6178 日本郵政 2021-10-01 17:00:00
令和3事業年度事業計画の変更の認可について [pdf]

                                            2021 年 10 月 1 日
 各    位


                        会 社 名   日 本 郵 政 株 式 会       社
                        代表者名    取締役兼代表執行役社長 増 田    寬也
                                   (コード番号:6178 東証第一部)
                        問合せ先    IR室(TEL.03-3477-0206)



            令和3事業年度事業計画の変更の認可について

 日本郵政株式会社は、令和3事業年度事業計画(以下「事業計画」という。
                                  )について、2021 年 8 月 26
日(木)に総務大臣に変更認可申請を行い、本日、総務大臣から認可を受けましたので、お知らせいたし
ます。


 日本郵政株式会社の事業計画(変更後)は別添のとおりです。
 なお、変更点を別紙として、事業計画本体に添付しています。



                                                     以   上




                          1
                  別   添




令和3事業年度



自 令和3年 4 月 1日
至 令和4年 3 月 31 日




    第 17 期




事   業 計 画




日本郵政株式会社
はじめに


  当社は、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」という。、郵便貯金銀行(以下「ゆ
                           )
 うちょ銀行」という。)及び郵便保険会社(以下「かんぽ生命」といい、日本郵便、
 ゆうちょ銀行と合わせて「事業子会社」という。 の経営の基本方針の策定及び実施
                       )
 の確保並びに株主としての権利の行使を行うとともに、グループ各社が個別に実施
 するよりもグループ内で1ヶ所に集約したほうが効率的な実施が見込まれる間接
 業務を事業子会社等から受託して実施することにより事業子会社等の業務を支援
 するほか、病院及び宿泊施設の運営等を行うことにより、郵政ネットワークの安心、
 信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま
 本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せ
 を目指します。また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に
 貢献できるよう努めていくことを基本として会社経営を行っていきます。その業務
 の運営に当たっては、日本郵政株式会社法(平成 17 年法律第 98 号)第 5 条第 1 項
 に規定される、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡
 易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的
 にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を果たすとともに、
 地域社会に貢献すべく、郵便局ネットワークの一層の活用を図ってまいります。
  加えて、自然災害の発生、感染症の大流行等の危機へ備え、危機管理態勢を整備
 するとともに、危機発生時には迅速かつ的確な対応を行い、業務継続の確保に努め
 ます。なお、東日本大震災及びその他災害からの復興支援、新型コロナウイルス感
 染症の流行下におけるサービス提供の継続、マイナンバーカードの普及促進等とい
 った公益性の高い取組については、引き続き、公益的性格が強い会社として取り組
 んでまいります。
  なお、令和3事業年度において、
                「日本郵政グループ中期経営計画(2021∼2025)
 の基本的考え方」
        (令和2年 11 月公表)をベースとした、次期中期経営計画を発表
 する予定です。かんぽ生命商品の不適正募集等により毀損したお客さまからの信頼
 の回復に向けて取り組むとともに、グループの新たな成長に向けた企業価値向上を
 目指します。また、同事業年度は、
                「郵政創業 150 年」の年に当たることから、今一
 度、原点に立ち返り、「すべてを、お客さまのために。」のキャッチフレーズの下、
 グループ一丸となって取り組んでまいります。




                      1
1   業務運営の基本方針
 (1)   かんぽ生命商品の不適正募集等の問題をはじめとした不祥事への対応
       当社は、かんぽ生命商品の不適正募集等の問題に関し、総務省及び金融庁から
    行政処分を受け、かんぽ生命及び日本郵便においても、同問題に関し行政処分を
    受けました。そのため、令和2年1月に業務改善計画を策定し、同計画に掲げた
    改善策の実行を経営の最重要課題として位置付けました。同計画のうち主要施策
    については、外部専門家の方々で構成された、各種取り組みを公正・中立な立場
    から検証する「JP改革実行委員会」
                    (同年4月設置)のモニタリングを受けなが
    ら、改善策の実行に向けて取り組んでいるところです。
       一方、令和2事業年度、かんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売につい
    て、一部お客さま本位といえない営業が行われていたことや、ゆうちょ銀行のキ
    ャッシュレス決済サービスの不正利用等の新たな問題も発覚しました。
        当社としては、新しく生じた問題への対応も合わせて、同委員会からの評価、
    助言等も踏まえ、ガバナンス機能、グループコンプライアンス機能、監査部門の
    機能の強化等を図り、業務改善計画の着実な実行を行ってまいります。また、お
    客さまからの信頼回復に向け、同年9月に発表した「お客さまの信頼回復に向け
    た約束」をもとに、お客さまや社員の声を経営や営業・業務改善に活用する等、
    お客さま本位の事業運営を徹底してまいります。




 (2)   その他の経営課題に関する取組
    ① コンプライアンス・監査等の取組及びお客さま本位の業務運営の実践
        当社は、上場企業グループの持株会社として、部内犯罪等が引き続き発生し
       ている事態に加え、かんぽ生命商品の不適正募集等の問題の発覚を踏まえ、透
       明性の確保、説明責任の徹底、適正な事業運営に向けて、グループ全体のガバ
       ナンス強化及びお客さま本位の業務運営の実践に努めていきます。
        そのため、令和3事業年度においても、グループ全体のコンプライアンスの
       水準の向上を経営の重点課題として、令和3事業年度のグループ各社のコンプ
       ライアンス・プログラムの策定及び推進の状況並びに各社の内部監査態勢・監
       査状況を的確に把握し、グループ各社に必要となる支援・指導を行います。加
       えて、かんぽ生命商品の不適正募集等の問題を踏まえ、業務改善計画の実行に
       着実に取り組むほか、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策等につい
       ても、最重要課題の一つとして取組を一層推進・管理していきます。

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  また、グループ各社が提供するサービスの公益性及び公共性の確保、お客さ
 ま満足(CS)の向上に取り組みます。


② サイバーセキュリティの強化
  激化するサイバーテロリスクに備え、グループ全体のサイバーセキュリティ
 対策の高度化及び情報共有によるガバナンスの強化に取り組みます。


③ SDGs達成への取組
  持続可能な社会の実現のため、SDGs達成に向け、次の事項等に取り組ん
 でいきます。
  ・環境問題への取組
   政府が掲げる「2050 年カーボン・ニュートラルの実現」に向けた動きを踏
  まえ、CO2の排出量削減に向けてグループ全体のEV車両の導入拡大等、
  事業サービスを通じた環境負荷軽減にも積極的に取り組みます。
  ・ダイバーシティの推進(障害者雇用、女性の活躍推進等)
   障害者雇用については、令和2事業年度において障害者の雇用の促進等に
  関する法律により義務付けられている障害者雇用率(2.2%)を達成したとこ
  ろですが、令和3年3月に障害者雇用率が 2.3%に引き上げられたことから、
  令和3事業年度においても、引き続きこれを達成できるよう、より一層、障
  害者雇用の推進に取り組んでいきます。女性の活躍推進については、管理者
  への女性登用に積極的に取り組むため、女性社員の昇進意欲の向上のための
  意識啓発、登用拡大に向けた計画的な女性社員の育成を行っていくとともに、
  仕事と生活の両立ができる職場風土づくり、各種環境の整備等に努めていき
  ます。


④ 株式の処分への準備
  郵政民営化法(平成 17 年法律第 97 号)第 7 条第 2 項において、当社が保有
 するゆうちょ銀行及びかんぽ生命の株式は、その全部を処分することを目指し、
 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命の経営状況、ユニバーサルサービスの責務の履行
 への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分するものとするとされてお
 り、この趣旨に沿って、所要の準備を行います。また、必要に応じて、政府に
 よる当社の株式の処分を可能とするための所要の準備を行います。



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 ⑤ 日本郵政グループの企業価値向上
   グループの企業価値向上を目指し、グループ各社が抱える経営課題について
  は、持株会社として、各社と連携を深めながら、必要な支援を行い、その解消
  に努めます。今後のグループ経営戦略につきましては、グループコアビジネス
  の充実・強化と新規ビジネスの創出を検討し、令和3年5月に次期中期経営計
  画を発表する予定です。具体的には、郵便・物流、貯金、生命保険などの生活
  基礎サービスの充実に加え、地方公共団体からの包括事務受託の拡大等、地域
  ニーズに応じた多種多様なサービスを提供いたします。また、リアルネットワ
  ークとしての郵便局とデジタルトランスフォーメーション(DX)を組み合わ
  せ、リアルとデジタルの融合による新しい価値の創造や、各種手続き・相談業
  務のオンライン化等のサービス・機能の拡充の実現を目指します。その他、グ
  ループ保有不動産の価値最大化等を図る不動産事業の拡大等、グループが有す
  る経営資源・強みを活用した新規ビジネスを推進し、新たな収益源の確保にも
  取り組んでまいります。


 ⑥ オリンピック・パラリンピックへの貢献
   東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催にあたっては、延
  期後日程においても引き続き、オフィシャルパートナーとして、全国の郵便ネ
  ットワークを通じて、東京 2020 大会の成功、日本選手団の活躍、オリンピッ
  ク・パラリンピックの機運醸成に貢献していきます。


 ⑦ 新型コロナウイルス感染症への対応
   新型コロナウイルス感染症の流行下において、当グループは、公益性が強い
  グループとしての社会的使命を果たすため、郵便局等の窓口へのビニールカー
  テンの取り付けや郵便物等の非対面配達の実施等、感染防止・感染拡大防止対
  策を行い、社員の安全を確保するとともに、郵便・物流事業及び金融事業の継
  続に取り組んできたところです。
   当年度においても、引き続き、感染防止・感染拡大防止対策を行い、社員の
  安全確保と事業運営の継続に取り組んでまいります。


 以上の基本的方針及び郵政民営化委員会からの意見を踏まえ、次に掲げる事項を
中心に事業経営を行うこととし、その遂行に当たっては経営環境の変化に即応しつ
つ弾力的に行っていきます。

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2   その他業務運営に関する事項
 (1)   事業子会社の経営の基本方針の策定及び実施の確保等
       日本郵便に対しては郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保、郵便
    局ネットワークの維持・活用による安定的なサービスの提供等という会社の目的
    が達成できるよう経営の基本方針を策定するとともに、その実施の確保等を行い
    ます。
       具体的には、事業子会社との間で、経営の重要事項に関して日本郵政グループ
    協定、日本郵政グループ運営に関する契約等を締結し、グループ全体に重大な影
    響を与える事項や経営の透明性確保に必要な事項については個別の協議、承認ま
    たは報告を求めること等により、グループ運営を行います。


 (2)   事業子会社の業務支援
       グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1ヶ所に集約したほうが
    効率的な実施が見込まれる間接業務を事業子会社等から受託して実施すること
    により、事業子会社等の業務を支援するとともにグループの経営効率の向上を図
    ります。具体的には、以下の間接業務を事業子会社等から受託して実施します。
    ① 電気通信役務及び情報処理サービスの提供
        当社が保有する電気通信設備を用いた事業子会社及び簡易郵便局法(昭和 24
       年法律第 213 号)第 3 条の規定により日本郵便が同法同条に基づき業務を委託
       した者への電気通信役務の提供及び情報処理システムを用いた情報処理サー
       ビスの提供を行います。
    ② 人事及び経理に関する業務
        人材派遣・紹介業務等を行う子会社を通じて、事業子会社の役職員の給与、
       各種手当の計算等並びに収入事務(請求書の作成・発送依頼、口座振替依頼、
       債権データの消込)及び支出事務(払出証書の作成・発送依頼、口座振替依頼、
       支払案内の作成・発送依頼、債務データの消込)を行います。
    ③ 福利厚生に関する業務
        事業子会社及び独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワー
       ク支援機構の役職員等に対し、レクリエーション施設提供業務を行います。
        また、人材派遣・紹介業務等を行う子会社を通じて、事業子会社及び独立行
       政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構の役職員等に

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      対し、労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)の規定等に基づく健康管理業
      務を行います。
  ④ 不動産の管理等に関する業務
       事業子会社等が現に所有若しくは賃貸借するか、又は将来所有若しくは賃貸
      借することとなる土地、建物等不動産及び当該不動産に附属する設備等に関し、
      管理、整備計画、運営維持、設計・工事監理又は売買・賃貸借等の業務の支援
      等を行います。
  ⑤ 人材派遣・紹介等の業務
       人材派遣・紹介業務等を行う子会社を通じて、社員の募集・採用を行いグル
      ープ各社等への紹介及び派遣を行います。また、グループ各社の人事関連業務
      等の受託を行います。
  ⑥ コールセンターに関する業務
       事業子会社に対し、テレマーケティング事業等を行う子会社を通じて、コー
      ルセンターの施設及びシステムの提供並びに管理の業務を行います。
  ⑦ 人材育成に関する業務
       郵政大学校を通じて、グループ横断的な研修を実施し、グループ各社の人材
      の能力向上を図ります。


(3)   病院の運営
      逓信病院を企業立病院として運営するとともに、地域医療との連携や救急医療
  の強化等による増収対策や、業務の効率化等による経費節減、事業譲渡等を含む
  見直しに取り組むことにより、経営改善を進めます。また、医療サービスの向上、
  地域医療ニーズへの対応、患者満足度の向上等を推進します。


(4)   宿泊施設の運営等
      旧簡易保険加入者福祉施設については、宿泊利用人数増加などの増収施策、食
  材等原価管理の徹底等に取り組みますが、近年の景気の動向や将来予測等の外部
  環境等の変化を踏まえ、速やかな事業譲渡等を進めてまいります。




                       6
別   添   資金計画書


        収支予算書




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                                       別 添

■資金計画書


令和3事業年度の資金計画書は下記のとおりである。
                           単位:億円
       科   目           金   額
収入の部
       前期繰越金                   3,353
       配当収入                    2,012
       貯金旧勘定交付金                    3
       関係会社受入手数料                 141
       間接業務手数料                   514
       宿泊事業収入                    158
       医事収入                      137
       その他収入                     771
       合   計                   7,090
支出の部
       人件費                       745
       物件費                       650
       租税公課                       87
       投資的支出                     116
       貸付金                       436
       その他支出                   2,135
       次期繰越金                   2,921
       合   計                   7,090

(注1)計数は四捨五入しているため合計は一致しない。
(注2)「−」は計数が存在しないことを意味する。




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 ■収支予算書


 令和3事業年度の収支予算書は下記のとおりである。
                               単位:億円
           科   目            金   額
 経常損益の部
   (営業損益の部)
    1.営業収益                          2,836
      受取配当金                         1,944
      貯金旧勘定交付金                          3
      関係会社受入手数料                       128
      間接業務手数料                         478
      宿泊事業収入                          145
      医事収入                            138
    2.営業費用                            923
      人件費                             145
      物件費                             594
      減価償却費                           150
      租税公課                             33
          営業利益                      1,912
合   計
   (営業外損益の部)
      営業外損益                            78
       経常利益                         1,991
 特別損益の部
    1.特別利益                              4
    2.特別損失                             −
      税引前当期純利益                      1,995
      法人税、住民税及び事業税                  △ 256
      当期純利益                         2,251
 (注1)計数は四捨五入しているため合計は一致しない。
 (注2)「−」は計数が存在しないことを意味する。




                   9
                                              別   紙
                  令和3事業年度事業計画    新旧対照表

           令和3事業年度事業計画              令和3事業年度事業計画
       令和3年3月31日認可版             令和3年10月1日認可版(変更後)
2    その他業務運営に関する事項          2 その他業務運営に関する事項
(1)∼(3) 略                   (1)∼(3) 略
(4) 宿泊施設の運営等                (4) 宿泊施設の運営等
    旧簡易保険加入者福祉施設については、近年      旧簡易保険加入者福祉施設については、宿泊
    の景気の動向や将来予測等の外部環境等の変     利用人数増加などの増収施策、食材等原価管理
    化を踏まえ、宿泊利用人数増加などの増収施     の徹底等に取り組みますが、近年の景気の動向
    策、食材等原価管理の徹底、施設配置の見直し    や将来予測等の外部環境等の変化を踏まえ、速
    等、経営の健全化に向けた見直しを進めてまい    やかな事業譲渡等を進めてまいります。
    ります。
    また、地域貢献施策の一環として、旧簡易保
    険加入者福祉施設において、引き続き、施設の
    一部を介護予防事業者に貸与し、要支援認定者
    に身体機能等の改善を図る機会を提供する業
    務の試行に取り組みます。