6205 OKK 2021-11-18 09:10:00
資本提携契約締結にかかる第三者割当による新株式発行並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ [pdf]

                                                           2021 年 11 月 18 日
各 位


                              会 社 名   OKK株式会社
                              代表者名    代表取締役社長                   森本 佳秀
                                      (コード番号 6205 東証第一部)
                              問合せ先    取締役上席執行役員
                                      管理本部長                     足立 圭介
                                      (TEL 072-771-1159)



        資本提携契約締結にかかる第三者割当による新株式発行並びに
        親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ



 当社は、2021年11月18日開催の取締役会において、以下の通り、日本電産株式会社(以下「日
本電産」といいます。 に対し、
          )    資本提携契約締結及び第三者割当による新株式(以下「本新株式」
といいます。)の発行を行うこと(以下「本第三者割当増資」といいます。)について決議しまし
たので、お知らせいたします。また、本第三者割当増資に伴い、当社の親会社及び主要株主であ
る筆頭株主の異動が見込まれますので、併せてお知らせいたします。



Ⅰ 第三者割当による新株式の発行
1.募集の概要
 (1)   払   込       期   間   2022年1月26日から2022年6月30日(予定)
                                                    (注)
 (2)   発 行 新 株 式 数         当社普通株式15,853,444株
 (3)   発   行       価   額   1株につき345.60円
 (4)   調 達 資 金 の 額         5,478,950,247円(差引手取概算額5,178,950,247円)
 (5)   募集又は割当方法            第三者割当による新株発行の方法により、日本電産に全株式を
       (割当予定先)             割り当てます。
 (6)   そ       の       他   前記各号については、金融商品取引法による届出での効力発生
                           を条件とします。

(注)本第三者割当増資に関して、当社は、2022年1月26日から2022年6月30日までを会社法上の募集事項にお
      ける払込期間として決議しております。当該期間を払込期間としている理由は、日本電産において、本第
   三者割当増資の払込みの実行のために、国内外の競争当局の許認可等を取得していることが必要であると
   ころ、本日時点において、当該許認可等の取得時期が確定できないためです。割当予定先は、払込期間に
   おいて、本第三者割当増資のためのすべての条件が充たされた後に、払込みを実施する予定です。


2.募集の目的及び理由
 当社は、創業100年を超える機械メーカーとして、創業期の渦巻きポンプ、水道メーターの製造
に始まり、繊維、包装、等々、時代に必要とされる事業を営み成長してまいりました。そして、近
年ではあらゆる産業の基盤となる工作機械事業に邁進することで、微力ながらも様々な産業の成
長下支えの一端を担うことができていると自負しております。特に当社の製品コンセプト(理念)
でもあります「重切削・高剛性の100年品質」を体現した「マシニングセンタVM-Rシリーズ」は、
その加工能力の高さや抜群の安定感から幅広い業種のお客様に高い評価をいただいており、また、
マシニングセンタ(注)で研削加工ができる当社独自の「グラインディングセンタGCシリーズ」
は、半導体関連や脆性材料を加工されるお客様に高い評価を頂いており、更に、お客様からの様々
なカスタマイズ要望に対して誠実に対応してきた経験が、受注やリピートオーダーの実績となっ
て現れてきております。
(注)マシニングセンタとは、工作機械の一種で、加工プログラム及び数値制御によって自動で材料を目的の形に
   加工することができる等の機能を備えた機械となります。
 しかし、日本の製造業が海外現地生産へシフトしていく中、当社は海外展開の遅れや国内中心
の営業活動を中心に注力してきた結果、工作機械業界全体の海外現地生産比率が高まっても当社
は思うように海外での受注を伸ばすことができず、国内製造業の地盤沈下といえる状況とともに
当社の会社規模・売上規模も減少の一途を辿ってまいりました。
 この状況を打開すべく、過去には何度か改革プロジェクトを実施して業績の立て直しを図りま
したが、そのいずれもが景気低迷期を乗り越えられるほどの効果を残すことができませんでした。
しかしながら、直近2020年4月からスタートしました新中長期経営計画「Re;Neo Challenge -リ;
ネオ チャレンジ-」における構造改革では、社外から役員を招聘し、また役員が自らコアプロジ
ェクトメンバーとなって、現場、当事者を巻き込んで改革を実行したことが功を奏して、在庫の
削減や損益分岐点の引き下げ等、改革に対して一定の成果が表れ始めております。
 ところが、構造改革の効果が確実に表れる段階にまでは至っていなかった段階で、新型コロナ
ウィルス感染症の蔓延による国レベルでの経済的人的封鎖が行われた影響を受けて、2021年3月
期は、連結売上高12,083百万円(前期より9,265百万円減少)、連結営業損失2,755百万円(前期よ
り2,896百万円減少) 親会社に帰属する当期純損失2,427百万円の結果となりました。
           、                                これにより、
純資産合計は8,767百万円まで減少しております。
 2022年3月期の第1四半期決算においても、新型コロナワクチン接種率の増加等の影響から世界
的に経済活動が復活する兆しはあるものの、本格的な回復には道半ばの状態にあることもあり、
当社は依然として営業損失を計上しており、通期の業績予想は営業損失340百万円、親会社株式に
帰属する当期純損失1,100百万円としております。ただ、少なくとも今の工作機械業界の景気動向
が上向いているこの時期に、早期に構造改革を完遂させることが、当社の企業価値の維持、向上
にとって急務であると考えております。
 一方で、財務制限条項に抵触していることによる取引金融機関による短期借入金の返済期日の
不延長や継続企業の前提に関する注記が記載される可能性等、様々な要因によって自力での再生
が阻害される状況を想定し、構造改革終盤の2021年年初より、当社の中長期的な企業価値最大化
を図ることを目的に、当社の課題である財務体質の強化、事業面における体制強化、経営管理面
の知見・ノウハウ等の補強、事業の競争力強化を行うべく、複数のファンドや企業提携先候補と
の業務・資本提携の実現可能性を検討するために初期的デュー・ディリジェンスを受けてまいり
ました。
 このような最中、当社は2021年9月17日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知ら
せ」にて開示いたしました通り、仕掛品計上された材料費や加工費等の一部が過去より適切に製
品勘定に振り替えられず、適時適切に費用処理されてこなかった結果、棚卸資産(仕掛品)残高
が過大に計上されていたという調査結果の報告を受けましたので、2021年10月6日に過去の有価
証券報告書、四半期報告書の訂正を行うとともに、2021年3月期の決算短信及び有価証券報告書
を公表いたしました。
 また、当社グループにおける内部統制の不備や運用上の認識不足により財務報告等に重大な誤
りが発見され、上記の過年度遡及による訂正を行ったことから2021年3月期有価証券報告書の延長
提出期限である9月24日、並びに2022年3月期第1四半期報告書の延長提出期限である10月12日
に間に合わずに一時的に監理銘柄に指定されたことや、この件に関して11月16日付「東京証券取
引所による『改善報告書』の提出請求及び『公表措置』の実施について」を受領したことで当社
グループの信用は大きく毀損する事態となっております。現状、取引金融機関との協議により、
短期借入の返済期日の延長及び財務制限条項抵触を避けるための条件変更を実施する等によって、
直ちに資金繰りが破綻するような状況は免れておりますが、11月15日に公表しました2022年3月
期第2四半期決算短信で親会社株式に帰属する当期純損失903百万円を計上しております。同決算
では連結純資産合計が7,878百万円となっているため債務超過に陥っている訳ではございません
が、ここには土地再評価差額金7,144百万円が含まれており、株主資本合計でみると利益剰余金の
損失で株主資本合計が25百万円の損失となりました。併せて2022年3月期の業績予想を親会社株
式に帰属する当期純損失1,100百万円としていることから株主資本の毀損が不可避な状況であり、
資本の充実がより喫緊の課題となってまいりました。今後、当社が更なる成長・発展を目指す上
で、当社の経営方針を理解し、中長期的な観点から当社の持続的・継続的な成長・発展を支えて
いただける安定的な株主構成のもとで中長期的な企業価値最大化を図っていくことが必要不可欠
との考えに至りました。
 そこで、上記に記載したように既に進めていました業務・資本提携先の検討をさらに進め、当
社に対する支援の可能性について真摯に協議を重ねてきたところ、提携先候補の一社である日本
電産より割当予定先より普通株式による合計5,479百万円の資金提供が可能であり、業務提携契約
の締結が可能である旨の提案を受けました。
 割当予定先は、モータ製造を主力事業とする世界有数の電機メーカーですが、本年8月に工作
機械メーカーである日本電産マシンツール株式会社(以下「日本電産マシンツール」といいます。
                                           )
を子会社としてその傘下に加えました。日本電産マシンツールは、三菱重工業株式会社の子会社
として、主に門形五面加工機や横中ぐりフライス盤、歯車工作機械等に関する設計・製造・販売を
行っており、同月に新たに割当予定先の子会社となった後も引き続き、同様の工作機械の設計・
製造・販売を行っており、同業種であるため当社事業との親和性が高く、販売面においては競合
する製品がないことから補完性にもある事業会社です。同社は、日本電産グループに所属する会
社として、新たなスタートを切り、今後は総合工作機械メーカーとして、品揃えを増やすことで
営業力も強化するとともに、生産能力も速やかに強化していく予定とのことです。
 当社は、今後も引き続き猪名川製造所を活用して工作機械事業を続けていく上で職人・技術者
を育て、技能・技術を磨き、当社の製品及び当社がルーツとなる様な製品を世の中に残していき
たいという強い意志を持っておりますが、割当予定先も、前述の当社の基本方針について賛同し
ており、当社としても、当社の強みであるマシニングセンタと、日本電産マシンツールの持つ当
社の製品群にはない横中ぐりフライス盤、門型五面加工機などの大型機を組み合わせることによ
り、同一の顧客層に対してフルラインナップでのご提供が可能となるため、当社及び日本電産マ
シンツール(以下「両社」といいます)の商品力が格段に増すと考えております。加えて工作機械
業界で総合工作機械メーカーとして大手に並ぶ一大勢力を作り上げることを企図するという日本
電産マシンツール及び割当予定先の考え方にも賛同、共鳴いたしました。さらに当社と日本電産
グループの販売網を相互に活用することにより、国内における販売先の拡充に留まらず、グロー
バル展開も可能となり、当社の活躍するフィールドは飛躍的に拡大するものと考えております。
技術面についても、当社はマシニングセンタを中心としており、日本電産マシンツールは歯車機
械、横中ぐりフライス盤、及び門型五面加工機を中心としており、両社が製品ラインナップとし
て保有していない製品があったとしても、両社の技術を集結させることで新製品の開発が期待で
きるものと考えております。生産面については、両社の製造拠点を活用した生産能力の拡大が見
込め、また国内及び海外で両社の協調による生産拠点への投資も可能であると考えております。
 当社は、割当予定先に対して本第三者割当増資を実行することで、毀損した資本力を増強し財
務体質を盤石のものにすることに加え、今後投資を拡大していく上で必要な資金を十分に確保す
ることができるとともに、割当予定先及びその子会社である日本電産マシンツールと協業するこ
とにより、日本電産グループの工作機械メーカーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向
上を図るためのより安定した経営基盤を構築し、両社の経営資源の集約・相互活用の深化などを
通じ、シナジー効果を発揮し、成長を加速していくことが可能になるとの判断により、提案を応
諾するに至りました。なお、公募増資及び株主割当等の他の資金調達方法についても検討いたし
ましたが、いずれも過大な時間を要するとともに、当社の現在の業績動向や資金調達の確実性に
鑑み、本第三者割当増資が資金調達手段として最も適切な方法であると判断いたしました。
 尚、当社が2021年11月16日付「東京証券取引所による『改善報告書』の提出請求及び『公表措
置』の実施について」を受領し、同日付で開示したことについては、日本電産に説明を行い、了
承を頂いております。
 また、本第三者割当増資により発行する普通株式の数15,853,444株に係る議決権数は158,534個
であり、本第三者割当増資による2021年9月30日時点における発行済み株式総数8,146,556株に対
する希薄化率は199.56%(2021年9月30日現在の総議決権数78,942に対して200.82%)となり、既
存株主の皆様には一時的に大規模な株式の希薄化による既存株主の経済的利益の低下や潜在的な
議決権比率の低下が生じることになりますが、本第三者割当は当社の中長期的な企業価値向上に
資するものであり、既存株主の皆様の将来的な利益に資するものと考えております。


 なお、第三者割当増資により発行される本新株式の全株式数を割当予定先が引き受けた場合、
割当予定先は、会社法第206条の2第1項に規定する特定引受人になります。同項及び会社法施行
規則第42条の2に定める通知事項は、以下の通りです。
① 特定引受人の氏名又は名称及び住所
  日本電産株式会社 代表取締役社長 関 潤
  京都市南区久世殿城町338番地
② 特定引受人がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数
  158,534個
③ 上記②の募集株式に係る議決権の数
  158,534個
④ 募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議
  決権の数
  237,340個
⑤ 特定引受人との間の総数引受契約の締結に関する取締役会の判断及びその理由
  本項「2. 募集の目的及び理由」をご参照ください。
⑥ 上記5の取締役会の判断が社外取締役の意見と異なる場合には、その意見
  取締役会の判断は、社外取締役の意見と異なりません。
⑦ 特定引受人との間の総数引受契約の締結に関する監査等委員会の意見
  当社の監査等委員会より、以下の各号の事項を総合的に勘案した結果、本第三者割当増資に
  関して、特定引受人との間で資本提携契約を締結することについては、合理的であると判断
  する旨の意見を得ています。
  (1)貴社の営業損失等の状況並びに財務体質の再構築及び経営基盤の強化が貴社の喫緊の課
     題であることに鑑み、中長期的な財産基盤の安定並びに貴社の事業成長戦力の推進及び
     工作機械市場での競争力の回復に向けた資金調達の必要性が認められること。
  (2)(a)資金調達の確実性が高い第三者割当増資の方法によることが適切であると考えられ
     ること、(b)特定引受人とのシナジー効果を期待できること、(c)本第三者割当増資の払
     込金額についても、特に有利なものではないと認められ、その他発行条件についても著
     しく不合理な点は認められないこと、及び、(d)本第三者割当増資による希釈化率を考慮
     しても、本第三者割当増資は貴社の企業価値向上に資するものであると認められること。


3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期
(1) 調達する資金の額
   ① 払 込 金 額 の 総 額       5,478,950,247 円
   ② 発 行 諸 費 用 の 概 算 額    300,000,000 円
   ③ 差 引 手 取 額 概 算 額     5,178,950,247 円
 (注)1.発行諸費用の概算額には消費税等は含まれておりません。
     2.発行諸費用の概算額の内訳は、本第三者割当増資に係るアドバイザリー費用、弁護士費用、株式
      にかかる価値評価費用、デュー・ディリジェンス対応費用、第三者委員会への報酬、登記関連費
      用、有価証券届出書等の書類作成費用、その他事務費用等等であります。


(2) 調達する資金の具体的な使途
              具体的な使途         金額(百万円)
                                   (注)        支出予定時期

 ①   猪名川製造所内工場建て替えにかかる投資       3,878百万円   2022年4月~2024年3月

 ②   猪名川製造所内工場の設備更新・新規設備投資      600百万円    2022年10月~2024年6月

 ③   基幹システムへの投資                 500百万円    2022年4月~2025年6月

 ④   研究開発投資                     200百万円    2023年4月~2024年9月
     合計                        5,178百万円
 (注)1.当社は、本第三者割当増資の払込みにより調達した資金を、上記の資金使途に充当するまでの間
       銀行預金にて安定的な資金管理を図る予定です。

     2.下記「①猪名川製造所内工場の建て替えにかかる投資」に記載の通り、過去に計画を断念した経

      緯から詳細な設備投資計画書はございません。また、協調体制を取ります日本電産マシンツール

      株式会社と協議した結果で計画の変更も考えられることから、設備投資計画は、本第三者割当増

      資が完了した後に日本電産マシンツール株式会社と協議して速やかに決定してまいります。


 ① 猪名川製造所内工場の建て替えにかかる投資
  当社の主力製品であります工作機械のほとんどを製造している猪名川製造所内工場は、既
 に建設後50年以上が経過している建物もあり、建物の老朽化が相当に進んでいるのみならず、
 工場の建て替えと生産設備の移設を繰り返していることから機械加工工場と組立工場との物
 流動線が悪く無駄な構内搬送による搬送車の燃料・電力の消費や生産リードタイムの悪化が
 発生していることから、同工場の生産効率の向上、猪名川製造所内の物の流れの改善は、当
 社において、継続的かつ安定的に収益を上げるための喫緊の経営課題となっています。その
 ため、過去には同工場の建て替え計画である「リプロ計画」を実施いたしました。
  リプロ計画(猪名川製造所内工場再構築計画)(実施期間:2007年~2012年)
  (Ⅰ)再構築の目的
      ・構内物流、生産プロセスの効率化
          子会社/関係会社/外注との生産/工程の分担も検討し、総合的な生産性とコストの
          有利性を追及するムダの無い5Sレベルの高い工場
      ・製品品質、加工部品品質の向上と安定
          製品/部品の高品質化による生産性向上、不良率の低減
      ・老朽化したインフラ/建屋/設備の更新
          工場イメージの改善、顧客を歓迎する気持ちの見える工場
      ・環境対応
          ISO14001対応、近隣住民への環境上の配慮
       ・労働環境の整備
        作業環境の快適化、モラールアップ
 (Ⅱ)計画実行の条件
       ・年間売上300億円経常利益率7%を最低線とし、6年間で経常利益総額140億円以上
        を目指す。
       ・今後6年間は、毎年15億円のコンスタントな投資を行い、6年間で投資総額90億
        円とする。
       ・90億円の内訳 建物、インフラ :45億円
                新機械設備         :27億円
                その他一般設備 :10億円
                ソフト関連         : 8億円
       ・本計画は毎年見直すものとし、景況判断により前倒し、後ろ倒しを実施する。


 当初、この計画には猪名川製造所内全ての工場についての再構築計画が検討されておりま
したが、計画実行途中でリーマンショックによる業績不振となり、資金不足の問題から計画
の一部を断念せざるを得ませんでした。特に断念した工場の1つであるL工場は大型の機械
設備が多く存在していることから、限られた敷地内での既存設備の一時的な移設、代替場所
による生産継続、新工場での生産再開等を考慮すると非常に難易度の高い建て替えでした。
  リプロ計画で実施できた建て替え            断念した建て替え
  S工場                        R工場
  V工場                        L工場
  W工場(当時はV2工場と記載)            熱処理工場
  インフラ整備


 リプロ計画実行時よりも年月が過ぎていることから老朽化もさらに進んでおり、当時、断
念した計画の実行が当社のより重要な経営課題となっております。加えて、工場の恒温化や
無窓化等の対環境対策を行わなければ今の顧客が工作機械に求めている精度、より品質の高
い製品を作り出すことが難しくなっており、
                   「②猪名川製造所内工場の設備更新投資」と合わ
せて、早期に本計画を再開することが必要不可欠であると考えております。
 今回、時代の流れに合わせて計画の見直しも行い、猪名川製造所全体として100[台/月]生
産を目指すためにも、当社の売れ筋となる小型立形マシニングセンタの組立工場であるR工
場を建て替えて70[台/月]生産を目指し、当社製品の全大物鋳物の仕上げ加工を担当するL工
場、熱処理工場、塗装工場の建て替えを順次行うことを検討しております。かかる総費用へ
の一部負担として3,878百万円を充当いたします。
 <検討中の工場建て替え>
  内訳    R工場       1,800百万円
        L工場       1,900百万円
        熱処理工場     178百万円
        合計      3,878百万円


② 猪名川製造所内工場の設備更新・新規設備投資
  生産設備の老朽化や故障によって突発的に社内加工の一部を外注に頼まざるを得ない事態
が発生しており、社内外のタイムチャージ差による追加加工費や運搬によって余分な費用・
時間がかかっていることから、設備の更新・バックアップ設備の保有によって加工効率向上・
ロスの削減、ひいては生産能力向上が期待できます。併せて、内製化するものと外注化する
ものを再度見極め、大物鋳物部品の仕上げ加工工程、研磨工程、摺動面や主軸部品の焼入れ
工程、主軸ユニットや回転テーブルの組立工程等当社にしかできない高付加価値部品やユニ
ットを製作するために門形五面加工機、複合旋盤、研磨機、焼入れ装置等の設備を充実させ
ることを検討しております。かかる投資費用として600百万円を充当いたします。
  <検討中の主な設備更新・新規設備>
   内訳   門形五面加工機            200百万円
        摺動面高周波焼き入れ装置       200百万円
        内径研削盤              75百万円
        外径研削盤              75百万円
        複合旋盤               50百万円
        合計                 600百万円


③ 基幹システムへの投資
  現在当社で使用しております基幹システムは、受注入力から生産管理、発注、在庫管理に
至るまで生産における当社中枢のシステムですが、オペレーションの煩雑さ、処理速度の遅
緩を内包しており、これによってしばしば業務の停滞を引き起こしております。また2021年
11月16日に東京証券取引所より「改善報告書」の徴求及び「公表措置」を受けたことを踏ま
え、今般の不適切な会計処理(注)と同様の事態が二度と生じないようにするためにも、不
適切な会計処理を行えないよう基幹システムを更新することが必要不可欠であり、加えて、
保守期間の満了が近づいてきていることからサーバーの更新、OSのバージョンアップ並びに
バージョンアップに伴う各種ソフトウェアの更新及びテストも含む費用として500百万円を
充当いたします。
(注)当社は、2021年6月24日付「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」及び2021年9月17日付「特別調
   査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」にてお知らせしております通り、過去の会計処理の誤り
   の可能性及び当社役員による不適切な業務執行の可能性を含む内部統制上の問題が存する疑義につい
   て、利害関係を有しない外部専門家3名から構成される特別調査委員会を設置し、2021年9月17日、特
   別調査委委員会より調査報告書を受領いたしました。その調査結果から、①過去において実在性のない
   仕掛品が存在していたこと、②担当者が、実在性のない仕掛品の存在を認識しながら、棚卸資産の帳簿
   残高と実棚金額との差額を埋めるため、棚卸対象外資産である加工費等を水増しする等して、適切な費
    用処理を行わず、資産を過大計上していたこと、③ ①により適時に費用処理がされず、過大計上が継
    続していた仕掛品の残高を、担当者が恣意的に費用処理していたことが判明いたしました。
     この原因の1つとして基幹システムの複雑性を上げられており、再発防止策には原価計算に関する
    部分のシステムの改修を提言されております。


  ④ 研究開発投資
   工作機械ならびにその使用環境全体に対してDXを推進していくための以下の研究開発活動
  に関する投資として、200百万円を充当いたします。
   (Ⅰ)基礎となるAI、5G、自動化の研究・活用検討(約30百万円)
   (Ⅱ)製品及び生産手法としての積層造形の可能性への研究(約50百万円)
   (Ⅲ)新材料・新素材、新加工方法探求に対する研究(約20百万円)
   (Ⅳ)上記各研究による技術を搭載した製品・商品開発 等(約100百万円)


4.資金使途の合理性に関する考え方
  本第三者割当増資により調達する資金については、当社の置かれた厳しい経営状況から脱却
 し、強固な収益基盤の確立と財務体制の抜本的な改善を図るべく、需要回復に備えた生産拠点
 への投資による生産能力の拡大等の事業の成長に資する設備投資に充当し(具体的な内容につ
 いては、上記「3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期(2)調達する資金の具体的な使
 途」をご参照ください。、当社事業の再生の実現を目指します。当社は、これにより、当社に
            )
 おける中長期的な財政基盤の安定、また当社の事業成長戦略の推進、ひいては当社の企業価値
 の向上にそれぞれ資するものであり、経営上の合理性を有するものと判断しております。


5.発行条件等の合理性
(1) 発行条件等の合理性 払込金額の算定根拠及びその具体的内容
  本第三者割当増資における株式の発行価格(以下「本発行価格」といいます。
                                    )は、割当予定
 先との協議・交渉の結果、本第三者割当増資に係る取締役会決議日(以下「本取締役会決議日」
 といいます。)の直前営業日(2021年11月17日)の東京証券取引所市場第一部における当社普通
 株式の終値384円に対して10.00%(小数点以下第3位を四捨五入。以下ディスカウント率の計算
 において同じ。
       )のディスカウントをした345.6円といたしました。
  本取締役会決議日の直前営業日の終値を基準とした理由は、当社普通株式は、市場取引価格
 のある上場株式であることや、直近の株価が現時点における当社の客観的企業価値を適正に反
 映していると判断したためです。
  また、直前営業日の終値の10.00%のディスカウントとした理由は、新型コロナウィルス感染
 症の国内での感染拡大などに伴い当社の事業環境の不透明感が増していることなどを背景に、
 割当予定先から日本証券業協会の定める「第三者割当増資の取扱いに関する指針」
                                     (2010年4月
 1日付)に準拠する範囲内でのディスカウントの要望があり、当社としても、前記「2.募集の
 目的及び理由」に記載の当社における本第三者割当増資の必要性、及び日本証券業協会の指針
 の準拠等を慎重に検討し、また本第三者割当増資の払込金額が割当予定先に特に有利でないこ
とに係る適法性に関する当社監査等委員会の意見も踏まえて、資本補強をし、投資を拡大する
ためには割当予定先のディスカウント要望を一定程度受け入れる必要があると判断した結果に
よるものです。
 なお、本発行価格は、本取締役会決議日の直前営業日までの1か月間(2021年10月18日から
2021年11月17日まで)の終値の平均値である342円(円未満四捨五入)に対して1.05%のプレミ
アム、同直前営業日までの3か月間(2021年8月18日から2021年11月17日まで)の終値の平均
値である352円(円未満四捨五入)に対して1.82%のディスカウント、同直前営業日までの6か
月間(2021年5月18日から2021年11月17日まで)の終値の平均値である378円(円未満四捨五入)
に対して8.57%のディスカウントとなっております。
 当社としては、本発行価格は、本第三者割当増資の意義及び必要性、割当予定先との交渉状
況等を総合的に考慮したものであり、当社株式の客観的な価値である市場価格を基準に決定さ
れたものであって、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」に沿ったもの
であることから、割当予定先にとって、特に有利なものではないと判断いたしました。
 また、本第三者割当増資は、希薄化率が25%以上となり、親会社の異動が生じる予定であるた
め、当社は、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条の定めに従い、当社の経営から
独立した者による本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見を取得するため、当社の
経営者及び割当予定先から一定の独立性を有する者として、当社と利害関係のない社外取締役
である古川実氏、大栗育夫氏、及び岡田祐輝氏(3名とも当社の独立役員かつ、岡田祐輝氏は
監査等委員です。)の3名によって構成される第三者委員会を設置し、同第三者委員会に対し、
本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見を求めました。その結果、後記「9.企業行
動規範上の手続きに関する事項」に記載の通り、本第三者割当増資につき必要性及び相当性が
認められる旨の意見を得ております。


(2) 発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠
 当社は、本第三者割当増資により普通株式を15,853,444株発行することにより、総額約55億
円を調達いたしますが、上述した本第三者割当増資の目的、資金使途及び払込金額の算定根拠
に照らすと、本第三者割当増資により発行される普通株式の発行数量は合理的であると判断し
ております。
 また、本第三者割当増資により発行される普通株式に係る議決権数(158,534個)は、2021年
9月末日現在の株主名簿に基づく当社の発行済み普通株式に係る議決権総数である78,942個の
約200.82%となります。このように、本第三者割当増資により、当社普通株式について大規模な
希薄が生じることになりますが、上記「2.募集の目的及び理由」に記載の通り、当社にとって
本第三者割当増資による資金調達を実行する必要性は極めて高く、また、本第三者割当増資の
規模は、大規模ではあるものの、あくまでかかる資金調達の必要性に照らして必要十分な規模
に設定されています。また、本第三者割当増資は、他の資金調達方法との比較においても、現
時点において当社が取り得る最善の選択肢であり、上記「(1)払込金額の算定根拠及びその具
体的内容」記載の通り、その払込金額にも合理性が認められます。当社の置かれた厳しい経営
状況及び今後の企業価値の向上施策に鑑みれば、かかる本第三者割当増資により強固な収益基
 盤の確立と財務体質の抜本的な改善を図り、当社事業を再生することは、大規模な希薄化が生
 じることを考慮してもなお、既存株主の皆様の利益にも資するものと考えられます。
  なお、本第三者割当増資により、当社普通株式について199.56%の希薄化が生じます。このた
 め、経営者から一定程度独立した者として、当社と利害関係のない社外取締役である古川実氏、
 大栗育夫氏、及び岡田祐輝氏(3名とも当社の独立役員かつ、岡田祐輝氏は監査等委員です。)
 の3名によって構成される第三者委員会を設置し、資金調達の必要性、希薄化の規模の合理性、
 資金調達手法の妥当性、割当予定先の妥当性、及び当社の置かれた状況に照らした発行条件の
 内容の相当性等について慎重に審議いただき、本第三者割当増資による資金調達の必要性及び
 相当性が認められるとの意見を受領しております。


6.割当予定先の選定理由等
(1) 割当予定先の概要
  (1)    名               称   日本電産株式会社
  (2)    本 店 の 所 在 地         京都市南区久世殿城町 338 番地
  (3)    代表者の役職・氏名           代表取締役社長執行役員 関 潤
  (4)    事   業       内   容   精密小型モータ、車載及び家電・商業・産業用モータ、
                             機器装置、電子・光学部品、その他の開発・製造・販売
  (5)    資       本       金   87,784 百万円
  (6)    設   立   年   月   日   1973 年7月 23 日
  (7)    発 行 済 株 式 数         596,284,468 株
  (8)    決       算       期   3月 31 日
  (9)    従   業       員   数   2,568 名
  (10)   主 要 取 引 銀 行         三菱 UFJ 銀行、京都銀行、三井住友銀行、滋賀銀行、
                             三井住友信託銀行
  (11)   大株主及び持ち株比率          1.永守 重信 8.44%
                             2.日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
                               7.04%
                             3.株式会社日本カストディ銀行(信託口) 4.23%
                             4.株式会社京都銀行(常任代理人株式会社日本カスト
                               ディ銀行) 4.23%
                             5.エスエヌ興産合同会社 3.45%
                             6.SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港
                               上海銀行東京支店) 3.22%
                             7.THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042(常任代理人
                               株式会社みずほ銀行) 2.65%
                             8.株式会社三菱 UFJ 銀行       2.53%
                             9.JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理人 株式
                           会社みずほ銀行) 2.33%
                         10.日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスター
                           トラスト信託銀行株式会社) 2.24%
 (12) 上 場 会 社 と 割 当 予 定 先 と の 間 の 関 係
        資   本   関    係   該当事項はありません。
        人   的   関    係   該当事項はありません。なお、本第三者割当増資の実施
                         による連結子会社後、割当予定先は、当社に対し、取締
                         役を指名する予定です。
        取   引   関    係   該当事項はありません。
        関 連 当 事 者 へ の    該当事項はありません。
        該   当   状    況
 (13)   最近3年間の財務状況及び経営成績
 決算期                     2019 年3月期      2020 年3月期     2021 年3月期
   連結純資産(百万円)              1,019,629        967,633     1,113,969
   連結総資産(百万円)              1,884,008      2,122,493     2,256,067
   1株当たり連結純資産                 3,420          3,246         1,868
   (円)
   連結売上高(百万円)              1,475,436      1,534,800     1,618,064
   連結営業利益(百万円)               129,222        108,558       160,011
   親会社株主に帰属する                109,960        58,459        121,977
   当期純利益(百万円)
   1株当たり連結当期純                186.49          99.37        208.25
   利益(円)
   1株当たり配当金(円)                  105            115            60
 (注)割当予定先である日本電産は、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しており、日本電産株式会社
    が東京証券取引所に提出した2021年7月5日付「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」におい
    て、反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況を公表しているため、当社は、割当
    予定先関係者について、反社会的勢力とは一切関係がないと判断しております。


(2) 割当予定先を選定した理由
 割当予定先は、モータ製造を主力事業とする世界有数の電機メーカーですが、本年8月に工作
機械メーカーである日本電産マシンツールを子会社としてその傘下に加えました。日本電産マ
シンツールは、三菱重工業株式会社の子会社として、主に門形五面加工機や横中ぐりフライス
盤、歯車工作機械等に関する設計・製造・販売を行っており、同月に新たに割当予定先の子会社
となった後も引き続き、同様の工作機械の設計・製造・販売を行っております。
 当社グループを取り巻く経済環境は、国内外において回復基調ではありますが、新型コロナ
ウイルス感染症拡大の影響が依然として継続することが予想され、今後も世界経済は不透明な
状況が続くと思われます。一方で、前連結会計年度の後半より新型コロナウイルス感染症ワク
チンの接種が進むなど、回復に向けた動きも見られました。中国においては、回復が鮮明であ
り、建設機械、半導体等が好調に推移し、その他アジア新興国においても緩やかな回復が見ら
れます。我が国経済においては、新型コロナウイルス感染症再拡大に伴い、緊急事態宣言が再
度発令されるなど不透明な状況のなか、自動車関連、半導体関連が徐々に上向くなど回復基調
で推移しております。
 そのような中で、当第2四半期連結累計期間は売上高が6,278百万円と前第2四半期連結累計
期間と比較して23.5%増と改善したものの、営業損失は312百万円、親会社株主に帰属する当期
純損失は903百万円となり、前連結会計年度に引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせ
るような事象が存在しております。
 当社は、猪名川製造所内工場の老朽化・陳腐化、基幹システムの複雑性、研究開発の遅れ等
の、当社経営課題 へ対処するために必要な資金需要に対応するにあたり、財務再構築による金
融機関取引の安定化・信用補完による事業継続の安定化を図ると共に、2021年4月よりスター
トした新中長期経営計画「Re;Neo Challenge - リ;ネオ チャレンジ -」
                                           (注)における構造
改革の継続 、猪名川製造所内工場の建て替え並びに設備更新、基幹システムの更新、研究開発
等の成長投資に充当するため、当社の企業価値の向上に資する資金調達手法であることを条件
に様々な資金調達の手法を検討してまいり参りました。 なお、公募増資・株主割当等の他の資
金調達手段についても検討いたしましたが、当社の現在の業績動向や最終的な資金調達金額の
確実性に鑑み、本第三者割当増資が資金調達手段として最も適切であると判断しました。
 様々な手法の比較検討の結果、安定的な事業運営及び各取引先からの信頼回復のためには早
期の自己資本の増強、毀損した株主資本の回復が最大の課題であるという当社の現況に鑑みれ
ば、資本性の資金を第三者から調達することが最適であると判断いたしました。
 そのような状況の下中、2021年年初より複数のファンドや企業提携先候補との業務・資本提
携の実現可能性を検討するべく、初期的デュー・ディリジェンスを受けてまいりました。
 その中で、2021年10月上旬に、同業種であるため当社事業との親和性が高く、販売面におい
ては競合する製品がないことから補完性もある事業会社である日本電産マシンツールを子会社
に持つ割当予定先から本第三者割当増資による資本増強の提案があり、当社の経営方針等への
理解を深めていただくための協議を続けてまいりました。こうした協議の結果、当社の自己資
本比率を改善できる安定性の高い資本の調達、既存株主の皆様へ配慮した形での資金調達を望
む当社ニーズを理解いただくとともに、割当予定先は、引き続き猪名川製造所を活用して工作
機械事業を続けていく上で職人・技術者を育て、技能・技術を磨き、当社の製品及び当社がル
ーツとなる様な製品を世の中に残していきたいという当社の経営方針 について賛同しており、
当社も日本電産マシンツール及び割当予定先の考え方、特に工作機械業界において日本電産マ
シンツールの持つ横中ぐりフライス盤、門形五面加工機と当社の持つマシニングセンタを組み
合わせることにより顧客からの様々なサイズの加工ニーズに対しフルラインナップで対応でき
る総合工作機械メーカーとして発展することを企図するという日本電産マシンツール及び割当
予定先の考え方に賛同、共鳴いたしました。かつ、割当予定先は本第三者割当増資後も当社の
自主独立性を最大限尊重する予定である(基本的には現在の当社の取締役らによる経営を継続
しつつ、割当予定先による本第三者割当増資による当社の財務強化、売上増加に向けた割当予
定先の販売ルートの積極活用等の営業面の強力な支援、共同での研究開発による製品ラインア
ップの充実への積極支援が予定されています)ることから、本第三者割当増資の実施が当社の
安定的な事業運営及び財務体質の強化に寄与し、当社の企業価値の向上に資するものと判断し、
割当予定先として選定しました 。具体的には下記の観点から企業価値が向上することを企図し
ております。
 ①当社が持つマシニングセンタ群と日本電産マシンツールが持つ門形五面加工機、横中ぐり
  フライス盤、歯車工作機械が合わさることでによる工作機械における製品のフルラインナ
  ップ化による顧客への提案力向上
 ②当社と日本電産グループの販売網を相互活用することによる商圏拡大及びグローバル展開
 ③両社の製造拠点を活用した生産能力の拡大並びに国内及び海外における両社の協調による
  生産拠点への投資
 ④割当予定先の子会社である日本電産マシンツールとの技術交流・人材交流による技能、技
  術力の向上


 (注)≪新中長期経営計画「Re;Neo Challenge -リ;ネオ チャレンジ-」≫
  (Ⅰ)再生フェーズ(2020年度~2023年度)
    ・経営数値目標:売上高260億円、粗利益率29.0%、営業利益率8.0%
    ・構造改革の実施と早期完了
      組織体制の見直し、精度の低い見込みによる売上・生産方針を見直し、身の丈に合
      った売上高で安定的に利益を生み出すことができる筋肉質な収益構造を構築します。
      各種費用の削減及び、本体売上からサービス売上への利益の源泉のシフトを進める
      ことで、損益分岐点の引き下げを図ります。
      <構造改革の主な施策>
       ①生産方式の変更による生産力向上
         ・見込み生産から受注生産への転換による在庫削減
         ・主力機種のモジュール生産による受注決定から出荷までの納期短縮
       ②営業活動の強化、サービスの拡充
         ・新規受注の開拓を担う「マシンセールス」と地域密着で既存顧客への訪問を
          行う「カスタマーセールス」への分担化による営業活動の強化
         ・人員増強によるアフターサービス体制の強化
       ③開発体制の強化
         アフターコロナ・ウィズコロナを見据えた自動化・省力化・リモート操作化に
         対応した商品の開発
       ④損益分岐点を下げるための販管費・経費の削減 等
  (Ⅱ)成長フェーズ(2024年度~2025年度)
      ・経営数値目標:売上高400億円、粗利益率29.5%、営業利益率9.0%
      ・再生フェーズで構築した生産基盤をもとに、更なる効率化、業務改善を図って参
          ります。連結子会社の工場増設によって生産台数の拡大を図り、連結売上高の増
          加を実現します。


(3) 割当予定先の保有方針
  本第三者割当増資による、割当予定先は当社の親会社となる予定ですが、割当予定先から当
 社の親会社として当社株式を長期保有する方針である旨を口頭により確認しております。当社
 は、割当予定先に対して、払込期日から3年以内に本第三者割当増資により取得した当社株式
 の全部又は一部を譲渡した場合には、直ちに譲渡を受けた者の氏名又は名称及び住所、譲渡株
 式数、譲渡日、譲渡価額、譲渡の理由、譲渡の方法等所定の内容を書面に記載の上当社に報告
 し、当該報告に基づく報告を当社が東京証券取引所に行い、当該内容が公衆の縦覧に供される
 ことに同意することについて確約書を取得することを予定しております。


(4) 割当予定先の払込に要する財産の存在について確認した内容
  当社は、割当予定先が当社の増資を引き受けるにあたり、割当予定先から本第三者割当増資
 の払込資金については、割当予定先の2021年11月17日時点の現預金の残高証明書及び2021年3
 月期の有価証券報告書上の財務諸表をもって確認し、本第三者割当増資に係る払込の確実性に
 問題はないものと判断しております。


7.募集後の大株主及び持株比率
     募集前(2021 年3月 31 日現在)                 募 集   後
  OKK取引先持株会             6.78%   日本電産株式会社            66.65%
  日本マスタートラスト信託銀行        5.76%   OKK取引先持株会           2.26%
  株式会社(信託口)
  株式会社日本カストディ銀行         3.00%   日本マスタートラスト信託銀行      1.92%
  (信託口)                         株式会社(信託口)
  秋元 利規                 2.27%   株式会社日本カストディ銀行       1.00%
                                (信託口)
  株式会社りそな銀行             2.14%   秋元 利規               0.76%
  OKK会持株会               1.82%   株式会社りそな銀行           0.71%
  OKK従業員持株会             1.69%   OKK会持株会             0.61%
  株式会社日本カストディ銀行         1.55%   OKK従業員持株会           0.56%
  (信託口5)
  株式会社日本カストディ銀行         1.34%   株式会社日本カストディ銀行       0.51%
  (信託口1)                        (信託口5)
  川角 健司                 1.31%   株式会社日本カストディ銀行       0.45%
                                (信託口1)
 (注)1.2021年3月31日現在の株主名簿を基準として記載しております。
   2.募集後の大株主及び持株比率は、2021年3月31日現在の自己株式を除いた発行済み株式総数に、本
      心株式で交付される株式数(15,853,444株)を加算して計算しております。
   3.持株比率は、自己株式を除いた発行済み株式総数に対する所有株式数の割合を記載しております。


8.今後の見通し
 本第三者割当増資によって調達する資金は、猪名川製造所内工場の建て替えにかかる投資、猪
名川製造所内工場の設備更新・新規設備投資、基幹システムへの投資、及び研究開発投資に用い
る予定ですが、当社の業績に与える具体的な影響については精査中です。今後、業績への具体的
な影響額が明らかになった場合には速やかに開示いたします。


9.企業行動規範上の手続きに関する事項
 本第三者割当増資は、希薄化率が25%以上となり、親会社の異動が生じる予定であるため、当社
は、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条の定めに従い、当社の経営者から一定程度
独立した者による本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見を取得するため、当社の社
外取締役である古川実氏、大栗育夫氏、及び岡田祐輝氏(3名とも当社の独立役員かつ、岡田祐
輝氏は監査等委員です。)を第三者委員として選定し、当該3名を構成員とする第三者委員会に対
し、本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見を求めました。
当社が第三者委員会から2021年11月18日付で取得した本第三者割当増資に関する意見書の概要は
以下の通りです。
 (1)資金調達を行う必要性について
   新型コロナウィルス感染症の影響による受注環境が一段と悪化した影響を受け、当社グル
  ープの第163期(2020年4月1日~2021年3月31日)における売上高は、12,083百万円となり、
  前期である第162期(2019年4月1日~2020年3月31日)と比較して43.3%減にまで大幅に減
  少するに至り、営業損失は2,755百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は2,425百万円と
  なった。また、第164期第2四半期まで(2021年4月1日~2021年9月30日)における当社グ
  ループの売上高は6,278百万円と、前年同期である第163期第2四半期(2020年4月1日~2020
  年9月30日)と比較して23.5%増にまで改善したものの、依然として、営業損失は312百万円、
  親会社株主に帰属する四半期純損失は3,114百万円となり、継続企業の前提に重要な疑義を生
  じさせるような事象が存在すると認められる。
   また、当社の主力製品である工作機械の主たる顧客は自動車業界であるものの、自動車業
  界は、昨今の半導体不足による減産を決定している企業がほとんどであり、今後も工作機械
  需要の回復は見通せない状況が続いている。そのため、当社は、今後の工作機械需要の回復
  見込みや当社業績見通しに鑑みた場合、構造改革を継続、完遂するために、株主資本を早期
  に増強し、財務体質の再構築及び経営基盤の強化並びに需要回復に備えた生産拠点への投資
  による生産能力の拡大を行うことが喫緊の課題であると判断している。
   これらの点に関して当社が第三者委員会に提示した資料の内容について特に不合理な点は
  認められず、調達する資金の具体的な使途の内容は、本第三者割当増資における中長期的な
  財務基盤の安定に向けられたもの、また当社の事業成長戦略の推進及び工作機械市場での競
争力の回復に向けられたものとして、当社における合理的な資金調達としての必要性が認め
られるものといえる。
(2)手段の相当性について
 資金調達方法については、財務基盤の再構築による金融機関取引の安定化、信用補充によ
る事業継続の安定化を図るとともに、構造改革の実施のための資金、具体的には猪名川製造
所内工場の建て替えにかかる投資、猪名川製造所内工場の設備更新・新規設備投資、基幹シ
ステムへの投資、及び研究開発投資に用いるため、当社の企業価値の向上に資する資金調達
手法であることを条件に、様々な手法を検討してきた。そして、当社は、当社株式に一定の
潜在的な希薄化を生じさせるものの、必要金額の調達の確実性が最も高く、早期の資本性資
金の確保という目的に寄与する第三者割当の方法による直接金融によって資金を調達すべき
と考えている。
 現状の当社の置かれた状況に鑑み、かかる当社の説明内容に、認識の誤りや検討の不備な
どの事情は認められず、不合理な点も見当たらないため、第三者委員会としては、他の資金
調達手段との比較という観点において、本第三者割当増資の合理性が認められると思料する。
 割当先の選定理由については、第三者委員会において、日本電産に対するインタビュー及
びヒアリングを実施したところ、日本電産は当社の経営方針に賛同し、かつ、本第三者割当
増資後も当社の自主独立性を最大限尊重しつつ、業績の安定及び成長に基づく当社企業価値
の向上と株式価値の最大化を目指すことを目的に本新株式を長期的に保有する方針である旨
の説明を日本電産より受けており、本件確約書の提出も得られる見込みとのことである。
 さらに、当社は、本第三者割当増資に伴い、日本電産マシンツールを含む日本電産グルー
プに所属することによって、工作機械における製品のフルラインナップ化による顧客への提
案力向上や貴社と日本電産グループの販売網を相互活用することによる商圏拡大及びグロー
バル展開、両社グループの製造拠点を活用した生産能力の拡大並びに国内及び海外における
両社グループの協調による生産拠点への投資等のシナジーを発揮できると考えている。
 また、当社は、日本電産が当社の増資を引き受けるにあたり、日本電産が2021年6月23日
に関東財務局長宛に提出している事業年度第48期有価証券報告書上の財務諸表に記載された
現金及び預金の額(70,850百万円)の確認に加え、日本電産が2021年11月12日に関東財務局
長宛に提出している事業年度第49期第1四半期報告書上の四半期連結財務諸表に記載の現金
及び現金同等物の額(187,806百万円)をもって確認し、本第三者割当増資に係る払込の確実
性に問題はないものと判断している。
 そして、当社は、日本電産が、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しており、日本電
産が東京証券取引所に提出した2021年7月5日付「コーポレート・ガバナンスに関する報告
書」において、反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況を公表している
ため、日本電産及びその関係者について、反社会的勢力とは一切関係がないと判断している。
 以上の当社の説明及び提供を受けた資料の内容を前提とすると、当社において日本電産を
割当予定先に選定したことの合理性が認められると思料する。
(3)発行条件の相当性について
 新株発行価額については、本新株式の発行価額は、当社株式の直近の市場価格、具体的に
  は本第三者割当増資に係る本取締役会決議の直前営業日の貴社株式の価額(同日の取引市場
  における終値)を参考にして決定されたものである。当社株式の直近の市場価格は、市場に
  おける公正な取引を通じて決定された合理的な価格であると考えられ 、これを基準として本
  第三者割当増資に係る発行価額を決定することは合理的と認められる。
     また、本第三者割当増資により当社の既存株式の持株比率及び議決権比率に大きな希薄化
  が生じるものの、本第三者割当増資により調達した資金は、主に猪名川製造所内工場の建て
  替えにかかる投資、猪名川製造所内工場の設備更新・新規設備投資、基幹システムへの投資、
  及び研究開発投資に用いられるものである。
     さらに、当社は、本第三者割当増資を契機として、日本電産マシンツールを含む日本電産
  グループと協業することにより、両社グループの経営資源の集約及び相互活用の深化などを
  通じ、シナジー効果が生じると判断している。
     これらによる具体的な効果として期待、想定される内容に照らせば、本第三者割当増資は
  当社における中長期的な財政基盤の安定、また貴社の事業成長戦略の推進、ひいては当社の
  企業価値の向上にそれぞれ資するものであり、経営上の合理性を有するものであると考えら
  れる。


 上記、第三者委員会の意見をもとに総括すると以下の通りとなります。
 ①本第三者割当増資は、大規模な資金調達を行うことにより、当社グループの毀損した資本力
  を回復し、中長期的な財務基盤の安定化を図るとともに、事業成長戦略の推進及び工作機械
  市場での競争力の回復、向上を目的としていること。
 ②資本性のある資金調達手段の中でも、資金調達の喫緊性や確実性の観点から選択可能な方法
  を検討していること。
 ③割当予定先との協調により生じるシナジーや、割当予定先の株式保有目的、払込みに要する
  財産の存在等について確認した上で、当社グループの企業価値の向上や株主の利益に資する
  かという観点から割当予定先を選定していること。
 ④当社グループの置かれた財務状況及び割当予定先との交渉経緯、並びに本第三者割当増資に
  よる資金調達が当社グループの企業価値の向上に資すると考えられることからすれば、本第
  三者割当増資によって株式に一定の希薄化が起こることを考慮しても、なお本新株式の発行
  条件には合理性が認められること。
 以上の事情等を総合的に考慮すれば、本第三者割当増資には、必要性及び相当性が認められる。


10.最近3年間の業績及びエクイティ・ファイナンスの状況
(1) 最近3年間の業績(連結)(単位:百万円。特記しているものを除く。)
                                2019 年3月期     2020 年3月期       2021 年3月期
 連      結       売       上   高        26,459        21,438          12,083
 連    結     営       業   利   益           631           141          △2,755
 連    結     経       常   利   益           520               2        △2,474
  連    結       当   期       純   利     益                  444            △9,164              △2,427
  1 株当たり連結当期純利益(円)                                    56.20          △1,159.27            △306.57
  1 株 当た り配 当金 ( 円 )                                   20.0                   0                   0
  1 株当たり連結純資産(円)                                 2,551.14             1,356.93            1,105.95


(2) 現時点における発行済株式数及び潜在株式数の状況(本日現在)
                                                   株式数                発行済み株式数に対する比率
  発    行       済           株   式     数                 8,146,556 株                           100%
  潜        在           株       式     数                         -株                             -%


(3) 最近の株価の状況
 ①最近3年間の状況
                                    2019 年3月期             2020 年3月期               2021 年3月期
           始       値                        1,100 円                   818 円                 457 円
           高       値                        1,296 円                   856 円                 498 円
           安       値                          668 円                   351 円                 308 円
           終       値                          810 円                   457 円                 460 円
 ②最近6か月の状況
                                    5月        6月          7月          8月          9月       10 月
           始       値                430 円     388 円       400 円       399 円       391 円     281 円
           高       値                450 円     418 円       445 円       420 円       418 円     349 円
           安       値                362 円     376 円       392 円       380 円       253 円     261 円
           終       値                387 円     400 円       399 円       393 円       282 円     340 円
 ③発行決議日前営業日における株価
                                   2021 年 11 月 17 日
           始       値                          408 円
           高       値                          414 円
           安       値                          381 円
           終       値                          384 円


(4) 最近3年間のエクイティ・ファイナンスの状況
      該当事項はございません。


11.発行要領
(1) 発行株式の種類・数                            普通株式         15,853,444株
(2) 払込金額                                 1株    345.60円
(3) 払込価額の総額                              5,478,950,247円
(4) 増加する資本金及び資本金     資本金       1株につき345.60円(総額2,739,475,124円)
    資本準備金の額          資本準備金 1株につき345.60円(総額2,739,475,123円)
(5) 払込期間             2022年1月26日から2022年6月30日
(6) 募集の方法            第三者割当による新株発行
(7) 割当予定先及び          日本電産株式会社 15,853,444株
    割当予定株式数
(8) その他              前記各号については、金融商品取引法による届出の効力
                     発生を条件とします。


Ⅱ 親会社及び主要株主である筆頭株主の異動
1.異動が生じる経緯
  本第三者割当増資を実施することにより、割当予定先である日本電産は新たに親会社及び主
 要株主である筆頭になることが見込まれます。


2.異動する株主の概要
(1) 新たに親会社及び主要株主である筆頭株主となるもの
  新たに親会社になる日本電産の概要については、 「Ⅰ.第三者割当による新株式発行 6.
                        前記
 割当予定先の選定理由等(1)割当予定先の概要」をご参照ください。


3.異動前後における当該株主の所有する議決権の数(所有株式数)及び総株主の議決権の数に
 対する割合
 日本電産株式会社
            属性          議決権の数(議決権所有割合)               大株主順位
                   直接所有分       間接所有分       合計
  異動前        -        -          -          -         -
  異動後       親会社    158,534 個             158,534 個
                    (66.8%)      -        (66.8%)    第1位


4.異動予定年月日
 2022年1月26日から2022年6月30日までの払込期間中


5.今後の見通し
  日本電産の保有方針については、前記「Ⅰ.第三者割当による新株式発行 6.割当予定先
 の選定理由等(3)割当予定先の保有方針」をご参照ください。
  日本電産グループの一員として、今後はグループ内のリソースを活用することで、コスト低
 減と販売力強化により、今後の業績改善と安定的な経営体質への改善を目指してまいります。