6240 ヤマシンフィルタ 2021-02-04 15:00:00
通期業績予想の修正に関するお知らせ [pdf]

                                                               2021 年2月4日
各 位
                            会 社 名 ヤ マ シ ン フ ィ ル タ 株 式 会 社
                            代表者名 代 表 取 締 役 社 長 執 行 役 員   山崎 敦彦
                                           (コード番号:6240 東証第一部)
                            問合せ先 取締役専務執行役員管理本部長          井岡 周久
                                                  (TEL. 045-680-1671)


                      通期業績予想の修正に関するお知らせ


 当社は、2021 年2月4日開催の取締役会において、2020 年 11 月4日に開示した 2021 年3月期通期(2020
年4月1日~2021 年3月 31 日)の業績予想の修正を行うことを決議いたしましたので、下記の通りお知らせ
いたします。

1. 2021 年3月期 通期連結業績予想数値の修正
 (2020 年4月1日~2021 年3月 31 日)                          (単位:百万円)
                                             親会社株主に帰属 1 株 当 た り
                  売   上    高 営 業 利 益 経 常 利 益
                                             する当期純利益 当 期 純 利 益

前回発表予想(A)              16,000     1,300     1,280      1,350      11.42 円

今回修正予想(B)              14,550        40        60       500        6.35 円

増 減 額(B-A)            △ 1,450   △ 1,260   △ 1,220     △ 850            ―

増 減 率(    %   )        △9.1%     △96.9%    △95.3%    △63.0%            ―

 (参考)前期実績
                    12,674       777      603           608        8.79 円
 (2 0 2 0 年3月期)
(注)前提為替レート 米ドル        108 円(前回見通し公表時 108 円)
                ユーロ   121 円(前回見通し公表時 121 円)
2.業績予想の修正理由
   1. ヘルスケア事業
    ヘルスケア事業においては、前回通期の業績見通しを公表した2020年11月4日時点と比較し、新型コ
   ロナウィルスの感染拡大によるマスク需要が爆発的に増加した結果、当事業年度での家庭用マスク市場
   は約5,000億円を超える市場規模に急拡大し、来事業年度以降もウィルス感染予防に対する意識の定着
   等により通年着用の習慣化が進むと見込まれます。このような背景の中でマスク供給の約60%強を占め
   る海外製の不織布マスクから、消費者ニーズは品質重視の志向性が強まり、安価で品質の劣る海外製の
   マスクについては淘汰され、良質な日本製・国産マスクの需要が拡大することが高く見込まれます。ま
   た、医療用マスク市場においては、  N95マスクなど主力製品を海外メーカからの供給に依存するサプライ
   チェーンリスクの反省を踏まえ、  日本企業による国内生産が強く求められております。 当社グループは、
   こうしたマスク市場の拡大と消費者ニーズの変化に応えるために、独自技術である合成高分子系ナノフ
ァイバーを活用した「究極のヤマシン・フィルタマスク」並びに「究極のヤマシン・フィルタシート」
の販売を当社の公式オンラインショップや主要ドラッグストアチェーン、大手ECサイト等を通じて第2
四半期より暫時開始しました。
 また、創業以来70年に及びフィルタ専門メーカとして培ってきた技術を活かし、新たにNIOSH(米国労
働安全衛生研究所)の規格の一つであるN95マスク(注1)の性能基準である、①フィルタ性能-捕集効
率95%以上(注2)、 ②密閉性-装着中の顔とマスクの密着率90%以上  (注2) ③通気性-長時間装着で
                                         、
の呼吸のし易さ等の、高機能マスクに必要な3大性能を医療用レベルで実現した一般消費者向けフラッ
グシップモデル「Zexeed」(ゼクシード)の販売を2020年11月より開始いたしました。
 更に、2021年1月には、当社「究極のヤマシン・フィルタマスク」シリーズが、その機能性、独自性
を認められ、 「2020年日経優秀製品・サービス賞」を受賞しました。
 これらの取り組みにより、来期以降も高い水準が続くと見込まれるマスク市場に対し、当社独自技術
による高機能マスクを市場に投入しシェア拡大に邁進してまいります。

 一方、 当社のマスク量産体制については、他に例のない立体構造のナノファイバー素材のフィルタシ
ートを使用した製造工程の確立に多大な時間を要したことから、ドラッグストア市場等への供給が大幅
に遅延しました。また、量産体制構築の過程では製造原価の低減が十分に図れなかったこと等により、
当第3四半期のヘルスケア事業の業績は著しく低調に推移した結果を踏まえ、通期業績予想の修正を行
います。

  今後、当社グループは、国内一般消費者向けマスク市場のみならず、逼迫する医療現場等において需
要の拡大が見込まれる医療用の高機能マスクの増産に対応すべく、必要とされる認証の取得(日米欧の
各規格(注3))により、医療用の防塵マスク市場への進出を視野に入れ、更なる高機能マスク開発に邁
進するとともに、製品ラインナップ及び販路の拡大に取り組み、自社開発ナノファイバーの特性を活か
した独創的な製品開発による差別化戦略により、来期以降収益の最大化を実現させてまいります。

 (注1) N95マスク(Particulate Respirator Type N95)とは、アメリカ合衆国労働安全衛生研究
      所(NIOSH)のN95規格をクリアし、認可された微粒子用マスクのこと
 (注2) 当社調べ
 (注3) 日本における国家検定規格(DS)        、米国におけるNIOSH規格(N95)及び欧州におけるEN規格
     (FFP)


2. 建機用フィルタ事業
  前回通期の業績見通しを公表した 2020 年 11 月4日時点と比較し、新型コロナウィルスの感染拡大
第2波、第3波の影響などにより、世界経済全体や為替動向には依然として先行き不透明さが残る中、
日本、北米、欧州各国においては、停滞していた主要得意先各社の生産活動は前年度と同水準まで回復
傾向にあり、当社の需要は増加しております。また、世界の油圧ショベルの販売の6割以上を占める中
国市場においては、日系メーカを中心とした当社の主要得意先各社の市場占有率が大幅に縮小し、中国
系建機メーカの市場占有率拡大が継続する中、主力のリターンフィルタを中心とした当社製品の中国系
建機メーカへの標準品採用が着実に進捗している結果を踏まえ、増収が見込まれます。
  しかしながら、コロナ禍により世界的に発生しているコンテナ不足の影響から輸送コストが高騰し、
当社の材料調達や得意先への納期対応に係る航空運賃の継続的な発生による減益が見込まれることから、
通期業績予想の修正を行います。
  3. エアフィルタ事業
     エアフィルタ事業の業績見通しについては、コロナ禍におけるオフィスビルの稼働率減少及び鉄道運
   航本数減少等の影響により、フィルタ交換需要の減少による減収及び減益が見込まれることから、通期
   業績予想の修正を行います。


  4. 結論
    以上により、2020 年 11 月4日に公表しました通期連結業績予想の修正を行います。


    なお、2021年3月期の想定為替レートにつきましては、米ドル108円、ユーロ121円を据え置きます。
    今後、市場環境の変化が業績等に影響を与える場合には速やかに開示いたします。




(ご参考)
 1.連結業績予想値の修正概要
   a. 売上高については、建機用フィルタ事業については増収が見込まれる一方、ヘルスケア事業及びエア
      フィルタ事業に関しては減収が見込まれることから、全体で 9.1%の減収となる見込みです。

  b. 営業利益については、建機用フィルタ事業における増収効果はあるものの、コロナ禍において輸送コ
     ストが高騰するなか、材料調達や得意先への納期対応のための航空運賃等や事業ポートフォリオ構築
     の検討に要したデューデリジェンス費用の発生、またヘルスケア事業における大幅な減収による影響
     や事業立ち上げに伴う広告宣伝費用等の発生により、前回開示した業績予想に比べ 96.9%の減益とな
     る見込みです。

  c. 経常利益については、営業利益の減少等により、前回開示した業績予想に比べ 95.3%の減益となる見
     込みです。

  d. 親会社株主に帰属する当期純利益については、 2020 年 11 月4日付けプレスリリース「和解による紛
     争の解決に関するお知らせ」に記載の通り、2019 年8月に子会社化したアクシー社の売主に対して一
     定の請求を行い、当社と売主らとの間で和解契約を締結したことにより、当第3四半期に特別利益を
     計上した結果、前回開示した業績予想に比べ 63%の減益となる見込みです。
2. 事業セグメント別の見通し

(2020 年4月1日~2021 年3月 31 日)                              (単位 百万円)
                                                            :
                             前回発表予想       今回発表予想         増減額
         セグメント
                                (A)          (B)         (B-A)

                 合計
                                 16,000       14,550       △1,450

            建機用フィルタ事業
                                 10,000       10,950          950

  売上高   内    エアフィルタ事業
        訳                        3,000        2,600         △400

              ヘルスケア事業
                                 3,000        1,000        △2,000

             調整額/全社費用
                                      -            -            -

                 合計
                                 1,300             40      △1,260

            建機用フィルタ事業
                                 1,353        1,310          △43

 営業利益   内    エアフィルア事業
        訳                          290             50       △240

              ヘルスケア事業
                                   910         △40          △950

             調整額/全社費用
                                △1,253       △1,280          △27
※各セグメントの業績及び全社費用をより的確に把握するため、当社の各報告セグメントに帰属しない本社の管理
 部門の一般管理費等の全社費用につきましては、全社費用を別掲することにより、所定のセグメントに配賦しな
 い方法に変更しております。

                                                             以 上