より、OIC の銀行口座から CO 上の個人の銀行口座に対し、ACH3を用いた複数件の不
    審な送金が繰り返し行われているため、確認を勧める旨のメールを受け取りました。ま
    た、Flemming 社長は同年 8 月 27 日にも、CO 担当者から OIC の Bank of America
    (以下、
       「BoA」という。
               )の当座預金口座において不審な取引が識別されたことをメー
    ルで受け取っており、同月 31 日に CO 担当者と話をし、OIC 銀行口座から CO の個人
    口座に 2018 年 6 月以降不審な送金が複数回あることを伝えられました。


      2) これを受け、2020 年 8 月 31 日から OIC 社内で調査を開始し、OIC 経理担当者
    であった g 氏へのヒアリング及び同氏の自白を受けて、2018 年 6 月 13 日から 2020 年
    3 月 12 日における ACH を用いた自己の銀行口座への不正送金約 1,275 千米ドル(約
    135 百万円)及び 2020 年 6 月 19 日から同年 8 月 28 日における OIC 銀行口座から自
    己の債務その他の請求に対して支払処理をする方法を用いた不正送金約 189 千米ドル
    (約 20 百万円)の横領行為が判明しました。その後、同年 9 月 6 日(日本時間 7 日)
    に、当該横領行為について OIC から当社に対して報告がなされ、本件が発覚しました。


      3) これを受け、関根執行役員は本件を把握するため、本件に関する事実確認や不正
    送金が生じた原因等について OIC 海老澤取締役財務責任者兼書記役(以下、
                                        「海老澤財
    務責任者」という。)との間でやり取りを行い、2020 年 9 月 18 日(日本時間)にあず
    さ監査法人に本件の概要を電話で報告し、さらに、同月 23 日(日本時間)
                                       、当社に来訪
    したあずさ監査法人に対し、本件に係る詳細な事情の説明を行いました。


3Automated Clearing House の略称。様々な銀行からの送金情報を集めて一括で処理する送金方法であ
り、米国では主に国内送金の手段として以前から使用されてきた。

                              13
②   不適切な会計処理の内容
     g 氏は、上記不正送金の際に、既に支払いが終了している過去の請求書の一部を再利
    用し、あたかも新しい請求があったかのように会計処理を行い、会計帳簿上においても、
    通常利用しているベンダー等への支払いとして記帳し、摘要欄にそれらの名称を記載
    していました。なお、g 氏は、着服金の一部の返済を行っており、返済時に、不正送金
    時の会計仕訳を取り消す処理を記帳していました。


③   不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
     g 氏は、一回目の不正送金を 2018 年 6 月 13 日に行っています。g 氏は、2017 年 1
    月から 2018 年 6 月までに累計約 120 千米ドル(約 13 百万円)のギャンブル損失を出
    し、その後 2020 年 6 月には、ギャンブル損失の累計額は約 883 千米ドル(約 93 百万
    円)に及んでいました。g 氏は、当初、ギャンブル損失の穴埋めを目的として不正送金
    を実行し、不正送金を社内で疑われずに実行できることが分かって以降、ギャンブル損
    失が拡大し、それに伴って横領金額が加速度的に拡大していったものと考えておりま
    す。
     なお、海老澤財務責任者は、ACH や BoA に対する支払方法の理解不足により、他の
    支払手段と同様に支払情報の入力権限を有する者が、自己が情報を入力した支払いを
    承認することはできず、内部牽制が効いていると考えていたことから事後に入出金状
    況も確認しておらず、結果として g 氏の不正送金や着服に関する認識がありませんで
    した。
     また、Flemming 社長についても、本件発覚までに計 2 回 CO より不審な送金に関
    する連絡を受け取っていますが、財務・経理に関するメールは日常的に g 氏に転送し、
    重大な内容であった場合にのみ Flemming 社長へ連絡するように求めるという慣行を
    有していたため、上述のとおり、2020 年 4 月に CO から初回の連絡を受け取っていま
    したが、連絡の内容を精査することを行わなかったため、早期の発見には至りませんで
    した。




                           14
II. 改善措置
1.    不適正開示の発生原因の分析
      当社は 1990 年前後より、海外での現地生産化を進めていた日系大手メーカーに追随す
     る形で製造・販売の海外進出を進めてまいりました。海外展開は現地法人の買収によるも
     のはなく、一部外部資本を入れながらも基本的には当社が支配力をもつ子会社を設立す
     る形で進めてまいりました。各在外子会社では主に当社からの出向者が中心となり製造
     管理も含めたマネジメントを行い、一方、現地での基幹システム(会計システム含む)や
     具体的な業務プロセスは現地の一般的なものを取り入れつつも、基本的には全社レベル
     で販売及び製造の概ねすべてを取り仕切る日本親会社、すなわち当社の管理スタイルが
     踏襲されたものでした。
      本件は当社の中国・米国における海外子会社における不適切な処理が直接の問題とな
     って決算訂正に至ったものですが、その本質的な原因は、第一にこれら海外子会社におけ
     る現地経営陣及び当社からの出向者が現地の業務システムや業務プロセスを必ずしも十
     分には理解できていないままの表層的な管理にとどまっていた、という点にあり、第二に
     海外子会社を、親会社である当社が十分に管理できていなかったこと、更には把握したリ
     スク情報への対応を当社内において迅速に検討・報告する仕組みが十分に構築できてい
     なかった、という点にあると認識しており、その結果、上場会社としての情報開示に関す
     る十分な責任感と覚悟が足りていなかったことにあったものと考えます。
      以下では、まず中国子会社及び米国子会社のそれぞれにおいて今回のような問題を生
     んだ業務プロセス上の問題点の分析と、それらを生んだ現地での管理体制上の問題を整
     理します。次に、当社がこれら海外子会社を管理・モニタリングを行うに際して不足して
     いた点、最後に当社の上場企業としての適正な情報開示上の問題を整理いたします。


(1) OCD 及び OCC における業務プロセス上の問題点と OCD 経営陣及び OCC 経営陣にお
      ける課題
① 会計システムに対する理解不足(A-1)
       OCD においては、2014 年 6 月の会計システム(金蝶 ERP システム)の導入以降、
      BOM を変更する前に必ず旧 BOM に係る製造命令書の「5001 製造原価(仕掛品)
                                                」の
      残高をゼロにした上で当該製造命令書をクローズ処理すること及び工程不良発生時の
      伝票の処理漏れや材料等の払出伝票の処理漏れを正しくシステムに反映する作業が必
      要であったにもかかわらず、これらの業務処理が適切に実行されていなかったため、
      「5001 製造原価(仕掛品)」が OCD の帳簿上、長年にわたって積み上がってしまうと
      いう事象が生じ、その残高が増え続けてしまいました。
       また、OCC においても、2017 年 3 月の会計システム(用友システム)における原価
      計算モジュール導入後、会計システムにおける材料や製品の受け払い処理での品目コ
      ードの入力ミスや BOM のメンテナンス不足によるデータの取り込み漏れが仕掛品の


                           15
  材料費部分の不適切な計算を招き、
                 「5001 製造原価(仕掛品)」の過大計上が発生する
  ようになりました。
   これらは、会計システムや原価計算モジュールを追加導入したのち、システムコンサ
  ルタント等の専門家のサポートを継続的に受けることなく、独自の理解に基づいて会
  計システム等を運用していたシステム運用担当者の理解不足に起因する運用上の問題
  により生じたものと認識しております。
   また、OCD 及び OCC 共に「5001 製造原価(仕掛品)」の残高が逓増することで異
  常を検知する機会はありましたが、会計システムの運用に対する理解不足に加え、会計
  上の知識が不足していたことから異常を検知することができませんでした。


② 実地棚卸の重要性についての理解不足及び棚卸プロセスの不備(A-2)
   OCD においては、実地棚卸の主管部署である財務課を中心に定期的な棚卸は実施さ
  れていたものの、実地棚卸の重要性についての理解が不足していたことから、その網羅
  性が欠けていたり棚卸差異が帳簿に反映されていないといった状況にありました。特
  に金蝶 ERP システムの導入後は、同システムにおける在庫モジュール上から出力した
  データを基に実地棚卸が行われるようになったため、同モジュールから出力されたデ
  ータに含まれない棚卸資産「5001 製造原価(仕掛品)」等が実地棚卸の対象から外れ、
  棚卸資産の実在性の確認という初歩的なことが行われていませんでしたが、OCD にお
  いては当該状況に気づくこともできませんでした。
   また、OCC においても、実地棚卸の主管部署である生産管理課が中心となって実地
  棚卸は定期的に実施されていたものの、2014 年 5 月の操業開始時から材料の入出庫処
  理の入力漏れや品目コード誤入力による棚卸差異が発生しておりましたが、入力漏れ
  や誤入力を発見する体制を構築・運用していなかったため、棚卸差異の原因等も十分に
  解明できず、差額を帳簿残高へ反映させる処理も行えませんでした。
   さらに OCD 及び OCC の生産管理や財務等の関連部門、OCD においては総経理、
  副総経理及び工場長(以下、「OCD 経営陣」という。)、OCC においては総経理及び
  工場長(以下、「OCC 経営陣」という。)も実地棚卸の目的や意義、重要性について
  十分に理解していなかったため、棚卸差異を把握しても原因の分析を行わず、部分的な
  修正を行うにとどまるなど、これらの状況を解消するための具体的な対応に至りませ
  んでした。


③ 不明確な責任体制(A-3)
   前述①及び②で述べた「5001 製造原価(仕掛品)」の多額な残高や、実地棚卸上の
  課題については、本来であれば OCD 及び OCC の各経営陣、当社からの出向者(OCD
  及び OCC にそれぞれ約 10 名が出向)及びローカルの従業員が協力して適切に対応す
  べきでありましたが、実際には人任せで無責任な気風により組織的な対応が取られて


                      16
     いませんでした。
      また、今回問題となった会計システム(金蝶 ERP システム及び用友システム)の仕
     様等の情報についてはローカルの従業員のみが把握しており、当社からの出向者は当
     該システムの仕様等を十分に理解していない状況となっていました。
      これらの問題の背景に海外子会社における言葉の壁があったことも否定できません
     が、根本原因としては、当社からの出向者の役割や責任、当社からの出向者とローカル
     従業員の間の役割分担や責任の範囲を明確にしたうえで、OCD 及び OCC の各経営陣
     を含めた出向者とローカルの従業員とが機能的かつ効果的に連携して業務にあたるよ
     う、OCD 及び OCC の各経営陣がリーダーシップを発揮してこなかったことが挙げら
     れます。


(2) OIC における業務プロセス上の問題点と OIC 経営陣の課題
① 送金手続における内部牽制機能の欠落(B-1)
      OIC では、ACH による支払において支払情報の入力から送金の承認作業までを特定
     の経理担当者が実施できる状態にあり、送金手続における内部牽制機能が欠落した状
     態にありましたが、当該状態を発見することができず放置されていました。


② OIC 経営陣の入出金業務に係る不十分なリスク管理(B-2)
      今回、OIC において発覚した送金手続における内部統制の不備は、OIC 取締役(以
     下、「OIC 経営陣」という。)のリスク管理意識が欠けていたことが背景にあったもの
     と認識しております。
      具体的には OIC 経営陣が ACH 送金の仕組みについて理解していなかったことに加
     え、経理担当者に業務を一任し、入出金の履歴についての事後確認さえ行っていなかっ
     たなど、入出金業務がどのような不正に結びつく可能性があるかといったリスクを十
     分に理解しておらず、適切な管理体制の構築もしておりませんでした。
      その結果、経理担当者にトークン 4 を取得させたままとするなど、社内規定に違反し
     た状況についても放置していました。


(3) 当社の海外子会社管理・モニタリング上の問題点
     当社の海外事業の統括は、一定人数以上の当社役職員を各海外子会社に継続的に出向
    させること、これにより当社と同様の管理体制の構築と業務の実施を担保することを従
    前からの基本的な運用としております。また、2020 年 6 月より当社の取締役常務執行役
    員及び常務執行役員による担当制を採用し、それぞれの担当業務の視点から海外子会社
    の課題解決にあたることとしております。当該運用及び担当制は、製造部門に関する支援


4 一時的にしか使用できないパスワードを自動的に発行する小型の機械。支払等の処理行う際に 必要と
なる。

                         17
 という点では一定の効果を上げておりましたが、グループ全体の視点からの対応はでき
 ておらず、特に財務報告の観点での海外子会社管理という点では以下のような弱みが存
 在し不十分なものでした。
① 財務管理及び会計システム管理の観点での情報共有の不足(C-1)
   OCD 及び OCC は、当社グループにおいて近年重要性が高まってきた海外製造拠点
  でありました。しかしながら、製造部門に対して当社から出向者が派遣されていたこ
  と、当社財務部における人的リソースも限られていたことから、OCD 及び OCC に対
  して財務に関する知識や経験を持った出向者を派遣しておりませんでした。また、出
  向者を派遣しない代替策として、定期的ないし随時に当社財務部と両子会社の経理財
  務担当者がコミュニケーションを取り親会社として海外子会社をサポートする、そう
  した仕組みもありませんでした。
   今回の問題となった会計システム(金蝶 ERP システム及び用友システム)は、
  OCD 及び OCC がそれぞれ独自の判断で導入したものであり、さらに両子会社は会計
  システムの変更についての報告を当社に行っていなかったことから、当社の情報シス
  テム室は両子会社の会計システムを管理することもなく、導入された会計システムに
  関する十分な知識も有していませんでした。
   なお、当社は会計システムの変更について、OCD 及び OCC から報告させる仕組み
  を構築していませんでした。


② 海外子会社に対する監査・モニタリング不足(C-2)
   当社の内部監査室は室長以下 4 名体制で、当社及び主要子会社に対して内部監査(業
  務監査)を実施しておりますが、人的リソースの限界からすべての子会社に対する網羅
  的な内部監査の実施には至っておりませんでした。
   また、OCD や OCC については、中国における生産規模の拡大を踏まえ在庫管理に
  関するリスク等を識別したうえでリスクベースでの内部監査(業務監査)を実施すべき
  でした。しかし、OCD 及び OCC、更には OIC について、当社では重要なリスクを識
  別出来ておらず、また各社のグループ内取引を除外した外部売上高の当社連結ベース
  の売上高に占める割合も限定的であり J-SOX 上の業務プロセス監査でも対象範囲には
  含めていなかったこともあり、現地往査等による内部監査を十分には行ってきません
  でした。その結果、内部監査室による海外子会社に対する牽制機能は不十分となり、問
  題の早期発見にも至りませんでした。
   他方、監査役は社外監査役も含め、海外子会社の社長及び総経理とは年 2 回面談を
  実施する等、海外子会社のリスクの把握に努めていましたが、その後のフォローアップ
  が必ずしも十分とは言えず、また内部監査部門との情報連携についても限定的なもの
  でした。



                      18
(4) 当社の上場企業としての適正な情報開示上の問題点
① 適正な情報開示への意識の不足と迅速な情報開示のための仕組みの不備(D-1)
      本件事案において、当社財務部は、海外子会社から在庫の過大計上の可能性について
     報告を受けておりましたが、開示する財務諸表の内容等に事実との重大な相違点が存
     在しないか等の点を直ちに協議・検討できておりませんでした。また、その発生原因に
     関する合理的な理由が子会社においても把握できなかったため、「原因を徹底的に分析
     し、解明した後でなければ情報を上げられない」という認識から、社長や取締役会、監
     査役、更には監査法人への報告の遅れにもつながってしまいました。
      この点に関しては当社財務部のみならず、当社の代表取締役及び取締役(以下、「当
     社経営陣」という。)においても、上場会社として投資家への情報開示の根幹となる正
     確な財務情報を開示することに関する重要性の意識が十分ではなかったこと、開示す
     る財務情報についてのリスクを感知した場合、迅速に検討・報告するための仕組みが整
     っていなかったことをその背景原因として認識しております。


2.   再発防止に向けた改善措置(実施済みのものを含む。)
(1) 当社管理部門における海外子会社の管理体制の強化(C-1 に対応)
      本件事案を受け、以下の取組みにより当社管理部門による管理を強化します。
      2021 年 6 月までに、当社財務部に会計知識のみならずグループ会社を管理できる知
     識や能力を持った人材 1 名を新規に採用することとします。
      また、当社財務部は、四半期ごとに全ての子会社より財務報告の観点からのリスク情
     報を収集します。その方法として、財務状況の変化やその他各種開示に影響する可能性
     のある事象等の情報を収集することを目的としたアンケートを定期的に実施します。
     アンケートにより収集した情報については、当社財務部において影響の程度や情報開
     示の要否等を分析し、何らか対応が必要と判断した場合には、当社経営陣、内部監査室
     及び監査法人に速やかに情報共有を行い、対応の要否や具体的な対応を検討します。
      今回、不適切な会計処理が発生した OCD 及び OCC については、2020 年 12 月より
     週次で、当社財務部及び情報システム室と、OCD 及び OCC の財務部及び会計システ
     ムの責任担当者(後述)が定期的に Web 会議を開催しています。当該 Web 会議では、
     各種改善措置に関する進捗管理や指導、新たに発生した財務上もしくはシステム上の
     課題等に関する情報を共有するなど、課題の解決に積極的に関与しています。


(2) 責任体制と役割の明確化
① 出向者に対する担当業務の明確化(A-3 に対応)
      本件事案が発生した一因には、海外子会社への出向者の責任や役割が不明確であっ
     たことが挙げられることから、以下の取組みにより出向者の責任と役割を明確にしま
     す。


                          19
      当社からの各拠点への出向時には、当社総務部による事前の出向者研修において、出
    向者の責任と役割についての指導を行います。さらに、現在出向中の者に対しても研修
    (オンライン研修を予定)を行い、知識と経験を生かした指導・助言を出向先で行うこ
    と、ローカル従業員とのコミュニケーションを深めることなどについて指導します。
      また、出向者の人事評価を見直します。具体的には、現地業務への積極性やローカル
    従業員とのコミュニケーション等を評価項目に追加し、出向者の出向先への貢献度の
    確認を実施します。なお、人事評価については各拠点の社長、総経理又はその代理者が
    人事考課を行い、課長以上については当社取締役会、係長以下については当社執行役員
    会において確認を行っております。
      その他、OCD への出向者については、一律、「アドバイザー」という呼称としてお
    りましたが、担当業務を明確にするため、2021 年 2 月に担当業務範囲を追記した呼称
    (「○○担当アドバイザー」等)に変更を行いました。また、当該改定後の呼称を組織
    表に明記することで各出向者の担当業務を明確にしています。これをローカル従業員
    にも周知することで、OCD への出向者に責任意識の醸成が図られるものと考えます
    (OCC においては、従前から担当業務が含まれた呼称としており、呼称の変更はあり
    ません。)。


② 会計システムに関する責任担当者の設定(A-1 に対応)
      本件事案を受けた各種改善及びシステム管理体制の向上並びに当社情報システム室
    との連携強化のため、当社及び全ての子会社4に会計システムに関する責任担当者を任
    命し、会計システムの管理に係る責任所在の明確化を図ります。
      同担当者の具体的な役割は、システム管理体制の整備、各種改善、異常発生時の原因
    究明と対応及び各種改善等に関する当社情報システム室への状況報告等となります。
    また、会計システムへの新たな機能の導入や設定変更については同担当者の起案もし
    くは承認を必須とします。当該運用については IT 管理規程に明記、文書化します。
      今回不適切な会計処理が発生した OCD については、金蝶 ERP システムの導入推進
    及び運用指導を担当し同システムに精通している推進室部長(現地採用者)を、OCC
    については用友システムに理解が深い総務課長(当社からの出向者)を同担当者に任命
    (2021 年 1 月に任命済み)、当社については情報システム室長を任命する予定です
    (2021 年 3 月予定)。
      なお、OCD 及び OCC における今回の不適切な会計処理に係る各種改善について、
    会計システムに係る事項については、2021 年 3 月以降、月 1 回の Web 会議において
    当社情報システム室長及び当社情報システム室が OCD 及び OCC の会計システムに関

4 Ogura Industrial Corporation (アメリカ)   、Ogura Corporation(アメリカ) 、Ogura S.A.S.(フラン
ス)、Ogura Clutch Thailand CO.,LTD.(タイ) 小倉離合機(無錫)有限公司(中国)
                                          、                           、Ogura Clutch
India PVT.LTD.(インド)     、Ogura Clutch Philippines, Inc.(フィリピン)、砂永精工電子(東莞)有限
公司(中国)     、東洋クラッチ株式会社(日本)             、東京精工株式会社(日本)         、株式会社三泉(日本)

                                        20
    する責任担当者より状況報告を受け、2021 年 6 月開催の CSR 委員会5において当社経
    営陣への進捗状況等の報告を行います。


③ 実地棚卸に係る各管理階層の役割及び責任の明確化(A-3 に対応)
     OCD 及び OCC において仕掛品の過大計上の発覚が遅れた遠因は、実地棚卸に関す
    る責任の所在が不明瞭だったことが挙げられます。このため、工場長、生産管理、財務
    等、各管理責任者の具体的な役割及び責任について明確にし、棚卸実施規程にも明記し
    ます。また、2021 年 3 月末の棚卸説明会において、工場長からローカル従業員に対し
    役割と責任について説明します。
     他の海外子会社においても同様の規程改訂を実施の上、2021 年 3 月末の棚卸説明会
    において説明します。
     なお、海外子会社における規程の整備や説明等の対応については、当社財務部が進捗
    及び実施状況を確認します。


④ 出向者及びローカル従業員とのコミュニケーション不足の解消(A-3 に対応)
     本件事案が発生した一因として、OCD 及び OCC における出向者とローカル従業員
    とのコミュニケーション不足により、出向者とローカル従業員が有する情報に差が生
    じたり、役割や責任への意識が希薄となったことが挙げられます。このため、以下の取
    組みによりコミュニケーション不足の解消を図ります。
     OCD においては、以前からローカル従業員も朝会議(各課のスタッフが集まり、客
    先情報、生産状況や品質状況等を報告し情報を共有するとともに、必要に応じて日々の
    課題への対応を検討する会議体)、工場会議(月次で各課業務目標に対する実績報告を
    行う会議体)及び部門別会議へ参加しておりますが、今後、さらにコミュニケーション
    の機会を増やすことを目的として、棚卸レビューミーティング、システム運用会議につ
    いてもローカル従業員に参加を求めることにします。
     OCC においては、管理職を兼務する出向者のみを工場会議の参加者としておりまし
    たが、今後はローカルの役職者(係長以上)にも参加者を求めることにします。
     さらに、OCD 及び OCC において、出向者及び全ローカル従業員を対象とした課単
    位での意見交流会(原則として特段の明確な議題やテーマ設定は行わない)を月 1 回
    開催し、情報交換や各自の課題の共有等の自発的なコミュニケーションを促します。当
    該意見交流会については、議事録を作成して総経理及び工場長に報告を行うとともに、
    工場会議の場でも報告を行い、対応が必要な課題等があれば、対応方法等の検討を行い
    ます(OCD においては 2021 年 3 月から実施予定、OCC においては 2021 年 2 月から


5当社グループの、全社リスク、財務リスク、コンプライアンス、情報セキュリティ等のリスク管理に関
する体制整備と管理を担う正式な組織である。事務局を当社総務部に置き、小倉社長を委員長、当社取締
役と海外子会社社長を委員としている。また、社外取締役及び監査役がオブザーバーとして関与している。

                           21
  実施)
    。


(3) OCD 及び OCC における会計システムの適切な運用に向けた仕組みの構築
① 外部専門家と連携した管理部門の強化(A-1 、A-3 に対応)
   OCD 及び OCC における会計システムに対する理解不足の解消を進め、会計システ
  ムの適切な運用のための仕組みを構築するため、以下のとおり対応します。
   外部のシステムコンサルタント及び会計専門家を活用します。具体的には、金蝶シス
  テム及び用友システムのベンダーであるコンサルティング会社、グローバル会計ファ
  ームの中国現地事務所による支援を受けるものであり、OCD 及び OCC ともに 2021 年
  1 月より受けております。
   会計システムに関する知識・経験を有する人材を採用します。具体的には、2021 年
  6 月を目途に、会計システムに関して知識・経験を有する人材を採用(係長クラスの人
  材を OCD 及び OCC で各 1 名採用予定)します。採用した人材に対しては、情報シス
  テム室及び外部のシステムコンサルタントによる会計システムに関する教育、財務部
  及び外部の会計専門家による会計に関する教育を同年 12 月まで行うことで育成を図り
  ます。なお、人材育成の期間中については、システムコンサルタントや会計専門家の助
  力及び改善指南を受け、製造原価及び棚卸資産残高の適正な算定及び管理を行います。
   OCD 及び OCC の出庫担当者及び仕訳担当者を対象にした研修等を実施します。研
  修の内容として、システムコンサルタントによる会計システムの概要や機能に関する
  勉強会(OCD は 1 回あたり約 4 時間の研修を 2 回実施予定。OCC は 1 回あたり 1.5
  時間~6 時間の研修を 4 回実施予定。)を計画しています。また、本件事案を踏まえた
  会計システムの操作、運用、留意点等に関して、会計専門家と打合せ・相談等の機会(月
  1 回程度)を設けます。その内容はシステム運用会議(OCD)又は棚卸レビューミーテ
  ィング(OCC)において社内共有いたします。
   当社においては、OCD 及び OCC において発覚した課題の把握と課題の改善に向け
  た取り組みをサポートするため、財務部、情報システム室及び原価管理部が OCD 及び
  OCC のシステム運用会議に参加します。


② システム操作プロセスの見直しと改善の実施(A-1 に対応)
   OCD では、推進室において、外部のシステムコンサルタントの支援も受けながら、
  今回の仕掛品の過大計上を発生させることになった BOM 変更時及びクローズ処理時
  の手順の見直しを行いました。また、併せて金蝶 ERP システムの設定変更を行い、
  BOM 変更時の警告メッセージの追加と、クローズ処理については、
                                 「5001 製造原価(仕
    」残高をゼロクリアにしないとクローズ処理そのものが出来ない様、2020 年 12
  掛品)
  月にシステム対応を行いました。
   OCD では、2021 年 6 月に金蝶 ERP システムのバージョンアップを予定しておりま


                         22
  す。その際にはバージョンアップに伴うシステム操作手順の見直し等の要否を外部の
  システムコンサルタントも交えて検討を行います。
   これらの変更点(バージョンアップにより変更となる部分も含む)やシステム操作上
  の留意点は、推進室が外部システムコンサルタントの支援を受けてマニュアル(中国語)
  の改定を行い、システム運用会議において関係者に周知します。
   OCC では、これまで生産管理課が BOM の設定及び更新を行っていましたが、生産
  管理課では設計情報や工程情報の詳細について不案内な部分があることから、設計や
  工程に詳しい技術部に BOM の設定及び更新の業務を移管します。その上で、BOM の
  新設や変更があった場合には、技術部が遅滞なく BOM の更新を行い、BOM 情報を用
  いた自動材料引き落とし機能を用いることで、在庫の受け払い処理の効率化と入力ミ
  ス発生の低減を図ります。
   また、今後の実地棚卸の棚卸差異分析により検出された入力ミスについては、生産管
  理課が補正伝票を用いて修正し更なる発生原因を追究の上、不良品処理等のシステム
  運用上の問題があれば運用方法の改善処置に繋げてまいります。
   また OCC においては、用友システムの操作に係るマニュアルが未作成となっていた
  ため、外部の会計専門家の支援を受けて統一的なマニュアルを作成し、一連の業務フロ
  ーについて 2021 年 1 月に中国ローカルスタッフ向け及び日本人管理職向けにそれぞ
  れ説明会を開催いたしました。さらに、BOM の設定及び更新の業務における変更点に
  関しても、2021 年 2 月中に技術部及び生産管理課がマニュアル改定を行い、説明会を
  実施いたします。
   会計システムの操作プロセスの見直しについては、原則、各子会社において実施する
  ものではありますが、本件事案の発生を受けて、OCD 及び OCC については、当社情
  報システム室がサポートを行ってまいります。
   またシステムのバージョンアップや改修を行う場合には、OCD 及び OCC の担当部
  門と当社情報システム室が協議の上、対応を行うこととします。


(4) OCD 及び OCC における実地棚卸の精度の向上
① 実地棚卸時の「5001 製造原価(仕掛品)」に関する運用方法の見直し(A-2 に対応)
   2020 年 12 月の実地棚卸から、
                     「5001 製造原価(仕掛品)」がゼロになるように生産
  計画(日々の作業計画)を立案し、
                 「5001 製造原価(仕掛品)」の状況に留意のうえで
  実地棚卸を実施する運用としました。これにより、実地棚卸時に現物確認を行うことが
  難しい加工・組立中の仕掛品または半製品の在庫を極小化し、実地棚卸を行うようにい
  たします。
   また当社財務部は、2021 年 1 月の実地棚卸から「5001 製造原価(仕掛品)」の原価
  計算モジュールと会計モジュールの在庫データを回収し、「5001 製造原価(仕掛品)
                                          」
  の残高が無いこと(
          「5001 製造原価(仕掛品)」がゼロになるように生産計画が立案さ


                         23
  れ、運用されていること)を確認します。


② 棚卸実施規程の見直し(A-2 に対応)
   今回判明した実地棚卸上の問題を踏まえ、OCD においては生産管理課が中心となっ
  て 2021 年 2 月中に棚卸実施規程やマニュアルの見直しを行います。また棚卸実施規程
  やマニュアルが制定されていなかった OCC においては工場長が中心となって 2021 年
  2 月中に新たに棚卸実施規程やマニュアルを策定します。
   棚卸実施規程やマニュアルにおいては、実地棚卸の目的や意義についても明確に示
  すとともに、              」の取扱い、不良品や OCD において棚卸対象
        「5001 製造原価(仕掛品)
  外となっていた外部倉庫品についても棚卸対象とする点、棚卸差異については必ず実
  在数量へ帳簿数量を修正する点を記載するなど、適正な在庫数量把握のための実地棚
  卸手順をまとめます。
   見直しを行った棚卸実施規程やマニュアルについては、2021 年 3 月末の実地棚卸前
  に開催する棚卸説明会において、OCD 及び OCC の工場長より棚卸実施者へ説明・指
  導を行います。
   OCD 及び OCC における棚卸実施規程やマニュアルの見直しの状況については、当
                              さらに OCD 及び OCC
  社財務部が進捗管理及び内容の適正性について確認を行います。
  以外の子会社についても、当社財務部の指揮の下、棚卸実施規程やマニュアルの見直し
  を行います。各子会社においては、見直し後に棚卸実施規程やマニュアルの再周知を行
  い、実地棚卸がルールに沿って実施されるようにいたします。


③ 棚卸レビューミーティングの実施(A-2 に対応)
   OCD 及び OCC においては、毎月の実地棚卸後、工場長主催の下、実地棚卸の振り
  返りのための棚卸レビューミーティング(参加者は主に総経理、生産管理、製造、財務、
  システムに関する各責任者)を開催し、以前の棚卸で発見された課題への対応状況、新
  たな課題の抽出、新たに発見された課題への対応の検討等を行い、実地棚卸の精度の向
  上を図ります。
   また、棚卸レビューミーティングで取り上げられた課題、当該課題の原因及び対策に
  関しては、議事録としてまとめ、都度、当社財務部に提出します。
  さらに、実地棚卸において、コミュニケーション細則に規定する重要な棚卸差異や実務
  上の重要な課題が生じた場合は、棚卸レビューミーティングの開催を待たず、即座に当
  社財務部に報告を行うものとし、財務部においては報告を受けた内容を確認の上、他の
  子会社において類似の事象が発生することのないように未然防止(又は課題の早期発
  見)の観点から情報共有を行います。
   なお、OCD においては 2021 年 3 月から棚卸レビューミーティングの開催を予定し
  ており、OCC については 2020 年 12 月から開催をしております。また、当社では 2021


                        24
  年 3 月からの対応を予定しております。


④ 実地棚卸に関する教育研修(A-2 に対応)
   OCD 及び OCC において実地棚卸に関する管理者の責任と意識を高めるべく、本件
  事案を踏まえ実地棚卸の意義や重要性に関して継続的に教育研修を行います。
   OCD 及び OCC の出向者に対しては、2020 年 12 月に当社取締役常務執行役員(輸
  送機器担当) Web 会議にて研修を実施、
        が              2021 年 1 月には当該研修を踏まえて、OCD
  においては工場長、OCC においては総務課長が講師となり、ローカル従業員(各部門
  責任者を含む棚卸実施メンバー)に対して中国語による研修を実施しました。具体的な
  研修内容は、棚卸の目的や棚卸全般に関する説明、当社香林工場の実地棚卸の実例等を
  用いた解説、研修内容に関する質疑応答であり、参加者の疑問点を取り除くことで理解
  度が向上したものと考えております。今後も年 1 回の教育研修を継続するとともに、
  当該研修については新入社員教育にも組み込みます。
   また、その他の製造子会社に対しても実地棚卸の重要性を伝えるため、当社取締役常
  務執行役員(輸送機器担当)が、2021 年 3 月までに実地棚卸に関する出向者向けの教
  育研修を行うことを予定しています(タイ、インド、フィリピンの子会社においては
  2020 年 12 月に研修を実施済み。。
                      )


⑤ 実地棚卸の頻度の見直し(A-2 に対応)
   OCD においては、従来、四半期に 1 回としていた実地棚卸を 2021 年 1 月から 1 年
  間は月次で実施し、前述の棚卸レビューミーティングによる実地棚卸の改善活動を組
  み合わせることによって、早急に実地棚卸の精度向上を図ります。OCC については設
  立当初より毎月実地棚卸を実施していますが、引き続き月次での実地棚卸を継続いた
  します。OCD 及び OCC ともに、1 年経過後、当社取締役常務執行役員(輸送機器担
  当)・常務執行役員(一般クラッチ生産担当)及び当社財務部長が棚卸差異の発生状況
  やその後の分析状況等を評価し、四半期の実地棚卸へとその頻度の再検討を行う予定
  です。
   なお、従前の実地棚卸は、手順や作業のポイント等の記載が不十分なマニュアルに基
  づいて実施しており、精度が低かったことから、今後は新たに策定する棚卸実施規程や
  マニュアルに則り取り組んでまいります。棚卸レビューミーティングによる実地棚卸
  の改善活動を組み合わせることによって、早急に実地棚卸の精度向上を図ります。
   また、OCD 及び OCC における月次の実地棚卸の実施状況(指導を受けたとおり、
  会計システムの操作及び運用を行っているか)及び実施結果(棚卸差異の規模、原因の
  調査・分析、実地棚卸結果を踏まえた帳簿の修正)については、システムコンサルタン
  ト及び会計専門家にチェックを依頼するとともに、当社財務部においても、実施の都度、
  棚卸差異の発生状況、差異分析の結果、棚卸レビューミーティングにおける議論等も含


                          25
  めてモニタリングを行います。実地棚卸の実施結果のチェックについては、将来的には
  自社で実施する体制を構築することを目標としていますが、当面は外部専門家の支援
  を得て実施していきます。


(5) OIC における送金業務プロセスの見直し
① 送金手続の見直しと送金データの事後チェック(B-1 に対応)
    本件事案において不正送金を許した原因は同一人物に対して支払情報の入力権限と
  承認権限を付与してしまったことにあります。当該状況については、本件事案の発覚後、
  即座に改めておりますが、今後の運用方針として経理担当者と現地経営陣の業務分担
  や運用手順(支払業務の承認権限者や、承認権限者が不在の場合の取扱い、権限設定の
  変更時の取扱い等を含む)を明確化するため、OIC 財務部門が 2021 年 3 月に金銭出納
  管理規程(支払業務に関する業務フローを含む)を改正し、その周知徹底を図ります。
    また OIC 経営陣は、2021 年 3 月より、月次で送金データ(支払先・支払金額・支払
  処理者・承認者等)のレビューを全件行い、金銭出納管理規程(支払業務に関する業務
  フローを含む)に従い、送金手続における入力者と承認者の権限設定が明確に区分され
  運用されていることの検証を行います。
    さらに、当社財務部においても、2021 年 3 月期分から、年次で送金データの事後チ
  ェック(支払い情報の入力者と承認者が同一人物でないこと)を実施いたします。


② OIC 経営陣による支払業務への関与(B-2 に対応)
    OIC 経営陣は支払業務を経理担当者に一任するのではなく、担当者の業務の概要を
  理解し、疑問点等については随時確認をすることで、支払業務に積極的に関与します。
  送金方法や金融機関のシステムの仕様については、必要に応じて、経理担当者とともに、
  金融機関等からの情報を確認します。また、OIC 経営陣は銀行のオンラインサイトで
  ユーザーの権限を照査し、入力担当者と承認者の権限付与の状況を確認します。具体的
  には、四半期に 1 度、銀行のオンラインサイトでトークンの保有状況・有効無効と権限
  の内容を確認します。
    さらに今後新たな送金システムを導入した際には、その仕組みやリスクを理解の上、
  OIC 経営陣が主導して入力担当者と承認者の相互牽制が働く業務プロセスの設計を行
  います。


(6) OIC 経営陣に対する教育
① OIC 経営陣へのリスク管理及びコンプライアンス教育の実施(B-2 に対応)
    本件事案を踏まえ、送金方法に関する手順の解説やそれを踏まえた資金送金に関す
  るリスクとその管理方法、その他一般的な従業員による不正事例について、2021 年 3
  月に外部講師を招いて OIC 全役職員が参加する社内勉強会を開催します。


                           26
   さらに OIC 全役職員を対象として、弁護士等の外部講師によりコンプライアンス教
  育を継続的に年 1 回実施し、OIC 経営陣・従業員の職責や不正が発生した場合の法的
  責任等に関する啓発を図ります(次回以降の研修の具体的な内容については適宜見直
  しを行う予定です。。
           )


(7) 内部監査の強化
① 内部監査業務の見直しと体制強化(C-2 に対応)
   本件事案を受け、OCD 及び OCC の棚卸資産の管理体制、OIC の送金業務について
  は重点的に内部監査を実施します。また、当該 3 社については年 1 回、その他の子会
  社についても 3 年毎に現地往査による内部監査を実施いたします(コロナ禍環境下に
  より海外現地への往査が難しい場合には、Web 会議や Web カメラ等を活用した内部監
  査を実施することとします。。
               )
   内部監査対象の選定においては、当社社長、監査役、監査法人及び財務部との定期的
  なコミュニケーションによりリスク情報を共有のうえで的確にリスクの洗出しを行い、
  相対的にリスクの高い部門又は子会社に対して内部監査を実施いたします。
   内部監査の結果については、監査対象会社経営陣への監査結果の講評に加え、当社経
  営陣、監査役、監査法人及び財務部とも共有します。また、指摘事項や不備に対しては
  速やかにその改善状況や対応についてフォローアップを行います。
   さらに、当社内部監査室の体制強化のため、内部監査業務の経験や知識を有する人材
  を 1 名増員いたします。現状、2021 年 6 月の入社を目途に採用活動を行っており、こ
  れにより当社内部監査室は 5 名体制となる予定です。また、OCD 及び OCC において
  は、実地棚卸に関与していない人材を実地棚卸業務専任の内部監査担当者として任命
  し、当社内部監査室と連携のうえ、実地棚卸の適切性について確認することとします。
   なお、OCD 及び OCC を除く製造子会社においては棚卸資産の管理体制に問題は発
  見されておりませんが、棚卸資産の管理においては不適切な処理が生じるリスクが高
  いものと認識しており、OCD 及び OCC と同様の不備が発生していないこと、実地棚
  卸が棚卸実施規程やマニュアルに則って行われていることについて、実地棚卸の結果
  等を入手の上、四半期毎に確認いたします。


② 監査役による海外子会社のモニタリング強化と内部監査室との連携(C-2 に対応)
   これまでも四半期毎に重要会議の議事録や稟議資料の閲覧をすることによって、当
  社及び子会社のモニタリングを実施してきましたが、本件事案を踏まえ、内部監査室と
  連携して重要会議の議事録や稟議資料の閲覧によるリスク情報の把握に努めることに
  いたします。
   把握したリスク情報については、指摘すべき事項等あれば常勤監査役・内部監査室長
  連名で期日を設け、関連部署に改善や報告(エビデンス資料も含む)を求め、確実にフ


                      27
  ォローアップする方法に変更いたします。
   また、社外監査役を含む当社監査役と社外取締役は、海外子会社における業務執行責
  任者(社長及び総経理)と年 2 回の面談を実施しておりますが、今後、Web 会議も含
  め年 4 回に増やし、海外子会社におけるリスクや課題、その対応策について把握する
  機会を増やすとともに、把握した内容について改善が必要な場合は、期日を設けて改善
  を依頼するとともに、改善状況のフォローアップを行います。
   今後は、海外子会社における業務執行責任者との面談には内部監査室長にも参加を
  求め、内部監査室との情報共有を図ります。


(8) 適正かつ迅速な情報開示のための取り組み
① 経営陣及び管理職、その他関連部署に対する教育研修の実施(D-1 に対応)
   本件事案を踏まえ、当社経営陣及び管理職向けに不正会計に関する研修を今期中
  (2021 年 3 月期)に行います。今期は 3 月中に下表の研修を予定しており、次年度以
  降も計画的に研修を実施してまいります。
        研修内容       対象者                 目的
  コーポレート・ガバナンス 当 社 及 び 子 会 社 上場企業にとって株主への説明責任を果たす
  研修           の経営陣          ため、経営の透明性を確保し、迅速かつ適切な
                             情報開示を行うことの重要性を理解する
  上場企業に求められる各 当 社 経 営 陣 及 び 上場会社に求められる各種規制とその責務を
  種の規制に関する研修  当社管理職         理解する
  上場企業に求められる財 当社財務部           財務情報の開示や各種適時開示に関するルー
  務諸表の開示を含む各種                 ルを理解する
  規制に関する研修
   また、今後は年 1 回の研修を継続的に実施することにより当社グループの役職員の
  適正かつ迅速な情報開示に向けた意識の醸成を行うとともに、本件事案のような悪い
  情報について、原因の徹底的な分析・解明の前に、その事実関係を直ちに当社経営陣へ
  報告し(バッドニュース・ファースト)
                   、上場会社としてステークホルダーへの情報開
  示の要否の検討を行うという意識改革を進めます。
   さらに、当社グループの役職員のコンプライアンス意識の醸成を目的として、 1 回
                                      年
  各職場単位で役付以上の従業員を対象とするコンプライアンスミーティング(当社の
  行動指針やコンプライアンス一般について参加者同士がディスカッションを行う会合)
  を開催いたします。各部門の担当役員に対しては、担当部門で開催されたコンプライア
  ンスミーティングの実施結果について CSR 委員会での報告を義務付けます。
   CSR 委員会は年 4 回の開催を予定していますが、うち 1 回については、コンプライ
  アンスをテーマとした会とする予定であり、各部門におけるコンプライアンスミーテ
  ィングの結果を踏まえ、CSR 委員会参加メンバー間でディスカッションや意見交換を
  行うことにより、全社的なコンプライアンス意識の改革に結びつくものと考えており
  ます。

                         28
   なお、コンプライアンス意識の醸成を目的とする取組みについては、当社だけでなく、
  2021 年 6 月を目途に、全ての子会社においても展開いたします。


② リスク情報に関するコミュニケーションルートの再整理(D-1 に対応)
   本件事案について迅速な適時開示が実施できなかったことを踏まえ、リスク情報を
  発見した際のコミュニケーションルート(報告ルート)を再整理し、リスク情報が当社
  社長、取締役会及び監査法人等に速やかに共有されるようにします。
   整理したコミュニケーションルートについては、2021 年 3 月を目途にコミュニケー
  ション細則に明文化するとともに、当社総務部から社内及び全ての子会社に対して周
  知をいたします。


③ 常務会の設定(D-1 に対応)
   これまで当社で開催していた執行役員会及び経営会議においては、経営成績や営業
  上のトピック情報等の報告に重点が置かれていたことから、事業上の課題について深
  度のある議論が行われることが少なかったと考えております。
   このような状況を打破するため、各常務執行役員が自身の担当職域を超えて経営上
  の課題やあるべき組織の方向性について、深度ある議論を行うための会議体として、新
  たに常務会を設置しました。常務会は取締役常務執行役員 4 名と常務執行役員 1 名の
  5 名で構成され、原則として月 2 回、執行役員会と経営会議の間に開催されることにな
  っています。
   初回の常務会は 2021 年 1 月に開催しており、今般発生した不適切な会計処理等への
  関与が認められる執行役員及び従業員に対する措置、業務体制の強化を目的とする組
  織再編の検討を行いました。また、各部門長から各部門における課題等を報告させ、当
  該課題に対する対応方針等について議論等を行うことにより、グループ全体で課題を
  共有し、部門間の垣根を越えて、グループ一丸となって課題の解決に取り組むための相
  互協力体制の構築の必要性に関する議論も行っております。
   これまで、部門における課題は基本的には部門内で解決してきましたが、今後は常務
  会における深度のある議論と当該議論を踏まえた意思決定を受けて、部門を超えた協
  力体制の下、課題解決の取組みを推進してまいります。


④ 財務部と内部監査室との定期会議の設定(D-1 に対応)
   2021 年 1 月から、当社財務部及び内部監査室は各々が収集した財務報告に関係する
  リスク情報や事実を月 1 回程度定期的に共有するとともに、意見を共有・協議の上、重
  要な虚偽の財務情報の開示につながりうるリスクを識別した場合は当社経営陣や監査
  法人へも報告・連携し、追加調査や情報開示の検討等迅速な対応を行えるようにいたし
  ます。


                      29
⑤ 財務部と監査法人とのコミュニケーションの強化(D-1 に対応)
   当社財務部は内部統制の改善状況、会計及び開示上の検討課題について監査法人と
  適切にコミュニケーションをとり、2021 年 1 月から週次でミーティングを実施し、問
  題点の早期発見と早期解決・改善に取り組んでいます。


(9) その他追加的な対応について
① 内部通報制度の見直しと周知徹底
   前述(8)②のコミュニケーションルートといった正規のルートでの情報収集に加え、
  現在設定されている内部通報制度を改めて全子会社へ周知徹底いたします。また、内部
  通報制度の体制強化として、現在の社内窓口に加えて、2021 年 7 月を目途に外部委託
  により第三者の内部通報窓口を新たに設置することで独立性を担保します。
   内部通報制度については、2021 年 3 月に周知を行い、その後も年 1 回の全従業員向
  けのメールアナウンスや、各社で実施されるコンプライアンスミーティングにおいて
  周知を行うことで認知を高め利用を促します。さらに、当社から各子会社に対して、内
  部通報制度を紹介する掲示等による周知を改めて依頼するとともに、その実施状況を
  当社がチェックすることで、グループ子会社の従業員に対する内部通報制度の更なる
  定着に取り組んでまいります。


② 当社経営陣と社外役員との定期的な意見交換の実施
   当社各取締役や執行役員は、会社にとって重要なリスクを認識した時点で直ちに、コ
  ーポレート・ガバナンスにおいて重要な役割を担う取締役会、経営会議に情報を伝達し、
  社外役員と情報を共有のうえ、会社として経営判断を行います。
   また、社外監査役を含む監査役会メンバーとの会合(必要に応じ適宜実施)
                                    、役付執
  行役員と社外監査役を含む監査役会メンバーとの会合(年1回から年2回の開催に変
  更)にも社外取締役も加えます。
   これらの取組みにより、専門家として財務・会計及び法的な知識を有する社外役員と
  意見交換を行うことで、適時・適切に経営上のリスクの把握に努めてまいります。




                      30
   3.    改善措置の実施スケジュール
                                                2021年
                                                  2月     3月    4月    5月     6月     7月   ・・・ 12月
(1) 当 社 管 理 部 門 に お け る 海 外 子 会 社 の 管 理 体 制 の 強 化
        当社管理部門におけ           OCJ   財務部人材増員                      採用活動
        る海外子会社の管理           OCJ   アンケートの実施                                          (四半期毎に実施)
        体制の強化                     OCD、OCC       実施済み
(2) 責 任 体 制 と 役 割 の 明 確 化
                            OCJ   出向者向け研修
        出向者に対する担当
   ①                         出向者評価項目の見直し
        業務の明確化
                            OCD   役割・責任の明確化
                                  OCD、OCC       設定済み
        会計システムに関す             OCJ、その他子会社
   ②                                                    設定
        る責任担当者の設定
                            OCJ   当社による管理
      実地棚卸に係る各管         OCD、OCC、その他子会社
    ③ 理階層の役割及び責
      任の明確化             OCJ 当社による管理
      出向者及びローカル従業員と                OCD
    ④ のコミュニケーション不足の
      解消                           OCC

(3) OCD及 び OCCに お け る 会 計 シ ス テ ム の 適 切 な 運 用 に 向 け た 仕 組 み の 構 築
                            OCD   外部専門家との連携     実施済み
                                  自社人材の育成                      採用活動
     外部専門家と連携し                                                 採用後、12月を目途に人材育成
   ①
     た管理部門の強化               OCC   外部専門家との連携     実施済み
                                  自社人材の育成                      採用活動
                                                               採用後、12月を目途に人材育成
                            OCD   運用手順の見直し      実施済み
                                  マニュアル改訂
     システム操作プロセ                                                システムバージョンアップを反映
   ② スの見直しと改善の
                            OCC   運用手順の見直し
     実施
                                  マニュアル改訂
                            OCJ   当社による管理
(4) OCD及 び OCCに お け る 実 地 棚 卸 の 精 度 の 向 上
     実地棚卸時の「5001            OCD   運用変更          変更済み
     製造原価(仕掛品)」に
   ①                        OCC   運用変更          変更済み
     関する運用方法の見
     直し                     OCJ   当社による確認
        棚卸実施規程の見直            OCD(改訂)、OCC(作成)
   ②
        し                     その他子会社(改訂)
                            OCD   ミーティングの実施
        棚卸レビューミー
   ③                        OCC   ミーティングの実施     実施済み
        ティングの実施
                            OCJ   当社による管理
                              ローカル従業員向け             実施済み(OCD、OCC)
        実地棚卸に関する教
   ④                          出向者向け                 実施済み(OCD、OCC、タイ、インド、フィリピン)
        育研修
                                                              (その他子会社)
        実地棚卸の頻度の見           OCD   月次棚卸          変更済み
   ⑤
        直し                  OCJ   当社による管理
                        :実施・運用                  :検討・準備                :当社による管理・モニタリング




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                                             2021年
                                              2月     3月   4月   5月   6月   7月   ・・・ 12月
(5) OICに お け る 送 金 業 務 プ ロ セ ス の 見 直 し
      送金手続の見直しと           OIC 規程の見直し
    ① 送金データの事後
      チェック                OCJ 当社による管理
      OIC経営陣による支払業務へ
    ②                                OIC
      の関与
(6) OIC経 営 陣 に 対 す る 教 育
     OIC経営陣へのリスク管理及
   ① びコンプライアンス教育の実                   OIC                  (今後も年1回継続実施)
     施
(7) 内 部 監 査 の 強 化
      内部監査業務の見直         OCJ   内部監査の見直し
    ①
      しと体制強化            OCJ   人材増員                         採用活動
      監査役による海外子会社のモ
    ② ニタリング強化と内部監査と                   OCJ
      の連携
(8) 適 正 か つ 迅 速 な 情 報 開 示 の た め の 取 り 組 み
      経営陣及び管理職、           OCJ 各種研修                        (今後も年1回継続実施)
    ① その他関連部署に対
      する教育研修の実施 全子会社 コンプライアンスミーティング                                    (今後も年1回継続実施)
      リスク情報に関するコミュニ
    ②                                 OCJ
      ケーションルートの再整理
    ③ 常務会の設定                          OCJ    実施済み
      財務部と内部監査室との定期
    ④                                 OCJ    実施済み
      会議の設定
      財務部と監査法人とのコミュ
    ⑤                                 OCJ    実施済み
      ニケーションの強化
(9) そ の 他 追 加 的 な 対 応 に つ い て
      内部通報制度の見直                周知徹底
    ①                     OCJ
      しと周知徹底                   見直し
       当社経営陣と社外役員との定
   ②                                 OCJ     実施済み
       期的な意見交換の実施
                       :実施・運用                :検討・準備            :当社による管理・モニタリング




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III. 経営責任等の明確化について
   前述の改善措置の実施に先立ち、本件取引を未然に防止もしくは早期に発見できず、
  結果的に過去の決算の訂正を招いた問題に関する経営責任を重く受け止め、以下のと
  おり、当社役員が報酬の一部を自主返上することといたしました。


   ・代表取締役社長               月額報酬 20%×3 ヶ月
   ・取締役会長                 月額報酬 20%×3 ヶ月
   ・取締役常務執行役員(経営管理担当) 月額報酬 30%×3 ヶ月
   ・取締役常務執行役員(輸送機器担当) 月額報酬 20%×3 ヶ月


IV. 不適切な情報開示が投資家及び証券市場に与えた影響についての認識
   この度、当社中国子会社における棚卸資産の過大計上及び米国子会社における元従
  業員による横領の結果、過年度決算を訂正することとなり、関係者の皆様には多大なる
  ご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
   今後このような事案を二度と起こさないように、前述Ⅱ.改善措置に述べました再発
  防止策を全役職員一丸となって確実に実行し、上場会社としての信頼の回復に努めて
  まいります。


                                          以上




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