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2020年3月期第2四半期決算説明会 質疑応答要旨 [pdf]
2020 年 11 月 27 日
2020 年 3 月期第 2 四半期決算説明会 質疑応答要旨
1.メンテナンスサービスの売上について、事業環境が悪くない中 AP のサービスの売上が
少し弱い要因と AP・BP のメンテナンスの売上について伺いたい
→詳細は個別物件を精査しないと説明できないが、AP・BP に共通するサービスの伸び悩
み要因もある。具体的には、持ち得ているキャパシティを「販売に充当するか」
「サー
ビスに充当するか」というバランスが製品の方に過多となったのが大きい。サービスの
受注をこなすサポートを製造部門や技術部門で対応し切れなかったと言える。例えば、
商談から納入迄の期間が短いサービス売上は大型案件が始まるまでの隙間(期間)を埋
めるものだが、大型案件のリソースを充当した際に、こうしたバランスが崩れたことが
一番の要因と考えられる。ただ利益率が非常に高く、ストックビジネス要素のあるメン
テナンスサービスは重要項目であるため、今後は販売とのバランスを取るように全体
調整して対策する考えである。なお AP と BP 個別の売上は控えさせて頂きたい。
2.リソースの問題だけならば、お客様からのニーズで本当にメンテナンスをやりたいとこ
ろがメンテナンスをやる前に機械を買った方が良いのか伺いたい
→お客様のニーズとして、
(メンテナンスか機械か)どちらにしようかというフェーズも
あるが、メンテナンスで緊急工事は最優先で当社は対応が出来ている。お客様の計画で
「生産能力を上げたい」
「このタイミングで機械を刷新したい」ところを、若干時期を
後にずらして頂くなど、ご了承頂く場合もある。これはサービスの案件が冷えていると
か、我々のサービス事業が弱体化している状況でない。正直、機械の需要が高まる中「次
にキャリーオーバーして下さい」と対応したのが現実の姿である。
3.最近、別のプラント企業から人手不足で売上が遅れるリスクがあると聞いた。御社で施
工や着工の遅れにより、下期の売上達成が厳しくなるリスクはあるのか、現状のリソー
スで問題ないのか伺いたい
→当社は内製比率が高く、外注比率は非常に低い。ほぼ全ての製品を自社で作り、長年付
き合いがある近隣の外注企業にオーバーフロー分だけ委託している。競合企業はほぼ
中心部だけを自社で作り大半アウトソーシングしている。つまり自助努力で生産に対
応する体制が当社は取れており、(モノ作りの遅れで)お客様への納期が遅れることは
考えられない。前期にキャリーオーバーで売上が上がらなかった理由の大半は基礎工
事が計画からずれ込んで、その中で環境アセスがスケジュール通りいかなかったなど、
お客様の側の工事による遅延が大半であった。ただ売上金額が目標に達しなかった事
実もあるため、若干時期がずれたら来期になることも考慮しながら、個別物件を予算組
みするなど精度を上げたいと考えている。
4.現状、基礎工事は遅れていないということで良いのか?
→納期が遅れる要因は人手不足もあるが、最近は自然災害が多く、これが理由になること
もある。物資が滞り、それによって施工が悪天候で延びる等、それらを含めて事業計画
を立てなければならないと思っている。
5.BP 事業で不採算案件により収益性が下がったのはシェアアップを狙って案件を受注し
たからと説明したが、赤字でシェアを上げるため受注する狙いとその背景を伺いたい
→AP は 2 社競合の中、当社が 70%以上のシェアを持つ。BP は 10 年前まで 5 社程度だ
が現在は 3 社競合の状況であり、当社以外の競合 2 社は(撤退企業からの譲渡で)他
社と事業統合された。そのような中で他社のシェアを取る努力を続けており、昨年~今
年は動態シェア 4 割を超えるトップである。ただ動態シェアで勝るものの、
(景気が悪
くなると)静態シェアが効いて当社が不利になる可能性も考えられる。
→各地域の看板 BP 工場が日工製という効果も大きいため、不採算で受注することもあ
る。看板工場は出荷量、消耗品も多く使われメンテナンスフィーも大きいので、
(プラ
ント販売で収益が上がらない部分は)今後の長い付き合いで回収が見込める。そうした
看板工場を取らないと現地にサービスマンを一定数配置できなくなり、じり貧状況に
なりかねない。当社はそれら全体を勘案して、個別案件を受注するのか否か、無理をす
るか否かを判断している。
6.それに関連して今後の収益性を考える際、シェア優先で収益性が上がらないと見た方が
いいのか。中期計画で 21 年度に少しずつ利益率が上がる形で計画されているが、それよ
り目線を下げた方が良いのか教えて欲しい
→会社の判断は 1 件 1 件、基本的には赤字をたれ流してシェアを取る方向ではない。何
があっても看板工場を取るいうことでもない。お客様からメーカーの価値を認めて頂
いてるのは、製品の機能以上にメンテナンスサービスの評価である。当社は AP・BP を
共に製造販売し、両方を手掛けるサービスマンを全国に配置する。競合先は AP をやっ
ても BP はやらないため、我々は全国に配置できるサービス要員を手厚く配置できる
優位性がある。そのため、利益率見通しは目線を下げて考えてはいない。
7.その他事業の利益が伸びているが、破砕機と防水板の売上構成を教えて欲しい。来期以
降もある程度これは継続するものなのか、マーケットの状況も含めて伺いたい
→昨今の自然環境の変化、水害も非常に多く起きており、防水板市場は拡大している。
弊社もここ数年で防水板を始めた訳でなく一般家庭用、事務所用、地下鉄用など様々な
グレードを品揃えして扱っている。また市場拡大に対応できなくならない様、生産拠点
も増強・強化、売上はまだ低いが将来はここから倍増、3 倍増と躍進していきたい。
→破砕機は創業約 75 年の子会社が手掛ける。最近はユーザーの要請が変わっており、試
験割りオーダーをインターネットで受け付ける等、それをしながら新たな破砕機の提
案をして実績を積み上げている。例えば、今まで割ったことのない太陽光パネルなど、
どのようなリサイクルをしたらよいのかなど、メーカーと当社でテスト割りをおこな
うことで新たな市場をつかんでいる。数字的には、説明会資料の 18 頁に破砕機は上期
売上が 77%増、防水板は 349%増とある。破砕機は年間の売上高で 5 億円、防水板は 3
億円だが、今期は防水板が上期 3.6 億円だった。破砕機は営業利益率が高く、半分ぐら
い利益が出る。防水板に関しても高い利益が確保出来ている。
8.設備投資は今後どのくらい行うのか、その内訳についても教えて欲しい
→昨今の働き方改革で工数削減に繋がる分野は早期に設備投資を行っている。加工速度
の速い機械設備への入れ替えもしている。また製造だけでなく、営業のセールスフォー
ス延長線上でオプションを加えてデータ共有化ができる等、システム分野も投資対象
として考えている。説明会資料の 36 頁に設備投資、減価償却費、研究開発費の 2011 年
度以降の数字を記載してあるが、13 年度以降は大幅に減価償却費を上回る設備投資を
続けている。これは先延ばしされた老朽設備に対する更新投資を 2013 年度以降、積極
的に行ってきたためである。ここ数年は成長投資も行っている。
→2019 年度の設備投資は期初 8 億円を見込んでいたが、倍ぐらいに膨らみそう。具体的
に防水板は現在、千葉県の野田工場1ヶ所で製造しているが、西日本でも需要が見込め
るため輸送コストや製造能力を考えて明石市に 600 坪の土地を取得、今期 3 億円位の
投資をする予定。コンクリート関連事業であるコンクリートポンプ車も拠点を集約化
するため、下関市に土地を買って建物に投資する。また今下期~来期以降は ERP への
投資(システム投資)が膨らむ見込み。東南アジアへ本格進出することになると、その
投資も来期以降に出てくる。生産設備でキャパシティを増やす投資は考えてないが、効
率化を図るための投資は積極的に今後も行う。減価償却費負担は増えるものの、それを
上回る収益を上げて吸収できる投資をしていきたい。
9.基本的質問だが、統合レポートを見ると AP の SWOT 分析で「価格交渉力が弱い」が
weak ポイントとある。AP 事業の営業利益率 5%位だが、シェアは高いのでマージンを
上げることは出来るのではないか?
→AP は 7 割もシェアがあり、独壇場でないかと言われる。ただ長いお付き合いのお客さ
まが多く、
(新たな商談で価格交渉をする必要があるが)モデルチェンジや機能強化を
などで技術の刷新が多少疎かになっていた時期も長かった。そのため、多くのプラント
を持つお客様が前プラントと変わらないものをご購入いただく際、価格交渉で説得で
きない状態が続いてきた。ただし、最近は機能強化した新プラントを開発、その価値を
お客様に認めていただくよう鋭意努力している。新プラントの商談の中で AP の利益
率を上げる努力をしている。
(競合先が持ち得ていない機能もあり)暫くお待ち頂けた
ら、皆さまに(利益率改善が現れるなど)ご理解いただけると考えている。現在は従来
と大きく変わる利益率を上げられていないが、今後台数が増えるとコストダウンも出
来るため利益率は改善してくる可能性が高い。
(注)本質疑応答要旨は決算説明会に参加されなかった方への情報提供も含めておこなっていますが、その内容につきま
しては理解し易いように一部で加筆・修正していますことをご承知おき下さい。
日工株式会社 財務部 IR 担当