5486 日立金 2020-04-27 16:00:00
当社及び子会社の一部製品における検査成績書への不適切な数値の記載等について [pdf]

                                               2020 年 4 月 27 日
各 位
                        上 場 会 社 名 日 立 金 属 株 式 会 社
                        代     表     者 執行役会長 西山 光秋
                                      (コード番号 5486 東証第一部)
                        問 合 せ 先 責 任 者 コミュニケーション部長 南 達也
                                      (TEL. 03-6774-3077)


               当社及び子会社の一部製品における
            検査成績書への不適切な数値の記載等について

 このたび、当社及び子会社において製造する特殊鋼製品並びに磁性材料製品(フェライト磁石及び希土
類磁石)の一部につきまして、お客様に提出する検査成績書に不適切な数値の記載が行われていた等の事
実が判明しましたので、現時点で把握している事実及び今後の対応について下記の通りご報告いたします。
 お客様をはじめ関係各位に多大なるご迷惑をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。
 当社では、今後このような事態を再び起こすことがないよう、外部の専門家から構成される特別調査委
員会を速やかに設置し、事実・原因を徹底究明するとともに、品質保証体制の抜本的な見直しとコンプラ
イアンスの一層の強化を図ることで、再発防止及び信頼の回復に全力で取り組んでまいります。

                         記

1.特殊鋼製品に関する不適切行為の概要等
(1)対象製品の概要
 特殊鋼は、クロムやニッケル等を特殊配合した鋼であり、主として、加工治具や自動車部材の材料に用
いられております。不適切行為に係る製品は、約 30 社のお客様に対し、14 品種の製品が納入された事実が
判明しております。

(2)不適切行為の概要
 2020 年 1 月に安来工場において製造する特殊鋼について品質に係る不適切行為が行われている旨の情報
提供を受け、一部において不適切行為が行われていたことを確認いたしました。
 特殊鋼に関する主たる不適切行為については、お客様に提出する検査成績書に不適切な数値を記載して
いたもの、お客様に提示した工程とは異なる工程で製造した製品を出荷していたもの等が確認されており
ます。
 なお、詳細については引き続き調査中です。


2.磁性材料製品に関する不適切行為の概要等
(1)対象製品の概要
ア フェライト磁石について
 フェライト磁石は、酸化鉄を主原料とする磁石で、主として、自動車のワイパー、パワーウィンドウ等
の電装用モーターやエアコン等の家電用モーターに用いられております。不適切行為に係る製品は、自動
車部品メーカー等約 70 社のお客様に対し、約 580 品番の製品が納入された事実が判明しております。

イ 希土類磁石について
 希土類磁石は、ネオジム等の希土類を主原料とする磁石で、主として、自動車の電動パワーステアリン
グ等の電装用モーター、FA・ロボット用モーターに用いられております。不適切行為に係る製品は、リン
グマグネット型希土類磁石について、自動車部品メーカー等約 50 社のお客様に対し、約 270 品番の製品が、
角型希土類磁石について、自動車部品メーカー等約 20 社のお客様に対し、約 100 品番の製品が納入された
事実が判明しております。



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(2)不適切行為の概要
ア フェライト磁石について
 特殊鋼製品に係る情報提供を受けて調査したところ、2020 年 3 月 20 日、熊谷磁材工場が製造していた
フェライト磁石の一部について、お客様に提出する検査成績書に不適切な数値の記載が行われていたこと
が判明いたしました。
 フェライト磁石に関する主たる不適切行為は、磁気特性(磁力の強さである磁束密度を示す Br 値、保磁
力を示す Hc 値)等に関して、製造工程中の検査による測定値がお客様の要求仕様の範囲内から外れる場合
に、その数値を要求仕様の範囲内に書き換え、お客様に提出する検査成績書に記載していたものです。
 当社は、同月 20 日以降、事実確認を進めてまいりましたが、その過程におきまして、当社の子会社であ
る株式会社 NEOMAX 九州や海外拠点においても、前記同様の不適切行為が行われていたことが判明して
おります。
 なお、詳細については引き続き調査中です。

イ 希土類磁石について
 2020 年 3 月 20 日以降に実施した事実確認の過程において、熊谷磁材工場、佐賀工場及び当社の子会社で
ある株式会社 NEOMAX 近畿が製造していた希土類磁石の一部についても、お客様に提出する検査成績書
に不適切な数値の記載が行われていたことが判明いたしました。
 希土類磁石に関する主たる不適切行為は、磁気特性等に関して、製造工程中に検査を実施すべき項目に
ついて、検査を実施せず、お客様の要求仕様の範囲内の数値を記載した検査成績書をお客様に提出してい
たもの、及び製造工程中の検査による測定値がお客様の要求仕様の範囲内から外れる場合に、その数値を
要求仕様の範囲内に書き換え、お客様に提出する検査成績書に記載していたものです。
 なお、詳細については引き続き調査中です。


3.安全性等への影響
 本件に起因して安全性及び性能に問題が生じた事案は、現時点では確認されておりませんが、引き続き、
調査してまいります。


4.今後の対応
 当社は、不適切行為の判明後、お客様に対し個別に不適切行為を報告し、対応について協議を続けてお
り、今後も引き続き誠実に協議してまいります。また、本日付で外部の専門家から構成される特別調査委
員会を設置し、客観的な視点から事実関係・発生原因を調査いただく予定です。これと並行して、当社で
は信頼回復に向け早急に適切な品質保証体制の構築に取り組むと共に、同委員会の調査結果を踏まえて、
コンプライアンスの一層の強化等の再発防止策を実施してまいります。

■特別調査委員会委員
   委員長 伊丹 俊彦(長島・大野・常松法律事務所顧問、元大阪高等検察庁検事長)
   委 員 垰  尚義(同事務所パートナー弁護士)
   委 員 深水 大輔(同事務所パートナー弁護士)


5.業績に与える影響
 本件が、当社業績に与える影響は、現時点では不明です。業績に与える影響につきまして、今後開示す
べき事項が発生した場合には速やかにお知らせいたします。
 なお、当社は 2020 年 4 月 13 日付「2020 年3月期連結決算発表について(日程延期)
                                                 」において、2020 年
3月期連結決算発表を 2020 年5月中旬以降に実施することを予定している旨、公表しておりますが、本件
に伴う決算発表予定日のさらなる遅延は発生しない見込みです。

                                                         以 上




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