5698 エンビプロHD 2021-02-26 16:30:00
2021年6月期 第2四半期決算説明動画(書き起こし) [pdf]

株式会社エンビプロ・ホールディングス
2021 年 6 月期第 2 四半期決算説明会


2021 年 2 月 22 日
イベント概要


[企業名]      株式会社エンビプロ・ホールディングス


[企業 ID]    5698


[イベント言語]   JPN


[イベント種類]   決算説明会


[イベント名]    2021 年 6 月期第 2 四半期決算説明会


[決算期]      2020 年度 第 2 四半期


[日程]       2021 年 2 月 22 日


[ページ数]     45


[時間]       15:00 – 15:54
           (合計:54 分、登壇:54 分)


[開催場所]     インターネット配信


[会場面積]


[出席人数]


[登壇者]      1名
           代表取締役社長           佐野 富和(以下、佐野)
登壇



佐野:皆さん、こんにちは。株式会社エンビプロ・ホールディングス、社長の佐野と申します。ど
うぞよろしくお願い申し上げます。

今回もまた録画によります決算説明になります。併せて、よろしくお願い申し上げます。

それでは、早速、決算の説明に入らせていただきます。




この決算の説明の詳細の前に、少しお時間をいただきまして、当社の基本的な考え方をあらためて
皆様方に申し上げたいと思います。

といいますのは、昨年来のコロナ禍にありまして、いろんな会社の在り方を含めて見直しを行いま
した。短期的な取り組み、それから中期的な取り組み、とりわけ長期的かつ根本的な取り組みとい
うことで、当社の存在意義は一体何なのかと。コロナ禍にあって、どんなに厳しい状況でも本当に
世の中にとって必要な会社だったら、会社はつぶれることがないと。厳しい状況のときがありまし
たので、そこまで突き詰めて考える時間を、おかげさまで得ることができました。

その中で、あらためて当社の存在意義というのは、2018 年 6 月 15 日につくった「持続可能社会
実現の一翼を担う」ということが存在意義であり、会社の目的、あるいは志をあらためて確認をす
ることができました。

ただし、このミッションは 2050 年までの 30 年間という時間軸をつくって、そのミッションを遂
行していくという位置付けにしております。

この上のほうにあります、最善観とか企業理念、この企業理念は 2004 年 3 月 20 日に、新潟のえ
にし屋さんという清水義晴さんにいろいろコーディネートをしていただきまして、その前の 1 年間
かけて社内の人たちとミーティングをし、社内に内在している考え方、そういうものをいろいろ出
し合って、時に合宿もしたりして、その考え方をまとめていただいて明文化したのが、この企業理
念であります。

この企業理念につきましては、「エンビプロ・ホールディングスが最も大切にする価値観であり
DNA」ということで、これは時間軸がない。会社がある限り、この考え方をきちっと堅持して、
ここを大切にしていくという位置付けでございます。

この最善観は、私が個人的に実は 20 代後半に出会った言葉でありまして、森信三先生という、哲
学者であり教育者で、知る人ぞ知るという方でございます。この経営計画書、1989 年、横にあり
ますけれども、約 30 年以上続けているのですが、この企業理念制定のときに一緒に経営計画書に
載せて、そしてこの最善観と企業理念を朝礼で社員の皆さんに唱和していただいて、会社における
大切な考え方として共有をし、いわば心の平仄を合わせるとでも申し上げましょうか、そういう形
で、この最善観、企業理念を活用し続けてきました。

今回、あらためてこの最善観、企業理念、それからミッションをきちっと堅持をしていく。なぜな
らば、これから会社が大きく変わっていく時代の変化の中で、今まで以上の変化をするに当たっ
て、変わらないものは何なのかという、その代表的なものとして最善観、企業理念。ミッションは
30 年間ですけれども、一定期間変わらない大切な考え方ということで、あらためて私自身が確認
をしたわけであります。それを社員の皆様方には、経営計画の発表会等を通じてご披露をしてきま
した。
持続可能社会実現といいますと、SDGs という国連が定めた 17 の目標がありますが、あれもこれ
もというわけにいかないので、私どもの業態としては、リサイクルとか環境という業態にあります
ので、主にこの脱炭素社会実現、これは今国会で法制化されるということで、この間も新聞報道が
ありましたけれども、ここに焦点を絞って、一点突破、全面展開で、この持続可能社会実現の、ま
さに一翼として自分たちの事業を展開していくということであります。

とりわけ、脱炭素、循環経済、分散型と三つのキーワードがありますが、この循環経済、特にそこ
に焦点を絞っていきたい。脱炭素社会を実現するための具体的な方法として、サーキュラーエコノ
ミーの具体的な事例を実現したいと思っています。循環経済は、まさにサーキュラーということで
すが。

既にご案内の方もあるかと思いますが、今まではリニアエコノミーといいまして、製造業があって
リサイクルする会社があって、私つくる人、あなたリサイクルする人みたいな形で、一方通行、リ
ニアの経済でありました。

それが、この脱炭素という切り口も含めて、一種のサークル、サーキュラーですけども、つくるこ
ととリサイクルすることが一緒になっていると。つくることはリサイクルも含めて製造だという意
味で、一つの輪の中に入る、そんな考え方であります。それがいろんな資源の効率的な運用につな
がるので、それが脱炭素にもつながるという意味であります。

それに加えて、カーボンニュートラルと書いてありますけれども、そのサーキュラーエコノミーを
さらに、脱炭素がいいのですが、当面は低炭素な取り組みをやっていくということで、この二つ
の、かなりハードルが高いのですが、サーキュラーエコノミーとカーボンニュートラル、それら
を、サーキュラーエコノミーの具体的な実現をカーボンニュートラル、あるいは低炭素でやってい
くことが当社の役割ではないかなと思っています。

そうは言いながら、現状の実力を考えると、かなりギャップがありますので、そのためにはハイレ
ベルな製造業、まさに一流の製造業に匹敵するようなレベルに当社をレベルアップしないと、これ
は無理だと思います。

併せて、この業界では物を集めるのが一つの仕事でございまして、広域の回収能力、これは自社だ
けでは難しいので、同業者を含めたアライアンスをつくって、広域の回収網をつくっていかなけれ
ばならないと思います。

そのためには、あらゆる場面においてデジタル化を推進していくということで、回収のいろんなト
レーサビリティの話とか、生産上における IoT の話とか、管理、あらゆる部門でデジタル化を推進
していくというふうにしたいと思います。

そのことによりまして、当社の業態が単に安く処理しますとか、高く買いますという一方通行のも
のではなくて、当社の存在そのものが社会のインフラになっていく。そういう存在になって初め
て、この脱炭素社会、サーキュラーエコノミー等々を含めた社会への貢献ができると思っておりま
す。

そのためには、創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団。ちょっとややこしい言い方でご
ざいますが、まさに考える現場、自ら行動する現場、創発的能力ですが、そういうものを備えた人
たち、いちいち上の指示を仰がなくても判断していける集団が必要だと思います。

一方では、そうなるが故に、自由にいろいろやってもらうが故に、冒頭申し上げました最善観、企
業理念、それからミッションを一つの中心軸として、そこに規律ある集団という位置付けでやって
いきたいと思っております。
さて、当社は、2018 年に 2050 年までに使用電力の再生可能エネルギーを 100%にしますという宣
言をしました。RE100 という団体に加盟をして、日本で 10 番目です。先ほどちょっと調べました
ら、今もう既に 50 社が加盟をしているということなので、いち早くここに加盟をいたしました。

それから、昨年 2050 年のカーボンニュートラル宣言をしました。併せて、RE100 の前倒し、20
年の前倒しをいたしまして、2030 年までに RE100 を達成するということを開示しております。

この当社で使います、再生可能エネルギーと CO2 は不即不離な関係にあるわけですが、エンビプ
ログループが、事業で使用する CO2 の排出量の 70%が電力由来でございます。従いまして、2030
年に RE100 を実現すると、CO2 の排出量は約 70%削減されることになります。

ただし、Scope1、Scope2 と書いてありますけれども、自分たちの工場で使ったときに出る CO2、
それから電力等、購入したりするときの CO2 ということで、実はこの Scope3 というのがありまし
て、これは当社が仕入れをしたり販売をしたり、先のいわゆるサプライチェーンでの CO2 の排出
量なのですが、そこまではちょっとまだ言及せずに、この Scope1、Scope2 で CO2 の排出量の削
減をしていきたいと思います。
既に、実は昨年で 17%ぐらいの再生可能エネルギーの使用ですから、その 7 掛けの CO2 を削減し
たことになるわけでありまして、今年中に恐らく 8 割から 9 割の再生可能エネルギー率になる予
定、計画で、今いろんなことを実行しております。

そうしますと、例えば 90%だとしたら、9×7=63 で、60%ぐらいの CO2 を削減するということ
で、残りはトラックですとか、そういう燃料を使うもので、EV 車になるとか、これは社会がもう
ちょっと進展がないと難しいので、残りの 10%、90%行くからすごいというよりも、この残りの
10%が実は非常に、私どもは富士山の麓ですが、ちょうど 9 合目ぐらいから胸突き八丁ということ
で、登り坂になりますけれども、かえってすごくハードルが高いです。これは 2030 年まで時間を
いただきまして、達成をしていきたいと思っております。

従いまして、この低炭素、もともと鉄スクラップは鉄鉱石からつくるのに比べて 4 分の 1 の CO2
の排出量と、電炉メーカーの方はおっしゃっています。バウンダリーをどこまでするかによって、
いろんな議論があることは承知をしておりますが、少なくとも鉄スクラップでは、そういう機能が
あると。

後ほど触れますけど、RPF といいまして、紙とかプラスチックを混ぜて、それを成形してつくっ
た固形燃料がありますが、それは 33%の CO2 削減効果があると。これは環境省のホームページ等
に載っております。そんな意味で、本来持っている低炭素な機能をつくるための生産プロセスも低
炭素にするということで、こんな仕組みを粛々とつくっていきたいと。

皆さん、今お聞きして、何となく青臭いといいましょうか、書生っぽい議論に聞こえるかも分かり
ませんが、これがカーボンプライシングという、ヨーロッパでは既にそんな機能が動いているわけ
ですけれども、このカーボンプライシングが世の中に定着すると、この低炭素な部分の財務的な価
値が見直されると思います。

併せて、それ以上に、大きい会社は、大手の会社は脱炭素に一気に取り組んでおりますけれども、
先ほど申し上げました Scope3、つまりサプライチェーンですね。私どもに委託するような会社に
対しても、低炭素、あるいは脱炭素を要求してきます。

従いまして、同じ品質で同じ価格だったら、この低炭素プロセスによる原料、原材料、燃料を製造
している会社を優先していただけるということで、やがて必ず財務に影響していく取り組みだとい
うことで、世の中に先駆けまして、こういう取り組みをしていきたいと考えています。
それでは、第 2 四半期の決算概要を説明させていただきます。

配当方針までの五つの項目についてご説明をさせていただきます。数字等につきましては、既に開
示をされているので、少し早口といいましょうか、スピード感をもちまして進展をさせていただき
ます。
私どもは、資源循環、グローバル資源循環、中古自動車関連、その他という四つのセグメントによ
ってマネジメントをしております。
これは先ほど少し触れさせていただきましたが、昨年来、コロナ危機において短期的な取り組み、
中期的な取り組み、そして先ほど申し上げました、根本的かつ長期的な取り組みの事例でありま
す。

既に短期的な取り組みにつきましては、財務の結果に表れておりますので、これは後ほど説明をさ
せていただきます。

中期的な取り組みは、まさに中期的ということでまだ半年しかたっていませんが、これから数年か
けて会社を変容すると。青虫がさなぎになって、さなぎが蝶になるような、単に大きくなるのでは
なくして、形を変えていく世界がこれから来ると思いますので、これは時間をかけてやっていきた
いと。ここは内部統制委員会がありまして、環境安全委員会、IT 化推進委員会、人事労務改革委
員会、営業業務改革委員会と、四つの内部統制委員会がここの取り組みをフォローする形を取って
おります。
財務の内容はご覧のとおりで、減収減益でありますが、何をおいても、この上期においては、11
月頃から一気にスクラップ相場が上がっています。期首が 2 万 4,500 円で、12 月の最終では 4 万
3,000 円まで上昇したということで、期中平均が 2 万 8,000 円なので、この相場、上昇の恩恵を資
源循環事業においては受けております。

逆にグローバル資源循環は先売りしますので、逆に言えば、上昇局面では資源循環部門。それで、
下げ局面ではグローバル資源循環部門が利益を出しやすいという状況にあります。

金、銀、銅の価格も、同じく前年を上回りました。アルミ、ニッケルは、現状は実は上がっている
のですけど、上半期においては前期をやや下回って動いております。

それから、当社の戦略的事業であります、リチウムイオンバッテリー、LIB はリチウムイオンバッ
テリーのリサイクル事業ですが、11 月に大手の電池メーカーとの取引を開始することができまし
た。まだまだ量が少ないですけれども、集荷の仕組みづくり、それから生産、今いろんなラインの
不具合を直しながら、そして分析・販売体制が整備されておりまして、その整備が進捗しておりま
す。ただし、経常損失は 8,000 万円を計上しております。
そんな中でも、廃棄物処理の受託価格の是正による収益の向上ですとか、あるいはグローバルな動
きの中では基板の輸入、これは初めてのことなのですが、非鉄金属の三国間貿易とか、この辺りが
活性化の兆しがあります。

設備投資は、検収ベースで 2 億 8,000 万円。前年同期に政府専用機がありましたので、この一時的
な収益を差し引きますと減収増益というのが既存の事業の実力かなということが言えると思いま
す。




この数字はそれぞれの細かい数字ですので、また後ほどご覧ください。
セグメント別の業績の概要でございますが、資源循環事業においては増収増益です。前期比、倍以
上で、資源相場の上昇の恩恵を受けたということが言えると思います。

グローバル資源循環事業は減収減益。先ほども申し上げましたが、上昇局面で利幅が取れない、あ
るいは時に先売りしますので、赤字の商売も出るということで減収減益。政府専用機が一部入って
いることも含めて、利幅が取りにくい状況の中で推移しました。

中古自動車関連事業につきましては、チリやウガンダのロックダウンがありまして、UAE も含め
てですね。そんなことがありまして一番影響を受けたのですが、減収減益。その割には健闘してい
ると、私は個人的には思っています。

その他の事業、環境経営コンサルティングと障がい者福祉事業ですが、これは増収増益で、コロナ
の影響もあまり受けずにもともとありましたので、そんな状況の中にあります。
これがウォーターフォールです。

先ほどのコロナ禍における短期的な取り組みということで、経費の削減ですとか生産性向上、この
右から 3 番目の青いプラス 190 と書いてありますが、休業補償等も政府の支援もいただきました
が、それも含めまして 1 億 9,000 万円の利益を増加する要因となっております。
これがキャッシュ・フローです。

前期の下期と今期の上期は、そんなに大きく差がありません。その前の上期、昨年の 4 月ごろ、借
り入れをコロナ対策で 50 億円ぐらいしていますので、一気に現金の期末残高が増えております。
バランスシートも同じでございまして、今、263 億円の総資産ですけれども、この中で 50 億円ぐ
らいの借り入れ、これは手つかずで取ってありますので、これは時機を見て返済することになりま
すが、自己資本比率が 45.6%と現状はなっていますけれども、これを返しますと 60%弱の自己資
本比率になる予定でございます。
これは 3 年間の推移でございますので、参考までにご覧ください。
これは、四半期別の各セグメント別の変化です。

ここは一目瞭然で、昨年の第 4 四半期、4 月から 6 月が底で、資源循環事業におきましても、中古
自動車関連事業は赤字が出ているわけですけども、そこから急激に回復をしていると。

グローバル資源循環も、赤字にはなりませんでしたけれども、第 4 クォーターが底で、徐々に回復
をしている。

その他は、もともと影響が少なかったので、違った変化になっております。
今期の見通しでございますが、この前提がかなり大きく変わっております。今期は発生量もおとと
しぐらいで、前回の想定は 8 割だったのですが、もうほぼ回復するだろうということで 10 割の想
定をしております。

そして、鉄スクラップの価格は現状 3 万 8,000 円、期中の 2 月に入っての平均でございますが、3
万 5,000 円の想定です。

銅は 75 万円。これは 2 月 15 日までの平均ですが、足元ではもう 94 万円になっていますので、少
しギャップがありますが、保守的な数字に結果的にはなっています。

金におきましては 6,000 円。これは現状の相場と近いところであります。

銀が 8 万 5,000 円で 9 万 3,000 円ですから、少し保守的に見ていると。

ニッケル、コバルトにつきましては、ここに来て急激に上昇し、特にコバルトはこの 1 週間で相場
が上昇しておりますが、それぞれ 1,850 円、3,500 円と。
為替につきましては、これも少し保守的です。当社においては、円安傾向のほうが輸出はしやすい
という意味にありますけれども、そんな意味では、保守的に為替は 100 円という設定で業績の見
通しを立てております。




そこで、これも既に開示をされていますけれども、増収増益の計画、経常利益では 12 億 5,000 万
円、当期純利益で 8 億 7,000 万円であります。

これは想定以上に扱い量が早めに回復しているということと、国内の鉄鋼メーカーもかなり受注が
増えていることと併せて、これは特殊な要因といいましょうか、中国の金属スクラップ輸入規制が
緩和をされて、今年からですね、鉄スクラップ、金属スクラップが中国に販売が今、一気に引き合
いが増えています。

そんな意味では、価格を高価格で維持する一つの要因になると同時に、一方では中華系という書き
方をしましたけど、そのスクラップ屋さん、昨日まで別の商売をやっていた人たちが、急遽この事
業に参入するとかを含めて、中国はコネの社会ですから、販売先を知っているということで、にわ
かに中華系のスクラップ屋さんたちも参入しつつあるので、競争が激化することも一方では予想し
ております。
先ほど来申し上げております、リチウムイオンバッテリーのリサイクル事業ですが、電池メーカー
の取引、それから今期は 2 本海外からも輸入しましたけれども、国内外の使用済み民生用電池、集
荷量の拡大に努めてまいります。そこで、ブラックサンドという現状のラインから出る製品名です
けれども、それの製造ラインの改造、それから破砕ラインの新設で生産効率を上げて、品質も高め
ていくと。ただし、まだまだ集荷量が少ないこと、販売に対してもまだまだ弱い部分がありますの
で、経常損失は 1 億 5,000 万円を予想しております。

また、コンテナ不足、これは一般のニュースでも流れているのでご案内の方もあると思いますが、
これが非常に流通上の阻害要因になって、まだしばらく時間がかかるとの予想をしております。

そんな中でも、廃棄物処理事業等、金属スクラップ以外の収益の基盤が確立されているというこ
と、それから金銀滓、金、銀、銅、プラチナ、パラジウムの混合されたものですけど、その売上は
増加の予想をしております。

また、大型の解体案件、それから片付け案件由来の利益が増加を予想しております。

加えて、生産性向上ですとか、一般管理費の見直しによる固定費の削減の効果がまた継続していく
ということで、上記のような数字の見通しを立てております。
これが具体的な数字でありますが、ROE に関しましては 5.3%が 7.3%に改善をすると。8%に届か
ないのでまだまだですけれども、少し改善をする予想であります。
これはセグメント別で、資源循環事業は相変わらず増収増益です。倍以上の利益、上期以上に差が
つくという予想でございます。

グローバルに関しましては、増収ですけれども減益、中古自動車は減収の増益、その他は増収増益
という予想をしております。
これは 3 年間の推移ということで、参考までにご覧いただきたいと思います。
ここから少し詳しく説明させていただきますが、当社のこれからの事業戦略です。

冒頭と重複しますけれども、この事業戦略、脱炭素社会、循環経済社会、分散型社会実現に向けた
課題解決を事業機会として、果敢にチャレンジしていくことをやっていきたいと思います。

サーキュラーエコノミーの具体的な事例の実現ということで、電池 to 電池ですね。リチウムイオ
ンバッテリーのサーキュラーを日本国内でいち早く実現することを目指したい。他にもあるのです
が、ここを主なテーマとしてやっていきたいと思います。

そのためには、圧倒的な技術力を保有して、それを常に革新し続けなければならないと思います。
また、それらの高い技術力とノウハウを背景にした組織的な営業力、当社におきましては物を集め
ることが営業力という、販売も当然でございますが、どちらかというと軸足は物を集める、その組
織的能力を強化して、それを常に鍛え続けていきたいと思います。それから、ダイナミックな国際
的流通力を持って、それを常にレベルアップをしていくことを続けていきたいと思います。
ここから少し具体的な事例になりますが、既存事業を深化していきます。

深く掘り下げるという意味で、深いほうの深化を使わせてもらっていますが、深は新なり、深いは
新しいということで、既存事業を掘り下げていくと、今までの私の体験ですが、新たな景色に出会
います。そこには、必ず新商材とか新商流、新技術、そして新たな人、関係性との出会いがあり、
時には新規事業につながることがございました。この掲げました五つの既存事業を深化していきま
す。
焼却灰等からの金銀滓回収の強化ですが、特に焼却灰、それから自動車の破砕残渣を事業の柱にし
ていこうということで今やっていますけれども、現在、自治体との焼却灰の契約では 13 自治体と
契約済みであります。そのうち 6 件が落じん灰で、契約見込みが 6 件、今年度中に 2 件、来年度
中に 4 件という予測をしております。

50 の自治体からの取引ということで、前回、ここは 25 の自治体の取引検討中ということを書かせ
ていただきましたが、それが 50 まで増えているということで、いろんな反響を今いただいており
ます。ここをしっかり伸ばしていきたいと思っています。

それから、自動車残渣、スマホ等々の電子機器。リチウムイオンバッテリーにも実は接点のところ
に金のメッキを使っているんですね。従って、それからも金銀滓が回収できるわけであります。

それから、同業者からの金銀滓含有のミックスメタルを仕入れる。あるいは、海外からの輸入と、
直接製錬所に販売するものと、当社で付加価値を付けるものがありますが、それらも増やしていき
たいと。
それから、大手製錬会社からの電子基板のスクラップの加工受託。これはそれほど大きな利益はな
いのですが、いろんな体験を、いろんな素材を加工する体験を積み重ねるという意味で、これから
も続けていきたいと思います。

それらを達成するために、金銀滓専用の新たな破砕選別プラントを、来年度になりますけども、9
月に稼働を予定しております。今期は、前期が 9 億円ぐらいの金銀滓の売上ですが、2 億円ぐらい
増えそうで、もうちょっと行きそうな感じが今来ています。価格の値上がり効果もかなり大きいと
いうこともございます。11 億円ぐらいが今期の売上になりそうです。




ここは力を入れていますので、少し枚数を使わせてもらっていますけれども、上にあります絵が落
じん灰、左側が現状であります。つまり、落じん灰と称するもの、説明書きが先ほど出ていました
が、落じん灰が主灰と一緒になって排出されて、それが埋め立てに行ったり、セメント会社に行け
ばコンクリートの中に入ってしまうという状況ですが、その落じん灰を別取りするという提案をさ
せていただいております。

それによりまして、私どもは落じん灰を有価物と購入しますので、自治体にとってはその売却益を
得られる。
それから、落じん灰の重量分、それが埋め立てに今まで行っていたわけですけれども、それが埋め
立てに行きませんので、その重量分の埋め立て費用が削減されます。

それから、この主灰側に行く重金属。重金属というのは、金、銀、銅も含めてなんですけど、それ
をたくさん含有しているのが落じん灰ですので、それを別にすることで、主灰の重金属の含有率が
下がるわけです。キレートといいまして、溶出を防ぐような薬剤の費用も削減されるということで
す。

この三つのメリットが自治体にあるということで、だんだん理解が深まっています。

下に書いてありますが、全国都市清掃会議で論文を発表したり、現状は焼却炉メーカーとの連携も
始まっていますので、一部、新炉への設計段階から、落じん灰別取りのシステムを取り入れる流れ
が、もう既に生まれております。

ちょっと重複しますが、自治体の改造したのが 4 件、改造予定が 3 件、新炉の設計に既に採用され
たものが 3 自治体、それから新炉設計への採用を焼却炉メーカーが提案しているのが 4 件ございま
す。恐らく採用される確率は高いと思います。

左側にある写真は、落じん灰の改造、別取りしたときの改造した写真でございます。
ここはロードマップでございますが、実は前回までこのロードマップを 2025 年 30%と書いてあり
ました。残念ながらちょっと厳しいだろうということで、2028 年まで伸ばしております。

800 施設のストーカ炉を対象にすると言ってまいりましたが、100 トン以上の施設は 390 施設で、
それをまず対象にしていこうということで、390 施設の 30%を、約 120 施設との契約を 2028 年ま
でに目指したいと思います。

2021 年、2022 年を啓発期ということで、地道に自治体へのいろんな説明を今しております。それ
から、全都清での発表ですとか、焼却炉メーカーとの連携。2022 年までに 2.5%ですね。

それから、2022 年から 2025 年までを普及期として、落じん灰別取りの改造補助金制度の創設を
提唱するとか、あるいは新設炉の入札の要求基準書に落じん灰別取りを記載する。これは既に始ま
っているのですけど、それをさらに増やしていきたいと思います。量が増えていきますので、地元
のリサイクラーとの協業体制もつくっていくと。ということで、2025 年までに 16%。これをマー
ケティングの理論で、ここが最大の分岐点ということで、16%をクリティカルマスと言うそうで
す。ここまで行くと、一気に普及が促進するということで、まずは 2025 年までの 16%の普及を目
指していきたいと。
それ以降は、自然体といいましょうか、私どもは努力を今までよりもしなくても、自治体のほうか
ら私たちに申し出があるような、そんな時代が来るのではないかなと。それによって、2028 年に
30%のシェアを取っていくことを計画しております。




続いて、RPF 等廃棄物由来の低炭素原燃料及び鉄鋼副資材の製造についてであります。

使用済みの原燃料を破砕+選別+混合+成型加工等をして低炭素原燃料をつくり、石油ですとか石
炭、コークスに代替するというものであります。

当社では、RPF という使用済みの紙、あるいはプラスチック等を混ぜて加工したものですけれど
も、年間 3 万 7,000 トン、セメント原燃料で 1 万 4,000 トン、鉄鋼副資材で 1 万トン、硬質プラ燃
料で 7,000 トン、廃ゴムで 5,000 トン、またリチウムイオンバッテリー由来、これから少しずつ増
えていくわけですけれども、剥離したカーボンを 300 トン。合わせて 7 万トン以上の、いわば再
生原燃料を製造しております。

RPF につきましては、先ほども申し上げましたが、石炭に比べて 33%の CO2 削減効果があると。
環境省のホームページに載っている係数をベースにして、RPF 工業会が計算したものであります
が、それだけの価値のある、削減効果のある原燃料ということで、RPF がそういうことなので、
恐らくそれ以外の再生原燃料も、それに準じた CO2 の削減効果があるのではないかと推察をして
おります。

これらが、まさに生産プロセスでつくる低炭素原燃料ということで、RPF につきましては一時販
売が頭打ちになっていました、マーケットがですね。ここに来まして、今まで石炭を使って発電し
ているところから RPF を少し増やしたいということで、これから、今、足元では RPF は足りない
状況の中にあります。これらの事業も、当社はこれからも力を入れていきたいと思っております。




これは営業的な側面ですけれども、資産評価士協会というのがありますが、当社ではその資格を持
っている人間がいるわけですけれども、その資産評価を起点とした広域の解体、片付け、中古販売
事業を強化していきます。

工場のラインごと居抜きで購入する、ラインをそのまま輸出するとか、今、そんな案件もチャレン
ジをしておりますけど、工場ですとかホテル、風力発電プラント、あるいは航空機。そういう意味
で、物件に近い情報の会社、物件を保有している会社、今まではいろいろ間接的に伝わってきまし
たけれども、最も近い団体、会社等と情報を収集して、エリアを展開していくということです。
まず、日本機械リース販売との時価評価提供サービスということで、日頃の棚卸しの段階で、資産
評価の段階から協力をさせていただいて、いろんな事業再編等々で実際に販売をする、撤去をする
ときには当社がお手伝いさせていただいて、そこは実際の評価をきちっと出させていただくよう
な。そんな中で、当社の関わり合いを深くして、しかも早めに関わり合いを持っておいて、物件の
買取の実現等を促進する仕組みを今つくって運用しつつあります。

それから、処理困難物処理からの関連案件への波及ですが、ベッドマットレスとかは処理困難物と
指定されておりますが、リチウムイオンバッテリーも放電する必要もあります。感電のリスクです
とか火災のリスクがあります。太陽光パネルも同じく処理困難物と捉えていますが、そういう処理
困難物の回収情報から、関連の片付け、解体の案件、その取り組みの件数を増やしていきます。

例えば、ベッドマットレスの処分の話がありますと、そこのメーカーはホテル業界との関係性が深
いわけですから、他にこういうものを片付けてくださいとか、ホテルをリニューアルするときに、
これは中古で売る、これは廃棄物で処理する等々、そんなオファーが多いのだそうです。従いまし
て、そういうメーカーとの連携でベッドマットレス以外の片付け、そして一部今期はそのホテルの
解体のことまで関わりを持たせていただきましたが、そんな形で処理困難物を起点として事業を広
げていくことをやっていきたいと思います。

それから、風力発電プラントのリサイクルの研究と書いてありますが、今、私どものグループ会社
のクロダリサイクルが、これを主にやっているのですけど。これから風力発電がどんどん増えま
す。ここに書いてある、2030 年度で 1,000 万キロワット、2040 年で 3,000 万キロワットから
4,500 万キロワットということですが。

いち早くやった既存のプラント、大小合わせて 2,414 基ということで、これが 5 年以内にそのうち
の 7 割が寿命を迎えて、解体を予想されています。直近でもいくつか私どもが今、チャレンジをし
ているのですけど。

この風力発電プラントの中から、モーターに使われているレアアース、ネオジム磁石ですが、ネオ
ジムとかジスプロシウムというレアアースが入っている。全部ではないです。型式によっては違う
ようなのですが、そういうものを回収するということと、FRP でつくられているブレードです。

過去のものは FRP が多いですが、最近のものは炭素繊維というものもあるかも分かりませんが、
その辺の処理も大きさも大きいですし、FRP という処理困難物ですが、それを適切に加工して、
そしてセメントに持って行くとかして、きちっとしたリサイクルをするという意味では、私どもは
強みがありますので、そんなことに力を入れ、併せて発電プラントそのものの解体もこれからチャ
レンジをしていきたいと思っています。
続きまして、4 番目、金属スクラップの取扱量の拡大であります。

現在、私どもは各港で集めているいろいろな場所があり、鉄スクラップを集めているヤードで 10
カ所あります。それから、非鉄スクラップヤードが 6 カ所で、昨年 5 月と 12 月に川崎、名古屋の
ヤードを新設、川崎については拡張をいたしました。

今後、まだ空白地域がたくさんございますので、それぞれの可能性を見極めながら集荷ヤードの数
を増やしていきたいと。ただ、やはり地元のスクラップ屋さん、業者さんとの連携が非常に重要な
ので、その辺も見ながら進めていきたいと思っております。

それから、当社ではベトナムと欧州、イギリスですけれども、駐在所がございます。そこの機能を
活用して、新商材の取り扱いをしていきたいと思います。併せて、輸出に加えた輸入ですね。ここ
に書かれておりますアルミスクラップですとか、銅スクラップ、それから基板のスクラップ、それ
ぞれアジアに売る場合、それから日本に、基板スクラップを製錬所に直接つなげて、三つの製錬所
に今はつなげ始めました。まだ 1 本、2 本の類いでございますけれども、これを増やしていく。
それから、リチウムイオンバッテリーそのものを VOLTA に輸入するということ。それから、
VOLTA で加工してつくられたブラックサンドを東南アジアに、日本ではまだ売るところがないと
いうことで、製錬所に販売をする。

併せて、金銀滓ですけれども、国内でずっとやっておりましたが、逆に欧州の製錬所で、品位の判
定の仕方といいましょうか、多少評価が違うので、ベンチマークも含めて、日本から欧州への輸出
をするということにもチャレンジをしておりますし、ここら辺をさらに拡大していきたいというこ
とを考えております。




これは環境経営コンサルティング事業の強化とグループシナジーということで、先ほど来の脱炭
素、あるいは低炭素への取り組みは、この会社、ブライトイノベーションという会社ですけれど
も、この会社がないとできないと言っても過言ではないと思います。こういうソフトなパワーとい
いましょうか、コンサルティングということで、そういう専門の方がいます。そこの会社と連携し
て、脱炭素につきまして大きく促進をしていきたいと思います。

また、このブライトイノベーションそのものも TCFD、CDP、SBT、RE100 ということで、カー
ボンマネジメントコンサルティングをやっておりますが、人数が少ないこともあって、今はもう受
け切れないぐらいのオファーをいただいています。これから人員を揃えて増加して、さらにきちっ
とお客様の要求に応えていくということで、今は準備中でありますが。

顧客が超大手の会社ばかりで、皆さんご存じのような会社ばかりでございまして、そんなところか
ら期待をされている会社という意味で、その会社がグループにあるということは、当社の大きな強
みだと思っております。




続きまして、新規事業の探索です。

既存事業の深化と新規事業の探索、深化と探索という組み合わせでございますが、三つの代表的な
お話をさせていただきます。

新規事業に対する捉え方ですが、まずスタート時は当社がリスクを取って、やって立ち上げていき
ます。その後は、まさにオープンイノベーションで、志を同じくして、またシナジーのある会社や
人との協業を積極的に行っていって、とにかく時代の変化は早いですから、スピードアップとスケ
ールアップを同時に実現する、そんな方針でやっていきたいと思っています。
ここは再三出ております私どもの戦略事業でございますが、ここは今の状態でございます。

電極板のリサイクルと電池のリサイクルで、それぞれの製品をつくっております。これらの量を増
やすということ、そして一定量を見込んだ中で、次のステップを踏むということで。
この湿式製錬工場というのがありますが、ここまで当社としてはチャレンジしていく。そして、そ
の先の前駆体の製造まで行っていくことを戦略の中に入れています。

ただ、技術的にも財務的にもかなりギャップがありますので、いろんなパートナーと一緒にやって
いくと。当社の強みは、この一番面倒くさい、物を集めて、そして一定の加工をして使えるだけに
することが強みなので、そこをきちっとやっていく。

併せて、逆に湿式製錬工場があるから物が集まるということもありますので、ここはもう本当に行
ったり来たりの関係なので、この湿式製錬までやらなければ、今やっている事業は中途半端に終わ
ってしまうので、何としてもここまでやっていきたいということです。

この 8 月に発表したときの資料にプロジェクトチームをつくると、で、行っていくということでや
ってきましたが、この 2 月、3 月で、いろんな数種類の FS をつくっておりまして、そこをこれか
ら検証していって、大きな方向性を、恐らく今期中には出していくと。場所をどうするか等までは
まだ決められないと思いますが、一定の方向性を出して、それに向かっていろんなチャレンジをし
ていくことを明確にしていきたいなと。
そこで電池 to 電池という、日本国内でまだ誰もやっていないこと、実は中国では既にこれをやら
れているのですよね。中国は普及率が高いということもあって既に先行しているのですが、遅れば
せながら日本でもこういうことを実現したいなと思っております。




これは廃プラのケミカルリサイクルということで、焼却炉メーカー、それから石油の精製会社と、
当社と 3 社でミーティングをもう 1 年以上重ねております。昨年の 12 月にこの流動床タイプのラ
ボ試験機をつくりまして、実験を開始しております。

その焼却炉メーカーは、既に実証炉を十数年前にやっていますので、一定の知見はあるのですが、
それを油化まではやっていなかったのですね。従って、この生成ガスオイルを出して、それをきち
っと油化できるかどうかという実験を今やっておりまして、一定の成果が出ているということであ
ります。

廃プラスチックのリサイクルには、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルという言い方で、
燃料にする場合、当社は結構それが多いのですけれども、マテリアルリサイクルも挑戦しました
が、なかなか難しい。品質の管理、それから今、いわゆるバージンプラスチックは価格が安いので
再生プラスチックが売れないとか、経済的にも非常に難しい中で、よりたくさん、しかも汚れたプ
ラスチックも対象にリサイクルできるという意味では、私はこのケミカルリサイクルがこれからの
本流だと。大量にできるという意味で、このやり方だけではもちろんないわけです。ケミカルリサ
イクルでいろんな触媒を使ってやるとか、いくつかの動きがありますが、そのケミカルリサイクル
がこれからの本流になると思います。

私どもの役割は、物を集めるとか、そういうことで、当事者としては、どちらかというと石油精製
会社がきっとなるのだろうなと。そのオペレーションですとか、物を集めるとか、そういう補助的
な役割になると思いますが、ここは非常に大きな動きとして当社も関わっていきたいと思っており
ます。




それから、航空機のリサイクルの仕組みづくりですけども、政府専用機をやったおかげで、いろん
なところからオファーをいただいています。航空業界の皆さんとの関係性も含めてです。

そこで、われわれは昨年 5 月から航空機関係者を交えて、航空機リサイクル研究会をスタートした
わけですが、今、廃棄する航空機、大きいものですけれども、それはアメリカに運んでいるのです
よね。そして、解体しているものを何とか国内でできないかと。併せて、今はコロナで特に顕著で
すけれども、それ以前も含めて使用頻度が少ない地方空港があるのですね。そういうものを活用し
て、そこで解体できないか。

実はここにはモデルがありまして、スペインのテルエル空港でやっているのですが、その駐機場ビ
ジネス、中古航空機・パーツの販売事業、航空機の修理・メンテナンス、航空機の解体、パイロッ
トの養成等のビジネスモデル。そこをまたいろんな人が見学に来るということで、観光資源にもな
っていると聞きました。

ここが全部やれるわけではないのですけども、そんなモデルが一つあるので、将来に向けてそうい
うことができないかなということを先ほどの航空機リサイクル研究会、ここには航空機業界の方、
航空機をリースしている金融系の人、それからオブザーバーで地方空港の方とかに交じっていただ
いて、不定期ですけれども、研究会を開会しております。

現状は、当社が民間機や自衛隊機、そこに停留されているところに解体の道具を持っていって解体
をするというレベルにとどまっておりますが、今期だけでも、今まで 5 機ぐらいやりまして、これ
からまださらに 5 機あります。最低 10 機は解体をしていきます。そんなところで解体のノウハウ
を蓄えていきたいと思いまして、それが 2024 年ぐらいをめどに、先ほど申し上げたような地方空
港を活用した事業モデルを立ち上げたいなと。

かなりいろんなハードルがあるのですが、これは地方の創生、地方の活性化にもつながるので、当
社は解体とか、こういうコーディネートの役回り、リサイクル研究会も当社が主宰する形で多少の
資金を負担しているのですけども。そんな役割で、なおかつ航空機の解体を中心で、中古航空機と
かパーツとか、処理、メンテナンス等々は、そういう専門家の方に集まっていただいて、そしてや
っていくという位置付けで、この事業に取り組んでいきたいなと。社会的にはすごく意味があると
思っております。
これらを含めまして、エンビプロが目指す企業価値、どんな会社になるべきかということで、経済
的価値、社会的価値、環境的価値を高めて、それを持続するガバナンス力を強化して社会から強く
必要とされる会社。

しかも、最大のステークホルダーである社員の皆さんが、それに向かって本当に生き生きと働いて
いる、良質なエネルギーに満ちた「場」の中でその事業行動をしているという、それが価値の高い
会社だと私は思っております。そんなことを頭に入れながら事業を推進していきたいと思います。
ここはイメージ図でありますが、既存の事業で粛々と企業の価値を上げていって、新規事業でさら
に積み上げていくことを考えております。
最後になりますが、配当の方針であります。

昨年は 10 円でございました。当社は純利益の 20%から 30%で配当性向を考えておりますが、30%
になっても 10 円に満たない場合は 10 円をお支払いするということで、10 円の配当でございまし
て、結果的に配当性向が 35.9%でした。

今回の修正予想では、1 株あたりの配当金が 15 円、配当性向は 25.4%となっております。

以上をもちまして、決算の発表を終わらせていただきます。少し長くなりましたが、これは録画で
すので、ぜひ飛ばすところは飛ばしていただいて見ていただければと思います。

本日はご清聴いただきまして、誠にありがとうございました。