6178 日本郵政 2021-05-14 15:01:00
「JP ビジョン2025」の策定に関するお知らせ [pdf]
2021 年 5 月 14 日
各 位
会 社 名 日 本 郵 政 株 式 会 社
代表者名 取締役兼代表執行役社長 増 田 寬也
(コード番号:6178 東証第一部)
問合せ先 IR室(TEL.03-3477-0206)
「JP ビジョン 2025」の策定に関するお知らせ
日本郵政グループは、2021 年度から 2025 年度までを計画期間とする中期経営計画として「JP ビジョン
2025」を策定いたしましたので、お知らせいたします。
内容の詳細につきましては別添の資料のとおりです。
以 上
1
JP ビジョン2025
~ お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指して ~
2021年5月14日
日本郵政グループ経営理念
郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、
お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。
また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献します。
目 次 | はじめに 3
Ⅰ JP ビジョン2025のポイント 4
Ⅱ JP ビジョン2025 13
1 日本郵政グループの信頼回復に向けて 14
1-1.まずはお客さまの信頼回復から 15
1-2.お客さま本位のサービスの提供 16
1-3.組織風土改革 17
2 日本郵政グループの新たな成⾧に向けて 21
2-1.グループコアビジネスの充実・強化と新規ビジネスの創出
(1) 日本郵政グループ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
(2) 日本郵便(郵便・物流事業/郵便局窓口事業/国際物流事業) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
(3) ゆうちょ銀行 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
(4) かんぽ生命保険 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43
(5) 不動産事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
2-2.資本戦略・人事戦略・ESG経営
(1) 日本郵政の資本戦略 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
(2) 人事戦略(社員視点に立った働き方改革の推進) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
(3) 日本郵政グループの「ESG経営」において目指すもの ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60
数値編 65
Appendix 69
Ⅲ JP ビジョン2025工程表 72
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はじめに
⌘ 一昨年度来の金融2社商品・サービスに係る不祥事等により、お客さまをはじめとする関係の皆さまの信頼を
大きく損ねることになりました。このような事態となったことを真摯に反省し、お客さま本位の業務運営を
徹底し、一刻も早い信頼回復に努めてまいります。
⌘ 一方で、当グループにおいては、郵便物数の減少、低金利環境の継続など、非常に厳しい事業環境に置かれて
おり、このような状況が⾧期に継続することが予想されます。このような中で、今後とも、グループ企業価値
の維持・向上を図り、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」として、SDGs等社会課題の解決、
社会の持続的発展に貢献し続けていくためには、ユニバーサルサービスを含む郵便・物流事業、銀行業、生命保険業
といったコアビジネスをデジタル技術等の活用により充実・強化するとともに、新たなビジネスを展開して
収益機会を確保する等、ビジネスポートフォリオの転換が不可欠となっております。
⌘ さらに、ウィズ/アフターコロナ社会においては、非接触/非対面のサービス、コミュニケーションのデジタル化
等に止まらず、ライフスタイル、働き方等、社会の在り方そのものが大きく変わることが想定され、当グループ
のビジネスモデルもこれに整合させるべく変革させていく必要があります。
⌘ 本中期経営計画「JP ビジョン2025」は、具体的な新たなビジネスを確立していく期間等を考慮し、2021年度~
2025年度の5年間を対象としています。また、工程表を策定し施策ごとに進捗管理を行います。なお、事業環境の
変化のスピードは年々加速していることから、3年後を目途に計画の見直しを行います。
⌘ 2021年は、1871年に郵便事業が創業してから、ちょうど150年目にあたります。郵政創業150年というこの
大きな節目を迎えるにあたり、JP ビジョン2025で掲げる成⾧戦略を着実に実行していくことにより、
当グループは新たなステージに進んでまいります。
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Ⅰ. JP ビジョン2025のポイント
4
日本郵政グループが目指す姿
日本郵政グループは、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指します。
そのために、以下の2つに取り組みます。
① DXの推進によって、リアルの郵便局ネットワークとデジタル(「デジタル郵便局」)を融合させます。
② ユニバーサルサービスを含むコアビジネス(郵便・物流事業、銀行業、生命保険業)の充実強化に加え、不動産事業の
拡大や、新規ビジネス等の推進によりビジネスポートフォリオを転換させ、グループの新たな成⾧を実現させます。
リアルの郵便局ネットワークとデジタル
コアビジネスの充実強化による成⾧と
(「デジタル郵便局」)との
ビジネスポートフォリオの転換
融合による新たな価値創造
コア 新規
ビジネス ビジネス
リアルの郵便局ネットワーク デジタル郵便局
お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」
当社グループの最大の強みである郵便局ネットワークにより、グループ内で一体的なサービスを提供していくとともに、
これまでになかったグループ外の多様な企業等との連携を行うことで、
地域において生活するお客さまが、安全・安心で、快適で、豊かな生活・人生を実現することを支えます。
グループ外の企業等 グループ外の企業等
*DX(Digital Transformation):企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、
ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。 Copyright © 2021 JAPAN POST GROUP. All Rights Reserved. 5
日本郵政グループが目指す姿
―お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指す上での課題と強み―
グループを取り巻く
社会環境変化 成⾧に向けた課題認識 JP ビジョン2025 価 値 創 造
日本郵便
お客さまと地域を支える
少子高齢化の進展 • ラストワンマイルにおける
信頼回復 「共創プラットフォーム」
二輪車の機動力活用
• 保有データを最大限活用した に向けて
人生100年時代の「一生」を支える
⇒ 超高齢社会への サービス・オペレーション改革 お客さま本位の
お客さま
対応ニーズの高まり 良質なサービスの提供
ゆうちょ銀行 新たな成⾧
⇒ 高齢単身世帯の増加等 日本全国の「地域社会」を支える
に向けて 地域社会
による社会的不安の増加 • DX推進による、安心・安全な 地域の発展・活性化に貢献
サービス充実と業務改革
⇒ 社会基盤の持続 • 地域への資金循環と地域 株主 株主還元の充実
可能性への懸念 リレーション機能の強化
工程表による
社員 働きやすい職場づくり
進捗管理
かんぽ生命
デジタル化の進展 環境 持続可能な社会の創出
• 新たな営業スタイルへの変革
⇒ スマートフォン完結型 • あらゆる世代のお客さまの保障
ニーズに応える保険サービス
の各種サービス利用
の提供 グループの強み
⇒ キャッシュレス化の 日本全国の郵便局ネットワーク
浸透 日本郵政
配達ネットワークと金融ネットワーク
• グループ内連携の強化
⇒ デジタル・ディバイド 圧倒的な顧客基盤
の顕在化 • グループ外の企業等との
郵便局への信頼と地域への深い理解
積極的連携
• 新たな価値を提供する成⾧戦略 豊富な顧客データ
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日本郵政グループが目指す姿
―金融2社株式の処分と日本郵政グループの将来像―
現在 JP ビジョン2025 期間中 グループの将来像
(金融2社株式の完全処分後)
本期間中のできる限り早期に
金融2社株式の保有割合を50%
以下とすることを目指します。 新規ビジネス等 郵便局
不動産 ネットワーク
新規ビジネス等
不動産 不動産
日本郵便 グループ外
日本郵便 日本郵便
の企業等
受委託関係
グループ一体の
ビジネスモデルは不変
ゆうちょ かんぽ ゆうちょ かんぽ
ゆうちょ かんぽ
銀行 生命 銀行 生命
銀行 生命
お客さまと地域を支える
グループ連結利益のイメージ
「共創プラットフォーム」
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グループDXの一体的推進による新しい価値提供
グループ一体でのDX推進によって、リアルの郵便局ネットワークとデジタル(「デジタル郵便局」)とを
融合し、幅広い世代・地域のお客さまへ新しい価値を提供します。
日本郵政グループ『共創』プラットフォーム
リアルの郵便局 デジタル郵便局
ネットワーク
地方公共団体との連携 他社との連携・協業
融
リアルによる 合 いつでも
安心と信頼 どこでも
一体的な
社員をサポートするタブレット サービスによる Web
スマホアプリ
などのデジタル装備 新しい価値提供
データ駆動型の リモートサービス
デジタル・ディバイドへの対応
オペレーション サイバー
の実現(P-DX) セキュリティ対策
グループ内のデータ お客さま・社員 お客さま接点の 提携パートナー
× × ×
基盤・データ活用 の声の活用 デジタル化 との連携基盤
デジタル化の取組
デジタル化で紙利用
リアル・デジタル双方 スマホアプリ や二酸化炭素排出を
先端技術を活用した のお客さま情報を一元化 AI等のツールを活用 AI/OCR/RPAを (グループプラット 抑制し、SDGsの推進
輸送・配送ネット するデータ基盤の整備 したお客さまの声、 活用し効率化 フォームアプリ)
ワークの高度化・ 社員の声の分析 テレワークによる の導入・拡充
効率化 働き方改革
*P-DX(Postal-Digital transformation):デジタル化された差出情報と、当社ならではの
配達先情報を活用し、データ駆動型のオペレーションを実現するための郵便・物流事業改革 Copyright © 2021 JAPAN POST GROUP. All Rights Reserved. 8
信頼回復と組織風土改革
金融2社商品・サービスに係る不祥事等により大きく毀損した信頼の回復に向けて、愚直に全力で
取り組みます。
お客さま本位のサービスの提供を行うとともに、組織風土改革に大胆に取り組みます。
[グループの組織風土改革]
ガバナンス強化策 人材育成・人事戦略
日本郵政の お客さまの声 社員の声
グループ組織内の風通しを
司令塔機能強化 よくするためのグループ
内外の人事交流の促進
グループCxO制* 経営への活用
DX等専門分野の人材
日本郵政・日本郵便 育成と外部専門人材の
の一体的な運営 積極的な採用
グループ内の多様な
支社への権限委譲 人事交流
人材を活かす人材発掘・
郵便局一体の 育成機能
サービス
本社 本社 本社
マネジメント体制 センターを含む
お客さま本位の視点からの
への見直し エリア本部等 支社等 エリア本部 営業目標・人事評価の
見直し
直営店 郵便局 支店
*グループCEO(最高経営責任者)、グループCFO(最高財務責任者)、グループCCO(最高コンプライアンス責任者)等の導入。
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主要目標
2025年度のグループ主要目標・各社主要目標を設定し、達成に向けて取り組みます。
日本郵政グループ
財務目標 ESG目標
人生100年時代の「一生」を支え、日本全国の「地域社会」
連結当期純利益 5,100億円 *非支配株主(親会社である日本郵政株式会社以外
の株主)持分に帰属する連結当期純利益も含む の発展・活性化に貢献し、持続可能な社会の構築を目指す
*ゆうちょ銀行について約89%の保有比率を前提と 温室効果ガス排出量
親会社株主に帰属する連結当期純利益 2,800億円 した場合 4,200億円
(注) 2030年度 (対2019年度比)46%削減 (注1 ,2)
ROE(株主資本ベース) 4%程度 (将来的に更なる向上を目指す)
2050年 カーボンニュートラルの実現を目指す (注2)
女性管理者比率
配当方針 1株当たり50円の年間配当を安定的に実施
2030年度 本社における女性管理者比率 30% (注3,4)
財務目標 (注)ゆうちょ銀行50%、かんぽ生命49.9%の当社保有比率を前提として計算。なお、かんぽ生命は、2021年5月14日、同社取締役会においてToSTNeT-3による自己株式の取得を決議しており、また日本郵政は、同日同社
取締役会において、当該自己株式の取得に応じた売付け及び株式処分信託の設定を行うことを決議していることから、それに伴い、かんぽ生命株式の当社保有比率を49.9%としているもの。
ESG 目標 (注1) Scope1(自社が直接排出する排出量)及びScope2(他社から供給された電気等の使用に伴う排出量)が対象。不動産事業など新規事業による増加分を除く。
(注2) 目標達成のためには我が国における再生可能エネルギーの普及などカーボンニュートラル化が相当程度進むことが必要。当社グループも、我が国及び世界のカーボンニュートラル化を後押しする。
(注3) グループ主要4社の本社における女性管理者比率。2030年度までの取組の結果である2031年4月1日における比率。
(注4) 本社以外においても、女性管理者増加に向けて、管理者・役職者を目指す社員を増やすための環境整備・人材育成に取り組む。
日本郵便 ゆうちょ銀行 かんぽ生命
連結営業利益 490億円 連結当期純利益 3,500億円以上 連結当期純利益 910億円
連結当期純利益 220億円 ROE(株主資本ベース) 3.6%以上 EV成⾧率(RoEV※3) 6%~8%成⾧を目指す
営業利益 自己資本比率/CET1比率※1 10%程度 お客さま満足度 90%以上を目指す
郵便・物流事業 330億円 OHR※2 66%以下 NPS®※4 業界上位水準を目指す
郵便局窓口事業 50億円 (金銭の信託運用損益等を含むベース) 保有契約件数 2,000万件以上
国際物流事業 120億円 営業経費(20年度対比) ▲550億円
一株当たり配当額(DPS) 中期経営計画期間中
配当性向50~60%程度の範囲を目安とし、一株当たり 原則減配せず、
荷物等収益 8,900億円 配当額は2021年度当初配当予想水準からの増加を目 増配を目指す
ゆうパック取扱個数 13.6億個 指す(詳細はゆうちょ銀行中期経営計画を参照) ※3 EVの変動要因から「経済前提と実績の差異」を除いた値。
※1 国内基準の自己資本比率及び国際統一基準のCET1比率について、 ※4 NPS®は、「Net Promoter Score」の略であり、ベイン・アンド・
平時において確保すべき水準(CET1比率はバーゼルⅢ完全実施、 カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システム
その他有価証券評価益除くベース) ズの登録商標です。
※2 経費÷(資金収支等+役務取引等利益) Copyright © 2021 JAPAN POST GROUP. All Rights Reserved. 10
成⾧に向けた投資
グループの成⾧に資する投資について、具体的な投資計画を策定します。
[2025年度までの5年間の投資金額]
戦略的なIT投資額 不動産投資額 新規ビジネス等への投資額
郵便・物流事業
(P-DXの推進等)
1,800億円程度
グループ保有不動産 M&A含む新規ビジネス等
金融2社
3,000億円程度 5,000億円~1兆円程度
(デジタルサービスの拡充等)
2,300億円程度
グループ外不動産 ベンチャー企業等への投資
2,000億円程度 500億円程度
デジタル郵便局等
(共創プラットフォーム、窓口業務
運営のデジタル化等)
200億円程度
計 5,500億円
計 4,300億円程度 計 5,000億円程度 ~1兆円程度
*戦略的なIT投資額については、財務会計上の *不動産投資額については、日本郵政不動産株 *ベンチャー企業等への投資は日本郵政キャ
「投資」に加え、戦略的ITに関連する諸経費 式会社及び日本郵便株式会社における投資計 ピタル株式会社による投資について記載。
も含む。 画を記載。
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効率化施策・生産性向上に向けた取組
グループ全体として、業務効率化を徹底し、かつ重点分野に投資を行うことで生産性を向上し、グループ
主要4社において約3.5万人相当分の労働力の減少を見込みます。(注)2020年度 労働力は約39万人相当
労働力の見通しに応じ、適切な要員配置を行います(採用者数の抑制などによる自然減等)。
効率化・生産性向上施策の概要 労働力の見通し 費用削減
P-DXの推進やオペレーション改革、窓口業務運営の
デジタル化などにより、業務の効率化を徹底
現在のネットワーク水準を維持しつつ、効率化等による業務 ▲30,000人相当分 ▲1,600億円
日本郵便 量の減少や適正な要員配置に伴い、労働力が減少(▲30,000
人(▲8%)相当分)(2020.4→2025.4) ※新しいかんぽ営業体制の構築に伴う ※新しいかんぽ営業体制の構築に伴う
コンサルタント等のかんぽ生命への コンサルタント等のかんぽ生命への
重点分野への投資を強化し、生産性の向上と将来の 兼務出向の影響(約13,000人)は含まない 兼務出向の影響(約13,000人)を含む
収益力向上を目指す
計画的なスキルアップにより、デジタル化対応等の強化分野
の増員を行う一方、業務改革により業務量を大きく削減し、
ゆうちょ銀行 総人員3,000人減を計画 ▲3,000人 ▲550億円
DX推進等の重点分野への投資を積極的に行う一方、既定経
費を大きく削減し、経費全体を550億円削減
デジタル化の推進により、お客さまサービス向上と業務の効
率化及び経費の削減を推進
かんぽ生命 効率化により生じた経営資源をお客さまサポート領域、DX
▲1,500人 ▲280億円
推進など強化領域にシフト
(注) 1. 労働力の見通しについては、現時点で想定する業務量に基づく見通しであり、業務量の増減に合わせて随時増減するもの。
2. 労働力の見通しについては2020年4月と2025年4月(予想)の比較。費用削減については、2020年度と2025年度(予想)の比較。ただし、かんぽ生命に
ついては、 2020年度は営業自粛の影響があるため、新たな営業スタンスへ移行後となる2021年度(予想)と2025年度(予想)の比較としている。
3. 期間雇用社員を含む。
4. 各社の費用削減については、各社において算出したものであり、グループ連結による調整分を加味していない。なお、日本郵便は人件費、ゆうちょ銀行と
かんぽ生命は営業経費の削減について記載。
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Ⅱ. JP ビジョン2025
13
1 日本 郵 政 グ ル ー プの 信 頼回 復 に 向 け て
1-1. まずはお客さまの信頼回復から
1-2. お客さま本位のサービスの提供
1-3. 組織風土改革① 金融営業の目標・評価体系の再構築
組織風土改革② お客さまの声・社員の声の経営への活用
組織風土改革③ グループの人材戦略について
組織風土改革④ ガバナンス強化
14
1-1.まずはお客さまの信頼回復から
金融2社商品・サービスに係る不祥事等により大きく毀損した信頼の回復に向けて、愚直に全力で
取り組みます。
日本郵政グループが原点に立ち返り、「お客さまの信頼回復に向けた約束」を実行することにより、
真にお客さま本位の企業グループに生まれ変わります。
お客さまの信頼回復に向けた約束
目指す姿 一人ひとりのお客さまに寄り添い、お客さまの満足と安心に最優先で取り組み、
の約束 信頼していただける会社になることを約束します。
活動の約束 お客さま本位の事業運営を徹底し、お客さまにご満足いただける丁寧な対応を行います。
お客さまの声をサービス向上に反映するため、お客さまの声に誠実に耳を傾けます。
社員の専門性を高め、お客さまにご納得いただけるよう正確にわかりやすく説明します。
法令・ルールを遵守し、お客さまが安心してご利用いただける高品質のサービスを
提供します。
お客さまのニーズを踏まえ、お客さまに喜んでいただける商品・サービスを提供します。
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1-2.お客さま本位のサービスの提供
日本郵政グループは、お客さま本位の観点から、お客さまニーズに応える商品・サービスを開発し、
お客さま目線のサービス提供スタイルにより、安心・安全にお客さまへとお届けします。
項目 会社 取組内容
• 地域ニーズに応じた多種多様な商品・サービス等
(地方公共団体からの事務受託等)
▌ 日本郵便
• 荷物の差出・受取利便性の向上等、お客さまニーズに応える
お客さまのニーズに応える 商品・サービスの開発・提供
魅力ある商品・サービスの • 対面チャネルの資産運用商品ラインアップを、投資初心者が多い等の
開発・提供 顧客層に合った商品に整理
▌ ゆうちょ銀行
(ラインアップの戦略的見直し) • 安心・安全を最優先に、すべてのお客さまが利用しやすいデジタル
サービスの拡充
▌ かんぽ生命 • あらゆる世代のお客さまの保障ニーズ等に応える商品開発
お客さま本位の観点からの ▌ 日本郵便 • リアルとデジタルの融合によるお客さまへの提供価値の向上
サービス提供スタイルの ▌ ゆうちょ銀行 • お客さまからの苦情・相談等をフォローする組織態勢の強化
改革・チェック機能等の
• お客さまのご意向に基づいた提案をするための正しい知識・販売手法の
態勢整備 ▌ かんぽ生命
定着の推進
▌ 日本郵便 • コンプライアンスの徹底、不適正募集の根絶に向けた継続的な取組
お客さまサービスの • 高度なセキュリティ対策の実行と、新たなリスクに備えたITガバナンスと
▌ ゆうちょ銀行
安心・安全の確保 セキュリティ検証態勢の強化
▌ かんぽ生命 • お客さまの視点に立った質の高い細やかなアフターフォローの実施
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1-3.組織風土改革① 金融営業の目標・評価体系の再構築
かんぽ商品の募集に係る問題等に関し、販売実績(特に新規販売)中心の営業目標体系や、販売実績を重視
した人事評価が、お客さまの利益やご意向に沿わない営業活動の要因になっていたものと認識しています。
お客さま本位の営業活動(お客さまの利益やご意向に沿ったご提案等)の徹底に向け、グループの
金融業務関係社員の営業目標・人事評価の在り方を抜本的に見直し、社員のお客さま本位のマインドを
高めていきます。
営業目標の見直し(個人保険) 人 事 評 価 の 見 直 し (個人保険)
※2020年度は ※2020年度は
これまで(2019年度以前) 営業目標を設定せず これまで(2019年度以前) 営業実績を評価せず
• 新契約を重視(解約・消滅を考慮せず) • 新規販売実績を重視
これから(JP ビジョン2025期間中) これから(JP ビジョン2025期間中)
• 新契約と契約継続の両方を同じ重要度で評価できるよう • 新規販売実績に偏った評価ウェイト設定を見直し、
純増額(販売額 消滅額)の目標へ見直す 「お客さま本位の営業活動」をバランスよく評価
(2021年度は目標設定せず、2022年度から段階的に導入) - 営業実績・・・・・・・・ウェイト縮小(2021年度は評価せず、2022年度以降
- 営業プロセス 目標設定状況に合わせて評価)
• 「お客さま本位の営業活動」を重視した目標体系への移行
- 営業品質 ウェイトを拡大
- 営業プロセス
- アフターフォロー (2021年度~)
- 営業品質 ウェイトを拡大
- アフターフォロー (2021年度~)
• 加えて、2021年度からお客さまの声(満足度)による
投資信託についても、2021年度は販売額目標は設定せず、 評価を導入・拡大
2022年度以降、純増額目標の設定につき検討。
投資信託等、他の金融商品についても、同様に見直す。
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1-3.組織風土改革② お客さまの声・社員の声の経営への活用
グループ主要各社の経営陣の間でお客さまの声や社員の声を共有し、経営陣自らが、頂いた声を
経営に活かしてまいります。
具体的には、2020年度に実施した「JP VOICEプロジェクト」の成果も活かし、皆さまのご意見・
ご要望をグループ一体で業務改善等に活用します。
お客さまの声 社員の声
ニュース
お客さまの声の受付/社員の声の受付 CS調査/ES調査
SNS
• お客さまの声、社員の声をAI等のツールを活用して分析する
• 順次、分析データ範囲の拡大、分析ツールの拡充等を検討し、各社経営に資するアウトプットを導く
郵政グループ経営幹部 等
経営への活用
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1-3.組織風土改革③ グループの人材戦略について
グループ各社の本社・支社・フロントライン間、グループ各社間、グループ外も含め、グループ組織内の
風通しをよくするための人事交流を促進いたします。
DXの推進等による新たな価値創造を行うにあたり、人的リソースをより充実するため、内部人材を育成
するとともに、外部からの専門人材の採用をより積極的に行います。
グループ内外の人事交流促進 人的リソース
の充実
内部人材の育成
外部専門人材の
積極採用
本社 本社 本社 サービス
センターを含む
エリア本部等 支社等 エリア本部
DXの推進等による
直営店 郵便局 支店
新たな価値創造
日本郵政・日本郵便は
一体的に運営(次頁参照)
グループ外 他社・地方公共団体等
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1-3.組織風土改革④ ガバナンス強化
グループ横串機能を担うグループCxO制を導入するとともに、日本郵政・日本郵便の一体的運営を図り、
グループガバナンスを強化します。
支社への権限委譲や、郵便局一体のマネジメント体制への見直しにより、支社・フロントラインの
マネジメント機能を強化します。
「コンダクト・リスク」を早期に探知し対応する態勢を構築し、グループ一体となったリスク管理を行います。
[ガバナンス強化に向けた取組]
• 日本郵政の持株会社としての横串機能を発揮するため、グループCxO制を導入
1 グループCxO制 • グループCxO*は、財務・経理、IT、コンプライアンス、リスク管理、人事等、グループの
主要な分野におけるグループ横串での調整・助言の役割を担うとともに、その責任を負う
日本郵政・日本郵便の • 日本郵政と日本郵便については、郵便局を核としたグループ運営を徹底する観点から、
2
一体的な運営 両社間の役員の兼務、両社の本社人事・採用の一体化等により、一体的に運営する
• 本社の持つ権限・責任を支社へと委譲することにより、地域の実情に応じて、支社の
3 支社への権限委譲 独自性と機動性を向上させる
郵便局一体のマネジメント • 比較的規模の大きい郵便局における、郵便・物流、窓口、金融渉外の各機能を
4
体制への見直し 重視した従来のマネジメント体制を見直し、郵便局一体となったマネジメントを推進する
グループ一体となった • お客さま本位の業務運営を阻害する事象(コンダクト・リスク)を早期に探知し対応する
5
リスク管理 態勢をグループ全体で構築し、グループ一体となったリスク管理を行う
*グループCEO(最高経営責任者)、グループCFO(最高財務責任者)、グループCCO(最高コンプライアンス責任者)等。
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2. 日 本郵 政 グ ル ー プ の新 た な 成⾧ に 向け て
2-1.グループコアビジネスの充実・強化と新規ビジネスの創出
(1) 日本郵政グループ
(2) 日本郵便
・郵便・物流事業
・郵便局窓口事業
・国際物流事業
(3) ゆうちょ銀行
(4) かんぽ生命保険
(5) 不動産事業
2-2.資本戦略・人事戦略・ESG経営
(1) 日本郵政の資本戦略
(2) 人事戦略(社員視点に立った働き方改革の推進)
(3) 日本郵政グループの「ESG経営」において目指すもの
21
2. 日本郵政グループの新たな成⾧に向けて
2-1.グループコアビジネスの充実・強化と新規ビジネスの創出
(1) 日本郵 政グル ープ
グループDXの一体的推進による新しい価値提供
「お客さま本位」の観点からのお客さまデータの活用
グループDXの基盤づくり
(投資、セキュリティ、デジタル・ディバイドへの対応、
人材育成・体制強化)
業務集約による効率化(BPR/DX)
社会的な課題の解決に向けた新規ビジネス等の創出
22
(1) 日本郵政グループ
グループDXの一体的推進による新しい価値提供
グループ一体でのDX推進によって、リアルの郵便局ネットワークとデジタル(「デジタル郵便局」)とを融合し、
幅広い世代・地域のお客さまへ新しい価値を提供します。
● リアル・デジタルの郵便局が一体的に、より幅広い世代の多くのお客さまに合わせた体験を提供
● 連携基盤の構築やデータの活用により、グループ外企業や地方公共団体との連携・協業を通じた新サービスを拡充
● あらゆる業務のデジタル化により、社員が安心して効率的に働ける環境を実現、お客さまへのサービスに注力
日本郵政グループ『共創』プラットフォーム
~全世代・全地域のお客さまへ、それぞれのライフステージやライフスタイルに合わせた体験・サービスを提供~
リアル郵便局
リアルによる安心と信頼をもっと
デジタル郵便局
一体的な価値提供
いつでもどこでも、
• お客さまに合わせたコンサル • グループ各社のサービスをワンストップで より便利・身近に多くのお客さまへ
ティングやサポート • 他社や地方公共団体と連携した新サービス • 郵便局サービスをいつでも
• 窓口手続のデジタル化でより • デジタル手続のサポートをリアルで、 どこでもオンラインで
利用しやすく リアルのプロモーションや情報発信をデジタルで
• お客さま一人ひとりのニーズに
• お客さまを惹きつけるロイヤリティ あった情報提供・サービス提案
プログラム
グループ内のデータ お客さま・社員 お客さま接点の 提携パートナー
データ駆動型の × × × AI/OCR/RPA
オペレーション 基盤・データ活用 の声の活用 デジタル化 との連携基盤
等による業務効率化、
の実現(P-DX) テレワークによる働
デジタル化の取組 き方の改革
先端技術を活用した グループ外企業・地方公共団体との連携・協業 デジタル化で紙利用
輸送・配送ネットワーク や二酸化炭素排出を
の高度化・効率化 抑制し、SDGsの推進
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(1) 日本郵政グループ
「お客さま本位」の観点からのお客さまデータの活用
お客さまが、日本郵政グループが持つ様々な商品・サービスにつき、一元的にご利用いただけるよう、
グループ各社の持つお客さまに関するデータを、一体的に整備します。
この整備されたデータについて、個人情報保護には十分配意しつつ活用し、お客さまと地域を支える
「共創プラットフォーム」としてお客さまに新たな価値が提供できるよう新サービスを拡充します。
[データ利活用の対象の拡がりのイメージ]
(2020年度末) (2021年度~順次) (2023年度目途)
商品間乗換契約 グループお客さま データ基盤とオンライン お客さまと地域を支える
チェック データ基盤の整備 サービス連携 「共創プラットフォーム」
郵政グループご利用のお客さま
郵便局社員によるサービスと、
郵政グループ社員 スマホ・PCによるオンライン
サービスの情報連携により、
郵便局を軸とするグループ
お客さまにとってシームレスな
各サービスにおいて、書面に
サービスを展開
よる同意をいただいたお客さま
郵政グループ内一部社員(※)
の情報を一元化し、お客さまへ すべてのお客さま・パートナー企業
信頼回復に向け、商品間の乗換 的確な提案を実施
日本郵政グループのビジネス
契約のモニタリングを恒常的な
プラットフォームを基盤として
取組とするためのシステムを
パートナー企業のサービス等を
構築
受託するなど、生涯にわたって
お客さまの生活をサポートとする
便利なサービスを拡充していく
※商品間の乗換契約のモニタリング業務に携わる社員を指す。
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(1) 日本郵政グループ
グループDXの基盤づくり
(投資、セキュリティ、デジタル・ディバイドへの対応、人材育成・体制強化)
グループDXの推進等のため、JP ビジョン2025期間中に約4,300億円の戦略的なIT投資を行います。
「安心・安全」を最優先に、不断にセキュリティ水準の向上を図ります。
郵便局ネットワークを、デジタルサービスにアクセスできないお客さまへの結節点として活かすなど、
デジタル・ディバイドの解消に取り組みます。
スピード感のあるDX推進のため、外部人材を受け入れるとともに、専門人材(データサイエンティスト等)
の自社育成を進めます。
戦略的なIT投資 DX実現のための人材育成・体制強化
投資テーマ 主な取組内容 投資額(※)
P-DXの推進
データドリブンによる • グループ全体のデジタル
• より便利な差出・受取サービス 1,800億円程度 リテラシー向上、意識改革
郵便・物流事業改革 • DX推進体制の大幅な強化
• オペレーションの効率化
人材育成 グループDX
安心・安全を最優先に デジタルサービスの拡充 ローテーション
リーダーシップ 技術支援
質の高い金融デジタル
• セキュリティ対策/不正防止
2,300億円程度 人材支援 外部人材
• 通帳アプリの機能拡充 の受け入れ
サービスの充実
• お客さま接点のデジタル化
グループDX DX専門人材
共創プラットフォーム
連携・推進 体制の増強 • データサイエンス
• グループお客さまデータ基盤 • 従来ビジネスと • UI/UX
• 各パートナーとの連携
100億円程度 デジタルサービスの融合 • AI
• データ分析/AI活用 • 新規ビジネス創出 • IoT
リアルの郵便局 • スマホアプリ(グループプラッ
ネットワークと トフォームアプリ)
「デジタル郵便局」 日本郵政不動産
窓口業務運営のデジタル化
の融合 • タブレット活用、各種手続の
デジタル化 100億円程度 DX推進 DX推進 DX推進 DX推進
• コンサルティング強化 部門 部門 部門 部門
内部人材の
• デジタル・ディバイドへの対応
育成
合計 4,300億円程度
※財務会計上の「投資」に加え、戦略的ITに関連する諸経費も含む。 Copyright © 2021 JAPAN POST GROUP. All Rights Reserved. 25
(1) 日本郵政グループ
業務集約による効率化(BPR/DX)
グループ各社の業務の現状を踏まえ、業務集約による効率化効果が大きいと考えられる業務については
グループ横断的に集約し、一括してBPR/DXを行い効率化を図る取組を進めます。
現在の日本郵政グループ 目指す姿
グループ横断での効率化・
各社・各部門ごとの効率化の取組
生産性向上の取組
• 取組の範囲や投資は限定的となる 業務の集約 • 抜本的な改革と投資の最適化
• グループ全体の状況把握が難しい • データに基づいた経営判断
郵政 郵便 ゆうちょ かんぽ
郵政 郵便 ゆうちょ かんぽ 業務プロセス
グループ内シェアードサービスセンター
全体のBPR
データ
集約されたデータ群
統合・標準化されたプロセス
業務
各社ごとの取組
プロセス 一括で
共通業務A 共通業務B 定型業務C ・・・
デジタル化
ツール デジタルツール
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(1) 日本郵政グループ
社会的な課題の解決に向けた新規ビジネス等の創出
お客さまの潜在的なニーズを把握し、グループ横断的な体制で、社会的な課題の解決に向けた新規ビジネス
等を検討します。
お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を通じてグループ外の企業等と共創し、また、必要に応
じてM&Aを実施することで、新規ビジネス等を創出します。
お客さま・地域
検討 取組(例)
グループ横断的な検討体制の構築 お客さまニーズ起点のサービス開発・提供
お客さまニーズを把握するため支社、 デジタル技術と郵便局のリアルネットワーク
エリア本部、フロントライン社員も参画 を融合した価値の創出
ニーズ調査 分析
お客さまとの対話 お客さまニーズの分析
アンケート データの解析
グループ外の企業等 グループ外の企業等
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2. 日本郵政グループの新たな成⾧に向けて
2-1.グループコアビジネスの充実・強化と新規ビジネスの創出
(2) 日本郵 便
郵便・物流事業
P-DXの推進(データドリブンによる郵便・物流事業改革)
商品・サービス、オペレーションの戦略的見直しによる競争力の強化
郵便局窓口事業
窓口業務運営のデジタル化の推進
グループ一体での新しいかんぽ営業体制の構築
地域ニーズに応じた多種多様な商品・サービス等
郵便・物流事業 郵便局窓口事業
生産性向上に向けた取組
国際物流事業
アジア中心の経営構造への転換
28
(2) 日本郵便
郵便・物流事業 P - D X *の 推 進 ( デ ー タ ド リ ブ ン に よ る 郵 便 ・ 物 流 事 業 改 革 )
デジタル化の徹底によるデータとモノのスピード差や、配達先情報等の当社が保有するデータを活かし、
荷物分野の競争激化に打ち勝つ配送サービスを提供します。
デジタル化された情報に基づくオペレーションの効率化を進めるとともに、お客さまにとっての
差し出しやすさ・受け取りやすさを追求します。
「JP ビジョン2025」期間中、P-DX及びオペレーション改革投資(ITや施設・設備)を3,000億円程度行います。
*P-DX(Postal-Digital transformation):デジタル化された差出情報と、当社ならではの配達先情報を活用し、データ駆動型のオペレーションサービスを実現するための郵便・物流事業改革
[データドリブンによる郵便・物流事業改革]
お客さまの差し出しやすさの向上 オペレーションの効率化 お客さまの受け取りやすさの向上
アプリでラベル情報を登録することで、手書き 局内作業のスリム化や、デジタル化された差出 アプリやメールを通じ、到着前等の通知や、
不要での差出が可能になり、非対面・非接触での 情報・配達先情報等を活用・蓄積し、生産性を 受取希望日時・場所変更の受付ができ、お客さま
差出も容易 向上 の希望や都合に応じた受取が可能
局内作業の省人化・省スペース化 配達依頼チャネルの見直し
ポスト →移転等により、不動産価値の高い ・アプリやメール等、チャネルの拡大
荷 資産は不動産事業に活用 や自動化 荷
物 ・再配達自動受付のAI化
物
発 コンビニ 物数に応じた要員や車両の割当、 受
送 ※無人での 取
配送経路の最適化
の 発送も可 受取拠点の拡充 の
お ・スマホでの受取場所変更 お
客 スマホ 客
さ コード差出 郵便局 テレマティクスを活用した配達 さ
ま 窓口 エリアや配達順路の見直し ま
置き配
差出情報のデジタル化 過去実績を
AI解析
差出データ ストックデータ 配達先情報
自動運転車・配送ロボット、
差出情報のデジタル化
【大口のお客さま】 自動ルーティングや ドローンによる自動配送等
要員配置の最適化に活用
PC
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(2) 日本郵便
郵便・物流事業 商品・サービス、オペレーションの戦略的見直しによる競争力の強化
お客さまのニーズに合わせて商品・サービス、オペレーションを一体的かつ戦略的に見直すことにより、成
⾧するEC市場やフリマ市場の荷物を確実に取り込み、荷物収益を拡大させます。
営業倉庫の拡大を軸にした3PL *の拡大により、EC事業を展開しているお客さまの課題解決に貢献します。
*3PL(Third(3rd)Party Logistics):荷物の発送だけではなく、在庫管理や荷役等、EC事業を展開しているお客さまの物流業務をトータルに受託すること
[ゆうパックの物数推移] [2021年度以降の営業倉庫拠点一覧(予定)]
(億個) ゆうパック ゆうパケット
16 22拠点:153,000㎡
14
+2.7億個
(20→25)
13.6億個 ・札幌LSC(道央札幌局) 2025年度まで
・札幌LSC分室(札幌中央局)
+4拠点
12
10.9 ・新潟LSC(新潟局)
5.9
10
8.8 ・富山LSC(富山西局)
・富山LSC分室(富山中央局)
・岩手LSC(岩手局)
8 5.0 ・新越谷LSC(新越谷局)
26拠点
2.6 ・岡山LSC(岡山局) ・川越西LSC(外部倉庫)
・岡山LSC分室(外部倉庫)
延床面積
6
・東京北部LSC(東京北部局) 200,000㎡
・東京多摩LSC(外部倉庫)
・香川LSC(外部倉庫)
・川崎港LSC(川崎港局)
4 ・神奈川西LSC(神奈川西局)
7.7 ・福岡LSC(外部倉庫)
・神奈川西LSC分室(綾瀬局)
6.1 5.9
2
・愛知LSC(外部倉庫)
・静岡LSC(静岡局)
0 ・京都LSC(京都局)
2017年 2020年 2025年 ・大阪北LSC(大阪北局)
(見込) ・近畿南部LSC(外部倉庫)
※ 「LSC」…ロジスティクスセンターの略称
※ 上記の拠点には、将来的な不動産開発を検討している拠点を含む Copyright © 2021 JAPAN POST GROUP. All Rights Reserved. 30
(2) 日本郵便
郵便局窓口事業 窓口業務運営のデジタル化の推進
タブレットを活用し、各種手続のデジタル化を進めることにより、業務の効率化を進めるとともに、
それによって創出した資源を活かし、リアルならではのサービスを展開します。
コンサルティングアプリやデータ化された営業活動記録を活用して、お客さまのニーズに合わせた
コンサルティングサービスを提供します。
High 業務手続のペーパーレス化 監査・点検領 域のシステム化
後方事務
カウンター
各種手続・申込のタブレット処理 監査・点検作業の確実な実施
適正な業務フローの確立(不備防止) 監査・点検結果の電子記録
預り証等の電子化 監査・点検 点検業務をタブレットで完結
システム
業務用
タブレット
営業時間を創出
適正な実施指導
(Lowカウンター誘導)
コンサルティングアプリ (後方事務支援)
監査・点検の
実施状況確認
お客さま情報 適正なセールス
コンサルティングアプリを活用した
お客さまニーズの把握 記録システム プロセスの確認
セールスプロセスの均質化 お客さま情報記録システムの
お客さま情報記録システムによるお客さま情報の共有化 データ分析を通じた商品・サービス提供
Low バック
カウンター コミュニケーションのステージアップ 本社・支社によるモニタリング オフィス
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(2) 日本郵便
郵便局窓口事業 グループ一体での新しいかんぽ営業体制の構築
高い機動性と専門性をもったコンサルタントと、多様なお客さまニーズに応える窓口社員が、
それぞれの能力を最大限発揮し、専門性と幅広さを兼ね備えた「総合的なコンサルティングサービス」を
グループ一体で実現します。
グループ一体で
コンサルタント 窓口社員
総合的なコンサルティング
サービスを提供
かんぽ生命へ兼務出向
活動拠点を集約化
お客さま 広範な商品・サービスの提供
生命保険の業務に特化
(生命保険商品を含む)
担当顧客へのアフターフォローの充実/ 窓口における積極的なお声かけ/
高い専門性をともなった保障の提案 生命保険商品以外のニーズを把握 幅広い金融商品の提案
連携
家庭への訪問を通じて、アフター
生命保険に係る専門知識・スキル フォローや商品サービスを案内 幅広い金融商品・サービスの知識
してほしい
[ DX活用によるデジタル化 ]
非対面サービスの充実(Web予約/Web相談 等)
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(2) 日本郵便
郵便局窓口事業 地域ニーズに応じた多種多様な商品・サービス等
地方公共団体事務の受託、地域金融機関との連携強化、駅窓口業務の受託等、地域に信頼される
郵便局ならではのサービス展開を拡大します。
郵便局ネットワークの価値向上に取り組み、郵便局ネットワーク維持の支援のための交付金も活用
しながら、ユニバーサルサービスを確保します。
また、お客さまの利便性を踏まえた店舗の最適配置及び窓口営業時間の弾力化を進めます。
地域のニーズに応じて、サービスを拡大
地方公共団体事務の受託 郵便局における銀行手続事務等の受付・取次
① 公的証明書の交付事務 ② ①以外の行政事務 郵便局の窓口において、地域金融機関の個人のお客さま
から、住所変更、氏名変更、印鑑変更などの受付、口座解約、
• 地方公共団体が発行している • 国民年金関係の受 振替・振込などの取次を実施。
公的証明書を、地方公共団体 付、戸籍の届出等の
からFAXを通じて郵便局の 受託等に加え、転出 地域金融機関ATMコーナーの設置
窓口でお客さまに交付。 届の受付・転出証明 郵便局 郵便局スペースの一部を賃貸し、
※一部の郵便局ではPCでの入力代 書の引き渡し、印鑑
地域金融機関のATMコーナーを設置。
行を実施 登録の廃止申請の受
付等、法令改正(予
③ 受託窓口事務等 定)にも対応。 郵便局窓口と
バス回数券等の商品をお客さまに販売 駅窓口の一体運営
敬老乗車証等をお客さまに交付 地域拠点としての 駅窓口業務との一体的な運営を実施。
リアル店舗
地方公共団体への取次 郵便局業務を取り扱うとともに、
駅業務として、普通乗車券等の
④ マイナンバーカードの電子証明書関連事務 発売等を取扱い。
コンビニエンスストアと
地方公共団体施設への郵便局の設置 郵便局の併設
• 地方公共団体の支所等に郵便局を出店し、ワンストップサービスを実現。
コンビニエンスストアと郵便局を併設。
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(2) 日本郵便
郵便・物流事業 郵便局窓口事業 生産性向上に向けた取組
P-DXの推進やオペレーション改革、窓口業務運営のデジタル化などにより、業務の効率化を徹底します。
現在のネットワーク水準を維持しつつ、効率化等に応じた業務量の減少や適正な要員配置に伴い、
▲30,000人(▲8%)相当分の労働力減少となる見通し(2020.4→2025.4)です。
重点分野への投資を強化し、生産性の向上と将来の収益力向上を目指します。
労働力の見通し
人件費の見通し 重点分野への投資
(業務量相当)
▲30,000人相当分 ▲1,600億円
(*) (*)
• P-DXの推進(次期基幹
*新しいかんぽ営業体制の
*新しいかんぽ営業体制の システムへの更改を含む)
構築に伴うコンサルタン
構築に伴うコンサルタン
ト等のかんぽ生命への兼
ト等のかんぽ生命への兼
務出向(約13,000人)の
影響は含まない
務出向(約13,000人)の • オペレーション改革
影響を含む
• 窓口業務運営のデジタル化
の推進
(タブレットの増備 等)
2020.4 2025.4 2020年度 2025年度 • 不動産開発 等
※ 現時点で想定する業務量に基づく労働力の見通しであり、業務量の増減に合わせて随時増減するもの
※ 期間雇用社員を含む
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(2) 日本郵便
国際物流事業 アジア中心の経営構造への転換
不採算事業からの撤退及び合理化によるコスト削減を進め、利益拡大を目指します。
豪州に依存した経営構造から脱却し、日本を含むアジアを中心としたビジネスモデルへの転換による成⾧を
図ります。
[効率化施策の推進] アジア中心のビジネスモデルへの移行
不採算事業からの撤退 豪州事業の合理化 アジア域内で特に成⾧が見込まれる国と業種に
フォーカスした事業展開
エクスプレス事業の売却 本社機能における人員配置等の合理化
ロジスティクス事業における人員配置 トールエクスプレスジャパン及びJPトールロジス
等の合理化 ティクスの活用による国内BtoBビジネスの拡大
[日本におけるB2Bビジネスの展開]
[営業収益の推移]
(百万豪ドル)
エクスプレス(配送)をベースとして、物流の川上領域へサービスを拡充
アジア他(日本含む) 豪州 エクスプレス
日本郵便
エクスプレス
フォワーディング ロジスティクス (ゆうパック)
(輸出入の手配) (倉庫業務)
エクスプレス
(トラック輸送)
+約9% トールエクスプレスジャパン
3,200 3,500 JP TOLL LOGISTICS
(具体例)X社は配送にトールエクスプレスジャパン、日本郵便を使っているが、
JPトールロジスティクスが商品の倉庫保管業務(ロジスティクス)や商品の輸出入を
2020年度 2025年度計画 取り扱うことで、サプライチェーンマネジメント(SCM)の最適化・効率化を提案
※ コロナ禍での一時的な収益増加影響を除く
※ JPトールロジスティクスを含む アジア中心のビジネスモデルへの移行推進
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2. 日本郵政グループの新たな成⾧に向けて
2-1.グループコアビジネスの充実・強化と新規ビジネスの創出
ゆうちょ 銀行
デジタルサービス戦略
資産形成サポートビジネスおよび新規ビジネス
直営店窓口・貯金事務センター等の業務改革
経営資源のシフトによる生産性向上
地域への資金循環・地域リレーション機能の強化
市場運用・リスク管理の深化
36
(3) ゆうちょ銀行
デジタルサービス戦略
安心・安全を最優先に、すべてのお客さまが利用しやすいデジタルサービスを拡充するとともに、
郵便局ネットワークを活用し、デジタルサービスの普及を促進します。
顧客基盤を活用し、多様な事業者との連携により最適なサービスを提供する、「共創プラットフォーム」を構築します。
お客さまが最適なチャネルを選択
KPI
リアルチャネル デジタルチャネル
通帳アプリ登録口座数
郵便局ネットワークを通じたサービス提供 安心・安全を最優先に、UI/UXを継続的に
改善し、すべてのお客さまが利用しやすい 1,000万口座
お客さまに最適チャネルをご案内 デジタルサービスを拡充
デジタルサービスの身近なサポート 通帳アプリの機能拡充・利用拡大 約280万口座
グループ連携を強化しつつ、法人顧客 (基本バンキング機能を搭載)
リアルと
へのデジタルサービス等の営業を強化 デジタルの 20年度 25年度
2020年度 2025年度
相互補完 家計簿・家計相談アプリ(新規構築)
全国約24,000の
お客さま自身が、現在ならびに将来の家計の 邦銀随一の顧客基盤
郵便局ネットワークを活用 状況を確認でき、お客さま意向に沿った商品 (通常貯金1.2億口座)
・サービスを選択できるアプリ
データベースの利活用イメージ
お客さま
サポートチャネル 多様な事業者との連携による
の声を 統合データベース
最適なサービスの提供
サービス
態勢を強化し、専門的なサポートを実施 取引行動等 お客さま意向
改善に反映 投信 ローン 保険 税務相談
不動産 旅行代理店 物販/EC 寄付
コールセンター等の強化
お客さまに最適な
グループプラットフォームアプリとも連携 商品・サービスのご提案
(アプリ上で広告掲載、
PUSH通知等により提案)
各チャネルの取引等を統合した顧客データベースの構築・利活用
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(3) ゆうちょ銀行
資産形成サポートビジネスおよび新規ビジネス
対面チャネルの資産運用商品ラインアップを、ゆうちょ銀行の顧客層に合った商品に整理の上、郵便局
ネットワークを活用し、投資初心者のお客さまには主に積立投資を提案します。また、デジタルチャネルでは、
競争力のある料金水準の下、誰でも使いやすいWeb、アプリでの環境を構築します。
多様な事業者と連携し、お客さまニーズに対応した新たなサービスを展開します。
(投資一任サービス、信託・相続サービス、フラット35直接取扱い、口座貸越サービス等)
資産形成サポートビジネスの方針 オンライン相談機能
の導入・拡大
対面/デジタルチャネルで、お客さまから資産運用のご相談
(直営店(233)/投信取扱局(約1,500)/投信紹介局(約18,000)/家計相談アプリ)
かんたん・
いつもの社員に
べんり・
相談できる 最適なチャネル/商品・サービスをご案内
低コスト
対面チャネル デジタルチャネル
投資一任サービス※1 他社とも連携・協働し、 他社サービス
多様化するお客さまニーズに対応 ネット証券・ネットロボアド等と
信託・相続サービス※2 連携し、商品ラインアップを充実
対面チャネルの商品ラインアップを
投資信託 投資初心者が多い等の 投資信託
(ラインアップを整理) ゆうちょ銀行の顧客層に合った商品に整理 (フルラインアップ)
投資初心者には、非課税制度
非課税制度(NISA、iDeCo) 非課税制度(NISA)
等を利用した積立投資を提案
個人向け国債
KPI つみたてNISA稼働口座数
お客さまに一層寄り添った 40万口座 誰でも使いやすい資産運用
ライフプラン・コンサルティングを実施 約13万口座 プラットフォームの整備
2020年度 2025年度
注) 赤枠は、中計期間中に新規導入予定の商品・サービス
※1 お客さまから投資判断の一任を受け、当該投資判断に基づき、売買・管理等までを行う商品の媒介を行うサービス(要認可)。
※2 遺言信託・相続型信託・遺産整理業務等の信託銀行等が取り扱う商品の媒介を行うサービス(要認可)。
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(3) ゆうちょ銀行
直営店窓口・貯金事務センター等の業務改革
定型的な取引のセルフ処理環境(窓口タブレット等)を整備し、デジタルチャネルの充実と併せ、お客さまの
取引チャネルの選択肢拡充と、窓口業務の効率化を並進します。
デジタル技術を組み合わせた総合的な業務の自動化により、貯金事務センター業務を改革します。
営業店 貯金事務センター
従来の
マニュアル作業 基幹系
典型的な お客さま 紙・帳票
(帳票⇒検査⇒システム入力)
システム
事務の流れ で受付
営業店 貯金事務センター
事務フロー見直し
自動処理範囲
・システム化等 BPMS※2
を拡大
ATMの徹底活用 AI-OCR※1 R R R
セルフ処理 P P P
通帳繰越機能
促進 付ATMの配備 A A A
窓口タブレット導入 基幹系
お客さま
AI-OCR・RPAの拡大 BPMSの導入 システム
目指す姿 非接触/非対面 窓口タブレットをデジタル
ニーズ拡大 行政機関からの預貯金等の
チャネルのゲートウェイに
デジタル完結による 照会・回答業務のデジタル化
事務レス化
デジタルチャネル
API※3等
通帳アプリ等機能強化
コールセンター・パートナーセンター AI・チャットボット
(お客さま・郵便局からの照会対応) 等の活用
※1 AIを活用し、手書き文字等の認識率を向上したOCR。
※2 Business Process Management Systemの略。RPAを自動で起動したり、人による確認作業等を要求するなど、業務フローをシステム的に制御し、自動的に工程管理を行うシステム。
※3 Application Programming Interfaceの略。スマホアプリや外部システム等のデジタルチャネルと銀行内のシステムを接続するための標準技術。
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(3) ゆうちょ銀行
経営資源のシフトによる生産性向上
計画的なスキルアップにより、デジタル化対応等の強化分野の増員を行う一方、業務改革により業務量を大きく
削減し、総人員3,000人減を計画しています。
DX推進等の重点分野への投資を積極的に行う一方、既定経費を大きく削減し、経費全体で550億円削減を目指します。
人員計画 営 業 経 費 の 削 減 ・ O H R ※3改 善
既定経費の削減
(人)
業務量削減により、 (億円) ▲940
業務量 3,000人の人員減 10,100 日本郵便への
16,500 削減 (採用調整による (OHR 72%) 委託手数料等
自然減で実現) 営業経費
▲550億円
強化分野 13,500 重点分野
その他 (2020年度対比)
の増員 (▲3,000) 直営店コストの減少を への投資 9,550
既定経費
日本郵便への
委託手数料に反映 ▲650
▲3,800 +800 ▲290 +390 OHR
66%以下
業務量減少に伴い
窓口端末機も削減
20年4月 25年4月(計画) 20年度 25年度計画
業務量削減 強化分野の増員 既定経費の削減 重点分野への投資
デジタル技術活用、デジタル 直営店のローン・法人営業 日本郵便への委託手数料 強化分野の増員
サービス利用拡大等による の強化、シニアライフ の削減 DX推進に向けた投資
直営店、事務センター等の アドバイザー※1の増員
業務量削減による人員減 セキュリティ強化
業務効率化 市場・GP※2、DX、サイバー
店外ATMの効率的配置 AML/CFT※4強化
業務見直しによる全社的 セキュリティ等の専門分野の
な業務効率化 等 人材強化 等 貯金・通帳関連コスト 新規ビジネス推進 等
の削減
各種物件費の削減 等
生産性を向上 ※3金銭の信託運用損益等を含むベース
※1 高齢のお客さまに、より丁寧かつ高度な対応を行う社員。 ※4 マネー・ローンダリング防止およびテロ資金供与対策
※2 General Partner(ジェネラルパートナー)の略。案件選定、投資判断等を行うファンドの運営主体。
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(3) ゆうちょ銀行
地域への資金循環・地域リレーション機能の強化
多様な枠組みを通じた資金供給(特にエクイティ性資金)により、地域活性化に貢献します。
「地域の金融プラットフォーム」として、各地域の実情に応じた金融ニーズに対応します。
地域リレーション機能を強化し、地域の情報を活用した、新たなビジネス機会の創出に挑戦します。
地域への資金循環方針
スポンサー オールジャパン
地域金融機関 ゆうちょ銀行
企業 の企業
出資 出資 出資 出資 出資
投資・事業経営会社
地域活性化ファンド JPインベストメント㈱
(㈱日本共創プラットフォーム)
GP業務
地方債、地方公共団体向け貸付、
地域企業等
PFI※、プロジェクトファイナンス
エクイティ性資金の供給 地域ファイナンス機能の強化
地域の資金で地域のプロジェクトをファイナンスする地域循環型の投資スキーム等の検討
※ Private Finance Initiativeの略。
KPI 事務共同化実施金融機関数 KPI 地域活性化ファンド出資件数(累計) 公共施設等の建設等を民間の資金・能力を
50件 活用して行う手法。
2020年度 2025年度 32件 (参考)地域へのファイナンス残高
:約7兆円(2020年度末)
3金融機関 約20金融機関へ拡大
(2貯金事務センター)
(11貯金事務センター)
2020年度 2025年度
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(3) ゆうちょ銀行
市場運用・リスク管理の深化
リスクアペタイト・フレームワーク*1に基づき、投資適格 (IG) 領域を中心にリスク性資産残高を積み上げると
ともに、戦略投資領域について選別的に投資を進め、安定的な基幹収益の確保に努めます。
ストレス事象発生に備え、ストレス耐性のあるポートフォリオ構築とリスク管理深化に努め、自己資本比率
(国内基準)10%程度、CET1比率10%程度*2を最低限確保すべき水準に設定し、財務健全性を十分確保します。
ESGテーマ型投資残高を拡大する等、ESG投資を強化し、持続可能な社会の実現に貢献します。
*1:リスクアペタイト(自社のビジネスモデルの個別性を踏まえた上で、事業計画達成のために進んで受け入れるべきリスクの種類と
総量)を、資本配分や収益最大化を含むリスクテイク方針全般に関する銀行内の共通言語として用いる経営管理の枠組み。
*2:2025年度はバーゼルⅢ完全実施ベース。その他有価証券評価益除くベース。
リ ス ク 性 資 産 残 高 *3 戦 略 投 資 領 域 残 高 *4
*3:円金利(国債等)以外の資産 *4:オルタナティブ資産(プライベートエクイティファンド、 不動産ファンド(エクイティ)等)、
不動産ファンド(デット)、ダイレクトレンディングファンド、インフラデットファンド等
KPI
(兆円) (兆円)
KPI
120 110兆円程度 12
10兆円程度
100 91.1 10
84.8 戦略投資領域
81.9
4.2
3.3 2.2 2.9 株式(金銭の信託)等
80 2.9 2.4 8
2.6 貸出金
2.2 2.2
60 6
68.2 外国証券等 4.2
60.1 63.4
40 4 3.3 0.4 その他
2.9
0.4 1.5 不動産(エクイティ、デット)
20 2 1.0 1.0
0.6
7.8 7.5 7.5 社債等 1.7 2.2 プライベートエクイティ
6.3 1.2
0 5.9 5.4 地方債 0
2018年度 2019年度 2020年度 2025年度 2018年度 2019年度 2020年度 2025年度
外国債券の償還益減少、日本国債等の収益減少の一方、戦略投資領域の収益が本格化(Jカーブ効果)
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2. 日本郵政グループの新たな成⾧に向けて
2-1.グループコアビジネスの充実・強化と新規ビジネスの創出
(4) かんぽ 生命
中期経営計画(2021年度~2025年度)の基本方針
新しいかんぽ営業体制の構築
保険サービスの充実
事業運営の効率化
資産運用の深化・高度化
お客さま体験価値(CX)の向上
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(4) かんぽ生命
中期経営計画(2021年度~2025年度)の基本方針
お客さまから真に信頼される企業へと再生し、お客さま体験価値を最優先とするビジネスモデルへ転換する
ことで、持続的成⾧を目指します。
基本方針 主な取組み
• 適切な募集プロセスのもと、「お客さまがご納得・ご満足の上で保険
信頼回復に向けた • お客さま本位の業務運営を徹底し、お客
サービスをご利用いただく」活動を展開
取組みの継続 さまとの信頼を回復する
再 • お客さまへの丁寧なアフターフォローを通じた信頼関係の再構築
生 • あらゆる世代のお客さまの保障ニーズ
• 新しいかんぽ営業体制を構築し、保障性マーケットへの取組みを強化
• あらゆる世代のお客さまの保障ニーズにお応えする保険サービスの充実
事業基盤の強化 にお応えしながら、効率的な業務運営
• デジタルによる変革(DX注1)を推進し、事業運営を効率化
により収益力を向上させる
• 新資本規制導入を見据えた資産運用の深化・高度化
お客さま • お客さま体験価値(CX注2)を最優先とす • 感動いただけるサービスを核にお客さまを拡大するなど、DXを推進しな
持 るサービス提供体制を構築する がら、CXを最優先とするビジネスモデルへ転換
体験価値の向上
続
的
成 ESG経営の推進 • サステナビリティ(持続可能性)を巡る • 当社の社会的使命を果たすことで、社会課題の解決に貢献
長 (社会課題の 社会課題の解決に貢献し、SDGsと • 健康増進、介護・相続などの社会課題に関して、お客さまの生活に寄り
解決への貢献) 持続的な成⾧を実現する 添うサービスを提供
再生と持続的成⾧のための土台
• 社員一人ひとりがやりがい(ES)を感 • 経営陣と社員のコミュニケーションを活性化し、将来ビジョンを共有
企業風土改革・
じながら、会社とともに成⾧できる企業 • 多様なキャリア形成へのサポート、マネジメント力の強化
働き方改革 風土に改革する • 多様で、柔軟な働き方の実現
• コーポレートガバナンスの強化
• リスク感度の高度化等により、事業運営
ガバナンスの強化・ • マネー・ローンダリングならびに犯罪防止等対策の強化
における健全性を確保し、持続的な成⾧
資本政策 を実現する • ERM注3に基づき、財務の健全性を維持しつつ収益を確保し、安定的に株主
へ還元
(注1)Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略/(注2)Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)の略/(注3)Enterprise Risk Management(統合的リスク管理)の略
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(4) かんぽ生命
新しいかんぽ営業体制の構築
お客さまの多様な保障ニーズに対応した保険サービスを提供していくため、専門性と幅広さを兼ね備えた新
しいかんぽ営業体制を構築し、グループ一体での総合的なコンサルティングサービスを実現します。
コンサルタントは生命保険のご提案及びアフターフォローに専念し、また、お客さま担当制を導入すること
により、お客さまに質の高い細やかなアフターフォローを実施します。
新しいかんぽ営業体制 「新しいかんぽ営業体制」のポイント
コンサルタントは、確かな募集品質に基
コンサルタント づく質を伴った営業活動により、生命保
1 の保険専業 険のご提案及びアフターフォローへ専念
全国のお客さま
での活動 コンサルタントをかんぽ生命が直接責任
グループ一体で
をもってマネジメントする体制を整備
総合的なコンサルティング
日本郵便 サービスを提供 かんぽ生命
⾧期継続的な信頼関係の構築に向けて、
お客さま担当制
2 お客さま一人ひとりに対して、責任を
かんぽサービス部 の導入
郵便局窓口 持った丁寧な対応を実現
(コンサルタント)
お客さまニーズ
に応じた連携
窓口にご来局の ご家庭への訪問を通じ
お客さまに幅広い たアフターフォローや 保有契約や人口などの市場性を踏ま
活動拠点
金融商品をご提案 商品サービスをご案内 3 え、コンサルタントが駐在する拠点を
の集約
集約
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(4) かんぽ生命
保険サービスの充実
人生100年時代における、あらゆる世代のお客さまの保障ニーズにお応えする保険サービスの開発を進めます。
世代をつなぐ保険サービスとお客さまの生活に寄り添うサービスをご提供していきます。
あらゆる世代、様々な場面での保障ニーズ お客さまの保障ニーズにお応えする保険サービス
今後の商品開発の方向性
低廉な保険料でバランス