5491 日本金属 2020-06-23 09:30:00
当社板橋工場における火災発生について(第五報)(火災発生原因調査について) [pdf]

                                                  2020 年 6 月 23 日
各     位
                               会 社 名      日本金属株式会社
                               代 表 者      取 締 役 社 長 下川 康志
                                 ( コ ー ド 番 号 5491 東 証 第 一 部 )
                               お問合せ先      常務執行役員管理本部長 長谷川 伸一
                                 ( TEL.    03- 5765- 8100)

               当社板橋工場における火災発生について(第五報)
                    (火災発生原因調査について)

 2019 年 11 月 19 日に発生した当社板橋工場における火災では、工場近隣の皆様、関係省庁、取引先の皆様
をはじめ、関係各位の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。
 弊社では、火災発生後、原因究明、再発防止策検討を行って参りました。その後、本年 6 月 8 日(月)東京消
防庁志村消防署へ、火災発生調査報告書(最終報告書)を提出し受理されましたので、本件事故の原因と再発
防止策について、ご報告致します。

                           記
1.火災の発生原因について
  1)調査内容
     当該圧延機を操作していた作業者へのヒヤリング、残留品の調査、火災発生時の被圧延材料(板破断
    部)調査、操業条件調査を実施し、原因究明を行った。
    2)推定発生原因について
      ①駆動伝達部品破損に伴う駆動状態の変化による被圧延材料の絞り込み※1 と破断
        ※1 絞り込み:被圧延材料の蛇行と座屈により、被圧延材料が重なり合って圧延される状況
      ②潤滑冷却油(圧延油)噴射用スプレー装置の異常状態による潤滑冷却能力の喪失
       これらの事象が複合して起きたことで、高熱になった被圧延材料に付着していた圧延油が発火し、延焼
      した。
      (補足説明)
      ① 圧延ロールを駆動するために上下対で設置されている駆動伝達部品(カップリング)のうち上側の嵌合
        部が金属疲労により破損したことで、駆動力が不均衡となり絞り込みが発生し、更に被圧延材料が破
        断した。
      ② 被圧延材料を潤滑冷却するための圧延油を噴射するスプレー装置の端部封止ボルト(エンドキャップ)
        の脱落も発生していて、圧延油噴射量不足により適正な潤滑冷却がなされていなかった。
      (発火延焼に至るまとめ)
         ①の絞り込みにより、急激に厚い箇所を圧延したことにより加工発熱量が増加し、加えて②の圧延油
         噴射量不足から被圧延材料表面温度が圧延油発火点以上の状態となった。この後、圧延機本体内
         で①に起因する被圧延材料の破断が発生し、破断した被圧延材料は巻取り機に引っ張られ圧延機本
         体内より外に出た時点で自然発火した。この被圧延材料を巻き取った装置が延焼する間に圧延機本
         体にも燃え移り、延焼が拡大した。
2.火災発生防止対策について
  1)被圧延材料破断発生原因となった駆動伝達カップリング破損の防止対策
     毎月の定期メンテナンス時にクラック有無の検査を追加した駆動伝達カップリングの点検を行い、クラック
    発生時には交換する体制とした。
2)火災発生原因となった被圧延材料表面温度高熱化に対する防止対策
   弊社板橋工場で保有している圧延機すべての圧延油噴射装置の点検・構造確認を行い、エンドキャップ
  を用いる形式のものは存在しないことを確認した。(よって、エンドキャップ脱落自体が起こり得ず、これに起
  因する潤滑冷却不足の可能性は無い。)
   各圧延機で被圧延材料表面温度測定器を使用し、圧延油の発火点未満での表面温度管理を行うことと
  した。(圧延速度の管理で加工発熱量を抑える。)
 弊社といたしましては、本件事故を真摯に受け止め、工場近隣の皆様、取引先の皆様、関係省庁をはじめ、
関係各位の皆様からの信頼を回復する事が出来る様、今後も再発防止に取り組んで参ります。
                                             以 上