5610 大和重 2021-02-24 16:00:00
事業の現状、今後の展開等について [pdf]
2021 年 2 月 24 日
各 位
上場会社名 大和重工株式会社
代表者 代表取締役社長 田中 宏典
(コード番号 5610 東証二部)
問合せ先責任者 企画管理本部 管理部長 氏原 卓也
(TEL 082-814-2101)
事業の現状、今後の展開等について
当社は、下記のとおり、事業の現状および今後の展開等について、株式会社東京証券取引所に対し、同社
有価証券上場規程第 601 条第 1 項第 4 号a本文に定める書面を提出致しましたので、お知らせ致します。
本書面の提出により、2021 年 8 月末日までのいずれかの月に於いて、月間平均時価総額および月末時価総
額が 10 億円以上になった時は、上場廃止基準に該当しないこととなります。
当社はこの度、時価総額基準に抵触致しましたが、下記「2.今後の展開について」に記載致しました事業
計画の推進により、業績の回復および企業価値の向上を図り、東京証券取引所市場第二部上場を維持するよ
う努めてまいります。
株主の皆様をはじめ関係者の皆様には大変ご心配をおかけしておりますが、何卒ご理解を賜りますようお
願い申し上げます。
1.事業の現状について
1) 経営の基本方針
当社は経営姿勢として
◎信用第一
◎共存共栄( 「和」「恩」「感謝」
・ ・ )
◎創意工夫
◎誠心誠意
◎価値基準の共有化
を掲げております。
天保 2 年(1831 年)創業以来、“たたら製鉄”の精神を受け継ぎながら、鋳物をベースに一貫生産体制
で各方面に事業を展開し、社会に貢献してまいりました。
2020 年には創立 100 周年という節目を迎え、創業から数えると 189 年になりました。これからの 100
年に向け“ものづくりの心”を大切に「鉄に向き合い、人を豊かに」できる企業として歩み続けてまいり
ます。
2)当社事業の現状
当社は、五右衛門風呂や高級鋳物ホーロー浴槽のような住宅機器関連商品、また、工作機械・舶用エン
ジン向けの大型鋳物部品、オートパレットチェンジャーなどの組立製品、検査・試験・組立用の大型鋳物
定盤の製造をしています。
第 137 期(2020 年 12 月期)の業績につきましては、米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの世界的な感
染拡大がわが国経済にも深刻な影響を及ぼす中、 当社も営業活動が大きく制限されるなど厳しい環境とな
りました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
(産業機械関連事業)
日本工作機械工業会による 2020 年の受注実績は前年対比 26.7%減少し 9 千億円となりました。その影
響から当社の工作機械分野、舶用エンジン部品分野でも大型鋳物部品の受注が減少しました。
産業機械分野ではコロナ禍における企業の設備投資の中止や延期などから需要が減り、 当社の強みであ
る一貫体制による付加価値の高い「定盤」の受注も大きく減少しました。
(住宅機器関連事業)
2020 年の新設住宅着工戸数は前年対比で減少しており、中長期的にも着工戸数の減少が見込まれてお
ります。こうした環境の下、一般住宅向け「鋳物ホーロー浴槽」の販売が低迷し、宿泊施設の新設や改修
に対する営業強化に努めましたが、売上は減少しました。
単位:百万円
決 算 期 2018 年 12 月期 2019 年 12 月期 2020 年 12 月期
売 上 高 4,048 4,304 3,179
営業損失(△) △179 △23 △294
経常利益又は経常損失(△) △71 84 △184
当期純利益又は当期純損失(△) △62 93 △360
自己資本比率(%) 47.2 49.2 46.5
2.今後の展開について
1)営業力の強化
コロナ禍により、BtoBビジネスのあり方も大きく変化する中で、従来の訪問営業に加え、オンライン
営業の活用を推進していきます。このために、本社と営業所の IT 環境の整備と営業スタッフ一人一人に
モバイル PC を核としたオンライン営業のツールを導入し、これらを活用するための個人スキルの向上を
図り、組織的な営業力の底上げと営業の効率化を図ってまいります。
一方で、当社において競争力の高い商品(産業機械では当社の強みである一貫生産体制を活かした付加
価値の高い「定盤」 、住宅機器では上質な質感と優れた耐久性や保温性に加え、汚れや菌が付着しにくく
清掃し易いといった特徴を持つ「鋳物ホーロー浴槽」 )については、全社的に取り組み強化し、安定した
利益が得られるように受注確保に向け邁進してまいります。
2)生産性の向上とコスト削減
本社工場では、主として工作機械や船舶用エンジンの大型鋳物部品の生産を行っており、一品生産品が
多く、自動化が難しい生産形態ですが、工程の見える化と効率を追求する進捗管理を徹底することで、リ
ードタイムの短縮を図り、生産性の向上を図ってまいります。
生産コストの低減については、大型鋳物部品の鋳造において、歩留まり(製品重量/鉄溶解重量)の改
善を継続的に行っていくとともに、鋳造シミュレーション技術を活用して、鉄の凝固過程を低コストでコ
ントロールできるように改善することで、品質を維持向上させながら副資材の低コスト化を推進してまい
ります。
3)製品開発の強化
吉田工場で生産している鋳物ホーロー浴槽は、独自に開発してきた乾式ホーロー焼成技術により、高品
質な美しいホーロー(ガラスコーティング)を浴槽表面に形成できるのが特徴となっています。その美し
さや耐久性、清潔性が評価され、国内の高級ホテルで数多く採用されてきました。この技術を駆使して、
新たに高級旅館や温浴施設をターゲットとしたプレミアムな和風浴槽の商品開発を行い、陶器風呂や石風
呂、木風呂が主流であった和風浴槽に、新たな選択肢として提案し、鋳物ホーロー浴槽の拡販と収益拡大
を図ってまいります。
さらに、新型コロナウィルスの影響によるライフスタイルの変化に着目して、鋳物とホーローの特徴を
活かしたアウトドア用品やキッチン用品などの開発も 推進していく計画です。
3.上場維持について
今後においては、米国新政権下における米中関係や、新型コロナウィルス感染終息など先行き不透明な部
分がある中で、当社は「2.今後の展開について」に記載したことを実施していくことで営業基盤と収益体
質を強化してまいります。
これにより、企業価値の向上を図り、当社株式の月間平均時価総額及び月末時価総額について、株式会社
東京証券取引所の定める基準を上回ることにより、今後も東京証券取引所第二部上場を維持するよう努めて
まいります。
以上