6166 M-中村超硬 2020-05-15 15:30:00
2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

                           2020年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
                                                              2020年5月15日
上 場 会 社 名    株式会社中村超硬                       上場取引所                         東
コ ー ド 番 号    6166                 URL http://www.nakamura-gp.co.jp/
代   表   者 (役職名) 代表取締役社長          (氏名)    井上 誠
問合せ先責任者 (役職名) 取締役社長室長            (氏名)    藤井 秀亮             (TEL) 072-274-1072
定時株主総会開催予定日       2020年6月19日    配当支払開始予定日              -
有価証券報告書提出予定日 2020年6月22日
決算補足説明資料作成の有無        : 有
決算説明会開催の有無           : 無 (当社WEBサイト上に決算補足説明動画を公開                      )
 
                                                                                            (百万円未満切捨て)
1.2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)連結経営成績                                                                              (%表示は対前期増減率)
                                                                                        親会社株主に帰属する
                     売上高                       営業利益                    経常利益
                                                                                           当期純利益
                     百万円           %           百万円           %         百万円         %          百万円          %
  2020年3月期          2,797 △41.8      △578                 -           △716  -      △600                 -
  2019年3月期          4,809 △60.4     △4,193                -         △4,263  -     △9,721                -
(注) 包括利益          2020年3月期      △585百万円(                 -%)       2019年3月期 △9,735百万円(                 -%)
 
                             潜在株式調整後
                 1株当たり                                   自己資本              総資産                 売上高
                               1株当たり
                 当期純利益                                  当期純利益率            経常利益率               営業利益率
                               当期純利益
                         円 銭                   円 銭                  %                   %                  %
  2020年3月期             △73.16                    -                  -           △10.0                △20.7
  2019年3月期          △1,911.28                    -              △298.4          △33.6                △87.2
(参考) 持分法投資損益       2020年3月期                   -百万円          2019年3月期          -百万円
 

 
(2)連結財政状態
                     総資産                       純資産                 自己資本比率               1株当たり純資産
                              百万円                       百万円                        %                   円 銭
  2020年3月期                6,478                     523                         7.8                   50.63
  2019年3月期                7,910                  △1,329                      △17.2                  △238.17
(参考) 自己資本          2020年3月期               507百万円    2019年3月期              △1,357百万円
 

 
(3)連結キャッシュ・フローの状況
                営業活動による                  投資活動による                   財務活動による             現金及び現金同等物
               キャッシュ・フロー                キャッシュ・フロー                 キャッシュ・フロー               期末残高
                              百万円                       百万円                   百万円                     百万円
    2020年3月期                   228                      1,994                  △699                   3,795
 
    2019年3月期                △2,206                      △692                   1,270                  2,277

 
2.配当の状況
                                        年間配当金                                                       純資産
                                                                          配当金総額        配当性向
                                                                                                    配当率
               第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                    期末         合計       (合計)         (連結)
                                                                                                    (連結)
                  円 銭    円 銭    円 銭                     円 銭        円 銭        百万円             %            %
    2019年3月期         -           0.00          -        0.00       0.00            -          -            -
    2020年3月期         -           0.00          -        0.00       0.00            -          -            -
    2021年3月期
                     -           0.00          -        0.00       0.00                       -
 
       (予想)
 
3.2021年3月期の連結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)

                                                                               (%表示は、対前期増減率)
                                                                         親会社株主に帰属 1株当たり当期純
                   売上高                  営業利益             経常利益
                                                                          する当期純利益     利益
                 百万円         %      百万円            %    百万円         %     百万円           %              円 銭
      通期         3,350     19.8         300        -        200     -        700        -             69.85
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                                           : 無
         新規    -社 (社名)-                        、 除外     -社 (社名)-
 

 
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
  ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                                : 無
     ②   ①以外の会計方針の変更                                  : 無
     ③   会計上の見積りの変更                                   : 有
     ④   修正再表示                                        : 無
 

 
(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)                     2020年3月期    10,020,900株   2019年3月期        5,700,900株

     ②   期末自己株式数                          2020年3月期           -株     2019年3月期               -株

     ③   期中平均株式数                          2020年3月期    8,201,572株    2019年3月期        5,086,349株
 

 
(参考) 個別業績の概要
1.2020年3月期の個別業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)個別経営成績                                                                 (%表示は対前期増減率)
                    売上高               営業利益              経常利益                   当期純利益
                    百万円        %       百万円       %       百万円          %         百万円          %
    2020年3月期        1,510   △52.8      △854     -       △835         -          △545         -
    2019年3月期        3,202   △66.7     △4,537    -      △4,532        -         △9,851        -
 

                  1株当たり               潜在株式調整後
                  当期純利益             1株当たり当期純利益
                             円 銭               円 銭
    2020年3月期             △66.48                 -
 
    2019年3月期           △1,936.91                -
 
(2)個別財政状態
                    総資産                純資産            自己資本比率               1株当たり純資産
                            百万円                百万円                    %                    円 銭
  2020年3月期                4,662          △147                    △3.5                    △16.27
  2019年3月期                6,030         △2,040                  △34.3                   △362.84
(参考) 自己資本
 
                   2020年3月期     △163百万円    2019年3月期          △2,068百万円
 
 


 
    ※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
     (将来に関する記述についてのご注意)
      本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると
     判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業
     績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあた
     っての注意事項等については、添付資料3ページ「1.経営成績等の概況(4)今後の見通し」をご覧ください。
    (決算補足説明資料の入手方法について)
     ・当社は、本資料の開示と合わせ、補足資料として社長による動画メッセージを当社ホームページに掲載しており
      ます。また、動画内で使用した資料につきましても、当社ホームページのほか、TD-netにて開示予定であ
      ります。
                              株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


○添付資料の目次

  1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
   (1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
   (2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………2
   (3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………3
   (4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………3
   (5)継続企業の前提に関する重要事象等 …………………………………………………………4
  2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………4
  3.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………5
   (1)連結貸借対照表 …………………………………………………………………………………5
   (2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………7
   (3)連結株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………9
   (4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………11
   (5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………13
    (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………13
    (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………14
    (表示方法の変更) …………………………………………………………………………………14
    (会計上の見積りの変更) …………………………………………………………………………14
    (追加情報) …………………………………………………………………………………………14
    (セグメント情報等) ………………………………………………………………………………15
    (1株当たり情報) …………………………………………………………………………………19
    (重要な後発事象) …………………………………………………………………………………19
  4.その他 …………………………………………………………………………………………………21
    役員の異動 ……………………………………………………………………………………………21




                          1
                                      株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
     当連結会計年度におけるわが国経済は、人手不足を背景とした雇用情勢の改善や生産性向上に向けた設備投資ニ
    ーズの継続等により、内需は底堅く推移していたものの、米中間の貿易問題や英国のEU離脱問題等により、外需
    環境は厳しい状況が継続しました。さらに、2020年に入り、新型コロナウイルス感染拡大の影響が全世界に急速な
    広がりを見せており、今後の経済に対する不透明感が一層深まっております。
     このような状況下、当社グループは、電子材料スライス周辺事業において、大幅に販売単価が下落した太陽光発
    電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退を2019年9月に決議し、同事業における希望退職を募るとともに、
    合わせて同事業の主力工場であった和泉工場を2020年3月に売却いたしました。これら事業構造改革実施の影響等
    により、売上高は前期を大きく下回る結果となりました。また、損益面については、ダイヤモンドワイヤ生産事業
    からの撤退に伴う減収による影響に加え、中国の江蘇三超社に対する設備売却に係る費用や事業撤退、工場閉鎖・
    移転等に伴う構造改革費用の計上、また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う検収手続き遅延による影響で、同設
    備売却等に係る対価の計上額が当初想定を下回ったこと等により、固定資産の減損処理等を行った2019年3月期か
    ら損失額は減少しているものの、引き続き損失を計上する結果となりました。
     これらの結果、当連結会計年度における売上高は2,797百万円(前年同期比41.8%減)、営業損失は578百万円
    (前年同期は4,193百万円の営業損失)、経常損失は716百万円(前年同期は4,263百万円の経常損失)、親会社株主
    に帰属する当期純損失は600百万円(前年同期は9,721百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。


    セグメントの業績は次のとおりであります。


    ①   電子材料スライス周辺事業
        前述のとおり電子材料スライス周辺事業においては、太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退、
     人員縮小ならびに主力工場売却等により、事業規模を大幅に縮小いたしました。
        これらの結果、売上高は697百万円(前年同期比68.2%減)、セグメント損失は624百万円(前年同期は4,327百
     万円のセグメント損失)となりました。


    ②   特殊精密機器事業
        特殊精密機器事業においては、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響を受け市場環境は厳しくなっており、
     特に年度後半にかけて工作機械向け耐摩工具の売上に落ち込みが見られましたが、産業機械向け実装機用ノズル
     については「5G」関連分野における需要の盛り上がりもあり、前期から売上を伸ばしております。
        これらの結果、売上高は845百万円(前年同期比5.8%減)となり、ダイヤモンドワイヤ事業縮小に伴う本社経
     費負担増により、セグメント利益は31百万円(前年同期比73.9%減)となりました。


    ③   化学繊維用紡糸ノズル事業
        化学繊維用紡糸ノズル事業においては、前期における大型装置の販売の影響に加え、米中貿易摩擦や新型コロ
     ナウイルスの影響による案件中断や出荷遅延等が生じたことから、売上高、利益ともに前期を下回りました。
        これらの結果、売上高は1,242百万円(前年同期比27.4%減)、セグメント利益は149百万円(前年同期比61.9
     %減)となりました。


(2)当期の財政状態の概況
    ①   資産
        現金及び預金が1,418百万円増加したものの、受取手形及び売掛金の減少677百万円、原材料及び貯蔵品の減少
     140百万円、有形固定資産の減少1,367百万円、投資有価証券の減少199百万円等により、総資産は前連結会計年度
     末に比べ1,431百万円減少し6,478百万円となりました。
    ②   負債
        前受金が308百万円増加したものの、支払手形及び買掛金の減少68百万円、短期借入金の減少1,837百万円、リ
     ース債務の減少1,237百万円、資産除去債務の減少45百万円、退職給付に係る負債の減少86百万円等により、負債
     は前連結会計年度末に比べ3,284百万円減少し5,955百万円となりました。



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                                       株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


 ③   純資産
     資本金の増加1,225百万円、資本剰余金の増加1,225百万円、利益剰余金の減少600百万円等により、純資産は前
  連結会計年度末に比べ1,852百万円増加し523百万円となりました。
   この結果、自己資本比率は7.8%(前連結会計年度末は△17.2%)となり、債務超過は解消いたしました。




(3)当期のキャッシュ・フローの概況
  当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ1,518百万円増
 加し、3,795百万円となりました。
  当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。


 (営業活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度における営業活動によって得られた資金は、228百万円(前年同期は2,206百万円の減少)となり
 ました。
  これは、売上債権の減少673百万円及びたな卸資産の減少368百万円、未収消費税等の減少270百万円等の増加要因
 が、税金等調整前当期純損失571百万円、固定資産売却益388百万円、長期預り金の減少162百万円等の減少要因を上
 回ったことによるものであります。
 (投資活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度における投資活動によって得られた資金は、1,994百万円(前年同期は692百万円の減少)となり
 ました。
  これは、有形固定資産の売却による収入1,878百万円、投資有価証券の売却による収入200百万円等によるもので
 あります。
 (財務活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度における財務活動によって支出された資金は、699百万円(前年同期は1,270百万円の増加)となり
 ました。
  これは、リース債務の返済による支出1,253百万円及び短期借入金の純減額1,837百万円等による支出が、株式の
 発行による収入2,433百万円及び長期借入れによる収入160百万円等の収入を上回ったことによるものであります。


(4)今後の見通し
  国内外の経済状況については、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、先行きが極めて不透明な状況にあり
 ますが、後述する策定前提により、2021年3月期の連結業績予想を以下の通りといたします。
  なお、次期の業績を大きく左右する江蘇三超社に対する設備、技術対価の計上時期を見積もることが困難なこと
 から、通期予想のみの公表といたします。
                                                          (金額単位:百万円)
                                                          親会社株主に帰属
                  売上高           営業利益         経常利益
                                                           する当期純利益
  2021年3月期予想            3,350          300          200           700
  2020年3月期実績            2,797        △578         △716          △600
  増減額                     552          878          916         1,300
  増減率(%)                 19.8           -            -             -

 「上記予想数値策定における前提」
 ①   電子材料スライス周辺事業
      電子材料スライス周辺事業においては、次期半ばには中国への渡航制限が解除され、江蘇三超社の現地工場
     での作業実施後、2021年3月までに残契約を完了することを前提に、江蘇三超社に対する契約対価未計上額650
     百万円(技術対価150百万円、一定の生産条件達成時の対価500百万円)を売上高として織込んでおります。な
     お、設備対価未計上額約750百万円については、特別利益として織込んでおります。




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                                   株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


 ②   特殊精密機器事業
      特殊精密機器事業については、当期に引き続き米中貿易摩擦及び新型コロナウイルスの影響により、工作機
     械向け耐摩工具の販売は厳しい状況が継続するものと見込んでおりますが、次世代通信規格「5G」関連分野
     における電子部品が好調に推移するものと想定し、また、中国を始めとする海外の電子部品産業への販売強化
     にも取り組むことで、次期売上高は当期売上高(845百万円)から約6.5%増の約900百万円を見込んでおりま
     す。

 ③   化学繊維用紡糸ノズル事業
      子会社の日本ノズル株式会社が行う化学繊維用紡糸ノズル事業については、新型コロナウイルス感染拡大に
     よる世界的なマスク需要の高まりから、同社が扱う不織布製造装置、関連ノズル等に対する注目が高まってお
     り、現在、国内外から多くの引き合いを頂いております。既に、次期売上予定の不織布製造装置の受注が決ま
     るなど、2020年4月末時点で1,500百万円を超える次期売上分の受注を確保しており、次期売上高は当期売上高
     (1,242百万円)から大幅増(約45%増)の約1,800百万円を見込んでおります。

 ④   新規事業への取り組み
      従来より取り組んでいるナノゼオライト事業については、高機能フィルム分野やリチウムイオン電池分野を
     中心に多くの企業からサンプル提供要請を頂くとともに、当社においても製品の改良、高度化に取り組んでお
     ります。現時点ではユーザー側においても開発途上にあり、次期における確実な売上を見込める状況には無い
     ため、今回予想においてナノゼオライト関連の売上数値は織込んでおりません。引き続き開発作業に注力する
     ことと合わせ、2022年3月期中の事業化実現に向けた企画構想に取り組んでまいります。
      また、電子材料スライス周辺事業においては、太陽光発電向けのダイヤモンドワイヤ生産からは撤退いたし
     ましたが、残存するダイヤモンドワイヤ生産設備を利用し半導体向けダイヤモンドワイヤの開発に取り組むと
     ともに、当社が有する極細線ダイヤモンドワイヤ生産技術を活かした新型のダイヤモンドワイヤ製造装置の開
     発にも取り組んでまいります。

  上記における業績見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが現時点において入手可能な情報による判断
 及び仮定を前提にしており、実際の業績は様々な要因により異なる場合があります。


(5)継続企業の前提に関する重要事象等
  当社グループは、太陽光向けシリコンウエハ製造に使用されるダイヤモンドワイヤを販売する電子材料スライス
 周辺事業において、ダイヤモンドワイヤの市場価格が1年で約7割下落するなど、太陽光関連の市場環境が大きく
 変化した影響を受け、2019年3月期において債務超過となりました。これに対し、当社グループは、ダイヤモンド
 ワイヤ生産事業から撤退するとともに主力工場であった和泉工場を売却する等の構造改革ならびに新株予約権の発
 行による資金調達及び資本増強に取り組んでまいりました。これらの結果、当連結会計年度末において、債務超過
 については解消いたしております。


  しかしながら、当社グループの有利子負債は4,590百万円と手元流動性に比し高水準にあることに加え、構造改革
 の一環として取り組んだ江蘇三超社へのダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡については、新型コロナウイルスの
 影響により当連結会計年度末時点で未完了の状態にあり、今後の見通しについても、中国への渡航が制限されてい
 る現時点においては不確定であります。これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるよ
 うな事象または状況が存在しております。


  当社グループは、このような状況を解消するため、「3.連結財務諸表及び主な注記(5)連結財務諸表に関す
 る注記事項(継続企業の前提に関する注記)」に記載の施策を実行してまいりますが、これらの対応策については
 進捗途上のものもあり、今後の事業の進捗状況などによっては、今後の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があ
 ることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。


2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
 現在、当社グループの会計基準は日本基準を適用しております。今後、IFRS(国際財務報告基準)の適用につ
いては、事業環境ならびに国内他社動向も踏まえ検討してまいります。



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                             株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
                                                    (単位:千円)
                           前連結会計年度             当連結会計年度
                          (2019年3月31日)        (2020年3月31日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                         2,821,167           4,239,180
   受取手形及び売掛金                      1,058,577             380,907
   商品及び製品                           196,236              82,338
   仕掛品                              306,524             188,750
   原材料及び貯蔵品                         294,745             154,155
   その他                              424,844             191,328
   流動資産合計                         5,102,096           5,236,661
 固定資産
   有形固定資産
     建物及び構築物                      3,628,774           1,636,771
      減価償却累計額                    △1,679,872           △993,020
      減損損失累計額                     △850,235            △343,395
      建物及び構築物(純額)                 1,098,666             300,355
     機械装置及び運搬具                    7,653,809           4,302,492
      減価償却累計額                    △4,774,990          △2,920,179
      減損損失累計額                    △2,654,372          △1,163,240
      機械装置及び運搬具(純額)                 224,446             219,072
     土地                           1,176,879             619,732
     リース資産                        1,070,283             176,330
      減価償却累計額                     △452,974             △53,849
      減損損失累計額                     △582,504             △95,206
      リース資産(純額)                      34,804              27,273
     建設仮勘定                            5,227                   0
     その他                            589,957             542,371
      減価償却累計額                     △462,004            △432,012
      減損損失累計額                     △103,195             △79,532
      その他(純額)                        24,757              30,826
     有形固定資産合計                     2,564,782           1,197,260
   無形固定資産
     その他                              6,483               2,182
     無形固定資産合計                         6,483               2,182
   投資その他の資産
     投資有価証券                         202,458               2,463
     その他                             85,345              73,882
     貸倒引当金                         △50,779             △33,923
     投資その他の資産合計                     237,024              42,421
   固定資産合計                         2,808,290           1,241,865
 資産合計                             7,910,386           6,478,526




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                          株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


                                                 (単位:千円)
                        前連結会計年度             当連結会計年度
                       (2019年3月31日)        (2020年3月31日)
負債の部
 流動負債
   支払手形及び買掛金                     204,119             135,365
   短期借入金                       2,499,795             662,271
   1年内返済予定の長期借入金               1,344,737           1,530,242
   リース債務                         460,823              32,640
   未払法人税等                         51,819              38,174
   前受金                            83,754             392,401
   賞与引当金                          76,194              52,264
   受注損失引当金                         3,007               1,140
   資産除去債務                         52,270                  -
   その他                           253,909             206,372
   流動負債合計                      5,030,430           3,050,874
 固定負債
   長期借入金                       2,527,506           2,299,355
   リース債務                         874,904              65,826
   繰延税金負債                        162,371             150,562
   退職給付に係る負債                     283,810             197,140
   資産除去債務                         42,190              48,924
   その他                           318,872             142,668
   固定負債合計                      4,209,656           2,904,478
 負債合計                          9,240,086           5,955,353
純資産の部
 株主資本
   資本金                         4,028,158           5,253,500
   資本剰余金                       2,726,283           3,951,625
   利益剰余金                      △8,109,829          △8,709,861
   株主資本合計                     △1,355,386             495,264
 その他の包括利益累計額
   その他有価証券評価差額金                    △264                △261
   繰延ヘッジ損益                          △89                △161
   為替換算調整勘定                      △1,248               12,472
   退職給付に係る調整累計額                    △818                   -
   その他の包括利益累計額合計                 △2,420               12,050
 新株予約権                            28,106              15,857
 非支配株主持分                              -                   -
 純資産合計                        △1,329,699             523,173
負債純資産合計                        7,910,386           6,478,526




                   6
                             株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
                                                        (単位:千円)
                           前連結会計年度                当連結会計年度
                         (自 2018年4月1日           (自 2019年4月1日
                         至 2019年3月31日)          至 2020年3月31日)
売上高                               4,809,425               2,797,313
売上原価                              7,025,025               2,213,685
売上総利益又は売上総損失(△)                  △2,215,599                 583,627
販売費及び一般管理費                        1,978,058               1,161,970
営業損失(△)                          △4,193,657               △578,343
営業外収益
 受取利息                                  2,227                   1,000
 受取配当金                                    92                      99
 助成金収入                                18,436                  25,178
 スクラップ売却益                             12,145                  19,492
 受取保険金                                19,235                      -
 為替差益                                  2,932                      -
 その他                                  11,340                   2,066
 営業外収益合計                              66,410                  47,836
営業外費用
 支払利息                                90,006                  55,775
 為替差損                                    -                   42,052
 休止固定資産費用                                -                   56,706
 その他                                 46,436                  31,391
 営業外費用合計                            136,443                 185,924
経常損失(△)                          △4,263,691                △716,431
特別利益
 固定資産売却益                                 849                 400,790
 投資有価証券売却益                             4,658                      -
 新株予約権戻入益                                 -                    5,257
 リース解約益                                   -                    4,462
 退職給付に係る負債戻入額                             -                   32,158
 特別利益合計                                5,508                 442,668
特別損失
 固定資産売却損                                 -                    12,766
 固定資産除却損                              2,504                   25,779
 減損損失                             5,176,438                   74,957
 たな卸資産評価損                                -                   117,528
 事業構造改革費用                                -                    66,996
 特別損失合計                           5,178,943                  298,029
税金等調整前当期純損失(△)                   △9,437,125                △571,791
法人税、住民税及び事業税                         68,176                   40,013
法人税等調整額                             216,134                 △11,771
法人税等合計                              284,310                   28,241
当期純損失(△)                         △9,721,436                △600,032
非支配株主に帰属する当期純利益                          -                        -
親会社株主に帰属する当期純損失(△)               △9,721,436                △600,032




                        7
                     株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


連結包括利益計算書
                                               (単位:千円)
                   前連結会計年度               当連結会計年度
                 (自 2018年4月1日          (自 2019年4月1日
                 至 2019年3月31日)         至 2020年3月31日)
当期純損失(△)                 △9,721,436              △600,032
その他の包括利益
 その他有価証券評価差額金               △3,267                      3
 繰延ヘッジ損益                      △355                   △72
 為替換算調整勘定                   △9,923                 13,721
 退職給付に係る調整額                   △818                    818
 その他の包括利益合計                △14,365                 14,470
包括利益                     △9,735,801              △585,561
(内訳)
 親会社株主に係る包括利益            △9,735,801              △585,561
 非支配株主に係る包括利益                    -                     -




                8
                                                            株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


(3)連結株主資本等変動計算書
    前連結会計年度(自       2018年4月1日          至 2019年3月31日)
                                              (単位:千円)
                                株主資本

              資本金         資本剰余金       利益剰余金 株主資本合計

当期首残高         3,775,908   2,474,033    1,611,607   7,861,548

当期変動額
 新株の発行(新株予
                252,250     252,250                    504,501
 約権の行使)
 親会社株主に帰属す
                                      △9,721,436 △9,721,436
 る当期純損失(△)
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純
 額)
当期変動額合計         252,250     252,250 △9,721,436 △9,216,935

当期末残高         4,028,158   2,726,283 △8,109,829 △1,355,386



                               その他の包括利益累計額
                                         その他の包括 新株予約権 非支配株主持 純資産合計
             その他有価証 繰延ヘッジ損 為替換算調整 退職給付に係                 分
                                         利益累計額合
             券評価差額金    益     勘定   る調整累計額
                                            計
当期首残高             3,003         266        8,675            -     11,945    9,353   -    7,882,847

当期変動額
 新株の発行(新株予
                                                                                           504,501
 約権の行使)
 親会社株主に帰属す
                                                                                        △9,721,436
 る当期純損失(△)
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純       △3,267        △355       △9,923          △818    △14,365   18,753   -        4,387
 額)
当期変動額合計         △3,267        △355       △9,923          △818    △14,365   18,753   - △9,212,547

当期末残高             △264        △89        △1,248          △818    △2,420    28,106   - △1,329,699




                                                   9
                                                           株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


    当連結会計年度(自       2019年4月1日         至 2020年3月31日)
                                            (単位:千円)
                                株主資本

              資本金         資本剰余金       利益剰余金 株主資本合計

当期首残高         4,028,158   2,726,283 △8,109,829 △1,355,386

当期変動額
 新株の発行(新株予
              1,225,342   1,225,342              2,450,684
 約権の行使)
 親会社株主に帰属す
                                      △600,032   △600,032
 る当期純損失(△)
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純
 額)
当期変動額合計       1,225,342   1,225,342   △600,032   1,850,651

当期末残高         5,253,500   3,951,625 △8,709,861        495,264



                               その他の包括利益累計額
                                         その他の包括 新株予約権 非支配株主持 純資産合計
             その他有価証 繰延ヘッジ損 為替換算調整 退職給付に係                 分
                                         利益累計額合
             券評価差額金    益     勘定   る調整累計額
                                            計
当期首残高             △264        △89      △1,248           △818    △2,420    28,106   - △1,329,699

当期変動額
 新株の発行(新株予
                                                                         △9,064        2,441,620
 約権の行使)
 親会社株主に帰属す
                                                                                       △600,032
 る当期純損失(△)
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純             3       △72       13,721            818   14,470   △3,185    -      11,285
 額)
当期変動額合計               3       △72       13,721            818   14,470   △12,249   -   1,852,873

当期末残高             △261        △161      12,472             -    12,050    15,857   -     523,173




                                                 10
                            株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


(4)連結キャッシュ・フロー計算書
                                                     (単位:千円)
                          前連結会計年度              当連結会計年度
                        (自 2018年4月1日         (自 2019年4月1日
                        至 2019年3月31日)        至 2020年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税金等調整前当期純損失(△)                △9,437,125            △571,791
 減価償却費                            748,171              128,681
 事業構造改革費用                              -                66,996
 賞与引当金の増減額(△は減少)                 △71,686              △23,929
 受注損失引当金の増減額(△は減少)               △39,740               △1,866
 退職給付に係る負債の増減額(△は減少)                4,444             △85,851
 貸倒引当金の増減額(△は減少)                   33,923             △15,669
 受取利息及び受取配当金                      △2,319               △1,099
 助成金収入                           △18,436              △25,178
 受取保険金                           △19,235                    -
 支払利息                              90,006               55,775
 固定資産売却損益(△は益)                      △849             △388,023
 固定資産除却損                            2,504               25,779
 減損損失                           5,176,438               74,957
 投資有価証券売却損益(△は益)                  △4,658                    -
 未収消費税等の増減額(△は増加)                 318,227              270,486
 売上債権の増減額(△は増加)                   634,612              673,511
 たな卸資産の増減額(△は増加)                1,528,137              368,981
 仕入債務の増減額(△は減少)                 △550,630              △27,794
 前受金の増減額(△は減少)                  △316,736               121,980
 長期預り金の増減額(△は減少)                 △86,270             △162,680
 その他                             △23,907              △80,990
 小計                            △2,035,129              402,277
 利息及び配当金の受取額                        2,081                  770
 利息の支払額                          △89,870              △57,094
 助成金の受取額                           30,896               29,718
 保険金の受取額                              265               22,608
 事業構造改革費用の支払額                          -              △61,593
 保険解約返戻金の受取額                       11,088                   -
 法人税等の支払額又は還付額(△は支払)            △126,185             △108,359
 営業活動によるキャッシュ・フロー              △2,206,855              228,328




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                           株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


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                         前連結会計年度              当連結会計年度
                       (自 2018年4月1日         (自 2019年4月1日
                       至 2019年3月31日)        至 2020年3月31日)
投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得による支出                △781,043              △91,526
 有形固定資産の売却による収入                     849             1,878,229
 有形固定資産の除却による支出                 △1,283               △23,994
 無形固定資産の取得による支出                 △4,758                △4,717
 投資有価証券の取得による支出                △200,000                    -
 投資有価証券の売却による収入                 304,658               200,000
 資産除去債務の履行による支出                      -               △63,346
 定期預金の預入による支出                  △101,000                    -
 定期預金の払戻による収入                    90,000               100,000
 その他                               △10                     -
 投資活動によるキャッシュ・フロー              △692,586             1,994,644
財務活動によるキャッシュ・フロー
 短期借入金の純増減額(△は減少)              1,299,795           △1,837,523
 長期借入れによる収入                    1,000,000              160,752
 長期借入金の返済による支出                △1,021,453            △203,397
 リース債務の返済による支出                 △506,378            △1,253,176
 株式の発行による収入                      503,005            2,433,493
 配当金の支払額                             △0                    -
 その他                             △4,931                    -
 財務活動によるキャッシュ・フロー              1,270,036            △699,851
現金及び現金同等物に係る換算差額                △20,881               △4,477
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)           △1,650,286            1,518,643
現金及び現金同等物の期首残高                 3,927,471            2,277,185
現金及び現金同等物の期末残高                 2,277,185            3,795,828




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(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
 当社グループは、太陽光向けシリコンウエハ製造に使用されるダイヤモンドワイヤを販売する電子材料スライス周
辺事業において、ダイヤモンドワイヤの市場価格が1年で約7割下落するなど、太陽光関連の市場環境が大きく変化
した影響を受け、2019年3月期において債務超過となりました。これに対し、当社グループは、ダイヤモンドワイヤ
生産事業から撤退するとともに主力工場であった和泉工場を売却する等の構造改革ならびに新株予約権の発行による
資金調達及び資本増強に取り組んでまいりました。これらの結果、当連結会計年度末において、債務超過については
解消いたしております。


 しかしながら、当社グループの有利子負債は4,590百万円と手元流動性に比し高水準にあることに加え、構造改革の
一環として取り組んだ江蘇三超社へのダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡については、新型コロナウイルスの影響
により当連結会計年度末時点で未完了の状態にあり、今後の見通しについても、中国への渡航が制限されている現時
点においては不確定であります。これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象
または状況が存在しております。


 当社グループでは、以下の施策を遂行することで、将来の成長に向けて当該状況を早期に解消し、業績及び財務状
況の改善に努めてまいります。


1.電子材料スライス周辺事業について
  中国メーカーに対し生産技術の優位性が認められるダイヤモンドワイヤ生産設備について、2019年8月30日付で
 中国の江蘇三超社との間で同生産設備の譲渡等に関する正式契約を締結し、同生産設備の移設を進めておりました
 が、新型コロナウイルスの影響により、2020年2月以降、中国への渡航が制限されたことから現地作業が中断状態
 となったため、ダイヤモンドワイヤ生産設備等の検収スケジュールが遅延しております。そのため、2020年3月期
 の収益計上額として当初見込んでいた設備対価14億円、技術対価3億円に対し、江蘇三超社の検収完了に伴う実際
 の収益計上額は、設備対価6.5億円、技術対価1.5億円に留まりましたが、今後中国への渡航制限が解除され、現地
 作業が再開された後に、残設備に対する検収は速やかに完了できるものと考えております。
  また、残存設備を利用した半導体向けダイヤモンドワイヤの開発ならびに当社の極細線ダイヤモンドワイヤの生
 産技術を活かした新型ダイヤモンドワイヤ製造装置の開発を行い、今後の安定収益の確保にも取り組んでまいりま
 す。


2.財務基盤の安定化
  債務超過の解消ならびに継続的な事業運営と安定した収益基盤の整備に必要な資金を調達するため、当社は2018
 年12月27日付の取締役会決議により、2019年1月15日を割当日とする第三者割当による行使価額修正条項付新株予
 約権(総発行株式数500万株)を発行し、当連結会計年度末までに全ての行使が完了いたしました。これにより、総
 額2,911百万円を調達いたしました。
  また、当社は、取引金融機関に対し、借入金の元本返済の猶予に関する申し入れを行い、各金融機関の同意を取
 り付けておりましたが、2020年3月の和泉工場売却に伴い約1,620百万円を返済し、2020年4月より新たな返済計画
 に基づき毎月の約定返済を開始しております。さらに、2020年4月30日に取引金融機関に対し、江蘇三超社に対す
 るダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡対価ならびに新株予約権の行使による入金などを原資として、約1,300百万
 円の内入れ返済を行い、今後も江蘇三超社からの入金に伴い一定額の内入れ返済を予定しております。
  当社としては、メインバンクを中心に各金融機関と緊密な関係を維持できていることから、継続的な支援が得ら
 れるものと考えております。
  当社は引き続き、財務基盤の強化・安定を図るための諸施策を検討してまいります。


 しかしながら、これらの対応策については進捗の途上のものもあり、今後の事業の進捗状況などによっては、今後
の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認め
られます。


 なお、当社の財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財
務諸表に反映しておりません。


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(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
 当連結会計年度において、第6回乃至第8回新株予約権(行使価額修正条項付)の権利行使による新株発行により
発行済株式数が4,320,000株増加し、資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,225,342千円増加しております。この結果、
当連結会計年度末において資本金が5,253,500千円、資本剰余金が3,951,625千円となっております。


(表示方法の変更)
  (連結貸借対照表関係)
  前連結会計年度において、「流動負債」の「その他」に含めていた「前受金」は、金額的重要性が増したため、
 当連結会計年度より独立掲記することとしております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の
 連結財務諸表の組替を行っております。
  この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動負債」の「その他」に表示していた337,664千円
 は、「前受金」83,754千円、「その他」253,909千円として組み替えております。


(会計上の見積りの変更)
 (資産除去債務の見積りの変更)
  第2四半期連結会計期間において、沖縄工場の不動産賃貸借契約に基づく原状回復費用を合理的に見積ることが
 できるようになったため、資産除去債務の見積りの変更を行い、新たに資産除去債務として32,906千円追加計上し
 ております。
  なお、この変更に伴って計上した有形固定資産については、全額減損損失として処理をしており、当該見積りの
 変更の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は32,906千円増加しております。


(追加情報)
 (退職給付債務の計算方法)
 当社グループは、従業員数が大幅に減少し、合理的な数理計算上の見積もりを行うことが困難となったため、当連
結会計年度において退職給付債務の計算方法を原則法から簡便法に変更しております。この計算方法変更に伴い、退
職給付に係る負債戻入額32,158千円を特別利益として計上しております。




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(セグメント情報等)
 【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
  当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締
 役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものでありま
 す。
  当社グループは、当社及び子会社に製品・サービス別の事業部門を置き、各事業部門は取り扱う製品・サービス
 について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
  したがって、当社グループは事業本部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、電子材
 料スライス周辺事業、特殊精密機器事業及び化学繊維用紡糸ノズル事業の3つを報告セグメントとしております。
  電子材料スライス周辺事業は、主にソーラーパネル用シリコンウエハ等のスライス加工用のダイヤモンドワイヤ
 を生産しておりましたが、事業環境の悪化に伴い、2019年12月までに当該製品の生産事業から撤退しております。
 特殊精密機器事業は、主に電子部品実装機用のノズル及び装着ヘッド周辺部品、産業工作機械用の基幹部品を生産
 しております。化学繊維用紡糸ノズル事業は、主に化学繊維用の紡糸ノズル等を生産しております。


2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
  報告されている事業セグメントごとの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」
 における記載と概ね同一であります。報告セグメントの利益は営業利益ベースの数値であります。セグメント間の
 内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
  当第4四半期連結会計期間より、従来、株式会社中村超硬の本社経費の配賦基準を主に電子材料スライス周辺事
 業と特殊精密機器事業の売上割合としておりましたが、対象セグメントに所属する従業員数割合に変更し、対象セ
 グメントの利益又は損失を算定しております。当該変更は、ダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退ならびに関連
 部門に所属する従業員の希望退職が2019年12月で完了したことに伴うものであります。
  これにより、従来の方法と比べて、電子材料スライス周辺事業において22,891千円、その他において7,025千円セ
 グメント損失が増加し、特殊精密機器事業において29,916千円セグメント利益が増加しております。




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 3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
     前連結会計年度(自         2018年4月1日 至 2019年3月31日)
                                                                                         (単位:千円)
                   電子材料                                                       調整額
                                          化学繊維用
                   スライス         特殊精密                   その他                   (注)2
                                          紡糸ノズル                    計                       合計
                   周辺事業         機器事業                  (注)1                   (注)3
                                            事業
                   (注)6                                                      (注)5
売上高
    外部顧客への
                    2,193,605   897,538   1,711,096      7,185   4,809,425          -     4,809,425
    売上高
    セグメント間
    の内部売上高                 -      5,379         187         -        5,566     △5,566            -
    又は振替高

          計         2,193,605   902,917   1,711,284      7,185   4,814,992     △5,566     4,809,425
セグメント利益
                  △4,327,383    122,611     393,183   △403,219 △4,214,807       21,150 △4,193,657
又は損失(△)
セグメント資産
                    2,283,615   734,030   2,365,584     20,296   5,403,527   2,506,858    7,910,386
(注)4
その他の項目

減価償却費                 619,629    23,661      75,244     29,636     748,171          -       748,171

減損損失                4,692,453   123,555          -     238,560   5,054,569     121,869    5,176,438

有形固定資産及び無
                      621,324    19,940      66,959     47,016     755,240       4,400      759,640
形固定資産の増加額
 (注) 1    その他のセグメント利益又は損失の主なものは、新規事業開発における研究開発費182,029千円でありま
          す。
      2   セグメント利益の調整額は、セグメント間の取引の消去によるものであり、これはグループ間の売上取引及
          び業務委託取引の消去によるものであります。
      3   調整額の項目に含めた配賦不能営業費用はありません。
      4   資産のうち、調整額の項目に含めた全社資産の主なものは、当社での余資運用資金2,049,826千円及び管理
          部門に係る資産457,032千円であります。
      5   減損損失の調整額は、すべて共用資産に係る金額であります。
      6   「電子材料スライス周辺事業」に含めております中超住江デバイス・テクノロジー株式会社については2019
              年1月25日に清算結了しております。




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      当連結会計年度(自         2019年4月1日 至 2020年3月31日)
                                                                                                     (単位:千円)
                                                                                          調整額
                      電子材料                        化学繊維用
                                     特殊精密                         その他                    (注)2
                      スライス                        紡糸ノズル                        計                       合計
                                     機器事業                        (注)1                    (注)3
                      周辺事業                          事業
                                                                                         (注)5
売上高
    外部顧客への
                       697,615         845,283    1,242,043         12,370   2,797,313          -     2,797,313
    売上高
    セグメント間
    の内部売上高                  1,545        1,878              50          -        3,474     △3,474            -
    又は振替高

           計           699,160         847,162    1,242,094         12,370   2,800,787     △3,474     2,797,313
セグメント利益
                      △624,650          31,990      149,758      △157,762    △600,663       22,320    △578,343
又は損失(△)
セグメント資産
                        92,181         676,091    2,166,376            661   2,935,310   3,543,215    6,478,526
(注)4
その他の項目

減価償却費                   46,965           8,005       71,232          2,478     128,681          -       128,681

減損損失                    48,420          22,240              -        3,651      74,313         644       74,957

有形固定資産及び無
                        15,514          21,900      111,869          3,652     152,936         644      153,580
形固定資産の増加額
 (注) 1     その他のセグメント利益又は損失の主なものは、新規事業開発における研究開発費90,223千円であります。
     2     セグメント利益の調整額は、セグメント間の取引の消去によるものであり、これはグループ間の売上取引及
           び業務委託取引の消去によるものであります。
       3   調整額の項目に含めた配賦不能営業費用はありません。
       4   資産のうち、調整額の項目に含めた全社資産の主なものは、当社での余資運用資金3,533,421千円及び管理
           部門に係る資産9,794千円であります。
       5   減損損失の調整額は、すべて共用資産に係る金額であります。
 
    【関連情報】
    前連結会計年度(自         2018年4月1日 至                2019年3月31日)
 1.製品及びサービスごとの情報
      セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
 
 2.地域ごとの情報
    (1) 売上高
                                                             (単位:千円)
                               アジア
     日本          中国                              その他              合計
                             (中国除く)
    1,635,238   2,427,859           660,791        85,536        4,809,425
 (注)    売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
 
    (2) 有形固定資産
           本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の90%を超えるため記載を省略し
        ております。
 




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 3.主要な顧客ごとの情報
                                                                            (単位:千円)
        顧客の名称又は氏名                          売上高                       関連するセグメント名

GCLグループ                                                 741,956    電子材料スライス周辺事業
 (注)Funing GCL Photovoltaic Technology Co., Ltd. (中国)が主な販売先であります。
 
   当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
 1.製品及びサービスごとの情報
      セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
 
 2.地域ごとの情報
    (1) 売上高
                                                    (単位:千円)
                              アジア
     日本          中国                     その他           合計
                            (中国除く)
    1,320,785   1,033,042     284,548    158,936     2,797,313
 (注)    売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
 
    (2) 有形固定資産
          本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の90%を超えるため記載を省略し
        ております。
 
 3.主要な顧客ごとの情報
                                                                            (単位:千円)
        顧客の名称又は氏名                          売上高                       関連するセグメント名

天津縦偉商貿有限公司                                              332,805    電子材料スライス周辺事業
 
    【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
    前連結会計年度(自         2018年4月1日 至       2019年3月31日)
      報告セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。


    当連結会計年度(自         2019年4月1日 至       2020年3月31日)
      報告セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。


    【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
    前連結会計年度(自         2018年4月1日 至       2019年3月31日)
     該当事項はありません。


    当連結会計年度(自         2019年4月1日 至       2020年3月31日)
     該当事項はありません。


    【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
    前連結会計年度(自         2018年4月1日 至       2019年3月31日)
     該当事項はありません。


    当連結会計年度(自         2019年4月1日 至       2020年3月31日)
     該当事項はありません。




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                                              株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


(1株当たり情報)

                               前連結会計年度                             当連結会計年度
                          (自    2018年4月1日                     (自    2019年4月1日
                          至     2019年3月31日)                   至     2020年3月31日)
1株当たり純資産額                                  △238.17円                           50.63円
1株当たり当期純損失(△)                          △1,911.28円                            △73.16円
(注) 1   潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であ
        るため、記載しておりません。
   2    1株当たり当期純損失の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
                               前連結会計年度        当連結会計年度
             項目              (自 2018年4月1日   (自 2019年4月1日
                             至 2019年3月31日)   至 2020年3月31日)
親会社株主に帰属する当期純損失(△)(千円)                            △9,721,436                       △600,032
普通株主に帰属しない金額(千円)                           -                                              -
普通株式に係る親会社株主に帰属する当期純損失
                                  △9,721,436                                       △600,032
(△)(千円)
普通株式の期中平均株式数(株)                     5,086,349                                      8,201,572
希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1株                                            新株予約権4種類
当たり当期純利益金額の算定に含まれなかった潜                     -                      新株予約権の数 1,600,258個
在株式の概要                                                            普通株式 1,632,100株
   3 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
                           前連結会計年度                                     当連結会計年度
          項目
                          (2019年3月31日)                                (2020年3月31日)
純資産の部の合計額(千円)                                     △1,329,699                         523,173
純資産の部の合計額から控除する金額(千円)                                    28,106                       15,857
  (うち新株予約権(千円))                                        (28,106)                     (15,187)
普通株式に係る期末の純資産額(千円)                                △1,357,806                         507,315
1株当たり純資産額の算定に用いられた普通株式
                                                      5,700,900                   10,020,900
の数(株)


(重要な後発事象)
1.借入金の返済について
 当社は、2020年4月24日開催の取締役会において、当社グループの借入金の一部を返済することを決議しており、
その概要は次のとおりです。


 (1) 借入金の返済理由
    当社は、2019年3月期における急激な業況悪化に伴い、取引金融機関から借入金の元本返済の猶予を取り付け
  ておりましたが、江蘇三超社に対するダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡対価ならびに新株予約権の行使によ
  る入金等で一定の返済原資が確保できたことから、財務体質強化と金利費用削減を目的として、当社グループ借
  入金の一部について内入れ返済することといたしました。


 (2) 借入金返済の概要
    ①   借 入 先     取引金融機関等12社
    ②   返済金額      1,300百万円
    ③   返 済 日     2020年4月30日
    ④   そ の 他     上記返済とは別に、2020年4月より毎月の約定返済を開始いたします。
                    
 (3) 業績に与える影響
    上記借入金返済が、2021年3月期の当社連結業績に与える影響は軽微であります。




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                                            株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


2.資本金及び資本準備金の額の減少ならびに剰余金の処分
 当社は、2020年5月15日開催の取締役会において、資本金及び資本準備金の額の減少ならびにその他資本剰余金の
処分を、2020年6月19日に開催される当社第50回定時株主総会に付議することを決議しており、その概要は次のとお
りです。


 (1) 本件の目的
    当社は、2020年3月31日現在で9,389,225,264円の繰越利益剰余金の欠損を計上しております。今般、この欠損
  金を補填し、財務体質の健全化ならびに早期に復配を実現できる体制にするとともに、今後の資本政策の柔軟性
  及び機動性を確保するため、会社法第447条第1項及び会社法第448条第1項の規定に基づき、資本金及び資本準
  備金の額を減少し、これらをその他資本剰余金に振り替え、また会社法第452条の規定に基づき、増加後のその他
  資本剰余金を繰越利益剰余金に振り替えるものであります。
    なお、本議案は、発行済株式総数を変更することなく資本金及び資本準備金の額のみを減少いたしますので、
  株主の皆様が所有する株式数に影響を与えるものではございません。
    また、資本金及び資本準備金の額の減少は、貸借対照表の純資産の部における勘定科目の振替処理に関するも
  のであり、当社の純資産額及び発行済株式総数にも変更はございませんので、1株当たり純資産額に変更が生じ
  るものでもございません。


 (2) 資本金及び資本準備金の額の減少の内容
    ①   減少する資本金の額
        2020年3月31日現在の資本金の額5,253,500,800円のうち5,203,500,800円を減少して50,000,000円とし、
        減少する資本金の額の全額を、その他資本剰余金に振り替えます。
    ②   減少する資本準備金の額
        当社の資本準備金の額3,951,625,800円の全額を取り崩し、その他資本剰余金に振り替えます。


 (3) 剰余金の処分の内容
    会社法第452条の規定に基づき、資本金及び資本準備金の額の減少の効力発生を条件として、資本金及び資本準
  備金の額の減少により生じるその他資本剰余金9,155,126,600円を繰越利益剰余金に振り替え、欠損填補に充当い
  たします。
    ①   減少する剰余金の項目及びその額
        その他資本剰余金      9,155,126,600円
    ②   増加する剰余金の項目及びその額
        繰越利益剰余金       9,155,126,600円


 (4) 日程
    ①取締役会決議日             2020年5月15日
    ②株主総会決議日             2020年6月19日(予定)
    ③債権者異議申述公告日          2020年6月30日(予定)
    ④債権者異議申述最終期日         2020年7月31日(予定)
    ⑤効力発生日               2020年8月1日(予定)




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                                            株式会社中村超硬(6166) 2020年3月期 決算短信


4.その他
 役員の異動
 本異動は、2020年6月19日開催予定の第50回定時株主総会において、正式に決定する予定です。


 ①    新任取締役候補者

        氏   名              新       職                   現       職

      井上    紘章       取締役   高機能機器事業部長            執行役員   高機能機器事業部長


 ②    新任監査役候補者

        氏   名              新       職                   現       職

      戒能    眞介        社外監査役(独立役員)                          -
(注) 1   戒能眞介氏は、社外監査役候補者であります。
    2   当社は東京証券取引所上場規則に従い、戒能眞介氏を独立役員として、届出を予定しています。


 ③    退任予定取締役及び監査役

        氏   名                  現       職

      小原    康生    取締役      超砥粒応用事業部副事業部長

      中園    和義                 社外監査役
(注)   小原康生氏は、取締役退任後、執行役員 超砥粒応用事業部副事業部長に就任予定です。




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