5480 冶金工 2020-10-30 15:00:00
中期経営計画目標数値に関するお知らせ [pdf]
2020 年 10 月 30 日
各 位
会 社 名 日本冶金工業株式会社
代表者名 代表取締役社長 久保田 尚志
(コード番号 5480 東証第一部)
問合せ先 常務執行役員 経営企画部長 豊田 浩
(TEL:03-3273-3612)
URL http://www.nyk.co.jp/
中期経営計画目標数値に関するお知らせ
当社は、2020 年 5 月 8 日に公表いたしました 2020 年度からの 3 カ年計画「中期経営計画
2020」において、新型コロナウィルス感染拡大を踏まえて、目標数値につきましては精査中とし
ておりましたが、今般改めて目標数値を策定いたしましたのでお知らせいたします。
1.中期経営計画 2020 の基本戦略および主要施策
中期経営計画 2020 の基本戦略および主要施策につきましては 5 月 8 日の公表から変更してお
りませんが、当社を取り巻く環境は新型コロナウィルスの世界的な感染拡大とそれによるかつ
てない大幅な景気後退に見舞われています。当面の世界経済全体の回復テンポを見通すことは
容易ではありませんが、我が国を含め先進各国では、新型コロナウィルス感染拡大によって疲弊
した経済の立て直しに向け、これまで以上に脱炭素社会の実現やデジタル技術の活用による社
会変革を目指す政策の強化に取り組み始めております。
当社としてもこうした動きに着実に対応していくため、成長ターゲット分野への拡販施策加
速の他、各種施策実行のスピードアップを図って参ります。
(参考)「中期経営計画 2020」の基本戦略及び主要施策(5 月 8 日公表)
①環境エネルギー・インフラ分野を中心とした産業素材での顧客ニーズへの対応、 社会への貢献
<主要施策>
・環境エネルギー分野への深耕による高機能材拡販
・一般材事業における顧客基盤の強化、収益基盤の強化
・中国JV活用による製品アイテムの拡充
②戦略設備投資の実行と技術力の更なる向上による競争力強化
<主要施策>
・高効率電気炉設備をはじめとした設備機能刷新、製造ネック工程の改善による生産性向上
・高機能材コア技術の強化、拡充
・リサイクル原料の活用による環境配慮型ニッケル製錬技術の確立
③強固かつ自立した事業基盤をベースとした環境・社会との共生
<主要施策>
・多様な人材の確保、福利厚生の充実
・安全、安定稼動の前提となる設備老朽対応
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・作業環境改善、省力化、省エネルギー投資の実行、AI・IoTの活用
・事業展開や環境変化に対応した財務基盤強化
・ステークホルダーとの信頼関係構築
・グループ全体での最適化に向けた連結経営の深化
④上記戦略を通じたESG課題への対応
<環境への取り組み>
・環境貢献型製品、ソリューションの提供による環境負荷低減への貢献
・製造過程におけるCO2排出量削減による環境負荷軽減
・リサイクル原料利用の高度化による循環型社会への貢献
<社会への取り組み>
・社会インフラ分野での製品供給による貢献
・周辺環境への配慮と地域との共存共栄
・多様な人材の確保と福利厚生施設の充実
<ガバナンスへの取り組み>
・グループガバナンスの強化
・リスクマネジメント体制強化(法務機能強化等)
・危機管理体制向上(BCP整備等)
2.中期経営計画 2020 の設備投資計画
新型コロナウィルス感染拡大により収益の下振れが見込まれますが、中期経営計画 2020 にお
いて目指す「製造所の安全・安定を大前提とした業界トップクラスの品質・納期・対応力」に必
要な投資計画につきましては着実に実行していく計画としております。但し、優先度や実施時期
については市場環境の変化に合わせて適宜見直します。また、実行段階においては投資案件ごと
の精査をおこない投資金額の削減を図って参ります。
<設備投資金額(3 ヵ年合計)>
内訳 意思決定ベース 実行ベース
戦略投資 159 億円 167 億円
合理化・維持更新投資 151 億円 205 億円
グループ会社 46 億円 46 億円
合計 356 億円 418 億円
(参考:減価償却費 3 ヵ年合計 146 億円)
3.中期経営計画 2020 の目標数値
①事業環境の前提
新型コロナウィルス感染拡大による経済活動の停滞およびその後の景気回復の遅れ等による
当社製品販売への影響につきましては、2020 年度第 2 四半期から第 3 四半期を底にして徐々に
回復し 2023 年度に正常レベルに戻ることを前提に、中期経営計画 2020 の最終年度である 2022
年度の目標数値を策定しております。
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②「中期経営計画 2020」達成目標
2022 年度 2019 年度実績
高機能材売上高比率 45% 41.5%
営業利益(連結) 90 億円以上 78 億円
ROE(連結) 10% 10.8%
ネットD/E(連結) 1.0 未満 0.91
総還元性向(連結)※ 25%程度 17.1%
※戦略設備投資を積極的に行いつつ、安定的かつ継続的な配当を実施し、必要に応じて自己
株式の取得を機動的に行うことにより、総還元性向を 25%程度に高めます。
以上
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Ⅰ.目指す姿
●社会に進歩と充実をもたらす ●企業活動における
経営理念
すぐれた商品を提供する ≒ 拠り所ができている レジリエント
カンパニー※
●自主独立を基本に ●自己変革力の高い企業
創造と効率を両輪として ≒ カルチャーを築いている ▶困難な状況に
あくなき発展向上を追求する 直面した際の
強靭さや回復
●当社とともに歩むものの ●社会性を意識した 力がある
幸福を増進し、より大きな ≒ 企業活動を行っている
働き甲斐のある場を社会に提供する
※ピーター・D・ピーダーセン著
「レジリエント・カンパニー」の分類によるもの
「業界トップレベルの品質・納期・対応力で
中期経営計画2020
で目指す姿 信頼され続けるグローバルサプライヤー」
顧客ニーズへの対応、社会への貢献
トップレベルの品質、納期 数量、品質、コスト、納期、
、対応力で更なる顧客信頼 技術、ソリューションなどの
を獲得 顧客ニーズの対応力アップ
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Ⅱ.基本戦略
①環境エネルギー・インフラ分野 ②戦略設備投資の実行と技術力の
を中心とした産業素材での顧客 更なる向上による競争力強化
ニーズへの対応、社会への貢献
⇒【販売戦略】 ⇒【競争力強化】
●高機能材(※1)のシェアNo.1 ●戦略設備投資による生産対応力の強化
カテゴリーの強化拡充
●一般ステンレスの
ニッチ製品の強化拡充 ●メタラジー(※2)の追求
●南鋼日邦冶金商貿(南京)有限公司 による技術力の向上
(中国JV)の活用
③強固かつ自立した事業基盤をベースとした環境・社会との共生
⇒【持続可能なコーポレート基盤】
●人材基盤、生産基盤、ITインフラ基盤、財務基盤、連結経営基盤の強化
(※1)高機能材 (※2)メタラジー
一般ステンレス(汎用ステンレス鋼)よりも、耐食性, 当社の社名である「冶金」(英訳:メタラジー)の意味を
耐熱性,機械的性質,物理的性質など機能に優れ、原則 広く捉え、「天然鉱山の他、都市鉱山も含めた鉱物から
としてニッケルを20%以上含有する鋼・合金 金属を取り出し、付加価値を高めた金属材料、合金を
製造すること及びその技術」と定義
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Ⅲ.主要施策 ~基本戦略① 販売戦略~
●環境エネルギー分野への深耕による高機能材拡販
ベースターゲット分野 成長ターゲット分野
SOxスクラバー FGD 配水池 EGRクーラー 水電解
パイプライン 二次電池 有機EL
(火力発電所 (クラッド) (水素エネルギー)
排煙脱硫装置)
●一般ステンレス事業における ●中国JV活用による製品アイテムの拡充
顧客基盤の強化、収益基盤の強化
南京鋼鉄の広幅圧延機を活用
競合他社、輸入材との差別化 グループ販売会社
による収益基盤の強化 の再販基盤強化 ●既存アイテムの圧延可能範囲拡大、新規アイテム拡充
●輸入材と競合する による中国市場での高機能材拡販
●川崎製造所の競争優位性と、
ソリューション営業の強化 汎用製品はグループ一体で
により、汎用品以外の コスト競争力強化
アイテムの拡販強化
●グループ内スリッター
・レベラーの保有方針 南京鋼鉄有限公司
川崎製造所
日本冶金 ●各社での最適投資
シート圧延機 連続 AOD 電気炉
工業 (5m幅、圧延反力1.2万t) 鋳造機
再販基盤強化
●在庫販売
●保有設備
機能強化 クリーン
の有効活用
●保有設備 ナス物産 メタル
の有効活用
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Ⅲ.主要施策 ~基本戦略② 競争力強化~
~戦略設備投資による生産対応力の強化~
●高効率電気炉設備をはじめとした設備機能刷新
新電気炉稼働 精整工程への先進設備の導入
●2022年1月稼働予定 ●最新鋭設備による徹底した合理化
(省人・省力化)
●フレキシブルな
生産体制確立
●機能拡充による付加価値の創出
(品質レベルアップによる
顧客満足度の向上)
新電気炉イメージ 厚板精整 スリッター
~メタラジーの追求による技術力の向上~
●高機能材コア技術の強化、拡充 ●リサイクル原料活用による
●高機能材製造における先進的独自技術の開発
環境配慮型ニッケル製錬技術の確立
▶製造条件最適化による製品パフォーマンスの最大化 ●高品位原料(都市鉱山)使用拡大時の製錬技術確立
▶品質レベルアップに向けた新プロセスの開発 ●高品位原料使用拡大に合わせた所内物流合理化
●付加価値向上による顧客ニーズ対応
▶「商品」と「技術サービス」両面での差別化
高品位原料
(都市鉱山)
大江山製造所 ルッペ
連続鋳造機 (フェロニッケル)
熱間圧延機 ニッケル鉱石
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Ⅲ.主要施策 ~基本戦略③ 持続可能なコーポレート基盤~
●人材確保、福利厚生の充実 ●事業展開や環境変化に対応した財務基盤強化
●安全、安定稼働の前提となる設備老朽対応 ●ステークホルダーとの信頼関係構築
●作業環境改善、省力化、
省エネルギー投資の実行、AI・IoTの活用 ●グループ企業価値向上の取組み
Ⅳ.ESG課題への対応
Environment Social
環境 ●環境貢献型製品 ●社会インフラ製品
社会
●CO2排出量削減 ●周辺環境配慮
●リサイクル原料利用 ●多様な人材確保
Governance
●グループガバナンス ●リスクマネジメント
ガバナンス
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Ⅴ.設備投資計画/コストダウン計画
設備投資計画 コストダウン計画
(意思決定ベース:3ヵ年累計) (2022年度)
戦略投資 159億円 競争力強化 34億円
●冷延生産体制整備
うち新電気炉稼働 20億円
●厚板競争力強化
(※)新電気炉投資は前中計で意思決定済
合理化・
151億円
維持更新投資
その他 7億円
●合理化投資
●環境対応
●維持・老朽更新等
グループ会社 46億円
合 計 41億円
合 計 356億円
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Ⅵ.達成目標
目 標 (参考)
2022年度 2019年度実績
高機能材部門
45% 41.5%
売上高比率
連結営業利益 90億円以上 78億円
単体営業利益 70億円以上 58億円
ROE 10% 10.8%
ネットD/E
1.0未満 0.91
レシオ
総還元性向 25%程度 配当性向17.1%
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