5480 冶金工 2019-09-25 15:00:00
川崎製造所製鋼工場への戦略投資について~高効率電気炉設備の導入~ [pdf]
2019 年 9 月 25 日
各 位
会 社 名 日 本 冶 金 工 業 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 久保田 尚志
(コード番号 5480 東証第一部)
問合せ先 常務執行役員 経営企画部長 豊田 浩
(TEL:03-3273-3612)
URL http://www.nyk.co.jp/
川崎製造所 製鋼工場への戦略投資について
~高効率電気炉設備の導入~
当社は、本日開催の取締役会において川崎製造所(神奈川県川崎市)への戦略投資の一環として、
製鋼工場(図 1 参照)に高効率電気炉設備の導入を決定いたしましたのでお知らせいたします。
当社は、国内外において競争力のあるステンレス特殊鋼メーカーとしての一層の事業基盤強化を目
指して、現中期経営計画(2017~2019 年度)にて「製造プロセス革新と川崎製造所リフレッシュ」を掲
げ、その実現に向けた戦略的設備投資を計画してまいりました。川崎製造所は、当社が強みとする高機
能材製品(※)の供給基地として、品質・納期・コスト全般にかかるプロセス革新を実行していくとともに、
コンパクトで環境に配慮した都市型製造所への進化を目指しております。
※ニッケルを 20%以上含有する高ニッケル合金のフラット製品
本件は、昨年度川崎製造所で実施した試験研究施設の一部と福利厚生施設を複合させた「複合棟」
新設に続くもので、次世代に向けて最新の設備技術の導入と当社の長年培われてきた操業技術を組
み合わせたベストミックスの生産体制構築を企図しています。
尚、引き続き戦略的設備投資の検討を行い、川崎製造所のリフレッシュ・生産体制の整備拡充を順
次進めて参ります。
1.目的
(1) フレキシブルな生産体制の確立
今回導入する高効率電気炉の設備機能を活用することで、当社の戦略商品である高機能材
溶解と一般材溶解の生産プロセスの整流化を実現し、お客様の多様なニーズに迅速に対応すべ
くよりチャンスフリーでの生産対応が可能になります。
(2) 徹底した省エネルギーを実現
電力価格や資材価格の上昇に備え、従来の電気炉 2 基操業から最新鋭の技術を装備(注 1)
した高効率電気炉 1 基操業に転換することで、エネルギー効率を高めて省エネルギー化による
大幅なコスト削減につなげてまいります。
注 1)炉体旋回装置:スクラップの不均一な溶解を解消し効率の高い操業を実施
電磁攪拌装置:炉内の均一攪拌により溶解スピードアップと温度・成分の均一化を実施
(炉体旋回装置と電磁攪拌装置の 2 つを兼ね備えた先進的な設備となります)
(3) 環境配慮と作業環境の改善・省力化
密閉した設備内での集塵(注 2)により、防音・防塵化を図り、従来の集塵設備での対応に比べ
より一層環境に配慮した設備となります。また電気炉の炉体レンガの交換作業をオフライン化(注3)
し、メンテナンスのチャンスフリー化と暑熱作業の軽減等の作業環境改善を図ります。さらに電気
炉の操業に必要な付帯作業の自動化設備を導入し、作業負荷の軽減と省力化を実現致します。
注2)ドグハウス: 工場建屋内でさらに、電気炉と付帯装置を囲い局所集塵を実施
注3)炉体交換方式:これまで長期定修時に炉本体に据え付けたまま行っていた炉体レンガ交換
作業を炉体ごと入れ換えることによって、オフラインでのバッチ作業化を可能とするもの
2.設備投資の概要
(1) 投資内容 : 70t交流電気炉、並びに付帯設備の新設、建屋拡張(大型クレーン新設)
(2) 総投資額 : 約 130 億円
※エネルギー使用合理化等事業者支援事業として一部補助金を充当する予定です。
(3) 稼動開始 : 2022 年 1 月予定
尚、現時点で本件が 2020 年 3 月期の当社連結業績に与える影響は軽微です。
以上
図1 川崎製造所 生産プロセス