6141 DMG森精機 2021-08-05 12:00:00
2021年度第2四半期決算リリース [pdf]

                                                 DMG 森精機株式会社
                                                 〒135-0052 東京都江東区潮見 2-3-23
                                                 Tel.: 03-6758-5900




                                                                  2021 年 8 月 5 日

            DMG 森精機株式会社
  上半期受注 61%増・2021 年 12 月期業績予想再度増額修正

決算概要(累計)
                               当上半期(6 カ月)    (前年同期比)        前年同期
連結受注                       :      2,184 億円     (+61.2%)    1,355 億円
機械本体の受注残高                  :      1,420 億円           -       960 億円     (前年度末)
売上収益                       :      1,782 億円     (+15.5%)    1,543 億円
営業利益                       :       102 億円       (4.2 倍)       24 億円
営業利益率                      :          5.7%                       1.6%
親会社の所有者に帰属する四半期利益          :        61 億円                    -22 億円
普通株主に帰属する四半期利益             :        50 億円                    -27 億円


[上半期サマリー]
 当社の工作機械受注は、2021 年第 1 四半期(2021 年 1-3 月)から本格的に回復し始め、第 2 四半期(4-6 月)
はさらに加速しました。受注の回復が遅れていた日本も第 2 四半期からは増勢に転じ、工作機械需要は全世界
で拡大しています。
 2021 年上半期(2021 年 1-6 月期)の連結受注は、当社が強みを有する 5 軸加工機、複合加工機などの工程
集約機に加え、周辺装置、ソフトウェアを組み込んだ自動化、フルターンキー需要の増加により、2,184 億円と前
年同期比 61%増となりました。機械本体の受注残高は、2020 年 12 月末の 960 億円から 2021 年 6 月末には
1,420 億円と 460 億円増加しました。
 昨年度の収益体質強化が、増収による利益率の大幅改善に結びついています。当上半期の売上収益は前
年同期比 16%増の 1,782 億円、営業利益は同 4.2 倍の 102 億円、営業利益率は 5.7%(前年同期:1.6%)と大きく改
善しました。2020 年 4 月に、独 DMG MORI AG(以下、AG)株主からの株式買取請求により AG の株式を追加取
得したことから、AG 非支配株主への継続的保証額の支払いが大きく減少し金融収支は 13 億円改善しました。
また、昨年度、連結実効税率を押し上げたグループ会社の損益も改善したことで、当上半期の実効税率は正常
化し、当期四半期利益は 61 億円(前年同期:22 億円の赤字)となりました。
 フリーキャッシュフロー(営業活動によるキャッシュフロー-設備投資額)は 82 億円の黒字となりました。売上増
に伴い、売上債権、棚卸資産は増加しましたが、受注増により前受金が 138 億円増加し、運転資本は 17 億円の
受取超となりました。直販によりお客様へより付加価値の高い提案をする対価としての前受金の受領も定着しつ
つあり、受注拡大期における資金繰り対策にも効果をもたらしています。




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[上半期事業概況]
(受注動向)
 当上半期の連結受注高は、年初から好調な需要環境が持続していることから、前年同期比で 61%増の 2,184
億円となりました。機械本体の一台当りの平均受注単価は、昨年度の第 4 四半期(2020 年 10-12 月)の 3,240 万
円を底に、今年の第 1 四半期(2021 年 1-3 月)から上昇に転じ、第 2 四半期では 3,890 万円となりました。半導体
製造装置、EV(電気自動車)、金型向けなどへの超精密・超高速機械及び自動化・フルターンキー需要の増加が
単価上昇に寄与しました。連結受注の約 20%を占めるサービス及び補修部品の上期受注も前年同期比 26%増と、
お客様の操業拡大を反映した展開となりました。
 受注の内外比率は、国内が 11%(前年度:14%)、海外が 89%(同:86%)となりました。国内の需要回復は、欧州、
中国、米州に比べて遅れておりましたが、今年度の第 2 四半期は大幅な伸びを示しました。国内においては、民
間航空機、内燃系の自動車関連を除くほぼ全産業向け需要が増加し、とりわけ半導体製造装置及びその関連
向けの需要増は際立っております。また、中小の工作機械ユーザーも多品種少量生産に対応した自動化を導入
する動きが目立ってきた他、素材メーカーが川下の加工分野へ事業展開を図るなど、国内においても従来と異
なる動きが出てきています。海外の地域別受注比率は、欧州が 53%(同:45%)、米州が 18%(同:24%)、中国が 12%
(同:10%)、アジアが 6%(同:7%)と欧州の回復が顕著になっています。産業別には、半導体製造装置・通信関連、
EV 関連部品、宇宙、医療機器、金型、脱炭素に絡む超精密部品など工作機械の需要増は広範囲に渡っていま
す。民間航空機向け需要についてもようやく引合いが出始めており、ほぼ下げ止まったものと考えています。


当第 2 四半期、3 ヵ月間の連結受注高は 1,170 億円と前年同期比 2 倍増で、地域別には、国内が前年同期比
66%増、欧州が 3.2 倍増、米州が 67%増、中国が 71%増、アジアが 74%増となりました。2019 年第 2 四半期との比
較では、連結受注高は 12%増、地域別には、国内が 1%増、欧州が 25%増、米州が 10%増、中国が 14%増、アジア
が 5%増と、各地域とも増加しました。サービス、補修部品受注も 4%増加しました。


(受注残高)
 機械本体の受注残高は 6 月末には 1,420 億円となり、2020 年 12 月末の 960 億円から 460 億円、2021 年 3
月末の 1,240 億円から 180 億円増加しました。第 3 四半期以降も、機械本体の受注高が売上高を上回る傾向が
続くものと計画しており、今年度末の受注残高は 1,500-1,600 億円になるものと見込んでいます。当該受注残高
は来年度の売上に寄与します。来 2022 年 12 月期は、今期の期初の低位受注残 960 億円からのスタートとは異
なり、期初から収益面では良いスタートが切れるものと考えています。


(損益状況)
 当上半期の売上収益は 1,782 億円と前年同期比 16%増加しました。期初の受注残高が 960 億円と低水準か
らのスタートとなりましたが、年初から受注が好調に推移したこと、欧州、米州などでの販売員・サービス員の移
動規制が緩和されたことなどから月を追うごとに出荷、検収の遅延も解消されつつあります。
 当上半期の営業利益は 102 億円と前年同期の 24 億円から 78 億円増加しました。前年同期からの営業増益


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の増減要因は、販売数量の増加に伴う利益増貢献が 51 億円、期末外貨建て債権の対ユーロ円安による評価
差益 22 億円を含む為替のメリットが 25 億円、お客様へのソリューション提供による販売粗利益改善が 10 億円
と、プラス要因合計額は 86 億円となりました。一方、減益要因は、物流費等の増加の 8 億円に留まりました。デ
ジタルツールの活用及びコンテンツの充実によりその他販売・管理費などの増加は抑制されています。人件費
は 26 億円増加しましたが、これは AG 社のユーロ建て費用の円換算によるものでこの影響を除くグループの実
質人件費は前年同期比横ばいとなりました。この結果、営業利益率は前年同期の 1.6%から当上半期は 5.7%と大
きく改善しました。
 金融収支は、2020 年 4 月に AG 株主の請求により AG の株式を 10%強追加取得したことにより、AG の非支配
株主への継続的保証額が 8 億円となり、前年同期から 13 億円減少しました。これにより、税引前四半期利益は
85 億円(前年同期:6 億円の赤字)と前年同期比 91 億円改善しました。また、昨年度は、一部グループ会社の収
益悪化が実効税率を大きく押し上げましたが、この上半期はそれらグループ会社の収益も改善したことから実効
税率は 28%へ低下し、当期利益は 61 億円(同:22 億円の赤字)となりました。
 親会社の所有者に帰属する当期利益から、資本性金融商品に分類される永久劣後ローン及び永久劣後社債
への支払金利を 11 億円控除し、普通株主に帰属する四半期利益は 50 億円となりました。


 第 2 四半期(4-6)、3 ヵ月間の売上収益は前年同期比 45%増の 971 億円、営業利益は 62 億円(前年同期 8 億
円の赤字)、営業利益率は 6.4%(同:-1.3%)、税引前利益は 54 億円(同:18 億円の赤字)、当四半期利益 43 億円
(同:23 億円の赤字)となりました。当第 1 四半期(2021 年 1-3 月)との比較では、売上は 20%増、営業利益は 56%
増、当期利益は 2.4 倍増と大きく伸長しました。


(キャッシュフロー)
 上半期のフリーキャッシュフローは 82 億円の黒字となりました。売上増により営業債権の増加で 81 億円、下
期以降の出荷準備により棚卸資産の増加で 39 億円、併せて 120 億円のキャッシュアウトが発生しましたが、受
注増により前受金が 138 億円増加し、純運転資本は 17 億円のキャッシュ・インとなりました。さらに、税引前当期
利益から 85 億円、償却費から 109 億円、併せて 194 億円のキャッシュ・インを計上し、収入合計は 211 億円とな
りました。一方、有形資産投資で 32 億円、無形資産投資などで 44 億円、併せて 76 億円の投資を実施した他、
法人税を含むその他 54 億円のキャッシュアウトにより、支出合計は 130 億円となりました。


(設備投資)
 上半期は 76 億円の投資を実施しました。有形資産に 32 億円、無形資産に 44 億円、それぞれ投資しました。
有形資産投資は、将来の技術開発の主要拠点となる奈良商品開発センタ、主力伊賀事業所内の加工工程の生
産効率化のための設備導入が主たるものです。無形資産投資は、より迅速な経営意思決定のための
ERP(Enterprise Resource Planning)システムの導入が主たるものです。




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(財務状況)
 総資産は 2020 年 12 月末から 386 億円増加しました。資産側では、売上債権で 100 億円増、棚卸資産で 81
億円増、無形資産で 45 億円増、その他金融資産を含む手元資金で 73 億円増となりました。売上債権及び棚卸
資産増は、売上増及び今後の出荷増に備えたものであり、無形資産の増加は ERP システムの導入によるもの
です。負債側では、前受金で 158 億円増加しました。株主資本は 119 億円増となりましたが、利益増と決算期末
における対ユーロ円安(2020 年 12 月末レート:127.0 円、2021 年 6 月末:131.6 円)により為替換算調整勘定の赤
字が縮小したことによります。以上の結果、6 月末の株主資本比率は 34.9%(2020 年 12 月末:35.2%)となり、純有
利子負債は 595 億円(同:644 億円)、純有利子負債株主資本比率は 30.1%(同:34.7%)となりました。


(従業員数)
 2021 年 6 月末の連結従業員数(含む、契約社員、パート、アルバイト)は 12,180 人となり、2020 年 12 月末の
12,160 人からほぼ横ばい圏に留まりました。受注、生産、販売、サービス活動は急速に増加しておりますが、my
DMG MORI、デジタルツインショールーム、TULIP などのデジタルツールの活用及びコンテンツの充実により、マ
ーケティング、生産、サービスなどの効率性が飛躍的に向上しており、従業員数の増加は抑制されています。


(研究開発)
 将来の成長の源泉となる、高精度・高速機、5 軸加工機・複合加工機などの工程集約機、自動化、フルターン
キーの強化、お客様の利便性を高まるためのデジタルツールで活用できるコンテンツの充実、人材育成のため
のカリキュラムの作成、などに注力しています。
 新製品として、大型ターニングセンタ NLX6000 | 1000 旋削仕様、アディティブマニュファクチャリング
LASERTEC 3000 DED hybrid、DMP 35 を市場投入しました。NLX6000 | 1000 は半導体関連部品、建設機械部
品、エネルギー産業用高圧鋼管などの加工に適しています。LASERTEC 3000 DED hybrid は、部品加工の他、
焼入れ、溶接、コーティングなどにも応用でき用途が広がっています。DMP 35 は小スペースの超精密小型 5 軸
加工機で、小型超精密の医療部品、宇宙関連部品、バルブ・ポンプなどの一般機械部品の加工に適しています。
下期以降、画期的な新製品投入に向けての開発を進めています。
 自動化においては、従来のワークハンドリング、パレットハンドリングに加え、ツールハンドリングを開発しまし
た。セントラルツールストレージ(CTS)は、400 本の大容量工具マガジンを備え、搬送ロボットが各工作機械の工
具マガジンに工具の搬入・搬出を行う自動化システムで、多品種生産の自動化を可能とします。また、ツールビ
ジュアライザー、ビルトインミストコレクタ zeroFOG を開発しました。ツールビジュアライザーは、加工機と計測技
術の融合を図り、機上にて非接触で高効率に工具の計測を行います。工具は切削熱での膨張により形状が変
化し、加工精度に誤差が生じることがありますが、ツールビジュアライザーの利用によりその誤差を防ぎます。ビ
ルトインミストコレクタ zeroFOG は、コンパクトな筐体により工作機械本体に搭載可能で、金属加工時に発生する
ミスト(空気中に浮遊する微粒子状の切削油)を効率的に捕集し、クリーンな作業現場を実現し、品質の維持、労
働環境の改善に貢献します。
 ポータルサイトの my DMG MORI の登録件数は、昨年 12 月末の 40,000 件から今年末目標の 60,000 件に向


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                                                             〒135-0052 東京都江東区潮見 2-3-23
                                                             Tel.: 03-6758-5900




けて順調に増加しております。新機能として「サービスリクエスト」を開始しました。お客様から当社修理復旧セン
タに対して、画像、ビデオ、プログラムなどの多様なデジタルデータでお客様の保有機の状況を連絡して頂くシス
テムです。これにより、お客様の視点からの工作機械の状況、支援要請をデジタルプラットフォーム上で可視化
することができ、正確かつ迅速な対応が可能となります。単に修理復旧依頼のみならず、お客様の加工プログラ
ムに関する相談や、周辺装置の選択などの要望にもお応えすることが可能となり、利便性がより高まっています。


2021 年 12 月期見通し


                                  通期業績予想         (対前年度)         前年度実績             従来予想
                                                                                (5/12 公表)
連結受注高                         :     4,200 億円      (+50.2%)       2,797 億円        4,000 億円
売上収益                          :     3,650 億円      (+11.2%)       3,283 億円        3,450 億円
営業利益                          :      200 億円       (+87.4%)         107 億円         140 億円
営業利益率                         :          5.5 %                        3.3 %              4.1 %
税引前当期利益                       :      165 億円        (3.2 倍)          51 億円          95 億円
親会社の所有者に帰属する当期利益              :      110 億円        (6.3 倍)          17 億円          60 億円
普通株主に帰属する当期利益                 :       89 億円                          4 億円          39 億円


[年度事業見通し]
(年度受注・収益の再度増額修正、年度配当金の増額予定)
 受注は、世界市場で、エネルギー、内燃系自動車関連を除くほぼ全産業に広がっていること、中小企業向け
需要も拡大していることなどから、当面、好調に推移するものと期待しています。また、EV 化、金型、脱炭素化に
向けた超精密部品、多品種・少量生産部品などの加工が増加しており、5 軸加工機、複合加工機などワンチャッ
キングによる工程集約機及びその自動化、フルターンキー化の需要が本格化しています。また、世界的に温室
効果ガス排出量の削減が必須となる中、年初から導入した業界初の部材調達から製品出荷までの Scope1 から
Scope3 の 上 流 工 程 ま で 、 排 出 権 を も 利 用 し た カ ー ボ ン ニ ュ ー ト ラ ル の 体 制 で 生 産 さ れ た 製 品
「GREENMACHINE(グリーンマシーン)」へのお客様からの評価が高まっており、製品・技術特性、直販・直サービ
ス体制などでの優位性に加えて、特に欧米での受注獲得に有利に働いています。以上のことから、年度の受注
見通しを従来の 4,000 億円程度から 4,200 億円程度へと増額しました。
 売上収益については、第 2 四半期(4-6 月期)の受注実績が計画を上回り、この受注の大半が今年度中の売
上に計上されること、また、当社グローバル社員も COVID-19 ワクチン接種が進み、機械の設置、検収に係る移
動の制約も緩和されつつあることから、従来予想の 3,450 億円から 3,650 億円(前年度比:11%増)へ増額しました。
 費用構造に関しては、5 月 12 日発表時の計画から大きな変更はありません。国内従業員の年間平均給与水
準を昨年度の 643 万円から今年度は 710 万円(2019 年度ピーク時:808 万円)へ引き上げることは既に公表して
おります。一方、物流費が上昇していることから、当該費用増についてはやや保守的に織り込みました。売上


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200 億円の増額修正により、営業利益への寄与を 75 億円程度と見込んでいますが、物流費などの上昇を織り
込み、営業利益の純増額を 60 億円と計画しています。その結果、年度の営業利益予想を従来の 140 億円から
200 億円へ増額しました。年度の営業利益率は 5.5%となる見込みです。金融収支は従来の 45 億円の支払い超
の計画から 35 億円の支払い超見込みへと修正しました。保守的に見積もっていた支払利息の減少が主因です。
その結果、税引前当期利益は 165 億円(5 月 12 日時点:95 億円)、実効税率は当社の適正水準の 33%を想定し、
親会社の所有者に帰属する当期利益は 110 億円(同:60 億円)を計画しています。
 株主還元については、受注環境が期初想定以上に好転していることを受けて、売上・利益の増額修正を行っ
たこと、営業キャッシュフローから設備投資を控除したフリーキャッシュフローも年度で 150 億円以上確保できる
見通しであることから、年度の一株当り配当金を従来計画の 20 円から 30 円に増額する予定です。中間配当は
従来通り 10 円、期末配当を従来の 10 円から 20 円へ増額する予定です。


(素材価格の上昇、物流費の上昇、半導体などの部品不足の影響について)
  鉄鋼を中心とする素材価格が上昇しておりますが、当社は、昨年度の後半から今期の需要回復を見込み早
くから在庫手当てを進めてきたこと、一部素材、部品については長期契約に切り替えてきたこと、などから今年度
についてはその影響は軽微に留まるものと想定しております。物流費については、船賃などの上昇が顕著にな
っていることから、前述したように今年度の業績予想に織り込みました。世界的な半導体の供給不足は
CNC(Computerized Numerical Control)の調達に影響を与える懸念がありますが、5 月 12 日の決算リリースでコ
メントした通り、当社はグローバル大手 4 社から CNC を分散調達しており、既に、今年度必要量の発注を終えて
いることから、当社の今年度の生産への影響はほとんどないと考えています。
 来 2022 年度は、鋼材価格の上昇の影響が顕在化する恐れがありますが、お客様への価格転嫁を進めると同
時に、グループ内で生産している鋳物などについてはより生産性向上に努め、コストアップを吸収する予定です。
グローバルでの直販体制下で、5 軸加工機、複合加工機、自動化、フルターンキー化などのお客様への価値提
案を高めることで価格転嫁を実現して行きます。中長期的には、エンジニアリング、ソフトウェア製品、サービス
部門の比率が向上する一方、売上収益に占める機械本体の構成比が低下するものと考えており、素材などの
価格上昇による製品コストへの影響は低下して行くものと考えております。


(設備投資)
 当年度の設備投資 150 億円計画に変更はございません。既に発表しております、グループ会社の渡部製鋼
所にて最先端の電炉を導入してグリーン鋳物の製造能力の拡大、伊賀事業所でのバイオマス発電設備の導入、
中国天津既存工場の拡張、中国上海市から車で 1 時間程度の平湖(Pinghu)市での 5 軸加工機の組み立て工場
の新設、奈良商品開発センタの建設、ERP 投資は計画通りに進捗しております。エジプトで、アラブ工業化機構
(AOI)と合弁で工作機械工場の新設を発表しましたが、出資比率は AOI が 60%、AG が 40%の少数株主出資とな
る上、その支出は来年度以降になる見込みです。ただ、これらプロジェクトにおける進捗度合いにより、当年度の
設備投資額は増額となる可能性もあります。




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                                                          DMG 森精機株式会社
                                                          〒135-0052 東京都江東区潮見 2-3-23
                                                          Tel.: 03-6758-5900




(転換社債型新株予約権付社債、永久劣後債による資金調達)
 2021 年 7 月 16 日に、転換社債型新株予約権付社債 400 億円を調達しました。発行条件は、ゼロクーポン、転
換価額は起債決定日の終値 1,994 円を基準に 30.04%アップの 2,593 円、償還期限は 2024 年 7 月 16 日となって
います。当該調達資金は、CO2 排出量の削減、中国などでの中長期での事業成長、ERP による意思決定の迅速
化及びオペレーションの効率化など、前述設備投資で記載したプロジェクトに充当します。CO2 排出量削減促進
による業界内での優位性の確保、中国投資拡大による同国市場でのプレゼンスの向上及び成長促進、ERP 導
入による経営効率の改善により当該調達に係る資本コストを上回る収益を確保できるものと予想しています。
 また、2021 年 9 月 2 日を目途に永久劣後債で最大 300 億円の調達を計画しています。当該資金は、2016 年
9 月に起債した第 1 回永久劣後債の任意償還及び既存のローンの返済に充当する予定です。工作機械は、通
常の買い替えサイクルで 10-12 年、物理的耐用年数で 20 年以上使用されることから、お客様との長期的信頼
構築に財務安定性からも応える必要があり、長期資金へのシフトを進めています。


[2023 年に向けて中期収益見通し]
 今年度の第 1 四半期から本格的な拡大基調に入った工作機械需要は、EV 化、脱炭素化が加速する中で一般
産業機械、金型などの需要にも広がっており、少なくとも 2023 年ころまで増加基調を辿るものと期待しています。
ただ、これらの需要は、従来にも増して超精密加工が要求されると同時に、素材の変更、加工形状の複雑化、多
品種少量化が進展することが予想され、当社の 5 軸加工機、複合加工機、自動化、フルターンキー化の戦略が
より優位に働くものと考えています。一方、2019 年までの直販・直サービス体制の拡充、大型展示会を利用した
マーケティングの強化などにより膨らんだ販売費・一般管理費を、2020 年の移動制限下で積極的に導入したデ
ジタルツールにより効率化しました。今後も、人件費の増加を除き、その他のコストの上昇はデジタルツールで活
用できるコンテンツの充実を図ることで抑制して行きます。
 以上を背景にして、来 2022 年 12 月期は、売上で 4,200 億円、営業利益で 380 億円、営業利益率で 9.0%と、ピ
ーク利益更新を目指します。さらに、2023 年 12 月期には、売上で 4,500 億円、営業利益で 450 億円程度、営業
利益率で 10%を目指します。
 財務構造については、2021 年 7 月 16 日に調達した転換社債型新株予約権付社債 400 億円が 2023 年末まで
に転換されるものと想定し、2023 年 12 月末で、純有利子負債はゼロ、株主資本比率で 50%超を目指します。永
久劣後ローン及び社債から手元資金を控除した純永久劣後ローン及び社債残高で 1,000 億円以下を目指し、当
該残高を株主資本で除した比率で 35%以下を計画しております。当該財務構造の達成に向けて、2021 年から
2023 年までの累積フリーキャッシュフロー(営業活動からのキャッシュフロー-設備投資)で 700 億円強、配当支
出で 150 億円程度を計画しています。


(サステナブル(ESG/CSR)経営方針)
 DMG 森精機は社会との共生を重視し、全ステークホルダーに満足いただける経営に取り組んでいます。気候
変動に関しては、7 月に TCFD(The Task Force on Climate-related Financial Disclosure/気候関連財務情報開示
タスクフォース)提言への賛同を表明し、その提言に沿って、当社のガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標


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                                                       DMG 森精機株式会社
                                                       〒135-0052 東京都江東区潮見 2-3-23
                                                       Tel.: 03-6758-5900




の各項目につき第一弾となるレポートを開示し、当社ホームページに掲載しました
(https://www.dmgmori.co.jp/corporate/sustainability)。当社の 5 軸加工機、複合加工機などの工程集約機は、
複数台を一台に置き換えることで電力消費をはじめ様々な経営資源の節約をもたらすなど、当社の工作機械事
業そのものが環境保護に貢献しております。また、部材の調達から商品の出荷までの Scope1 から Scope3 の上
流工程までの CO2 排出量について、自社内における CO2 排出量の削減に取り組むと共に、現段階で削減できて
いない排出量については、国際的に認定された排出権を利用することで相殺し、年初からカーボンフリーの製品
「GREENMACHINE(グリーンマシーン)」(独立監査人である PricewaterhouseCoopers GmbH 社の監査を受け、同
社より保証を取得済)を出荷していることは既に報告済です。現在は、Scope3 の下流工程までの排出量を算定し
ており、遅くとも 2022 年末までには開示できる予定です。CO2 排出量削減に向けて、従来からの施策として CO2
フリー電力購買、バイオマス発電導入、鋳物製造における最先端の電炉設備の設置、社有車の電気自動車及
び低燃費車への入れ替えを進める他、国内工場への太陽光発電設備の設置も計画しております。これらにより、
CO2 の原単位排出量を 2030 年には 2019 年比 30%削減を目指します。
 当社の経営理念の「よく遊び、よく学び、よく働く」を達成するためには、従業員の心身の健康が最も重要であ
ると考えており、「DMG 森精機 健康経営宣言」を行いました。在社 10 時間、インターバル 12 時間、年間有給休
暇 20 日の完全消化などの個別労働時間管理も定着して参りました。COVID-19 対策として、日本、欧州ではワ
クチンの職域接種を実施し、従業員及びその家族、常駐業者、販売店、サプライヤー等にも対象者を広げ、また、
伊賀事業所には、三重県に COVID-19 に特化した臨時衛生検査所の登録をして PCR 検査室を開設し、感染抑
制に努めています。


 以上、DMG 森精機は、継続的な企業価値向上を進め、全ステークホルダーに満足して頂けるよう努力して
まいります。




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                                     DMG 森精機株式会社
                                     〒135-0052 東京都江東区潮見 2-3-23
                                     Tel.: 03-6758-5900




(免責事項)
当書面には、当社の目標、計画などの将来に関する記述が含まれております。
これらの将来に関する記述は、
当社が現在入手している情報に基づく判断および仮定に基づいております。
今後の経営方針転換、外部要因の変化により、将来的に実際の業績と大きく異なる可能性があります。
なお、不確定性および変動可能性を有する要素は多数あり、以下のようなものが含まれます。
   当グループが営業活動を行っている市場内における需要環境の変化
   為替相場の変動
   当グループが営業活動を行っている市場内における法律、規制及び政府政策の変更
   タイムリーに新商品を開発し、市場に受け入れられるようにする当社の能力
   当グループが営業活動を行っている市場内における政治的な不安定さ
   独禁法や輸出管理規制等関連する法規制又はその所轄当局による運用の変更


                                                                 以上




                                                                      9