2019 年 10 月 31 日
各 位
会 社 名 株式会社 LIXIL グループ
代表者名 代表執行役社長 瀬戸 欣哉
（コード番号 5938 東証・名証各一部）
問合せ先 IR 室 室長 平野 華世
（TEL．03-6268-8806）
当社ガバナンスの検証結果、および、ガバナンス委員会の常設に関するお知らせ
当社は、本年６月 25 日開催の第 77 回定時株主総会後に開催された取締役会において、過去のガバ
ナンスの問題点に関する根本原因の解明と、実施された是正策の充分性を確認する目的で、ガバナン
ス委員会を設置いたしました。
取締役会は、このたび、ガバナンス委員会より下記の通り検証の結果報告を受けました。
かかる結果報告を踏まえ、取締役会は、当社のコーポレートガバナンスを強化し、すべての利害関
係者に対し透明性と客観性を高め、ひいては企業価値を高めることを目的として、ガバナンス委員会
を取締役会内の任意常設の委員会とすることを決議いたしましたので、お知らせいたします。
記
１． ガバナンス委員会による検証の範囲および方法
(1) 検証範囲
昨年の代表執行役の異動にかかる意思決定プロセスについて認められた諸問題
2019 年６月 25 日開催の第 77 回定時株主総会の運営についての諸問題
(2) 検討方法
昨年の代表執行役の異動にかかる意思決定プロセスについて認められた諸問題
2019 年４月９日公表の「当社代表執行役の異動における一連の経緯および手続の調査・検討に係る『調
査報告書』の公表について」に含まれる第三者による調査報告書、当社コーポレート・ガバナンスガ
イドライン、取締役会規則、各委員会規則、過去の議事録、など社内外文書（以下「本件検討資料」）
の精査・検討を実施した。
2019 年６月 25 日開催の第 77 回定時株主総会の運営についての諸問題
取締役候補決定と公表までのプロセス、招集通知の記載内容、議決権行使書および委任状の様式、委
任状追加書面の発送、社外取締役候補の独立性の判断など、定時株主総会開催までの一連の手続きに
ついて検討を実施した。
２．当社における過去のガバナンスの問題点に関する根本原因の解明および実施された是正策の検証
ガバナンス委員会では、本件検討資料を精査し、定時株主総会開催までの一連の手続きについて検討
した結果、第一に、当社が 2019 年４月９日に公表した「当社代表執行役の異動における一連の経緯お
よび手続の調査・検討に係る『調査報告書』の公表について」に含まれる第三者による調査報告書の
内容に不合理な点はないこと、また、当社のガバナンス体制自体は適切であり、重大な欠陥は無いこ
とを確認した。
しかしながら、当社におけるガバナンス問題は、以下２点を根本原因として引き起こされたものであ
り、再発の防止には追加の是正措置が必要である。
(1)当社コーポレートガバナンス・ガイドライン、指名委員会規則におけるあいまいな表現の存在
第三者による調査結果を受け、2019 年２月 25 日に当社コーポレートガバナンス・ガイドライン、指
名委員会規則のあいまいな表現を見直し、指名委員会の権限を明記する改訂を実施したが、ガバナン
ス委員会における検証を通じて、改訂後のガイドライン、規則の一部に、明確さを欠き、恣意的な解
釈の余地を残すあいまいな表現が残されており、根本原因が依然として残されていることを認識した。
例えば、2019 年２月 25 日改訂後の当社コーポレートガバナンス・ガイドラインでは、執行役の選任・
解任、代表執行役（CEO）の選定・解職等の事項につき、答申案として取締役会に提出することにな
っている。しかしながら、ガイドラインの一部は十分に明確でなかったために、過去の指名委員会の
運営において、混乱を生じさせていた。
(2) 客観性および公平性の欠如
検証によれば、ガバナンスの体制そのものが整っていても、１人の取締役に権力が集中し、他の取締
役が当該個人に対し遠慮し、あるいは忖度が生じる状況がある場合には、ガバナンスの運用自体が独
立の立場から監督されなければ、意思決定の客観性や手続きの公平性が失われ得ることが明らかとな
った。
例えば、昨年、代表執行役の異動に関する意思決定プロセスにおける問題点として、指名委員会にお
いて、CEO および COO に指名された２名の指名委員を除外した議論が行われることはなかった。
また、定時株主総会開催までの一連の手続きでは、例えば、株主提案取締役候補であり、第２号議案
として提示された取締役候補２名について、本人の事前承諾を得る前に会社提案候補として公表する
ことに対し、取締役会が抑止力を効かせることができなかったことなどが挙げられる。
３．是正措置
第一に、取締役会、各委員会において、その職務の執行において混乱を生じさせないためには、取締
役会および法定の委員会の運営を定めるすべてのガイドライン、規則の明確化、すなわち、解釈の余
地を残さない表現への修正が必要である。 そのため、各委員会および取締役会における議論を通じて、
これら規程については順次改訂する。
第二に、客観性および公平性の欠如に対しては、取締役会は、ガバナンス委員会を任意常設の委員会
として取締役会の中に設置することにより、取締役会内での監視・監督機能を果たし、特定の個人が
過度に影響力を持つことがないよう、また、会社のガバナンスの仕組みの乱用や手続における問題の
再発防止のための抑止力となるよう努める。
ガバナンス委員会の主な役割
ガバナンス委員会は、当社のコーポレートガバナンスを監視・監督し、その継続的な充実を図るため、
当社コーポレートガバナンス・ガイドラインの見直しおよび改訂、取締役会実効性評価実施の主導な
どの事項について、協議または取締役会への提言を行う。
ガバナンス委員会の構成
５名中４名の委員を株主の利益を代表する社外取締役とする。また、当社のコーポレートガバナンス
を監視・監督するにあたり、ガバナンス委員会と取締役会の役割を効果的に結びつけるため、取締役
会議長である松﨑正年氏を当委員会の委員とする。
ガバナンス委員会
委員長 鈴木 輝夫（社外取締役：監査委員会委員）
委 員 松﨑 正年（社外取締役：取締役会議長、指名委員会委員）
委 員 西浦 裕二（社外取締役：指名委員会委員長、報酬委員会委員）
委 員 鬼丸 かおる（社外取締役：指名委員会委員）
委 員 伊奈 啓一郎（社内取締役：指名委員会委員）
ガバナンス委員会は、取締役会法定の３委員会（指名委員会、監査委員会、報酬委員会）と連携して、
当社ガバナンス体制の整備、改善に努めていく。また、改善状況については、有価証券報告書、コー
ポレート・ガバナンス報告書などの開示文書を通じて、株主、投資家、その他ステークホルダーの皆
様に対しお伝えする。
【参考】コーポレート・ガバナンス体制図
株主総会
選 解 選
任 任
㈱LIXILグループ 任
取締役(社内・社外) 取締役候補者の決定
取締役会議長 ガ
(
監 指名委員会 過 バ
選定・解職 半
数 ナ
督 が ン
選定及び解職 ス
報酬委員会 社
外
取締役会 取 委
報告 締
指 (意思決定や業務執行の監督) 員
監査委員会 役 会
名
)
委
員
会
適法性監査 適法性監査
等 選 解
報
設 任 任 妥当性監査 妥当性監査 会
告
置 監 計
会 監
社 査 査
代表執行役・執行役 人
業 (取締役会から委任を受けた事項の意思決定や業務の執行) 監
(
査
務 委
執 執行役会及び各種会議 員
会
行 ・
内部監査委員会、コンプライアンス委員会、リスクマネジメント会議、
内
Ｍ＆Ａ委員会、投資審査委員会、コーポレート・レスポンシビリティ委員会 部
監
査
部
門
と
経営管理 連
監督
携
各事業会社
)
監 株主総会
査
監 等
委 監査等委員もしくは監査役
査
役 員
設 会
設 取締役会
置 監
会 置
社 会 査
社 経営会議等
及
び
各部門