5711 三菱マ 2020-03-25 15:00:00
中期経営戦略策定のお知らせ [pdf]
2020 年 3 月 25 日
各 位
会 社 名 三菱マテリアル株式会社
代 表 者 名 執行役社長 小野 直樹
( コー ド番 号 5 71 1 東証 第1 部)
問 合 せ 先 総務部広報室長 鈴木 信行
( 電 話 番 号 0 3 - 5 2 5 2 - 5 2 0 6 )
中期経営戦略策定のお知らせ
当社は、2020 年度から 2022 年度を対象期間とする新中期経営戦略(以下「22 中経」)を策定
致しましたので、下記の通りお知らせ致します。なお、22 中経の詳細については、別紙をご参照
下さい。
記
1.現中期経営戦略(2017 年度から 2019 年度)の総括
当社グループは、現中期経営戦略において、「イノベーションによる成長の実現」、「循環型
社会の構築を通じた価値の創造」、「成長投資を通じた市場プレゼンスの拡大」及び「持続的な
改善を通じた効率化の追求」を重点戦略とし、新製品事業への展開、国内外でのM&A、海外の
生産拠点・販売拠点の拡充及びリサイクル関連設備の増強などの諸施策を実行してまいりました。
しかしながら、連結営業利益、連結経常利益、ROA(総資産経常利益率)及びネット D/E レ
シオは現中経での 2019 年度試算に対して未達となる見込みです。
現中経における 2017 年度 2018 年度 2019 年度
財務指標
2019 年度試算 実績 実績 見込み
連結営業利益 860~950 億円 728 億円 368 億円 270 億円
連結経常利益 820〜1,000 億円 796 億円 506 億円 400 億円
ROA 4.5〜5.0% 4.1% 2.6% 2.1 %
ネット D/E レシオ 0.7 倍 0.6 倍 0.6 倍 0.8 倍
目標未達となった要因は、中国経済の減速、タイ、インドネシア地域の経済成長の鈍化、自動
車や半導体関連の需要の減少、国内におけるセメント需要の減少等の外部環境変化に充分対応で
きなかったことに加えて、重要戦略施策の遅延が内部要因としてあります。遅延の原因は、「マ
ーケティング活動の不足」、「顧客情報の入手不足」、「製造拠点でのものづくりに関する課題
解決能力不足」などであり、新中期経営戦略においては、これらの対策として、「マーケティン
グ強化」、「デジタル化推進」及び「ものづくり強化」を重要戦略として位置付け、経営基盤を
強化してまいります。
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2.新中期経営戦略(22 中経)の概要
1)価値創造の姿
当社グループは、解決すべき様々な社会課題を認識した上で、「高度なリサイクル技術と事
業基盤」、「原料から製品までの価値連鎖と安定供給能力」、「独自の素材開発・製造技術
力」、「課題解決に向け結束できるチーム」などの当社グループの強みを活かし、社会課題解
決及び経営基盤・基軸強化に対する当社グループの重要課題への取組みを推進し、社会的価値
と経済的価値の両立を図ります。
2)会社の目指す姿
当社グループは、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、「ユニークな技術
により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリ
ーディングカンパニー」をビジョンとしております。22 中経の策定にあたっては、この企業
理念、ビジョンの実現に向けた 2030 年から 2050 年にかけての中長期的な当社グループの目標
として、社会的価値と経済的価値の両立の観点から、会社の目指す姿を新たに策定しました。
<会社の目指す姿>
(1) 豊かな社会の構築に貢献
銅を中心とした非鉄金属素材及び付加価値の高い機能材料・製品の提供を通じて豊
かな社会の構築に貢献する。
(2) 循環型社会の構築に貢献
リサイクル可能な製品の提供、高度なリサイクル技術による廃棄物の再資源化を通
じて循環型社会の構築に貢献する。
(3) 脱炭素社会の構築に貢献
地熱等再生可能エネルギーの開発・利用促進、環境負荷低減を考慮したものづくり
の徹底により脱炭素社会の構築に貢献する。
22 中経における全社方針を以下の通り推進致します。
<全社方針>
① 事業ポートフォリオの最適化
自社がオーナーシップを取るべき事業として、ビジョン・会社の目指す姿と整合性
のある事業、自社としてガバナンスできる事業、世界又は特定の地域でリーダーの地
位を得られる事業、及び中長期的に資本コストを上回るリターンを継続できる事業へ
の集中を図ります。収益性と成長性の 2 軸で事業の方向性を決定し、ポートフォリオ
を構築します。
② 事業競争力の徹底追求
コーポレート戦略(ものづくり戦略、品質管理戦略、デジタル化戦略)によるサポ
ートのもと、市場に提供できる核となる技術・知見を自ら磨き上げつつ、不足・補充
すべきものは M&A・提携で獲得し、事業競争力を徹底追求します。
③ 新製品・新事業の創出
コーポレート戦略(研究開発・マーケティング戦略)によるサポートのもと、顧客
のニーズやウォンツに応える新製品・新事業を創出致します。
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3)財務計画
① 財務指標及び目標
22 中経では、中長期的な収益性と成長性を重視し、事業毎に収益性は主に ROIC、成長性
は EBITDA 成長率等で評価致します。プロセス型事業では ROA を補完的に採用し、全社の
財務指標には、ROIC・ROE・ROA を併用致します。2022 年度の全社の財務目標は、ROIC
6.0%、ROA 4.0%、ROE 7.0%、連結営業利益 580 億円、連結経常利益 750 億円、ネット D/E
レシオ 1.0 倍以下と致します。
② 投資方針
22 中経期間の投資総額は、成長戦略投資が 1,900 億円、維持更新投資が 1,700 億円の合計
3,600 億円を見込んでおり、営業キャッシュ・フロー、事業再編及び資産売却収入を源泉と
して投資を実行致します。但し、これ以外にも成長のための優良な大型投資案件があれば、
ネット D/E レシオ 1.0 倍以下の範囲内で積極的に投資を実行することと致します
③ 株主還元方針
当社は、株主に対する利益還元が経営の最重要目的の一つであるという認識のもと、利益
配分については、期間収益、内部留保、財務体質等の経営全般にわたる諸要素を総合的に判
断の上、決定する方針としております。22 中経期間中の利益配分については、当社連結業績
の変動時においても安定的な配当を実施することを重視し、2020 年度から 2022 年度の配当
金額は1株当たり年間 80 円と致します。但し、連結配当性向が 25%を下回る場合は一時的
な増配または自己株式の取得を行う方針と致します。
④ 政策保有株式について
当社は、事業戦略上必要である場合を除き、純投資目的以外の株式(政策保有株式)を取
得・保有しない方針と致します。
4)各セグメントの事業戦略
<高機能製品>
長期目標 グローバル・ファースト・サプライヤー
コアコンピタンス(無酸素銅・合金の開発及び製造技術、機能材料開
長期戦略 発、接合技術等)を磨き、組合せ、新製品・新事業を創出
マーケット起点で、勝ちパターンを追求
事業部間を横断したキーアカウント責任者の設置
AI・IoT の活用による情報分析(デジタルマーケティング等)
22 中経戦略
製品ロードマップの顧客との共有(共創力)
の具体的施
中央研究所との連携による製品開発
策
ものづくり力の強化(量産技術、生産効率の向上等)
M&A、アライアンスの検討
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<加工事業>
長期目標 戦略市場でのトップ 3 サプライヤー
クリーンなものづくりの推進
長期戦略 先端技術を活用した高効率製品の提供
高機能粉末事業の展開
超硬リサイクルの拡大と再生可能エネルギーの活用
22 中経戦略
高効率工具とデジタルソリューションの提供
の具体的施
スマートファクトリー化と物流・供給の効率化
策
電池市場向け高機能粉末事業の拡大
<金属事業>
長期目標 環境親和型製錬ビジネスのリーダー
銅を中心とした非鉄金属の安定供給と循環
クリーンな銅精鉱と E-Scrap からなる持続可能な原料ポートフォリオの
長期戦略 形成
リサイクルの推進
気候変動への対応
新規鉱山投資によるクリーンな銅精鉱の確保
22 中経戦略
銅精鉱中不純物除去技術の開発
の具体的施
有価金属マテリアルフロー最適化
策
化石燃料の削減
<セメント事業>
長期目標 高度な環境技術を持つ、国内外のセメント業界のリーダー
社会インフラ・防災インフラ等整備のための建設基礎素材の安定供給
廃棄物処理の高度化
長期戦略
CO2 削減による気候変動への対応
事業再編による強靭な国内事業基盤の構築と海外市場における成長
国内事業再編による、生産体制の最適化・効率化
22 中経戦略
廃プラ処理設備能力増強と塩素ダスト洗浄設備設置
の具体的施
低温焼成技術の導入と CO2 削減、回収、資源化に向けた技術開発
策
米国事業の拡大と海外新規拠点の開拓
<環境・エネルギー事業>
(環境リサイクル) 資源循環システムの牽引者
長期目標
(再生可能エネルギー) 地熱開発のリーディングカンパニー
トレーサビリティの徹底等による安心できるリサイクルシステムの提供
長期戦略
再生可能エネルギー事業の拡大による脱炭素化
家電リサイクル事業の拡大、自動化推進、回収物高付加価値化
22 中経戦略
LiB リサイクル技術の実証、太陽光パネルリサイクル技術の実証
の具体的施
焼却飛灰リサイクル事業とバイオガス化事業の安定操業
策
小又川新水力発電所の完成、安比地熱発電所建設、新規地熱地域の調査
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5)コーポレート戦略
22 中経における、各セグメントでの事業をサポートするための主なコーポレート戦略を下記致
します。
メガトレンド等の外部環境変化を注視しつつ、22 中経では、IoT・AI、次世代
研究開発・マー 自動車、都市鉱山、クリーンエネルギー・脱炭素化の分野を中心に、当社グル
ケティング戦略 ープの有する機能複合化技術、材料複合化技術、基盤・量産化技術、リサイク
ル技術等をベースに、顧客ニーズに即した高付加価値な製品・サービスを創出
事業戦略に基づく工場ビジョン策定と実現、生産プロセス高度化及び外部の知
ものづくり戦略
見の積極的な活用により、ものづくり力別格化を実現
製品・工程設計、設備保全計画の最適化により、規格外品を発生させない、
品質管理戦略
「攻めの品質」を実施
デジタルトランスフォーメーションにより、ビジネス付加価値向上とオペレー
デジタル化戦略 ション競争力向上、経営スピード向上の 3 本柱を推進。今後 5 年間で約 300 億
円を投資し、100 人規模のデジタル専門人材を投入
6)ガバナンス
22 中経における、当社グループのガバナンスに対する主要施策を下記致します。
当社は 2019 年 6 月に指名委員会等設置会社へ移行したことに加え、以下
の施策の取り組み
取締役会の継続的改善
コーポレート・
コーポレート・ガバナンス基本方針制定(2020 年 4 月 1 日付)
ガバナンスの強化
CEO の選解任・後継者育成計画の立案・実行
役員報酬制度の見直し
子会社ガバナンスの充実
親・子会社間、本社・拠点間及び各拠点・各グループ会社内で円滑かつ自
律的にコミュニケーションが行われるガバナンスの姿を目指し、以下の施
策の取り組み
グループ会社取締役会の実効性評価と改善
グループ グループ会社役員研修
ガバナンスの強化 ガバナンス監査の充実
権限移譲と監督機能強化によるスピーディな意思決定
研究開発、ものづくり、人材交流におけるビジネス形態の相違を意
識した運営
DX 推進本部による戦略実行の加速
変化に適応する人材の確保・育成と、健全な組織風土の形成
(人)人材の確保と育成
人事・人材戦略
(組織風土)やる気向上、グループ会社の経営力強化
(社会的価値向上)多様な人材活用、健康経営の取り組み
(事業部門)
環境エネルギー事業のカンパニー化
アルミ事業室の高機能製品カンパニーからの分離
(コーポレート部門)
組織変更 マーケティング室新設
コーポレートコミュニケーション部新設
(全社横断組織)
DX 推進本部新設
サステナブル経営推進本部新設
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<ご参考>
1. 価値創造プロセス、会社の目指す姿
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2.財務目標及び投資額
22 中経に基づき諸施策を実施した結果として試算した 2022 年度の財務目標及び投資額は以下の
通りです。
① 財務数値(連結) (単位:億円)
②
2019 年度見込み 2022 年度目標
ROIC - 6.0%
ROA(総資産経常利益率) 2.1% 4.0%
ROE - 7.0%
連結売上高 15,200 15,300
連結売上高(メタル代除く) 8,300 6,500
PL
連結経常利益 400 750
総資産 19,900 20,400
ネット有利子負債 4,500 5,100
BS
自己資本 5,600 6,300
ネット D/E レシオ 0.8 倍 1.0 倍以下
109 円/US ドル 110 円/US ドル
為替レート
前提 121 円/ユーロ 125 円/ユーロ
条件
銅価格 268¢/1b 290¢/1b
② 投資額 (単位:億円)
以 上
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