6302 住友重 2019-01-24 13:00:00
当社グループにおける不適切な検査等について [pdf]

                                                 2019 年 1 月 24 日
各 位
                                会 社 名 住友重機械工業株式会社
                                代表者名 代表取締役社長 別川 俊介
                                (コード番号 6302 東証第一部)
                                問合せ先 コーポレート・コミュニケーション部長
                                       渡辺 美知子
                                      (TEL.03-6737-2333)


              当社グループにおける不適切な検査等について

当社のグループ会社である住友建機販売株式会社等において判明した、特定自主検査における一部の検
査項目の未測定等(添付ご参考資料「公表済みの不適切行為」参照)の不適切な検査をきっかけとし
て、当社の各事業部および国内の全グループ会社に対して、品質管理総点検を実施するよう 2018 年 9
月 14 日に通達し、調査を進めてまいりました。その結果、当社(プラスチック機械事業部)および連
結子会社 3 社(住友重機械搬送システム株式会社、住友重機械ギヤボックス株式会社、住友重機械精機
販売株式会社)の製品・サービスにつきまして、不適切な検査等が行われていたことが判明したため、
お客様への説明を順次行いながら、状況の確認を進めております。現時点で把握している事実および今
後の対応について下記のとおりご報告いたします。
お客様をはじめ関係各位には多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
今後このような事態が発生することのないよう、原因を徹底的に究明するとともに、当社グループ全体
で品質管理とコンプライアンスの一層の強化を図り、再発防止に努めてまいります。


                         記


1.当社グループにおいて判明した不適切検査等の概要
  品質管理総点検の中で判明した、
                当社グループにおける不適切な検査等の概要は以下のとおりです。
 (1) 無資格者による検査の実施等(動く歩道の定期検査)
      住友重機械搬送システムが自社製の動く歩道の定期検査を実施するにあたり、以下の不適切な検
      査を行った事案がありました。
      ・無資格者による定期検査の実施
      ・検査を行っていない有資格者が検査者氏名として自分の氏名を定期検査報告書に記載
      ・定期検査報告書において実際の検査結果と異なる内容を記載
 (2) お客様との合意とは異なる検査データの検査成績書等への記載(大型減速機および封止プレス)
      ① 所定の検査条件とは異なる検査データを検査成績書に記載
       住友重機械ギヤボックスが製造販売している大型減速機の出荷前の検査において、一部の検
       査項目に関し、お客様との間で合意した試運転時間の条件とは異なる検査データを検査成績
       書に記載し、お客様に提出した事案等がありました。
      ② 検査が未実施であるにもかかわらず顧客仕様範囲内の数値を試験成績書に記載
       当社のプラスチック機械事業部が製造販売する封止プレスの出荷前の検査において、一部の


                          1
    検査項目に関し、検査が未実施であるにもかかわらず、試験成績書にお客様と合意した仕様範
    囲内の固定値を記載し、お客様に提出した事案がありました。
   ③ 検査の実測値を顧客仕様範囲内の別の数値に書き換えて試験成績書に記載
    当社のプラスチック機械事業部が製造販売する封止プレスの出荷前の検査において、一部の
    検査項目に関し、お客様と合意した仕様範囲内の実測値を、仕様範囲内の別の数値に書き換え
    て試験成績書に記載し、お客様に提出した事案がありました。
 (3) 実測値を社内基準値内の数値に書き換えて検査成績書に記載(減速機のオーバーホール)
   住友重機械精機販売で実施している減速機のオーバーホールにあたり、一部の検査項目に関し、
   社内基準値から外れた実測値を、社内基準値内の数値に書き換えて検査成績書に記載した他、社
   内基準値内の実測値を社内基準値内の別の数値に書き換えて検査成績書に記載し、お客様に提出
   した事案がありました。


2.安全性・製品性能の確認状況
  現時点で、当社および子会社 3 社における不適切な検査等に起因する不具合の発生は確認されてお
  りません。
(1) 動く歩道
   対象設備である 3 社 4 基について、全ての施設は有資格者による検査を実施し、利用者の安全性
   が確保されていることを確認しました。
   ① 定期検査が無資格者によって行われた 1 社 2 基については、直近の定期検査は適切な有資格
    者による検査を実施されていることを確認しました。
   ② 無資格者による定期検査実施に加え、報告書への異なる記載のあった 2 社 2 基については、
    直近の定期検査が無資格者による検査であったため、有資格者による再検査を適切に実施し
    再報告を行い、お客様にて適切な対処をしていただきました。
(2) 大型減速機
   対象製品について、関連する他の品質管理項目記録に基づいて解析した結果、お客様との間で合
   意した品質基準を満たしていると判断しております。
(3) 封止プレス
   ① 検査未実施となっていた項目については、本事案判明後に出荷された対象製品の検査結果か
    ら、十分に仕様範囲内であると推測しておりますが、お客様にご協力をいただきながら、個別
    に製品性能の確認を進めております。
   ② 実測値と異なる数値が試験成績書に記載された検査項目については、実測値をすべて確認し
    お客様と合意した仕様範囲内であることを確認済みです。
(4) 減速機
   ① スキーリフト等設備に用いられる減速機については、お客様に安全性評価を実施いただき問
     題がないことを確認済みです。
   ② ベルトコンベア等設備に用いられる減速機についても、速やかに製品性能の確認を進めてま
     いります。
   なお、減速機は、オーバーホール後にエンドユーザー様の設備に再度組み込まれて運転試験が行
   われ、性能確認を行った後に稼働されており、また、エンドユーザー様にて日常点検、定期検査
   等を通して、問題が生じていないことも確認されています。


                        2
3.今後の対応方針
 これまでの当社グループ内での事実確認や安全性検証において、製品の安全性に疑義が生じるよう
 な不適合は確認されておりませんが、今後、お客様にご説明のうえ、ご理解を得て、更なる安全性
 の検証等の対応を進めてまいります。安全性への懸念等が確認された場合には、迅速かつ適切に対
 応してまいります。
  また、これまで社内関係者により事実確認を進めてきましたが、2019 年 1 月 15 日付で社外取締役
  を委員長とする特別調査委員会を設置し、同委員会において、経緯、原因の究明等事実関係の調査
  と再発防止策の提言を行うことといたしました。当社では特別調査委員会の調査結果を踏まえ、信
  頼回復に向けて当社グループ全体の品質管理とコンプライアンスの一層の強化等再発防止を実施
  してまいります。また、その内容については確定次第公表いたします。


4.業績に与える影響
 既に公表済みの事案につきましては、業績に与える影響はありません。
 また、今回公表しました事案が当社業績に与える影響が明らかになった場合には、改めて別途公表
 いたします。


5.当社における対応状況等について
 当社のプラスチック機械事業部における対応状況等については以下のとおりです。
(1) 経緯
   全社を挙げて品質管理総点検を行う中で、封止プレスの出荷前の検査に関する試験成績書 1 年分
   の調査を実施したところ、試験成績書の作成に使用する表計算ソフトのプログラムにおいて、検
   査未実施の項目や実測値と異なる数値が表示されており、不適切な検査が行われていることが判
   明しました。
(2) 事案の内容
   ① 不適切な検査等の概要
     封止プレスの出荷前の検査において、一部の検査項目に関し、検査が未実施であるにもかかわ
     らず、試験成績書にお客様と合意した仕様範囲内の固定値を記載しお客様に提出した事案、お
     よび検査の実測値を仕様範囲内の別の数値に書き換えて試験成績書に記載しお客様に提出し
     た事案がありました。これらの不適切な検査の対象となったお客様数は 4 社、不適切な検査の
     件数は 214 件でした。
   ② 発生原因
     ・担当者が、試験成績書作成用の表計算ソフトにおいて、入力した検査データから計算される
         数値と異なる数値が出力されるようにプログラムを組み込み、これを使用していました。
     ・担当者が、製品の機能や性能上、検査項目を省いても問題ないと思い込み、お客様との仕様
         変更に関する協議を怠っていました。
     ・実測値が仕様範囲内に入ることから、仕様範囲内の固定値を試験成績書に記載しても実務
         上問題ないと担当者が勝手な判断をしていました。
     ・品質保証部門は、担当者が表計算ソフトのプログラム書き換えを行った事実を知らず、試験
         成績書に記載されたデータによって仕様外れの有無を確認していましたが、実測値との照
         合確認は行っていなかったため、不適切な検査が行われていることが判明しませんでした。


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   ③ 製品性能の確認状況
     現時点で本事案に起因する製品の不具合等は発生しておりません。
     検査未実施となっていた項目については、本事案判明後に出荷された対象製品の検査結果か
     ら、十分に仕様範囲内であると推測しておりますが、お客様にご協力をいただきながら、個別
     に製品性能の確認を進めております。また実測値と異なる数値が試験成績書に記載された検
     査項目については、実測値をすべて確認し、お客様と合意した仕様範囲内であることを確認済
     みです。
   ④ 対象製品の年間出荷数量および年間売上高
       年間出荷数量:267 件   年間売上高:約 12 億円(2017 年度)
 (3) 現在の対応状況
   対象となるお客様 4 社に対して、お詫びと事態のご説明を実施済みであり、今後の対応について
   個別にご相談をさせていただいております。
   現在、お客様と合意した仕様に基づくすべての項目の検査を確実に実施しており、また、検査デ
   ータが正しく試験成績書に記載されるように、表計算ソフトのプログラムの修正を完了しており
   ます。
 (4) 今後の対応方針
   再発防止として、試験成績書の作成・変更手順をルール化し、関係者に徹底するとともに、審査・
   承認における業務管理方法の再教育を推進してまいります。
   二度とこのような事案が発生することがないように、再発防止を徹底するとともに、信頼回復に
   全力で取り組んでまいります。


  また、子会社 3 社における対応状況については、本日付で各社ごとに対外発表を行っておりますの
  で、詳細は添付発表資料 1~3 をご参照ください。


                                                                 以 上



【本件に関するお問い合わせ先】
  住友重機械工業株式会社 コーポレート・コミュニケーション部               TEL 03-6737-2332
  住友重機械搬送システム株式会社 企画管理部        TEL 03-6891-2160
  住友重機械ギヤボックス株式会社 企画管理部        TEL 072-439-1299
  住友重機械精機販売株式会社 企画管理部          TEL 0120-856852




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【ご参考】各事案のまとめ


 1.当社(プラスチック機械事業部)
     対象製品・サービス   封止プレス
     主な用途        半導体組立工程内のオートモールド装置の一部
     調査対象期間      2017 年 11 月 1 日~2018 年 10 月 31 日
     不適切検査等の件数   214 件
     対象となるお客様    4社


 2.住友重機械搬送システム株式会社
     対象製品・サービス   動く歩道の定期検査
     主な用途        通行者の移動
     調査対象期間      2013 年 4 月 1 日~2018 年 11 月 30 日
     不適切検査等の件数   4件
     対象となるお客様    3社


 3.住友重機械ギヤボックス株式会社
     対象製品・サービス   大型減速機
     主な用途        発電設備、圧縮機等
     調査対象期間      2017 年 10 月 1 日~2018 年 9 月 30 日
     不適切検査等の件数   41 件
     対象となるお客様    7社


 4.住友重機械精機販売株式会社
     対象製品・サービス   減速機のオーバーホール
     主な用途        スキーリフト等の駆動装置、産業用ベルトコンベア等
     調査対象期間      2017 年 10 月 1 日~2018 年 9 月 30 日
     不適切検査等の件数   29 件
     対象となるお客様    15 社




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(添付資料1)                                  2019 年 1 月 24 日


                                   住友重機械搬送システム株式会社


                  当社における不適切な検査等について


当社(社長:遠藤辰也、資本金:480 百万円)で実施した動く歩道設備の定期検査において、無資格者
による検査実施等の不適切な検査が判明しましたので、その対応状況について下記のとおりお知らせ
いたします。
本事案につきましては、関係各位に多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。当社では今
後このような事態が再び発生することがないよう品質管理体制の強化を図り、再発防止に努めてまい
ります。


                         記


1.経緯
  住友重機械グループを挙げて品質管理総点検を行う中で、当社としまして 1 年間を対象に調査を実
  施し、その後更に 2013 年度に遡って調査を実施した結果、動く歩道設備の定期検査において、無資
  格者による検査実施等の不適切な検査が行われた事案が判明しました。


2.事案の内容
 (1) 不適切な検査等の概要
   動く歩道設備の一部の所有者においては、建築基準法上、昇降機等検査員資格者証の交付を受け
   た者(以下「有資格者」
             )による年次の定期検査の実施と、特定行政庁への定期報告が義務づけら
   れていますが、当社が設備の所有者からの委託に基づき実施した定期検査において、以下の不適
   切な検査が行われた事案がありました。これらの不適切な検査の対象設備は 3 社 4 基でした。
   ① 無資格者による定期検査の実施
       有資格者である当社の担当者が定期検査を実施せず、無資格者だけで構成された検査業務の
       協力会社のみで定期検査を実施した事案がありました。
   ② 定期検査報告書への異なる検査者氏名の記載
       無資格者が検査を実施した場合に、検査を実施していない当社の有資格者が、定期検査報告書
       に検査者氏名として自分の氏名を記載した事案がありました。
   ③ 定期検査報告書への異なる検査者氏名と異なる検査結果の記載
       無資格者が検査を実施した場合に、異なる検査者氏名の記載に加え、定期検査報告書において
       実際の検査結果と異なる内容を記載した事案がありました。
 (2) 発生原因
   ① 動く歩道の定期検査に関する業務を各担当者と協力会社に任せた結果、管理者が当該業務の
       有資格者含めた社員および協力会社の配置計画に関して、実態を把握していませんでした。ま
       た、お客様に提出する報告書や行政に提出する定期検査報告書に関して、管理者がその内容を
       確認および承認する仕組み・体制となっていませんでした。


                          6
  ② 当該担当者においては、実際に自ら検査を実施しなくとも、有資格者である自らが検査結果を
    チェックすればその検査は有効であるとの誤った解釈をしており、コンプライアンスの徹底
    ができていませんでした。
(3) 安全性の確認状況
  不適切な検査の行われた 3 社 4 基については、下記のとおり、全ての施設は有資格者による検査
  を実施し、利用者の安全性が確保されていることを確認しました。
  ① 定期検査が無資格者によって行われた 1 社 2 基については、直近の定期検査は適切な有資格
    者による検査を実施されていることを確認しました。
  ② 無資格者による定期検査実施に加え、報告書への異なる記載のあった 2 社 2 基については、
    直近の定期検査が無資格者による検査であったため、有資格者による再検査を適切に実施し
    再報告を行い、お客様にて適切な対処をしていただきました。
(4) 対象サービスの年間売上高
  2008 年 6 月をもって動く歩道の販売を中止しており、以降は既納設備の保守サービスのみを行っ
  ています。
    保守サービスの年間売上高:約 3 億円(2017 年度)


3.今後の対応方針
 不適切な検査の行われたお客様には謝罪とご報告を行うとともに、再発防止策については、関連法
 規・コンプライアンス教育、有資格者の管理の徹底と検査の計画・実施・記録・報告等の一連のプ
 ロセスの見直しを行います。二度とこのような事案が発生することがないよう、再発防止を実施す
 るとともに信頼回復に全力で取り組んでいきます。



本件に関するお問い合わせ先
 住友重機械搬送システム株式会社 企画管理部       TEL 03-6891-2160




                         7
(添付資料2)                                2019 年 1 月 24 日


                                   住友重機械ギヤボックス株式会社


                   当社における不適切な検査等について


当社(社長:荒木達朗、資本金:840 百万円)において、大型減速機の出荷前の検査における一部の検査
項目に関し、不適切な検査等があったことが判明しましたので、その対応状況について下記のとおりお
知らせいたします。
本事案につきましては、関係各位に多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。当社では今
後このような事態が再び発生することがないよう品質管理体制の強化を図り、再発防止に努めてまいり
ます。


                          記


1.経緯
  住友重機械グループを挙げて品質管理総点検を行う中で、当社としまして 1 年間を対象に調査を実
  施した結果、大型減速機の出荷前の検査における実測値を記載した社内の「検査記録」と、お客様
  へ提出した「検査成績書」の数値が一部異なっており、不適切な検査が行われた事案が判明しまし
  た。


2.事案の内容
 (1) 不適切な検査等の概要
   社内試運転時の検査成績書に、検査を行っていない軸受温度のデータを記載したり、また、社内
   基準値を外れた騒音値の実測値を社内基準値に書き換えて検査成績書に記載し、お客様に提出し
   た事案がありました。これらの不適切な検査等の対象となったお客様数は 7 社、不適切な検査等
   の件数は 41 件でした。
 (2) 発生原因
   社内試運転時の軸受温度の条件不遵守につきましては、お客様との間で合意した試運転時間が確
   保できない場合があり、あるいはお客様との間で合意した試運転時間の認識を誤っていました。
   騒音値の書き換えにつきましては、周囲の騒音を遮断できない場合は正しいデータを測ることが
   できないため、社内基準値の範囲内の数値を記載してよいと誤認しておりました。
   過去の品質監査では、検査記録と検査成績書の確認をしていなかったため、数値不一致を把握す
   ることができていませんでした。
 (3) 製品性能の確認状況
   現時点で本事案に起因する製品の不具合等は発生しておりません。
   社内試運転時の軸受温度の条件不遵守につきましては、対象製品について、関連する他の品質管
   理項目記録に基づいて解析した結果、お客様からご指示いただいた品質基準を満たしていると判
   断しております。
   また、製品性能に関わるような騒音が発生する場合には、その他の計測値(温度や振動)に異常を


                           8
   きたしますが、そのような異常は検出されておりません。
(4) 対象製品の年間出荷数量および年間売上高
     年間出荷数量:504 件   年間売上高:約 15 億円(2017 年度)


3.現在の対応状況
  対象製品をお納めしているお客様 7 社に対しては、状況説明を完了しご了承いただいております。
  エンドユーザー様への同行説明を求められた場合は順次対応しご了承をいただいております。


4.今後の対応方針
  (1) 自動記録装置を導入することにより、測定データを自動的に記録し、不適切な検査等の余地を
    排除いたします。
 (2) 早急に業務品質の向上に取り組み、お客様の信頼回復に全社を挙げて取り組みます。



本件に関するお問い合わせ先
住友重機械ギヤボックス株式会社 企画管理部     TEL 072-439-1299




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(添付資料3)                                   2019 年 1 月 24 日


                                      住友重機械精機販売株式会社


                  当社における不適切な検査等について


当社(社長:岡田典夫、資本金:400 百万円)において、サービス部門が実施している減速機のオーバー
ホールにおける一部の検査項目に関し、不適切な検査が行われていたことが判明しましたので、その対
応状況について下記のとおりお知らせいたします。
本事案につきましては、関係各位に多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。当社では今
後このような事態が再び発生することがないよう業務品質の強化を図り、
                                再発防止に努めてまいります。


                          記
1.経緯
  住友重機械グループを挙げて品質管理総点検を行う中で、当社としまして 1 年間を対象に調査を実
  施した結果、減速機のオーバーホール時に実測値を記載した「チェックリスト」とお客様へ提出し
  た「検査成績書」の数値が一部異なることが判明し、不適切な検査が行われた事案が判明しました。
  なお、オーバーホールとは、設備等の機能を維持したり、寿命を延ばす目的で実施されるものであ
  り、当社が実施する作業内容は、減速機の分解点検や部品交換等です。


2.事案の内容
 (1) 不適切な検査等の概要
   減速機のオーバーホール時に実施される所定の検査において、社内基準値から外れた実測値を社
   内基準値内の数値に書き換えて検査成績書に記載した他、社内基準値内の実測値を社内基準値内
   の別の数値に書き換えて検査成績書に記載し、お客様に提出した事案がありました。
   この不適切な検査の対象となるお客様数は 15 社、不適切な検査の件数は 29 件でした。
 (2) 発生原因
   ① お客様が設備の試運転により性能確認を行うので、社内基準値を外れても問題ないと勝手な
       判断をし、検査成績書の数値を書き換えていました。
   ② 品質確保のための基準や工程の管理不徹底が、一部部門の審査・承認チェック体制の不備を生
       み、機能していませんでした。また、定期的なサービス拠点の監査は、業務品質の実態にまで
       踏み込めていませんでした。
 (3) 製品性能の確認状況
   現時点では本事案に起因する製品の不具合等は発生しておりません。
   スキーリフト等設備に用いられるものについては、当社において製品性能の確認を実施し、問題
   がないことを確認済みであり、ベルトコンベア等設備に用いられるものについても、速やかに確
   認を進めてまいります。なお、減速機は、オーバーホール後にエンドユーザー様の設備に再度組
   み込まれて運転試験が行われ、性能確認を行った後に稼動されており、また、エンドユーザー様
   にて日常点検、定期検査等を通して、問題が生じていないことも確認されています。




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(4) 対象製品の年間オーバーホール数量および年間売上高
     年間オーバーホール数量:761 台    年間売上高:約 9 億円(2017 年度)


3.現在の対応状況
 当社において、対象の減速機全品で製品の性能に問題がないことを改めて確認いたしました。
 また、スキーリフト等設備メーカー2 社に対して不適切な検査の事実をご説明し、安全性評価を
 実施していただき問題がないことをご確認いただきました。なお、産業用ベルトコンベア等メーカ
 ー、エンドユーザー様 13 社につきましても、順次ご説明を行っております。


4.今後の対応方針
(1) 今回判明した不適切な検査の事実について、速やかにかつ丁寧にお客様に説明し、お客様がご
   納得いただける方法で問題の解決を図ります。
(2) 更なる事実関係を調査の上で、原因究明を行い、再発防止策の策定・実施を行います。
 (3) オーバーホールにおける業務品質の向上に取り組み、お客様の信頼回復に全社を挙げて取り組
   みます。



本件に関するお問い合わせ先
住友重機械精機販売株式会社 企画管理部      TEL 0120-856852 / 0562-45-6403




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                                                                                                                                                    2019年1月24日
                                                                    【ご参考】公表済みの不適切な検査等 一覧表  
                                                                                                                                            住友重機械工業株式会社

                   住友重機械ハイマテックス                        住友建機グループ                         住友重機械建機クレーン                     住友ナコマテリアルハンドリング
【製品について】
                                                     建設機械:
                                  建設機械:              油圧ショベル、フォークリフト、                  大型特殊自動車
                 圧延ロール:                                                               (トラッククレーン等の台車)         エンジン式フォークリフト
                                  アスファルトフィニッシャ、ローラー、 ブルドーザ、トラクターショベル、                                                               フォークリフト等:
                 高炉・電炉などの製鉄メーカーにお                                                     移動式クレーンのうち、            (大型特殊自動車車検付):
                                  除雪車、フォークリフト等       基礎工事用機械、                                                                       フォークを車両前面に備え、
  製品名:用途         いて、お客様所定の製鋼製品を作                                                      トラッククレーン、              フォークを車両前面に備え、
                                                     舗装締固め機、高所作業車等                                                                  油圧を用いて荷役を行う
                 り込む際の生産設備である圧延機                                                      ホイールクレーン、              油圧を用いて荷役を行う
                                  ※サービス事業として、OEM機や                                                                                  荷役車両。
                 に使用される消耗製品。                                                          オルテレーンクレーン等            荷役車両。
                                  他社機も扱う。            ※サービス事業として、OEM機や                 (41機種、ただし現在、生産販売終了)
                                                     他社機も扱う。

                                                                  建設土木工事、道路工事、             建築土木工事業者、       製造工場内や倉庫内、                   製造工場内や倉庫内、
  エンドユーザ            圧延設備のある製鉄所            建設土木工事、道路工事
                                                                     構内運搬現場等               荷役揚重作業者等          配送センター等                      屋内外作業者
                 29億円(国内26億円、海外3億円) 571億円(住友建機販売(株)単体)         100億円(本サービス事業)         2億円(当該機種におけるサービス 2億円                          23億円
   対象製品売上        /40億円              /建設機械セグメント 2,605億円         /571億円(住友建機販売(株)単体)    のみ対象)            (国内向け大型特殊自動車販売、              (特定自主検査、同時に実施する付
    (2017年度)      (住友重機械ハイマテックス(株)単体)                            建設機械セグメント 2,605億円    /384億円           点検整備)                        帯整備)
  /事業部門売上                                                                                              /住友ナコグループ連結325億円             /住友ナコグループ連結325億円
    (2017年度)
                                                                                              2002年
  事業開始時期                 1951年                              2001年                        (持ち株比率変更による                              1970年
                                                                                           社名変更:2018年)
【今回の不適切事案について】       【2018年10月1日公表】        【2018年6月20日公表】           【2018年8月24日公表】        【2018年6月20日公表】        【2018年6月20日公表】             【2018年7月27日公表】


                 検査成績表への実際の検査結果           道路運送車両法に関する           特定自主検査において測定を           道路運送車両法に関する            道路運送車両法に関する            特定自主検査において測定を
不適切行為の内容
                   と異なる数値の記載等              不適切な分解整備              行わず基準数値等を記載             不適切な分解整備               不適切な分解整備               行わず基準数値等を記載

                                        分解整備不備 109台、113件                                                      分解整備不備 140台、182件
   不適切件数                                                                                    2件/94件                                         26,288台、76,379件
                     9,457件/11,277件     記録簿未発行他 135台、159件           3,612台/10,304台                            記録簿未発行 197台、244件
  /調査対象件数                                                                              (当該機種台車への整備件数)                                          /26,288台
                                             /569件                                                                /226台

                     高炉・電炉メーカー
 本事案に関する
                     国内35社82工場
  納入顧客・                                          -                        -             当社国内管理台数 280台                90社                       8,080社
                     海外30社35工場
   納入件数
                     合計65社117工場
 本事案に関する                                                                                 1992年6月~2013年3月
                 2015年4月1日~2018年9月30日            -                        -                                   1987年3月 ~ 2018年2月           1980年1月~2017年9月
  製品納入期間                                                                                   にて生産販売終了
 本事案に関する
   現在までの         2015年4月1日~2018年9月30日   2016年5月1日~2018年5月31日   2017年8月1日~2018年7月31日   2016年5月1日~2018年4月30日   2016年5月1日~2018年4月30日    2017年7月1日~2018年6月30日
  調査対象期間
                                                                     (全件完了)
                                                               (なお、本事案調査の過程で判明
 本事案に関する
                    顧客からの要請による                (全件完了)            した定期自主検査における荷重               (全件完了)                (全件完了)                     (全件完了)
 今後の調査計画
                                                                試験の一部未実施については、
                                                                    対応中です)
           製品性能に関して、国内57工場
安全または製品性能 (70%)、海外13工場(37%)において、
                                               全数実施                    全数実施                  全数実施                   全数実施                      全数実施
  確認済み件数  お客様の品質基準を満たしている
                ことを確認しました。