6331 菱化工機 2019-05-31 17:30:00
中期経営計画(2019年度~2021年度)に関するお知らせ [pdf]

                                                2019 年 5 月 31 日
各     位
                             上場会社名        三菱化工機株式会社

                             代表者          取締役社長 髙木 紀一

                             (コード番号     6331)

                             問合せ先責任者      企画部長 齋藤 雅彦

                             (TEL     044-333-5354)


           中期経営計画(2019 年度~2021 年度)に関するお知らせ


    当社は、本日開催の取締役会において、中期経営計画(2019 年度~2021 年度)について決議
いたしましたので、別紙のとおりお知らせいたします。


                                                           以上
   中期経営計画 2019年度~2021年度


       『挑戦と躍進』
Realize the   “ABC” for the Future

               2019年5月31日
社長メッセージ
現在、私たちの社会は、地球温暖化、海洋汚染などをはじめとする環境問題、それと対峙する
エネルギー源の確保、水などの資源保全など、世界的規模での様々な重要課題に直面しており、
私ども三菱化工機は、持続可能な社会の実現を目指し、これら課題解決への絶え間ない挑戦により
社会へ貢献することが求められております。

この様な時代の中で、当社は、これまで培ってきた「固体・液体・気体の分離」のコア技術、経験、
ノウハウを駆使し、新製品・新技術の開発と改良により、プラントエンジニアリング、環境保護、
化学工業機械 、船舶用機器などの分野で、社会のニーズにお応えして参りました。
今後も、常に新しい事業分野に積極的にチャレンジし、お客様のご要望にお応えできる製品・技術・
サービスの提供を目指していかなければなりません。                                                    三菱化工機株式会社
                                                                            取締役社長 髙木 紀一

また、世界が2016年から2030年までに達成を目指す、17分野の環境や開発に関する国際目標(SDGs)において
特に「再生可能エネルギーの利用」「持続可能な産業化・技術革新の促進」「海洋資源の保全」などの目標分野では、
当社の果たすべき役割は大きく、脱炭素イノベーションによる環境にやさしい水素、再生可能エネルギーなどのクリーン
エネルギーの供給やCO2削減、除去など環境保護のための新しいクリーン化技術、船舶環境規制対応機器などの
開発は、次世代のために継続して取組むべき重要課題と捉えております。

当社は創業以来、製造業として培ってきた 「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理」、また国内外での
多くの建設工事の実績により蓄積された「エンジニアリング技術とノウハウ」を基盤として、これら必要とされる新しい
技術の開発、新規事業分野へ果敢に挑戦し更なる躍進を図る決意です。

今般、新たな中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定致しました。
『挑戦と躍進』の更なる実現を掲げRealize the “ABC”(=Action of Breakthrough & Challenge for the Future)活動 を
全社的に展開するとともに、成長への盤石な経営基盤を構築する事で、企業価値の向上を図り、全てのステーク
ホルダーの皆様に安心される企業を目指し、本計画の達成に全力で取り組んで参ります。
                                                                                            1
中期経営計画目次



I.   前中計 (2016年度~2018年度) の振り返り


II. 新中計概要 (2019年度~2021年度)


補足:三菱化工機のご紹介




                                 2
事業環境の変化 (2016年度~2018年度)

事業分野             事業環境の変化              想定した事業環境
        •   海外ケミカル市場はターゲットとする     日系エネルギー関連企業はアジア
プラント        案件が想定より減少              での事業機会を求め海外進出を加速
        •   国内ケミカル市場は価格競争激化
                                  水素・燃料電池戦略ロードマップに
        •   想定より水素市場が停滞
                                   即した、水素需要量の増加と水素社会
 水素     •   水素ステーション建設は競合他社の参入     実現に向けた取組みが進展
            増加により競争激化
                                  温室効果ガスの抑制に伴い、
        •   市場成長を見込んでいた新エネルギー      再生可能エネルギー需要が増加
エネルギー
            分野は期待する規模に至らず
                                  下水関連市場のサービス高度化に
        •   下水関連市場は漸減傾向            よる設備投資が増加
 環境     •   バイオガスは需要が継続、想定から
            市況変化なし                バイオガス市場は伸長

        •   国内ケミカル市場は緩やかに伸長       国内発電関連市場の伸長を期待
産業機械
        •   発電プラント各社の設備投資動向は停滞    造船市場は低迷が続く
        •   造船市場は想定から変化なく低迷続く     海洋環境規制の批准が進み、
 SJ     •   船舶環境規制市場の想定した立ち上がり     船舶関連市場が拡大
            時期に遅れ
                                                     3
 前中計の骨子と評価


                                  前中計の骨子                    評価


                             1. 次世代技術・分野への挑戦と積極投資           ○
       次世代成長                 2. 海外市場開拓と売上の拡大                ○
      分野への投資                 3. 成長に向けたアライアンスの推進             △
                             4. 機構改革によるエネルギー事業分野の推進         ○


                             1. 差別化の促進による既存事業の競争力アップと市場開拓   ◎
       将来への
                             2. グループ組織再編による組織力強化と収益力向上      ○
      経営基盤確立
                             3. 再構築事業の見直しによる採算性の向上          ◎




* ◎:実施済、成果創出中 ○:実施済、成果創出は今後 △ :実施済も、成果なし
                                                                 4
前中計期間の業績推移 売上高/営業利益【連結】

   【連結】計画と足許の業績推移 売上高                業績推移コメント
単位:億円
        計画
             実績           中期経営計画は、売上・営業利益ともに未達

                          【2016年度】
                          • 売上高は、受注残の減少に加え、主に海外大型
                            プラント案件の不調により計画未達
                          • 営業利益は、売上高の減少はあったものの採算性
                            の改善により、ほぼ計画通り
                          【2017年度】
                  前中計期間
                          • 水素市場、船舶環境規制市場の立ち上がり遅れ、
   【連結】計画と足許の業績推移 営業利益      期待案件の延期・逸注等による受注減少により
単位:億円
                            売上高は計画未達。前期比でも減少
                          • 営業利益は、売上高の大幅未達、売上総利益の
                            減少により、計画未達
        計画 実績
                          【2018年度】
                          • 売上高はプラント、水素・エネルギー及び船舶環境
                            規制対応機器を主因として計画未達
                          • 売上高の未達、既設製品の不具合対策による
                            売上原価率の上昇等があり、営業利益は大幅未達

                  前中計期間

                                                      5
前中計の総括



       外部環境悪化と経営課題顕在化による計画大幅未達
       •   各市場、特に成長分野とした水素、船舶環境規制の市場立ち上がりの遅れ等、
           外部環境が悪化
 当社の
       •   外部環境の悪化に対して、抜本策の遅れ等、経営課題が存在
  状況
       •   全社ベースでは黒字を維持したものの、中計二~三年目は計画値に大幅未達
       •   一方、足許では競合エンジ各社において、海外大型工事の突然の採算悪化等、
           不安定な業界特有のリスクが顕在化




        安定した収益基盤の獲得を図り、事業構造改革等を骨子として「地に足着いた」
 今後の     新中計の立案と着実な実行が必須
 方向性    前中計にて策定した企業ビジョンについては、新中計期間の最終年度の実績を
         踏まえて見直し、改めて策定する予定



                                                 6
中期経営計画目次



I.   前中計 (2016年度~2018年度) の振り返り


II. 新中計概要 (2019年度~2021年度)


補足:三菱化工機のご紹介




                                 7
現在及び今後の外部環境の認識
•   新中計期間の外部環境シナリオを保守的に想定

    事業分野               現在及び今後の外部環境


    プラント    (ケミカル)投資動向は緩やかに伸びるものの、価格競争の激化が進行


            (水素市場)今後の動きは未だ不透明
     水素
            (工業用水素)需要は伸長するも半導体関連に依存、堅調な需要増は期待薄


    エネルギー   (エネルギー)投資動向は今後もほぼ横ばい


            (下水関連)漸減傾向が止まり、ほぼ横ばいが継続
     環境
            (バイオガス)継続的な市場拡大、案件創出の方向性はあるが不透明

            (ケミカル)緩やかに伸長するも、当社ターゲットにおいては限定的
    産業機械    (医薬・食品、電力・エネルギー)市場は横ばい
            (電子材料)伸びが期待できる

            (造船全体)不況により漸減傾向継続
     SJ
            (船舶環境規制対応機器)市場の拡大が見込まれる
                                                 8
新中計の骨子

                成長への盤石な経営基盤の構築
      営業力・技術力・収益力の強化で、市場環境の変化に即応し営業利益を確保


1                  1. リスクの大きな事業を抑え、安定的な利益を確保できる
     差別化技術を持つ         ビジネスモデルへ転換
     成長事業中心の       2. 市場環境の変化に即応したリソースの機動的配置による
     企業体への変革          事業構造の改革
                   3. 新たな重点開発領域の発掘と挑戦
2
                   1. 売上規模拡大に偏重せず、獲得利益を基に受注・事業・
     利益指標を最重視し、       経営判断を実施することを徹底
    安定的高収益体制の構築    2. 営業利益率に加えROEの目標値を導入、
                      資本効率の向上で市場評価を高める

3
                   1. 本体と子会社との事業連携を強化し、グループでの効果的
    グループ経営促進による       なバリューチェーンを構築
     連結収益力の向上
                   2. 本体と子会社との連携強化によるリソースの有効活用


                                                   9
新中計の骨子 次世代成長分野への投資

•   前中計から継続し、クリーンエネルギー関連・バイオガス利活用・船舶環境規制の3領域に
    次世代成長分野として投資



                      重点開発領域

クリーンエネルギー関連領域         バイオガス利活用領域                 船舶環境規制領域




高性能小型オンサイト水素製造装置   下水バイオガス原料による水素等創エネ技術       NOx TierⅢ対応 EGR用排水処理装置
     (HyGeia-A)と   (国交省B-DASHプロジェクト唐津市実証設備)            (ONZシリーズ)と
    水素ステーション                                  SOx排出規制対応排ガス洗浄システム
                                                   (三菱SOxスクラバー)



                                                                   10
全社の基本方針

•   成長への盤石な経営基盤の構築に向けて、競争力の強化、新製品開発・販売の強化、顧客との
    関係強化・拡大を全社の基本方針とする

                1. 差別化技術の深化・創出
                2. 全ての製品でコストダウンを推進
     競争力の強化     3. 製品品質の向上で品質コストを削減
                4. 見積設計費の削減と見積作業効率化の推進
                5. 業務効率化、無駄の排除による管理費用の削減


                1. 新規開発テーマの探索強化と開発期間の短縮
     新製品開発・
                2. 開発テーマの進捗フォローを徹底、開発継続・中止の厳格化
     販売の強化
                3. 新製品市場投入後の販売徹底フォロー



                1. 経営・営業・技術一丸となった活動で顧客との関係強化
      顧客との      2. セグメント間のコラボレーションによる新規顧客開拓の推進
     関係強化・拡大    3. 納入後の顧客ケア(AS活動)の徹底による強い信頼関係の構築
                4. MKKグループ一体となったトータルサービスの提供

                                                   11
  数値計画 売上高・営業利益【連結】
  •   収益体質を改善し、営業利益率5%以上、ROE7%以上を目指す


                        売上高・営業利益計画
 単位:億円




営業利益額       11.0      15.0       20.0     26.0
(営業利益率)    (2.9%)    (3.3%)     (4.3%)   (5.0%)
エンジニアリング     -2.5      4.5        7.5     10.0
(営業利益率)    (-1.1%)   (1.4%)     (2.4%)   (2.9%)
単体機械        13.5      10.5       12.5     16.0
(営業利益率)    (9.2%)    (7.5%)     (8.3%)   (9.4%)
ROE         5.0%     5.0%         →      7.5%
                                                  12
新中計期間のポートフォリオ
•    海外プラント・国内プラントの事業リスクを抑え、環境・SJでの成長を目指す


               主要セグメントの売上高成長率と増加額 (2019年度から2021年度)
  売上高
年平均成長率
    高い

                                 Asia




                            H2    Energy




                     KPEC




    低い

         小さい                               売上高増加額    大きい

                                                           13
  新中計期間の営業利益増減の内訳 【連結】

  •   MKK単体の単体機械事業を中心として利益改善を図る


                                                 主にKPEC*、
                                               MKK Asiaの売上増

                                 主に船舶環境規制
                                 対応機器の売上増
18年度に発生した既設製品の
不具合に関わる一過性の損失
 計画初年度は足許の受注         限界利益率の良い製品・
動向を基に底堅い目標を設定         事業の売上・利益増
                                                           +15.0




                                                  (5.0%)


                        (3.3%)
      (2.9%)




                       中計1年目           MKK単体     中計3年目

  *化工機プラント環境エンジの略称
                                                              14
株主還元【連結】
• 成長と基盤整備により利益拡大を図り、常に50円以上の安定配当の実現を目指す
  (原則として30%以上の配当性向を目指す)




配当総額     3.95億円   3.95億円    4.74億円   6.32億円
配当性向     35.4%     34.2%    30.8%     33.1%



                                              15
中期経営計画目次



I.   前中計 (2016年度~2018年度) の振り返り


II. 新中計概要 (2019年度~2021年度)


補足:三菱化工機のご紹介




                                 16
三菱化工機のご紹介

             エンジニアリング事業
                                        単体機械事業
    プラント事業                環境事業




当社は、プラント・環境設備の建設・エンジニアリングと、各種単体機械の製作を軸に事業を展開して
おります。 製造機能を持ったエンジニアリング企業として、都市ガス、石油、水素、電力、化学、医薬、食品、
半導体、バイオ、大気汚染防止、水処理、新エネルギーなど様々な分野で求められる機械・設備を
製作・建設し、産業社会の発展を力強く後押ししております。




                                                  17
製品紹介 エンジニアリング事業 プラント事業
 HyGeia-A(ハイジェイア-A)          MKK川崎水素ステーション         超低温合成反応装置
  小型オンサイト水素製造装置




 Hy-Regulus(ハイレグラス)          液ガス熱調設備               LNG気化器
  水素ステーション充填パッケージ                                     (中間熱媒体式:OG-TRI-EX)




                   LNG(液化天然ガス)サテライト設備          SNG(代替天然ガス)製造装置




                                                                           18
製品紹介 エンジニアリング事業 環境事業
 高効率熱可溶化消化装置                無動力消化槽                 生物脱臭プロセス(充填式生物脱臭法)




 超高速沈殿装置                    膜分離活性汚泥法               バイオガスシステム




        超微細気泡散気装置(FlexAirTM MiniPanel)    消化槽の熱回収(ヒートポンプ)




                                                                           19
製品紹介 単体機械事業
 三菱ハイブリッド SOx スクラバーシステム      三菱除塵装置(スクリーン)           三菱セルフジェクタ SJ-Hシリーズ




      三菱ドラムフィルタ            NOx TierⅢ対応 EGR用排水処理装置    三菱-KM GMP対応横型
                             (ONZシリーズ)                  ピーラー遠心分離機(HZ-PhII)




               三菱ダイナフィルタ(DyF152シリーズ)       三菱ダイナフィルタ(DyF312シリーズ)




                                                                             20
主要施設一覧
国内拠点                                             海外拠点




    本社
    支社・支店
    営業所                                                アムステルダム
    工場                                                 Amstelveen
                                                                                       上海
    海外事務所                                                                                          日本
                                                                                     Shanghai
    連結子会社                                                                                          Head Office
                                                                               バンコク
    非連結子会社                                                                                台湾
                                                                               Bangkok
                                                                                          Taiwan
                                                                       マレーシア
                                                                       Malaysia
                                                                                     インドネシア
                                                                                     Indonesia




         本社
                                       川崎製作所
  本社     本社営業事務所                                                             化工機プラント環境エンジ株式会社*1
                                       四日市工場                グ
         川崎フロントオフィス         工場                                      連結       化工機商事株式会社
                                       鹿島工場                 ル
                                                             ー      子会社       MKK Asia Co., Ltd.(タイ)
        ○   大阪支社                       KPEC北九州工場*1          プ                MKK EUROPE B.V. (オランダ)*2
支社・支店   ○   九州支店
                                     台湾駐在員事務所(台湾)
                                                             会
        ○   沖縄支店
                             海外      マレーシア営業所(マレーシア)
                                                             社
                                                                    非連結
 営業所
        ○   営業所(東北、横浜、      事務所      インドネシア駐在員事務所                  子会社
                                                                            菱化貿易(上海)有限公司(中国)
                名古屋、広島)                       (インドネシア)
*1: 株式会社菱化製作所は、2019年4月1日をもって化工機プラント環境エンジ株式会社へ吸収合併、KPEC北九州工場として稼働
*2: MKK EUROPE B.V.(オランダ)は、2019年3月期第2四半期連結会計期間において株式の追加取得により連結子会社に変更
                                                                                                                 21
本資料における業績見通しは現時点で当社が有する情報により当社が判断したものであり、
実際の業績は様々なリスク要因や不確実な要素が影響し予想とは大きく異なる可能性があります。


当社グループは多岐にわたる事業を行っており、その業績は為替市場、原燃料市況や関連産業の
技術革新のスピード、訴訟、法規制等によって影響を受ける可能性があります。また将来業績に
影響する不確実な要素はこれらに限られません。
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