6178 日本郵政 2021-03-31 16:00:00
令和3事業年度事業計画の認可について [pdf]

                                            2021 年 3 月 31 日
 各   位


                        会 社 名   日 本 郵 政 株 式 会       社
                        代表者名    取締役兼代表執行役社長 増 田    寬也
                                   (コード番号:6178 東証第一部)
                        問合せ先    IR室(TEL.03-3477-0206)



               令和3事業年度事業計画の認可について

 日本郵政株式会社及び当社子会社である日本郵便株式会社は、令和3事業年度事業計画(以下「事業計
画」という。
     )について、2021 年 2 月 26 日(金)に総務大臣に認可申請を行い、本日、総務大臣から、認
可及び要請を受けましたので、お知らせいたします。


 日本郵政株式会社の事業計画は別添1、日本郵便株式会社の事業計画は別添2のとおりです。
 なお、要請事項を別紙として、各社事業計画本体に添付しています。



                                                     以   上




                          1
                  別添1




令和3事業年度



自 令和3年 4 月 1日
至 令和4年 3 月 31 日




    第 17 期




事   業 計 画




日本郵政株式会社
はじめに


  当社は、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」という。、郵便貯金銀行(以下「ゆ
                           )
 うちょ銀行」という。)及び郵便保険会社(以下「かんぽ生命」といい、日本郵便、
 ゆうちょ銀行と合わせて「事業子会社」という。 の経営の基本方針の策定及び実施
                       )
 の確保並びに株主としての権利の行使を行うとともに、グループ各社が個別に実施
 するよりもグループ内で1ヶ所に集約したほうが効率的な実施が見込まれる間接
 業務を事業子会社等から受託して実施することにより事業子会社等の業務を支援
 するほか、病院及び宿泊施設の運営等を行うことにより、郵政ネットワークの安心、
 信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま
 本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せ
 を目指します。また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に
 貢献できるよう努めていくことを基本として会社経営を行っていきます。その業務
 の運営に当たっては、日本郵政株式会社法(平成 17 年法律第 98 号)第 5 条第 1 項
 に規定される、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡
 易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的
 にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を果たすとともに、
 地域社会に貢献すべく、郵便局ネットワークの一層の活用を図ってまいります。
  加えて、自然災害の発生、感染症の大流行等の危機へ備え、危機管理態勢を整備
 するとともに、危機発生時には迅速かつ的確な対応を行い、業務継続の確保に努め
 ます。なお、東日本大震災及びその他災害からの復興支援、新型コロナウイルス感
 染症の流行下におけるサービス提供の継続、マイナンバーカードの普及促進等とい
 った公益性の高い取組については、引き続き、公益的性格が強い会社として取り組
 んでまいります。
  なお、令和3事業年度において、
                「日本郵政グループ中期経営計画(2021∼2025)
 の基本的考え方」
        (令和2年 11 月公表)をベースとした、次期中期経営計画を発表
 する予定です。かんぽ生命商品の不適正募集等により毀損したお客さまからの信頼
 の回復に向けて取り組むとともに、グループの新たな成長に向けた企業価値向上を
 目指します。また、同事業年度は、
                「郵政創業 150 年」の年に当たることから、今一
 度、原点に立ち返り、「すべてを、お客さまのために。」のキャッチフレーズの下、
 グループ一丸となって取り組んでまいります。




                      1
1   業務運営の基本方針
 (1)   かんぽ生命商品の不適正募集等の問題をはじめとした不祥事への対応
       当社は、かんぽ生命商品の不適正募集等の問題に関し、総務省及び金融庁から
    行政処分を受け、かんぽ生命及び日本郵便においても、同問題に関し行政処分を
    受けました。そのため、令和2年1月に業務改善計画を策定し、同計画に掲げた
    改善策の実行を経営の最重要課題として位置付けました。同計画のうち主要施策
    については、外部専門家の方々で構成された、各種取り組みを公正・中立な立場
    から検証する「JP改革実行委員会」
                    (同年4月設置)のモニタリングを受けなが
    ら、改善策の実行に向けて取り組んでいるところです。
       一方、令和2事業年度、かんぽ生命保険商品と投資信託の横断的な販売につい
    て、一部お客さま本位といえない営業が行われていたことや、ゆうちょ銀行のキ
    ャッシュレス決済サービスの不正利用等の新たな問題も発覚しました。
        当社としては、新しく生じた問題への対応も合わせて、同委員会からの評価、
    助言等も踏まえ、ガバナンス機能、グループコンプライアンス機能、監査部門の
    機能の強化等を図り、業務改善計画の着実な実行を行ってまいります。また、お
    客さまからの信頼回復に向け、同年9月に発表した「お客さまの信頼回復に向け
    た約束」をもとに、お客さまや社員の声を経営や営業・業務改善に活用する等、
    お客さま本位の事業運営を徹底してまいります。




 (2)   その他の経営課題に関する取組
    ① コンプライアンス・監査等の取組及びお客さま本位の業務運営の実践
        当社は、上場企業グループの持株会社として、部内犯罪等が引き続き発生し
       ている事態に加え、かんぽ生命商品の不適正募集等の問題の発覚を踏まえ、透
       明性の確保、説明責任の徹底、適正な事業運営に向けて、グループ全体のガバ
       ナンス強化及びお客さま本位の業務運営の実践に努めていきます。
        そのため、令和3事業年度においても、グループ全体のコンプライアンスの
       水準の向上を経営の重点課題として、令和3事業年度のグループ各社のコンプ
       ライアンス・プログラムの策定及び推進の状況並びに各社の内部監査態勢・監
       査状況を的確に把握し、グループ各社に必要となる支援・指導を行います。加
       えて、かんぽ生命商品の不適正募集等の問題を踏まえ、業務改善計画の実行に
       着実に取り組むほか、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策等につい
       ても、最重要課題の一つとして取組を一層推進・管理していきます。

                        2
  また、グループ各社が提供するサービスの公益性及び公共性の確保、お客さ
 ま満足(CS)の向上に取り組みます。


② サイバーセキュリティの強化
  激化するサイバーテロリスクに備え、グループ全体のサイバーセキュリティ
 対策の高度化及び情報共有によるガバナンスの強化に取り組みます。


③ SDGs達成への取組
  持続可能な社会の実現のため、SDGs達成に向け、次の事項等に取り組ん
 でいきます。
  ・環境問題への取組
   政府が掲げる「2050 年カーボン・ニュートラルの実現」に向けた動きを踏
  まえ、CO2の排出量削減に向けてグループ全体のEV車両の導入拡大等、
  事業サービスを通じた環境負荷軽減にも積極的に取り組みます。
  ・ダイバーシティの推進(障害者雇用、女性の活躍推進等)
   障害者雇用については、令和2事業年度において障害者の雇用の促進等に
  関する法律により義務付けられている障害者雇用率(2.2%)を達成したとこ
  ろですが、令和3年3月に障害者雇用率が 2.3%に引き上げられたことから、
  令和3事業年度においても、引き続きこれを達成できるよう、より一層、障
  害者雇用の推進に取り組んでいきます。女性の活躍推進については、管理者
  への女性登用に積極的に取り組むため、女性社員の昇進意欲の向上のための
  意識啓発、登用拡大に向けた計画的な女性社員の育成を行っていくとともに、
  仕事と生活の両立ができる職場風土づくり、各種環境の整備等に努めていき
  ます。


④ 株式の処分への準備
  郵政民営化法(平成 17 年法律第 97 号)第 7 条第 2 項において、当社が保有
 するゆうちょ銀行及びかんぽ生命の株式は、その全部を処分することを目指し、
 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命の経営状況、ユニバーサルサービスの責務の履行
 への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分するものとするとされてお
 り、この趣旨に沿って、所要の準備を行います。また、必要に応じて、政府に
 よる当社の株式の処分を可能とするための所要の準備を行います。



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 ⑤ 日本郵政グループの企業価値向上
   グループの企業価値向上を目指し、グループ各社が抱える経営課題について
  は、持株会社として、各社と連携を深めながら、必要な支援を行い、その解消
  に努めます。今後のグループ経営戦略につきましては、グループコアビジネス
  の充実・強化と新規ビジネスの創出を検討し、令和3年5月に次期中期経営計
  画を発表する予定です。具体的には、郵便・物流、貯金、生命保険などの生活
  基礎サービスの充実に加え、地方公共団体からの包括事務受託の拡大等、地域
  ニーズに応じた多種多様なサービスを提供いたします。また、リアルネットワ
  ークとしての郵便局とデジタルトランスフォーメーション(DX)を組み合わ
  せ、リアルとデジタルの融合による新しい価値の創造や、各種手続き・相談業
  務のオンライン化等のサービス・機能の拡充の実現を目指します。その他、グ
  ループ保有不動産の価値最大化等を図る不動産事業の拡大等、グループが有す
  る経営資源・強みを活用した新規ビジネスを推進し、新たな収益源の確保にも
  取り組んでまいります。


 ⑥ オリンピック・パラリンピックへの貢献
   東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催にあたっては、延
  期後日程においても引き続き、オフィシャルパートナーとして、全国の郵便ネ
  ットワークを通じて、東京 2020 大会の成功、日本選手団の活躍、オリンピッ
  ク・パラリンピックの機運醸成に貢献していきます。


 ⑦ 新型コロナウイルス感染症への対応
   新型コロナウイルス感染症の流行下において、当グループは、公益性が強い
  グループとしての社会的使命を果たすため、郵便局等の窓口へのビニールカー
  テンの取り付けや郵便物等の非対面配達の実施等、感染防止・感染拡大防止対
  策を行い、社員の安全を確保するとともに、郵便・物流事業及び金融事業の継
  続に取り組んできたところです。
   当年度においても、引き続き、感染防止・感染拡大防止対策を行い、社員の
  安全確保と事業運営の継続に取り組んでまいります。


 以上の基本的方針及び郵政民営化委員会からの意見を踏まえ、次に掲げる事項を
中心に事業経営を行うこととし、その遂行に当たっては経営環境の変化に即応しつ
つ弾力的に行っていきます。

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2   その他業務運営に関する事項
 (1)   事業子会社の経営の基本方針の策定及び実施の確保等
       日本郵便に対しては郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保、郵便
    局ネットワークの維持・活用による安定的なサービスの提供等という会社の目的
    が達成できるよう経営の基本方針を策定するとともに、その実施の確保等を行い
    ます。
       具体的には、事業子会社との間で、経営の重要事項に関して日本郵政グループ
    協定、日本郵政グループ運営に関する契約等を締結し、グループ全体に重大な影
    響を与える事項や経営の透明性確保に必要な事項については個別の協議、承認ま
    たは報告を求めること等により、グループ運営を行います。


 (2)   事業子会社の業務支援
       グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1ヶ所に集約したほうが
    効率的な実施が見込まれる間接業務を事業子会社等から受託して実施すること
    により、事業子会社等の業務を支援するとともにグループの経営効率の向上を図
    ります。具体的には、以下の間接業務を事業子会社等から受託して実施します。
    ① 電気通信役務及び情報処理サービスの提供
        当社が保有する電気通信設備を用いた事業子会社及び簡易郵便局法(昭和 24
       年法律第 213 号)第 3 条の規定により日本郵便が同法同条に基づき業務を委託
       した者への電気通信役務の提供及び情報処理システムを用いた情報処理サー
       ビスの提供を行います。
    ② 人事及び経理に関する業務
        人材派遣・紹介業務等を行う子会社を通じて、事業子会社の役職員の給与、
       各種手当の計算等並びに収入事務(請求書の作成・発送依頼、口座振替依頼、
       債権データの消込)及び支出事務(払出証書の作成・発送依頼、口座振替依頼、
       支払案内の作成・発送依頼、債務データの消込)を行います。
    ③ 福利厚生に関する業務
        事業子会社及び独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワー
       ク支援機構の役職員等に対し、レクリエーション施設提供業務を行います。
        また、人材派遣・紹介業務等を行う子会社を通じて、事業子会社及び独立行
       政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構の役職員等に

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      対し、労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)の規定等に基づく健康管理業
      務を行います。
  ④ 不動産の管理等に関する業務
       事業子会社等が現に所有若しくは賃貸借するか、又は将来所有若しくは賃貸
      借することとなる土地、建物等不動産及び当該不動産に附属する設備等に関し、
      管理、整備計画、運営維持、設計・工事監理又は売買・賃貸借等の業務の支援
      等を行います。
  ⑤ 人材派遣・紹介等の業務
       人材派遣・紹介業務等を行う子会社を通じて、社員の募集・採用を行いグル
      ープ各社等への紹介及び派遣を行います。また、グループ各社の人事関連業務
      等の受託を行います。
  ⑥ コールセンターに関する業務
       事業子会社に対し、テレマーケティング事業等を行う子会社を通じて、コー
      ルセンターの施設及びシステムの提供並びに管理の業務を行います。
  ⑦ 人材育成に関する業務
       郵政大学校を通じて、グループ横断的な研修を実施し、グループ各社の人材
      の能力向上を図ります。


(3)   病院の運営
      逓信病院を企業立病院として運営するとともに、地域医療との連携や救急医療
  の強化等による増収対策や、業務の効率化等による経費節減、事業譲渡等を含む
  見直しに取り組むことにより、経営改善を進めます。また、医療サービスの向上、
  地域医療ニーズへの対応、患者満足度の向上等を推進します。


(4)   宿泊施設の運営等
      旧簡易保険加入者福祉施設については、近年の景気の動向や将来予測等の外部
  環境等の変化を踏まえ、宿泊利用人数増加などの増収施策、食材等原価管理の徹
  底、施設配置の見直し等、経営の健全化に向けた見直しを進めてまいります。
      また、地域貢献施策の一環として、旧簡易保険加入者福祉施設において、引き
  続き、施設の一部を介護予防事業者に貸与し、要支援認定者に身体機能等の改善
  を図る機会を提供する業務の試行に取り組みます。




                       6
別   添   資金計画書


        収支予算書




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                                       別 添

■資金計画書


令和3事業年度の資金計画書は下記のとおりである。
                           単位:億円
       科   目           金   額
収入の部
       前期繰越金                   3,353
       配当収入                    2,012
       貯金旧勘定交付金                    3
       関係会社受入手数料                 141
       間接業務手数料                   514
       宿泊事業収入                    158
       医事収入                      137
       その他収入                     771
       合   計                   7,090
支出の部
       人件費                       745
       物件費                       650
       租税公課                       87
       投資的支出                     116
       貸付金                       436
       その他支出                   2,135
       次期繰越金                   2,921
       合   計                   7,090

(注1)計数は四捨五入しているため合計は一致しない。
(注2)「−」は計数が存在しないことを意味する。




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 ■収支予算書


 令和3事業年度の収支予算書は下記のとおりである。
                               単位:億円
          科   目             金   額
 経常損益の部
   (営業損益の部)
    1.営業収益                          2,836
      受取配当金                         1,944
      貯金旧勘定交付金                          3
      関係会社受入手数料                       128
      間接業務手数料                         478
      宿泊事業収入                          145
      医事収入                            138
    2.営業費用                            923
      人件費                             145
      物件費                             594
      減価償却費                           150
      租税公課                             33
       営業利益                         1,912
合   計
   (営業外損益の部)
      営業外損益                            78
       経常利益                         1,991
 特別損益の部
    1.特別利益                              4
    2.特別損失                             −
      税引前当期純利益                      1,995
      法人税、住民税及び事業税                  △ 256
      当期純利益                         2,251

 (注1)計数は四捨五入しているため合計は一致しない。
 (注2)「−」は計数が存在しないことを意味する。




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                           (別紙1)


1   かんぽ生命保険の不適正募集やゆうちょ銀行のキャッシュレス
決済サービスの不正利用等の問題を踏まえ、グループにおけるコ
ンプライアンス向上やガバナンス態勢の強化等の取組を引き続き
実施することにより、国民・利用者の信頼の着実な回復に努める
こと。

2   グループが取得・保有するデータ及び郵便局ネットワークの活
用等によるDXの推進、地方創生、SDGs・ESGへの取組等
を積極的に実施し、社会環境の変化に対応した多様かつ柔軟なサ
ービス展開を行い、新たな成長分野の構築を推進すること。

3   ユニバーサルサービスを確実に提供するとともに、新型コロナ
ウイルス感染症や災害時の対応、サイバーセキュリティ対策等を
適切に行いつつ、グループ全体の業務継続の確保に努めること。
また、グループ各社と連携しマイナンバーカードの普及促進に積
極的に取り組むこと。

4   ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式処分について、ユニバ
ーサルサービス提供責務の履行への影響等を勘案しつつ、適切に
対応すること。

5   宿泊事業については、グループの経営健全化に向けて抜本的な
見直しを進めること。病院事業については、引き続き、新型コロ
ナウイルス感染症の対応を行うとともに、経営改善のための取組
を着実に進めること。
                        別添2




   令和3事業年度


  自   令和 3 年 4 月 1 日
  至   令和 4 年 3 月 31 日




      第 15 期



 事    業 計 画




日 本 郵 便 株 式 会 社
はじめに


 日本郵便株式会社(以下「当社」といいます。)は、お客さまが郵政事業に係
る基本的な役務を郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用でき
るようにする責務の下、業務運営を行っています。


 今後も、国民共有の財産である郵便局ネットワークの水準を維持し、公益性・
地域性を十分発揮するとともに、郵便局のサービスを更に便利なものとするこ
とで、郵便局ネットワークの価値を向上させ、地域のお客さまの生活を総合的
にサポートできるよう取り組んでまいります。


 なお、令和3年は、「郵政創業 150 年」の年に当たります。


 この大きな節目を迎えるに当たり、「すべてを、お客さまのために。」のキャ
ッチフレーズの下、今一度、原点に立ち返るとともに、成長に向けた取組を着
実に実行することにより、新たなステージへと歩みを進めてまいります。


第1    業務運営の基本方針


1   お客さまの信頼回復に向けた取組


 当社においては、令和元事業年度に発覚した、株式会社かんぽ生命保険(以
下「かんぽ生命」といいます。)商品の不適正募集問題を受け、これらの構造的
要因等を踏まえた業務改善計画を策定し、同計画の実行を経営の最重要課題と
位置付け、今後、二度とこのような事態を起こさぬよう、全役職員が一体とな
って取り組んでまいりました。


 令和3事業年度においても、引き続き、業務改善計画を着実に実行するとと
もに、お客さまからの信頼回復に向けて、愚直に全力で取り組んでまいります。


(1)   お客さま本位の業務運営に向けた取組


 令和2事業年度に引き続き、
             「お客さまの信頼回復に向けた約束」の実現に向
け、お客さまからの信頼回復を最優先とした取組を進めるとともに、経営理念
浸透に向けて、継続的に取り組んでまいります。




                   1/14
 また、
   「風通しのよい職場づくり」に向けて、本社における仕事の仕方の変革
やフロントライン 支社 本社間のコミュニケーションの充実に取り組むほか、
        ・  ・
お客さまや社員の声を経営や営業・業務改善に活用していきます。


 加えて、グループ各社との連携を図り、あらゆる商品・サービスをお客さま
に安心してご利用いただけるよう、グループ一体となって取り組んでまいりま
す。


 なお、郵便局では、令和2年 10 月5日から、信頼回復に向けた業務運営を開
始し、お客さまにご迷惑・ご心配をおかけしたことのお詫びと「お客さまの信
頼回復に向けた約束」のご説明を行うとともに、金融商品のアフターフォロー
に最優先で取り組み、お客さまのご不安や疑問点の解消を図ってまいりました。


 これまでは、このような取り組みの中で、お客さまからのご要望があった場
合のみ金融商品のご提案を行ってまいりましたが、令和3年4月1日からは、
信頼回復に向けた業務運営を継続する中で、郵便局社員より、お客さまの想定
されるニーズの確認を行いながら、お客さまニーズに応じた金融商品の情報提
供やご提案を実施することで、営業活動を通じたお客さまとの信頼関係の構築
を進めていく新たな営業スタンスへ移行することといたします。


(2)   不適正募集の根絶に向けた継続的な取組


 令和2事業年度に引き続き、不適正募集を根絶すべく、新規契約申込時の確
認の徹底を図るほか、募集品質データの管理基盤を構築し、募集人に対する指
導やリスク管理を高度化させるなど、募集品質の向上やガバナンスの強化に向
け、継続的な取組を進めてまいります。


 また、新規契約獲得を過度に重視した営業推進管理の仕組みが不適正募集の
構造的要因の一つとなっていたところ、令和3事業年度以降の営業目標におい
ては、
 ・「活動目標」の新設
 ・新規販売と消滅の両面を評価する「純増額」体系への変更
等の見直しを行ってまいります。




                   2/14
 なお、令和3事業年度は、お客さまとの接点の創出等に注力して取り組むこ
ととしており、この観点に基づく「活動目標」を新設し、社員の活動プロセス
を評価してまいります。また、営業目標の見直しに併せて、社員の活動プロセ
スを評価するマネジメントへの変革に取り組むため、純増目標については、マ
ネジメントの定着状況等を確認しながら、段階的に設定することとします。


 あわせて、人事評価についても、営業重視からお客さま本位の観点を重視し
た仕組みへと変革を図ってまいります。


(3)   コンプライアンスの徹底


 令和2事業年度に引き続き、部内犯罪の防止や社員の不正防止、顧客保護(コ
ンダクト)、マネー・ローンダリング対策(金融機能濫用の防止)等の取組の継
続・強化及びコンプライアンス意識の浸透等に取り組むなど、「お客さまの信頼
回復」のためのコンプライアンスを推進してまいります。


 また、不祥事案は、令和2事業年度同様、警察に相談中又は捜査中の事案を
除き、速やかに公開します。ただし、当事者が未成年の場合等については、必
要に応じ、匿名性の程度を高めるなどの一定の配慮を行います。


2   新たな成長に向けた取組


 デジタル化の推進に伴う郵便物数の減少や来局者数の減少、そして低金利環
境の継続等、当社は非常に厳しい事業環境に置かれています。


 また、今後、ウィズ/ポストコロナ社会においては、デジタル化の流れが加
速し、非接触/非対面サービスに対するニーズが高まることが想定されるほか、
ライフスタイルや働き方等、社会の在り方そのものが大きく変わると考えられ
ます。


 このような事業環境の下、当社においても、デジタルトランスフォーメーシ
ョン(以下「DX」といいます。)を推進するほか、郵便局ネットワークの価値向
上に向けて取り組むことにより、事業基盤を強固なものとしてまいります。




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(1)   DX の推進


 郵便・物流、貯金、生命保険といったコアビジネスを将来にわたり、安定的
かつ持続的に提供していくためには、社会環境変化や先端技術の動向等を見据
えた変革が必要と認識しております。


 当社においても、様々なデータのデジタル化を徹底し、蓄積したデータを最
大限に活用することにより、サービス・機能の拡充やオペレーション改革を実
現するほか、業務そのものや組織、プロセス、企業風土の変革に向けた取組を
推進してまいります。


 令和3事業年度は、郵便・物流事業において、テレマティクス技術を用いて
取得するデータを、社員の安全確保や配達の相互応援等に活かしていくほか、
郵便物の配達順路や配達エリアの見直しにも活用してまいります。加えて、AI
による配送ルートの自動作成等、ゆうパック等の集配業務の効率化にも取り組
み、ローコストオペレーションを実現してまいります。


 また、他企業との連携により、効率の良い配送システムの構築や利便性の高
い受け取りサービスの提供等を実現する新たな物流プラットフォームの構築に
取り組むほか、将来的な実用化に向けて、ロボティクス(無人搬送車や無人搬
送フォークリフト、ピッキング用ロボット等)や配送の高度化(ドローンや配
送ロボット等)についても試行・実験を重ねてまいります。


 加えて、郵便局の運営においても、タブレットの活用等により、デジタル化
を進め、各種手続のペーパレス化や業務の効率化等を実現してまいります。


(2)   郵便局ネットワークの価値向上に向けた取組


 持続的な成長を実現するためには、リアルな存在としての郵便局を活かし、
郵便局ネットワークの価値を向上させる必要があると考えております。




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 こうした認識の下、地方公共団体事務において、地方公共団体の特定の事務
の郵便局における取扱いに関する法律(平成 13 年法律第 120 号)が改正された
場合には、受託範囲の拡大への対応を進めるなど、幅広い受託に取り組んでい
くほか、地域金融機関等との連携強化や駅と郵便局の一体的な運営等、地方公
共団体や他企業と連携しながら、地域やお客さまニーズに応じた個性・多様性
ある郵便局を展開することにより、郵便局ネットワークの価値を向上させてま
いります。


(3)   新しいかんぽ営業体制の構築


 かんぽ生命商品の不適正募集問題発生以降、お客さまの将来のライフプラン
に寄り添い、その目的に合った幅広い商品及びサービスを提供するための取組
を進めてまいりましたが、日本郵政グループとして、専門性と幅広さを兼ね備
えた「総合的なコンサルティングサービス」を実現する体制へと変革してまい
ります。


 具体的には、専門性・機動性を有するコンサルタントと幅広い商品ラインア
ップを提供する窓口社員の役割分担を明確にし、前者をかんぽ生命の指揮下に
置く(かんぽ生命商品等の営業・業務に限ります。)準備を進めてまいります。


(4)   SDGs に関する取組の強化


 平成 27 年の国連総会において、            国連に加盟する全ての国が賛同した国際目標
「SDGs(Sustainable Development Goals)」の重要性が高まりつつある中、当社
においても、企業の持続的な成長に必要な土台であると位置付け、企業活動全
般を通じて積極的に取り組むことにより、企業価値の創出を図るとともに、持
続可能な社会の実現に貢献してまいります。


 なお、環境負荷軽減については、政府が掲げる「2050 年カーボン・ニュート
ラルの実現」に向けた動きを踏まえ、EV 車両への切替えや再配達削減に向けた
取組を進めていくほか、CLT(直交集成板)工法と、太陽光といった再生可能エ
ネルギーの活用を組み合わせた郵便局の設置等に取り組んでまいります。


 また、様々な取組を進めていくに当たっては、社員一人ひとりが活き活きと
働き、能力を十分に発揮するための環境を整備することが、何よりも重要であ
ると考えています。



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 そこで、育児・介護と仕事の両立支援や育休取得の促進、深夜・週末労働に
依存する労働環境の見直しや、時間外労働の削減等、社員が働きやすい職場づ
くりを進めていくほか、納得感の高い処遇の確立やダイバーシティにも積極的
に取り組んでまいります。


3 郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法
律(令和2年法律第 70 号)(以下「改正郵便法」といいます。)への対応


 令和2年 11 月 27 日に改正郵便法が成立、同年 12 月4日に公布されましたが、
改正の内容は、次のとおりです。
 ・週6日以上とされている郵便物の配達頻度を週5日以上に変更
 ・原則3日以内とされている郵便物の送達速度を原則4日以内に変更
 ・郵便区内特別郵便物を配達側の地域区分局にも差し出せるように変更


 今後、改正郵便法の施行等を踏まえ、令和3年秋ごろから、改正郵便法の各
項目に応じた内容についてサービス見直しを行ってまいります。


 上記サービスの見直しに当たっては、内国郵便約款等の変更認可申請や料金
の届出といった行政手続を遺漏なく実施するとともに、十分なお知らせ期間を
設けた上で、ホームページ掲載、ポスター掲出、チラシの全戸配布及び窓口で
の配布、新聞広告等により、お客さまへの丁寧な周知や、正常な業務運営が確
保できるよう、万全の準備を進めてまいります。


第2 日本郵便株式会社法第4条第1項から第3項までに規定する業務に関す
る計画


 日本郵便株式会社法(平成 17 年法律第 100 号)第4条第1項に規定する郵便
の業務、銀行窓口業務、保険窓口業務等の業務を確実に実施するとともに、第
2項及び第3項の規定により営む業務を行います。


 主な計画は以下のとおりです。


 なお、日本郵便株式会社法第4条第2項第3号及び第3項に規定する業務等
に関しては、郵政民営化法(平成 17 年法律第 97 号)第 92 条の規定により、同
種の業務を営む事業者の利益を不当に害することのないよう特に配慮しなけれ
ばならないとされていることを踏まえた計画としています。



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1   郵便の業務(印紙の売りさばき、お年玉付郵便葉書等の発行を含みます。)


 インターネットの普及等により、  郵便物は減少傾向にありますが、
                                「手紙の書
き方体験授業」支援の展開や時代のニーズにあった新しい年賀状サービスの提
供等、手紙の楽しさを伝える手紙振興のほか、企業向けの販促セミナーの開催
等による DM 振興により、郵便利用の維持を図ってまいります。


 また、東京 2020 オリンピック・パラリンピックの開催に当たり、特殊切手・
はがきを販売するほか、メダリストフレーム切手やホストタウンフレーム切手
を発行するとともに、大会期間中における交通規制への対応など適切な業務運
行に努めてまいります。


 なお、郵便物等の放棄・隠匿については、郵便物を確実に配達する責務を重
く受け止め、引き続き社員教育・コミュニケーションの充実に重点を置いた社
員育成を行うとともに、防犯重点ルール等の周知 指導を徹底してまいります。
                      ・


 加えて、改正郵便法に伴うサービスの見直しに当たっては、内国郵便約款等
の変更認可申請や料金の届出といった行政手続を遺漏なく実施するとともに、
十分なお知らせ期間を設けた上で、ホームページ掲載、ポスター掲出、チラシ
の全戸配布及び窓口での配布、新聞広告等により、お客さまへの丁寧な周知や、
正常な業務運営が確保できるよう、万全の準備を進めてまいります。


2   国内物流業務


 小型荷物を中心とした EC 市場やフリマ市場を確実に取り込むため、差出・受
取利便性を高めるためのサービスを拡充するほか、営業倉庫の拡大等により、
お客さまの物流に関する課題を解決するソリューション営業を強化することで、
収益の拡大を図ってまいります。


 また、改正郵便法に伴うサービス見直しの実施を契機として、増加する荷物
等の業務へのリソースシフトを進めるとともに、業務量に応じたコストコント
ロールの取組の深化や DX の推進等を通じて、生産性の向上に努めてまいります。


3   銀行窓口業務等


 令和2事業年度に引き続き、投資信託等の資産運用商品のアフターフォロー
を継続するとともに、適正な販売態勢の構築に取り組んでまいります。

                   7/14
 また、お客さまとの接点の中で、広く資産形成をご案内するための、研修や
資格取得支援等の取組を進めてまいります。


4   保険窓口業務等


 令和2事業年度に引き続き、業務改善計画を着実に実行していくとともに、
お客さまへのフォローアップ活動(ご契約内容の確認等)に取り組んでまいり
ます。


 特に、ご契約内容の確認活動として、
 ・長くご契約を継続いただくための、定期的なご契約内容のご説明
 ・満期を迎えるお客さまに対して、早期かつ着実な手続の実施
 ・既契約者の世帯内の未加入者等に対して保障のご提案
等の取組を進めてまいります。


5   地方公共団体からの委託事務等


 郵便局の果たすべき社会的使命は、創業以来培ってきたお客さまや地域から
の信頼を基に、郵政事業のユニバーサルサービスを提供しつつ、地域と寄り添
い、地域と共に生きることであると認識しております。


 行政サービスや民間拠点等も含む社会インフラの維持が困難になりつつある
中、地方公共団体事務において、証明書交付事務や国民年金関係、国民健康保
険関係等の各種届出書の受付といった従来からの事務に加え、地域の自主性及
び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
案に基づき、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律
の一部改正が行われた場合には、転出届の受付や転出証明書の引渡し等の、受
託範囲の拡大への対応を進めるなど、幅広い受託に取り組んでまいります。


 あわせて、地方公共団体との包括連携協定の締結推進にも取り組んでまいり
ます。


 また、マイナンバーカードの普及促進を図るため、従来からの各種施策を継
続するとともに、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法
律案による、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律
の一部改正が行われた場合には、マイナンバーカードの電子証明書関連事務の
受託に取り組んでまいります。

                     8/14
 加えて、日本郵政グループとしても、マイナンバーカードの積極的な活用を
検討してまいります。


6   不動産業務等


 令和2事業年度に引き続き、JPタワー(商業施設名称:KITTE)等の
賃貸事業を行うとともに、住宅地に所在する土地の有効活用事業として、住宅、
保育所及び高齢者施設の賃貸事業を行います。


 また、新たな収益機会の拡大や保有不動産の有効活用の観点から、広島駅南
口計画、虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業及び梅田3丁目計画等を
推進し、不動産事業が収益の柱の一つとなるよう取り組んでまいります。


 その他、外部事業者等への土地・建物賃貸及び郵便局敷地又は遊休地での駐
車場事業の運営等活用を実施しておりますが、活用の見込みがないと思われる
不動産については売却を検討してまいります。


7   国際物流業務


 Toll Holdings Limited(以下「トール社」)のエクスプレス事業については、
新型コロナウイルス感染症の影響等により減収基調にある中、コスト削減に取
り組んだものの、赤字が継続したため、売却を検討することとしています。


 引き続き、トール社におけるコスト削減施策の徹底や事業領域の見直し等、
経営改善に向けた取組を推進するとともに、成長地域であるアジア市場中心の
ビジネスモデルへの移行を図ってまいります。


8   その他の業務


 お客さまが安全・安心で、快適・豊かな生活・人生を実現することをサポー
トするため、カタログ等を利用して行う商品の販売や郵便局のみまもりサービ
ス等を提供していくほか、出資・提携等を通じた新たな商品・サービスの検討
も進めてまいります。




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第3 日本郵便株式会社法第6条第2項の規定による届出の対象となる郵便局
及び会社の営業所の設置及び廃止に関する基本的な計画


1   郵便局等の設置について


 郵便局等の設置に関しては、郵政事業のユニバーサルサービスを着実に提供
できるよう、日本郵便株式会社法第6条及び日本郵便株式会社法施行規則(平
成 19 年総務省令第 37 号)第4条に定めるところに基づき、過疎地については、
郵便局ネットワークの水準を維持することを旨としています。


 また、一時閉鎖となっている簡易郵便局については、日本郵便株式会社法施
行規則第4条第5項の過疎地であるか否かにかかわらず、引き続き、早期再開
に向けて、取り組んでまいります。


 なお、応急的な対応が必要な場合には、地域の実情やお客さまの利用状況に
応じ、「車両型郵便局」による窓口サービスの提供等の取組を実施してまいりま
す。


 引き続き、郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金・拠出金制度も
活用しながら、国民共有の財産である郵便局ネットワークの水準の維持に取り
組んでまいります。


2   郵便局等の新設について


 お客さま利用の増加が見込まれる地域等については、店舗の出店に向けた取
組を進めるほか、社会環境の変化に伴うお客さまニーズの変化に対応する店舗
や、地域社会の課題を解決する店舗の出店に向けた取組を進めてまいります。


3   郵便局等の廃止等について


 従前のとおり、お客さまの需要の減少や店舗施設の老朽等の課題解消に伴う、
店舗配置の見直しを進めてまいります。


 なお、郵便局等の利用者層や利用されるサービスが特定のものに限られるな
ど、営業の効率化の観点から経営改善の必要がある郵便局等については、運営
形態等の見直しを行ってまいります。



                   10/14
 また、一時閉鎖の期間が長期化している簡易郵便局において、地域需要と他
の郵便局の配置状況に照らし、地域住民の日常生活上の動線等から他の郵便局
を容易に利用できるものについては、整理を進めてまいります。


第4   その他事業の運営に関する事項


1   東日本大震災及びその他災害からの復興支援


 東日本大震災及びその他災害からの復興支援において、郵便・貯金・保険の
郵便局サービスは、被災された方々の日常生活維持にとって必要不可欠なサー
ビスであることから、引き続き、日本郵政グループ各社との連携を密にし、郵
便局の再開等を通じて、被災された方々の日常生活支援等に貢献してまいりま
す。


2   災害等の緊急事態への対応


 当社は、事業継続計画を策定しており、これに基づき、地震等の自然災害や
感染症の大流行等、企業活動に重大な影響を及ぼす緊急事態が発生した場合に、
優先的に再開させる重要業務を明確にし、事業継続と復旧をスムーズに実現さ
せるための体制作りと事前対策を整備しております。


 また、これに加えて、災害対策基本法(昭和 36 年法律第 223 号)第 39 条第
1項の規定に基づく業務計画、武力攻撃事態等における国民の保護のための措
置に関する法律(平成 16 年法律第 112 号 ) 36 条第1項の規定に基づく業務
                          第
計画及び新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成 24 年法律第 31 号)第9
条第1項の規定に基づく業務計画を策定しております。


 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に対しては、令和2事業年度に、「郵
便 物流事業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」
 ・                              を策定、
公表しているほか、日本郵便における新型コロナウイルス感染予防対策基本的
         「
対応方針」を策定しているところであり、それらに基づき、お客さま、社員等
の感染予防と同時に、事業を通じた国民生活への貢献という役割を果たしてま
いります。




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3   国際的な協調・連携


 万国郵便条約に基づく義務の履行を着実に行うとともに、コートジボワール
で開催予定の UPU の第 27 回万国郵便大会議において、積極的な参加や主導的な
取組等を通じ、 国際的な協調・連携を推進し、    国際郵便の品質向上を図ります。


 また、世界トップクラスの品質を誇る当社の郵便・郵便局ネットワークに関
するノウハウや関連技術を用いて、外国郵便事業体に積極的に協力していくこ
ととします。



別添   資金計画書
     収支予算書




                   12/14
                                                   別添
            令和 3 事業年度        資金計画書

                                         単位:億円
            科    目                   金    額

資金収入

 前期繰越金                                         9,889

 郵便事業収入                                       13,666

 印紙収入                                         11,030

 貯金及び保険受託業務収入                                  6,171

 交付金                                           2,910

 その他の業務収入                                      8,659

 その他財務的収入                                         -

 借入金                                              -



             合 計                              52,324

資金支出

 人件費                                          19,931

 物件費                                           6,763

 租税公課等                                         3,429

 投資的支出                                          703

 印紙収入納付額                                      11,216

 借入金償還                                            -

 次期繰越金                                        10,282



             合 計                              52,324
(注1) 計数は四捨五入しているため合計は一致しない。
(注2) 「−」は計数が存在しないことを意味する。


                     13/14
               令和 3 事業年度      収支予算書
                                        単位:億円
           科   目                      金  額
 営業収益                                    29,165
    郵便業務収益                               12,561
    印紙受託業務収益                                  344
    銀行及び保険受託手数料                              5,687
    交付金                                      2,910
    その他営業収益                                  7,663
 営業原価                                    26,418
    人件費                                  19,473
    経費                                       6,944
         物件費                                 5,797
         減価償却費                                903
         その他の経費                               244
 販売費及び一般管理費                                  1,930
    人件費                                       843
    物件費                                       711
    その他の経費                                    376
         営業利益                                 818
 営業外収益                                         45
 営業外費用                                         18
         経常利益                                 845
 特別利益                                          65
 特別損失                                          94
         税引前当期利益                              817
         法人税、住民税及び事業税                         375
         当期純利益                                443
(注) 計数は四捨五入しているため合計は一致しない。


                      14/14
                               (別紙2)



1    グループ各社と連携し、かんぽ生命保険の不適正募集に関する
    業務改善計画の着実な実施等により、国民・利用者の信頼の着実
    な回復に努めること。


2    日本郵便が取得・保有するデータ及び郵便局ネットワークの活
    用等によるDXの推進や、地方創生、SDGs・ESGへの取組
    等の積極的な実施並びに国際物流業務の収益力向上等により、社
    会環境の変化に対応した多様かつ柔軟なサービス展開を行うこと。


3    郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を
    改正する法律(令和2年法律第 70 号)の施行に伴う郵便サービ
    スの見直しにあたっては、利用者への十分な周知を実施するとと
    もに、サービス提供に混乱が生じることがないようにすること。
    また、法改正の趣旨を踏まえ、深夜・週末労働の縮減等働き方改
    革の推進に努めること。


4    地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法
    律の改正により郵便局で取扱可能な事務が追加された場合に向け
    た準備を確実に実施するとともに、グループ各社と連携し、マイ
    ナンバーカードの普及促進に積極的に取り組むこと。


5    ユニバーサルサービスを確実に提供するとともに、新型コロナ
    ウイルス感染症対策や災害時の対応、サイバーセキュリティ対策
    等を適切に行い、業務継続の確保に努めること。