5480 冶金工 2020-05-08 15:00:00
中期経営計画の策定に関するお知らせ [pdf]
2020 年 5 月 8 日
各 位
会 社 名 日本冶金工業株式会社
代表者名 代表取締役社長 久保田 尚志
(コード番号 5480 東証第一部)
問合せ先 常務執行役員 経営企画部長 豊田 浩
(TEL:03-3273-3612)
URL http://www.nyk.co.jp/
中期経営計画の策定に関するお知らせ
~業界トップレベルの品質・納期・対応力で
信頼され続けるグローバルサプライヤーを目指して~
当社は、2020 年度を起点として取組む 3 ヶ年計画「中期経営計画 2020」を策定いたしましたの
で、下記の通りお知らせいたします。
記
Ⅰ.「中期経営計画 2020」策定の背景
当社は、これまで 2017 年度をスタートとする 3 ヵ年計画「中期経営計画 2017」を策定し、高
機能材事業と一般材事業を両輪に国内外において競争力あるステンレス特殊鋼メーカーとして
勝ち抜くための諸施策を実行してまいりました。その結果、2017 年度からの 3 年間合計で連結
経常利益 179 億円(「中期経営計画 2017」3 年間計画合計 170 億円)を計上するなど、収益面で
は一定程度の成果をあげることができました。一方、この 3 年間において、中国経済のプレゼン
ス拡大とその成長鈍化、環境問題・地球温暖化対応の鮮明化、国内における人口減少に伴う労働
力不足の慢性化など、 事業環境は大きく変化してきており、 当社グループが今後も持続的に成長
していくためには乗り越えるべき課題が山積している状況にあります。 加えて、新型コロナウィ
ルスの感染拡大に伴う経済活動停滞や感染拡大を契機とした世界的な構造変化など様々な事業
環境の変化も想定されます。
こうした事業環境の構造変化を踏まえて、当社グループが 2025 年の当社創立 100 周年、さら
には、その先もレジリエント(困難な状況に直面した際の強靭さや回復力がある)かつ持続的な
成長を遂げるために、2020 年度からの3ヵ年で実行すべき施策を『中期経営計画 2020』として
取り纏めました。
Ⅱ.「中期経営計画 2020」の概要
1. 「中期経営計画 2020」での目指す姿
「業界トップレベルの品質・納期・対応力で信頼され続けるグローバルサプライヤー」
当社グループは、成長分野である高機能材事業を拡大しつつ、高付加価値材、一般材を含めて
お客様のニーズ(品質・コスト・納期:QCD)に沿った製品提供が求められているなか、今後
2025 年に迎える創立 100 周年、さらにその先も持続可能な企業であるために、製造現場の安全・
安定を大前提に、業界トップレベルの品質、納期、対応力でお客様から信頼され続けることを目
指します。
※「対応力」はお客様のニーズへの対応という意味で、数量、品質、コスト、納期、技術、ソリ
ューションなどの対応力を意味します。
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2.「中期経営計画 2020」の基本戦略
①環境エネルギー・インフラ分野を中心とした産業素材での顧客ニーズへの対応、社会への貢献
環境エネルギー・インフラ分野を中心とした産業素材での高機能材のシェア№1カテゴリー
の強化拡充や、一般材部門における幅広い製品群を武器にしたニッチ製品の強化拡充をおこな
うことを通じて、お客様のニーズに対応するとともに、「持続可能な社会の実現」に貢献してま
いります。
<主要施策>
・環境エネルギー分野への深耕による高機能材拡販
・一般材事業における顧客基盤の強化、収益基盤の強化
・中国JV活用による製品アイテムの拡充
②戦略設備投資の実行と技術力の更なる向上による競争力強化
業界トップレベルの品質・納期・対応力を備えるべく生産対応力の強化と技術力の向上を図っ
てまいります。生産対応力の強化につきましては、2022 年 1 月稼働を予定しております高効率
電気炉設備を出発点にした戦略設備投資の実行によりフレキシブルかつリライアブルな生産体
制を実現いたします。さらに、川崎製造所および大江山製造所におけるメタラジー(※)の追求
により技術力の更なる向上を図り、競合他社に負けない卓越したQCD競争力を確保してまい
ります。
※当社の社名にある「冶金」(英訳:メタラジー(Metallurgy))の意味を広く捉え、
「天然鉱山の
他、都市鉱山も含めた鉱物から金属を取り出し、付加価値を高めた金属材料、合金を製造するこ
と及びその技術」と定義いたしました。
<主要施策>
・高効率電気炉設備をはじめとした設備機能刷新、製造ネック工程の改善による生産性向上
・高機能材コア技術の強化、拡充
・リサイクル原料の活用による環境配慮型ニッケル製錬技術の確立
③強固かつ自立した事業基盤をベースとした環境・社会との共生
強固かつ自立した事業基盤の構築(人材基盤、生産基盤、ITインフラ基盤、財務基盤、連結
経営基盤の強化)により当社グループ自らの持続可能性を高めるとともに、環境・社会との共生
を通じて「持続可能な社会の実現」に貢献してまいります。
<主要施策>
・多様な人材の確保、福利厚生の充実
・安全、安定稼動の前提となる設備老朽対応
・作業環境改善、省力化、省エネルギー投資の実行、AI・IoTの活用
・事業展開や環境変化に対応した財務基盤強化
・ステークホルダーとの信頼関係構築
・グループ全体での最適化に向けた連結経営の深化
④上記戦略を通じたESG課題への対応
当社グループは上記戦略の実行を通じて、ESG課題に対して以下の取り組みを推進してま
いります。
<環境への取り組み>
・環境貢献型製品、ソリューションの提供による環境負荷低減への貢献
・製造過程におけるCO2排出量削減による環境負荷軽減
・リサイクル原料利用の高度化による循環型社会への貢献
<社会への取り組み>
・社会インフラ分野での製品供給による貢献
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・周辺環境への配慮と地域との共存共栄
・多様な人材の確保と福利厚生施設の充実
<ガバナンスへの取り組み>
・グループガバナンスの強化
・リスクマネジメント体制強化(法務機能強化等)
・危機管理体制向上(BCP整備等)
Ⅲ.「中期経営計画 2020」の数値目標
達成目標等の数値計画につきましては既に策定済ではありますが、足許では新型コロナウィ
ルスの影響が予測できないこともあり、 今後内容精査の上、適切な時期に改めて開示することを
予定しています。
以 上
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目指す姿
●社会に進歩と充実をもたらす ●企業活動における
経営理念
すぐれた商品を提供する ≒ 拠り所ができている レジリエント
カンパニー※
●自主独立を基本に ●自己変革力の高い企業
創造と効率を両輪として ≒ カルチャーを築いている
▶困難な状況に
あくなき発展向上を追求する 直面した際の
強靭さや回復
●当社とともに歩むものの ●社会性を意識した 力がある
幸福を増進し、より大きな ≒ 企業活動を行っている
働き甲斐のある場を社会に提供する
※ピーター・D・ピーダーセン著
「レジリエント・カンパニー」の分類によるもの
「業界トップレベルの品質・納期・対応力で
中期経営計画2020
で目指す姿 信頼され続けるグローバルサプライヤー」
顧客ニーズへの対応、社会への貢献
トップレベルの品質、納期 数量、品質、コスト、納期、
、対応力で更なる顧客信頼 技術、ソリューションなどの
を獲得 顧客ニーズの対応力アップ
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基本戦略
①環境エネルギー・インフラ分野 ②戦略設備投資の実行と技術力の
を中心とした産業素材での顧客 更なる向上による競争力強化
ニーズへの対応、社会への貢献
⇒【販売戦略】 ⇒【競争力強化】
●高機能材(※1)のシェアNo.1 ●戦略設備投資による生産対応力の強化
カテゴリーの強化拡充
●一般ステンレスの
ニッチ製品の強化拡充 ●メタラジー(※2)の追求
●南鋼日邦冶金商貿(南京)有限公司 による技術力の向上
(中国JV)の活用
③強固かつ自立した事業基盤をベースとした環境・社会との共生
⇒【持続可能なコーポレート基盤】
●人材基盤、生産基盤、ITインフラ基盤、財務基盤、連結経営基盤の強化
(※1)高機能材 (※2)メタラジー
一般ステンレス(汎用ステンレス鋼)よりも、耐食性, 当社の社名である「冶金」(英訳:メタラジー)の意味を
耐熱性,機械的性質,物理的性質など機能に優れ、原則 広く捉え、「天然鉱山の他、都市鉱山も含めた鉱物から
としてニッケルを20%以上含有する鋼・合金 金属を取り出し、付加価値を高めた金属材料、合金を
製造すること及びその技術」と定義
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主要施策 ~基本戦略① 販売戦略~
●環境エネルギー分野への深耕による高機能材拡販
ベースターゲット分野 成長ターゲット分野
SOxスクラバー FGD 配水池 EGRクーラー 水電解
パイプライン 二次電池 有機EL
(火力発電所 (クラッド) (水素エネルギー)
排煙脱硫装置)
●一般ステンレス事業における ●中国JV活用による製品アイテムの拡充
顧客基盤の強化、収益基盤の強化
南京鋼鉄の広幅圧延機を活用
競合他社、輸入材との差別化 グループ販売会社
による収益基盤の強化 の再販基盤強化 ●既存アイテムの圧延可能範囲拡大、新規アイテム拡充
●輸入材と競合する による中国市場での高機能材拡販
●川崎製造所の競争優位性と、
ソリューション営業の強化 汎用製品はグループ一体で
により、汎用品以外の コスト競争力強化
アイテムの拡販強化
●グループ内スリッター
・レベラーの保有方針 南京鋼鉄有限公司
川崎製造所
日本冶金 ●各社での最適投資
シート圧延機 連続 AOD 電気炉
工業 (5m幅、圧延反力1.2万t) 鋳造機
再販基盤強化
●在庫販売
●保有設備
機能強化 クリーン
の有効活用
●保有設備 ナス物産 メタル
の有効活用
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主要施策 ~基本戦略② 競争力強化~
~戦略設備投資による生産対応力の強化~
●高効率電気炉設備をはじめとした設備機能刷新
新電気炉稼働 精整工程への先進設備の導入
●2022年1月稼働予定 ●最新鋭設備による徹底した合理化
(省人・省力化)
●フレキシブルな
生産体制確立
●機能拡充による付加価値の創出
(品質レベルアップによる
顧客満足度の向上)
新電気炉イメージ 厚板精整 スリッター
~メタラジーの追求による技術力の向上~
●高機能材コア技術の強化、拡充 ●リサイクル原料活用による
環境配慮型ニッケル製錬技術の確立
●高機能材製造における先進的独自技術の開発
▶製造条件最適化による製品パフォーマンスの最大化 ●高品位原料(都市鉱山)使用拡大時の製錬技術確立
▶品質レベルアップに向けた新プロセスの開発 ●高品位原料使用拡大に合わせた所内物流合理化
●付加価値向上による顧客ニーズ対応
▶「商品」と「技術サービス」両面での差別化
高品位原料
(都市鉱山)
大江山製造所 ルッペ
連続鋳造機 (フェロニッケル)
熱間圧延機 ニッケル鉱石
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主要施策 ~基本戦略③ 持続可能なコーポレート基盤~
●人材確保、福利厚生の充実 ●事業展開や環境変化に対応した財務基盤強化
●安全、安定稼働の前提となる設備老朽対応 ●ステークホルダーとの信頼関係構築
●作業環境改善、省力化、
省エネルギー投資の実行、AI・IoTの活用 ●グループ企業価値向上の取組み
ESG課題への対応
Environment Social
環境 社会
●環境貢献型製品 ●社会インフラ製品
●CO2排出量削減 ●周辺環境配慮
●リサイクル原料利用 ●多様な人材確保
Governance
●グループガバナンス ●リスクマネジメント
ガバナンス
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