5974 中国工 2019-03-20 16:00:00
事業の現状、今後の展開等について [pdf]

                                      平成 31 年 3 月 20 日
各 位


                       会   社   名   中国工業株式会社
                       代 表 者 名     代表取締役社長      野 村 實 也
                       コード番号       5974         東証第 1 部
                       問 合 せ 先      常務執行役員 経営管理部長
                                                 小 田 和 守
                                          (TEL 0823-72-1322)



            事業の現状、今後の展開等について

 当社は、下記のとおり事業の現状及び今後の展開等について、株式会社 東京証券取引所
に対し、同社有価証券上場規程第 311 条第 1 項第 4 号本文に定める書面を提出いたしまし
たので、お知らせいたします。
 本書面の提出により、平成 31 年 9 月末日までのいずれかの月において、月間平均時価
総額及び月末時価総額が 20 億円以上となったときは、市場第二部銘柄指定替え基準に該
当しないこととなります。
 当社は、この度 時価総額基準に抵触いたしましたが、下記「2.今後の展開について」
に記載いたしました事業計画の推進により、業績向上を図り、市場の信頼を回復すること
によって、今後とも東京証券取引所 市場第一部上場を維持するよう努めてまいる所存であ
ります。



1.事業の現状について
(1) 事業の概要
   当社グループは、LPガス容器、LPガスバルク貯槽等LPガス関連製品を含む高
  圧ガス容器などの製造販売、及び高圧ガス製造・消費プラントの設計施工に係る高圧機
  器事業、鉄鋼メーカー向けインナーカバー他各種鉄構製品の製造販売に係る鉄構機器
  事業、飼料用タンク、飼料用コンテナ、及び各種FRP(強化プラスチック)製品な
  どの製造販売に係る施設機器事業、一般区域貨物運送業、引越業他に係る運送事業を
  企業、事業家向けを主体として、国内において事業展開しております。
   なお、LPガス容器、インナーカバー及び飼料用タンクは 50 年以上に亘って国内に
  おいてトップシェアを維持しております。
   当社グループを取り巻く経営環境は、LPガス関連分野においては、他のエネルギ
  ーとの自由化による競争激化などの影響もあり、主力製品のLPガス容器の需要に当
  面大幅な増加が期待できないと予想され、一方、畜産資材関連においては、当面畜産



                       1
 業界への国庫補助事業の継続により需要が増加傾向にありますが、総じて厳しい状況
 で推移すると思われます。このような経営環境に対処し、将来にわたり持続的な成長
 と企業価値の最大化に向けて、
              「売上拡大」「生産性の向上」と「新製品の開発」によ
                    、
 る業績の向上に継続して取り組んでおります。


(2) 業績の推移
  こうした状況の中で、当期(平成 31 年 3 月期)の第 3 四半期連結累計期間の売上高
 は、鉄構機器事業及び運送事業が減収となりましたものの、高圧機器事業及び施設機
 器事業が増収となりました結果、94 億 71 百万円(前年同期比 4 億 7 百万円の増収)
 となりました。利益面では、主要な製品に使用する鋼材価格の値上がりや、運送業界
 のトラック運転手不足による運搬費の値上がり等に伴うコストアップ分を回収するべ
 く製品価格の値上げやコスト削減に努めましたが、コストアップの影響が大きく、営
 業利益が 42 百万円(同 72 百万円の減益)、経常利益が 66 百万円(同 73 百万円の減
 益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が 9 百万円(同 22 百万円の減益)となりま
 した。


  セグメントの種類別の業績は以下のとおりであります。
  【高圧機器事業】
       主力製品であるLPガス容器の販売数量は減少したものの、LPガスプラント
    工事の受注が増加したことにより、事業全体の売上高は 57 億 61 百万円となり、
    前年同期を 3 億 39 百万円(6.3%)上回りました。しかしながら、セグメント利益
    は、コスト削減等に努めましたが、売上製品構成の変動や鋼材価格の値上がり等
    による影響が大きく前年同期を 72 百万円下回る 1 億 87 百万円となりました。
  【鉄構機器事業】
       鉄鋼メーカー向けインナーカバーは前年同期並みに推移しましたものの、その
    他の鉄構製品が減少し、事業全体の売上高は 3 億円となり、前年同期を 78 百万
    円(20.6%)下回りました。また、セグメント利益は、売上高の減少により前年同
    期を 28 百万円下回る 33 百万円となりました。
  【施設機器事業】
       飼料用タンクの販売数量の増加により、事業全体の売上高は 14 億 57 百万円
    となり、前年同期を 1 億 88 百万円(14.9%)上回りました。また、セグメント利
    益は売上高の増加により、前年同期を 60 百万円上回る 1 億 32 百万円となりま
    した。
  【運送事業】
       国内貨物輸送量が低水準で推移したことにより、事業全体の売上高は 19 億 52
    百万円となり、前年同期を 42 百万円(2.1%)下回りました。また、セグメント損
    益は、売上高の減少により、前年同期 49 百万円の黒字から 5 百万円の赤字とな
    りました。


                       2
  当期(平成 31 年 3 月期)連結会計年度の業績につきましては、主力製品のLPガス
 容器の販売数量が回復傾向にあり、ほぼ通期業績予想通りとなる見通しであります。


 連結業績の推移(平成 31 年 3 月期第 3 四半期まで)                   (単位:百万円)
  決算期      平成 28 年 3 月期 平成 29 年 3 月期 平成 30 年 3 月期 平成 31 年 3 月期
                                                    (予   想)
  売上高          12,774      12,604        12,028      12,600
  営業利益           107            297         83           110
  経常利益           187            322        119           140
  親会社株主に
  帰属する当期         183            296         92           80
  純利益

  本資料の業績予想につきましては、当社が現時点で入手している情報に基づいたもので
  あり、実際の業績につきましては今後様々な要因によって予想数値と異なる可能性があ
  ります。


2.今後の展開について
  今後につきましては、当社グループは、事業の状況を踏まえ、以下の施策を引き続
 き着実に進め、売上の拡大、収益力の強化を図り、業績の向上並びに企業価値の向上
 に努めます。
 (1) 容器・バルク貯槽の売上拡大
   ① LPガス容器については、これまでに培った技術力及び販売チャンネルを活かし
    ながら、顧客ニーズに沿った製品群の更なる充実を図るとともに、引き続きお客
    様の要求する品質、納期、サービスの遵守により売上の拡大を図ります。
   ② LPガスバルク貯槽については、販売開始から 20 年を経過したことに伴う更新
    (注 1)が来年度以降本格化することで、更新需要の増加に対応した生産体制の
    整備、及び営業活動の推進によって売上拡大につなげるとともに、LPガス容器
    への転換需要も確保します。
    (注 1)LPガスバルク貯槽によるLPガス供給方式は、平成 9 年の液化石油ガ
        ス法の改正に伴い、  平成 11 年以降急速に普及しました。LPガスバルク貯
        槽は、製造後 20 年以内に検査し、その後 5 年毎の再検査が義務つけられ
        ています。その際に 20 年以上の使用は、技術的、経済的理由により回避さ
        れると予想され、殆どが更新されるか、LPガス容器供給方式に転換され
        る見込みであります。
   ③ 蓄積した技術力を活かし半導体産業等で使用される工業用ガスに対応した特殊
    ガス容器の受注により一層注力し、LPガス業界以外の新規顧客の獲得により売
      上拡大を目指します。
  (2) 販売価格の是正



                            3
     原材料価格の上昇局面においても、上昇分は可能な限りコストダウンなど企業
    努力によって吸収する方針ですが、主要材料である鋼材価格のアップは利益を大
    きく押し下げ利益率の低下となり、企業業績の後退につながっています。適正な
    利益確保のため鋼材価格の値上げに対応して製品販売価格の是正を営業方針に定
    め、収益の改善を図ります。
 (3) 生産性の向上
     従業員の能力向上策の推進により仕事力の向上を図るとともに、効率的な生
   産・在庫管理の実行、省力化を含めた生産設備リニューアル・作業のロボット化
   の推進や人材の確保とその定着を図り、各事業分野において生産性の一層の向上
   を図ります。
     また、近年一億総活躍社会の実現に向けて「働き方改革」が提唱され、労働環
   境の改善が企業にとって重要な課題となっています。当社では、その一環として
   平成 30 年度に生産設備の自動化並びにロボット化をテーマとしたプロジェクト
   を立ち上げ、省力化及び労働生産性の向上に向けて設備改善のスピードアップに
   取り組んでおります。
 (4) 新製品の開発
    鋼製容器に加え複合容器の開発を推進し、付加価値がより高い製品構成とするよ
   う改善に努めます。
   ① 予てから開発を進めておりました(注 2)新たな機能を有したオールプラスチッ
    ク製LPガス用20Kg 型容器を平成 31 年度中に市場に供給する予定であります。
    オールプラスチック製LPガス容器は鋼製容器に比べ質量が半分程度と軽く、輸
    送効率の改善、配送作業の労力低減が図れます。また、ガス残量が目視でき、錆
    びることがなくかつカラフルで美観に優れることで、LPガス業界にとって画期
    的な容器として新たな需要が期待されます。当社が国内で初めてオールプラスチ
    ック製LPガス用容器を製造・販売いたします。従来製品との相乗効果を見込ん
    だ効果的な販売戦略の立案が可能となり、業界内シェアアップを目指します。
     (注 2)平成 30 年 10 月 30 日に、開発中のLPガス用FRP製20Kg 型容器
         は、平成 31 年春以降に市場供給見込みである旨を公表しておりました。
   ② これまでに蓄積した複合容器に係る技術や研究の成果を活用し、LPガスに限
    らず高圧複合容器の開発、製品化を一層推進します。
 (5) IR活動の推進
     当社の状況、新製品開発の推進状況など企業活動のIR強化に努め、株主の皆
    様や投資関係者の皆様の当社グループへの理解を深めていただくために、正確か
    つ積極的な情報開示に努めます。


3.上場維持について
  当社グループは、2.今後の展開に掲げる諸施策を着実に実行することにより、収益
 力の強化、業績の向上が見込まれ、市場からの信頼回復と企業価値の向上を目指してま


                        4
いります。これによって、当社株式の月間平均時価総額及び月末時価総額について、株
式会社東京証券取引所の定める基準を上回ることにより、今後とも東京証券取引所 市
場第一部上場を維持するよう努めてまいる所存であります
 株主の皆様をはじめ関係者の皆様にはご心配をおかけいたしますが、引き続きご理解
とご支援を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
                                  以   上




                  5