5938 LIXIL 2019-04-18 15:30:00
海外子会社における損失の計上に伴う通期業績予想の修正、および国内子会社での特別損失の計上に関するお知らせ [pdf]

                                                                        2019 年4月 18 日
各 位
                                        会 社 名        株式会社 LIXIL グループ
                                        代表者名         代表執行役会長         潮田 洋一郎
                                        (コード番号 5938 東証・名証各一部)
                                        問合せ先         IR 室 室長         平野 華世
                                        (TEL.03-6268-8806)



            海外子会社における損失の計上に伴う通期業績予想の修正、
             および国内子会社での特別損失の計上に関するお知らせ

 当社の連結子会社である Permasteelisa S.p.A.(本社:イタリア、以下、
                                            「ペルマスティリーザ社」
                                                       )にお
ける損失の計上が見込まれることとなったことに伴い、2018 年 10 月 22 日に公表しました 2019 年3月期の通
期業績予想を下記の通り修正しましたのでお知らせいたします。
 なお、同時に、2019 年3月期においてペルマスティリーザ社の親会社である株式会社 LIXIL(以下、
「LIXIL」
      )の個別決算(日本基準)においても同社に対する関係会社株式評価損を計上いたします。


                                       記


1.2019 年3月期 通期業績予想数値の修正(2018 年4月1日~2019 年3月 31 日)

                                                                     親会社の
                                                                     所有者に        基本的
              売上収益        事業利益      営業利益       税引前利益      当期利益       帰属する       1株当たり
                                                                     当期利益        当期利益

                百万円        百万円       百万円         百万円       百万円        百万円           円銭

前回発表予想(A)     1,845,000    45,000    40,000      34,000     4,500      1,500        5.17

今回発表予想(B)     1,832,000    13,000   △15,000     △18,000   △50,000    △53,000     △182.76

増減額(B-A)       △13,000    △32,000   △55,000     △52,000   △54,500    △54,500     △187.93

増減率(%)           △0.7      △71.1           -          -          -          -          -
(ご参考)
前期通期実績        1,829,344 76,046 59,107 65,100 56,662 54,581 189.13
(2018 年3月期通期)
(注) 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出した金額であります。 また、       (ご参
考)として記載している前期通期実績数値は、当期 2019 年3月期第2四半期において、従来「非継続事業」として表示さ
れていたペルマスティリーザ社の損益を「継続事業」に表示を組み替えた後の数字を記載しております。
2.修正の主な理由
 2018 年 11 月 27 日付「
                  (開示事項の中止)連結子会社の異動(株式譲渡)の合意解除に関するお知らせ」でお
知らせしましたとおり、当社はペルマスティリーザ社の発行済普通株式の 100%を中国の Grandland Holdings
Group Limited へ譲渡すること(以下、
                        「本件株式譲渡」)を 2017 年8月 21 日に決定したものの、2018 年 10 月
に、対米外国投資委員会(CFIUS)から、本件株式譲渡を承認できない旨の通知を受領しました。これに伴い、
2018 年 11 月には、本件株式譲渡の解除を決定いたしました。
 当社では、この本件株式譲渡の解除以降、ペルマスティリーザ社および当社グループ全体の事業の強化に向
けた強固な事業プランを策定するためのあらゆる可能性を検討するため、ペルマスティリーザ社における受注
物件について、包括的、かつ、あらゆる側面から精査を実施すると共に、収益性回復のための再生計画の策定
を進めてまいりました。
 当該精査の結果、主として、北米における受注物件を中心とした複数のプロジェクト物件において、原材料
等の高騰、現場作業員や技能工の不足に起因した工事人件費単価の大幅な上昇等による工事原価の悪化が将来
に渡って見込まれること、熟練プロジェクトマネージャーの退職を要因としたプロジェクトマネジメント能力
の低下等により、今後、工事完成までに要する工事コストについて大幅な増加が見込まれたため、工事損失引
当金の追加計上が必要となりました。また、世界経済の停滞に伴う経営状況の悪化等によりプロジェクト物件
の施主の変更等に伴い、将来の回収が見込めないと判断された債権については、貸倒引当金を計上いたしまし
た。
当社では、こうした状況に対し、事業規模縮小(遂行力の範囲内でのプロジェクト物件の選別受注、販管費削
減による固定費の最適化など)
             、および、確実なキャッシュフロー経営への転換を図る再生計画を策定し、今
後、その実行により収益性の回復に努めてまいります。
 当該再生計画には、事業規模の縮小や拠点の統廃合を含むため、かかる事業環境の変化について国際会計基
準(IFRS)に基づく減損テストを実施した結果、のれんを含む無形資産について減損損失を計上することとな
りました。
 また、当社の完全子会社である LIXIL においても、上記の連結ベースの損失計上に伴い同社が保有するペル
マスティリーザ社株式を評価減したことにより、単体ベース(日本基準)において関係会社株式評価損として
700 億円を特別損失として計上いたしました。なお、当該損失は連結決算上で消去されるため、当社連結決算
に影響はありません。


 上記の精査の結果、現時点で判明したペルマスティリーザ社に関わる当初通期業績見込との差異金額および
主な要因は下記の通りです。


2019 年3月期のペルマスティリーザ社に関わる当初通期業績見込との差異金額および主な要因
                      内容                         段階損益     金額(百万円)
①(売上収益)主として採算が悪化している北米地域における選別受注による影響            売上収益         △22,500
②(売上原価)北米地域を中心とした追加工事原価の発生                                    △20,600
③(売上原価)中東やアジア地域を中心とした回収困難な債権の評価減                               △8,100
④(売上原価)その他引当金の繰入額                                              △2,600
⑤(販売費及び一般管理費)                                                  △1,700
                                                 事業利益         △33,000
⑥(その他の収益・費用)のれんを含む無形資産の減損等                                    △24,500
                                                 営業利益         △57,500
⑦(税金費用)                                                         3,000
                                                 当期利益         △54,500


 なお、ペルマスティリーザ社を除く事業については、国内需要の回復などに伴い、2018 年 10 月 22 日公表
の業績見込みに対し、国内事業は利益計画を超過達成、海外事業では未達となる見込みです。国内外の事業を
合計すると、事業利益は概ね見込み通り、営業利益以下の段階利益では、超過達成を見込んでおります。
3.今後の見通し
 ペルマスティリーザ社の業績に関する今後の見通しについては、
                             「補足説明資料 2019 年4月 18 日公表の
『海外子会社における損失の計上に伴う通期業績予想の修正、および国内子会社での特別損失の計上に関する
お知らせ』について」をご参照ください。ここでは ペルマスティリーザ社の全ての受注物件について、包括
的、かつ、あらゆる側面から精査を実施した上で、2019 年3月期及び 2020 年3月期以降において、将来に悪
化する要素も含め現時点で判明しうる全ての利益悪化要因を見込んでおります。
 また、当社の 2019 年3月期通期の決算発表は 2019 年5月 13 日を予定しており、2020 年3月期の業績予想
は、決算発表時に公表いたします。なお、現時点で見込まれるペルマスティリーザ社の今後の経営再建に関わ
る構造改革費用、および、概ね翌連結会計年度以降に完工が見込まれる低粗利のプロジェクト物件にかかる損
益影響等については、2020 年3月期の業績予想に含める予定です。
 なお、現時点では当社の 2019 年3月期の期末配当金予想 35 円に変更はありません。


(注)上記の予想は、現時点における入手可能な情報に基づいて作成しており、実際の業績は様々な要因によ
り予想数値とは異なる結果となる可能性があります。
                                                          以上
補⾜説明資料
2019年4⽉18⽇公表の「海外⼦会社における損失の計上に伴う通期業績予想
の修正、および国内⼦会社での特別損失の計上に関するお知らせ」について


株式会社LIXILグループ
(コード番号 5938 東証・名証各⼀部)

代表執⾏役社⻑
Chief Operating Officer ⼭梨広⼀

代表執⾏役副社⻑ 経理・財務・M&A担当
Chief Financial Officer 松本佐千夫




                                            Copyright © LIXIL Group Corporation. All rights reserved.




⽬次
本補⾜説明資料には、以下のものが含まれております。

(1)2019年3⽉期 4/18公表 修正後通期業績予想

(2)2019年3⽉期 通期業績予想の修正の主要な要因
 (2.1) 修正要因1: ペルマスティリーザ社における再⽣計画策定⼿続き・
              受注物件精査の結果認識した損失、および、のれんを
              含む無形資産の減損
 (2.2) 修正要因2: その他

(3)ペルマスティリーザ社 業績悪化要因、再⽣計画、今後の⾒通し
(ご参考)ペルマスティリーザ社の状況 (新規受注・受注残⾼・無形資産残⾼明細)

(注)
 本資料に記載の数値は、現時点における⼊⼿・分析可能な情報および合理的であると判断する⼀定の前提に基づいて作
  成したものであり、実際の業績は、今後の様々な要因により予想数値と異なる結果となる可能性があります。
 現時点において、2019年3⽉期の期末配当⾦予想35円に変更はありません。
 2019年3⽉期の決算発表は、2019年5⽉13⽇を予定しております。

                                                                                                  2
(1)2019年3⽉期 4/18公表 修正後業績予想
2019年3⽉期 通期業績を以下の通り修正致します




   前期通期実績数値は、当期2019年3⽉期第2四半期において、従来「⾮継続事業」として表⽰されていたペルマスティリーザ社の損益を「継続   3
   事業」に表⽰を組み替えた後の数字をもとに増減額を記載しております。




2019年3⽉期 通期業績予想の修正の主要な要因
(2)2019年3⽉期 通期業績予想の修正の主要な要因
修正要因1:ペルマスティリーザ社における再⽣計画策定⼿続き・受注物件精査の結果
認識した損失、および、のれんを含む無形資産の減損
 #                     内容                        段階利益      影響⾦額(億円)
 1   (売上収益)主として採算が悪化している北⽶地域における
                                                 売上収益                -225
     選別受注による影響
 2   (売上原価)北⽶地域を中⼼とした追加⼯事原価の発⽣(1)                                    -206
 3   (売上原価)中東やアジア地域を中⼼とした回収困難な債権
                                                                         -81
     の評価減
 4   (売上原価)その他引当⾦の繰⼊額                                                    -26
 5   (販売費及び⼀般管理費)                                                        -17
                                                 事業利益                -330
 6   (その他収益・費⽤)のれんを含む無形資産の減損等(2)                                     -245
                                                 営業利益                -575
 7   (税⾦費⽤)                                                              30
                                                 当期利益                -545
影響するセグメント: ビルディングテクノロジー事業(海外)
(1) 選別受注による売上減少に伴う売上総利益の減少、将来発⽣する⼯事原価の厳格な精査・再⾒積りの結果、将来発
    ⽣することが⾒込まれた⼯事損失(⾚字となる⼯事原価の額)など
(2) のれんを含む無形資産の減損-253億円、その他+8億円の合計
     (注)本資料に記載の数値は、現時点における⼊⼿・分析可能な情報および合理的であると判断する⼀定の前提に基づいて作成したものであり、         5
     実際の業績は、今後の様々な要因により予想数値と異なる結果となる可能性があります。




(2)2019年3⽉期 通期業績予想の修正の主要な要因
修正要因2:その他
 #                    内容                       段階利益       影響⾦額(億円)
 1   (売上収益)国内需要の回復による増収(1)                     売上収益                      95
 2   (売上原価)主として海外事業における売上未達による原
                                                                         -77
     価の悪化(操業度損)および資材⾼影響等
 3   (販売費および⼀般管理費)販管費抑制による
                                                                         87
     増益
                                               事業利益                      10
 4   (その他収益・費⽤)(2)                                                       15
                                               営業利益                      25
 5   (⾦融収益費⽤)主として、為替関連のデリバティブ損益
                                                                         30
     ⾒込差
 6   (税⾦費⽤)主として、税前利益の超過達成分に対する
                                                                         -55
     税⾦費⽤の増加、および、税効果計上⾒込差
                                               当期利益                       0

(1) 主として、LIXIL ウォーターテクノロジー事業、LIXILハウジングテクノロジー事業
(2) 当第4四半期において、南アフリカの連結⼦会社における事業再⽣計画策定に伴う有形・無形資産の減損(27億円)を認識
                                                                               6
(3)ペルマスティリーザ社 業績悪化要因、再⽣計画、今後の⾒通し




(3)ペルマスティリーザ社 業績悪化要因、再⽣計画、今後の⾒通し
 主な業績悪化要因・再建計画における主要な取り組みは以下のとおりです

      損益悪化の根本的な原因                    再建計画における主要な取り組み

● 過去、「規模拡⼤指向」の下、事業領域・地域を           ● 再建計画を遂⾏・管理する専任チーム
  拡⼤して、管理・遂⾏能⼒を上回るプロジェクトを            (LIXILとの共同)の結成
  受注

● プロジェクト遂⾏の質の低下、収益性が悪いプロ           ● 安定的な収益⼒を持つコア事業への集中、
  ジェクトやリスクが⾼いプロジェクトの受注が増加            リスクの⾼い事業・地域からの撤退、選別受注
(不採算プロジェクトの再評価の結果、将来分も含めた損失が表⾯化)
                                   ● 新規プロジェクト受注の管理徹底、採算・
● 各地域・個社最適の規模拡⼤指向により各地域・
                                     キャッシュフローを重視して受注を厳選
  部⾨の固定費が増加、それを賄うためにさらに受注
  を拡⼤
                                   ● 膨張した組織をスリム化、⼤幅な固定費削減
● 2015年に多くの熟練社員が退社して以降、プロ
  ジェクト管理・遂⾏能⼒が⼤幅に低下。               ● プロジェクト管理・遂⾏⼒の強化
  キャパシティを超えたプロジェクトが更に増加




                                                             8
(3)ペルマスティリーザ社 業績悪化要因、再⽣計画、今後の⾒通し
  今後の⾒通し
   単位
                  20/3期              21/3期              22/3期                     23/3期                       24/3期
  百万ユーロ
 売上                    1,110               976                    1,000                      981                      992
 売上原価                  1,102               869                     883                       864                      871
 売上総利益                     7               107                     117                       117                      121
 売上総利益率 %               0.7%               11.0%                  11.7%                    12.0%                     12.2%

 販管費                      96                 90                     82                           82                     81
 事業利益                   -89                  17                     35                           35                     40
 構造改⾰
                          42                 28                        7                             -                    -
 費⽤(1)

 受注⾼                    930                940                     952                       964                      968
 ● ペルマスティリーザ社の全ての受注物件について、包括的、かつ、あらゆる側⾯から精査を実施した上で、2019年3⽉期及び
 2020年3⽉期以降において、将来に悪化する要素も含め現時点で判明しうる全ての利益悪化要因を⾒込んでおります。

 ● 現時点で⾒込まれるペルマスティリーザ社の今後の経営再建に関わる構造改⾰費⽤、および、2020年3⽉期に完⼯が
 ⾒込まれる低粗利のプロジェクト物件にかかる損益影響等は上記の通りであり、2019年5⽉13⽇に公表予定の2020年3⽉期
 の業績予想においても含める予定です。
       (1) 構造改⾰費⽤は、事業利益より下の段階の「その他費⽤」として発⽣する⾒込みです                                                                           9




(ご参考)ペルマスティリーザ社の状況

 新規受注・受注残⾼
                                       (単位:百万ユーロ)            19/3期 新規受注額                             19/3期 受注残⾼

                                                             その他                             アジア                         その
                                                             3%                              11%                         他
                                                                   アジア                                          欧州       3%
                                                                                  欧州
                                                                   23%                                          39%
                                                                                  41%


                                                            アメリ                              アメリ
                                                             カ                      中東           カ                    中東
                                                            29%                     4%       44%                       3%

 のれん・無形資産
                                                                                                          (単位:百万ユーロ)
決算期                       18/3期                                    19/3期 通期 (12ヵ⽉)
                          期末残⾼             償却額                    減損                    その他(1)                期末残⾼
為替レート(残⾼は期末レート、償却・減損
                                  130.52           128.43              128.43                    128.43               124.56
等は期中平均レート)
のれん                                    -                -                   -75                          75                 0
無形資産                                   -               -8                  -122                      130                    0
(1)19/3期第2四半期において、ペルマスティリーザ社事業を⾮継続事業から継続事業に振り替えた際の振戻額




                                                                                                                          10