6347 J-プラコー 2020-10-20 18:20:00
当社臨時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会の反対意見に関するお知らせ [pdf]

                                                      2020 年 10 月 20 日
各 位
                                   会 社 名   株式会社プラコー
                                   代表者名    代表取締役社長 黒澤 秀男
                                           (JASDAQ・コード6347)
                                   問合せ先    取締役執行役員
                                           総務・経理部部長 早川 恵
                                   電   話   048-798-0222)



        当社臨時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会の反対意見に関するお知らせ


 当社は、2020 年 7 月 28 日付「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ」において、有限会社
フクジュコーポレーション(以下「請求人」といいます。
                         )より臨時株主総会の招集請求を受けたことをお知
らせいたしました。そして、2020 年 9 月 10 日付「臨時株主総会招集許可受領のお知らせ」においてお知らせ
いたしましたとおり、さいたま地方裁判所より、請求人に対し、臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」とい
います。
   )を招集することを許可する旨の決定がなされております。
 当社は、本日開催の取締役会において、本臨時株主総会のすべての付議議案について、反対の意見表明を行
う旨決議いたしましたので、下記のとおり反対理由と併せてお知らせいたします。


                              記

1. 本臨時株主総会の付議議案(以下「本株主提案」といいます。
                              )
  第1号議案 買収防衛策廃止の件
  第2号議案 取締役 黒澤秀男 解任の件
  第3号議案 取締役 平石昌之 解任の件
  第4号議案 取締役 早川 恵 解任の件
  第5号議案 取締役 小沢剛司 解任の件
  第6号議案 定款一部変更の件
  第7号議案 取締役5名選任の件


2. 本株主提案に対する当社取締役会の意見
  当社取締役会は、以下の理由により、本株主提案におけるすべての議案に反対いたします。


 (1)第1号議案への反対理由
  ①    当社の買収防衛策は多数の株主の賛同を得て承認されたものであること
      当社は、2020 年 6 月 25 日開催の当社第 60 期定時株主総会において、当社株券等の大量買付行為への
  対応策(買収防衛策)
           (以下「本プラン」といいます。
                         )の導入に係る議案を付議いたしました。その結
  果、本プラン導入に係る議案は、議決権を行使することができる株主の皆様の議決権の 65.31%の賛成
  を得て、承認可決されました。同議案に反対した請求人を除くと、賛成割合は 79.43%となり、請求人
  以外の株主の 8 割近くの多数の株主の皆様からご賛同いただいたことになります。
      一方、請求人は、多数の株主の皆様に支持された同議案につき、改廃を行うべき事情が生じていない
  にもかかわらず、上記定時株主総会からわずか 2 週間ほどの短期間のうちに、本プランの廃止を付議議
  案に含む臨時株主総会の招集を求めました。当社は、本プランは上記定時株主総会において多数の株主
  の皆様のご賛同を得て承認可決されているものであり、現時点に至るまで、本プランを改廃するべき事
  情は生じていないため、本プランを廃止することに合理的な理由はないと判断しております。

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②    買収防衛策の必要性
    大量買付行為の中には企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主共同の利益の実現を考えることな
く、専ら当該会社の株価を上昇させて対象会社の株券等を高値で会社関係者等に買い取らせる目的で行
うなど、企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく損なうことが明確な、いわゆる「濫
用的買収」が存在します。当社取締役会は、そのような目的で当社株式の大規模買付を行う者について
は、当社の経営権を有すべき者として不適切であると考えております。また、大規模買付者については、
当社取締役会が中長期な企業価値を向上をさせるものであると確信し、さまざまなステークホルダーと
の良好な関係を継続することを十分理解しているものでなければ、当社の企業価値及び会社の利益ひい
ては株主共同の利益を著しく害されることになると考えております。
    当社取締役会は、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益の確保又は向上の観点から
大量買付行為の条件・方法を変更・改善させる必要があると判断する場合には、大量買付行為の条件・
方法について、大量買付者と交渉するとともに、株主の皆様に対して代替案の提案等を行う必要がある
と考え、本プランを導入することを決定いたしました。そして、このような本プランの必要性は、現時
点においても全く変わるところはありません。
    なお、2020 年 9 月 17 日付「当社株券等の大量買付行為への対応策に基づく当社独立委員会への諮問に
ついて」においてお知らせいたしましたとおり、請求人は本臨時株主総会の招集請求等を他の株主らと
実質的に共同して行い、他の株主らと共同して市場内において当社株式の買付けを行っている合理的な
疑いがあることが判明しております。当社取締役会は、請求人及びその関連者が、本プランの手続を遵
守せずに、本プランの対象である「大量買付行為」を行っている可能性が高いと考えております。かか
る認識のもと、当社取締役会は、同日、独立委員会に対して本プランに基づく対抗措置を発動すること
の是非等について諮問を行っております。


③    本プランの合理性(本プランが当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維
     持を目的とするものではないこと)
    本プランは、大規模買付行為等に対する対抗措置の発動に関する当社取締役会の恣意的判断を廃する
ため、以下の手続を定めており、その内容は相当なものです。すなわち、本プランに基づく対抗措置の
発動は、大規模買付者等が本プランに定める手続を遵守しない場合及び大規模買付行為等が当社の企業
価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が合理的な根拠をもって判断した場合に限
定されております。また、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社経営陣からの独立性を有す
る当社社外取締役、補欠社外取締役及び補欠社外監査役のそれぞれ 1 名の合計 3 名で構成される独立委
員会に対し、対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措
置の発動の是非について判断することとしております。そして、当社取締役会が対抗措置を発動するに
際しては、社外監査役全員を含む当社監査役全員の賛成を得た上で、当社取締役全員の一致により発動
の決議をすることとしております。本プランの発動に際し、上記のような過程を踏まえることで、取締
役会が保身のために恣意的に対抗措置の発動を行うことはできない設計としております。加えて、当社
取締役会は、当該決議を行った場合、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項につい
て、適時かつ適切に開示することとしております。
    上記手続が定められている本プランの内容は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向
上させるために必要かつ相当なものであると考えております。


(2)第2号議案、第3号議案、第4号議案、第5号議案、第6号議案、第7号議案への反対理由
① 現経営体制による経営改革の成果
 当社は、2015 年 7 月に黒澤秀男が代表取締役社長に就任して以降、収益性の改善を通じた企業価値の
最大化を目指して経営改革を行ってまいりました。具体的には、
                            「選択と集中」「品質の向上」「サプラ
                                   、      、
イチェーンの最適化」という「3 つの改革」を実行し、結果として最高純利益額、最高純利益率、最高配
当性向の「3 つの最高」を実現いたしました。




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当社が実行した3つの改革
改革1 選択と集中
 闇雲に売上規模の拡大を追うのではなく、収益性を重視した経営方針に転換し、収益性の低い事業や
製品から撤退いたしました。その一方で、当社が得意とする高付加価値商品の開発・販売促進に注力し、
海外を中心とした競合他社との差別化を進めてまいりました。


改革2 品質の向上
 既存製品の品質向上に努め、特殊・大型フィルム成形機や、自動車向け小型・高機能樹脂タンク用ブ
ロー成形機などに注力してまいりました。それにより、これまで恒常的に発生していた修繕費用や顧客
対応コストを劇的に削減することに成功し、売上総利益率を 15 ポイント以上改善いたしました。


改革3 サプライチェーンの最適化
 仕入れ業者との関係性を含めたサプライチェーンの刷新と基幹部分の内製化を積極的に進めてまいり
ました。その結果、品質と生産性の双方を向上させることに成功いたしました。


当社が実現した 3 つの成果
成果1 「最高」の純利益額
 2020 年 3 月期には 282 百万円と、上場して以来最高の純利益額を達成いたしました。2019 年 3 月期に
続く 2 期連続の過去最高の純利益額です。また、黒澤秀男の代表取締役就任後である、2017 年 3 月期、
2019 年 3 月期の純利益額も過去最高水準となっております。


成果2 「最高」の純利益率
 2020 年 3 月期の純利益率は 9.5%と、5 年前にあたる 2015 年 3 月期の 1.5%と比較して 8 ポイント向上
しております。この純利益率は上場以来最高の水準です。


成果3 「最高」の配当性向
 当社は 2019 年 3 月期には 1 株あたり 20 円の配当(記念配当 5 円を含む)を実施しており、過去最高の
配当性向を更新いたしました。2018 年 3 月期及び 2020 年 3 月期にも、記念配当を含む 2019 年 3 月期を
除くと過去最高の 1 株あたり 15 円の配当を実施しております。


② 現在の経営陣が企業価値向上の観点から最適任であること
 上記のとおり、当社は代表取締役黒澤秀男を中心とした経営体制のもとで収益性の改善を目的とした
経営改革を実施し、過去最高の純利益を達成するに至りました。今後は、一連の改革により磨き上げた
品質を武器に製品の拡販を進めることにより、高い収益性と高い成長率を兼ね備えた体制の構築を目指
してまいります。具体的には、以下の 3 つの施策を行ってまいります。


今後の事業戦略
施策1 既存事業の拡大
 当社は改革の一環として事業の選択と集中を進めてまいりましたが、収益性の改善に成果が現れたこ
とから、今後は再成長へと舵を切ります。既存分野においては営業人員の増強により高付加価値商品の
販売先を拡大し、既存事業の売上拡大を推進いたします。特に、社会問題となっておりますマイクロプ
ラスチックや廃プラスチック問題に対処する生分解性樹脂やバイオプラスチックを用いた包装資材用
フィルム成形機の取組みを強化し、新規需要の開拓を進めております。また、品質の向上に成功した、
特殊・大型フィルム成形機や、小型・高機能樹脂タンク用ブロー成形機の拡販にも注力しております。


施策2 メディカル領域への注力
 当社は点滴バッグや医療用シートなどのメディカル領域を業績成長の牽引役とするべく育成を進めて


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おります。同領域は市場規模が非常に大きい分野であると同時に、高い品質が求められることから当社
が一連の改革で磨き上げてきた品質面の優位性を活かせる分野であり、足元でも多数の引き合いをいた
だいております。今後は同領域の開拓を更に進めていくことで、高い成長率を実現いたします。


施策3 安定的な配当の実施を含めた、企業価値最大化へのコミット
 一定の収益性が担保された事業基盤を活かして売上規模の拡大と安定配当を同時に実現することで、
企業価値の最大化にコミットいたします。加えて、今後はIRの拡充などを通じて資本市場との対話を
積極的に実施し、当社の潜在価値を顕在化していくことに注力してまいります。


 当社取締役会は、収益性と成長性の両立こそが企業価値の最大化において最重要であり、その実現に
必要なのは闇雲な新規事業展開ではなく、当社の強みを活かした上記施策の実行であると確信しており
ます。そして、上記施策はどれも従業員や取引先をはじめとしたステークホルダーとの信頼関係と当社
事業への深い理解があって初めて成り立つものであり、当社事業に精通している現経営陣こそが中長期
的な企業価値最大化に最適な人員であると考えております。経営陣の入れ替えの必要は全くありません。


③ 本株主提案が承認可決された場合の事業継続リスク
 現取締役 4 名全員の解任と新たな取締役 5 名の選任を内容とする本株主提案が承認可決された場合に
は、当社の事業に一切関与した経験がない取締役のみで経営が行われることになります。しかしながら、
当社事業には高い専門性と技術に対する知見、及びステークホルダーとの相互の深い信頼関係が必須で
あり、本株主提案が承認可決され、現取締役 4 名全員が解任されれば、当社事業の継続に深刻な問題が
生じる可能性が高いと考えております。本株主提案が承認可決された場合、当社が長年の努力を通じて
創り上げてきた事業基盤が根底から揺らぎ、現経営陣によって実現されるはずであった利益成長の実現
に深刻な悪影響を及ぼすこととなり、それが結果として企業価値の重大な毀損につながります。


④ 一連の施策が現経営陣の「保身」には当たらないこと
 請求人は、第 2 号議案から第 5 号議案の提案理由において、当社の役員報酬の増加、従業員持株会(従
業員持株ESOP信託)制度の創設、取締役及び従業員に対する株式報酬制度の導入並びに令和元年5 月
14 日付の取締役会決議に基づく自己株式の取得といった施策について、(前略)上記取締役ら 3 名は、
                                 「
(中略)プラコーの貴重な資金を利用して、自ら若しくは従業員らにプラコーの株式を取得させるなどし
て、現経営体制による閉鎖性を維持することに終始し、保身に及んでいると評価せざるを得ません」と
述べております。
 しかしながら、これらの施策はコーポレート・ガバナンス上適切な目的とプロセスを以て行われたも
のであり、請求人の指摘する「保身」には全く当たりません。
 まず、役員報酬は、2020 年 6 月 18 日付「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に記載のとお
り、各期の担当職務、各期の業績及び貢献度を総合的に勘案して決定しており、近年における役員報酬
の増加は好業績を反映したものにすぎません。また、取締役及び従業員に対する株式報酬制度に関して
は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との価値共有を一層
深めることを目的に導入いたしました。加えて、従業員持株会(従業員持株ESOP信託)制度は、従
業員持株会に対して当社株式を安定的に供給すること及び信託財産の管理により得た収益を従業員へ分
配することを通じて、従業員の福利厚生の充実を図り、従業員の株価への意識や労働意欲を向上させる
など、当社の企業価値の向上を図ることを目的としております。そして、自己株式の取得は、経営環境
の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするとともに、株主還元の強化及び資本効率の向上
を図るために実施いたしました。
 これらの施策は、いずれも、当社の企業価値の向上、株主還元の強化等を目的とするものであり、い
ずれの施策も一般的に導入・運用されている標準的なものです。経営陣による閉鎖性の維持ないし保身
という意図は一切ありません。
                                                 以 上


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