6098 リクルートHD 2021-05-17 15:00:00
2021年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

                             2021年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
                                                                2021年5月17日
上 場 会 社 名   株式会社リクルートホールディングス              上場取引所                         東
コ ー ド 番 号   6098                 URL https://recruit-holdings.co.jp
代 表 者     (役職名) 代表取締役社長兼CEO       (氏名) 出木場 久征
問合せ先責任者 (役職名) 執行役員                (氏名) 荒井 淳一 (TEL) 03(6835)1111(代表)
定時株主総会開催予定日      2021年6月17日    配当支払開始予定日                  2021年6月18日
有価証券報告書提出予定日 2021年6月18日
決算補足説明資料作成の有無           :有
決算説明会開催の有無              : 有 (機関投資家・アナリスト向け )
決算資料及び説明会動画等の掲載先                            : https://recruit-holdings.co.jp/ir/
                                                                                                                       (百万円未満切捨て)
1.2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
 (1) 連結経営成績                                                                                                     (%表示は対前期増減率)
                                                                                                 親会社の所有者に                 当期包括利益
                        売上収益                         営業利益                   税引前利益
                                                                                                 帰属する当期利益                   合計額
                       百万円             %         百万円               %        百万円           %         百万円           %        百万円            %
        2021年3月期    2,269,346      △5.4        162,823        △21.0      168,502      △25.5       131,393    △27.0       209,011        36.6
        2020年3月期    2,399,465        3.8       206,011         △7.7      226,149       △5.7       179,880        3.2     152,970       △11.8
  

                                                                                  基本的         希薄化後        親会社所有者
                                       配当算定基準                                                                     資産合計   売上収益
                    調整後EBITDA                                  調整後EPS            1株当たり        1株当たり         帰属持分
                                       とする当期利益                                                                   税引前利益率 営業利益率
                                                                                 当期利益         当期利益         当期利益率
                    百万円          %     百万円             %       円 銭          %        円 銭          円 銭             %             %         %
        2021年3月期   241,658   △25.7 121,765         △34.0       82.56    △31.8        79.83        79.70         12.6           8.0       7.2
        2020年3月期   325,159      10.9 184,522         13.7     121.03     13.0       108.27       108.07         18.4       12.1          8.6
     (参考) 持分法による投資損益          2021年3月期                      6,468百万円                2020年3月期                3,617百万円

 (2) 連結財政状態
                                                                         親会社の所有者に                  親会社所有者                1株当たり親会社
                        資産合計                         資本合計
                                                                          帰属する持分                   帰属持分比率                所有者帰属持分
                                   百万円                        百万円                     百万円                         %                     円 銭
        2021年3月期             2,196,613                 1,101,289                 1,091,571                      49.7                  667.96
        2020年3月期             1,998,917                      995,743                 988,449                     49.4                  599.65

 (3) 連結キャッシュ・フローの状況
                        営業活動による                             投資活動による                      財務活動による                       現金及び現金同等物
                        キャッシュ・フロー                           キャッシュ・フロー                    キャッシュ・フロー                       期末残高
                                       百万円                                百万円                             百万円                          百万円
        2021年3月期                     286,597                           △40,373                     △172,713                          501,043
        2020年3月期                     303,325                           △88,993                     △192,721                          421,253

2.配当の状況
                                                   年間配当金                                                                       親会社所有者
                                                                                                  配当金総額          配当性向
                                                                                                                                帰属持分
                   第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                                期末             合計           (合計)           (連結)
                                                                                                                               配当率(連結)
                         円 銭               円 銭              円 銭           円 銭            円 銭              百万円             %              %
     2020年3月期                -         15.00                   -         15.00           30.00        49,811            27.7            5.1
     2021年3月期                -          9.50                   -         10.50           20.00        32,855            25.1            3.2
      2022年3月期(予想)     -       -       -  -                                                -                              -
     (参考)配当算定基準とする当期利益に対する配当性向(連結) 2021年3月期                                           27.0%
     2022年3月期の1株当たり配当金については、 現時点で未定です。

3.2022年3月期の連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)
                                                                                                            (%表示は、 対前期増減率)
                                売上収益                         調整後EBITDA                        営業利益
                             百万円                 %            百万円               %         百万円                %
                       2,450,000             8.0         270,000            11.7       180,000   10.5
      2022年3月期                ~               ~               ~               ~             ~      ~
                       2,600,000            14.6         335,000            38.6       245,000   50.5
                                                                                        親会社の所有者に
                             税引前利益                             当期利益                                                      調整後EPS
                                                                                        帰属する当期利益
                          百万円                 %            百万円                %          百万円       %                     円 銭              %
                        185,000              9.8         140,000             6.3       140,000    6.6                   95.51           15.7
      2022年3月期               ~                ~               ~               ~             ~      ~                       ~              ~
                        250,000             48.4         190,000            44.3       190,000   44.6                  126.10           52.7
     2022年3月期連結業績見通しについての詳細は、 12ページ「2.来期の連結業績見通し」をご覧ください。
※ 注記事項
 (1) 期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                                                            : 無
    新規     -社 (社名)    、 除外   -社 (社名)
 

    (2) 会計方針の変更・会計上の見積りの変更
      ① IFRSにより要求される会計方針の変更                                             : 無
      ② ①以外の会計方針の変更                                                     : 無
      ③ 会計上の見積りの変更                                                      : 無
 
    (3) 発行済株式数(普通株式)
      ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)                        2021年3月期         1,695,960,030株       2020年3月期     1,695,960,030株

      ② 期末自己株式数                                  2021年3月期              61,763,564株     2020年3月期       47,574,459株
      ③ 期中平均株式数                                  2021年3月期         1,645,920,829株       2020年3月期     1,661,362,368株
 
    (4) 各種指標の算式
        指標                 算式
                           営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)
        調整後EBITDA
                           ±その他の営業収益・費用
                           親会社の所有者に帰属する当期利益 ±調整項目(非支配持分帰属分を除く)
        調整後当期利益
                           ±調整項目の一部に係る税金相当額
        調整後EPS             調整後当期利益/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)
                           親会社の所有者に帰属する当期利益 ±非経常的な損益
        配当算定基準とする当期利益
                           ±非経常的な損益の一部に係る税金相当額
        調整項目               企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益
                           子会社株式売却損益、 事業統合関連費用、 固定資産売却損益/除却損等、
        非経常的な損益            恒常的な収益力を表すために、 当社が非経常的であり利益指標において調整
                           すべきであると判断した損益
        四半期においては、 「当期」を「四半期」、 「期末」を「四半期末」に読み替えて計算

(参考) 個別業績の概要
2021年3月期の個別業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
    (1) 個別経営成績                                                                                   (%表示は対前期増減率)
                              営業収益                  営業利益                      経常利益                   当期純利益

                               百万円         %        百万円           %            百万円          %         百万円         %
             2021年3月期         27,324   △73.2        19,297     △79.0          19,574     △79.2       14,063    △83.6
             2020年3月期        102,061     62.7       92,056      73.3          94,065      69.8       85,854    150.7
 
                                                 潜在株式調整後
                           1株当たり当期純利益
                                                1株当たり当期純利益
                                        円 銭                     円 銭
             2021年3月期                    8.54                   8.53
             2020年3月期                   51.68                  51.58
 
 
    (2) 個別財政状態
                               総資産                  純資産                     自己資本比率                  1株当たり純資産

                                       百万円                     百万円                          %                   円 銭
             2021年3月期              1,372,520                 805,322                      58.6                491.99
             2020年3月期              1,409,458                 872,799                      61.8                528.44
        (参考) 自己資本       2021年3月期       804,005百万円        2020年3月期             871,080百万円
 
 
    ※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、 その他特記事項
         本資料には、 将来の見通しに関する記述が含まれています。将来の見通しに関する記述には、 別段の記載がない限り本資料
         の発表日現在における当社が入手可能な情報並びに当社の計画及び見込みに基づいた当社の想定、 将来の見通し及び推
         測が含まれますが、 これらが達成される保証はありません。
         経済状況の変化、 個人ユーザーの嗜好及び企業クライアントのニーズの変化、 他社との競合、 法規制の環境変化、 為替レー
         トの変動その他の様々な要因により、 将来の予測・見通しに関する記述は実際の業績と大幅に異なる場合があります。従って、
         将来見通しに関する記述に過度に依拠することのないようお願いします。当社は、 適用ある法令又は証券取引所の規則により
         要求される場合を除き、 本資料に含まれるいかなる情報についても、 今後生じる事象に基づき更新又は改訂する義務を負うも
         のではありません。
         本資料には、 当社が事業を行っている市場に関する情報を含む、 外部の情報源に由来し又はそれに基づく情報が記述されてい
         ます。これらの記述は、 本資料に引用されている外部の情報源から得られた統計その他の情報に基づいており、 それらの情報に
         ついては当社は独自に検証を行っておらず、 その正確性又は完全性を保証することはできません。
                                   株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信




    添付資料の目次
    添付資料の目次


      1. 連結経営成績等     ……………………………………………………………………………………          3

       (1) 連結経営成績の概況        …………………………………………………………………………       3
 
       (2) セグメント業績の概況 ………………………………………………………………………………           4

       (3) 主な経営施策      …………………………………………………………………………………         8

       (4) 資本の財源及び資金の流動性        ………………………………………………………………       9

      2. 来期の連結業績見通し         ………………………………………………………………………… 12
 
      3. 利益配分に関する基本方針及び当期・来期の配当        …………………………………………… 13
 
      4. 企業集団の状況     …………………………………………………………………………………… 14

       (1) セグメント別事業内容    …………………………………………………………………………… 14

       (2) 事業の内容と当社グループ各社の位置づけ      …………………………………………………… 16

       (3) 事業系統図     …………………………………………………………………………………… 19

      5. 経営方針   ……………………………………………………………………………………………… 20
 
       (1) 経営の基本方針     ………………………………………………………………………………… 20

       (2) 目標とする経営指標    ……………………………………………………………………………… 20

       (3) 経営戦略    ………………………………………………………………………………………… 21

       (4) キャピタルアロケーション方針     …………………………………………………………………… 25

      6. 会計基準の選択に関する基本的な考え方      …………………………………………………………… 26

      7. 連結財務諸表及び主な注記       ………………………………………………………………………… 27

       (1) 連結財政状態計算書        ………………………………………………………………………… 27

       (2) 連結損益計算書 …………………………………………………………………………………… 29

       (3) 連結包括利益計算書     …………………………………………………………………………… 30

       (4) 連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………………… 31

       (5) 連結キャッシュ・フロー計算書    ……………………………………………………………………… 33

       (6) 継続企業の前提に関する注記      …………………………………………………………………… 34

       (7) 連結財務諸表に関する注記事項      ………………………………………………………………… 34




                                     ―1―
                                             株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


本資料の省略表記
本資料の省略表記


  省略表記                          意味
  当社                            ㈱リクルートホールディングス
  当社グループ                        ㈱リクルートホールディングス及び連結子会社
  SBU                           戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit)
  IFRS                          国際会計基準
  前第1四半期                        2019年6月30日に終了した3ヶ月間
  当第1四半期                        2020年6月30日に終了した3ヶ月間
  前第2四半期                        2019年9月30日に終了した3ヶ月間
  当第2四半期                        2020年9月30日に終了した3ヶ月間
  前第3四半期                        2019年12月31日に終了した3ヶ月間
  当第3四半期                        2020年12月31日に終了した3ヶ月間
  前第4四半期                        2020年3月31日に終了した3ヶ月間
  当第4四半期                        2021年3月31日に終了した3ヶ月間
  前連結会計年度                       2020年3月31日に終了した1年間
  当連結会計年度, 2021年3月期             2021年3月31日に終了した1年間
  来期, 2022年3月期                  2022年3月31日に終了する1年間

  本資料における表の単位は、 別途記載がない限り10億円です。


会社名の変更
会社名の変更


  本資料における会社名は、 特段の記載がない限りは2021年3月31日現在で記載しています。
  なお、 本資料に記載している当社グループの会社名のうち、 当連結会計年度中に社名変更があったものは以下のとおりです。


  会社名(変更前)                            会社名(2021年3月31日)                     会社名の変更年月
  USG People France SAS               RGF Staffing France SAS             2020年12月
  USG People Germany GmbH             RGF Staffing Germany GmbH           2021年2月


  また、 当社グループにおいて、 2021年4月1日以降本資料提出日までに社名変更されているものは以下のとおりです。


  会社名(2021年3月31日)                     会社名(提出日現在)                          会社名の変更年月
  USG People Holdings B.V.            RGF Staffing the Netherlands B.V.   2021年4月




期中平均為替レート
期中平均為替レート
                                                                                                (単位:円)
                               2020年3月期                                   2021年3月期
                          第2四半期       第3四半期       第4四半期                   第2四半期      第3四半期     第4四半期
             第1四半期                                              第1四半期
                           累計          累計          累計                      累計         累計        累計
     米ドル       109.90      108.60      108.65      108.70        107.63    106.93     106.11    106.10
     ユーロ       123.50        121.40     121.04      120.81       118.59     121.34    122.44    123.76
     豪ドル         76.95        75.24      74.91        74.11       70.74      73.32     74.35     76.21


  本資料における当第4四半期の為替影響金額は当第4四半期累計と第3四半期累計の為替影響額の差額です。


各種経営指標の算式はサマリー情報に記載のとおりです。




                                                 ―2―
                                    株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


1. 連結経営成績等
   連結経営成績等

  (1) 連結経営成績の概況
      連結経営成績の概況

    当第4四半期の売上収益は、 前年同期比4.0%増の6,131億円となりました。そのうち、 188億円(税抜)は経済産業省中小企業庁より受託
    した家賃支援給付金事務事業(家賃給付受託事業)に係るものであり、 その影響を除いた前年同期比は0.8%増となりました。当第4四半期に
    おいても、 世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と各国の拡大防止策による影響が、 引き続き多岐にわたりました。米国のように規制が緩
    和された国もありましたが、 日本では緊急事態宣言が再度発出され、 欧州の各都市では度重なるロックダウンが見られる等、 経済活動が抑制
    された地域も多くありました。

    当第4四半期のHRテクノロジー事業と人材派遣事業は増収、 メディア&ソリューション事業は減収となりました。為替によるプラス影響49億円を
    控除した売上収益は前年同期比3.1%増となりました。当連結会計年度の売上収益は、 前連結会計年度比5.4%減の2兆2,693億円とな
    りました。そのうち、 790億円(税抜)は家賃給付受託事業に係るものであり、 その影響を除いた前年連結会計年度比は8.7%減となりました。
    為替によるマイナス影響38億円を控除した売上収益は前連結会計年度比5.3%減となりました。

    当第4四半期の営業利益は、 195億円(前年同期は営業損失62億円)となりました。なお、 前第4四半期におけるのれん及び無形資産の減
    損損失の影響を控除した営業利益は247億円であり、 この金額と当第4四半期における営業利益を比較した場合、 前年同期比21.2%の減
    少となりました。当連結会計年度の営業利益は、 前連結会計年度比21.0%減の1,628億円となりました。

    当第4四半期の税引前四半期利益は、 216億円(前年同期は税引前四半期損失35億円)となりました。当第4四半期の四半期利益は、 前
    年同期比2.6%増の139億円、 親会社の所有者に帰属する四半期利益は、 前年同期比3.5%増の138億円となりました。当連結会計年
    度の税引前利益は前連結会計年度比25.5%減の1,685億円、 当期利益は前連結会計年度比27.3%減の1,316億円、 親会社の所有
    者に帰属する当期利益は、 前連結会計年度比27.0%減の1,313億円となりました。

    当第4四半期の調整後EBITDAは、 前年同期比44.4%減の307億円、 調整後EBITDAマージンは5.0%となりました。これは主に、 各事業
    において来期以降の成長を見据えて、 広告宣伝費等の投資を強化したことによるものです。当連結会計年度の調整後EBITDAは、 前連結会
    計年度比25.7%減の2,416億円、 調整後EBITDAマージンは10.6%となりました。

    当第4四半期の調整後EPSは、 前年同期比61.0%減の6.78円、 配当算定基準とする当第4四半期利益は、 前年同期比70.5%減の73
    億円となりました。当連結会計年度の調整後EPSは、 前連結会計年度比31.8%減の82.56円、 配当算定基準とする利益は、 前連結会計
    年度比34.0%減の1,217億円となりました。

    当第4四半期及び当連結会計年度の研究開発費は、 各々221億円及び744億円となりました。主な内訳は、 新プロダクトの開発や新しいテ
    クノロジーを活用した既存プロダクトの改善に係るエンジニア及びテクノロジー開発担当者の人件費であり、 その大半はHRテクノロジー事業に関連
    します。

                                                             前連結        当連結
                           前第4四半期      当第4四半期     増減率                            増減率
                                                            会計年度       会計年度
    連結経営成績

      売上収益                  589.7       613.1       4.0%   2,399.4    2,269.3    △5.4%

      営業利益                   △6.2        19.5         -     206.0      162.8     △21.0%

      税引前当期利益                △3.5        21.6         -     226.1      168.5     △25.5%

      当期利益                   13.5        13.9       2.6%    181.2      131.6     △27.3%

      親会社の所有者に帰属する当期利益       13.3        13.8       3.5%    179.8      131.3     △27.0%

    経営指標

      調整後EBITDA              55.2        30.7     △44.4%    325.1      241.6     △25.7%

        調整後EBITDAマージン         9.4%        5.0%         -     13.6%      10.6%         -
      調整後EPS
                             17.38円       6.78円   △61.0%    121.03円     82.56円   △31.8%
    (注) 2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る受託料がそれぞれ、 188億円、 790億円
        含まれます。



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                                  株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


(2) セグメント業績の概況
    セグメント業績の概況


  HRテクノロジー事業
    テクノロジー事業

  当第4四半期の売上収益は、 前年同期比23.3%増の1,311億円となり、 米ドルベース売上収益(注1)の前年同期比は、 26.8%増となりま
  した。売上収益の増加は、 主に米国において中小企業クライアントの採用活動が大きく回復し、 有料求人広告利用に対する需要が増加したこ
  とによるものです。


  当第4四半期中は、 新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための様々な規制が米国や欧州の多くの国で緩和され、 経済状況の改善に伴い
  採用活動や求職活動が回復しました。事業の再開や拡大、 及び新たな事業が創出されることで、 既存クライアントと新規クライアント双方、 特
  に米国の中小企業クライアントの採用需要が増加しました。


  しかし、 感染症に係る懸念や育児サポートの減少、 各国政府による金銭的支援等を背景に、 復職や転職を控える人々が多く、 当第4四半期
  におけるIndeed及びGlassdoor上の個人ユーザーの求職活動は低調に推移しました。低調な求職活動と強い採用需要の乖離が、 当第4四
  半期の売上収益の増加に大きく影響しました。


  当第4四半期の調整後EBITDAは、 前年同期比107.2%増の173億円となりました。これは主に、 売上収益の増加によるものです。前年同
  期と比較すると商品開発やテクノロジーへの投資を戦略的に増加させた一方で、 マーケティング費をはじめとする販売管理費は柔軟なコスト管理
  を行いました。当第4四半期の調整後EBITDAマージンは13.3%となり、 前第4四半期の7.9%から上昇しました。


  売上収益の回復に伴い、 第3四半期よりもマーケティング投資を増やし、 求職活動及び採用プロセスの効率化や、 採用にかかるコストや時間を
  大幅に削減するというHRテクノロジー事業の目指す姿に向けた商品開発を行うために、 引き続きエンジニアや技術部門の採用を行いました。


  当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比0.4%減の4,232億円となり、 米ドルベース売上収益(注1)は前連結会計年度比2.2%
  増となりました。調整後EBITDAは前連結会計年度比6.3%減の667億円、 調整後EBITDAマージンは15.8%となりました。


                                                      前連結      当連結
                        前第4四半期    当第4四半期     増減率                          増減率
                                                     会計年度     会計年度
   売上収益                  106.3     131.1    23.3%    424.9     423.2    △0.4%

   調整後EBITDA               8.3      17.3    107.2%    71.2      66.7    △6.3%

   調整後EBITDAマージン           7.9%     13.3%        -    16.8%     15.8%        -
   米ドルベース売上収益
                              $974   $1,235  26.8% $3,907     $3,993      2.2%
   (百万米ドル)(注1)
   (注1) 当セグメントの現地決算数値であり、 当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります。
   (注2) IndeedとGlassdoorが提供する機能は各国によって異なります。



  メディア&ソリューション事業
  メディア&ソリューション事
             ン事業


  当第4四半期における売上収益は、 前年同期比7.0%減の1,793億円となりました。家賃給付受託事業の売上収益188億円を除く既存事
  業の当第4四半期の売上収益は、 前年同期比は16.8%減となりました。当第4四半期は、 2021年1月7日から3月21日まで日本国内の一
  部都府県を対象に発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染症の感染者数増加等の影響を受けて減収となりました。

  当第4四半期における調整後EBITDAは、 販促領域及び人材領域は減収に加えて、 来期以降の成長を見据えた戦略的且つ積極的なマーケ
  ティング投資を行ったため大幅な減益となりました。また、 2021年4月1日の組織再編に係る費用増加や新型コロナウイルス感染症拡大の影響
  等による貸倒引当金額の増額により、 前年同期比78.8%減の72億円、 調整後EBITDAマージンは4.1%となりました。

  当連結会計年度の売上収益は、 前連結会計年度比11.1%減の6,720億円、 家賃給付受託事業を除く売上収益は前連結会計年度比
  21.6%減の5,929億円となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは前連結会計年度比41.6%減の1,067億円、 調整後EBITDA
  マージンは15.9%となりました。



                                    ―4―
                             株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


                                                 前連結      当連結
                   前第4四半期    当第4四半期     増減率                          増減率
                                                会計年度     会計年度
売上収益

  販促                113.0     121.0      7.1%   438.5    456.0       4.0%

  人材                 79.1      58.2    △26.5%   314.1    214.0    △31.9%

  全社/消去               0.6       0.0    △89.4%     3.1      1.9    △39.0%

    合計              192.8     179.3    △7.0%    755.9    672.0    △11.1%

調整後EBITDA

  販促                 18.6      12.7    △31.3%   115.9     96.4    △16.9%

  人材                 18.8       4.6    △75.2%    83.4     36.8    △55.9%

  全社/消去              △3.1    △10.1         -    △16.5    △26.4         -

    合計               34.2       7.2    △78.8%   182.9    106.7    △41.6%

調整後EBITDAマージン

  販促                 16.5%     10.6%        -    26.4%    21.1%         -

  人材                 23.7%      8.0%        -    26.6%    17.2%         -

    メディア&ソリューション     17.8%      4.1%        -    24.2%    15.9%         -
(注) メディア&ソリューション事業及び販促領域の2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る
    受託料がそれぞれ、 188億円、 790億円含まれます。


販促
当第4四半期における販促領域の売上収益は、 前年同期比7.1%増の1,210億円となりました。家賃給付受託事業を除く既存事業の売
上収益は主に日本国内の一部都府県を対象に発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染症の感染者数増加等の影響を受けて、
第3四半期より減少し、 前年同期比9.7%減、 1,021億円となりました。

住宅分野では、 引き続き新築戸建てや中古物件、 賃貸物件の広告需要が堅調なことから前年同期比7.2%の増収となりました。美容分
野では、 主に新規企業クライアントの獲得が寄与し前年同期比10.6%の増収となりました。美容分野のHotPepper Beautyネット予約件
数は、 当第4四半期は前年同期比9.0%増の3,094万件、 当連結会計年度は前連結会計年度比1.5%減の11,285万件となりました。

結婚分野では挙式を控える傾向が継続し、 企業クライアントが引き続き広告宣伝費を削減した結果、 前年同期比38.2%の減収となりまし
た。また、 旅行分野では、 2021年1月から3月まで発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染者数の増加等の影響を受けて、 宿
泊者数及び宿泊単価が前年同期を大幅に下回った結果、 前年同期比29.1%の減収となりました。

飲食分野では、 国内の11都府県における緊急事態宣言を受けた営業時間短縮に加えて、 引き続き外食機会減少やテーブル数の間引き
対応等による業績影響を受けた企業クライアントが多く、 広告出稿数の減少等により前年同期比61.3%の減収となりました。HotPepperグ
ルメのネット予約人数は、 前年同期比29.0%減の1,416万人、 当連結会計年度では前連結会計年度比29.5%減の6,551万人となりま
した。

決済サービスを提供するAirペイは、 新型コロナウイルス感染症拡大を背景に非接触決済への需要が更に高まったことから、 アカウント数(注)が
引き続き増加し、 2021年3月末時点で前連結会計年度末比41.7%増の21.0万となりました。このうち、 Air ビジネスツールズの他ソリュー
ションを併用しているアカウント数は、 13.5万となりました。また、 スタディサプリは学校のICT活用推進やコロナ禍におけるオンライン教育サービス
への需要が継続した結果、 2021年3月末時点の有料会員数が前連結会計年度末比97.4%増の157万人となりました。Air ビジネスツー
ルズ及びスタディサプリの売上収益並びに家賃給付受託事業に係る収益188億円は、 その他分野に含まれます。

当第4四半期の調整後EBITDAは前年同期比31.3%減の127億円となりました。家賃給付受託事業を除く既存事業の減収による減益に
加えて、 来期以降の成長に向けてマーケティング投資を積極的に行った結果、 調整後EBITDAマージンは10.6%となりました。

当連結会計年度の売上収益は、 前連結会計年度比4.0%増の4,560億円、 家賃給付受託事業を除く売上収益は前連結会計年度比
14.0%減の3,769億円となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは前連結会計年度比16.9%減の964億円、 調整後EBITDA
マージンは21.1%となりました。

(注) 登録アカウント数は、 当該サービス登録加盟店舗数及び事業所数を指し、 アクティブ及びノンアクティブアカウントを含みます。



                               ―5―
                             株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


                                                 前連結      当連結
 販促                前第4四半期    当第4四半期     増減率                          増減率
                                                会計年度     会計年度
 売上収益

    住宅               30.6      32.8      7.2%   113.3    116.9       3.2%

    美容               21.1      23.4     10.6%    81.6     82.9       1.6%

    結婚               12.2       7.5    △38.2%    52.0     29.9    △42.4%

    旅行               16.8      11.9    △29.1%    73.4     53.8    △26.6%

    飲食                9.8       3.8    △61.3%    39.2     14.1    △64.0%

    その他              22.3      41.4     85.5%    78.9    158.1    100.4%

      合計            113.0     121.0      7.1%   438.5    456.0       4.0%

 調整後EBITDA           18.6      12.7    △31.3%   115.9     96.4    △16.9%

 調整後EBITDAマージン       16.5%     10.6%        -    26.4%    21.1%         -
 (注) 販促領域及びその他分野の2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る受託料がそ
     れぞれ、 188億円、 790億円含まれます。

 人材
 当第4四半期における人材領域の売上収益は、 前年同期比26.5%減の582億円となりました。売上収益及び前年同期比減収率は第3
 四半期から改善したものの減収となりました。

 アルバイトやパート向け求人広告サービスは、 1月に発出された緊急事態宣言による飲食店の営業時間短縮要請等の影響を受けて、 飲食
 業を中心にアルバイト・パートの採用需要が減少したため、 当第4四半期は減収となりました。


 人材紹介サービスは、 当社が紹介した候補者の入社時点に売上収益が計上される成果報酬型サービスです。第1四半期に落ち込んだ企業
 クライアントの採用需要は、 7月以降回復基調が継続するものの、 前年同期水準に満たないことから、 第4四半期も引き続き前年同期比減
 収となりました。

 当第4四半期の調整後EBITDAは前年同期比75.2%減の46億円と、 大幅な減収に伴う減益となりました。調整後EBITDAマージンは、
 来期以降の成長に向けて積極的なマーケティング投資を行った結果、 8.0%となりました。

 当連結会計年度の売上収益は、 前連結会計年度比31.9%減の2,140億円、 調整後EBITDAは前連結会計年度比55.9%減の368
 億円、 調整後EBITDAマージンは17.2%となりました。

                                                 前連結      当連結
 人材                前第4四半期    当第4四半期     増減率                          増減率
                                                会計年度     会計年度
 売上収益

    国内人材募集           70.0      50.3    △28.1%   277.8    186.5    △32.9%

    その他               9.1       7.8    △13.7%    36.2     27.4    △24.3%

      合計             79.1      58.2    △26.5%   314.1    214.0    △31.9%

 調整後EBITDA           18.8       4.6    △75.2%    83.4     36.8    △55.9%
 調整後EBITDAマージン       23.7%      8.0%        -    26.6%    17.2%         -



人材派遣事業
人材派遣事業


当第4四半期の売上収益は、 前年同期比3.9%増の3,093億円となりました。為替によるプラス影響84億円を控除した場合の売上収益は、
前年同期比1.1%増となりました。当連結会計年度の売上収益は、 前連結会計年度比4.0%減の11,988億円となり、 為替によるプラス影
響71億円を控除した当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比4.5%減となりました。

国内派遣は、 前年同期に対して営業日数が2日多かったことや、 2020年4月1日からの同一労働同一賃金の法制化に伴い請求単価は上昇
したことが売上収益にプラスに作用しました。一方、 経済動向が不透明な状況が継続する中、 新規派遣需要の低迷が継続し、 当第4四半期



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                              株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


の派遣スタッフ数が前年同期と比較して減少したことから、 売上収益は前年同期比0.8%減の1,425億円となりました。当連結会計年度の売
上収益は、 前連結会計年度比0.4%増の5,699億円となりました。

海外派遣は、 各国における新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための規制により引き続き企業クライアントの事業運営に制約が生じましたが、
特に欧州においてEコマースに関連する物流業や、 コロナ禍における医療分野での人材需要の高まりが継続したことが売上収益の回復に寄与しま
した。また、 為替変動がプラスに影響したこともあり、 売上収益は前年同期比8.3%増の1,668億円となりました。為替によるプラス影響84億円
を控除した場合の売上収益は2.9%増となりました。当連結会計年度の売上収益は、 前連結会計年度比7.6%減の6,288億円となり、 為
替によるプラス影響71億円を控除した当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比8.6%減となりました。

当第4四半期の人材派遣事業の調整後EBITDAは前年同期比44.2%減の90億円となりました。調整後EBITDAマージンは2.9%となりまし
た。当連結会計年度の調整後EBITDAは、 前連結会計年度比6.2%減の762億円、 調整後EBITDAマージンは6.4%となりました。

国内派遣の調整後EBITDAは、 前年同期比63.0%減の37億円となりました。これは主に、 派遣スタッフの募集費や企業クライアントへのマーケ
ティング費用、 来期以降のリモートワーク環境改善等のための費用を投下したことによるものです。調整後EBITDAマージンは2.7%となりました。
当連結会計年度の調整後EBITDAは、 前連結会計年度比3.4%増の487億円、 調整後EBITDAマージンは8.6%となりました。


海外派遣の調整後EBITDAは、 来期以降の成長を見据え、 人員強化のための投資を行ったことから、 前年同期比12.0%減の52億円となり
ました。調整後EBITDAマージンは3.1%となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは、 前連結会計年度比19.6%減の274億円、
調整後EBITDAマージンは4.4%となりました。

                                                       前連結        当連結
                    前第4四半期    当第4四半期         増減率                                増減率
                                                      会計年度       会計年度
売上収益

   国内派遣              143.6     142.5        △0.8%     567.8      569.9           0.4%

   海外派遣              154.0     166.8          8.3%    680.3      628.8         △7.6%

     合計              297.7     309.3          3.9%   1,248.1    1,198.8        △4.0%

調整後EBITDA

   国内派遣               10.2       3.7        △63.0%     47.1       48.7           3.4%

   海外派遣                5.9       5.2        △12.0%     34.1       27.4         △19.6%

     合計               16.2       9.0        △44.2%     81.2       76.2         △6.2%

調整後EBITDAマージン

   国内派遣                7.1%      2.7%            -       8.3%       8.6%            -

   海外派遣                3.9%      3.1%            -       5.0%       4.4%            -

     人材派遣              5.4%      2.9%            -       6.5%       6.4%            -




当連結会計年度の人材派遣事業の地域別売上収益(注)は以下のとおりです。

                     日本                北米             欧州                  豪州
売上収益                569.9          167.4             321.8           139.5
(注) 北米、 欧州、 豪州については海外派遣領域の売上収益を各子会社の所在地で分解した数値




                                ―7―
                                               株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


  各セグメントに帰属する地域別のれん金額
  各セグメントに帰属する地域別のれん金
             地域別のれん金額
  当連結会計年度末の各セグメントに帰属するのれんの帳簿価額は以下のとおりです。

                                                                のれん
   HRテクノロジー                                                    201.5
   メディア&ソリューション                                                    -
                     日本                                            -
                     海外                                            -
   人材派遣                                                        197.7
                     日本                                         27.5
                     北米                                         14.1
                     欧州                                        149.0
                     豪州                                          7.0
   合計                                                          399.3


(3) 主な経営施策
    主な経営施策


  新型コロナウイルス感染症の拡大に対する当社グループの取組み
  新型コロナウイルス感染症の拡大に対する当社グループの取組み
             症の拡大に対する当社グループの取組


  当社グループは、 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、 引き続き従業員とその家族、 個人ユーザー、 企業クライアント及び外部協力パート
  ナー等、 当社のステークホルダーの安全確保や感染拡大防止を最優先に考えながら、 事業活動に取り組んでいます。また、 各事業において、
  多様なステークホルダーの皆様に対する様々な支援・取り組みを行っています。


  上記の詳細は当社ホームページをご参照ください。
  https://recruit-holdings.co.jp/newsroom/covid19.html


  自己株式取得の終了
  自己株式取得の終了


  当社は、 2020年11月30日開催の取締役会において、 当社のキャピタル・アロケーションの方針に則り、 今後の投資余力、 市場環境及び財
  務状況の見通し等を勘案し、 自己株式取得の実施を決議後、 2021年2月26日に取得を終了しました。2021年2月26日時点の累計取得
  自己株式数は15,157,100株、 累計取得価額は68,576,962,887円でした。
  本件の詳細については以下をご参照ください。
  2021年3月1日付「自己株式の取得結果及び取得終了に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式
  の取得)」
  https://recruit-holdings.co.jp/ir/ir_news/20210301_01.html




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                               株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


(4) 資本の財源及び資金の流動性
    資本の財源及び資金の流動


  基本方針
  基本方針
  当社は、 企業価値向上につながる戦略的投資への機動的な対応と円滑な事業活動に必要な流動性の確保のため、 資金調達が必要な際に
  は適切な格付及び財務の健全性を維持しつつ、 グローバルな金融市場からの負債による資金調達を活用することを基本方針としています。
  自己資本は、 適切な資本効率を維持しつつ、 成長投資の機会等に対して機動的に対応できる財務基盤を整えること及び事業活動や資産の
  リスクと比較して十分な水準を維持します。


  資金使途
  資金使途
  運転資金、 法人税の支払い、 各セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、 借入の返済及び利息の支払
  い、 配当金の支払い、 自己株式の取得等に資金を充当しています。


  資金調達
  資金調達
  運転資金及び投資資金については、 営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、 資金需要及び金利
  動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、 調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を
  実施する場合があります。


  外部資金調達を行う運転資金のうち、 原則として、 短期の運転資金については、 金融機関からの借入、 コマーシャル・ペーパー又はその組み合
  わせにより調達することとしています。中長期の運転資金については、 金融機関からの借入、 社債又はその組み合わせにより調達することとしてい
  ます。なお、 当社は、 機動的な資金調達を可能とするため、 2,000億円(当連結会計年度末における未使用枠2,000億円)を上限とする社
  債の発行登録を行っています。


  また、 当社は、 流動性を確保し、 運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、 当連結会計
  年度末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、 当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、 当社は2020年4月30
  日に総額3,999億円のコミットメントライン契約を締結しましたが、 当連結会計年度末において、 当該コミットメントライン契約に基づく借入実行
  残高はありません。また、 当該コミットメントライン契約締結後、 当社の流動性の状況等の見直しを進めた結果、 2021年3月31日をもって当該
  コミットメントライン契約を解約し、 2021年4月1日より有効となる新たな総額2,000億円のコミットメントライン契約を締結しました。これらにより、
  当社は事業環境の大きな変化の際にも十分な流動性が確保できると考えています。


  当連結会計年度末の有利子負債の帳簿価額・期日別残高は以下のとおりであり、 期日別残高は利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フロ
  ーを記載しています。


                                                                  (単位: 百万円)
                                                     期日別残高
                           帳簿価額
                                         1年内         1年超5年内        5年超
  社債                           49,955       30,071       20,088              -
  借入金                          62,825       24,946       37,216          1,222
  合計                          112,780       55,017       57,304          1,222


  格付
  当社は、 格付機関である㈱格付投資情報センター(R&I)、 ムーディーズ・ジャパン㈱及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱から長期格付
  を取得しており、 当連結会計年度末における格付は、 それぞれAA-、 A3、 Aでした。


  キャッシュマネジメント
  キャッシュマネジメント
  当社は、 当社グループ全体の資金効率を最大化するため、 法制度上許容され、 且つ経済合理性が認められることを前提として、 主にキャッシ
  ュマネジメントシステムを通じた当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。


  当社は、 当社及び財務統括子会社に全ての通貨のキャッシュマネジメントを集約することで、 当社グループが保有する現金及び現金同等物の



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                              株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


機動性を確保しています。


当社グループは、 事業環境の悪化や成長投資機会に機動的かつ柔軟に対応できる十分な資金を有しています。当連結会計年度末時点にお
いて、 現金及び現金同等物の金額は5,010億円、 ネットキャッシュ(注1)の金額は3,882億円です。


(注1) ネットキャッシュ = 現金及び現金同等物 - 有利子負債(注2)
(注2) 有利子負債には、 社債及び借入金を含み、 リース負債を含みません。


資金運用
資金運用
資金運用は、 投機目的で行わず、 元本が保証され、 安全且つ確実で効率の高い金融商品のみで行うこととしています。


連結財政状態の概況
連結財政状態の概況


当第4四半期末時点における現金及び現金同等物の金額は5,010億円、 社債及び借入金を含み、 リース負債を含まない有利子負債の金
額は1,127億円、 この差額のネットキャッシュは3,882億円です。ネットキャッシュの金額は、 前連結会計年度末比1,037億円増加しました。


流動資産は、 主に現金及び現金同等物が増加したことにより、 前連結会計年度末比975億円(11.8%)増加しました。非流動資産は前連
結会計年度末比1,001億円(8.6%)増加しました。これは、 投資有価証券が追加取得や評価益の計上により612億円増加したことに加え、
使用権資産がオフィス契約の更新等により254億円増加したためです。


負債合計は、 主に使用権資産の増加に伴いリース負債が332億円、 営業債務が248億円増加したことにより、 前連結会計年度末比921億
円(9.2%)増加しました。


親会社の所有者に帰属する持分合計は、 前連結会計年度末比1,031億円(10.4%)増加しました。これは主に、 2020年12月7日から
2021年2月26日までに実施した685億円の自己株式取得による資本の減少や、 配当により利益剰余金が403億円減少した一方、 親会社
の所有者に帰属する当期利益及びその他の包括利益を2,086億円計上したことによるものです。


当第4四半期末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、 当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、 2021年5月
17日時点において、 2021年3月31日に締結した総額2,000億円のコミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。


なお、 当社は2,000億円(当第4四半期末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。


                         前連結会計年度         当連結会計年度                  増減率
                                                       増減
                        (2020年3月31日)    (2021年3月31日)               (%)
流動資産合計                         829.9           927.5     97.5     11.8%

非流動資産合計                      1,168.9         1,269.0    100.1         8.6%

   資産合計                      1,998.9         2,196.6    197.6         9.9%

流動負債合計                         511.7           603.1     91.4     17.9%

非流動負債合計                        491.4           492.1        0.7       0.1%

   負債合計                      1,003.1         1,095.3     92.1         9.2%

親会社の所有者に帰属する持分合計               988.4         1,091.5    103.1     10.4%

非支配持分                            7.2             9.7        2.4   33.2%

   資本合計                        995.7         1,101.2    105.5     10.6%




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                             株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


連結キャッシュ・フローの概況
連結キャッシュ・フローの概況


当四半期の現金及び現金同等物の残高は、 営業活動による収入が、 投資活動及び財務活動による支出を上回ったため、 前連結会計年度
末比797億円増加し、 5,010億円となりました。


営業活動によるキャッシュ・フローは、 前連結会計年度末比167億円減の2,865億円となりました。これは主に前連結会計年度の減益に伴い当
連結会計年度の支払い費用が減少したものの、 当連結会計年度の税引前利益が576億円減少したことによるものです。


投資活動によるキャッシュ・フローは、 前連結会計年度末比486億円支出が減少し、 △403億円となりました。主な支出項目はソフトウェア等
無形資産の取得となります。


財務活動によるキャッシュ・フローは、 主に自己株式の取得による支出を計上したものの、 前連結会計年度末比200億円支出が減少し、 △
1,727億円となりました。


                                   前連結会計年度        当連結会計年度            増減

営業活動によるキャッシュ・フロー                        303.3          286.5     △16.7

投資活動によるキャッシュ・フロー                        △88.9         △40.3          48.6

財務活動によるキャッシュ・フロー                       △192.7         △172.7         20.0

現金及び現金同等物に係る換算差額                         △3.2            6.2          9.5

  現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                    18.3           79.7         61.4

現金及び現金同等物の期首残高                          402.9          421.2         18.3

  現金及び現金同等物の四半期末残高                      421.2          501.0         79.7




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2. 来期の連結業績見通し
   来期の連結業績見通し

  新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、 米国をはじめとする一部の国や産業では旺盛な採用需要や個人消費の回復が見られるものの、 変
  異ウイルスの拡大等により、 グローバル経済全体の回復と安定にはまだ相当の時間を要すると見込んでいます。


  日本においては、 緊急事態宣言の再発出や、 欧米に比較してワクチン接種の進捗が遅れていることから、 経済活動の回復の時期や速度の見通しは
  依然として不透明です。


  世界各国で規制の緩和や再導入が実施され、 日々事業環境が変化しているため、 引き続き見通しは立てにくいものの、 当年度中に新たに大規模
  なロックダウンや緊急事態宣言の発出に伴う経済活動の長期的な停滞が起こらない前提に基づいて、 2022年3月期の連結業績見通しを開示しま
  す。


  2022年3月期は、 HRテクノロジー事業及び人材派遣事業が増収・増益となる見込みであり、 また、 メディア&ソリューション事業は、 家賃給付受託
  事業を除く2021年3月期の売上収益に対して増収となる見込みです。当社が経営指標とする調整後EBITDAは2,700億円~3,350億円、 調整
  後EPSは95.51円~126.10円となる見込みです。


  2022年3月期の連結業績予想における想定為替レートは1米ドル=108円、 1ユーロ=130円、 1豪ドル=84円です。
  2021年3月期に790億円(税抜)の売上収益を計上した家賃給付受託事業は終了したため、 2022年3月期の連結業績予想には含まれません。


                                 2021年3月期       2022年3月期             増減率

       売上収益                        2,269.3   2,450.0 - 2,600.0    8.0% - 14.6%

       調整後EBITDA                    241.6     270.0 - 335.0      11.7% - 38.6%

       営業利益                         162.8     180.0 - 245.0      10.5% - 50.5%

       税引前利益                        168.5     185.0 - 250.0       9.8% - 48.4%

       当期利益                         131.6     140.0 - 190.0       6.3% - 44.3%

       親会社の所有者に帰属する当期利益             131.3     140.0 - 190.0       6.6% - 44.6%

       調整後EPS(円)                     82.56    95.51 - 126.10     15.7% - 52.7%


  HRテクノロジー事業の米ドルベースの売上は、 2021年3月期第4四半期から続いている米国市場における採用競争の過熱感が2022年3月期の第
  1四半期も継続し、 上半期中には一服すると見込んでおり、 その後は人材需給環境が平常状態を維持することを想定し、 2021年3月期比40%
  から50%程度の増収を予想しています。


  長期的な経営戦略に沿ってユーザーとクライアント双方へのサービス拡充を図るプロダクトの強化、 並びに新規ユーザー及びクライアントの獲得に向けた
  営業体制の拡充及びマーケティング活動の展開等のために、 引き続き投資を行う計画であり、 HRテクノロジー事業の2022年3月期第1四半期の調
  整後EBITDAマージンは四半期ベースでこれまでで最も高くなる見込みですが、 通期では20%程度を見込んでいます。


  メディア&ソリューション事業の販促領域の売上収益は、 2021年3月期の家賃給付受託事業を除く売上収益に対して、 3%程度の減収から9%程
  度の増収を見込んでいます。住宅分野と美容分野は引き続き堅調に推移するものの、 再度の緊急事態宣言の発出等の影響により旅行分野及び飲
  食分野の回復時期が不透明であること、 結婚分野が引き続き低調に推移することを想定しています。


  人材領域の売上収益は、 2021年3月期比13%から24%程度の増収を見込んでいます。再度の緊急事態宣言の発出等の影響により依然として
  不透明な事業環境であるものの、 2022年3月期の中盤から後半以降には第1四半期に緊急事態宣言等の影響を受けている飲食業を中心とした
  企業クライアントの採用需要回復に伴うアルバイト・パート向け求人広告サービスの回復及び人材紹介サービスの緩やかな回復を想定しています


  長期的な戦略に沿った戦略的なマーケティング投資及び開発投資を積極的に行うこと、 一方で、 事業環境の悪化あるいは回復の遅れがある場合に
  は2021年3月期上半期同様のコスト削減策を実行することを想定し、 メディア&ソリューション事業の2022年3月期の調整後EBITDAマージンは


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                                   株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


 2021年3月期と同程度となる見込みです。


 人材派遣事業では、 国内派遣領域は新規派遣契約需要の動向が引き続き不透明であるものの、 2021年3月期と同程度の売上収益を見込んで
 います。海外派遣領域の売上収益は2021年3月期に対して5%から10%程度の増収を見込んでいます。また、 引き続き効率的な経営を進め、 人
 材派遣事業の調整後EBITDAマージンは2021年3月期と同程度となる見込みです。




3. 利益配分に関する基本方針及び当期・来期の配当
   利益配分に関する基本方針及び当期 来期の配当
              針及び当期・

 当社は、 持続的な利益成長と企業価値向上につながる戦略的投資を優先的に実行することが、 株主共通の利益に資すると考えています。加えて、
 当社は、 株主に対する利益還元をキャピタルアロケーションの重要な施策の一つとして認識し、 中長期的な資金需要・財務状況の見通しを踏まえつ
 つ、 安定的な配当を継続的に行うよう努めていきます。


 なお、 自己株式の取得については、 市場環境及び財務状況の見通し等を踏まえ、 実施の是非について検討します。


 2021年3月期の配当は、 親会社の所有者に帰属する当期利益から非経常的な損益等の影響を控除した上で連結配当性向30%程度を目安と
 し、 1株当たり20.0円(うち、 中間配当9.5円、 期末配当10.5円)としました。


 当社は中間期末日及び期末日を基準に年2回剰余金の配当を行う方針としています。


 剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、 法令に別段の定めのある場合を除き、 株主総会の決議によらず取締役会
 の決議によることとしています。


 2022年3月期以降は、 安定的な配当の継続的な実施を目指します。2022年3月期の配当額は未定です。



                                      配当金の総額             1株当たり配当額
              決議年月日
                                       (百万円)                (円)
            2020年11月16日
                                                15,681               9.5
              取締役会決議
             2021年5月17日
                                                17,173              10.5
              取締役会決議




                                      ―13―
                                              株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


4. 企業集団の状況
   企業集団の状況

  当社グループは、 1960年に日本において大学新聞に企業の求人広告を掲載し、 学生に求人情報を提供することから始まりました。設立以来、 主
  に個人ユーザーと企業クライアントを結びつけるプラットフォームを創造し運営しています。


  現在は、 テクノロジーとデータを活用し、 マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、 グローバル市場における個人ユーザーに最適な選択肢を
  提供し、 企業クライアントの更なる業務効率化を支援しています。


  また当社グループは、 個人ユーザーのプライバシー保護を含めたデータセキュリティ・プライバシー対応の強化を企業活動の重要な基盤として位置づけ、
  体制や施策を整備しています。


  当社グループは、 HRテクノロジー、 メディア&ソリューション及び人材派遣の3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、 以下、 SBUと
  いう。)ごとに統括会社を設置した経営体制により、 各SBUが迅速に事業戦略を遂行すると同時に、 当社が持株会社としての機能の集中と強化を
  図り、 戦略の策定と推進、 適切なグループガバナンスやモニタリングの実行により、 更なる企業価値の向上を実現することを目指しています。当連結会
  計年度末において、 当社の連結子会社は351社、 関連会社は8社です。


  (1) セグメント別事業内容
      セグメント別事業内容


    HRテクノロジー事業
      テクノロジー事業

    HRテクノロジー事業は、 Indeed、 Glassdoor及びその他の関連する事業で構成されています。

    Indeed及びGlassdoorは求職者が求人情報を検索したり、 企業に関する情報を収集したりすることができるオンラインプラットフォームです。
    Indeed は 「We help people get jobs」 を、 Glassdoor は 「We help people everywhere find a job and company they
    love」をミッションとして掲げ、 求職者が理想の仕事を見つけ、 求職活動に成功することがIndeed及びGlassdoorのミッションの実現に繋がってい
    ます。

    Indeedは、 アグリゲート技術と独自の検索アルゴリズムによる最も適切な求人情報を検索結果として提供することにより、 個人ユーザーの求職活
    動に変革をもたらしました。そして、 毎月約2億人(注1)以上の求職者が利用する世界最大の求人情報検索サイト(注2)になっています。
    Glassdoorは求人情報にユーザー投稿による企業や雇用条件等のレビューを組み合わせることによって、 職場の透明性を高め、 求職者の仕事
    や企業の検索や評価の方法に変革をもたらしています。この結果、 Glassdoorは個人ユーザーの投稿による企業レビューや見識を提供するオンラ
    イン求人プラットフォームのリーダーとして認識されるようになり、 毎月約5,000万人(注1)以上の求職者に利用されています。

    Indeed及びGlassdoorは、 求人情報の検索をはじめ、 履歴書の開示、 企業情報やそのレビュー、 スケジュール設定機能を含むビデオ面接
    等、 求職活動を支援する一連の機能を提供しています。企業クライアントは、 求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を双方のプ
    ラットフォームを通して行うことで、 より効率的に多様な求職者へのアプローチが可能になります。また、 IndeedとGlassdoorは、 クリック型や成功
    報酬型課金の求人広告及びオンライン登録された多数の履歴書を含む採用候補者の募集と適性を審査する機能等、 多岐に亘る採用ソリュー
    ションを通して効率的な採用活動を支援すると同時に、 ビデオ面接プラットフォームを通じた採用候補者とのマッチングを提供してします。

    (注1) 当第4四半期における Google Analyticsに基づく社内データ
    (注2) comScoreに基づく2020年3月の訪問数

    メディア&ソリューション事業
    メディア&ソリューション事
               ン事業

    メディア&ソリューション事業は日本国内において、 住宅、 美容、 結婚、 旅行、 飲食、 その他の各事業分野に合わせた企業クライアントの集
    客・顧客管理、 決済にわたる事業運営に係る各種ソリューションを提供する販促領域、 個人ユーザーの求職活動及び企業クライアントの採用活
    動支援サービスを提供する人材領域で構成されています。

    両領域で、 個人ユーザーと企業クライアントを結ぶマッチングプラットフォーム、 テクノロジーやデータを駆使して企業クライアントの業務運営の効率
    化を支援するSaaS (Software as a Service)ソリューションを提供しています。SaaSソリューションには、 事業分野特化型のバーティカル
    SaaSソリューション及び事業分野横断型のホリゾンタルSaaSソリューションがあります。

    メディア&ソリューション事業は、 個人ユーザーのプライバシーを尊重し、 当社のパーソナルデータ指針に則ったデータ活用を遵守し、 オンラインプラッ



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トフォーム及び紙メディア上で、 個人ユーザーが安心して利用できる利便性の高いサービスを通じて、 最適な選択肢を提供しています。

販促領域が提供するマッチングプラットフォームは、 住宅分野はSUUMO、 美容分野はHotPepper Beauty、 結婚分野はゼクシィ、 旅行分
野はじゃらん、 飲食分野はHotPepperグルメ等があり、 主にマッチングプラットフォームへの広告掲載課金体系を採用していますが、 旅行分野等
一部の分野はトランザクション課金を採用しています。

各事業分野のマッチングプラットフォームに付随して、 住宅分野ではオンライン物件在庫管理システム、 クラウドベースの予約・顧客管理システムと
して、 美容分野ではSALON BOARD、 飲食分野ではレストランボード、 旅行分野ではオンライン予約システム及び決済サービス、 カーセンサー
では在庫仕入ソリューション、 スタディサプリでは学生・社会人向けのオンライン学習サービスといった、 バーティカルSaaSソリューションを提供していま
す。

また、 バーティカルSaaSソリューションに加えて、 Air ビジネスツールズをはじめとするホリゾンタルSaaSソリューションを提供し、 事業分野を問わず
幅広い業界に共通する事業運営の課題を解決することで、 より多くの企業クライアントの業績及び生産性の向上を目指しています。

例えば、 Airペイは需要が高まっているキャッシュレス決済導入の課題に対して、 多様な業種・環境の店舗にてクレジットカード、 電子マネー、 QR
の利用を可能とする決済サービスとして、 Airレジは企業クライアントの会計・決済業務において、 POSレジ機能に加えて商品管理や売上分析機
能を提供し、 加えて会計ソフトや予約管理システムとのスムーズな連携を可能にすることで、 課題解決を支援しています。

また、 電話、 ネット、 店舗での予約一元管理機能のAirリザーブ、 受付管理機能のAirウェイトを通じて予約管理や窓口業務の効率化を支援
しています。SaaSソリューションの提供は主にサブスクリプション及びトランザクション課金体系を採用しています。

人材領域では、 オンラインプラットフォームとして、 就職活動を行う学生向けのリクナビ、 転職活動を行う社会人向けのリクナビNEXT、 アルバイト
やパート等の求職者向けのタウンワーク等を運営しています。オフラインではアルバイトやパート等の求人情報誌タウンワークを発行しています。また、
リクルートエージェント等を通じて人材紹介サービスを提供しています。

また、 人材領域ではAirシフトをはじめ、 クラウドベースの応募情報一元管理システムであるジョブオプLite、 単発アルバイト求人システムであるジョ
ブクイッカー等のホリゾンタルSaaSを提供しています。

日本国内における人材マッチングサービスの他に、 国内における人材育成サービス関連事業や、 アジア地域にて人材紹介サービス事業を運営し
ています。




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  人材派遣事業
  人材派遣事業


  人材派遣事業は、 国内派遣領域及び海外派遣領域で構成され、 事務職派遣、 製造業務・軽作業派遣及び各種専門職派遣等の人材派
  遣サービスを提供しています。労働者の派遣に際しては、 予め派遣スタッフを募集・登録し、 当該登録者の中から派遣先企業の希望する条件に
  合致する派遣スタッフを人選し、 当社グループとの間で雇用契約を締結した上で、 派遣先企業へ派遣しています。


  国内、 海外共にマーケット特性に応じて組織をユニット単位に区分し、 権限移譲により、 各ユニットがマーケットに最適な戦略を実行することによ
  って、 利益の最大化を目指すユニット経営を推進しています。


  国内派遣領域においては、 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の規定に従い、 厚生労働大臣
  の許可を受けて派遣スタッフを募集・登録し、 企業へ派遣する労働者派遣事業等を行っており、 ㈱リクルートスタッフィング及び㈱スタッフサービス・
  ホールディングス等を通じて、 サービスを提供しています。


  海外派遣領域では、 北米のStaffmark Group, LLC及びThe CSI Companies Inc.、 欧州のADVANTAGE RESOURCING UK
  LIMITED、 Unique NV、 RGF Staffing France SAS、 RGF Staffing Germany GmbH及びUSG People Holdings B.V.、 並
  びに豪州のChandler Macleod Group Limited等を通じて、 サービスを提供しています。


(2) 事業の内容と当社グループ各社の位置づけ
    事業の内容と当社グループ各社の位置づ
               プ各社の位置づけ


  2021年3月31日時点において、 当社グループの主な事業の内容と当社又は主な関係会社の当該事業における位置づけ及びセグメントとの関
  連は以下のとおりです。


  セグメントの名称
                    主な事業内容
  (SBU統括会社)
  HRテクノロジー
                    テクノロジーを活用した求人広告や採用ソリューションサービスをグローバルに提供
  事業
  (RGF OHR USA,
                      主な会社                                 主なサービス
  Inc.)
                      Indeed, Inc.,                        Indeed
                      Glassdoor, Inc.                      オンライン求人情報プラットフォーム及び企業情報サ
                                                           イト


                                                           Glassdoor
                                                           オンライン求人情報プラットフォーム及び企業情報サ
                                                           イト




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セグメントの名称
               領域
(SBU統括会社)
メディア&ソリューション
               販促領域
事業
(㈱リクルート)
                主な事業内容                        主なサービス

                主に日本国内にて、 住宅、 美容、 結婚、 旅行、 SUUMO
                飲食及びその他の各事業分野に合わせた、 マッチ 住宅の売買/賃貸/リフォームに関するオンラインプラ
                ングプラットフォームを通じた企業クライアントの集客 ットフォーム・情報誌及び新築マンション/注文住宅
                支援サービス及び経営・業務効率の改善を支援す 購入に関する相談カウンター
                るSaaSソリューションを提供
                主な会社                          HotPepper Beauty
                                              ヘアサロン/リラクゼーション&ビューティーサロンのオン
                ㈱リクルート住まいカンパニー
                                              ラインプラットフォーム及び情報誌
                ㈱リクルートライフスタイル
                ㈱リクルートマーケティングパートナーズ
                                              ゼクシィ
                                              ゼクシィ
                                              結婚式の準備から結婚後の新生活までの結婚に
                                              関するオンラインプラットフォーム・情報誌・相談カウン
                                              ター


                                              じゃらん
                                              じゃらん
                                              主に国内旅行の宿/ツアー/周辺観光に関するオン
                                              ラインプラットフォーム及び情報誌


                                              HotPepperグルメ
                                                       グルメ
                                              飲食店の情報と割引クーポンを掲載したオンライン
                                              プラットフォーム及び情報誌


                                              カーセンサー
                                              カーセンサー
                                              中古車を軸に車の購入、 買い替えに関するオンラ
                                              インプラットフォーム及び情報誌


                                              スタディサプリ・スタディサプリ進路
                                              スタディサプリ・スタディサプリ進路
                                              学生及び社会人のインターネット学習支援サービス
                                              及び高校生の進学情報に関するオンラインプラットフ
                                              ォームサイト


                                              Air ビジネスツールズ
                                                  ビジネスツールズ
                                              事業分野を問わず幅広い企業クライアントに提供
                                              するクラウドベースの業務・経営支援ソリューション




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                人材領域

                 主な事業内容                             主なサービス
                 主に日本国内にて、 当社グループが有するオンライ           リクナビ
                                                    リクナビ
                 ンプラットフォーム及び紙メディア、 人材紹介サービ          就職活動を行う学生向けオンラインプラットフォーム
                 スを通じて、 個人ユーザーの求職活動及び企業ク
                 ライアントの採用活動を支援するサービスを提供             リクナビNEXT
                                                    リクナビNEXT
                 主な会社                               転職活動を行う社会人向けオンラインプラットフォー

                 ㈱リクルートキャリア                         ム

                 ㈱リクルートジョブズ
                                                    リクルートエージェント
                                                    リクルートエージェント
                                                    転職活動をサポートする人材紹介サービス


                                                    タウンワーク
                                                    タウンワーク
                                                    アルバイトやパート等の求職者向けオンラインプラット
                                                    フォーム及び情報誌


セグメントの名称
                領域
(SBU統括会社)
人材派遣事業
                国内派遣領域
(RGF Staffing
B.V.)            主な事業内容

                 国内における人材派遣サービスを提供

                 主な会社
                 ㈱リクルートスタッフィング
                 ㈱スタッフサービス・ホールディングス

                海外派遣領域

                 主な事業内容

                 北米、 欧州及び豪州等における人材派遣サービスを提供

                 主な会社
                 Staffmark Group, LLC
                 The CSI Companies, Inc.
                 ADVANTAGE RESOURCING UK LIMITED
                 Unique NV
                 RGF Staffing France SAS
                 RGF Staffing Germany GmbH
                 USG People Holdings B.V.
                 Chandler Macleod Group Limited


なお、 当社は特定上場会社等に該当し、 インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、 上場会社の規模との対比で定められる数値
基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。




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(3) 事業系統図
    事業系統図




    (注) メディア&ソリューション事業のSBU統括会社である㈱リクルートは、 2021年4月1日に完全子会社(当社の孫会社)である主要な中核事
    業会社・機能会社を㈱リクルートに統合しました。これら各中核事業会社・機能会社が、 培ってきた事業運営ノウハウや多様な人的資産を㈱リク
    ルートに集約することで、 更なる提供価値の向上と、 新しい価値の創造による社会への貢献を目指します。




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5. 経営方針
   経営方針

  (1) 経営の基本方針
      経営の基本方針
      当社グループの経営理念として、 基本理念、 ビジョン(目指す世界観)、 ミッション(果たす役割)、 バリューズ(大切にする価値観)を掲げていま
    す。


     基本理念                   私たちは、 新しい価値の創造を通じ、 社会からの期待に応え、
                            一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。

     ビジョン                   Follow Your Heart
     (目指す世界観)               一人ひとりが、 自分に素直に、 自分で決める、 自分らしい人生。本当に大切なことに夢
                            中になれるとき、 人や組織は、 より良い未来を生み出せると信じています。

     ミッション                  まだ、 ここにない、 出会い。
     (果たす役割)                より速く、 シンプルに、 もっと近くに。


                            私たちは、 個人と企業をつなぎ、 より多くの選択肢を提供することで、 「まだ、 ここにない、
                            出会い。」を実現してきました。


                            いつでもどこでも情報を得られるようになった今だからこそ、 より最適な選択肢を提案するこ
                            とで、 「まだ、 ここにない、 出会い。」を、 桁違いに速く、 驚くほどシンプルに、 もっと身近に
                            していきたいと考えています。

     バリューズ
     (大切にする価値観)

     新しい価値の創造               個の尊重                     社会への貢献


     世界中があっと驚く未来のあたりまえを創り   すべては好奇心から始まる。一人ひとりの      私たちは、 すべての企業活動を通じて、
     たい。遊び心を忘れずに、 常識を疑うこと   好奇心が、 抑えられない情熱を生み、 そ     持続可能で豊かな社会に貢献する。
     から始めればいい。良質な失敗から学び、    の違いが価値を創る。すべての偉業は、       一人ひとりが当事者として、 社会の不に
     徹底的にこだわり、 変わり続けることを楽   個人の突拍子もないアイデアと、 データや     向き合い、 より良い未来に向けて行動し
     しもう。                   事実が結び付いたときに始まるのだ。私た      よう。
                            ちは、 情熱に投資する。


    これらを実現するため、 当社グループが創業より大切にし活用してきたリボンモデルをビジネスモデルの基礎としています。リボンモデルとは、 個人ユー
    ザーと、 企業クライアントのマッチング・プラットフォームを作り出し、 より多くの最適なマッチングソリューションを提供することにより双方の満足を追求す
    るビジネスモデルです。


    現在は、 テクノロジーとデータを活用することで、 マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、 個人ユーザーに対して最適な選択肢を提供
    し、 企業クライアントに対して更なる業務効率化を支援しています。



  (2) 目標とする経営指標
      目標とする経営指標


    当社グループは、 長期的な利益成長と企業価値及び株主価値の最大化に向け、 新規事業投資や開発費用、 M&A等の成長投資を機動的
    かつ積極的に実行していきます。そのための主な経営指標を調整後EBITDA(注1)及び調整後EPS(注2)と設定し、 特に調整後EBITDAの達
    成度を役員の報酬に連動させることにより、 株主の皆様との価値共有を促進しています。


    (注1) 調整後EBITDA: 営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)
         ±その他の営業収益・費用
    (注2) 調整後EPS(調整後1株当たり当期利益): 調整後当期利益(注3)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)



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  (注3) 調整後当期利益: 親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注4)(非支配持分帰属分を除く)
       ±調整項目の一部に係る税金相当額
  (注4) 調整項目: 企業結合に伴い生じた無形資産の償却額 ±非経常的な損益(注5)
  (注5) 非経常的な損益: 子会社株式売却損益、 事業統合関連費用、 固定資産売却損益/除却損等、 恒常的な収益力を表すために当
       社が非経常的であり、 利益指標において調整すべきであると判断した損益



(3) 経営戦略
    経営戦略


  当社グループでは、 テクノロジーの進化等により急速に変化する事業環境に対応し、 グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉
  え、 迅速な意思決定の下で、 企業価値及び株主価値の最大化に取り組んでいます。具体的には、 HRテクノロジー事業、 メディア&ソリューショ
  ン事業の人材領域及び派遣事業を通して、 人材マッチング市場におけるマッチングの圧倒的な質の向上と、 メディア&ソリューション事業が提供す
  る、 SaaSソリューションによる日本の企業クライアントの業績向上及び生産性改善を目指しています。


  加えて、 不確実性が高まる中で持続的な企業価値向上を目指すためには、 健全なガバナンスのもとで、 企業活動全体を通じて社会や地球環
  境にポジティブなインパクトを与え、 全てのステークホルダーとの共存共栄を目指す必要があると考えています。そのためESG(環境・社会・ガバナン
  ス)について具体的な目標を掲げ、 取締役会においてその進捗状況を確認し議論するとともに、 ステークホルダーとの対話を継続しながら、 その実
  現に向けて取組んでいます。


  当社グループ全体の経営戦略と対処すべき課題は、 以下の通りです。


  Simplify Hiring - 人材マッチング市場におけるマッチングの質の圧倒的な向上
                    人材マッチング市場におけるマッチングの質の圧倒的な向上
                               けるマッチングの質の圧倒的な向


  当社グループは、 グローバルな人材マッチング市場において、 テクノロジーとデータを駆使してマッチングの質とスピードを圧倒的に向上させ、 採用プ
  ロセスを簡単にすることを目指しています。HRテクノロジー事業のIndeedとGlassdoor、 メディア&ソリューション事業、 人材領域のタウンワークやリ
  クナビといったオンライン求人プラットフォーム、 人材紹介サービス、 人材派遣事業等、 人材マッチング市場の多くの領域で事業を運営しながら、
  同時に、 これまでの伝統的な人材採用手法やプロセスの革新に取り組んでいます。


  世界最大規模の求人情報及び企業情報プラットフォームであるIndeedとGlassdoorによって、 多様な求職者や、 事業規模を問わず多くの企
  業クライアントが利用するグローバル人材マーケットプレイスを構築してきました。当社グループのテクノロジーは求職者に最適な求人情報を提供し、
  企業クライアントに最適な採用候補者を紹介することができ、 求人広告市場のみならず、 その他の人材マッチング市場にも変革をもたらすことが可
  能となります。


  長期的には、 長年蓄積されたマッチングデータとAIや機械学習を組み合わせることで、 ボタンをクリックするだけで求職者と企業クライアントのマッチ
  ングができるような、 より速く効率的な採用を目指します(注1)。これは人材マッチング市場において当社グループが事業展開しているすべての領域
  に応用できると考えています。


  当社グループは、 オンライン求人広告及び採用ツール市場、 人材紹介市場、 エグゼクティブサーチ市場、 人材派遣市場の総称と定義する人材
  マッチング市場について、 2020年におけるグローバル市場規模を1,310億米ドル程度(注2)と推定しています。


  HRテクノロジー事業の主な事業展開領域である、 オンライン求人広告及び採用ツール市場はグローバルで年間売上金額ベースで160億米ドル
  程度(注3)と推定しており、 新型コロナウイルス感染症の影響で2020年は市場規模が縮小したものの、 長期的には成長すると考えています。一
  方で、 当社グループが年間売上金額ベースで30億米ドル(注4)を超える規模と見積もるオフライン求人広告市場は新型コロナウイルス感染症の
  影響で2020年は市場規模が縮小しましたが、 今後もオンライン求人広告市場に流入を続けながら縮小していくと考えています。当社グループは、
  Indeed及びGlassdoorを中心とするHRテクノロジー事業を主軸として、 オンラインツールを活用したマッチングの効率性向上によって、 同市場で
  の持続的な成長を目指します。


  前連結会計年度においては、 人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場を人材マッチング市場の構成要素の1つとしていましたが、 当連結会計年
  度においては、 人材紹介市場、 エグゼクティブサーチ市場の2つに分けて記載しています。




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人材紹介市場は、 2020年におけるグローバル市場規模を260億米ドル程度(注5)と推定しています。当社グループはメディア&ソリューション事
業の人材領域にて事業展開していますが、 同市場における多くのサービスは属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルを採用しています。当
社グループは、 Indeed HireやIndeed Hiring Eventsで得た知見や技術を基に、 最近リリースしたIndeed Hiring Platform等のツールを
用いて、 ソーシング、 スクリーニング、 面接の日程調整、 採用後の配置等のプロセスを自動化することで、 同市場での長期的な成長を目指しま
す。また、 テクノロジーを活用した効率化とコスト削減により、 企業クライアントが現在利用している社外のサービスやソフトウェアを代替することを目
指します。


加えて、 現在は企業クライアントの採用担当者が行っている採用関連業務を、 テクノロジーを活用し自動化することで中長期的に事業機会を創
出していきます。当社グループは、 この事業機会と人材紹介市場を組み合わせたものを採用オートメーション市場と定義しています。採用オートメ
ーションは発展の初期段階にあるため、 現時点では市場規模の定量化は行っていません。


また、 エグゼクティブサーチ市場はグローバルで年間売上金額ベースで190億米ドル程度(注5)の市場規模であると推定しています。当社グループ
は、 主にメディア&ソリューション事業の人材領域にて同事業を展開しています。同市場における多くのサービスは、 人材紹介市場と同様に属人
的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルによるものですが、 HRテクノロジー事業にて、 テクノロジーを活用した人材マッチングサービスIndeed
Hireを導入し、 現状の業界水準対比で非常に効率的且つ費用対効果の高いサービスを提供することで、 同市場での成長を目指します。


更に、 人材派遣市場は、 グローバルで年間売上金額ベースで3,710億米ドル程度(注5)の市場規模であると推定しており、 売上金額から派
遣スタッフの給料や関連する費用を控除した売上総利益金額は670億米ドル程度(注6)と推定しています。当社グループは、 同市場において中
長期的に、 テクノロジーを活用して人材派遣事業の効率化につながるサービスを提供し、 革新的なソリューションの可能性を模索していきます。


グローバル人材マッチング市場規模(注7)は、 経済成長及び労働市場の状況との連関性が高く、 各国政府による新型コロナウイルス感染症の
拡大防止対応の影響を受けて、 2020年は市場規模が縮小しました。当社グループは、 2021年に新型コロナウイルス感染症の影響が低減す
るに伴って人材マッチング市場は再び成長に転じると想定しており、 人材マッチング事業で培ってきた事業ノウハウやテクノロジーを活用しながら、 求
職者及び求人企業をサポートしていきます。


(注1) 当社グループは当該領域において法的規制が存在する可能性を認識しており、 それらの規制を遵守するよう努めています。
(注2) 本項に記載する、 求人広告及び採用ツール市場、 人材紹介、 及びエグゼクティブサーチ市場における売上金額ベースのそれぞれの市
     場規模、 並びに人材派遣市場における売上総利益ベースの市場規模に関する当社グループによる推計値の単純合計額。当社グルー
     プによる推計値の算出方法は(注3)から(注6)を参照
(注3) 2020年における当社グループがHRテクノロジー事業のサービスを提供している国のオンライン求人広告におけるHRテクノロジー事業の売
     上及び主要な競合他社の売上総額についての外部調査機関のレポートの数値を当社グループの推計に基づき一部保守的に修正した
     金額にLinkedInのタレントソリューション事業の年間売上金額について同社の公表資料から当社グループの推計に基づき保守的に修正
     した値を合算した額
(注4) オンライン求人広告及び採用ツール市場の160億米ドル((注3)をご参照ください。)に、 2020年における広告市場全体におけるオンライ
     ン広告及びオフライン広告(但し、 テレビ、 映画及びラジオ広告等を除く。)の比率(外部調査機関のレポートに基づく。)を乗じた額
(注5) SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2020 Updateに基づく2019年の人材派遣市場の
     売上金額である4,420億米ドルに、 同資料に基づく予測成長率のマイナス16%を適用して2020年の市場規模を算定。同資料におい
     ては、 人材紹介市場を「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部と分類し、 「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」をグローバ
     ル人材市場の一部と分類しています。「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」と人材紹介市場の市場規模は、 上記SIAの資料におけ
     るグローバル人材市場規模の数値に対し、 当社が第三者機関から入手した非公開の市場データであるこれらのセグメントのグローバル人
     材市場に対する国別の比率を適用して算定。エグゼクティブサーチ市場は、 人材紹介市場を除いた「人材紹介及びエグゼクティブサーチ
     市場」の一部として定義され、 これら2つのセグメント間の差分として算定
(注6) SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2020 Update に基づく2020年の人材派遣市場の
     売上金額3,710億米ドルに、 2020年におけるグローバル人材派遣上場企業の売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均
     18.2%を適用して算出した額
(注7) 本項に記載する求人広告及び採用ツール市場、 人材紹介市場、 エグゼクティブサーチ市場、 及び人材派遣市場の市場規模について
     は、 (注2)から(注6)に記載のとおり外部の統計資料や公表資料を基礎として当社グループが推計したものであり、 その正確性にはかかる
     統計資料や推計に固有の限界があるため、 実際の市場規模はかかる推計値と大きく異なる可能性があります。


Help Businesses Work Smarter - SaaSソリューションによる日本国内企業クライアントの業績及び生産性向上
                                   ソリューションによる日本国内企業クライアントの業績及び生産性向上
                                              本国内企業クライアントの業績及び生産性向


メディア&ソリューション事業は、 日本国内の企業クライアントの業績及び生産性の更なる向上の支援を目指しています。当社が従前より日本国
内の販促・人材領域で提供してきたサービスを更に進化させ、 テクノロジーやデータを駆使したオンラインプラットフォームや業務・経営支援ツールで



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                               株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


あるSaaSソリューションの提供を通じて、 企業クライアントの集客・顧客管理、 採用や人材管理、 決済等にわたる、 事業運営に係る経済活動
全般を支えるエコシステムを構築していきます。


企業クライアントの業績及び生産性の向上のためには、 それぞれのお店や企業の事業運営に寄り添うことで課題を特定し、 データとテクノロジーを
駆使したソリューションの迅速な提供が不可欠です。具体的には、 各事業分野における、 主に集客支援に特化した既存のオンラインプラットフォー
ムと、 それらに付随する業務効率の向上を支援するバーティカルSaaSソリューション及び事業分野を問わず幅広い業界の企業クライアントに共通
する事業運営の課題を解決するホリゾンタルSaaSソリューションの開発と提供を進めています。


2021年4月に国内の中核事業会社・機能会社7社の統合と組織改編を実施したことにより、 従来から営業担当者が培ってきた企業クライアン
トとの関係を基盤としながら、 エンジニアリングやデータサイエンスが企業クライアントの課題解決に迅速に貢献できる組織構造となりました。


企業クライアントの事業運営を支えるエコシステムへの進化を実現する過程では、 SaaSソリューションの登録アカウント数が最重要指標であると考
えています。2021年3月末時点のSaaSソリューション登録アカウント数は、 当社が有するマッチングプラットフォームの登録アカウント数を上回って
伸長しています。


日本国内におけるアカウント数の規模及び今後の成長見通しに関しては、 例えばホリゾンタルSaaSソリューションのAir ビジネスツールズの日本に
おける潜在顧客数を約290万程度(注8)と推定しており、 アカウント数が成長する余地は依然として大きいと認識しています。新型コロナウイルス
感染症拡大による非接触決済手段への需要が高まっていることで、 Airペイのアカウント数が特に増加しており、 2021年3月末時点では約21.0
万(注9)、 前年同期比41.7%増となりました。


また、 AirペイとAir ビジネスツールズの他のソリューションを併用する企業クライアントも増加しています。2021年3月末時点のAirペイアカウント数
約21.0万のうち、 他ソリューションを併用しているアカウント数は約13.5万となりました。今後もAirペイのアカウント数の伸長が、 SaaSソリューショ
ンの利用アカウント数増加に寄与していくと考えています。




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                                             株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


(注8) 出典:総務省・経済産業省「平成28年経済センサス-活動調査結果」及び中小企業基本法における中小企業者の定義等に基づき、
     中小企業者の事業所数を業種別に算定した上で、 2020年3月末時点のAir ビジネスツールズの利用実績を踏まえて、 Air ビジネスツ
     ールズの導入可能性があると当社が判断した業種に属する中小企業者の事業所数を合計することにより推計しています。なお、 潜在店
     舗数の推計に当たり、 2020年3月末時点のAir ビジネスツールズ登録アカウント数が20アカウント以上存在する業種をAir ビジネスツ
     ールズの導入可能性があると判断しています。また、 2021年3月末時点のAir ビジネスツールズ登録アカウントは、 アクティブでないアカウ
     ントを含みます。
(注9) 登録アカウント数は、 当該サービス登録加盟店舗数及び事業所数を指し、 アクティブ及びノンアクティブアカウントを含みます。


Prosper Together -ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長
                  ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成
                             栄を通じた持続的な成長


当社グループは、 企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、 全てのステークホルダーとの共存共栄を目指していくこ
とが、 当社の持続的な成長につながると考え、 ESG(環境・社会・ガバナンス)について以下の目標を掲げます。


環境(E)については、 気候変動への取組みとして、 2031年3月期に自らの事業活動及びバリューチェーン全体を通した温室効果ガス排出量のカ
ーボンニュートラルを目指します(注10)。また短期的には、 2022年3月期に当社グループの事業活動における温室効果ガス排出量のカーボンニ
ュートラルを目指します。


社会(S)については、 人々にとって欠かせない生活基盤である「仕事」において、 当社グループの事業を通じて社会に大きなインパクトを創出するこ
とができると考えています。求職者と仕事のマッチングを圧倒的に速くすることで、 失業期間の短縮に貢献していきます。具体的には、 2031年3月
期までに就業までに掛かる時間を、 2022年3月期比で半分に短縮することを目指します(注11)。また、 マッチングの効率化だけではすぐに解決
することが難しい、 雇用市場に存在する職に就く障壁をテクノロジーとパートナーシップを活用して低減することで、 2031年3月期までに累計
3,000万人の障壁を持つ求職者の就業を支援することを目指します(注12)。


また当社グループは、 創業以来、 従業員一人ひとりの違いを大切にすることで新たな事業やサービスを生み出し、 社会に価値を提供してきまし
た。従業員の価値創造に向けた意欲を最大化することを、 改めて経営の重要テーマと位置付け、 ダイバーシティ&インクルージョンに取組みます。
特に、 ジェンダーについては当社グループ全体で目標を定め、 2031年3月期までに上級管理職・管理職・従業員それぞれにおける女性比率を
約50%とすることを目指します(注13)。


ガバナンス(G)については、 経営の透明性と健全性を向上し、 経営の意思決定の質を上げるため、 2031年3月期までに当社の監査役を含む
取締役会構成員の女性比率を約50%にすべく、 定時株主総会の選任議案を上程することを目指します(注14)。


詳細は、 2021年5月17日発表の「サステナビリティへのコミットメントについて」をご覧ください。
https://recruit-holdings.co.jp/ir/ir_news/20210517_03.html


(注10) 事業活動における温室効果ガス排出量は、 スコープ1(オフィスにて直接排出される温室効果ガス)、 スコープ2(オフィスにて間接的に排
      出される温室効果ガス)の合計を示しています。バリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量は、 スコープ3(スコープ1, 2を除く間接的
      に排出される温室効果ガス)を示しています。カーボンニュートラルには、 温室効果ガス排出量の削減に加え、 残りの排出量のオフセットを
      含みます。
(注11) 求職者がIndeedの求人広告プラットフォームにおいて仕事に応募してから就業するまでの期間。対象データ入手可能先の平均値。
(注12) 2021年5月17日現在では、 人種/民族、 年齢、 心身障がいの有無、 学歴等による障壁を想定していますが、 今後も雇用市場に
      おける課題を見極めた上で、 現在の想定に限定せず、 様々な障壁の低減を行っていきます。Indeedの求人広告プラットフォーム上の
      応募を通じた就業、 Indeedが支援する国際NPOのGoodwill Industries Internationalや英国の公益財団であるShaw Trust
      等を通じた就業等を含みます。
(注13) 2021年4月1日時点の女性比率は、 上級管理職において10.0%、 管理職において41.5%、 従業員において51.5%。上級管理
      職は、 当社及びメディア&ソリューション戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit, 以下SBU)においては執行役員・専門役
      員、 HRテクノロジーSBUと人材派遣SBUにおいては主要子会社社長・重要機能トップを示します。管理職・従業員の女性比率は、 当
      社、 全SBU統括会社及び各SBU配下の主要会社にて集計。管理職は、 上級管理職以外の部下を持つ全ての管理職。
(注14) 取締役会構成員は、 取締役及び監査役の全体を示します。尚、 2021年5月17日時点の当社の取締役会構成員(取締役及び監
      査役)の女性比率は20%。




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                               株式会社リクルートホールディングス(6098) 2021年3月期 決算短信


  当社グループ全体の経営戦略を推進するために取り組んでいる各SBU事業戦略は、 以下のとおりです。


  HRテクノロジー事業
  より効率的な求職活動及び採用活動の需要に応え、 テクノロジーと当社が保有する膨大なデータを活用することにより、 IndeedとGlassdoorの
  求人広告事業及び採用ソリューション事業のグローバル市場での更なる売上収益の成長に注力していきます。


  メディア&ソリューション事業
  販促領域のオンラインプラットフォームを通じた販促支援は、 各事業分野の市場における強固なポジションを活かし、 継続的な成長を目指しま
  す。人材領域における人材マッチングサービスは、 サービスの強化及びIndeedとの連携を推進し、 企業クライアント数の拡大を目指します。SaaS
  ソリューションの提供においては、 企業クライアントのアカウント数の成長に注力していきます。


  人材派遣事業
  幅広い業界で求職者への就業機会や企業クライアントへの柔軟な労働サービスを提供しながら、 安定的な事業運営を目指します。