5486 日立金 2019-10-29 15:00:00
減損損失の計上、通期連結業績予想の修正および配当予想の修正に関するお知らせ [pdf]

                                                     2019 年 10 月 29 日
各   位
                                          会 社 名 日 立 金 属 株 式 会 社
                                          代表者名 執 行 役 社 長 佐藤 光司
                                               (コード番号 5486 東証第一部)
                                          問合わせ先 コミュニケーション部長 南 達也
                                              (TEL.03-6774-3077)

                                       当社の親会社 株 式 会 社 日 立 製 作 所
                                       代表者名 執行役社長兼 CEO 東原 敏昭
                                                 (コード番号 6501 東・名)


    減損損失の計上、通期連結業績予想の修正および配当予想の修正に関するお知らせ


 当社は、本日発表した 2020 年3月期第2四半期(2019 年4月1日~2019 年9月 30 日)決算において
減損損失を計上するとともに、2020 年3月期通期(2019 年4月1日~2020 年3月 31 日)の連結業績予
想について、2019 年7月 26 日に公表した業績予想を下記のとおり修正しましたので、お知らせいたし
ます。
 また、本日開催の取締役会において、下記のとおり 2019 年9月 30 日を基準日とする剰余金の配当を
行うことを決議するとともに、2020 年3月期の期末配当予想を修正いたしましたので、お知らせいたし
ます。

                                 記

1. 減損損失の計上について
(1) 内容
    磁性材料事業について、主に希土類磁石事業の事業環境の変化、およびこれに伴う将来における
    収益性を見直した結果、2020 年3月期第2四半期において磁性材料事業全体で 425 億 81 百万円
    の減損損失をその他の営業費用に計上しました。

(2) 損失計上の背景および今後の見通し等
     当社では、磁性材料事業を xEV*1 時代の中核事業の1つと位置付け、積極的な研究開発やモノ
    づくり力の向上、グローバルな事業体制の構築ならびに先進設備投資により事業の強化を図って
    まいりました。
     しかしながら、足下、主に希土類磁石事業において FA・ロボットといった産業分野の大幅な需
    要減少が想定以上に長期化しているほか、自動車分野では xEV の普及が拡大し一層コストが重視
    されるようになっています。当社では上記のとおり、さまざまな事業強化施策を実行してまいり
    ましたが、事業環境が急激に変化し競合関係も厳しさを増すなか、施策の効果を十分かつスピー
    ディーに発揮することができませんでした。この結果、当該事業の将来における収益性が従前と
    比較し低下したことに伴い減損損失を計上することとなりました。
     現在、当社では、磁性材料事業をよりコスト競争力のある事業にするための構造改革を実行し
    ております。事業の効率化を図るため、複数拠点の閉鎖を決定したほか、残る拠点についても統
    合を検討します。また、中国やフィリピンといった海外製造拠点を軸としたグローバル体制の一
    層の強化、および当社独自技術を用いて品質向上とコスト競争力を両立したモノづくり力のさら
    なる向上を図ります。こうした施策により、早期に磁性材料事業を再生してまいります。

        *1 xEV:電気自動車(EV) ハイブリッド電気自動車
                        、           (HEV) プラグインハイブリッド電気自動車
                                         、                (PHEV)
           を指しています。




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2. 通期連結業績予想の修正

(1)2020 年3月期通期連結業績予想数値の修正(2019 年4月1日~2020 年3月 31 日)
                                                親会社株主に     基本的
                               調整後     税引前
                    売上収益                         帰属する     1株当たり
                              営業利益*2   当期利益
                                                 当期利益      当期利益
  前回予想 (A)              百万円       百万円      百万円      百万円       円 銭
  (2019 年7 月26 日公表) 1,000,000   54,000   38,000    28,500    66.66

  今回予想 (B)           895,000    14,000   △43,500   △47,000   △109.92

  増減額 (B)-(A)      △105,000    △40,000   △81,500   △75,500    ―

  増減率(%)             △10.5      △74.1     ―        ―          ―
  (ご参考)前期実績
                   1,023,421    51,427    43,039    31,370     73.37
   2019 年3月期
  *2 事業再編等の影響を排除した経営の実態を表示するため、営業利益からその他の収益、その他の費用を除いた指標である調整後
   営業利益を記載しています。調整後営業利益は、当社の親会社である日立製作所を中心とする日立グループ統一の利益指標です。

(2) 修正の理由および今後の見通し等
     現在、米中の通商問題を巡る緊張関係の増大やこれに伴う中国経済の成長鈍化、        各国政策の不確
   実性等により、世界経済の減速懸念が強まっています。
     特に当社事業においては、自動車分野や FA・ロボットといった産業分野、ならびにエレクトロ
   ニクス分野の需要環境の悪化が期初想定以上に厳しさを増すとともに長期化しています。こうし
   た需要減少を主たる要因として、売上収益は前回の予想を下回る見通しです。
     また当社では、需要減少への対応や棚卸資産の適正化のために大幅な生産調整を行っています。
   さらに、 原材料価格の下落に伴い棚卸資産の評価損が発生したほか、        前年度までに実施した大型の
   設備投資により固定費が増加し収益性を圧迫しています。         これらの要因により、調整後営業利益は
   前回の予想を大幅に下回る見通しです。
     また調整後営業利益が前回の予想を下回る見込みとなったこと、および「1.減損損失の計上に
   ついて」に記載のとおり、当第2四半期においてその他の営業費用として減損損失を計上した結
   果、 税引前当期利益、  および親会社株主に帰属する当期利益は前回の予想を大幅に下回る見通しで
   す。
     以上の通り、2020 年3月期通期業績予想について、売上収益、調整後営業利益、税引前当期利
   益、 親会社株主に帰属する当期利益とも、  2019 年7月 26 日に公表した業績予想を修正いたします。

     当社では、当年度において調整後営業利益が大きく落ち込み、      当期利益について赤字計上の見通
    しとなった現状を経営構造上の深刻な課題と認識しており、まず、経営責任を明確にするため、役
    員報酬の一部返上を行うとともに、抜本的な事業構造改革に着手しております。
     当年度における緊急業績対策として固定費削減を行います。グループ全体で売上収益に応じて
    人員を圧縮するとともに、国内拠点を中心に帰休を実施、さらに管理・専門職を対象に早期退職の
    募集を実施します(退職時期:2020 年3月末(予定))。また、設備投資をさらに厳選し期初想定
    額の8割まで抑制するとともに、   既に投資を行ったものについても、   事業戦略や将来性の早期見極
    めにより廃滅却を進めます。さらに、研究開発費や修繕費等についても、不急のものは削減すると
    ともに、モノづくり改革の推進により効率向上を図ります。これらの施策により、当年度は前年度
    対比で固定費を 185 億円削減いたします。さらに、ノンコア・低収益事業の売却判断を前倒しし、
    事業の「選択と集中」を一層加速します。
     また、現在推進中の 2021 年度中期経営計画(対象年度:2019 年度~2021 年度)では、キャッシ
    ュ・フローの改善と資本効率向上に取り組んでいます。経営指標として ROIC(投下資本利益率)
    を導入し、全社プロジェクトとして投下資本の適正管理を強化し、施策の一つとして CCC(運転資
    金手持ち日数)の短縮を推進しています。こうした取り組みの効果により、フリー・キャッシュ・
    フローは前年度まで2年連続でマイナスであったのに対し、2019 年度はプラスに転じ大きく改善
    する見込みです。



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      より中長期的な観点から当社業績を顧みますと、過去において平時の事業構造改革の怠りがあ
     ったことや、全方位的な積極投資を行ってきたことが、このたびの収益性の大幅悪化を招いたと認
     識しております。そこで当社では、現在マネジメント改革に取り組んでおります。取締役会、執行
     役間の緊密なコミュニケーションにより、これまで以上に重要な経営課題を迅速に共有し、   実効性
     のある戦略を協議できる体制を整えるとともに、執行役をトップとする7つの経営改革プロジェ
     クトを立ち上げ、課題解決・意思決定プロセスの迅速・透明化、および多面的な KPI 管理の強化を
     図ります。特にコスト構造改革については、設備投資、棚卸資産、モノづくり/研究開発、固定費
     といった主要な経営リソースについて、相互に連携した管理・運営を強化し、全社経営戦略にそっ
     た経営リソースの「選択と集中」と効果刈り取りの最大化を図ります。

      以上のとおり当社では、足下の業績改善に向けた緊急施策を着実に実行すると同時に、2021 年
     度中期経営計画に基づき、企業文化・マネジメントを含む抜本的な経営改革、ならびに当社の強み
     である「『Only1、No.1』のモノづくり・新製品」をさらに強化する経営戦略・施策を推進して
     いくことで、持続可能な社会を支える高機能材料会社を実現していきます。


3. 剰余金の第2四半期末配当、および期末配当予想の修正

(1)2019 年9月 30 日(第2四半期末)を基準日とする剰余金の配当の内容
                                  直近の配当予想                          前期実績
                       決定額
                              (2019 年7月 26 日公表)                 (2019 年3月期)
 基            準           日   2019 年9月 30 日         同左          2018 年9月 30 日
 1 株 当 た り 配 当 金                   13 円 00 銭        17 円 00 銭        17 円 00 銭
 配   当    金       の   総   額      5,558 百万円           -             7,269 百万円
 効    力       発       生   日   2019 年 11 月 29 日       -          2018 年 11 月 28 日
 配       当        原       資      利益剰余金               -             利益剰余金

(2)2020 年3月期期末配当予想の修正の内容
                                                   年間配当金
                               第2四半期末               期  末            合    計
        前回予想
                                   17 円 00 銭        17 円 00 銭       34 円 00 銭
 (2019 年7月 26 日公表)

      今回修正予想                                        13 円 00 銭       26 円 00 銭


          当期実績                     13 円 00 銭

        前期実績
                                   17 円 00 銭        17 円 00 銭       34 円 00 銭
     (2018 年3月期)

(3)修正の理由
    当社は、企業価値の増大を通じて、株主の皆様へ長期的かつ適正な利益還元を行うことが会社の責
  務であるという認識のもと、 中長期で成長することを主眼に経営環境、   将来の事業展開および業績を
  総合的に勘案して株主の皆様への利益配分および内部留保を決定することを基本方針とし、       配当性向
  30%を目安として、安定的な配当に努めることとしております。
    当年度の剰余金の配当につきましては、誠に遺憾ですが、通期の業績予想等を勘案して、2020 年
  3月期第2四半期末にかかる配当は、前回予想の1株当たり 17 円から4円減額して 13 円とさせて
  いただきました。また、期末配当予想は、前回予想の1株当たり 17 円から4円減額して 13 円に修正
  することといたしました。 この結果、2020 年3月期の年間配当予想は、1株当たり 26 円(8円減額)
  を予定しております。
                                                                                以 上

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