6328 荏原実業 2021-02-16 15:30:00
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]
2021年2⽉16⽇
各 位
会 社 名 荏原実業株式会社
代表者名 代表取締役社⻑執⾏役員兼COO 阿部 亨
(コード番号:6328 東証第⼀部)
問合せ先 取締役常務執⾏役員総合企画室⻑ ⼤野 周司
(TEL 03-5565-2885)
株主提案に対する当社取締役会意⾒に関するお知らせ
当社は、2021年3⽉25⽇開催予定の第82期定時株主総会における議案について株主提案(以下
「本株主提案」といいます。)を⾏う旨の書⾯(以下「本株主提案書⾯」といいます。)を受領いた
しましたが、本⽇開催の取締役会において、本株主提案について反対することを決議いたしました
ので、下記のとおりお知らせいたします。
記
Ⅰ. 提案株主
株主名:Nippon Active Value Fund plc
Ⅱ. 本株主提案の内容
⒈ 議題
⑴ 特別配当
⑵ 普通配当
⒉ 議案の内容
別紙「本株主提案の内容」に記載のとおりです。
なお、別紙「本株主提案の内容」は、提案株主から提出された本株主提案書⾯の該当記載を
原⽂のまま掲載したものであります。
Ⅲ. 本株主提案に対する当社取締役会の意⾒
⒈「⑴ 特別配当」
⑴ 当社取締役会の意⾒
取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
⑵ 反対の理由
当社は、当社の経営理念である「豊かな⼈間環境の創造を⽬指して社会に貢献する」企
業として、健全な存続と持続的な成⻑を実現し、中⻑期的に企業価値を向上させることを
⽬指しており、そのためには、継続的な投資と財務の健全性をバランスよく両⽴させ、中
⻑期的に、かつ、安定的に資本コストを上回る経済的価値を⽣み出すことが重要であると
考えております。
当社が、健全な存続と持続的な成⻑を実現し、中⻑期的に企業価値向上を図るためには、
将来に向けた成⻑投資と財務健全性の確保が不可⽋であると認識しております。また、当
社の資本政策においては、資本効率、株主還元とのバランスにも配慮しつつ、必要な株主
資本の保持に努めることを基本的な考え⽅としております。
これらの⽅針に基づき、会社提案の「剰余⾦処分の件」においては、2020年12⽉期の期
末配当⾦を1株当たり80円とさせていただく予定であり、既に実施しております第2四半
期末配当⾦30円と合わせ、1株当たり110円、配当性向は概ね30%となります。また、2020
年12⽉期においては総額5.7億円の⾃⼰株式取得を⾏っております。
今後の株主還元策については、2021年2⽉10⽇に「連結配当性向35%を⽬安とした安定
的・継続的な株主還元」という考え⽅を定め、公表いたしました。
⼀⽅で、当社が健全な存続と持続的成⻑を実現し、中⻑期的な企業価値向上を図る観点
から、本株主提案にかかる2020年12⽉末時点の単体及び連結ベースの現預⾦残⾼を上回る
剰余⾦の処分を⾏うことは適切ではないと判断いたします。よって、当社取締役会として
は本株主提案に反対いたします。
(参考) これまでの株主還元の実績
2016年12⽉期 2017年12⽉期 2018年12⽉期 2019年12⽉期 2020年12⽉期
1株当たり年間配当 45円 50円 60円 60円 110円
⾃⼰株式取得 − − 2.7億円 − 5.7億円
(注) 2020年12⽉期の1株当たり年間配当については、本年3⽉25⽇開催予定の定時株主総会において、会
社提案が承認可決されることが条件となります。
⒉「⑵ 普通配当」
⑴ 当社取締役会の意⾒
取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
⑵ 反対の理由
当社は、当社の経営理念である「豊かな⼈間環境の創造を⽬指して社会に貢献する」企
業として、健全な存続と持続的な成⻑を実現し、中⻑期的に企業価値を向上させることが、
株主様をはじめとするステークホルダーの皆様の利益に資するものと考えております。
当社が、健全な存続と持続的な成⻑を実現し、中⻑期的に企業価値向上を図るためには、
将来に向けた成⻑投資と財務健全性の確保が不可⽋であると認識しており、当社の資本政
策においては、資本効率、株主還元とのバランスにも配慮しつつ、必要な株主資本の保持
に努めることを、基本的な考え⽅としております。
「⒈「⑴ 特別配当」」への反対の理由で記載した当社の資本政策への取組みに加え、当
社は2020年12⽉期においては、新型コロナウイルスの感染拡⼤に伴い陰圧装置等の感染症
対策製品の需要が⾼まったことに対応し、現状の財務健全性も活かして迅速な増産と安定
供給を実施することができ、結果として前年⽐での増益を実現いたしました。また、ライ
フラインであり公衆衛⽣の要でもある上下⽔道インフラの整備の⼀端を担う企業として⾃
然災害発⽣時に復旧活動への迅速な対応が期待されていることからも、今後においても財
務健全性の確保は、当社の存在意義、社会的信⽤の両⾯から極めて重要であると捉えてお
ります。
上下⽔道インフラ整備等の公共⼯事は、当社の受注⾼及び売上⾼の概ね6割前後を占め、
今後も当社の成⻑を牽引する重要な事業となっております。特に、公共⼯事の受注におい
ては⾃⼰資本⽐率や利益剰余⾦の額等を含む経営数値の評価が⾏われており、同事業の競
争⼒を維持・強化する観点からも、財務健全性を維持することが当社の中⻑期的な企業価
値向上に資するものであると認識しております。
このような事業環境の中、2020年12⽉期の当期純利益に近い⾦額を普通配当とする本株
主提案は、当社の継続的な事業投資の必要性や将来における経営環境の変化を顧慮しない、
短期的な視点に⽴脚したものであると考えざるを得ず、このような提案が可決されれば財
務運営の安定性を損なう重要なリスクが憂慮されることから、結果として株主の皆様の利
益を毀損するおそれもあるものと考えております。
従いまして、当社が引き続き健全な存続と持続的成⻑を実現し、中⻑期的な企業価値向
上を図る観点からは、本株主提案にかかる剰余⾦の処分を⾏うことは適切ではないと判断
いたします。よって、当社取締役会としては本株主提案に反対いたします。
以 上
(別紙「本株主提案の内容」)
※提案株主から提出された本株主提案書⾯の該当記載を原⽂のまま掲載しております。
議案 剰余⾦処分の件
⒈ 議案の要領
2020年12⽉期の期末剰余⾦の配当として、以下の通り配当する。
⑴ 特別配当
(ア) 配当財産の種類
⾦銭
(イ) 株主に対する配当財産の割当てに関する事項
普通株式1株あたり1,500円
配当総額 9,426,837,000円
(ウ) 剰余⾦の配当が効⼒を⽣ずる⽇
2021年3⽉26⽇
但し、上記は本定時株主総会の開催⽇が2021年3⽉25⽇であることを前提としており、
開催⽇が異なる場合には、当該開催⽇の翌⽇に変更されるものとする。
(エ) 配当⾦⽀払開始⽇
2021年4⽉15⽇
但し、上記は本定時株主総会の開催⽇が2021年3⽉25⽇であることを前提としており、
開催⽇が異なる場合には、当該開催⽇から14営業⽇が経過した⽇に変更されるものと
する。
⑵ 普通配当
(ア) 配当財産の種類
⾦銭
(イ) 株主に対する配当財産の割当てに関する事項
普通株式1株あたり288円
配当総額 1,809,952,704
但し、会社提案の普通配当⾦額がある場合にはこれを控除した⾦額に変更されるもの
とする。
(ウ) 剰余⾦の配当が効⼒を⽣ずる⽇
2021年3⽉26⽇
但し、上記は本定時株主総会の開催⽇が2021年3⽉25⽇であることを前提としており、
開催⽇が異なる場合には、当該開催⽇の翌⽇に変更されるものとする。
(エ) 配当⾦⽀払開始⽇
2021年4⽉15⽇
但し、上記は本定時株主総会の開催⽇が2021年3⽉25⽇であることを前提としており、
開催⽇が異なる場合には、当該開催⽇から14営業⽇が経過した⽇に変更されるものと
する。
⒉ 提案の理由
上場会社は上場会社の株主により所有されています。上場会社の取締役および経営陣は株主に
対する利益還元を最⼤化する責務を主たる責務として負っています。貴社は⻑年貸借対照表上に
現⾦を積み重ねてきています。⽇本における低⾦利環境においては、この⼤きな現⾦貯蓄は事実
上株主還元を実施していないに等しく、単に貴社の株主還元の総額を低減するものです。⽇本国
政府は繰り返し⽇本の上場会社に対し株主還元を増額するよう求めています。貴社がこの要請に
応えるために⾏うべきことは明⽩で、株主に配当を実施し、余剰⾦融資産を減額することです。
当社は、全ての株主のために価値を上げることに尽⼒いたします。当社は東京証券取引所が東
証⼀部上場企業の時価総額基準の導⼊に踏み切ろうとしていることを知り、この状況の中で、貴
社取締役が貴社の株価ひいては貴社の価値全般を向上させるために採り得る⼿段を⾏うことが貴
社および貴社の株主の利益に合致するものと考えております。この⽬的のために必要なことは、
貴社が貴社の事業の質に応じた適切な評価を獲得し、当該価値に対応する市場での上場を維持す
ることにあります。
株主に対し⾼い利益還元を実施する上場会社は、投資家の信頼を獲得し、現⾦を貯め込み、そ
の稼ぐ⼒に応じた配当を実施しない上場会社に⽐べ、⾼い評価を獲得することができます。貴社
は、貴社の経営陣と取締役会が株主の利益に合致した経営を⾏っていることが明⽩になった際、
貴社の株価が上昇することを⾒ることになると思われます。他⽅、貴社が利益還元をほとんど⾏
わないまたは全く⾏わないことに等しい⾦融資産の貯め込みを継続する場合には、東証⼀部での
上場維持が困難となり、さらに貴社の評価を押し下げることになると思われます。
以上