5801 古河電工 2021-05-12 15:00:00
2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

                             2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
                                                             2021年5月12日
上 場 会 社 名   古河電気工業株式会社                    上場取引所 東
コ ー ド 番 号   5801                URL https://www.furukawa.co.jp/
代   表   者 (役職名) 取締役社長         (氏名) 小林 敬一
問合せ先責任者 (役職名) IR部長            (氏名) 増田 真美             (TEL) 03(3286)3050
定時株主総会開催予定日      2021年6月24日  配当支払開始予定日               2021年6月25日
有価証券報告書提出予定日 2021年6月24日
決算補足説明資料作成の有無       : 有
決算説明会開催の有無          : 有 (機関投資家・アナリスト・マスコミ向け)
 
                                                                                            (百万円未満切捨て)
1.2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)連結経営成績                                                                                  (%表示は対前期増減率)
                                                                                           親会社株主に帰属する
                     売上高                      営業利益                      経常利益
                                                                                              当期純利益
                   百万円              %        百万円              %      百万円              %           百万円           %
  2021年3月期       811,600 △11.2    8,429                   △64.2       5,189 △77.2  10,001                 △43.3
  2020年3月期       914,439  △7.8   23,565                   △42.3      22,771 △41.7  17,639                 △39.4
(注) 包括利益        2021年3月期 27,941百万円(                      -%)       2020年3月期 △2,060百万円(                   -%)
 
                                    潜在株式調整後
                 1株当たり                                      自己資本                総資産                  売上高
                                     1株当たり
                 当期純利益                                     当期純利益率              経常利益率                営業利益率
                                     当期純利益
                             円 銭                 円 銭                    %                    %                  %
  2021年3月期              141.88                   -                4.0                       0.6              1.0
  2020年3月期              250.25                   -                7.2                       2.8              2.6
(参考) 持分法投資損益       2021年3月期               △893百万円          2020年3月期          2,458百万円

(2)連結財政状態
                     総資産                      純資産                   自己資本比率                    1株当たり純資産
                               百万円                         百万円                        %                     円 銭
  2021年3月期               832,044                          291,617                   31.2                 3,686.36
  2020年3月期               794,616                          273,030                   30.2                 3,408.86
(参考) 自己資本          2021年3月期 259,870百万円                      2020年3月期        240,280百万円

(3)連結キャッシュ・フローの状況
                営業活動による                     投資活動による                 財務活動による                  現金及び現金同等物
               キャッシュ・フロー                   キャッシュ・フロー               キャッシュ・フロー                    期末残高
                               百万円                         百万円                     百万円                     百万円
    2021年3月期                   △479                       △1,908                  35,140                   87,189
    2020年3月期                  41,942                     △33,119                   △171                    55,055


2.配当の状況
                                          年間配当金                                                          純資産
                                                                             配当金総額          配当性向
                                                                                                         配当率
               第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                      期末        合計         (合計)           (連結)
                                                                                                         (連結)
                  円 銭    円 銭    円 銭                        円 銭      円 銭           百万円               %           %
2020年3月期                 -         0.00          -         85.00    85.00         6,002           34.0       2.5
2021年3月期                 -         0.00          -         60.00    60.00         4,237           42.3       1.7
2022年3月期(予想)             -           -           -         60.00    60.00                         35.2

3.2022年3月期の連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)

                                                                                  (%表示は、対前期増減率)
                                                                            親会社株主に帰属   1株当たり
                   売上高                    営業利益              経常利益
                                                                             する当期純利益   当期純利益
                百万円           %      百万円             %     百万円         %      百万円            %              円 銭
      通期       880,000       8.4    26,000    208.4       24,000   362.5     12,000        20.0           170.22
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                                            : 無
         新規    -社 (社名)                           、 除外    -社 (社名)
 

 
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
  ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                                   : 無
     ②    ①以外の会計方針の変更                                    : 無
     ③    会計上の見積りの変更                                     : 無
     ④    修正再表示                                          : 無


 
(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)                       2021年3月期     70,666,917株   2020年3月期         70,666,917株

  ② 期末自己株式数                                 2021年3月期       171,863株    2020年3月期           179,863株

     ③    期中平均株式数                           2021年3月期     70,493,218株   2020年3月期         70,487,085株
 
        ※ 期末自己株式数及び期中平均株式数の算定上控除する自己株式数には、株式給付信託(BBT)にかかる信託口が保有する当社株式が含まれてお
          ります。
 
(参考) 個別業績の概要
1.2021年3月期の個別業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)個別経営成績                                                                  (%表示は対前期増減率)
                     売上高                営業利益              経常利益                    当期純利益
                     百万円         %       百万円        %      百万円         %          百万円             %
    2021年3月期       392,616   △10.9      △6,919      -      5,591   △53.4      24,333           33.9
    2020年3月期       440,675    △7.0         531   △89.7    11,991   △47.0      18,177          △15.5

                   1株当たり                潜在株式調整後
                   当期純利益              1株当たり当期純利益
                              円 銭                 円 銭
    2021年3月期                 345.10                 -
 
    2020年3月期                 257.82                 -
 
(2)個別財政状態
                     総資産                 純資産             自己資本比率              1株当たり純資産
                             百万円                 百万円                   %                        円 銭
  2021年3月期                570,121       190,070                      33.3                   2,695.56
  2020年3月期                473,935       167,901                      35.4                   2,381.45
(参考) 自己資本
 
                    2021年3月期 190,070百万円     2020年3月期           167,901百万円
 
 


 
    ※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
         上記の予想は、本資料の発表日現在において入手可能な情報及び将来の業績に影響を与える不確実な要因に係る本資料
         発表日現在における仮定を前提としています。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性
         があります。
                             古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


○添付資料の目次

  1.経営成績等の概況 …………………………………………………………………………………… 2
   (1)当期の経営成績の概況 ………………………………………………………………………… 2
   (2)当期の財政状態の概況 ………………………………………………………………………… 4
   (3)当期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………………… 4
   (4)今後の見通し …………………………………………………………………………………… 4
   (5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ………………………………………… 5
   (6)事業等のリスク ………………………………………………………………………………… 5
  2.経営方針 ……………………………………………………………………………………………… 9
   (1)中長期的な会社の経営戦略 …………………………………………………………………… 9
   (2)会社の対処すべき課題 ………………………………………………………………………… 10
  3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ………………………………………………………… 12
  4.連結財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………… 13
   (1)連結貸借対照表 ………………………………………………………………………………… 13
   (2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 …………………………………………………… 15
   (3)連結株主資本等変動計算書 …………………………………………………………………… 17
   (4)連結キャッシュ・フロー計算書 ……………………………………………………………… 19
   (5)連結財務諸表に関する注記事項 ……………………………………………………………… 21
    (継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………… 21
    (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) ………………………………………… 21
    (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更) ………………………………… 21
    (重要な会計上の見積り) ………………………………………………………………………… 21
    (表示方法の変更) ………………………………………………………………………………… 23
    (連結損益計算書関係) …………………………………………………………………………… 24
    (企業結合等関係) ………………………………………………………………………………… 25
    (セグメント情報等) ……………………………………………………………………………… 29
    (1株当たり情報) ………………………………………………………………………………… 33
    (重要な後発事象) ………………………………………………………………………………… 33




                         ─ 1 ─
                                  古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
   当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の世界的流行が各地に大きな
  影響を与え、経済環境は急速に悪化しました。米国では、政府による新型コロナ感染拡大への大規模な対策が景
  気を下支えしているものの、景気回復のペースは緩やかなものとなりました。欧州では、英国をはじめ各国で実
  施した外出規制の措置が個人の消費行動や企業の生産活動を大きく制限し経済活動は大幅に縮小しました。中国
  では、一旦経済規模が大きく縮小したものの、その後は回復基調で推移しましたが、欧米諸国をはじめとする各
  国との政治的緊張の高まりもあり不透明な経済環境が続きました。
   わが国でも、新型コロナ感染拡大により緊急事態宣言が発出され、経済活動は大きな影響を受けました。下期
  にかけて、新型コロナの感染拡大傾向は落ち着いたものの、本年1月に新型コロナ感染者数が大幅に増加に転じ
  たことで景気の先行き不透明感が強まりました。
   しかし、新型コロナ感染拡大を契機に、社会全体でのデジタル化の加速やESG経営*/SDGs*への関心の高まり、
  グローバルでのサプライチェーン見直しの進展など新型コロナ収束後の世界を見据えた環境変化がありました。
   *ESG経営…Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)に配慮した経営手法
   *SDGs…国連で採択されたSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称であり、17のゴー
         ル・169のターゲットで構成される国際目標
   このような環境の下、当社グループでは、中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」に基づく施策の推進に加え、
  新型コロナの影響を最小限に留めるべく緊急経営対策チームを設置し、様々な対策を講じてまいりました。新型
  コロナの流行が各事業分野に与える影響の調査と複数の回復シナリオの策定を行い、収益悪化予想を踏まえた棚
  卸資産の管理徹底や原価低減及び経費の抑制、設備投資計画の見直しによる営業キャッシュ・フローの改善等に
  努めました。また、新型コロナ感染防止と勤務に関するガイドラインを策定し、リモートワークの促進や職場で
  の感染対策を徹底するなど従業員及びその家族の安全を確保する勤務体制を構築したほか、本年予定している新
  本社への移転に向けて新型コロナ収束後の新たな働き方を見据えた新本社のレイアウト見直し等に取り組んでま
  いりました。
   当期の業績につきましては、情報通信ソリューション事業をはじめ当社事業全般で新型コロナの影響による売
  上の伸び悩みや、銅管事業の譲渡及び巻線事業の一部の再編を実施し、これらの事業が当社グループの連結対象
  から外れたことにより、グループ全体の売上は減少しました。損益面では、緊急経営対策チームを中心に対応し
  た原価低減及び経費抑制等の取組みの成果はあったものの、新型コロナの影響によるグローバルでの経済活動の
  停滞が大きく影響し、減益となりました。
   これらの結果、連結売上高は8,116億円(前期比11.2%減)、連結営業利益は84億円(前期比64.2%減)となり
  ました。また、連結経常利益は52億円(前期比77.2%減)となりました。さらに固定資産処分益など334億円を特
  別利益に、製品補償引当金繰入額など173億円を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益
  は100億円(前期比43.3%減)となりました。なお、海外売上高は3,764億円(前期比10.1%減)で、海外売上高
  比率は46.4%(前期比0.6ポイント増)となりました。
   単独の業績につきましては、売上高は3,926億円(前期比10.9%減)、営業損失は69億円(前期比75億円悪
  化)、経常利益は56億円(前期比53.4%減)、当期純利益は243億円(前期比33.9%増)となりました。


   セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
     




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                            古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


〔インフラ〕
 情報通信ソリューション事業では、北米の光ファイバ等の需要は引き続き堅調であったものの、依然として
厳しい競争環境が継続しました。新型コロナの影響による国内工事着工の抑制や顧客の投資抑制によるネット
ワーク関連製品や産業用レーザ等の売上減少に加え、主に南米での為替の影響もあり、減収減益となりまし
た。エネルギーインフラ事業では、国内の再生可能エネルギー関連並びに国内外の地中線案件の売上及び利益
は好調に推移しました。しかし、新型コロナの影響により建設・電販市場向け汎用線は国内の市場環境が厳し
く、また中国の子会社では外出規制等による建設工事着工の遅延や物流の停滞が発生したことから、減収減益
となりました。
 これらの結果、当セグメントの連結売上高は2,592億円(前期比7.7%減)、連結営業損失は21億円(前期比
38億円悪化)となりました。また、単独売上高は883億円(前期比6.3%減)となりました。
 情報通信ソリューション事業では、北米の堅調な光ファイバ等の需要を着実に取り込めるよう生産性改善に
努めていくとともに、北米においてさらに拡大が予想される光ファイバ・ケーブル市場で省スペース・高施工
性製品の需要が高まっており、当社に技術的優位性がある多心高密度ローラブルリボンケーブルの拡販を目指
してまいります。また、デジタルコヒーレント関連製品に関しても、高出力品の拡販及び次世代製品への転換
促進に取り組んでまいります。エネルギーインフラ事業では、利益確保を重視した受注活動の推進や人材確保
を含めた製造・工事施工能力の向上等に取り組み、引き続き需要の拡大が予想される国内の再生可能エネルギ
ー分野をはじめとする当社の注力市場での受注拡大に努めてまいります。


〔電装エレクトロニクス〕
 自動車部品事業では、上期において海外子会社の一時操業停止や再開後の稼働率低迷など新型コロナの影響
を大きく受けたことで減収減益となりました。しかし、下期以降、自動車市況の回復によりワイヤハーネスを
はじめ当事業全般で想定以上の水準で収益が回復しました。
 電装エレクトロニクス材料事業では、上期において新型コロナの影響により自動車関連、建設・電販関連向
けの製品の売上が落ち込みましたが、下期以降、車載及びエレクトロニクス関連の製品を中心に需要は回復し
ました。しかし、上期までの売上の落ち込みの影響が大きかったことのほか、銅管事業の譲渡及び巻線事業の
一部の再編を実施したことによりこれらの事業が当社グループの連結対象から外れたことも影響し、減収減益
となりました。
 これらの結果、当セグメントの連結売上高は4,330億円(前期比15.0%減)、連結営業利益は59億円(前期比
60.5%減)となりました。また、単独売上高は2,421億円(前期比14.9%減)となりました。
 自動車部品事業では、自動車の軽量化に貢献するアルミワイヤハーネス及び防食端子の受注拡大及び生産体
制の構築に引き続き取り組み、また、主力製品のステアリング・ロール・コネクタに関して、エアバッグ法規
制の強化により市場拡大が見込まれる地域の需要取り込みや次世代自動車を想定した新製品の開発を推進して
まいります。電装エレクトロニクス材料事業では、当社の材料開発の強みを生かした市場開拓を行い、高付加
価値製品の拡販を強化してまいります。
   
〔機能製品〕
 サーマル・電子部品事業及びメモリーディスク事業は、データセンター関連製品の需要が好調に推移しまし
た。AT・機能樹脂事業では新型コロナの影響により国内建設工事の着工が抑制されたことで機能樹脂製品の需
要が減少し、銅箔事業では2019年に台湾子会社で発生した火災からの復旧途上であることや、上期に車載向け
電池用銅箔の需要が低迷したことで、当セグメントの事業全体で減収減益となりました。
 これらの結果、当セグメントの連結売上高は1,147億円(前期比1.0%減)、連結営業利益は63億円(前期比
15.7%減)となりました。また、単独売上高は601億円(前期比0.8%増)となりました。
 AT・機能樹脂事業では、半導体製造用テープの新用途の提案に取り組み、新規市場開拓を推進してまいりま
す。また、銅箔事業では、回路用銅箔と電池用銅箔の最適な製品ミックスにより収益向上に努めてまいりま
す。
  




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   〔サービス・開発等〕
    物流、不動産の賃貸、水力発電、新製品の研究開発、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート
   等を行っております。
    当セグメントの連結売上高は387億円(前期比23.1%減)、連結営業損失は17億円(前期比14億円悪化)とな
   りました。また、単独売上高は21億円(前期比5.7%減)となりました。
    また、本年4月に、当社子会社である古河物流㈱の株式の一部を、SBSホールディングス㈱へ譲渡するこ
   とを決定しております。


(2)当期の財政状態の概況
  資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ374億円増加して8,320億円となりました。現金及び預金が300億
 円、たな卸資産が50億円、無形固定資産が42億円増加しましたが、繰延税金資産が78億円減少しました。
  負債の部では、合計が前連結会計年度末に比べ188億円増加して5,404億円となりました。借入金、社債、コマー
 シャル・ペーパーを含む有利子負債が2,906億円と前連結会計年度末比で395億円増加しましたが、製品補償引当金
 が137億円、退職給付に係る負債が89億円減少しました。
  純資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ186億円増加して2,916億円となりました。親会社株主に帰属す
 る当期純利益の増加等により利益剰余金が34億円増加し、その他の包括利益累計額が159億円増加しました。その結
 果、自己資本比率は、前連結会計年度末比1.0ポイント上昇し31.2%となりました。


(3)当期のキャッシュ・フローの概況
  当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、872億円(前連結会計年度比+321億円)となりました。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)
   営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益+213億円、固定資産処分損益△208億円等に
  より△5億円(前連結会計年度比△424億円)となりました。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)
   投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△334億円、投資有価証券の売却及び償
  還による収入+148億円、固定資産の売却による収入+224億円等により△19億円(前連結会計年度比+312億円)
  となりました。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)
   財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の増加等により+351億円(前連結会計年度比+353億円)
  となりました。


(4)今後の見通し
  今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス変異株の拡大や、半導体の供給不安が深刻化するなど依然と
 して予断を許さない状況が続く一方で、新型コロナウイルスのワクチン接種の開始や、経済対策効果により世界GDP
 予測が上方修正される傾向にあることなど明るい兆しも見えており、経済社会活動は徐々に回復に向かっていくも
 のと予想されます。
  このような状況の中、次年度の連結業績予想につきましては、インフラ、電装エレクトロニクス、機能製品の各
 セグメントで増収となり、また償却費等固定費の増加はあるものの原価低減効果を織り込むことにより、連結売上
 高8,800億円、連結営業利益260億円、連結経常利益240億円、親会社株主に帰属する当期純利益を120億円と予想し
 ております。




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(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
 当社では、資本効率を重視した経営を目指し、成長戦略投資や次世代新事業育成、財務体質の改善並びに株主還元
のバランスをとることを、基本的な方針としております。
 この基本方針のもと、中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」においては、当社グループの持続的成長を支える注
力事業分野(インフラ/自動車市場)での利益拡大及び新事業創出のための設備投資・研究開発に対して優先的に経営
資源を振り向け、当社グループの収益力を強化するとともに、財務体質の改善を継続し、株主還元については、安定
配当の継続を経営の最重要事項の一つと位置づけております。
 2021年3月期の期末配当金につきましては、当期の業績等を踏まえ、従来予想の1株当たり55円に5円を増配し、
1株当たり60円の配当を行う予定です。
 2022年3月期の配当につきましては、今後の事業展開を勘案して、当期と同額の期末配当1株当たり60円とさせて
頂く予定です。


(6)事業等のリスク
 当社グループの経営成績は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影
響を受けます。
 当社グループの業績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 リスク項目      リスクの内容                   主要な取り組み
                                        ・事業拡大のためのポートフォリオ構成の見直
                 ・事業構成が経済動向や市場環境の変化に対応
                                         し実施、新事業の創出
                  できず、当社グループの業績に影響を与える
                                        ・事業の縮小・撤退に係る社内基準の設定
 経営戦略             リスク
                                        ・買収提携の目的明確化と資産内容・リスク事
 ( 事 業 ポ ー ト フ ォ ・M&Aや外部との提携を実施した後、市場環境
                                         前把握
 リオ・事業再編)         の悪化等により、期待された収益や効果が得
                                        ・リスクと収益を踏まえた適切な投下資本額で
                  られず、当社グループの業績に影響を与える
                                         の買収
                  リスク
                                        ・買収・提携後、早期に投下資本を回収
                                    ・2021年3月に環境ビジョン2050を策定、温室
                                     効果ガス削減についてチャレンジ目標ゼロを
           ・各国の温室効果ガス排出目標・政策による炭
                                     設定
            素税による製造コストや材料調達コストの上
                                    ・気候関連財務情報開示タスクフォース
            昇
                                     (TCFD)提言に賛同し、シナリオ分析を実施
 気候変動      ・異常気象の激甚化によって起きる自然災害に
                                    ・日光地区の水力発電利用に加え、国内外での
            よる工場操業の停止
                                     太陽光発電の設置と購入電力の再生可能エネ
           ・気候変動対策が不十分であることによるサプ
                                     ルギーへの転換
            ライチェーンや市場からの排除
                                    ・気候変動による自然災害リスクの把握と対応
                                     策の策定
                                ・「古河電工グループ ビジョン2030」達成に
                                 向けた当社グループの成長を牽引する多様な
                                 人材の確保と個々人の成長を支援する環境整
           ・企業の持続的な成長の原動力である従業員の 備(採用形態の多様化、各種制度の導入・改
            ワークエンゲージメントが上がらず、企業価 定等)
 人材・組織      値向上が不十分             ・当社グループの「働き方改革活動」を通じ、
           ・人材の流出や雇用が出来ず、また育成が十分 場所や時間に捉われない新たなワークスタイ
            にできないことによる人材不足       ルを推進
                                ・リーダーシップ変革「フルカワセブン」を始
                                 めとした人材・組織実行力強化施策の継続・
                                 強化
                                 ・「人権」に関わる原則が含まれている国連グ
                                  ローバル・コンパクト10原則への支持を表明
           ・企業としての人権尊重に対する責任を果たせ ・事業活動に関わるすべての人びとの人権を尊
 人権         ず、潜在的または実際に人権への負の影響が 重することを定めた当社グループの人権方針
            生じることによる市場からの排除       を策定
                                 ・サプライチェーン上の人権リスクへの対応も
                                  含め、CSR調達ガイドラインを改訂




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                           古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信




リスク項目    リスクの内容                  主要な取り組み
                              ・持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を
                               目指し、コーポレートガバナンスの強化に注
                               力
                              ・取締役・監査役全体として知見・経験を異に
        ・コーポレートガバナンスやグループガバナン
                               する人材の充実
         スの機能低下により、持続的な成長と企業価
                              ・当社グループのリスクアセスメントの高度化
ガバナンス    値向上が不十分
                               に取り組み、グループガバナンスを強化
        ・当社と上場子会社の少数株主との利益相反リ
                              ・上場子会社において、取締役会における独立
         スク
                               社外取締役の比率を3分の1以上に高め、親
                               会社との取引についてその合理性・公正性等
                               を審査する機関として独立社外取締役が過半
                               数を占める「利益相反管理委員会」を設置
                                 ・ISO22301による事業継続マネジメント
                                  (BCM)を促進
                                 ・事業継続計画の策定、ブラッシュアップ、安
                                  否確認システムによる従業員の安全確保
                                 ・耐震性と安定した通信環境が確保された施設
         ・大規模な地震や津波、火災、台風、洪水等の
                                  におけるデータセンタの設置
          災害や、感染症大流行、戦争、テロ行為等に
                                 ・サプライチェーンの多元化
          よる納入先、調達先のサプライチェーンの寸
                                 ・海外拠点における事業継続計画の整備、ブラ
災害・感染症等の  断
                                  ッシュアップ
影響       ・海外拠点における自然災害、事故、感染症等
                                 【新型コロナウイルスへの対応】
          による事業継続不能
                                 ・リモート等も活用し顧客との信頼関係を維持
         ・従業員等の大規模クラスター発生による事業
                                  強化
          継続不能
                                 ・納入先、調達先の与信調査、製造拠点調査
                                 ・従業員等の在宅勤務、会議、イベントのリモ
                                  ート活用
                                 ・来訪者受入・会食等に関するガイドライン、
                                  発熱等体調不良時の管理報告基準等の策定
                              ・情報セキュリティ基本方針のもと、グループ
         ・サイバー攻撃や不正アクセス等の外的要因や 全体へのセキュリティガバナンス強化、教
          人為的要因等に起因する情報流出による不正 育・支援活動
情報セキュリティ  使用、システム障害           ・ゼロトラスト視点でのネットワークセキュリ
         ・レガシーシステム利用によるセキュリティリ ティ強化等の対策による情報資産の保護
          スクの増加               ・レガシーシステム更新の中期的な取り組み実
                               施
                              ・安全推進活動の3本柱(安全人間化教育によ
                               る安全知識の付与と実践、本質安全化活動に
                               よる設備の安全化推進、安全管理レベルの向
                               上による安全組織の構築)の確実な実践
                              ・産業医を中心とした産業保健体制を維持し、
         ・労働災害、交通事故、疾病等による、従業員 健診結果のフォローや指導・教育による従業
従業員の安全・衛
          の死亡、就業不可、障害の残存、長期休業、 員のヘルスリテラシー向上施策の実施
生
          体調不良                ・産業保健中期計画に基づく年度ごとの衛生管
                               理指針により、喫煙対策・メタボリック対
                               策・メンタルヘルス対策・身体機能向上施
                               策、熱中症対策の各拠点での展開
                              ・感染症の予防対策の徹底と、産業医判断によ
                               る発熱等の体調不良者への対応の徹底
        ・自然災害や事故等による供給遅延、供給不足 ・購入先の複数化、製造拠点の分散
原料の調達   ・特定の購入先からの供給依存による供給不 ・在庫数量の適正化
         足、供給停止               ・長期契約による安定調達




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                               古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信




リスク項目      リスクの内容                   主要な取り組み
                               ・お客様の期待する品質の実現を目指し、未然
          ・欠陥の発生等により、将来に予期せぬ損失補 防止を図るとともに、問題解決力を向上する
           償が発生するリスク(特に、電力ケーブル、 活動を継続
製品の欠陥      通信ケーブル、自動車用部品等の関連製品 ・品質管理に関するガイドラインを作成し、そ
           で、欠陥の内容により多額の追加コストが発 れに沿って品質マネジメントシステムを強化
           生するリスク)             ・損害賠償請求に備える為、製造物賠償責任保
                                険や生産物回収費用保険等に加入
          ・工事途中での設計変更、建設資材及び労務費
           の高騰                  ・物品・工事それぞれの責任分解点・仕様と保
          ・海底ケーブル敷設工事における海洋条件や台 証範囲を厳格に見極め、プロジェクト固有の
           風等天候の影響による追加費用の発生     リスク分析を行い、見積り方針を策定すると
          ・重大な瑕疵や事故の発生、それに伴う工期遅 ともに、合理的な条件での契約を締結する活
工事の採算悪化    れが生じた場合の、修復費用や損害賠償金の 動を強化
           支払、長期間に渡る瑕疵補修保証の延長   ・遂行段階においては、プロジェクトの進捗、
          ・海外工事案件における当該国での法規制の変 採算状況等を適切にモニタリングすることに
           更や施工業者の状況の変化、政情不安、災   よるリスクの低減
           害、疫病の発生、為替レートの変動     ・建設工事保険等の付保によるリスクヘッジ
          ・外貨契約の円換算収支の悪化

         ・製造工程における有害物質の漏洩による環境
          保全上の問題の発生や、環境関連法令の改正
                                   ・当社グループの生産拠点において、環境マネ
          等による新たな設備投資や対策費用の発生
                                    ジメントシステム(ISO14001)にもとづき、
         ・土地の使用・処分等に対する制限
                                    事業活動に関連する各種環境関連法規制の順
         ・過去の製造状況等に伴う土壌汚染やアスベス
環境汚染・環境規                            守と保全対策等の徹底
          ト・PCB等の有害物質の処理について、関連
制                                  ・製品含有化学物質に関わる規制について、グ
          法規制の強化等による追加の対策費用の発生
                                    リーン調達ガイドラインの発行とパートナー
         ・世界各国におけるRoHS指令やREACH規制等の
                                    への適用、及び規制の強化に対応した定期的
          製品含有化学物質に関わる規制に違反した場
                                    な当社グループ内調査の実施
          合の製品リコール、生産・販売中止などの損
          失費用発生リスク

                               ・投資委員会や経営会議等における投資計画の
          ・市況や事業環境の悪化による収益性低下によ 適切性に関する審議
資産の減損
           る資産の減損              ・投資後の定期的なモニタリング及びフォロー
                                アップ
                                ・第三者の権利を侵害しないための十分な調
          ・知的財産における第三者の権利侵害に関する 査、技術契約チェック
           交渉や係争、第三者との不十分な技術契約に ・開発現場・生産現場の技術秘匿やタイムスタ
           伴う紛争により、事業における直接的な損害 ンプを導入した情報保全、プレスリリースを
知的財産
           や機会損失が発生するリスク         含む社外発表チェック
          ・技術ノウハウの流出や製品等の模倣により、 ・法令順守に関する当社グループへの継続的な
           企業競争力が低下するリスク         教育、知的財産リスク低減に関する定期的な
                                 情報展開
          ・コンプライアンス体制の構築及び維持
                                   ・毎年定期的にコンプライアンス自主点検を行
          ・国内外で事業展開する上で規制当局から受け
                                    うとともに、国内外でコンプライアンスセミ
           る規制強化や法令解釈の厳格化による、事業
                                    ナーを開催し、競争法規制や贈収賄防止の観
           制限や費用の増加等
                                    点からも当社グループ内への教育を実施
          ・法令違反等の事象が生じた場合の、各規制当
                                   ・安全保障貿易管理や関税等に関して、内部監
           局からの処分・制裁、取引先等関係者からの
法令違反等                               査や教育を実施。海外輸出管理法令の専門弁
           損害賠償請求、社会的評価の悪化等
(注)                                 護士との連携
          ・禁輸国への輸出による行政処分、外国為替法
                                   ・東南アジアや中国における地域統括会社によ
           違反、米中関係悪化による米国及び中国にお
                                    り、当該地域内の拠点における調達、経理、
           ける輸出管理規則・法令の域外適用リスク
                                    人事等の業務統括に着手
          ・当該国の法令や規則に関するコンプライアン
                                   ・データアナリティクスを活用した財務分析に
           ス違反
                                    よる統制の実施
          ・海外拠点での不適切会計や粉飾決算




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                              古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信




リスク項目      リスクの内容                   主要な取り組み
                                  ・市況を反映した地金価格の製品販売価格への
         ・需給関係や投機的取引、世界情勢等の変動に
                                   転嫁
原料及び燃料価格  よる、銅・アルミ等の非鉄金属やポリエチレ
                                  ・先物取引を利用したヘッジ
の変動       ン等合成樹脂及び燃料である重油やLPG、LNG
                                  ・生産活動におけるコスト低減や省エネ化
          価格の急激な変動
                                  ・複数購買化による価格変動リスクの分散
         ・輸出入等の国外取引、外貨建て債権・債務の
                                    ・先物為替予約等の活用
           円換算金額の変動
                                    ・外貨建て取引額のバランス化
         ・在外連結子会社等の現地通貨建の個別財務諸
                                    ・長期固定金利を中心とした資金調達により、
           表の円換算金額の変動(米ドルに対し1円円
                                     金利上昇による資金調達コストの増加を抑制
為替・金利・株価   高につき年間で約3~4億円の減益を予想)
                                    ・キャッシュマネジメントシステム(CMS)を
変動       ・金利上昇による資金調達コストの増加
                                     通じた資金効率改善や、財務体質の改善方針
          (当連結会計年度末の有利子負債残高は2,906
                                     のもと、有利子負債を削減
           億円)
                                    ・運用リスク低減を考慮した運用資産のポート
         ・年金資産の時価減少による、会社からの追加
                                     フォリオの構築
           的な資金拠出の発生と退職給付費用の増加
                                 ・多様な資金調達手段の確保と、返済時期の分
           ・金融環境悪化により、資金調達困難に陥る可 散化
            能性と資金調達条件の悪化         ・コミットメントラインの設定と一定水準の手
資金調達       ・当社の財務状況悪化に伴う与信力低下によ   元資金の確保
            り、資金調達に制約が発生する可能性と資金 ・資金調達コスト低減とのバランスをとりつつ
            調達条件の悪化               長期借入割合を増加
                                 ・財務体質の改善
                                    ・取引先情報や回収遅延債権に関する定期的な
           ・取引先の経営破綻に伴い売掛債権が回収困難
与信管理                                 モニタリングの実施
            となることによる貸倒損失の発生
                                    ・担保設定等による債権保全
           ・各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の
                                 ・税務に関する基本方針を定めることによる税
            変更や移転価格税制などによる税金コスト発
税務コンプライア                          務コンプライアンスに対する意識向上
            生
ンス                               ・各国における税法の遵守や税制や税務行政の
           ・各国の税務当局との見解の相違等による追加
                                  変更への対応策の実行
            の税金コストの発生

(注)当社は、自動車用部品カルテルに関し、ブラジル競争法当局の調査を受けております。また、米国での一連の
自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める集団訴訟や、自動車用部品カルテルに関して米国の一部の州の司法
当局から提起された訴訟などにおいて、当社や当社連結子会社がその被告となっております。このほか、自動車用部
品カルテルを含む過去の競争法違反行為に関して、自動車メーカーなどの顧客から現在請求されているものも含め、
当社または当社関係会社が民事賠償金を支払う可能性があります。




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2.経営方針
(1)中長期的な会社の経営戦略
 中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の取組み
  当社グループでは、2020年度を最終年度とする中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」に基づき、次の財務目標
 値の達成に向け、様々な取組みを進めてまいりました。

 【「Furukawa G Plan 2020」に掲げた2020年度の各種財務目標値】
               Furukawa G Plan 2020
                    財務目標値              2016年度     2017年度     2018年度     2019年度     2020年度
              2016年5月     2018年5月        実績         実績         実績         実績         実績
                 発表          修正
 連結営業利益       400億円以上     550億円以上       386億円      448億円      408億円      236億円       84億円
 親会社株主に
 帰属する当期       200億円以上     300億円以上       176億円      285億円      291億円      176億円      100億円
 純利益
 NET D/Eレシオ           ‐       0.8未満        0.99       0.88       0.81       0.82       0.79

 自己資本比率               ‐         30%超      27.6%      29.2%      30.3%      30.2%      31.3%
 ROE                8%超         10%超       9.3%      12.9%      12.0%       7.2%       4.6%
 事業資産営業
                 10%以上        10%以上       12.1%      13.1%      11.2%       6.1%       2.2%
 利益率
  2016年度から開始した本中期経営計画では、①重点領域と位置付けるインフラ(情報通信、エネルギー)/自動
 車分野の強化、②グローバル市場での拡販推進、及び③新事業の開拓加速を重点施策として取り組んでまいりまし
 た。
  ① 重点領域の強化では、情報通信分野において当社が技術的優位性を持つ光ファイバ及び光ファイバ・ケーブル
 (以下、あわせて「光ファイバ等」という)の北米での拡販推進やデジタルコヒーレント関連の新製品の開発、南
 米拠点におけるソリューションビジネスの展開に取り組みました。また、主に北米の光ファイバ等の拠点において
 製造能力増強の設備投資を実施しました。エネルギー分野では国内の超高圧地中線需要の着実な取り込みや需要拡
 大が見込まれる再生可能エネルギー向けの海底線の受注に注力したほか、海底線の長尺化対応や生産性向上のため
 の設備投資も実施しました。自動車分野では、グローバル車種向けのワイヤハーネスの受注獲得に努め、アジア地
 域での生産体制の最適化及び生産能力の増強を推進しました。
  当社では事業資産営業利益率*を指標とした低採算事業・製品群の改善に取り組み、当社の重点領域との事業シ
 ナジー等を総合的に勘案し、事業ポートフォリオの見直しも実行しました。
  *事業資産営業利益率…営業利益/事業資産(棚卸資産+有形・無形固定資産)

   <主な事業ポートフォリオの見直し施策>
   ●   子会社FCM㈱(当時JASDAQ市場に上場)の全ての当社保有株式を売却
   ●   建設・電販市場向け汎用線の販売・物流事業を再編(昭和電線ホールディングス㈱と合弁会社を設立)
   ●   当社グループの銅管事業を譲渡(日本産業パートナーズ㈱傘下の特別目的会社へ譲渡)
   ●   当社グループの巻線事業の一部を再編(Superior Essexグループと合弁会社を設立)

  ② グローバル市場での拡販推進では、情報通信ソリューション事業において光ファイバ等の生産及び供給体制を
 グローバルに一括で管理する体制の確立に努めました。また、タイ子会社に東南アジア地域を統括する機能を持た
 せグローバルに事業活動を行うための体制整備を実施したほか、海外子会社を含めた将来の経営人材候補のグルー
 プ横断的な人材育成に取り組みました。

  ③ 新事業の開拓では、重点領域であるインフラ/自動車分野への成長投資を加速し、光ファイバの低損失化・高
 密度化に向けた製品開発、再生可能エネルギー向けの海底線の要素技術開発や、CASE*の進展に対応するための周
 辺監視レーダやアルミワイヤハーネス等の開発に注力しました。
  *CASE…Connected(つながる化)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、
        Electric(電動化)




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  さらに、新しいビジネスモデル創出の取組みとして、ファイバレーザ技術と素材技術の知見を活かしたモビリテ
 ィの電動化に貢献する産業用レーザを事業化しました。その他、非接触電力伝送技術を活用した給電システム、再
 生可能エネルギーにより発電された電力の安定供給に貢献するバイポーラ型蓄電池やラムネ触媒 ™ を用いたLPガス
 創出技術などの研究開発にも注力しました。また、「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン
 2030」という)の達成に向け、長年培ってきた自社技術に外部の技術やアイデア等を組み合わせるオープンイノベ
 ーションにも積極的に取り組みました。

   <主なオープンイノベーションの取組み>
   ●   外部との共創の場として横浜事業所内にFun Lab®を開設
   ●   米国シリコンバレーに現地企業や大学との共創機会発掘の拠点を開設
   ●   複数の国立大学法人に産学連携講座を設置
   ●   複数の地方自治体と防災・減災等に関する協定を締結

  本中期経営計画開始当初はインフラ分野において北米における光ファイバ等の旺盛な需要を着実に取り込んだこ
 とや、自動車分野でのワイヤハーネス関連の売上増加などから業績は好調に推移しました。2017年度には連結営業
 利益は448億円、親会社株主に帰属する当期純利益は285億円となり、計画当初の目標値を前倒しで達成したことか
 ら、2018年5月に目標値を上方修正しました。その後、中国に端を発する光ファイバ等の需給バランスの悪化や北
 米拠点の光ファイバ・ケーブル生産性改善の遅れによる拡販機会の逸失により、情報通信ソリューション事業で収
 益が悪化しました。さらに2020年以降は新型コロナウイルスの世界的流行によるグローバルでの経済活動の停滞が
 大きく影響し、修正後の目標値を達成することはできませんでしたが、財務体質改善の取組みや経営基盤強化に向
 けた全社的な変革活動の取組みを推進し、一定の成果を得ることができました。本年3月には㈱格付投資情報セン
 ターの信用格付が2002年6月以来19年ぶりに「A-」へ復帰しました。
  当社では、本中期経営計画の取組み・成果を踏まえた分析を、今後の計画に反映させてまいります。なお、2021
 年度から開始予定であった次期中期経営計画は、新型コロナウイルスの流行により当社グループを取り巻く経営環
 境が大きく変化したことから計画の策定を中断し、同計画の開始を延期しました。2021年度は「ビジョン2030」の
 達成に向け、次期中期経営計画の実行に向けた基盤づくりに取り組んでまいります。2022年度を初年度とする次期
 中期経営計画は現在策定中であり、準備が整い次第、公表し、同計画に基づく各種施策に取り組んでまいります。


(2)会社の対処すべき課題
 ① 「古河電工グループ ビジョン2030」達成に向けたESG経営の推進
  当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」が示す社会課題の解決を念頭に置き、目指
 す時間軸と事業領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)を定め
 ております。その達成に向け、当社グループに関わるすべてのステークホルダーとの共創により、当社グループの
 中長期的な企業価値向上に加え、社会的価値向上を目指し、ESG経営の推進に取り組んでおります。「ビジョン
 2030」を達成するために当社グループが対処すべき経営上の重要な課題を「マテリアリティ」と定義し、収益機会
 とリスクの観点から次のとおり特定しました。これらのマテリアリティに取り組み「ビジョン2030」を達成するこ
 とで、SDGsの達成にも貢献してまいります。




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 収益機会の観点から、当社グループが事業活動を通じて様々な社会課題を解決していくためには、従来のプロダ
クト・アウトの考え方からアウトサイド・イン・アプローチへの転換が必要不可欠と考え、「社会課題解決型事業
の創出」をマテリアリティとして特定しております。その具体例として、「ビジョン2030」で描く社会の基盤とな
る「次世代インフラを支える事業の創出」、脱炭素社会・資源循環型社会の実現に貢献する「環境配慮事業の創
出」などがあります。自ら積極的に変革する企業を目指すという想いを表した「Open, Agile, Innovative」と、
外部との共創に注力する「多様なステークホルダーとのパートナーシップの形成」を通じて「社会課題解決型事業
の創出」の取組みを進めてまいります。2021年4月に当社グループ全体の新事業創出を推進する部署を設置してお
り、取組みを加速してまいります。
 次に、リスクのマテリアリティとして特定した「気候変動に配慮したビジネス活動の展開」への取組みとして、
TCFD*提言に沿ったシナリオ分析を「Furukawa G Plan 2020」で注力している3つの事業で実施しました。気候変
動による収益機会の取り込み及びリスクへの適切な対処の重要性を認識し、今後、シナリオ分析の対象事業を拡大
し、財務影響度開示に向けたより具体的な分析に取り組んでまいります。
 また、2021年3月に「古河電工グループ環境ビジョン2050」を公表しました。チャレンジ目標として2050年に事
業活動における温室効果ガス排出量*ゼロを設定しております。環境に配慮した製品・サービスの提供及び循環型
生産活動を通じ、バリューチェーン全体で持続可能な社会に貢献してまいります。2020年における当社グループの
気候変動に関するリスクと機会への取組みが評価され、CDP*から最高評価である「気候変動Aリスト企業」と「サ
プライヤーエンゲージメント評価」のリーダーボードに選定されました。
 *TCFD…Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略称であり、企業等に対し気候関連リスク及
      び機会に関する開示等を推奨している民間主導の気候関連財務情報開示タスクフォース
 *事業活動における温室効果ガス排出量…自社工場・オフィスからの直接排出及び自社が購入した電力・熱など
      の使用による間接排出の排出量
 *CDP…環境情報開示に取り組む国際的な非営利団体
 「人材・組織実行力の強化」への取組みとして、2018年11月に策定した「古河電工グループPeople Vision」に
沿い、人材育成と組織風土改革を進めております。新型コロナウイルス収束後を見据えた「働き方改革」を全社横
断的に推進したほか、成果のあがるチームを作るリーダーとなるための心構え・行動原則を定めた「古河電工流上
司心得七則~フルカワセブン」を策定しております。人材育成と組織実行力の強化が当社グループの文化として定
着することを目指し、順次対象層を拡大し取組みを推進してまいります。外部からの評価として、女性活躍推進の
取組みが評価され、「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄への採用や厚生労働大臣より「えるぼし」の
認定を受けております。また、経済産業省より優良な健康経営を実践している法人として「健康経営優良法人」に
認定されました。引き続き従業員の健康増進に向けた取組みを進めてまいります。
 「リスク管理強化に向けたガバナンス体制の構築」への取組みとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上
を目指し、コーポレートガバナンスの強化に注力しております。2020年6月の定時株主総会において、公認会計士
の資格を有する女性の社外監査役が就任し、取締役・監査役全体としての知見・経験の充実と多様性の実現を図り
ました。また、2020年度も取締役会実効性評価を実施し、重要課題として指摘された、事業環境の変化を踏まえた
中長期的な成長戦略の議論の充実や社外役員への情報提供の質・量の改善等に取り組むことで、引き続き取締役会
の実効性向上を図ってまいります。さらに、グループガバナンスの強化の取組みとして、グループ全体のリスクア
セスメントの高度化に引き続き取り組んでまいります。上場子会社である古河電池㈱及び東京特殊電線㈱では、当
社と当該上場子会社の少数株主との間には構造的な利益相反リスクがあることを踏まえ、取締役会における独立社
外取締役の比率を3分の1以上に高め、親会社との取引についてその合理性・公正性等を審査する機関として独立
社外取締役が過半数を占める「利益相反管理委員会」を設置しております。また、2021年2月に「古河電工グルー
プCSR調達ガイドライン」を改訂し、CSRの観点からもサプライチェーンマネジメントの強化に取り組んでおりま
す。
 ESGに関する各種取組みの実行と積極的な情報開示を行い、「FTSE 4Good Index Series*」及び「FTSE Blossom
Japan Index*」の構成銘柄に初選定されました。
 * FTSE4Good Index Series及びFTSE Blossom Japan Index
  …英国ロンドン証券取引所グループの一企業であるFTSE Russellが定める株式指標




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                             古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信




 ② 次期中期経営計画に向けた基盤づくり
  2021年度から開始することを予定しておりました次期中期経営計画は、新型コロナウイルスの流行により当社グ
 ループを取り巻く経営環境が大きく変化したことから計画の策定を中断し、同計画の開始を延期しました。「ビジ
 ョン2030」の達成に向け、2021年度は次期中期経営計画の実行に向けた基盤づくりとして、環境変化を先取りした
 事業の変革、新事業の立上げ・育成に加え、引き続き資本効率を重視した経営の強化を進めてまいります。2022年
 度から2025年度までの4ヶ年の次期中期経営計画は現在策定中であり新型コロナウイルスの状況及び事業環境を見
 極めたうえで、公表することを予定しております。




                  古河電工グループ ビジョン2030
             地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、
             情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。




3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
 当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で連結財務
諸表を作成する方針です。
 なお、今後のIFRS適用については、国内の動向等を踏まえ、適切に対応していく方針です。




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                      古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


4.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
                                               (単位:百万円)
                       前連結会計年度             当連結会計年度
                      (2020年3月31日)        (2021年3月31日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                        54,357              84,362
   受取手形及び売掛金                    192,513             191,930
   有価証券                             899               2,923
   商品及び製品                        34,550              38,210
   仕掛品                           33,849              34,512
   原材料及び貯蔵品                      47,462              48,114
   その他                           23,801              30,653
   貸倒引当金                        △1,254                △894
   流動資産合計                       386,179             429,812
 固定資産
   有形固定資産
     建物及び構築物                   229,611             235,399
     機械装置及び運搬具                 475,766             446,936
     工具、器具及び備品                  74,798              74,520
     土地                         36,354              35,127
     リース資産                       1,261               1,257
     使用権資産                      10,934              11,390
     建設仮勘定                      34,529              27,108
     減価償却累計額                  △609,037            △584,996
     有形固定資産合計                  254,219             246,744
   無形固定資産
     のれん                          2,072               1,450
     その他                         14,022              18,799
     無形固定資産合計                    16,095              20,250
   投資その他の資産
     投資有価証券                     100,933             101,708
     出資金                          6,466               8,965
     繰延税金資産                      14,726               6,948
     退職給付に係る資産                    5,899               6,859
     その他                         11,162              11,788
     貸倒引当金                      △1,065              △1,034
     投資その他の資産合計                 138,122             135,236
   固定資産合計                       408,436             402,231
 資産合計                           794,616             832,044




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                        前連結会計年度             当連結会計年度
                       (2020年3月31日)        (2021年3月31日)
負債の部
 流動負債
   支払手形及び買掛金                     111,586             115,502
   短期借入金                         110,515             103,523
   コマーシャル・ペーパー                    15,000              30,000
   未払法人税等                          2,785               2,033
   製品補償引当金                        17,711               4,022
   その他                            62,048              60,121
   流動負債合計                        319,647             315,204
 固定負債
   社債                             30,000              30,000
   長期借入金                          95,573             127,094
   環境対策引当金                        10,396              10,229
   退職給付に係る負債                      53,460              44,514
   資産除去債務                          1,304               1,323
   その他                            11,203              12,061
   固定負債合計                        201,937             225,222
 負債合計                            521,585             540,426
純資産の部
 株主資本
   資本金                            69,395              69,395
   資本剰余金                          22,787              23,028
   利益剰余金                         165,101             168,542
   自己株式                            △598                △576
   株主資本合計                        256,685             260,388
 その他の包括利益累計額
   その他有価証券評価差額金                   10,950              13,929
   繰延ヘッジ損益                       △1,691                2,677
   為替換算調整勘定                     △12,853             △13,295
   退職給付に係る調整累計額                 △12,810              △3,829
   その他の包括利益累計額合計                △16,405                △518
 非支配株主持分                          32,750              31,747
 純資産合計                           273,030             291,617
負債純資産合計                          794,616             832,044




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(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
                                                       (単位:百万円)
                             前連結会計年度               当連結会計年度
                           (自 2019年4月1日          (自 2020年4月1日
                           至 2020年3月31日)         至 2021年3月31日)
売上高                                  914,439               811,600
売上原価                                 764,200               682,288
売上総利益                                150,239               129,311
販売費及び一般管理費
 販売費                                   38,752                34,621
 一般管理費                                 87,921                86,260
 販売費及び一般管理費合計                         126,674               120,881
営業利益                                   23,565                 8,429
営業外収益
 受取利息                                     584                   611
 受取配当金                                  2,067                 1,690
 持分法による投資利益                             2,458                    -
 為替差益                                      -                    502
 デリバティブ評価益                                548                    -
 その他                                    1,786                 1,918
 営業外収益合計                                7,446                 4,723
営業外費用
 支払利息                                   4,326                 3,586
 持分法による投資損失                                -                    893
 為替差損                                   1,014                    -
 デリバティブ評価損                                 -                  1,167
 その他                                    2,900                 2,316
 営業外費用合計                                8,240                 7,963
経常利益                                   22,771                 5,189
特別利益
 固定資産処分益                                5,848                22,144
 投資有価証券売却益                              7,494                 9,521
 その他                                    1,590                 1,763
 特別利益合計                                14,934                33,430
特別損失
 固定資産処分損                                  798                 1,303
 減損損失                                     623                 2,542
 製品補償引当金繰入額                                65                 4,820
 火災損失                                     958                    -
 持分変動損失                                    -                    490
 事業譲渡損                                     -                  3,770
 新型コロナウイルス感染症による損失                         -                  1,385
 その他                                    4,508                 2,991
 特別損失合計                                 6,953                17,303
税金等調整前当期純利益                            30,751                21,316
法人税、住民税及び事業税                            7,793                 6,047
法人税等調整額                                 3,960                 3,171
法人税等合計                                 11,754                 9,219
当期純利益                                  18,997                12,097
非支配株主に帰属する当期純利益                         1,357                 2,095
親会社株主に帰属する当期純利益                        17,639                10,001




                        ─ 15 ─
                        古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


連結包括利益計算書
                                                  (単位:百万円)
                         前連結会計年度              当連結会計年度
                       (自 2019年4月1日         (自 2020年4月1日
                       至 2020年3月31日)        至 2021年3月31日)
当期純利益                             18,997               12,097
その他の包括利益
 その他有価証券評価差額金                    △10,119                 2,945
 繰延ヘッジ損益                          △1,604                 4,235
 為替換算調整勘定                         △3,905                   244
 退職給付に係る調整額                       △3,942                 8,124
 持分法適用会社に対する持分相当額                 △1,485                   294
 その他の包括利益合計                      △21,058                15,844
包括利益                              △2,060                27,941
(内訳)
 親会社株主に係る包括利益                     △3,272                25,888
 非支配株主に係る包括利益                      1,211                 2,053




                    ─ 16 ─
                                                古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


(3)連結株主資本等変動計算書
 前連結会計年度(自 2019年4月1日      至 2020年3月31日)
                                                      (単位:百万円)
                                    株主資本

               資本金       資本剰余金      利益剰余金        自己株式       株主資本合計

当期首残高           69,395     22,535     151,744       △600      243,074

当期変動額

 剰余金の配当                               △6,002                  △6,002
 親会社株主に帰属す
                                       17,639                  17,639
 る当期純利益
 連結子会社の増加に
                              128       1,031                   1,160
 伴う増加高
 持分法適用会社の増
                                          688                     688
 加に伴う増加高
 自己株式の取得                                              △2          △2

 自己株式の処分                                                4           4
 非支配株主との取引
 に係る親会社の持分                    123                                 123
 変動
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純
 額)
当期変動額合計              -        252      13,356           1      13,611

当期末残高           69,395     22,787     165,101       △598      256,685



                              その他の包括利益累計額
             その他有価証券         為替換算調整勘 退職給付に係る その他の包括利 非支配株主持分                     純資産合計
                     繰延ヘッジ損益
              評価差額金             定     調整累計額   益累計額合計
当期首残高           21,788        124     △8,937       △8,391       4,584   32,252    279,911

当期変動額

 剰余金の配当                                                                           △6,002
 親会社株主に帰属す
                                                                                   17,639
 る当期純利益
 連結子会社の増加に
                                                                                    1,160
 伴う増加高
 持分法適用会社の増
                                                                                      688
 加に伴う増加高
 自己株式の取得                                                                              △2

 自己株式の処分                                                                                4
 非支配株主との取引
 に係る親会社の持分                                                                            123
 変動
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純      △10,838     △1,816     △3,915       △4,419     △20,989      497    △20,492
 額)
当期変動額合計        △10,838     △1,816     △3,915       △4,419     △20,989      497    △6,880

当期末残高           10,950     △1,691    △12,853      △12,810     △16,405   32,750    273,030




                                      ─ 17 ─
                                               古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


 当連結会計年度(自 2020年4月1日      至 2021年3月31日)
                                                     (単位:百万円)
                                    株主資本

               資本金       資本剰余金      利益剰余金       自己株式       株主資本合計

当期首残高           69,395     22,787    165,101       △598      256,685

当期変動額

 剰余金の配当                              △6,002                  △6,002
 親会社株主に帰属す
                                      10,001                  10,001
 る当期純利益
 連結子会社の増加に
                                       △239                    △239
 伴う減少高
 連結子会社の減少に
                                        △65                     △65
 伴う減少高
 持分法適用会社の増
                                       △253                    △253
 加に伴う減少高
 自己株式の取得                                             △2          △2

 自己株式の処分                                             23           23
 非支配株主との取引
 に係る親会社の持分                    240                                240
 変動
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純
 額)
当期変動額合計              -        240      3,441         21        3,702

当期末残高           69,395     23,028    168,542       △576      260,388



                              その他の包括利益累計額
             その他有価証券         為替換算調整勘 退職給付に係る その他の包括利 非支配株主持分                    純資産合計
                     繰延ヘッジ損益
              評価差額金             定     調整累計額   益累計額合計
当期首残高           10,950     △1,691    △12,853     △12,810     △16,405   32,750    273,030

当期変動額

 剰余金の配当                                                                          △6,002
 親会社株主に帰属す
                                                                                  10,001
 る当期純利益
 連結子会社の増加に
                                                                                  △239
 伴う減少高
 連結子会社の減少に
                                                                                   △65
 伴う減少高
 持分法適用会社の増
                                                                                  △253
 加に伴う減少高
 自己株式の取得                                                                            △2

 自己株式の処分                                                                             23
 非支配株主との取引
 に係る親会社の持分                                                                          240
 変動
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純        2,979      4,368      △442        8,980      15,886   △1,002     14,883
 額)
当期変動額合計          2,979      4,368      △442        8,980      15,886   △1,002     18,586

当期末残高           13,929      2,677    △13,295      △3,829       △518    31,747    291,617




                                      ─ 18 ─
                             古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


(4)連結キャッシュ・フロー計算書
                                                       (単位:百万円)
                              前連結会計年度              当連結会計年度
                            (自 2019年4月1日         (自 2020年4月1日
                            至 2020年3月31日)        至 2021年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税金等調整前当期純利益                           30,751              21,316
 減価償却費                                 29,423              32,163
 持分法による投資損益(△は益)                      △2,458                  893
 有価証券及び投資有価証券売却損益(△は益)                △7,462              △9,166
 事業譲渡損益(△は益)                               -                3,770
 投資有価証券評価損益(△は益)                        1,102                 236
 固定資産処分損益(△は益)                        △5,050             △20,840
 減損損失                                     623               2,542
 災害損失                                     958                  -
 受取保険金                                     -              △1,281
 新型コロナウイルス感染症による損失                         -                1,385
 たな卸資産評価損                                 388               1,907
 受取利息及び受取配当金                          △2,652              △2,302
 支払利息                                   4,326               3,586
 為替差損益(△は益)                             △591                  338
 売上債権の増減額(△は増加)                        23,499            △13,788
 たな卸資産の増減額(△は増加)                        4,071            △14,431
 仕入債務の増減額(△は減少)                      △17,252               12,161
 退職給付に係る負債の増減額(△は減少)                      387               1,059
 製品補償引当金の増減額(△は減少)                   △10,667             △13,706
 その他                                    1,873               2,009
 小計                                    51,273               7,852
 利息及び配当金の受取額                            4,682               3,287
 利息の支払額                               △4,344              △3,603
 法人税等の支払額又は還付額(△は支払)                  △8,952              △8,209
 災害損失の支払額                               △717                   -
 保険金の受取額                                   -                1,281
 新型コロナウイルス感染症による損失の支払額                     -              △1,088
 営業活動によるキャッシュ・フロー                      41,942               △479
投資活動によるキャッシュ・フロー
 定期預金の増減額(△は増加)                            39                   4
 投資有価証券の取得による支出                       △1,543              △2,112
 投資有価証券の売却及び償還による収入                    10,916              14,804
 連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却によ
                                            -               2,306
 る収入
 有形固定資産の取得による支出                      △47,312             △33,386
 無形固定資産の取得による支出                       △6,550              △7,325
 固定資産の売却による収入                          6,789               22,370
 短期貸付金の増減額(△は増加)                       4,950                3,540
 長期貸付けによる支出                            △427               △1,796
 長期貸付金の回収による収入                           261                    1
 その他                                   △242                 △315
 投資活動によるキャッシュ・フロー                    △33,119              △1,908




                         ─ 19 ─
                                         古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


                                                                   (単位:百万円)
                                          前連結会計年度              当連結会計年度
                                        (自 2019年4月1日         (自 2020年4月1日
                                        至 2020年3月31日)        至 2021年3月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
 短期借入金の純増減額(△は減少)                                   1,735               2,008
 コマ ー シャ ル・ ペ ー パー の 純 増 減額 ( △ は減
                                                   15,000              15,000
 少)
 長期借入れによる収入                                         8,935              55,965
 長期借入金の返済による支出                                   △27,390             △30,100
 社債の発行による収入                                        10,000                  -
 株式の発行による収入                                            -                  452
 非支配株主からの払込みによる収入                                     728                  -
 自己株式の取得による支出                                         △1                  △9
 子会社の自己株式の取得による支出                                   △151                   -
 配当金の支払額                                          △5,998              △6,001
 非支配株主への配当金の支払額                                   △1,379                △521
 その他                                              △1,649              △1,651
 財務活動によるキャッシュ・フロー                                   △171               35,140
現金及び現金同等物に係る換算差額                                    △928                △594
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                                 7,722              32,158
現金及び現金同等物の期首残高                                     46,838              55,055
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額                                  494                 819
連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額                                   -                △866
合併に伴う現金及び現金同等物の増加額                                     -                   22
現金及び現金同等物の期末残高                                     55,055              87,189




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                                                 古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
 該当事項はありません。


(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
 下記「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更」に記されているものを除き、最近の有価証券報告
書(2020年6月23日提出)における記載から重要な変更がないため開示を省略しております。


(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更)
 1.連結の範囲に関する変更
  連結子会社の数       109社
   FURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS AND PRODUCTS LAGUNA, INC.、Furukawa Electric Magnet
  Wire America, Inc.はそれぞれ重要性が増したため、連結の範囲に含めております。
   奥村金属㈱、FE Magnet Wire (Malaysia) Sdn. Bhd.はそれぞれ保有株式の全部を譲渡したため、Furukawa
  Metal(Thailand) Public Co.,Ltd.は当社保有の株式の全部を譲渡したため、古河ファイナンス・アンド・ビジ
  ネス・サポート㈱は古河ライフサービス㈱との合併により消滅したため、BANGKOK TELECOM CO.,LTD.は清算のた
  め、連結の範囲から除外しております。
   なお、古河ライフサービス㈱は古河電工ビジネス&ライフサポート㈱に社名変更しております。


 2.持分法の適用に関する変更
  持分法適用の関連会社数           13社
   Essex Furukawa Magnet Wire LLCは設立のため、SFCC㈱は重要性が増したため、それぞれ持分法適用の範囲に
  含めております。
   鑫古河金属(無錫)有限公司、東栄端子㈱はそれぞれ保有株式の全部を譲渡したため、持分法適用の範囲から除
  外しております。


(重要な会計上の見積り)
 1.将来の事業計画を基礎とする会計上の見積り
  新型コロナウイルス感染症の影響については、今後の広がり方や収束時期等について統一的な見解がなく、今後
 の経済活動正常化のタイミング及び当社グループにおける業績への影響を見通すことは極めて困難であります。
  将来の事業計画は、顧客からの内示情報を含む外部の情報源に基づく情報等も踏まえ、当社グループが行う事業
 ごとに新型コロナウイルス感染症の影響を織り込んでおり、当該影響は翌連結会計年度には概ね収束するものと仮
 定しております。
  将来の不確実な経済状況の変動が生じた場合は、連結財務諸表において固定資産の減損損失や繰延税金資産の評
 価に重要な影響を与える可能性があります。


 (1) 繰延税金資産の回収可能性
  ① 当年度の連結財務諸表に計上した金額
    繰延税金資産        6,948百万円


  ② 見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
   将来事業計画により見積もられた将来の課税所得に基づき、繰延税金資産を計上しており、将来の事業計画
  は、上記に記載の通り、一定の仮定を置いて策定しております。
   課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、実
  際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度において繰延税金資産を認識する金額に重
  要な影響を与える可能性があります。




                                           ─ 21 ─
                                  古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


(2) 台日古河銅箔股份有限公司に係る資産の減損
① 連結財務諸表に計上した金額
     建物及び構築物       3,624百万円
     機械装置及び運搬具    15,817百万円
     工具、器具及び備品      286百万円
     土地            1,065百万円
     使用権資産          290百万円
     建設仮勘定         1,977百万円
     減価償却累計額    △12,969百万円
     合計           10,091百万円


② 見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
  台日古河銅箔股份有限公司は回路用電解銅箔の製造・販売を行っておりますが、銅箔事業は自動車需要減少
 や、昨年度の台湾製造拠点火災による回路用箔生産能力低下により収益が悪化しております。
  台日古河銅箔股份有限公司は、回路用電解銅箔の製造工場を保有しており、国際財務会計基準(IFRS)に従
 い、当該資産グループの減損を検討しております。
  当連結会計年度において、営業損益が当初の予算を下回りマイナスとなったことから減損の兆候を識別し、
 台日古河銅箔股份有限公司の銅箔事業の資産グループから生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在
 価値に基づき使用価値を算定しております。当該使用価値が帳簿価額を上回るため 、減損損失を認識しないと
 判断しました。
    使用価値の算定に利用した将来キャッシュ・フローは、社内で承認された将来の事業計画をもとに算出して
 おり、5G関連事業の需要が拡大することを見込んでおります。将来の不確実な経済状況の変動により需要予測
 が外れ、事業計画の見直しが必要になった場合、翌連結会計年度において、減損損失を認識する可能性があり
 ます。


2.製品補償引当金
① 当年度の連結財務諸表に計上した金額
    製品補償引当金    4,022百万円


② 見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
    製品の品質に関する補償費用の支出に備えるため、今後必要と見込まれる金額を計上しております。特に、
 自動車の市場回収措置(リコール)に関する引当金は、過去に当社連結子会社が製造した部品を組み込んだ自
 動車の不具合に対して客先が修理対応を行った場合に、当社グループが負担することが合理的に見込まれる金
 額に基づき計上しております。
    この金額は、以下の要素をそれぞれ乗じることにより算定されます。
     ⅰ 対象となる車両台数
     ⅱ 1台あたりの修理単価
     ⅲ 市場回収措置(リコール)の予想措置率
     ⅳ 修理費用についての客先の負担率
    ⅱ及びⅲについては過去の市場回収措置(リコール)実施実績等から、ⅳについては客先との交渉状況から
 それぞれ見積を行っておりますが、それらの見積りには不確実性が含まれており、状況変化に伴い結果として
 引当金の追加計上もしくは戻入が必要となる可能性があります。




                              ─ 22 ─
                               古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


(表示方法の変更)
 (「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の適用)
  「会計上の見積りの開示に関する会計基準」(企業会計基準第31号     2020年3月31日)を当連結会計年度の年度
 末に係る連結財務諸表から適用し、連結財務諸表に重要な会計上の見積りに関する注記を記載しております。
  ただし、当該注記においては、当該会計基準第11項ただし書きに定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年
 度に係る内容については記載しておりません。


 (連結貸借対照表関係)
  前連結会計年度において独立掲記していた「固定負債」の「繰延税金負債」は金額的重要性が乏しくなったた
 め、当連結会計年度より固定負債の「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるた
 め、前連結会計年度の連結貸借対照表の組替えを行っております。
  この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において「固定負債」に表示していた「繰延税金負債」391百万円
 は、「その他」に含めて表示しております。


 (連結損益計算書関係)
  前連結会計年度において独立掲記していた「特別損失」の「投資有価証券評価損」、「事業構造改革費用」は金
 額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しております。
  また、「特別損失」の「その他」に含めていた「減損損失」、「製品補償引当金繰入額」は、特別損失の総額の
 100分の10を超えたため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前
 連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
  この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において「特別損失」に表示していた「投資有価証券評価損」
 1,102百万円、「事業構造改革費用」931百万円、「その他」3,162百万円は、「減損損失」623百万円、「製品補償
 引当金繰入額」65百万円、「その他」4,508百万円として組み替えております。


 (連結キャッシュ・フロー計算書関係)
  前連結会計年度において「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「長期貸付けによる
 支出」、「長期貸付金の回収による収入」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記していま
 す。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
  この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において「投資活動によるキャッシュ・フロー」に
 表示していた「その他」△408百万円は、「長期貸付けによる支出」△427百万円、「長期貸付金の回収による収
 入」261百万円、「その他」△242百万円として組み替えております。




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                                      古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


(連結損益計算書関係)
*1 固定資産処分益
    当社は、2020年4月1日付で、当社が行っている銅管、銅管部品及び銅板の開発、製造及び販売に関する事業並
 びに当社の完全子会社である奥村金属㈱の発行済株式の全部を、当社が新たに設立した完全子会社であるDaishin
 P&T ㈱に吸収分割の方法により承継させ、2020年6月1日付で、Daishin P&T ㈱の発行済株式の全部及び当社の連
 結子会社であるFurukawa Metal (Thailand) Public. Co., Ltd.の当社が直接出資する持分すべてを、日本産業パ
 ートナーズ㈱が管理・運営する日本産業第五号投資事業有限責任組合等が間接的に出資する特別目的会社である
 CTJホールディングス2㈱に譲渡いたしました。
  また、これに伴って上記の株式譲渡の実行を条件とした保有資産の譲渡を行い、固定資産処分益を計上しており
 ます。


    固定資産の名称及び所在地                 現況        固定資産処分益       引渡日

    兵庫県尼崎市道意町七丁目6番 他
                                 工場用地      22,078百万円     2020年6月30日
    土地   162,739.87㎡(登記簿面積)
   (注) 譲渡価額、帳簿価額は、譲渡先の意向により非開示とさせていただきます。

*2 製品補償引当金繰入額
  当社連結子会社が製造した自動車用部品に関連し、当該部品を組み込んだ自動車について市場回収措置(リコー
 ル)が行われており、当社及び当社連結子会社が部品の販売先から費用の負担を求められていることを受けて、今
 後必要と見込まれる金額を引当計上したものであります。


*3 事業譲渡損
  2020年6月1日付で、当社の完全子会社であるDaishin P&T ㈱の発行済株式の全部、及び当社の連結子会社であ
 るFurukawa Metal (Thailand) Public. Co., Ltd.の当社が直接出資する持分すべてを譲渡したことに伴い計上し
 たものであります。なお、最終的な譲渡価額は株式譲渡契約で規定されたクロージング後の価額調整をもって決定
 されるため、譲渡損の額は変動する可能性があります。


*4 新型コロナウイルス感染症による損失
  当社グループの在外連結子会社において、新型コロナウイルスの感染拡大防止を背景とした各国政府等からの直
 接の要請に基づき、一部の生産拠点が操業停止した期間の固定費等を特別損失に計上したものであります。




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(企業結合等関係)
 (銅管事業における会社分割及び承継会社の株式譲渡)
  当社は、2019年9月27日の取締役会において決議し、同日に締結した株式譲渡契約に基づいて、2020年4月1日
 付で、当社が行っている銅管、銅管部品及び銅板の開発、製造及び販売に関する事業(以下「本件事業」)並びに
 当社の完全子会社である奥村金属㈱の発行済株式の全部を、当社が新たに設立した完全子会社であるDaishin P&T
 ㈱に吸収分割の方法により承継させ、2020年6月1日付で、Daishin P&T ㈱の発行済株式の全部及び当社の連結子
 会社であるFurukawa Metal (Thailand) Public Co., Ltd.の当社が直接出資する持分のすべてを、日本産業パート
 ナーズ㈱が管理・運営する日本産業第五号投資事業有限責任組合等が間接的に出資する特別目的会社であるCTJホ
 ールディングス2㈱(以下「CTJ」)へ譲渡いたしました。


 1.共通支配下の取引等
 (1) 取引の概要
  ①対象となった事業の名称及びその事業の内容
   事業の名称 当社及び奥村金属㈱が行っている銅管事業
   事業の内容 銅管、銅管部品及び銅板の開発、製造及び販売に関する事業


  ②会社分割日
   2020年4月1日


  ③会社分割の法定形式
   当社を分割会社、新会社を承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割方式)


  ④分割後企業の名称
   Daishin P&T ㈱


  ⑤その他取引の概要に関する事項
   本会社分割は、株式譲渡を目的として実施したものであります。


 (2)実施した会計処理の概要
   「企業結合に関する会計基準」及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」に基づ
  き、共通支配下の取引として処理しております。


 2.株式譲渡
 (1) 株式譲渡の概要
  ①株式譲渡の相手先の名称
   CTJホールディングス2㈱


  ②当該子会社の名称及び事業内容
                       名称                                      事業内容
                                                   銅管、銅管部品及び銅板の開発、製造及び販売に
   Daishin P&T ㈱
                                                   関する事業

   Furukawa Metal (Thailand) Public Co., Ltd.      銅管等の製造・販売


  ③株式譲渡の理由
   当社は、2016年に策定した中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」において、注力事業・製品の強化に取り組
  むとともに、事業ポートフォリオの見直しを進めております。当社の注力事業・製品と本件事業との事業シナジ
  ー、本件事業の更なる競争力の強化等を総合的に検討した結果、 同業他社と統合し事業成長を図るCTJに譲渡す
  ることが本件事業の継続的な成長に資するものと判断し、本取引を行うことを決定いたしました。




                                                ─ 25 ─
                                  古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


 ④株式譲渡日
  2020年6月1日


 ⑤法的形式を含むその他取引の概要に関する事項
  受取対価を現金等の財産のみとする株式譲渡


(2) 実施した会計処理の概要
 ①譲渡損益の金額
  事業譲渡損 3,770百万円(暫定)
  ※最終的な譲渡価額は株式譲渡契約で規定されたクロージング後の価額調整をもって決定されるため、譲渡損
  の額は変動する可能性があります。


 ②譲渡した子会社に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳
   流動資産           12,562百万円
   固定資産           3,179百万円
   資産合計           15,741百万円


   流動負債           6,158百万円
   固定負債             548百万円
   負債合計           6,707百万円


 ③会計処理
  当該譲渡株式の連結上の帳簿価額と売却価額との差額を「事業譲渡損」として特別損失に計上しております。


3.分離した事業が含まれていた報告セグメント
  電装エレクトロニクス


4.当連結会計年度の連結損益計算書に計上されている分離した事業に係る損益の概算額
  当連結会計年度の期首を譲渡日として事業分離を行っているため、当連結会計年度の連結損益計算書に分離し
 た事業に係る損益は含まれておりません。




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(太物巻線事業における会社分割及び承継会社株式等の現物出資)
 当社は、2020年10月1日付で、当社及び当社の完全子会社である古河マグネットワイヤ㈱(以下「FMGW」)が行
っている太物巻線及びポリイミドチューブの開発、製造及び販売に関する事業(まとめて以下「本件日本事業」)
を、当社が2019年9月24日に設立した完全子会社であるEFMJ㈱(同年11月16日に「エセックス古河マグネットワイ
ヤジャパン㈱」に社名変更)に吸収分割の方法により承継させ、EFMJ㈱が発行する全株式、当社の完全子会社であ
る FE Magnet Wire (Malaysia) Sdn. Bhd.( 以 下 「 FEMM 」) が 発 行 す る 全 株 式 及 び Essex Furukawa Magnet Wire
Europe GmbH(以下「EFMWE」。当社持分比率49%)の発行済株式総数のうち当社が保有する株式の全部(本件日本
事業とまとめて以下「本件事業」)を、当社の完全子会社であるFurukawa Electric Magnet Wire America, Inc.
(以下「FEMA」)経由でSuperior Essex Holding Corp.(以下「SPSX」)との合弁会社であるEssex Furukawa
Magnet Wire LLC(以下「合弁会社」) (持分比率 FEMA:39% / SPSX:61%)に現物出資(SPSXによる譲渡と総称
して以下「本件取引」)いたしました。


1.共通支配下の取引等
(1) 取引の概要
 ①対象となった事業の名称及びその事業の内容
   事業の名称 当社及びFMGWが行っている巻線事業
   事業の内容 巻線及び各種金属線の製造及び販売に関する事業


 ②会社分割日
   2020年10月1日


 ③会社分割の法的形式
   当社及びFMGWを分割会社、新会社を承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割方式)


 ④分割後企業の名称
   エセックス古河マグネットワイヤジャパン㈱


 ⑤その他取引の概要に関する事項
   本会社分割は、承継会社株式を現物出資することを目的として実施したものであります。


(2)実施した会計処理の概要
   「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号                         平成31年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業
 分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号                              平成31年1月16日)に基づき、共通支配下
 の取引として処理しております。


2.事業分離
(1) 取引の概要
 ①事業分離先企業の名称
   Essex Furukawa Magnet Wire LLC


 ②分離した事業の内容
   事業の名称 当社グループが行っている巻線事業
   事業の内容 巻線及び各種金属線の製造及び販売に関する事業




                                            ─ 27 ─
                                     古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


 ③事業分離を行った理由
  当社は、2016年に策定した中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」において、インフラ(情報通信、エネルギ
 ー) /自動車分野とその融合領域を重点領域として位置づけ、注力事業・製品の強化に取り組むとともに、事業
 ポートフォリオの見直しを進めており、当社の注力事業・製品と本件事業との事業シナジー、本件事業の更なる
 競争力の強化等を総合的に検討した結果、本件事業において長らく提携関係にあったSuperior Essex Inc.(米
 国ジョージア州アトランタ)の子会社であるSPSXとの合弁会社へ譲渡することが、本件事業の継続的な成長に資
 するものと判断し、SPSXと本件取引を行うことを決定いたしました。


 ④事業分離日
  2020年10月1日


 ⑤法的形式を含むその他取引の概要に関する事項
  EFMJ㈱及びFEMMが発行する全株式、並びにEFMWEの発行済株式総数のうち当社が保有する株式の全部を当社の完
 全子会社であるFEMA経由で合弁会社へ現物出資いたしました。なお、現物出資後における合弁会社の持分比率は
 FEMA:39%、SPSX:61%となります。


(2) 実施した会計処理の概要
 ①移転損益の金額
  持分変動損失    487百万円


 ②移転した事業に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳


   流動資産              9,710百万円
   固定資産              5,920百万円
   資産合計              15,631百万円


   流動負債              9,891百万円
   固定負債                 49百万円
   負債合計              9,940百万円


 ③会計処理
  「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号               平成25年9月13日)及び「企業結合会計基準及び事
 業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号              平成31年1月16日)に基づき、会計処理
 を行っております。


(3) 分離した事業が含まれていた報告セグメント
  電装エレクトロニクス


(4) 当連結会計年度の連結損益計算書に計上されている分離した事業に係る損益の概算額
  売上高    9,070百万円
  営業利益 △168百万円




                                 ─ 28 ─
                              古河電気工業株式会社(5801) 2021年3月期 決算短信


 (セグメント情報等)
 【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
  当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決
 定機関が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものでありま
 す。
  当社グループは、製品・サービス別に事業部門を置いており、各事業部門は取り扱う製品・サービスについて国内
 及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。


  各セグメントの主な事業に係る製品及びサービスは、以下のとおりであります。
   (1) 「インフラ」は、光ファイバ、光ファイバ・ケーブル、メタル通信ケーブル、光関連部品、光半導体デバイ
       ス、光ファイバ融着接続機、産業用レーザ、ネットワーク機器、CATVシステム、無線製品、電力ケーブ
       ル、電力部品、被覆線、電気絶縁テープ、電材製品等であります。
   (2) 「電装エレクトロニクス」は、自動車部品(ワイヤハーネス、ステアリング・ロール・コネクタ、バッテリ
       状態検知センサ、周辺監視レーダほか)、自動車用・産業用電池、銅線・アルミ線、巻線、伸銅品、めっき
       製品、電子部品用加工製品(リードフレームほか)、特殊金属材料(形状記憶・超弾性合金ほか)等であり
       ます。
   (3) 「機能製品」は、ケーブル管路材、給水・給湯管路材、発泡製品、半導体製造用テープ、電子部品、放熱製
       品、ハードディスク用アルミ基板材、電解銅箔等であります。
   (4) 「サービス・開発等」は、主に物流、不動産賃貸、水力発電、新製品研究開発等であります。


2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
  報告セグメントの利益は、営業利益の数値であり