構造改革の実行
- 筋肉質な体質へ -
2019年9月30日
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目次
中期経営計画策定時からの変化 2
構造改革の概要 5
構造改革の主要施策 9
目指す姿 24
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中期経営計画策定時からの変化
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中計策定時からの変化～サマリー
急激な環境変化への対応が急務
2018-2020年度 中期経営計画 これまでの振り返り
1.成長市場、成長分野に注力継続 •プラス面 選定成長市場・分野の
2.先行投資の着実な回収
戦略妥当性確認
3.資本効率の向上
4.行動理念の共有と浸透
•マイナス面 業績面での計画未達
米中貿易摩擦・中国経済減速により
IT・液晶半導体製造装置向けを
経常利益推移
中心に需要が減少
（単位：億円） 中計
中計 300
200
経営環境の急激な変化及び 実績 見通し
内部課題への対応が急務 62 40
計画 実績 見通し 計画
2018年度 2019年度 2020年度
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3
内部における課題認識
成長戦略による規模の拡大及び環境変化により課題が顕在化
1.決断の遅れ・実行力の不足
マネジメント
2.リスク対応不足
機能の不足
3.IT化の遅れ等による業務プロセスの改革遅れ
収益力の低下 財務体質の脆弱化
1. 事業環境変化への対応遅れ
1. 大規模投資の集中による
2. 想定品種構成変化への対応遅れ
有利子負債の増加
3. 固定費削減の対応不足
2. 資産効率化の遅れ
4. 海外拠点の収益計画未達
収益構造、マネジメント両面からの改革で早期のV字回復を目指す
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構造改革の概要
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構造改革の全体像
構造改革の6つの要素を有機的に連携させ筋肉質な企業体を目指す
１ 構造改革の６つの要素
1. 生産設備
生産 ・国内：集約による稼働率の向上
設備 ・海外：設備能力の最大活用
2 3
2. ビジネスモデル
ビジネス 不採算 ・ソリューション型への転換
モデル ノンコア ・品種選択、価格是正
稼ぐ力の向上 3. 不採算・ノンコア分野
財務体質の改善 ・売却と撤退の検討
4 経営のスピードと 5 4. 組織
質の向上 ・間接部門のスリム化
マネジ
組織 5. マネジメント
メント ・役員体制のスリム化
6
・経営データの可視化
6. 企業風土・文化
企業風土 ・新生・UACJとして、大事にしたい
文化 理念・価値観の再確認と再構築
6
構造改革の骨子
環境変化に強い筋肉質な体質を確立する
1. 稼ぐ力の向上
・ 損益分岐点の引き下げ
・ 大型投資の収益化
・ 不採算分野・ノンコア分野からの撤退
構造改革の
2. 財務体質の改善
・ 営業キャッシュフローの向上
方針
・ 投資削減
・ 棚卸資産の圧縮
3. 経営のスピードと質の向上
・ マネジメント体制および仕組みの強化
・ 構造改革本部の立上げ
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構造改革ロードマップ
構造改革本部を新設し、早期に改革を着実に進めていく
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
国内 損益分岐点引下げ
稼ぐ力
の向上
海外 大型投資の収益化
財務体質の
フリーキャッシュフロー黒字化
改善
構造改革本部によるスピーディ・着実な実行
経営のスピード
と質の向上
組織体制の見直し
役員体制のスリム化等
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構造改革の主要施策
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1. 稼ぐ力の向上
国内・海外拠点の現状認識と目指す収益構造
国内：損益分岐点を下げ、環境変化に強い収益構造
海外：実施済みの大型投資の能力を最大限活用し、収益最大化
国内 海外
昨年来の需要減少により、設 UATH*1の第1, 2期から3期に
備稼働率が低下し、収益が大 至る長期にわたる立上げフェーズ
幅に悪化
現状認識
品種構成が変化したことによる UATH/TAA*2の大型投資の立
生産性の低下、コスト改善の 上げ時期が重なり、立上げコスト
未達 による収益圧迫が集中
目指す 損益分岐点を下げ、環境変化に すでに実施済みの大型投資の能力
収益構造 強い収益構造 を最大限活用することにより、旺盛
な需要に応え、収益を最大化
© UACJ Corporation. All rights reserved. *1 UACJ (Thailand) Co., Ltd. *2 Tri-Arrows Aluminum Inc. 10
1. 稼ぐ力の向上
国内拠点の損益分岐点引下げ
固定費削減と限界利益率向上による、損益分岐点引き下げ
方針 施策
日光製造所閉鎖→自動車熱交材のUMP*への集約
生産拠点の集約化による
深谷製造所下工程停止 →名古屋・福井へ集約
固定費削減・稼働率向上
押出小山/名古屋 プレス集約と最適化
注力・成長分野への対応～「缶材」 「自動車材」 「電池材」
採算性の向上 価格の是正
低採算分野の是正・撤退
自動車材の生産性向上
最適生産体制の構築
福井新CALP（自動車材仕上げライン）活用による
＜変動費の削減＞
製造所間の品種/工程分担の見直し、最適化
間接人員の削減等
間接費用の削減
・IT化投資ほかによる業務プロセスの改善
© UACJ Corporation. All rights reserved. * UACJ Marketing & Processing Corporation 11
1. 稼ぐ力の向上
海外拠点は収益化フェーズへ
大型投資はほぼ終了。立上げフェーズから収益化フェーズへ
2018
投資額 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
以前
第1・2期 595億円
UATH
（タイ）
第3期 390億円 立ち上げフェーズ 営業黒字化 収益化フェーズ
鋳造・熱間 260億円
TAA
（米）
鋳造・冷間 190億円 生産体制強化 収益化フェーズ
買収 145億円
UWH*
（米） 立ち上げフェーズ 営業黒字化 収益化フェーズ
押出機 59億円
© UACJ Corporation. All rights reserved. * UACJ Automotive Whitehall Industries, Inc. 12
1. 稼ぐ力の向上
缶材の事業環境
アジア・豪州に加え、北米も缶材は需要が供給を上回る状況が継続
東南アジアを中心に経済発展に伴う、缶材市場の着実な成長
米国缶材需給タイト化
海洋プラスチック問題に伴う、アルミ缶材への回帰の期待
日本
タイ 米国
アジア（除く中国）・豪州における缶材需給 北中米における缶材需給
1,250 （単位：1,000トン） （単位：1,000トン）
2,500
1,200 供給 需要 供給 需要
2,000
日・米・タイ3極体制確立
1,150
1,100 1,500
1,050
グローバル供給体制に 1,000
1,000
よる需要の着実な獲得 500
950
900 0
2016 2017 2018 2019 2020 2021 2016 2017 2018 2019 2020 2021
© UACJ Corporation. All rights reserved. *出所：CRU 13
1. 稼ぐ力の向上
UATHの収益改善シナリオ
熱延余力を生かした第3期投資の稼働開始で、販売量拡大とコスト削減を実現
経常損益（棚卸評価除き）―改善要因 収益改善施策
（単位：億円*） •第3期設備の本格稼働による販売増
•長期契約による数量確保と価格改定
+34 +25
•立上げコスト解消及び増産効果による
コスト削減
販売量推移見通し （単位：千トン）
+13 320 320+α
290
+23
200
150
109
65
32
▲45
FY2019 数量・ 価格 コスト改善 FY2022
見込み 構成差 見通し 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
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*1THB=3.5円で計算 14
1. 稼ぐ力の向上
TAAの収益改善シナリオ
缶材需要が旺盛の中、増産投資完了による販売量増加、価格改定により増益
経常損益（棚卸評価除き）―改善要因 収益改善施策
（単位：億円*） •増産投資完了による販売量増加
+9 ▲6 •長期契約更新による数量確保と価格改定
63
+18
販売量推移見通し （単位：千トン）
42
448 448 448
394
356
313 322 308
FY2019 数量・ 価格関連 償却増 FY2022
見込み 構成差 見通し
2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
© UACJ Corporation. All rights reserved. *1USD=108円で計算 15
1. 稼ぐ力の向上
北米自動車用アルミニウム部材の事業環境
自動車用部材のアルミ化が進む（特に北米）
環境規制強化により、自動車の軽量化、EV化が進展
アルミニウム
鉄
北米・乗用車におけるアルミニウム採用重量
（1台当たり：Pound） ボディ・構造材
バンパー
ドア・ボンネット
1996 1999 2002 2006 2009 2012 2015 2020 2025 2028 （年）
エンジン トランスミッション・ドライブライン ホイール
熱交換器 熱シールド サスペンション/クレードル/サブフレーム
ステアリング部品 ブレーキ クロージャー（ドア・ボンネット）
バンパービーム・クラッシュボックス ボディ・構造材 その他部品
© UACJ Corporation. All rights reserved. *出所：当社推定 16
1. 稼ぐ力の向上
UWHの収益改善シナリオ
自動車用アルミニウム部材の需要が旺盛な中、設備能力を生かして収益最大化
売上高・経常利益―見通し （単位：億円）
経常利益
現状認識
売上高
350 25
•旺盛な需要環境の中、設計から押出・加工
20
300
までのソリューションの引き合いが強い
15
250 •押出機設備投資を先行実施
50%強 10
200
受注済 •既存受注が想定を下回る
5
150 0
100
-5
収益改善施策
-10
50
•収益性重視の受注 （受注基準見直し）
-15
•日系OEM等新規受注による売上拡大
0 -20
2018 2019 2022 2025
（年度）
売上高 経常利益
17
1. 稼ぐ力の向上
収益構造改革・大型投資の増益効果
収益改善効果（2019→2022年度） +210億円
国内：収益構造改革 +100億円
生産拠点集約 +40億円
最適生産体制・品種構成改善（自動車材・電池材増加） +50億円
間接費削減（間接人員削減等） +10億円
海外：大型投資収益化 +110億円
UATH 第3期投資稼働開始で、販売量拡大とコスト削減 +70億円
TAA 増産投資完了による販売量増加、価格改定実現 +20億円
UWH 収益性重視の受注、押出機を活かし売上拡大 +20億円
上記以外にも既存各事業の収益改善をはかる
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2.財務体質の改善
フリーキャッシュフローの黒字化
フリーキャッシュフローは2019年度より黒字化を実現へ
連結キャッシュ・フロー （単位：億円）
営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー フリーキャッシュフロー
500
400
300
200
選択と集中効果
100
240億円
0
△ 100
△ 200
△ 300
△ 400
△ 500
△ 600
2014 2015 2016 2017 2018 2019 （年度）
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19
2.財務体質の改善
投資削減
大型戦略投資は2019年度で終了
設備投資の推移 （単位：億円）
一般投資 戦略投資
設備投資見通し
450
400 2017-19年度 2020-22年度
見込み 見通し
350
300 総額 1,598億円 670億円
250
一般投資 478億円 460億円
200
年度
150
平均 戦略投資 1,120億円 210億円
100
50
減価償却費 898億円 1,100億円
0
見込み 計画
2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020-22
（年度）（年度平均）
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2.財務体質の改善
有利子負債削減
設備投資の削減により、800億円以上の有利子負債削減
有利子負債推移 （単位：億円・倍*） 2020-2022年度有利子負債削減内訳
有利子負債 D/Eレシオ(右軸)
4,000 2.0 設備投資 ▲670億円
3,500
1.8 減価償却費 1,100億円
3,000
1.5 設備投資ー減価償却費 430億円
2,500
+
2,000 1.3 利益の創出
370億円
棚卸資産削減等 以上
1,500
1.0
1,000
500
0.8
有利子負債削減目標 800億円以上
0
2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
0.5 D/Eレシオ目標 1.3
（年度）
D/Eレシオ 将来目標: 1.0以下を目指す
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*劣後ローンの資本性考慮前（2016～2018） 21
3. 経営のスピードと質の向上
マネジメント体制および仕組みの強化
コーポレートガバナンス、コーポレート機能強化による経営のスピードと質の向上
1 コーポレートガバナンス強化
1. 役員体制のスリム化等
2. 役員報酬体系の見直し検討（TSR*採用を含む）
2 コーポレート機能強化
1. 組織・権限の見直し（CｘO体制導入含む）による
意思決定のスピードアップ
2. リスク管理の機能強化
3. IT化投資等による業務プロセスの改善・経営情報の可視化
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*TSR: Total Shareholder’s Return: 株主総利回り 22
3. 経営のスピードと質の向上
構造改革の推進体制
“社長直轄の構造改革本部”を設置し、迅速・確実に構造改革を成し遂げる
構造改革委員会
委員長 : 社長
メンバー: 代表取締役＋若干名
役割：ステアリングコミッティ
（方向性を議論） 構造改革本部
●収益構造改革 ●財務体質改善 ●マネジメント体制強化
（稼ぐ力） （経営のスピードアップ）
• 生産拠点統廃合 • CF管理の強化 • コーポレート機能強化
• 間接人員削減 • 設備投資抑制 • 業務プロセス改善（IT投資等）
• 棚卸資産削減 • 理念・行動指針の再発見
23
目指す姿
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UACJの目指す姿～構造改革のその先
環境変化に左右されにくい、筋肉質でしなやかな企業体質を目指す
缶材： 海洋プラスチック問題に伴う、アルミ缶材の需要増
日本・北米・タイの3極体制をフル活用
自動車材：グループ力結集によるソリューション力向上で提供価値増大
その他板材、押出、箔、鋳鍛、加工品等における、高収益体質確立
Vision アルミニウムの可能性を最大限に発揮し、社会と環境に貢献する
（稼ぐ力） After
筋肉質で
しなやかな
企業グループ
Before 構造改革の実行
景気変動の影響を受けやすい事業構造
目指したい将来の経営指標
ROE 10%以上
ROIC 10%以上
成長市場・分野へ集中投資フェーズ 稼ぐ力の向上
2014年度 2019年度 2022年度
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構造改革ロードマップ
構造改革本部を新設し、早期に改革を着実に進めていく
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
施策 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
★深谷下工程 一部停止 ★日光移管完了 ★深谷下工程 停止完了
★押出小山/名古屋プレス集約
生産拠点集約
移管・品質確認・人員再配置調整
集約効果 集約効果のフル貢献
販売 32万トン/年 体制
大 3期設備 品質確認 生産量拡大
収 型 UATH
益投 ★新冷延稼働
化 資 TAA 品質確認 販売 45万トン/年 体制
不採算分野/ 売却・撤退候補分野の撤退検討
ノンコア分野撤退 売却・撤退の実施 継続的な撤退の検討
取締役・
役員体制見直し 新体制検討 新体制準備 新体制での運営
マ 組織・権限・
ネ ガ コーポレート 詳細設計
バ 機能改革 ﾏｽﾀｰﾌﾟﾗﾝ・
ジ ﾛｰﾄﾞﾏｯﾌﾟ策定
改革実行フェーズ
メ ナ コーポレート組織 一部見直し実行
ン ン
ト ス 理念・価値観の
再確認と再構築 見直し案の策定 浸透活動
★グループ人員：2019年3末 約13,000人→ 2022年度 11,000人規模に（銅管譲渡による減少を含む）
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将来情報についての注意事項
この資料に記載されております売上高及び利益等の計画のうち、過去または現在の事実に関するもの以外は、当社グループの各事業に
関する業界の動向についての見通しを含む経済状況ならびに為替レートの変動その他の業績に影響を与える要因について、現時点で入手
可能な情報をもとにした当社グループの仮定及び判断に基づく見通しを前提としております。
これら将来予想に関する記述は、既知または未知のリスク及び不確実性が内在しており、実際の売上高及び利益等と、この資料に記載
されております計画とは、今後さまざまな要因によりこれらの業績見通しとは大きく異なる場合があり、確約や保証を与えるものではないことを
ご承知おきください。また、本資料は投資勧誘の目的のための資料ではありません。
著作権等について
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