6306 日工 2019-06-04 12:30:00
2019年3月期決算説明会 質疑応答要旨 [pdf]
2019 年 3 月期決算説明会 質疑応答要旨
2019 年 5 月 30 日
1.2018 年度の AP、BP の個々の案件で利益率が低かったということだが、戦略的にそのよ
うな条件で受注したものが多かったのか、構造的に需要減となっていく中で利益率が低
くなってきたのか伺いたい
→プラントの利益率低下について、戦略的に低利益率のものも受注した。特に BP に関し
ては、設置プラント台数シェアが大手 3 社の中で一番低く、トップメーカーとなるた
めに利益率が多少低くても受注している。
AP についてはシェア 7 割を持っているが、競合メーカーが低価格で攻めてくる中で大
型のどうしても受注しなければならない物件について、防衛的な意味合いで低利益率
で受注した。
2.中国でプラントの販売台数が増えているが、中国のメンテナンス売上のインパクトが出
てくるのはどれ位の時期をイメージしているのか伺いたい
→国内と違いメンテナンスが出てくる明確な時期は図りづらい。国内はプラント事業の
売上の中で 6 割程度がメンテナンスで推移しているが、
中国は未だ 1 割にも満たない。
当社のプラントは主に高速道路用のプラントとして使用されており(欧州 2 社が競合)
、
大きな道路から細い道路を作るときに定置式プラントが使用されるようになれば、国
内の状況に近くなるので、メンテナンスの需要が出てくる見込み。中国もメンテナンス
を自前でおこなうだけでなくメーカーに依存するようになってくると予想しており、
その機会を逃さないように取り組む
3.製品のマージンの低迷について伺いたい。中期的にマージンは改善していくのか、生産
性の向上によるマージンアップができるのか。もし生産性向上によるマージンの改善が
できた場合、価格を更に引き下げてシェアを獲っていくのか、利益が出た分を社内に取
り込むのか戦略も含めて教えて欲しい
→AP、BP とも競合他社が少なくなってきた状況で、AP はこれ以上シェアを獲り独占す
ることは目指していないが、BP は静態シェアのトップを獲りにいきたい。プラント本
体販売だけでなくストックビジネスの部分もあり、生産性が改善できた場合、競合相手
からシェアを獲るため価格を下げることもある
4.インドネシアで首都の移転が話題になっているようだが、正式に移転となった場合にど
のようなことが期待できるか教えて欲しい
→現在は、当社として未だビジョンを描けていないが、決定すれば(インフラ投資増加を
通じて)間違いなくフォローの風になると考えている
5.メンテナンスサービスのリモートメンテナンスについて設置しているプラントに対し
どれ位入っているのか伺いたい
→リモートメンテナンスは、当社の操作盤を納入したお客様に対しておこなうことが出
来てプラントの稼働状態が分かる。古い操作盤をお持ちのお客様は対応することがで
きないが、
当社の 3~4 割のお客様とはリモートメンテナンス契約を結んでいる。
今後、
操作盤の入れ替えがおこなわれていく中で 100%を目指している
6.2019 と 2020 年 3 月期で事業環境の変化はあまりないということだが、19 年 3 月期 4Q
の状況が続くと大きな受注数字となるが、どのようなバランスで今期を見ておけばよい
のか伺いたい
→19 年 3 月期の AP で 4Q 受注については、急に需要が伸びたのではなく商談を続けてい
る中で 4Q に受注が集中したのであり、今期にそれが 4 倍にならない。今期については、
従来通りとなり、集中する四半期があるとは考えていない
7. 新たに取り組もうとしているビジネスモデルについて教えて欲しい。道路舗装会社など
お客様は人件費等のメンテナンスコストをどの程度かけていて(ユーザーのメンテナン
スコスト規模)
、その中でどのようなものをターゲットとしていくのかイメージを教えて
欲しい。それをおこなうため、追加的にどのような投資をおこなうのか、もしくは追加投
資をそう使わず営業的に対応できるのか伺いたい
→メンテナンスについて、お客様は出荷ができなくなることをリスクとして考えており、
老朽化による修理や機能強化に対するメンテナンスの予算組みはされている。
以前は自社で機械を把握されて修理していたが、昨今は機械を熟知しているオペレー
ターはほぼ居なくなり、メーカーに依存するニーズが増えている。
メンテナンスに関しては、 トンの製品生産量当りの費用で計算されているのが多い。
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今後、増大していくお客様の要望に対して設備投資増でなく、サービスマン増員と協
力工事店の強化により対応していく。ビジネスモデルとしては、メンテナンスサービ
スからアセットマネジメント分野へ広げていきたい
8.2020 年 3 月期の配当予想で特別配当を除いて 100 円、配当性向 38.3%とこれまでと比
較すると高い水準であるが、今後も配当性向はこれ位を目指していくのか伺いたい
→従来、明確に配当性向の基準を出したことはないが 30~33%程度を目安としてきた。
今期は創業 100 周年であり、きれいな数字で丸めたかったので記念配当 100 円、通常
配当 100 円とするが、配当性向の考え方を変えて配当性向を増やした訳ではない。
バランスシートの推移や現預金の残高水準で説明した通り、当面大きな設備投資の予
定はないので、従来以上に株主還元を強化していきたい。
基準を決めた訳ではないが、株主の期待感の高さもあり配当性向については社内で議
論をした後、従来以上に高くしていきたい
9.従業員還元として、従業員に株を割り当てするのは非常に珍しいと思うが、その狙いは
どのようなことを期待しているか教えて欲しい
→自分名義の株を保有し、配当を受け取るということを通じ、自社株に興味を持たせるこ
とが狙いである。モチベーションを上げて愛社精神を構築し、新製品開発や業績が向上
すれば株価に反映するということまで意識を持ってもらうことを期待している
10.経営ビジョンの一番上にある一部上場基準のクリアに絡めて、流動性を上げて投資家が
売買しやすくするための手段としてどのようなことを考えているか、政策投資株の溶
け合いの基準と合わせて教えて欲しい
→政策投資株はピーク 80 億円から現在 60 億円程度に減らしてきた。AP・BP の重要な
お客様の株は当面売却する予定はないが、商売上関係の薄いものは全て売り切る。例え
ば、金融機関との持ち合いは完全に解消するように進めていく。
これは時間をかけておこなうつもりはなく、3 年間程度で売り切りたいと考えている
(注)本質疑応答要旨は決算説明会に参加されなかった方への情報提供も含めておこなっていますが、その内容につきま
しては理解し易いように一部で加筆・修正していますことをご承知おき下さい。
日工株式会社 財務部 IR 担当