5698 エンビプロHD 2020-02-28 18:30:00
2020年6月期 第2四半期決算説明会(要旨) [pdf]
株式会社エンビプロ・ホールディングス
2020 年 6 月期第 2 四半期決算説明会
2020 年 2 月 19 日
イベント概要
[企業名] 株式会社エンビプロ・ホールディングス
[イベント種類] 決算説明会
[イベント名] 2020 年 6 月期第 2 四半期決算説明会
[決算期] 2019 年度 第 2 四半期
[日程] 2020 年 2 月 19 日
[ページ数] 38
[時間] 13:30 – 14:20
(合計:50 分、登壇:43 分、質疑応答:7 分)
[開催場所] 103-0025 東京都中央区日本橋茅場町 2-6-1
日経茅場町別館 B1 (日本証券アナリスト協会主催)
[会場面積] 238 ㎡
[出席人数] 34 名
[登壇者] 3名
代表取締役社長 佐野 富和(以下、佐野)
取締役 経営企画部長 竹川 直希(以下、竹川)
財務部長 杉山 泰司(以下、杉山)
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登壇
司会:それでは、定刻でございますので。ただいまから株式会社エンビプロ・ホールディングス様
の 2020 年 6 月期第 2 四半期決算説明会を開催いたします。
最初に、会社様からお迎えしてございます 3 名様をご紹介申し上げます。まず、代表取締役社長、
佐野富和様でございます。
佐野:佐野でございます。今日はありがとうございます。
司会:続きまして、取締役経営企画部長、竹川直希様でございます。
竹川:竹川でございます。よろしくお願いします。
司会:続きまして、財務部長、杉山泰司様でございます。
杉山:杉山でございます。よろしくお願いいたします。
司会:本日は、この後、佐野社長様からご説明をいただきます。ご説明終了後に、質疑応答の時間
を設けておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、先ほど皆様方にご配布申し上げました資料の中に、アンケート用紙が入っていたかと思いま
す。こちらにつきましても、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、早速、よろしくどうぞお願いします。
佐野:改めまして、皆さん、こんにちは。今日は、新型肺炎で何かと騒がしい中、ご出席いただき
まして、本当にありがとうございます。それでは、早速、説明に入らせていただきます。
まず、今日は第 2 四半期決算概要の説明をしてから、通期。それから、今後の方向性につきまして
話をさせていただきます。3 番、4 番は参考にしていただければと思います。
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まず、昨年から事業セグメントを、単一セグメントで行っていたものを、4つのセグメントでご説
明をするようにしました。
一つは、資源循環。これは、主に国内でリサイクルをやっている事業であります。例えば、エコネ
コルという会社があるのですが、そこは国内でやっている仕事と貿易部門があります。この貿易部
門は、グローバル資源循環事業という位置づけでやっております。
それから 3WM という会社がありますが、中古自動車、部品の輸出という仕事であります。その他
は、後ほど説明しますけれども、環境経営コンサルティングですとか、障がい者の就労移行支援事
業ということで、この4つのセグメントに分けて説明をさせていただきます。
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まず、既に決算短信等でご案内がありますし、また、お手元の資料にございますが、昨年の上期
が、非常に低迷したということもありまして。
第 2 四半期においては、売上、それから営業利益、経常利益、純利益ともに前年を大きく上回って
おります。もともとの前提並み、昨年度は鉄スクラップの場合だけですけれども、約 3 万 5,000 円
に対して、今期平均で約 2 万 4,000 円ということだったのですが、特にグローバル資源循環事業で
扱い量を増やしまして、売上を伸ばすことができたということであります。
それから、既存事業の深耕、それから、新たな柱の構築、基盤の強化という、この三本柱で行って
まいりました。この辺を、地道に対応してきた成果も一部出ていると思います。
ただし、この資源循環事業で、主に VOLTA。これは、リチウムイオンバッテリーのリサイクルを
やっている会社です。あとプラ2プラという使用済みの自動車等々からのプラスチックのマテリア
ルリサイクル、この会社をあわせて、主に VOLTA ですけど、まだプラントの立ち上げに少し手間
取っておりまして、経常損失が上期だけで 1 億円ということであります。
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設備投資については、まだ建設仮勘定になっている部分がありますが、支払ベースで 7 億円を行っ
ております。
先ほど言いましたように、リチウムイオンバッテリーのプラントの稼働が少し遅れているというこ
とであります。
経常利益の差異分析ですが、昨年の 5 億 7,000 万に対して、売買差益を、金属スクラップの取扱量
の増加、それから下げ相場の中で先売りするという、グローバル資源循環事業はそのような事業で
すけれども、そんな中で粗利を確保できました。それから、政府専用の航空機 2 機があったのです
が、昨年の下期に 1 機、今期上期に 1 機売却したので、この差益も貢献をしております。それか
ら、産業廃棄物の逆有償を増やすということに力を入れておりましたが、その部分をあわせて 3 億
7,800 万の粗利、売買差益を増やすことができました。
ただ、その分、ダスト処理費が単位当たりも上がっています。従いまして、ダスト処理費が 7,200
万ということでマイナス要因。
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それから、人件費はここ 3 年間ずっと上げ続けてきました。賞与を 0.25 ずつ上げ続けてきたこと
と、あわせて新規事業に採用した人を含めて、この人件費の増加が固定費を増やすことによってマ
イナス要因になっているということです。
結果として、7 億 4,800 万の経常利益を達成しております。
それから、年度ごとの比較でありますが、昨年 3 万 5,000 円ですから、1 万円絡み下がっている中
で、そこそこ健闘したかなということが売上にあります。
売上総利益も、昨年より増やしている。一昨年が、一番利益が出ているのですが、上期において
は、一昨年よりも増やしているということになります。
結果的に経常利益 7 億 4,000 万ですが、これは一部スポットの航空機等もありますので、少し上振
れ要因になって、それはスポットの上振れ要因になっているということであります。
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セグメント別でございます。
資源循環事業の売上は、工場への入荷が少し減っているということもありますし、単価が下がって
いるということもありまして、資源循環事業においては、売上を 10.4%減らしております。
ただし、グローバル資源循環事業におきましては、7.6%ですけれども売上を伸ばしている。これ
は、先ほど言ったような扱い量の増加であります。
中古自動車関連事業は、ほぼ昨年と一緒ですが、8.0%伸ばしている。
その他の事業については、昨年度の上期は E3 という太陽光の事業がありましたがそれが MBO を
しましたので、売上が減っているという状況にあります。
利益につきましては、資源循環事業においては、3 割の減益であります。これは、ダスト処理がで
きなくて、それにあわせてものを仕入れするというようなことがあったことと、ダスト処理費が、
先ほど申し上げたような形で、単価が上がっているということがあって。国内の事業は、鉄のスク
ラップ相場、金属相場が高いほうが、利益が出やすいという事業でありまして、相場の影響を大き
く受けています。
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グローバル資源循環事業においては、ここに航空機 1 台分が入っており、それに加えて、扱い量を
増やしたこと、下げ相場を上手く活用したこと等々で、利益を出すことができました。
中古自動車関連事業に関しましては、ほぼ売上等々一緒ですけれど、固定費を削減しましたので、
その結果、昨年に比べまして利益が出ております。その他は 1,700 万円ほどの利益であります。
資源循環事業における、それぞれの期の比較であります。
まずは、鉄スクラップ相場の弱含みということで売上があまり伸びていないということと、先ほど
も説明しましたけど、最終処分場の処理費の値上げ、それから受入制限。一部、災害廃棄物も発生
してそちらを優先したということもあって、われわれの荷物を受けてもらえなかったというような
こともありまして、それが阻害要因になっております。
ただし、その分、われわれがいただく処理費を値上げすることができて、最近は日経新聞あたりで
も廃プラスチックが滞留して処理費が上がっているということは出ていますので、お客様のほうか
らは非常に理解を得やすい状況がありました。そんなことで、収益を確保することができておりま
す。
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ただし、このブラックサンド製造事業の VOLTA ですけれど、電極材の負極材を剥離する事業は、
しばらく順調に続いているのですが、電極材を焼成するライン、これが実証をやってまた改修し
て、実証をやってまた改修してと。ただ、これは放電の部分で、他の会社がやっていないことなの
で、いろいろ苦労はしているのですが、これが上手くいけば、コストを大きく下げる要因になると
思っています。
それから、先ほど申し上げたように、新規事業においては、まだ利益は出ていないというかマイナ
ス要因になっているということであります。
これが、品種別の売上です。
鉄は、スクラップ相場が下がっているので、下がっています。非鉄も同じです。
ただし、この濃い青色が逆有償ですけど、これが昨年の上期と比べると 3 億ぐらい増やすことがで
きました。あとゴムの関係は、少し低迷しております。それから、解体・片付け等、これが土壌浄
化の事業も含めまして、今期は少し伸ばすことができました。そのような内容になっています。
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この右側のグラフは粗利のグラフです。粗利はそんなに伸びていないですが、固定費が上がること
で、資源循環事業における経常利益は下がっているというのが、今の流れであります。
続きまして、グローバル資源循環事業です。
今期は、これが非常に貢献をしているのですが、スクラップ相場は弱含みで推移する中ですけれど
も、相場変動を活用することができたということ。利幅があると、お客さんが持ってきてくれます
ので、当然扱い量も増えるんです。だから、利幅が出て扱い量が増えるということで、両方の効果
があって、鉄スクラップの貿易部門においては、利益を出すことができたということであります。
それから、航空機がありました。初めてですけど、今までは第三国に売っていた、PKS やバイオ
マス燃料を、マレーシアから日本のマーケットに今期初めて出荷することができました。それから
10 月に欧州事務所を開設しております。
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続きまして、これも品種別です。
鉄スクラップがどうしても主ですが、非鉄、このバイオマス他のところに、航空機が入っています
ので、あまり割合は変わっていないということが言えると思います。ただ、粗利を確保することが
できましたので、鉄で粗利を出し、航空機等で粗利を出して、経常利益を伸ばすことができたとい
うことが言えると思います。
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それから、中古自動車関連事業です。
チリがすごく稼ぎ頭だったのですが、国内のいろんな暴動等がありまして、チリが大きく伸ばすこ
とができませんでした。その分、東南アジアに、中古トラックの販売が増加したこと、それからウ
ガンダがちょっと足をひっぱっていたのですが、ウガンダ国内の Uber と取引きするようになりま
した。個人販売から法人販売、実は、それが貸倒率を低くすることにもつながっているのですけ
ど、そんな努力をして、売った Uber の車は、全部 3WM ウガンダで整備をさせてもらうというこ
とで、黒字に転換をしております。
あと、物流代行サービス。この扱い量が回復しております。それに加えて、固定費を削減したこと
によりまして、昨年に比べて利益が出ているということであります。
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その他ですが、これは外部的なインパクトが少ないです。
ブライトイノベーションという会社がありますが、そこが CDP のコンサルをやりまして、20 社ぐ
らい。これを受けるという会社は、ほとんどが日本でも代表するような会社が多いわけですけれど
も、大手の自動車会社を含めまして、20 社ぐらいコンサルする中で、6 社が A をとったというこ
とで。そんな実績が買われて、来期に向けても、いわゆるリピーターと言いましょうか、続けてコ
ンサルを受注するような。併せて、いろんな廃棄物に対する問い合わせというか、相談をいただい
ています。特にサーキュラー・エコノミーという、リニア・エコノミーという一方通行の経済か
ら、ぐるっとまわして、つくった人のところに原料を戻すような、そのようなコンセプトで今、世
の中が動いています。
そういう中では、自分たちの売った商品を、何らかの形で、原料で買い戻したいと。特にプラスチ
ック系はバージン材よりも高く買うと。というのは、それを入れていないと、いろんな形で低い評
価をされるということで、その計算方式があるようですけど。要するに、バージンより高く買う。
これは、今まで概念としてはありましたが、実際そういうことが、今起こり始めています。これ
が、加速するであろうと思います。
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実は、そんな仕事も含めて、先ほどのプラ 2 プラは、今、苦労していて、まだ赤字なのですが、再
生品を意図的に使うということで。実際、例えば PS という、ポリスチレンというプラスチックが
あるのですが、バージンだと 140 円だけど、それと同等かそれよりも高くてもいいと。何割かそ
こに入れて商品を作っていないと認めてもらえないという。そんな世の中の流れが、今までは嘘だ
ろうと私も半信半疑だったのですが。実際、現実の問題として、これが現れてくるので、この再生
プラという世界が、少し見直されるんじゃないかなと思います。
そんなことも含めて、お客様との接点をつくるという意味では、このブライトイノベーションは、
非常に大きな成果をもたらしています。あと、気候変動に関する非財務系の開示に対するサービス
等々も始めています。障がい者の就労移行支援事業は、エンビプロの本社がある富士宮市でやらな
いとまずいのではないかということもありまして、B 型事業を始めてました。これはアストコとい
う会社が担当していますが、今期ぎりぎり黒字転換するのではないかと思っています。
バランスシートは、ほぼ昨年度末と全体は変わらない中で、負債を少しずつ減らして、財務は少し
ずつは、良くなっているということが言えると思います。
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キャッシュフローです。
これも、航空機等々のたな卸資産を売却したということもありまして、キャッシュのポジション
は、好転をしているということが言えると思います。
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それでは、ここからは、今期の全体の見通しということで。
冒頭申し上げましたが、まだ私たちの業界には直接影響していないのですが、多少中国船を手配し
ようとしたときに、ベトナムのほうで受けてくれないとかそんな話もありますけど。まだ具体的な
細かい影響は出ていませんが、ご案内のように日本経済全般に影響するので、おそらくこれから、
じわじわ来るのではないかなとかなりの危機感を、私は持っています。そんな中で、下期をどうし
ていくかという状況の中にあると思います。
足元では、鉄スクラップが 2 万 500 円ということで、想定より 4,500 円も下がっているわけです
から、こういう中で、利益を出すというのはなかなか難しいのですけど。そこはマネジメントの力
量ですから、こんな中でもきちっと利益を出していこうと思っています。
8 月に、今期の主な取り組みということで、5つ掲げさせていただきました。それについて、どん
な動きがあったかということ。
まず、スクラップを増やすということに対してですけれども、一昨年、尼崎にヤードをつくって、
そこが非常に効果を発揮しました。それが今期の上期、第 2 四半期の集荷量に大きく影響しまし
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た。そこで、この下期は 4 月に川崎にスクラップヤードを開設する予定であります。それから、さ
らに西日本、そちらにはスクラップヤードがありませんので。グローバル資源循環事業の、いわゆ
る港を借りて同業者からスクラップを集めることですけれども。鉄スクラップ、それから、主にス
テンレス系のスクラップ、それが日本で今、売れにくくなっているのですが。その辺の事業をもう
ちょっと増やそうということで、ヤードを2つ今期中、下期中に増やすということで、今、計画を
しています。
それから、金属相場に左右されにくい事業領域を増やすということで。主に逆有償と言われる、お
金をいただいて処理をする商売です。それについては、通期で昨年から 6 億増えて、通期で 19 億
ぐらいの予定です。この辺が、相場に左右されなくて利益を出せるということで、ここから出た廃
棄物を、さらに商品化してやれればいいのですが。それが全部やれない中で、われわれがまたお金
を払って処理をするというものをいかに少なくするかというのが、私たちのこれからの仕事という
ことが言えます。
そういう中で、プラスチックのマテリアルリサイクル。先ほど申し上げたような形で、以前は亜臨
界融合という言い方をしていたのですが、どうも亜臨界状態にはなっていないということがわかり
ました。
これは、きちっと訂正しようということで、今は名前を高充填高速溶融機ということで。緊密にプ
ラスチックとバイオマスを混ぜるとか、プラスチックとガラス系を混ぜるとか、そういうものなの
ですけど、それがかなり特徴のある機械なので。そういうことを使って、普通のバージンのペレッ
ト、これも高く売れるようにこれからなりそうなのですが、それにプラスアルファで機能をつけた
高価格商品を作っていこうと。
そうしないと中国からのペレット業者がばーっと増えているんです。量も増えている。それで今価
格も下がっているという、そんな状況にありますので、そういう人たちとの差別化。そういう人た
ちもすごく重要なお仕事をされているわけですけども、そういう業者との差別化を、こういう特殊
な技術を使って図っていこうと思っております。
それから、プラント解体等で情報源に近いところでということで、アビヅという会社がリース会社
と組んで SMART という会社をつくりました。エコネコルという会社が日本資産評価士協会という
ことで動産を評価する会社です。そこと組んで、4 月に新たな仕組みづくりを仕掛けようとしてい
ます。
ここには、監査法人等々も、場合によっては参加してくるということで、ものの評価から始まっ
て、それから最後のリユースなり、リサイクルなり。この辺 IT を使ったりしながら、ここは、実
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は私はもう非常に苦手な分野ですけども、そういうスタッフ、あるいは外部の会社、同業者等と組
んでリサイクルのほうまで、評価からのスタートから始まってリサイクルと、われわれの事業もこ
ういうところから取り組んでいこうと思っています。
それから、新たな商材等々ですが、先ほど言ったように PKS が、上期で 1 万トン日本に売れまし
た。下期であと 2 万トンを予定していますので、通期で 3 万トンの見込み。欧州からの金銀滓の輸
入は、前期が 90 トンに対して、上期で 226 トン、目標は通期 500 トンですが、ちょっと評価の部
分で、やはりヨーロッパの会社といろんな行き違い、それを今すり合わせて、来月もうちのスタッ
フがヨーロッパをまわるのですけれど。その辺のコミュニケーションをきちっととりながら増やし
ていこうということですが、今期は残念ながら通期の目標は果たすことができませんでした。
それから、新しいアイテムということで、プラスチックペレットとか金属商品等と書きましたが。
VOLTA をやるにあたって、海外からもものを集めないと、今のところ、まだ自動車系のものが出
てこないので、量が足りないということで。今度もポーランドとスペイン、来月ぐらいに 1 コンテ
ナですけど、入る予定です。
それから、ビレットといいまして、鉄くずを溶かして角の棒みたいなものをつって、そこからそれ
を圧延していろんな製品をつくるのですが、その中間処理品です。われわれが売っている海外のメ
ーカーから与信管理のこともありまして、ビレットを購入するということで、今、大型の契約に結
びつけようとしています。われわれがまだ販売能力が脆弱なので、もともとそういう商社でやって
きたスタッフも増えましたので、この辺も扱って往復の商売も含めて、やっていこうということ
で、今動いています。
それから、LIB リサイクルプラントは、先ほど申し上げたようにちょっと遅れていると。
5 番は、粛々とビジネススクールをやったり、新しい人も採用しています。結構海外の方とか多文
化出身の方とか、結構ダイバーシティが進んでいるかなということで、経営基盤、成長基盤を長期
的に整えていこうと、その分、人件費が先行して上げてもいいという形で、今動いています。
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今期の見通しは変えておりません。
営業利益は、下期が極端に少なくなっていますが、今ここで上期と同じような状況が続くとは思え
ませんので、最初に発表させていただいた通期の予想を変えずにやっていこうということで、開示
をさせていただきました。
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これがグラフです。
2017 年 6 月は上期が少なくて下期が多かったとか、上期下期の連続性はあまりありません。その
年々で、それぞれ違うかなということであります。今期は、VOLTA 等々含めて上期が 1 億円です
から下期も 1 億円からもうちょっと増えるかもわかりませんので、資源循環の新規事業においては
経常損失 2 億円を見込んだ上で先行投資をするということで、12 億 5,000 万円が経常利益目標と
いうことです。
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ここで、先ほどから人件費のことを、諄く言っているので。この 5 年間で 6 億ぐらい人件費が増え
て、人数も実は 60 人ぐらい増えています。1 人当たりの、特に現場の作業者、その方たちのベー
スを上げないと、なかなか会社にとどまってもいただけないし。
また、新たに採用するにあたって採用しにくいということで、まずは現場で直接いろいろ動いてい
ただいている皆様方のベースを上げることに、ずっと腐心をしてまいりました。したがって、粗利
は増えているのですけど、経常利益が増えないのは、その理由だと。ちょっと言い訳がましいです
が、ここから、いかに生産性を上げていくかということだと思います。
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それから、中長期的な取り組みということで5つで、5 番目は、企業価値向上のイメージです。
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まず、VOLTA に関する説明ですが、このマーケットが、2019 年昨年で EV バッテリーの使用済み
の発生予測であります。これは第三者の表ですけれども、昨年が 17 万トン、それに対して 2025
年で 43 万トン、2030 年で 120 万トン、それから 2040 年で 750 万トンということで、急激な勢
いで使用済みバッテリー、これが、日本においては、まだあと 5 年ぐらいかかると思うのですが、
ひょっとしたら 5 年経ったら、またリユースとかいうことで、本格的に出てくるのはもうちょっと
ずれるかもわかりませんが、使用済みのバッテリーは増えていくということであります。
ここで、申し上げたいのはもう一つ、オレンジの部分が中国です。したがって、直近の足元はほと
んど中国、バッテリーリサイクルシステムができていますので。中国は、これからも伸びてくるの
ですが。一番上の黄色が日本を含めた東南アジア等、グレーがヨーロッパ、それから一番下の青が
アメリカですけれど。これから増えるのがヨーロッパ、アメリカだということが、これで読み取る
ことができると思います。
したがいまして、VOLTA としては、国内で一定程度の回収量を、当然ながら保ちながら、足りな
い分、あるいは増産のために必要な分を、アメリカ、ヨーロッパから輸入をするということで。先
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ほども言いましたが、まず試しに、スペインとポーランドからバッテリーの輸入を始めます。とい
うことでこの表は、そんなふうに見てください。
同じような上昇グラフですけど、一番下の青が、普通の乗用車です。黄色が、いわゆる商用車、バ
ンとか。赤が、家とか会社に置く蓄電池。緑が、パソコンとかの民生品です。そういうものの色合
い。一番上がバスですが。この民生品も年率 15%ぐらいの割合で増えているんです。いわゆる乾
電池とか鉛電池からリチウムイオンバッテリーに変わるという。増えているので、まずはその辺り
から手始めに、われわれは技術の検証も含めて事業化をやりながら、やがて本命は使用済みの自動
車から出てくる LIB、これに対して挑戦をしたい。
大手の会社は、当然やろうとしているのですが、どうしても鉱山会社は、やっぱり山が中心です
ね。使用済みのものに関しては、感電のリスク、火災のリスク、いろんなリスクがあるんですね、
前処理において。その辺を、私たちはあえてそういうことに、もちろん安全を確保するという前提
ですけれども、チャレンジをしていこうということで。
ひょっとしたら、私たちのような中小企業がやれる余地が、その辺にあるのではないかなと。もち
ろん、私たちだけでは難しいです。いろんな組み合わせ、戦略的なパートナーとか財務的なパート
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ナーを入れて、おそらく 10 年で 120 億ぐらいの投資を必要としています。会社内では、もうちょ
っと具体的なロードマップをつくっているのですが、まだここで発表するにはきちっとした裏付け
がとれておりませんので申し上げませんが、そのぐらいの思いを込めて。
いろんな固体電池、今のリチウムバッテリーと変わったものも出てくるはずです。それもあるので
すけれども、使用済みのリチウムイオンバッテリーはこれからもつくっていくし、まだしばらく、
そういう意味ではマーケットは伸びていくだろうということで。そんな思いで経営とは意志という
ことで自らに言い聞かせながら、この事業に挑戦をしていこうと思っています。
これは、昨年度も出していますけれども、負極材の剥離プラントと使用済みバッテリーの焼成プラ
ント。ここから硫酸コバルト、硫酸ニッケル等々、炭酸リチウムを湿式で回収する、そういう事業
まで進めていきたいなと。
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その次のページは、湿式から前駆体という電池メーカー、電極材メーカーの手前の部分ですけど、
この辺までをわれわれ自身がやらないと、どうしても中途半端で終わってしまうなと。競争力がつ
かないんじゃないかということで、まだそういうパートナーも見つかっているわけではありません
けれども。私たちがバッテリーを集めて、加工して一定の品質を保つことができるとすれば、そう
いうパートナーは、おそらく先方から来てくれるのではないかなという思いで、自らの事業を深堀
りしていくということを考えております。
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それから、金銀滓の回収ということで。
焼却灰とか自動車の破砕残渣等々から、いわゆる貴金属類を回収します。貴金属もほかにもあるの
ですけど。製錬は、銅に加えて金、銀、プラチナ、パラジウムのこの 4 品目しか評価してくれない
ので、本当はこれ以外のものも、われわれは研究をすべきだなと思いますが、今のところはこの 4
品目の貴金属。
特に、全国都市清掃会議というところで先月、豊橋でやったのですけど、それを発表してすごく反
響をいただいていますが、落じん灰の回収ということで、既存の落じん灰は 8 自治体と今契約済み
です。20 自治体が、可能性があると。全部で 150 自治体まわっていますが、半分ぐらいはいい反
響、その他はまだ無関心のところがありますが、いろんな文献がわれわれも出しながら発表会をあ
ちこちでいろんな形で発表をする中で、非常に先方からの問い合わせが最近は増えています。
そんな中で、新炉、新しい炉をつくるときに、最初から落じん灰を回収するような装置をつけまし
ょうという提案をしまして、焼却炉メーカーと一緒に組んで入札に参加している例が、2 か所あり
ます。そこで、採用が決定しました。議会等を通って正式発表なので、具体的な名前は言わないで
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くださいといわれましたので、A とか B とかという名前を使っていますが、こんな動きがこれから
増えていくと思います。
小型家電、雑品、あとセメント会社との実証プラント、これがどういう風に進むか、まだ相手次第
みたいなところはあります。それから大手製錬会社の加工受託、それから欧州からの輸入というこ
とで、先ほどはリチウムイオンバッテリーと言いました。このポーランドがそういう基板類とかそ
ういうものと、結局パソコンを解体すれば、基板があってパソコンのバッテリーがあるわけですか
ら。
同じような会社から、この金銀滓の基板等々を輸入する会社からはバッテリーも買えるということ
で、ちょうど相乗効果があるなということで、これは輸入の仕事になりますけど、そんなこともや
っていきましょうということで、これは 5 年ぐらいの目標になります。
まずは、この 1~2 年で啓発期、というとちょっと上から目線ですけど、すごくもったいないんで
すよ、一部大体主灰と称するものの 2%ぐらいが出るわけですから、それを買い取りますよ、その
2%分は処理費が減りますよということで、えーというところから、前のめりで聞いてくれるとこ
ろ、門前払いのところ、いろいろまだあるのですが。最近は、そういう意味では、少なくとも玄関
は開けてくれるようになりましたので、相当進歩しているなと。
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その次が、それを改造する費用です。そういうものを、環境省にもわれわれもちょっとロビーしな
がら、そういう費用が出るような仕組み等々をつくれれば、自治体さんがそれを改造費用でちょっ
と躊躇するところがありますので、そんなこともできたらいいなと。
それで、2024 年ぐらいから 2025 年にかけて、先ほど新炉で、最初から落じん灰を回収するとい
う仕組みを入れて入札が行われるような、今は、この会社はそうじゃなくて、こっちのわれわれと
組んだところだけ提案しているんですね。したがって提案点で、上がってここが落札することが多
くなった、それを見てほかのメーカーが、いろんなところのメーカーから問い合わせがあったり、
見学に来ているので。おそらくこの時期になったら、新炉にはこういうものをちゃんと資源を回収
するんだというような仕組みづくりができたらいいなと、それが私たちの使命でもあるので。
ストーカー炉が 800 カ所あるのですが、約 30%だと約 240 か所。落じん灰の焼却灰の中の、全体
の金銀滓のマーケットって 240 億ぐらいなんです。これは、私が独断で、トン中何グラムあると
いう平均から勝手に割り出したので、権威があるものではありません。でも、当たらずとも遠から
ずと思います。
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その中の落じん灰のマーケットが 45 億なので、皮算用になりますけども、この売上 13 億で営業
利益が 5 億ぐらい出るような、小さな仕事かもわかりませんが、これこそほかの会社がやらない
し、大企業もやらないので。
私たちの資源持続可能社会実現の一翼を担うミッションをもっている私たちの仕事。私たちのちょ
うど範囲、手の届く、手ごろな仕事と言うと変ですけど、やるべきエリアだなということで、そん
な思いでやっていきます。
バイオマスに関しましてはなかなか国内で売れなかったのですが、来年ぐらい、先ほど今期 3 万ト
ンと言いましたけど、来年既にもう 7 月から販売が3つぐらい決まっています。
したがって 6 万トンぐらいいくだろうと。翌年が 16 万トン、この辺から一気に、逆に今度は集荷
が追いつかないのでその辺の体制をつくる必要があります。
続いて 2023 年で 20 万トン、市場規模としては 1,600 億円。これもそんなに大きくないので、ち
ょうど手ごろなのですが、そんなマーケット。それから、バイオマス発電、PKS と、できたら木
質ペレットの製造工場。これは、ちょっと設備投資がかさむので、まだ今マーケット調査をして、
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今詰めている最中ですけど、そんなのを加えれば、これにさらに 10 万トンぐらい増やすことがで
きるなと思っています。
それから、廃プラスチックのリサイクルです。
これは焼却炉のメーカーと石油精製会社と、今ミーティングをやり始めたということなので、ここ
で発表するには、ちょっと早いかもしれませんが。こういういわゆる廃プラ問題、海洋プラスチッ
ク問題を含めて、きちっとチャレンジをしていきますということを申し上げるために、あえてここ
に載せさせていただきました。
私どもの役割は、やっぱり廃プラスチックを集めるということがすごく重要なことで、石油精製会
社も焼却炉メーカーも本当に集まるのという話の中で、集めることが非常に重要だなということ、
われわれの役割があるんだということで。それを集めて、少し前処理をして、炉に入りやすくす
る。その炉を一緒に、ここは SPC 等々どうなるかわかりませんけども、われわれも少し資本を入
れさせていただいて、オペレーションを一緒にやらせていただくと。
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できたら、それが将来、自治体の炉がこういうことになれば、自治体は、ごみからつくった油を石
油会社に売るんだという、焼却炉のイメージが変わってくるんじゃないかなと思うのですが。
なぜこの石油精製会社が買うかといいますと、一応、統計上 900 万トン、積み上げていくと、実
は 500 万トンぐらいはどこから出ているかわからないのですが。生産のほうの統計からすると 900
万トン出ているといわれているんです。でも、詳しくはフォローされていないそうですが、それか
ら油をつくっても、せいぜい今、原油を精製しているものの 1~3%ぐらい。ここが、ガスがどん
だけ、一回ガス化して油にするので、これがどれだけ油になるかわからないということで。実はこ
のプラントメーカーは、ガスをつくるプラントは、もう 14~15 年前にいわゆる実証プラントで、
ほぼ実機に近い状態で実証しています。
ただ、これはどんな油ができるかということがわからないので、今年中にもうちょっとスモールの
実験機をつくる。それから実証して実装をするか、実証をやめて、即実装するかは、この石油会社
の意向にもよるし、焼却炉メーカーがどれだけ保証できるかによるので。これはちょっとわからな
いのですが、既に具体的な動きも、実はしているということで申し上げます。
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5 番目は本当にイメージですけれども、既存事業で、いわゆる鉄鋼業を含めて、地道にはいくと思
います。廃棄物の処理とか、プラスチックのマテリアルリサイクルとか、遠く長く経営できると思
います。しかし、いわゆる企業価値を増やすには、先ほどから申し上げている、このリチウムイオ
ンバッテリーですとか焼却灰、廃プラスチックのケミカルリサイクル、それに加えて、この航空機
の話も、実はこの 2 機、政府専用機というのが、非常にインパクトがありまして、これはいろんな
ところで、今、話をいただいたりしています。
そんな中で、例えばスペインのテルエル空港というのがありまして、そこは田舎の空港らしいんで
す。そこがすごく稼働率が低かったので、駐機料ビジネスをやって、その次にメンテをやって、今
は解体もやっているという空港があるということなので、そこら辺をベンチマークして、日本でそ
れをできないかなと。今はほとんどの航空会社が、一回アメリカに売って解体したエンジンをまた
買い戻すようなことをやっているんです。そんな意味では、ここら辺にまだ成長の余地があるんじ
ゃないかなということで、そんなことにもチャレンジをして。
ただ、経営資源がそこまでないので、いろんな会社と組み合わせて、ストラテジーインベスターと
財務的なほうと二つ、単独ではできない事業と単独でやる事業、この辺を、メリハリをつけてやっ
ていきたいなと思っています。
ちょっとすみません、話が下手くそで申しわけないのですが。
以上をもちまして、説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
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