6355 住友精密 2021-11-12 15:00:00
第2四半期決算説明及び 2021-2023年 中期経営計画 進捗報告 [pdf]
第2四半期決算説明及び
2021-2023年 中期経営計画
進捗報告
2021年11月12日
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1. 第2四半期決算説明
2. 2021-2023年 中期経営計画 進捗報告
注力拡大分野(ICT/熱マネジメント)進捗報告
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2021年度 第2四半期決算 及び 通期見通し トピックス
① 特別損失の計上(2021年度第2四半期)
2019年12月に発覚した高圧ガス保安法に基づく登録特定設備製造における
不適切事案(以下、熱交事案)に関連して、顧客への補償見込額12.2億円
を特別損失に計上。
② 業績予想の修正(2021年度通期)
熱交事案に関連して特別損失を12.2億円計上するも、販売構成の変化や経費
削減等により経常利益は前回予想を6.2億円上回り、固定資産売却益3億円
及び繰延税金資産3億円の計上により、当期純利益の予想は3.3億円を堅持。
③ 熱交事案の今後の状況
熱交事案につきましては、補償交渉の早期決着と取引の全面再開に向けて
取り組んでおります。交渉進展に伴い再度追加の引当となりましたが、交渉が
相当程度進展したことから、現時点において、今後新たに大きな費用負担が
発生する材料は確認できておりません。
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2021年度 第2四半期決算 - セグメント業績
<対米ドル為替(期中平均)> <107> <110> (億円)
<航空宇宙>
2020年度 2021年度 前年 防衛装備品の納期が上期に集中した
上期 上期 同期比 ことに加え、民間航空機向け機器は
実績 実績 差異 新型コロナウイルス感染症拡大の影響が
売上高 169.3 188.2 18.9 底を打って一部需要が回復したこと等に
航空宇宙 83.7 93.5 9.8 伴い増収。損益は赤字縮小。
産業機器 47.5 57.2 9.7
ICT 38.1 37.5 -0.6 <産業機器>
精密油圧機器は、主力とする中国の
営業利益 -6.5 4.7 11.2
(営業利益率) -3.8% 2.5% 6.3%
射出成型機向けの需要が増加。収益
航空宇宙 -5.3 -0.4 4.9
認識基準変更に伴う熱交換器の減収
-6.3% -0.4% 5.9%
影響をカバーし、増収増益。
産業機器 -1.3 5.7 7.0 <ICT>
-2.7% 10.0% 12.7%
販売面は、半導体向けオゾン発生装置
ICT 0.1 -0.6 -0.7 及びMEMS・半導体製造装置の需要が
0.3% -1.6% -1.9%
増加するも、当年度は下期偏重傾向に
あり、上期微減。損益面では、 MEMS・
本資料の予想は、「収益認識基準に関する会計基準」企業会計基準第29号 2020年3月31日、及び
「収益認識に関する会計基準の適用指針」企業会計基準適用指針第30号 2020年3月31日を適用し 半導体製造装置において、国内向けが
ております。一方、比較する前年度実績はこれらの会計基準等を適用しておりません。
減少し、海外向けが増加したことに伴う
構成変化により減益。
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2021年度 第2四半期決算 - 概況
<対米ドル為替(期末)> <106> <112> (億円) 営業外損益:
2020年度 2021年度 前年 米ドルに対して為替円安が進行したことに
上期 上期 同期比 伴い、為替差益を1.7億円計上(前年
同期は為替差損▲0.9億円を計上)。
実績 実績 差異
また、米国子会社において、新型コロナ
売上高 169.3 188.2 18.9 ウイルス感染症拡大に伴う政府支援とし
営業利益 -6.5 4.7 11.2 て借り入れていた融資が債務免除となり、
(営業利益率) -3.8% 2.5% 6.3%
1.7億円を補助金収入に計上。
営業外収益 1.6 5.1 3.5 特別損益:
営業外費用 -3.5 -2.4 1.1 2019年12月に発覚した高圧ガス保安
法に基づく登録特定設備製造における
経常利益 -8.4 7.4 15.8
不適切事案に関連して、該当製品に
(経常利益率) -5.0% 3.9% 8.9%
関わる顧客への補償等による損失見込
特別損益 1.0 -9.1 -10.1 額について、2019年度に10.0億円、
税引前当期利益 -7.4 -1.7 5.7 2020年度に14.9億円を計上しましたが、
当第2四半期において顧客との交渉が
当期純利益 -8.4 -2.4 6.0
進展したことに伴い、追加損失見積額
EPS(円/株) -159 -45 113 12.2億円を顧客補償等対応費用引当
ROE -1.1% -0.9% 0.2% 金繰入額として特別損失に計上しました。
配当(円/通期) 0 0 -
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2021年度 通期予想(前回予想比較)
<対米ドル為替期中平均> <106> <108> (億円)
2021年度 2021年度 前回予想 <航空宇宙>
通期 通期 との差異 民間航空機向け機器は、新型コロナウイルス
前回予想 今回予想 感染症拡大による受注減少が底を打って
売上高 446.6 446.6 0.0
一部需要が回復していること等に伴い、販売
航空宇宙 185.1 191.7 6.6
は前回予想を上回り、損益は赤字縮小の見
産業機器 144.6 133.7 -10.9
ICT 116.9 121.2 4.3 込み。
営業利益 3.6 11.4 7.8 <産業機器>
(営業利益率) 0.8% 2.6% 1.7%
航空宇宙 -16.3 -7.3 9.0
中国向け精密油圧機器は、前年度後半から
-8.8% -3.8% 5.0% 需要が上向き、当年度は一年を通じて好調
産業機器 8.8 7.4 -1.4 が続くと見ていたが、下期は一転して需給調
6.1% 5.5% -0.6%
整の局面に入り、通期では減少。
ICT 11.1 11.3 0.2
9.5% 9.3% -0.2%
また、プラント用熱交換器は取引の全面再開
営業外収益 4.8 4.3 -0.5
が遅れていることにより、収益は前回予想を下
営業外費用 -2.4 -3.5 -1.1 回る見込み。
経常利益 6.0 12.2 6.2
(経常利益率) 1.3% 2.7% 1.4% <ICT>
特別損益 3.0 -6.1 -9.1 半導体業界における顧客投資が上向き、
税引前当期利益 9.0 6.1 -2.9
オゾン発生装置およびMEMS・半導体用製造
当期純利益 3.3 3.3 0.0
EPS (円/株) 62 62 0 装置の需要増加により、販売は前回予想を
ROE 1.2% 1.2% 0.0% 上回る。一方、損益面は、装置の販売構成
配当 (円/通期) 25 25 0 変化もあり微増に留まる見込み。
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財務体質 - 財務指標の推移と目標
(億円)
2020 2021 2021
年度末 上期末 年度末
実績 実績 予想
総資産 826 806 758 総資産は、当年度末に向けて航空
(内、現預金) (122) (103) (100)
宇宙事業を主体に棚卸資産を圧縮。
また、第3四半期に不動産の売却も
有利子負債合計 285 261 290
実施。
自己資本(純資産) 267 264 270
有利子負債は、現預金を100億円
D/E レシオ 1.07 0.99 1.07
に圧縮するも、熱交換器の顧客補償
(NET D/Eレシオ) (※) (0.61) (0.60) (0.70) 等対応費等の支払により、当年度末
自己資本比率 31.8% 32.0% 35.0% は290億円まで増加。D/Eレシオは
当上期末0.99(NET D/Eレシオ
ROE -9.6% -0.9% 1.2%
0.60)から当年度末1.07(NET
FCF 3 12 -19 D/Eレシオ 0.70)となる見込み。
(※)NET D/Eレシオ = (有利子負債合計 - 現預金) ÷ 自己資本(純資産)
本資料の予想は、本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、
予想に内在する不確定要因により、実際の数値は当該予想とは異なる場合があります。
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1. 第2四半期決算説明
2. 2021-2023年 中期経営計画 進捗報告
注力拡大分野(ICT/熱マネジメント)進捗報告
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当社事業ポートフォリオ 再掲
成長ポテンシャルがある事業の 拡大する市場での事業育成に向け、
戦略転換、開発の加速 積極投資で将来の収益基盤を育成
開発から
開市
ノースファインダーTM
「GCAH-1X」
MEMSデバイス製造 MEMS・半導体
事業 積
発場
(ファンドリ事業) 製造装置
姿勢計測装置
極
促・
MEMSデバイス (MEMSジャイロ・センサ)
製 システム 汎用 航空機エンジン用 投
高 進品 資
シリコン深掘り装置
熱交換器 熱交換器(民需)
PROXION(プロキオン)
オゾン発生装置
(半導体分野) 精密 Trent 1000®エンジン用
液(燃料)冷式オイルクーラー
新幹線車両用 油圧機器
市 高濃度オゾン発生装置
インバーター制御素子冷却器
場
CQTポンプ
成 社会貢献向上
長 民間航空
率 脚事業(民需) オゾン発生装置 収
合 (システム分野) 益
理 基
化 LNG/プラント 防衛航空 脚・
事業集中
熱交換器 プロペラ(官需) 盤
低 推 合理化
CRJ700/900/1000主脚
強
進 一般用オゾン発生装置
化
オープンラック式LNG気化器 C-2(写真出典 防衛省様HPより)
事業方針の見極めと、 成熟期を迎えた市場で
低 ターゲット市場での強さ 高
合理化実行 Copyright © Sumitomo Precision Products Co., Ltd. All rights reserved.
安定して投資の源泉を稼ぐ 9
2021-2023年 中期経営計画 2021年度数値見通し
航空宇宙事業:
売上 損益
億円 億円
600
545
60
民間航空機向け機器は、新型コロナウ
520
500 50 イルス感染症拡大による受注減少が底を
打って一部需要が回復していること等に
446.6
400 見通し 446.6 40 伴い、販売は計画値を上回り、損益は
赤字縮小の見込み。
300 30
47
31
200
見通し 32
20
産業機器事業:
100
11.4 20
10 中国向け精密油圧機器は、前年度後半
3.3 から需要が上向き、当年度は一年を通じ
て好調が続くと見ていたが、下期は一転
3.6 3.3
0 0
2021年度 2022年度 2023年度 して需給調整の局面に入り、通期では
見通し 営業損益 純損益 売上高
減少。また、プラント用熱交換器は取引
の全面再開が遅れていることにより、
2021年度 航空 産業 収益は計画値を下回る見込み。
計画値 見通し ICT
(単位:億円) 宇宙 機器
売上高 446.6 446.6 191.7 133.7 121.2 ICT事業:
営業損益 3.6 11.4 -7.3 7.4 11.3 半導体業界における顧客投資が上向き、
純損益 3.3 3.3 オゾン発生装置およびMEMS・半導体用
対計画 製造装置の需要増により、販売は計画値
売上差異 - 0.0 6.6 -10.9 4.3 を上回る。一方、損益面は、装置の販売
営業損益差異 - 7.8 9.0 -1.4 0.2 構成変化もあり微増に留まる見込み。
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2021-2023年 中期経営計画・現況と見込み(航空宇宙事業)
中期計画策定時の想定 現況と将来の見込み
航空宇宙 熱交事業:
•大型機及び中小型機向け航空機エンジン用熱交換
器のバランス良い受注の獲得 • 民間航空機向けは、新型コロナウイル
•熱マネジメントに関する技術課題として、3Dプリンティ ス感染症拡大の影響が底を打ち、
ング技術、ノウハウの習得
今後、中小型機の需要回復は続く。
大型機の需要回復は24年以降を
航空宇宙 脚関連事業: 航 見込む。
【防衛航空】 量産案件の生産効率及び生産技術の向上 空
【民間航空】 固定費及び棚卸資産削減等の合理化推進 宇
宙 • 連結子会社の整理統合による合理化
折線:売上高(左軸)、 棒グラフ:営業損益(右軸) (億円) 熱 を推進中。
300 30
交
見通し ・
脚 • 生産・調達プロセスの改善活動を継続。
200 20
191.7(+6.6)
100 10
関
見通し 連 • 3Dプリンティング技術の徹底的研鑽
-7.3(+9.0)
0 0 (後掲)。
-100
-100 -10
-200
-200 -20
中計 中計 中計
2018 2019 2020
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2021 2022 2023 11
2021-2023年 中期経営計画・現況と見込み(産業機器事業)
中期計画策定時の想定 現況と将来の見込み
産業熱交換器事業:
• 品質最優先の方針を堅持
• 生産の全面再開を実現し、成長軌道への回復
• プラント用熱交換器の取引再開が想定
• 高発熱化する電子部品向け冷却器の新規拡販
より遅れているが、21年度中に全面再開
• 水素バリューチェーンの熱マネジメントに寄与するよう、
水素製造、液化、気化等のセグメントへの取り組み し、’22-’23年度計画を実現する。
産
業 • 高速通信インフラの発達、輸送機電動化を
精密油圧機器事業: 熱
• 海天との連携強化。生産能力を増強し、中国市場 背景に、電子部品冷却需要が上向き、
交 更に放熱ソリューション市場への拡販を進
の旺盛な需要増に対応する。 換 める(後掲)。
器
折線:売上高(左軸)、 棒グラフ:営業損益(右軸) (億円)
300 30
• 水素関連向け等、当社熱マネジメント技術
見通し を活用した引き合いに対応中。
200 20
133.7(-10.9)
100 10
0
見通し
0 精
7.4(-1.4)
密 • ‘21年度上期好調、下期に中国における
-100 -10
油 射出成型機市場減速による需給調整の
圧 局面に入るが、景気の減速は一時的
-200 -20
中計 中計 中計 機 であり、‘22-’23年度計画達成の見込み。
2018 2019 2020 2021 2022 2023
器
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2021-2023年 中期経営計画・現況と見込み(ICT事業)
中期計画策定時の想定 現況と将来の見込み
MEMS・半導体製造装置事業 MEMS・半導体製造装置事業/
• 化合物半導体に対するナノレベルの加工・特性改善に向け オゾン発生装置事業
た研究開発を継続、顧客が要求する多種多様なアプリケー
ションへ展開して価値提供する • 半導体市況は好調なるも、部品調達の
長納期化が共通課題。
MEMSデバイス/応用製品事業、ファンドリ事業 • 22年度以降の当社ターゲット市場の鈍化
• 高精度な姿勢計測・制御が必要なアプリケーション向けに、 は見られず現時点推定は上向き。
MEMSデバイスをコアとしたシステム化展開で事業範囲拡大
オゾン発生装置事業 MEMSデバイス/応用製品事業
【半導体】 ALD*・洗浄分野のシェアアップ
• 単結晶 PZT 薄膜の開発・販売開始
【システム】 殺菌・AOP**分野で拡販 (後掲)。
I MEMSデバイス製造(ファンドリ)事業
300
折線:売上高(左軸)、 棒グラフ:営業損益(右軸) (億円)
30
C • 好調な市況を背景に、エンジニア・設備・
T スペース等社内体制を構築し、新規顧客
200
見通し
20
向けに対応する。
121.2(+4.3)
100 10
ICT市場へのさらなる事業拡大に向け、
0 0 統合戦略室(MEMSソリューション室)を設置
見通し
11.3(+0.2)
-100 -10
-100
-200
-200 -20 *:ALD:原子層堆積(Atomic Layer Deposition)、
中計 中計 中計 **:AOP:促進酸化プロセス( Advanced Oxidation Process )
2018 2019 2020
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2021 2022 2023 13
1. 第2四半期決算説明
2. 2021-2023年 中期経営計画 進捗報告
注力拡大分野(ICT/熱マネジメント)進捗報告
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注力拡大分野(ICT) 進捗報告 再掲
世界初のシリコン深掘り装置と、 MEMS・半導体 MEMSデバイス/応用製品事業
20年以上にわたるMEMSジャイロ 製造装置事業 ファンドリ事業
量産実績から、半導体製造装置・
MEMSデバイス製造・MEMS応用
デバイス/システムへと事業を展開し、
それらの競争力の源泉となる装置・ MEMS・半導体 MEMSデバイス
プロセスの技術開発にも注力して 製造装置 開発・製造 MEMSジャイロ・センサ
きました。 装置納入 製造委託
デバイス製造メーカー ファブレスデバイスメーカー
• 各種IoT/IoEデバイス • 赤外線センサー
電動化・省エネやデジタルヘルスケア • RF/SAWフィルタ • CO2ガスセンサー
MEMS応用システム
を支える、各種デバイス・システムや • パワーデバイス • インクジェットプリンタヘッド
(ノースファインダー)
• GaN-HEMT など • 車載用LiDAR など
高速通信のさらなる発展に向けて、
デバイス納入
当社技術の強みを活かした製品・
国内外セットメーカー
サービスを提供し、脱炭素・ポスト
5G・デジタル社会に貢献していきます。
住友精密グループが価値提供する社会
• 自動運転車両 • 5G/6G基地局
• 電動化された輸送機 • 人工衛星姿勢制御用IMU
(航空機、車両、船舶) • 鉱山採掘用IMU など
対応するSDG’s項目 • 医療用超音波プローブ IMU:慣性計測装置
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ICT分野 持続可能な社会への取り組み
世界最高性能※1の単結晶 PZT 薄膜の開発・販売開始
世界最高性能※1の単結晶 PZT 薄膜の開発・販売開始 デバイス応用例
当社は、圧電式MEMSデバイスへ適用可能な、世界最高性能の2種類の単結晶
チタン酸ジルコン酸鉛(以下 PZT)薄膜を同時開発しました。6インチおよび8インチの
大口径ウエハプロセスに対応しており、2021年10月よりサンプル品の供給を開始し、
2022年4月より販売を開始する予定です。
超音波指紋認証センサ
静脈認証センサ
• タイプ A: センサ性能重視型
• タイプ B: センサ性能・アクチュエータ性能バランス型
従来のPZT薄膜は誘電率が高く、優れたセンシング能力を得られないという課題
がありました。今回当社が開発した単結晶PZT薄膜は、アクチュエーション能力の低下
を抑制しながら、センシング能力を従来比で 1.5~2倍向上、アクチュエータとセンサの 掃除ロボット(障害物検知)
両機能を併せた圧電薄膜の性能を示す値 FOM は、世界最高性能を達成 しています。
本製品により、センサ機能を有する MEMS の機械構造体・信号処理回路の簡略化・小型化や、
高感度で新たな機能を発揮する MEMS の登場が期待され、自動運転技術、高精細プリンタ、スマート医療、
高セキュリティ認証システムなどのMEMS アプリケーションを通じて、快適で利便性の高い暮らし、安全・安心な
社会の実現に貢献できると考えております。
単結晶 PZT 薄膜
PZT膜
(厚さ2μm)
下地膜(4層)
シリコン基板
対応するSDG’s項目 膜構成のイメージ図
実物の断面観察像(透過電子顕微鏡像) 8インチ ウエハ
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※1 2021年7月28日現在 当社調べ
16
注力拡大分野(熱マネジメント) 進捗報告 再掲
デジタル・トランスフォーメーションやカーボン・ニュートラルの流れが加速する中で、急上昇する
熱制御のニーズに応えるべく、当社技術や知見を結集して、あらたな製品・サーマルソリューション
サービスを提供して、熱マネジメント市場に挑戦する。
航空宇宙 熱交事業 産業 熱交事業
<設計技術> <設計技術>
• 軽量化設計技術と製品の信頼性 • 多流体設計・熱設計技術
• 流体解析技術、トポロジー*最適化解析 • 高性能 沸騰素子冷却技術
*指定した材料分布範囲に対して設定し
<製造技術> た工学的な条件(設計変数)に基づき、 <製造技術>
最適な材料の密度分布を導き出す、
• 素材加工技術 構造最適化手法の一種
• 大型真空炉とそのレシピによる、ろう付け技術
• 3Dプリンティング(積層造形技術) • 数百種に及ぶ種類のフィン成型
相乗効果の発揮による製品・サーマルソリューションの提供
輸送機の電動化/ 高速通信インフラと 水素
脱化石燃料 データ爆発 バリューチェーン
• 次世代水素燃料航空機 • データセンターにおける • 水素を、作る、運ぶ、使う
• 水素/電気自動車 など エネルギー効率の大幅改善 あらゆる場面で発生する熱
など をコントロールする 対応するSDG’s項目
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熱マネジメント分野 持続可能な社会への取り組み
電動化航空機・水素燃料利用航空機向け機器の技術開発
電動化航空機・水素燃料利用航空機向け機器の技術開発
近年、航空機のCO2排出削減による環境負荷の低減は、
世界的に重要な課題となっており、航空機の電動化及び
水素燃料利用に関わる技術・製品開発が進んでいます。
こうした背景から、インバーター・バッテリー・モーター等、電動
関連機器の冷却、航空機全体の排熱及び熱の再利用のため、
軽量・高性能・複雑形状の熱交換器の需要が高まる ことが
予想されます。
当社は、今後も航空業界の動向を注視しながら、市場ニーズ
を満たす熱解析技術・機器設計・製品開発の推進に取り組む
とともに、金属3Dプリンティング技術(金属積層造形技術)
といった新しい製造手法にも挑戦してまいります。
高性能化・高発熱化する半導体向け冷却器の新規拡販
当社は、車両及び産業機械向けパワーデバイスの冷却用として冷媒の相変化(沸騰と凝縮)を
利用した二相流循環型冷却器(サイフォレックス™)を開発し、多くの製品を供給してまいりました。
この製品に改良を加え高性能化することで、高まる半導体からの発熱に対し高効率の冷却が
可能となりました。ハイパースケールデータセンターや、
メガソーラーのパワーコンディショナー、輸送機の電動化等、
小型高性能冷却のニーズは飛躍的に高まっており、
次世代の戦略製品の一つとして拡販に注力してまいります。
対応するSDG’s項目
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