6333 帝国電機 2019-03-14 12:00:00
社内調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ [pdf]

                                      平成 31 年3月 14 日
 各   位   E




                      会 社 名 株 式 会 社 帝 国 電 機 製 作 所
                      代 表 者 名 代表取締役社長執行役員   白石   邦記
                             (コード番号6333     東証第一部)
                      問 合 せ 先 執行役員経営企画本部長   村田    潔
                            (TEL:0791-75-4160)



             社内調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ

 当社は、平成 31 年1月 18 日付「当社子会社における不適切な取引行為判明による社内
調査委員会設置に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、当社の連結子会社である
大連帝国キャンドモータポンプ有限公司(以下「大連帝国」といいます。)及びその連結修
理子会社 3 社(無錫大帝キャンドモータポンプ修理有限公司、済南大帝キャンドモータポン
プ修理有限公司、成都大帝キャンドモータポンプ修理有限公司を指し、以下「修理子会社」
と総称します。)において、不適切な取引行為が行われていた可能性があることが判明した
ため、社内調査委員会を設置し、不適切な取引行為の詳細、影響金額を含め、事実関係解明
に努めてまいりました。
 この度、社内調査委員会による調査が終了し、本日、同委員会から調査報告書(以下
「本報告書」といいます。)が当社取締役会に提出されましたので、下記のとおりお知ら
せいたします。

                        記


1. 本報告書の内容
     社内調査委員会の調査結果につきましては、添付の「調査報告書(公表版要旨)」をご
  覧ください。なお、当該報告書につきましては、関係者の個人情報等に配慮し部分的な
  非開示措置を施しております。

2. 過年度の業績訂正の範囲と影響額
     本報告書に基づき、当社は過年度の業績を訂正し、過年度の有価証券報告書等の訂
  正報告書の提出及び過年度決算短信等の訂正を本日提出いたします。なお、業績訂正
  の範囲と影響額につきましては、本日別途開示を行います「過年度の有価証券報告書
  等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ」をご参照下
  さい。

3. 社内調査委員会の調査結果を受けた今後の対応方針
    当社は、社内調査委員会の報告を踏まえ、以下の再発防止策を講じてまいります。
 ①当社グループの経営陣並びに社員のコンプライアンス意識の徹底を図ります。
 ②大連帝国を含む当社グループにおいて、過度の権限集中・固定化をせず、定期的な人事
  異動を行い、相互牽制が図れるような人材配置を徹底いたします。
 ③修理子会社は会社清算を行い、アフターサービス拠点としては大連帝国の支店の
  形式により修理工場を新たに開設することを検討いたします。
 ④大連帝国において各部門間の透明性が確保できるような組織体制を構築し、不適切
  な行為の早期発見、早期対応ができるように内部通報制度の見直しを行います。ま
  た、大連帝国以外の海外子会社においても、組織体制及び内部通報制度の見直しを
  検討してまいります。
 ⑤大連帝国の販売プロセス業務において、発送先、注文書納期の確認を徹底し売上の
  早期計上を防止いたします。
 ⑥当社による大連帝国等海外子会社の管理の強化と内部監査の充実を図ります。



 当社の株主をはじめ投資家の皆様、お取引先及び関係者の皆様には、多大なご迷惑とご
心配をおかけいたしますことを、深くお詫び申し上げます
                                        以上
                                       平成 31 年 3 月 14 日


株式会社 帝国電機製作所 御中




               調   査 報 告 書
                  (公表版要旨)




                               株式会社 帝国電機製作所
                               社内調査委員会


                               委員長     中   村   嘉   治




                               委   員   金   井   美智子




                               委   員   林       晃   史


※本調査報告書要旨は、当委員会作成に係る平成 31 年 3 月 14 日付け調査報告書を要約し
たものである。調査報告書に代えて要旨を公表する理由は、関係者の個人情報等に配慮
したためである。



                       1
              本件調査における発見事項


(1) 大連帝国の営業請負制度の下では、架空費用の計上等を用いた不適切な取引や、
 当該制度を悪用した個人的な領得行為は、確認されなかった。


(2) 修理子会社の営業請負制度においては、各修理子会社の総経理及び A 氏の個人口
 座に、架空取引等を用いて作出された金員が入金されていたが、その資金使途に
 ついて明確な説明が受けられなかったこと等からすると、個人的な領得行為があ
 ったことが疑われる。


(3) 大連帝国は、営業請負制度の下での営業担当者へのインセンティブボーナスの支
 払に係る個人所得税の計算について、解釈の余地がある計算方法を採用してお
 り、所管税務局との間で見解の相違が生じる可能性を完全に否定することはでき
 ず、税務局の採用する見解次第では、2,831 千元の追徴を受ける可能性がある。


(4) 修理子会社は、営業請負制度の下で、架空の取引や架空の従業員への賞与等支払
 を作出しており、かかる架空の費用計上等に起因して、企業所得税等を追加納付
 する必要があり、追加納付が必要な金額は想定し得る最大額で 101,602 千元であ
 る。


(5) 大連帝国は、遅くとも調査対象期間の始期以降において、売上の早期計上を行っ
 ていた。当該早期計上に係る会計処理への影響は軽微である。


(6) 大連帝国は、時間外労働の賃金を、各従業員の退職時において入社時からの分を
 合算して一括精算しており、期間に対応した費用計上、支給をしていなかった。
 そのため、平成 30 年 12 月期の累積額で、約 791 千元の時間外労働に係る賃金が
 未払となっていた。ただし、大連帝国は、当該未払賃金全額を、平成 30 年 12 月
 期に未払給与として計上し、平成 31 年 1 月に対象者に全額を支払済みである。


(7) 大連帝国は、スクラップの売却代金及び各期の税金の還付金からアルバイトの賃
 金を支払っていたが、これに係る処理を簿外で行っており、その過程で個人的な
 領得行為までは確認できていないものの、不明朗な資金の管理を行っていた。


(8) 大連帝国において、不良在庫の簿外処理の疑いがあったが、調査したところで
 は、かかる簿外処理は確認されなかった。なお、未計上だった不良在庫の評価損
 については、大連帝国は平成 30 年 12 月期において会計処理済みである。


                     2
(9) フォレンジックデータの解析により中国の法令に違反する謝礼金の支払を企図し
 ていたことを疑わせる資料が発見されたが、実際に支払がなされたかは確認でき
 なかった。




                   3
第1   調査の経緯及び目的等
 1    本件調査の経緯・目的
      当社は、平成 30 年 8 月に、当社連結子会社であり、当社グループに属する大連帝
     国キャンドモータポンプ有限公司(以下「大連帝国」という。)の子会社である、修理
     子会社(無錫大帝キャンドモータポンプ修理有限公司、済南大帝キャンドモータポン
     プ修理有限公司及び成都大帝キャンドモータポンプ修理有限公司の総称をいう。以下
     同じ。)の取引の一部について疑義があるとの内部通報を受け、平成 30 年 9 月下旬
     から平成 30 年 11 月下旬までの間、対象期間を平成 29 年 1 月から平成 30 年 6 月末
     までとして内部調査を実施した(以下「本件内部調査」という。。その結果、営業
                                 )
     部門を有しない修理子会社に代わり修理子会社と顧客との取引に関する営業活動を
     担当する大連帝国の営業担当者に対するインセンティブボーナスの支払に関し、営
     業請負制度の名の下、架空取引を行っていたことが判明した。
      その後、上記取引以外についても不適切な取引が行われていないかどうか、平成
     26 年度以降の期間を対象として調査を開始したところ、その過程で大連帝国におい
     て、売上の早期計上、過去の時間外労働に対する賃金末払、スクラップ売却代金の
     簿外処理、個人所得税還付金の簿外処理及び不良在庫の簿外処理の行為が行われて
     いる疑義が生じた。
      そこで、当社は、社内調査委員会を設置し、当委員会に以下の調査事項(以下「本
     件調査事項」という。
              )に関する調査(以下「本件調査」という。
                                 )が依頼された。


     (1)大連帝国営業請負制度及び修理子会社営業請負制度に基づく架空の費用計上、架
        空取引等の不適切な取引及び当該取引を利用した個人的な領得の有無、並びに上
        記に係る税務リスク
     (2)売上の早期計上の有無
     (3)時間外労働の賃金未払の有無
     (4)スクラップ売却代金の簿外処理の有無
     (5)税金還付金の簿外処理の有無
     (6)不良在庫の簿外処理の有無
     (7)その他前各号と類似する不正の有無


 2    社内調査委員会の構成
      当委員会の構成は以下のとおりである。
       委員長   中村   嘉治   (当社代表取締役副社長)
       委員    金井美智子     (弁護士   弁護士法人大江橋法律事務所)
       委員    林    晃史   (弁護士   当社社外取締役監査等委員)




                              4
         また、当委員会は下記の者を履行補助者として選任し、本調査の補佐をさせた。
          弁護士法人     大江橋法律事務所
          (弁護士    高槻史、同     松本亮、同       田中宏岳、同     石田明子)
          太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社
          (税理士    下岡郁、公認会計士        早川和秀)
         なお、当委員会は、調査を実施するにあたり、本件調査事項に関わる取引に関与し
        ていない当社の従業員を調査の補助者として起用した。


    3    調査対象期間
         当委員会は、本件内部調査により本件調査事項に関連する事実関係の概要を把握
        した結果、各調査事項の前提となる疑義について、当社執行役員中国事業本部長で
        大連帝国の総経理(担当は中国事業のみであり、同社の日常経営の責任者として中
        国に常駐)兼同社の営業本部長兼修理子会社の執行董事であった A 氏1による関与が
        推認されたため、原則として、同人が総経理に就任した平成 23 年 12 月期から平成
        30 年 12 月期までを調査対象期間とした。ただし、本件調査事項(6)に関しては、事
        柄の性質上、始期が特定しがたく、かつ、終期の状況の確認が重要であるため、平成
        30 年 12 月期を調査対象期とした。


    4    調査の前提及び制限事項
    (1)調査の前提
          本件調査及びその結果は、以下の事項を前提としている。
         ① 当社、大連帝国、修理子会社その他の関係者が当委員会に提出した関係資料(本
            件内部調査において提出された資料を含む。)はすべて真正かつ完全な原本又は
            その正確な写しであること、並びに本件調査及びその結果につき重大な影響を
            生じさせる可能性のある情報の開示が留保された事実が存在しないこと。
         ② 当委員会によるヒアリングに対し、対象者は自身の記憶に基づいて真実を述べ
            ており、本件調査及びその結果につき重大な影響を生じさせる可能性のある虚
            偽が述べられた事実が存在しないこと。
         ③ 当委員会の調査は強制的な調査権に基づくものではなく、関係者の任意の助力

1   大連帝国総経理(平成 23 年 7 月~平成 30 年 11 月)兼当社中国事業本部長(平成 27 年 4 月~平成 29 年 6 月)

兼当社執行役員中国事業本部長(平成 29 年 6 月~平成 30 年 11 月)兼大連帝国営業本部長(平成 28 年 7 月

~平成 30 年 11 月) 無錫大帝キャンドモータポンプ修理有限公司の執行董事(平成 21 年 2 月~平成 30 年 11

月)兼済南大帝キャンドモータポンプ修理有限公司の執行董事(平成 21 年 6 月~平成 30 年 11 月)兼成都大帝

キャンドモータポンプ修理有限公司の執行董事(平成 26 年 1 月~平成 30 年 11 月)であった者。



                                    5
             に基づくものであること。
        ④ 当委員会の調査は本件調査事項に関与した関係者の法的責任の追及を目的とす
             るものではなく、本報告書はそのような目的で使用されることを想定していな
             いこと。


    (2)制限事項
         本件調査事項に係る事実に関し中心的役割を果たしたと考えられる A 氏は、平成 30
        年 12 月末に退職しており、本件調査において、同人に対するインタビューは実施でき
        なかった。また、A 氏以外にも重要なキーパーソン数名は本件内部調査の開始以前に
        既に退職していたことから、当該者への接触、調査協力依頼には一定の困難が伴い、
        当委員会の調査は制限された。


第2      調査内容
    1   本件調査事項(1)について
    (1)大連帝国の営業請負制度に係る税務リスクについて
         大連帝国には、遅くとも平成 18 年ころから、営業請負制度という、大連帝国の営
        業本部が一定の金額の枠内で必要な経費と営業奨励金(営業担当者へのインセンティ
        ブボーナス)を賄う制度が存在した。当該制度においては、以下のとおり、一定期間
        (通常半年)の大連帝国の製品毎の売掛金の既回収額及び回収見込み額に一定比率
        (19%又は 10%2)を乗じた額を販売経費枠として設定し、当該販売経費枠の総額か
        ら、制度上、販売経費として計上できる費目のうち既発生及び発生見込みの経費を控
        除した残額を、営業奨励金として定め、当該営業奨励金を請負者3と呼ばれる営業担当
        者にインセンティブボーナスとして支給していた。


        (図 1)営業奨励金に関するイメージ

         A   既回収及び回収見込み
         売掛金




             主力製品
                     ⇒    ×19%                 D 営業奨励金

                                 B 販売経費枠   ⇒   C   既発生及び
             空調ポ ン   ⇒    ×10%                 発生見込み経費
             プ等

        D 営業奨励金      = A ×一定比率(19%/10%)– C


2主力製品については、19%、空調ポンプ等比較的利益率の低い製品については、10%とされていた。
3 制度上、営業本部長が総経理に書面で申請し承認された営業奨励金の支給対象者をいうとされている
(大連帝国及び台湾帝国ポンプ有限公司の営業担当者が申請され承認される) 。

                                       6
  ここで、営業奨励金は、制度上、税金を控除した手取り額として上記 B 販売経費の
 枠内で算出され、従業員に支給することとされており、大連帝国の董事会にて、原則
 として半期毎に支給総額を承認し、当該承認額の額面の小切手を財務部から営業本部
 に交付していたが、営業担当者への具体的な配分は営業本部に一任されており、事後
 的に年間の支給総額が財務部に報告されていた。
   かかる営業奨励金の支払についての源泉所得税の税率については、営業奨励金が
 税金を控除した手取り額として制度設計されていることから、中国個人所得税法の実
 務上、いわゆる「グロスアップ方式」と呼ばれる、通常の税率表とは異なる税率表に
 基づき源泉税額を計算する方式が採用されるべきとの考え方もあり得るが、大連帝国
 は通常の税率を乗じて源泉所得税を計算していた。
   また、中国では、所得税が月次申告で行われるため、賞与は原則としてその支給月
 の給与に合算し所得税が計算されるが、通達によれば「年間一括賞与」という、年間
 の経営成績及び従業員の年間業績の総合査定に基づき支給される「年一回限りの賞与」
 については、特例に基づき所得税を計算することができることとされていた。大連帝
 国は、調査期間中のすべての営業奨励金について、年間一括賞与の特例を適用してい
 たが、当該営業奨励金については、上半期と下半期に分けて董事会の承認決議をした
 り、あるいは年に 1 回の董事会承認決議の場合でも複数回に分けて、営業本部に対し
 小切手の交付を行ったりしており、個別の営業担当者への支払額及び支払時期は不明
 であるものの、営業本部から営業担当者への営業奨励金の支払は年間複数回行われて
 いた可能性がある。そのため、かかる営業奨励金について、年一回限りの賞与といえ
 るかは解釈の余地がある。なお、このように大連帝国において、全ての期間について
 年間一括賞与の特例を適用したのは、主として大連帝国の財務部が、各人の営業奨励
 金の年間合計額しか営業本部から報告されておらず、具体的な支給時期を把握してい
 なかったことに起因している。
  かかる大連帝国による営業奨励金の税務処理については、いずれも解釈の余地があ
 るものであり、直ちに誤っているとまではいえず、過去の税務調査においても、所管
 税務局からこの点の指摘を受けたことはないが、今後、所管税務局との間で見解の相
 違が生じる可能性は完全には否定できない。仮に所管税務局が、大連帝国の上記税務
 処理に関して追徴を行う場合には、適用法令上、追徴期限が 5 年とされているため、
 平成 26 年度以降の営業奨励金に係る源泉税が対象となり、その税務インパクトは
 2,831 千元である。


(2)大連帝国の営業請負制度に係る不適切な取引及び個人的な領得の有無について
  上記大連帝国の営業請負制度の運用にあたっては、営業担当者個人への配分額が
 営業本部の外からは事後的にしか見えないという問題はあったものの、営業本部は


                   7
 財務部に対し、必要な伝票及びその他の帳票を所定期間内に提出しなければならな
 いことにはなっており、かつ、そのような運用がなされていたため、一定程度の財
 務部等による監視はなされていたと考えられ、営業本部等が架空の費用計上等を用
 いた不適切な取引を行っていることを示す証拠及び当該取引を利用して、関係者が
 個人的な領得を行っていることを示す証拠は発見されなかった。


(3)修理子会社の営業請負制度に係る税務リスクについて
  修理子会社にも営業請負制度は存在しており、同制度は、営業部門を持たない修理
 子会社の営業活動は大連帝国の営業担当者によって実質的に行われることから、大連
 帝国の営業担当者へのインセンティブボーナスを支払う制度として位置づけられて
 いた。すなわち、修理子会社は、同営業請負制度の下、修理子会社が標準価格を超過
 する価格(以下「超過価格」という。)で製品の売却ができた場合の当該超過分の一
 部、目標利益を超過する利益を達成できた場合の当該超過利益分の一部(以下「超過
 利益」という。)を、大連帝国の営業本部及び営業所に簿外で分配していた。そして、
 修理子会社は、当該簿外での分配処理にあたり、架空の取引等を用いた架空の費用計
 上を行っており、これに関して、税金の過少申告等を行っていたことから、今後、税
 金の追加納付の必要がある。また、かかる簿外での分配処理及び架空の費用計上は、
 修理子会社の総経理や A 氏の個人口座を経由しており、当該過程において、少なくと
 も A 氏による個人的な領得行為があったことが疑われる。
  ここで、超過価格及び超過利益の算出にかかる詳細は以下のとおりであり、超過価
 格については、標準価格の超過分の 50%が、超過利益については、税金等控除後の残
 額が、それぞれ大連帝国の営業所及び営業本部に簿外で分配されることとなっていた。


  ア   超過価格
       まず、各修理子会社が、大連帝国の営業本部が決定する「標準価格」を超過した
      金額で、各修理子会社の製品を顧客に販売することができた場合、各修理子会社は、
      その超過した額(売掛金未回収の場合は含まれない。
                             )のうち、35%に相当する金
      額を大連帝国の営業所に支払い、15%に相当する金額を大連帝国の営業本部に支払
      っていた。その後、各営業所及び営業本部にて営業担当者へ営業奨励金の分配を行
      っていた。




                      8
(図 2)超過価格に関するイメージ

              販売価格         → 1100
              標準価格(*1) → 1000         a. 営業所(*2)    35
              超過価格             100    b. 営業本部(*3)   15
                                      c. 自社留保       50
     *1 大連帝国の営業本部が決定する。
     *2 超過価格の 50%×70%で算定される。
     *3 超過価格の 50%×30%で算定される。


イ    超過利益
     次に、上記超過価格以外に、修理子会社の営業利益が一定の利益水準(目標利益)
 を超えた場合、修理子会社は、その超過した部分から税金等を控除した金額(超過
 利益) 請負制度に基づき大連帝国の営業本部及び営業所経由で営業担当者へ分
    も、
 配していた。


 (図 3)超過利益に関するイメージ


           原価・費用
            700
    売上
    1000                             請負分配
            営業利益                 超過利益100
             300     税金等    40
                     目標利益 160




ウ    修理子会社の営業請負制度における資金の流れ及び会計処理
    そして、修理子会社は、上記営業所及び営業本部への配分を簿外で行っており、
当該簿外処理を行うために「現金化」と呼ばれる架空の経費計上等を用いた処理を
行っていた。すなわち、①修理子会社の銀行口座から毎月、修理子会社の総経理の
個人口座に運営仮払金を支払うこと及び実際には支払っていない従業員賞与等の
架空の経費計上を用いる方法、②架空取引により協力会社を通じて、協力会社の手
数料を控除した金額を協力会社の銀行口座から総経理の個人口座に振り込むこと
による方法である。
     具体的には、上記①の方法にあっては、修理子会社は毎月一定金額を運営仮払金
 として総経理の個人口座に振り込み、総経理は、当該資金をもって子会社人員の給


                           9
     与・賞与や通常の旅費交通費等に充てていた。また、修理子会社は毎月一定の金額
     を、製造原価の給与及び賞与(以下「架空給与・賞与」という。)として計上し、
     かつ、その金額を総経理の運営仮払金から費用精算することとしていたが、実際に
     は当該架空給与・賞与は修理子会社の従業員には支払われず、修理子会社の総経理
     にて一部資金留保した後、大連帝国の営業本部及び営業所に一部を支払い、残金を
     A 氏の個人口座に送金していた。
      また、会計処理としては、上記の運営仮払金のうち、総経理が精算した、架空給
     与・賞与は、実際には支払われていないにもかかわらず、各年度の企業所得税の申
     告上、損金に算入していた。また、当該架空・給与賞与の支払に係る個人所得税は
     源泉徴収されていなかった。
      上記②の方法にあっては、修理子会社は、第三者である協力会社との間で架空取
     引を作出し、以下の労務費及び部品・消耗費として架空の費用を計上して修理子会
     社の総経理の個人口座に現金を集約し、この一部を、営業請負制度に基づき、大連
     帝国の営業本部及び営業所への分配に充て、さらに残金を A 氏の個人口座に送金
     していた。


       【労務費】
        修理子会社は、第三者の人材派遣会社と人材派遣契約を締結し、当該人材派
       遣会社に人件費を支払う形式をとっているが、実際には人員の派遣を受けてお
       らず、修理子会社から人材派遣会社に支払った人件費から、人材派遣会社の現
       金化協力の手数料を差し引いた金額を総経理の個人口座に振り込ませることに
       より、現金を取得し、これを原資として営業請負制度に基づく大連帝国の営業
       本部及び営業所への分配に充てていた。
        会計処理としては、人材派遣会社に支払った費用は、製造原価として、平成
       30 年度の企業所得税4の予定納税申告上、損金に算入した。また、当該支払に係
       る増値税5の仕入税額控除を受けていた。




4 企業所得税は、法人の課税所得に対して課税される税金であり、日本の法人税に相当する。中国の企業
所得税率は 25%である。
5 増値税は、中国国内における物品の販売・役務、貨物の輸入等に対して課税される税金であり、日本の消

費税に相当する。中国の増値税率は物品の販売の場合 17%(平成 30 年 5 月以降 16%に引き下げ)、役務の
提供の場合 6%となっている。なお、中国の増値税は、厳格なインボイス制を採用しており、増値税の納税
義務者は所轄税務機関から「増値税専用発票(インボイス)」の用紙を購入し、同税務機関から取得した増値
税偽造防止税金統制システム(増値税防偽税控系統)により、同専用発票を発行する。また、増値税を支払
った者は、仕入税額控除を受ける際に、仕入先から発行された「増値税専用発票」受領し、所轄税務署の認
証を受けて初めて仕入税額控除が可能となる仕組みが整備されている。


                           10
    【部品・消耗品】
     修理子会社は、第三者の仕入先と部品・消耗品の購入契約を締結し、当該仕
    入先に部品・消耗品の購入代金を支払う形式をとっているが、実際には主な部
    品はすべて大連帝国及び指定の仕入先から購入し、それ以外の仕入先からは部
    品を購入しておらず、修理子会社から仕入先に支払った代金から、仕入先の現
    金化協力の手数料を差し引いた金額を総経理の個人口座に振り込ませることに
    より、現金を取得し、これを原資として営業請負制度に基づく大連帝国の営業
    本部及び営業所への分配に充てていた。
     会計処理としては、上記架空の仕入代金は、製造原価として(材料費)、各年
    度の企業所得税の申告及び平成 30 年度の予定納税申告上、損金に算入してい
    た。また、仕入先から増値税専用発票を取得しているため、当該支払に係る増
    値税の仕入税額控除を受けていた。


     かかる簿外処理に関する金員の流れのイメージは、以下のとおりである。



                      修理子会       営業所長
                      社総経理       個人口座        営業担当者

   修理子会社              個人口座
              協
              力
              会                  営業本部長       営業担当者
              社                  個人口座




             現金化
                      A氏
                      個人口座




  このような、各修理子会社による取引実体の伴わない人材派遣費用や原材料費等を
 用いた、営業奨励金支払に係る簿外処理については、増値税、企業所得税、個人所得
 税等を追加納付する必要が生じ、その税務インパクトは、想定し得る最大金額を見積
 もって、101,602 千元である。


(4)修理子会社の営業請負制度に係る不適切な取引及び個人的な領得の有無について
  また、上記の修理子会社の営業請負制度の下での資金の流れについては、A 氏の個
 人口座への入金が生じており、その合計額は、平成 28 年、平成 29 年、平成 30 年の 3
 年間で 856 万 2772.03 元に上る。本件調査においては、既に退職済みの A 氏に対する


                       11
    インタビューは実施できず、かつ、本件調査に先立つ本件内部調査において、この資
    金の使途について、A 氏にインタビューしているものの合理的な説明は受けられなか
    った。そのため、資金使途は不明と言わざるを得ないが、他方で、A 氏において大連
    帝国又は修理子会社の諸費用の支払に充てたことを合理的に説明できない以上、使途
    不明となっている金額の多さ等からして、少なくとも一部は A 氏により個人的に領
    得されたものと疑わざるを得ない。


2    本件調査事項(2)について
     大連帝国は、一部の製品について、未だ顧客への売却を行っておらず、運送会社
    の倉庫で保管中であるにもかかわらず、帳簿上、売上として計上していた。もっと
    も、かかる売上の早期計上は、大連帝国が使用していた管理システム及び担当者の
    不知に起因するものであり、何らかの不法な意図があったとまでは確認できなかっ
    た。
     すなわち、大連帝国では、顧客への引渡期限が近い製品等一部の製品につき、大
    連帝国の工場内には製品を保管する十分なスペースがなかったこともあり、運送会
    社の倉庫で保管することとしていた。また、大連帝国は、受注・生産・出荷につい
    て、ERP システムと呼ばれる管理システムを使用しており、受注があった段階で、
    どの顧客に対していつ引渡をするのかが ERP システムに入力され、納期に間に合う
    ように製品が生産され、製品が完成すれば ERP システムにその情報が反映されてい
    た。しかしながら、このシステムでは、工場から出荷された製品が、運送会社の倉
    庫で保管されているのか、顧客に引渡しがなされたのかは入力することはできず、
    ERP システムに工場からの出荷情報を入力した段階で出荷伝票が作成され、財務部
    に回ることとなり、出荷伝票を受領した財務部は、工場から出荷された製品が、運
    送会社の倉庫にあるのか顧客に引渡されたのかを確認することはなく、出荷伝票を
    もって売上として計上していた。
     かかる売上の早期計上については、インタビューによっても、意図的な早期計上
    を思わせる事情は確認できず、かつ、当社が大連帝国の月次売上推移を確認したと
    ころでも、意図的な売上の早期計上を推察される事象は確認できなかった。また、
    営業担当者の評価が、売上ではなく、回収金額に基づいている点からも、かかる早
    期計上は、担当者のシステム運用上の不知に起因するものであるといえる。
     この売上の早期計上による当社の連結財務諸表への影響は、当社連結財務諸表上
    の売上高について 1%未満の変動をもたらすものに過ぎず、その会計面での影響額
    は、軽微である。


3    本件調査事項(3)について
     大連帝国では、従前より、時間外労働の賃金を各従業員の入社の時点から累積計


                       12
    算をして管理をし、退職時に一括精算していたところ、期間に対応した費用計上は
    していなかった。
     当該方法により誤りが生じていた金額は、平成 30 年 12 月期時点での累積額で、約
    791 千元であったが、その原因は担当者の知識不足、法令等を十分確認せずに前任
    者の処理を踏襲していたこと等にあり、管理上の不備ではあるものの、関係者にお
    いて、他の不法な意図が存在することを示す証拠は発見されなかった。なお、大連帝
    国は、当該未払賃金全額を、平成 30 年 12 月期に未払給与として計上し、平成 31 年 1
    月に対象者に全額を支払済みである。


4    本件調査事項(4)及び(5)について
     大連帝国は、生産の過程で生じた鉄くずやステンレス等のスクラップを売却して
    いたが、そのスクラップの売却代金を簿外処理して金庫にて管理し、随時アルバイ
    ト代等の支払に充てていた。また、各期の税金の還付金についても簿外で管理し、ア
    ルバイト代等の支払に充てていた。これらは、便宜上の理由に基づく処理で、スクラ
    ップの売却代金やアルバイト代のような小口の支払をする際にまで帳簿上で処理す
    るのが面倒であると考えられていたことが原因と認められた。
     調査の結果、当該処理は金庫の現金及びノートの管理をしていた者の独断又は個
    人的領得を目的として実施されていたものではないと考えられるものの、このよう
    な問題が生じた原因は、本来帳簿上で処理をしなければならない費用であるとの認
    識が大連帝国全体になく、大連帝国全体のコンプライアンス意識の欠如にあると考
    える。


5    本件調査事項(6)について
     不良在庫の簿外処理の疑いがあり、調査したが、結果的にかかる事実は確認され
    なかった。なお、大連帝国は、未計上だった不良在庫の評価損については、平成 30 年
    12 月期において会計処理済みである。


6    本件調査事項(7)について
     本件調査事項に類似する事実の発見のため、フォレンジックデータを解析したとこ
    ろ、大連帝国では、①コミッションと呼ばれる歩合給の支払制度を利用して、取引先の
    担当者へ謝礼を支払う計画を立てていたことをうかがわせる資料、②元従業員との訴
    訟で得た和解金を原資に、訴訟の関係者へ謝礼を支払う計画を立てていたことをうか
    がわせる資料が、それぞれ発見された。
     中国では、不正の利益を得るために公務員に対して金銭等の利益供与を行うことは
    贈賄罪として禁止されており、民間企業同士の取引に関しても、取引先の従業員個人等
    に経済的利益を供与して取引の機会を得ることは、適法な会社間の合意による売上割


                          13
        戻等に該当しない限り、中国刑法第 164 条及び反不正当競争法第 7 条により禁止され
        ている。
         上記のような資料が作成されている時点で、コンプライアンス意識の低さが表れて
        いるともいえるが、調査の結果、これらの支払が実際に行われたかは確認できなかった。


    7    発見事項に係る当社連結財務諸表への影響について
         本件調査における発見事項が当社の連結財務諸表に与える影響は、別紙のとおりで
        ある。なお、本件調査の調査対象期間の始期は大連帝国の平成 23 年 12 月期であるが、
        当社財務報告に係る内部統制運用規定にならって、金額的質的重要性を考慮し、連結財
        務諸表の訂正は、当社の平成 26 年 3 月期から平成 31 年 3 月期にて行い、それ以前の
        期間の発見事項が当社の平成 24 年 3 月期及び平成 25 年 3 月期の連結財務諸表に与え
        る影響は、当社の平成 26 年 3 月期の連結財務諸表の期首に反映させている。


第3       原因分析及び再発防止
    1    原因分析
         本件調査による発見事項については、大連帝国の営業本部がブラックボックス化
        し、中国事業については社内でもごく限られた範囲に情報、権限が集中していった
        ため、当社はもとより、大連帝国社内においても、営業本部や A 氏の行為について
        詳細を関知できず、口出しもしづらくなったという事情が大きく寄与しているもの
        と思料された。
         とりわけ、大連帝国では遅くとも平成 18 年ころから営業請負制度が開始され、同
        制度そのものが営業本部をブラックボックス化し、制度的構造的に社内の牽制機能
        が効きにくいという素地をもたらすものであったうえ、中国事業についての権限が
        特定の A 氏及び B 氏6に集中し、また当社側からの管理監督責任者も固定された状
        況が長く続いたことが、大きな原因と思料された。


    2    既に実施済みの再発防止策
         当社は、再発防止のためには、営業請負制度そのものの廃止が必須であると考え
        られたことから平成 30 年 12 月 31 日をもって大連帝国及び修理子会社の営業請負制
        度を廃止した。
         また、当社は、平成 30 年 11 月 9 日をもって、当社の中国事業本部を廃止してお
        り、大連帝国は当社営業本部に帰属する組織とし、大連帝国及び修理子会社は、当社
        営業本部長が管理責任者として統括している。



6   大連帝国董事長(平成 16 年 2 月~平成 30 年 11 月)兼当社代表取締役社長(平成 19 年 1 月~平成 30 年 12

月)兼当社中国事業本部長(平成 16 年 1 月~平成 18 年 9 月、平成 22 年 1 月~平成 27 年 3 月)であった者。

                                   14
     さらに、修理子会社については会社清算を行い、アフターサービス拠点としては
    無錫及び成都に大連帝国の支店の形式により修理工場を新たに開設することを予定
    しており、現在の修理工場拠点については営業本部の管理下から生産本部の管理下
    に組織変更を行った。
     そして、大連帝国は、売上の早期計上を未然に防止するため、運送会社での製品保
    管をやめ、出荷時期に関するルールを定めるとともに、未払の残業代を精算し、不明
    朗な資金管理の原因となる簿外の金員管理も禁止した。
     なお、A 氏については、平成 30 年 12 月 31 日付けで当社を退社し、当社及び各グ
    ループ会社のいずれの役職にもついていない。また、B 氏についても、平成 30 年 11
    月でもって大連帝国の董事長を辞任し、平成 30 年 12 月末日をもって当社代表取締
    役を辞任している。


3    本件調査結果の分析に基づく再発防止策
(1)経営陣の意識改革
     上記のとおり、当社は、既に営業請負制度の廃止、中国事業本部の廃止と大連帝国
    の所属・管理部門の変更、修理子会社についての清算・組織変更方針の決定等を実施
    しており、これらの施策はいずれも根本的な制度改革であり、再発防止のための大き
    な効果をもたらし得ると評価できる。
     しかしながら、制度を整備するだけでは不正を防止できないことはいうまでもなく、
    経営陣においては、特定の事業を聖域化せず、制度改革が実効性を保ち得るよう、コ
    ンプライアンス意識の徹底、意識改革が求められる。


(2)権限集中の排除
     既に退職している A 氏への権限集中は今後起こり得ないが、特定人に過度に権限を
    集中していったが故に、監視されるべき部門・会社と監視機能を実行すべき役職者が
    兼任・固定化され、ブラックボックス化していった経緯が認められる以上、今後の新
    体制においても、過度の権限集中・固定化をせず、定期的な人事異動、人材交流等を
    内容とする、相互牽制・監視システムが実効性を保つ人材配置を徹底することが極め
    て重要である。


(3)各部門間の連携・監督
     親会社等が監督するとはいえ、海外子会社における日常業務の全てを親会社が適時
    に把握することには限界がある。この点、例えば、大連帝国における営業請負制度に
    おいては、同社の財務部は営業本部へ営業奨励金相当の小切手を交付した後は、それ
    がどのように各営業担当者に配分されるのか、事前に把握できていなかった。ある部
    門がブラックボックス化することを防止するには、特定個人への権限集中・固定化を


                         15
     防止することはもとより、海外子会社内において透明性を確保し、各部門間での連携・
     監督が行えるような組織体制の構築が求められる。


 (4)各海外子会社におけるコンプライアンス責任者の活動支援
      本件調査事項に関する多くは、海外子会社における法律の不知や簿外処理等会計
     処理に対する認識の甘さ等コンプライアンス意識の低さに起因しているものと思料
     される。当社における子会社管理という観点からは、関係部署及び諸外国所在の子
     会社の役員として出向させる従業員に対し、各国特有の法的問題点に関する研修を
     実施し、具体的に留意すべきコンプライアンス上の問題点を認識させる体制を整え
     ることを積極的に検討すべきである。
      また、海外子会社の役職員、現地従業員のコンプライアンス意識は、当地の商業
     上の習慣、文化的背景もあり、1 人の責任者の孤軍奮闘によって短期間に改善できる
     ものではないことを十分に認識し、当社内にも、諸外国所在の子会社のコンプライ
     アンス管理担当者を配置し、各海外子会社におけるコンプライアンス責任者の活動
     を支援する体制をとることも検討すべきである。


 (5)内部通報制度の充実
      当社は、内部通報制度を設け、役職員が、社内においてコンプライアンス違反行為
     が行われ、又は行われようとしていることに気がついたときは、常勤監査等委員又は
     社外弁護士に通報しなければならないと定め、大連帝国を含むグループ各社の役職員
     も通報することができる制度とされおり、大連帝国以外の海外現地法人は、当該会社
     に適用される内部通報制度・規定を策定している。大連帝国では社内慣行として、意
     見・不満等があれば、総務部、労働組合経由で大連帝国の総務部長に連絡が届くよう
     になっていたものの、大連帝国及び修理子会社に適用される書面での内部通報制度・
     規定は作成されていなかったことは事実である。
      本件調査において、従業員のなかには、A 氏が個人的に経済的利益を取得していた
     事実に接したと述べる者もいた。海外子会社における不正発見の端緒として、従業員
     の意見を吸い上げる内部通報制度を充実させる必要がある。


第4   結語
     当社では、グループ内海外子会社の経営については、業務内容の定期的な報告と重要
     案件についての事前協議を行うものとしてきたが、基本的には各社の自主性を尊重し
     てきた。グローバル化社会において、異なる文化、商慣習、法律等の下で事業を行うに
     は、国内親会社の固定観念にとらわれず、現地に根差した活動を行う、各海外子会社の
     意見を尊重して事業展開することこそが、当社の企業価値の向上ひいては事業展開を
     とおしたグローバルレベルでの社会貢献につながると考えられたことによる。


                         16
しかしながら、いうまでもなく、自主性と放任とは異なる。当時は経営の合理化、海
外事業の最適化を目指す目的の下のことではあったものの、海外子会社の独自性、意見
尊重の名の下、ある部門がブラックボックス化し、あるいは、監督不十分により当然守
られるべき法令の不遵守が継続して生じてしまったことは事実として否定できず、こ
れが本件調査事項全体に通じる背景事情であり、当社として慚愧の念に堪えない。さら
に、本件調査の過程で、ガバナンス全般を含む、より根本的な改革に取り組む必要性も
明らかになった。
 幸いにして、不正の発覚後は、経営トップが先頭に立ち修理子会社の清算計画を含め、
抜本的な組織体制の変更についても迅速に対応しており、自ら変革していく力はまだ
残されている。
 当社グループは、
        「みんなで良くなろう」
                  「誠実に事に当たろう」
                            「積極的にやろう」
の社是のもと、企業が社会の一員であることを深く認識し、的確かつタイムリー、スピ
ーディーに応える事業活動を通じて、広く社会の進歩に貢献することを企業活動の基
本としている。「みんなで良くなる」「誠実に事にあたる」ということの重要性を今一
                、
度当社グループの全役職員の共通認識として醸成することが、コンプライアンス意識
の向上の第一歩であり、再発防止策の項で述べた諸施策に全社員で真摯に取り組むこ
とが信頼回復へ向けた当社の責任であると考える。


                                    以上




                 17
                                                                      別紙
訂正概算
                                                      単位:千円
   期間            項目     訂正前              訂正後            影響額
                売上高     19,791,678       19,721,248       -70,430
                営業利益     1,619,023        1,533,279       -85,743
   第110期
                経常利益     2,173,731        2,087,987       -85,743
(平成26年3月期)
               当期純利益     1,396,129        1,275,483      -120,646
    通期
                純資産     17,848,244       17,447,947      -400,296
                総資産     25,327,813       25,106,956      -220,857
   期間            項目     訂正前              訂正後            影響額
                売上高     22,083,271       22,267,557       184,285
                営業利益     2,453,870        2,470,805        16,934
   第111期
                経常利益     3,030,492        3,047,427        16,934
(平成27年3月期)
               当期純利益     1,993,350        1,936,191       -57,159
    通期
                純資産     23,218,828       22,708,775      -510,052
                総資産     31,192,516       31,040,858      -151,658
   期間            項目     訂正前              訂正後            影響額
                売上高     20,411,128       20,455,756        44,627
                営業利益     2,140,059        2,142,485         2,426
   第112期        経常利益     2,004,257        2,006,684         2,426
(平成28年3月期)   親会社株主に帰属
                             1,400,556    1,334,150        -66,406
    通期        する当期純利益
                純資産     23,910,791       23,365,061       -545,729
                総資産     31,148,121       31,045,179       -102,941
   期間            項目     訂正前              訂正後             影響額
                売上高     19,277,680       19,311,812         34,131
                営業利益     1,712,463        1,666,533        -45,929
   第113期        経常利益     1,774,247        1,728,317        -45,929
(平成29年3月期)   親会社株主に帰属
                             1,251,753    1,159,225        -92,528
    通期        する当期純利益
                純資産     24,786,915       24,198,787       -588,127
                総資産     33,037,208       32,960,064        -77,144
   期間            項目     訂正前              訂正後             影響額
                売上高     20,792,262       20,789,424         -2,837
                営業利益     2,336,985        2,300,531        -36,454
   第114期        経常利益     2,377,903        2,341,448        -36,454
(平成30年3月期)   親会社株主に帰属
                             1,581,000    1,496,411        -84,588
    通期        する当期純利益
                純資産     25,515,155       24,816,513       -698,641
                総資産     33,308,710       33,227,781        -80,929
   期間            項目     訂正前              訂正後             影響額
                売上高      5,077,627        5,086,122          8,495
                営業利益       608,564          604,650         -3,913
   第115期        経常利益       692,130          688,216         -3,913
(平成31年3月期)   親会社株主に帰属
                              439,746       426,770        -12,976
  第1四半期      する四半期純利益
                純資産     25,364,177       24,670,437       -693,739
                総資産     32,816,110       32,832,291         16,180
   期間            項目     訂正前              訂正後             影響額
                売上高     10,580,339       10,566,254        -14,084
                営業利益     1,286,719        1,265,950        -20,768
   第115期        経常利益     1,432,871        1,412,102        -20,768
(平成31年3月期)   親会社株主に帰属
                              954,370       905,629        -48,740
  第2四半期      する四半期純利益
                純資産     25,940,107       25,222,037       -718,069
                総資産     33,673,524       33,680,720          7,196
   期間            項目     訂正前              訂正後             影響額
                売上高                                        -69,729
                営業利益                                      -474,437
   第115期        経常利益                                      -472,144
(平成31年3月期)   親会社株主に帰属
                                                          -892,740
  第3四半期      する四半期純利益
                純資産                                      -1,556,051
                総資産                                          87,248



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