2023
中期経営計画
(2021年度～2023年度)
大同特殊鋼株式会社
2021年6月25日
１．2020中期経営計画の振り返り
２．2023中期経営計画
■ 事業環境認識、基本方針
■ 行動方針
■ 主要セグメント別重点方針
■ 投資計画
■ 財務戦略
■ 経営計画目標
<参考> 2030年のありたい姿
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１．2020中期経営計画の振り返り
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2020中期経営計画の振り返り（経営指標）
長期の需要捕捉を見据えた能力増強投資、事業基盤の強化・再構築は、計画に沿って
進捗を図るも、20年度は新型コロナウィルスの影響により、売上げが大幅に減少し、
投資効果・改善効果の発現が遅延、各経営指標は計画未達。
20年度実績
20年度目標
上期 下期 通期
売上高 5,800億円 1,795億円 2,332億円 4,127億円
営業利益 470億円 ▲35億円 136億円 101億円
当期利益 300億円 ▲21億円 66億円 45億円
自己資本当期純利益率 (ROE) 9% - - 1.6%
設備投資 (3年累計、工事ベース) 950億円 - - 939億円
配当性向 20~25% - - 33%
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2020中期経営計画の振り返り（重点施策）
機能材料・磁性材料セグメントが20年度に売上高トップへ
○成果 ☆今後の課題
行動方針 重点施策 評価
○ ・特殊ステンレス鋼,高合金の戦略投資完了
ポートフォリオ改革 機能材料・磁性材料に積極投資 ○ ・先進磁性材料開発センター新設
☆ ・投資効果発現は今後の課題
・固定費圧縮、比例費改善、生産一貫歩留向上
損益分岐点引下げ ○☆ ・ベース値上げによるマージン改善
事業基盤の強化 働き方改革の推進 ○ ・改革の方向性議論、環境整備等推進実施
IFRS導入 ○☆ ・プロジェクト立上げ導入進行中
改革推進し、成果を得るも継続取組
型鍛造事業の構造改革 ☆ ⇒2023中期中に事業性判断
事業の再構築
ターボ・ハウジング事業の健全化 ○ 中国子会社譲渡、減損等事業の見直しを推進
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２．2023中期経営計画
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事業環境認識、基本方針
中長期では温暖化抑制などにより経営環境は大きく変化
（但し、今後３年間においては足元からの変化は限定的）
2020中期実行施策の効果発現 と
将来の環境変化に備えた事業活動 を推進
2023中期事業環境
・自動車、半導体製造装置、重電向けは堅調
・航空機は低調継続
・エンジニアリング事業は徐々に復調
・原材料高騰、エネルギーコスト上昇はリスク
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行 動 方 針
1. 成長分野のビジネス拡大 2. 事業体質の強靭化
CASE※(自動車)、半導体関連製品、
グリーンエネルギー分野等 外部環境変化への 耐性強化
（既存事業のプレゼンス拡大）
次期重点成長商品 に注力
3. 海外展開拡大 4. ESG経営
東アジア市場を中心に － 持続可能な経営に向けた
高機能材拡大 CO2排出量削減
・高機能ステンレス鋼 ・高合金 ・工具鋼 － ガバナンス強化
※CASE: Connected (コネクテッド) Autonomous (自動運転) Shared & Services (シェアリングとサービス) Electric (電動化)
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１．成長分野のビジネス拡大 成 長 分 野 戦 略
CASE (自動車)、半導体関連製品、グリーンエネルギー分野等、
次期重点成長商品 に注力
■ CASE (自動車)
・・・磁石、センサ等新しい需要に対する製品の開発・拡大
■ 半導体関連製品
・・・特殊溶解、難加工製品の製造技術力による拡大
■ グリーンエネルギー分野
・・・高清浄度鋼、競争力ある製品の提供
全社横断型ワーキンググループ新設
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１．成長分野のビジネス拡大 次 期 重 点 成 長 商 品
主機モータ用磁石
特 ボンド磁石 機 磁
殊
成長分野における商品開発と
歯車用鋼材(e-Axle) 軟磁性材料/粉末 能 性
鋼 材 材
鋼 洋上風力 リチウムイオン電池用負極材
半導体製造装置 料 料
材
種まきを実行し、
水素関連 ・
自 産 エ リ
将来の需要を捕捉する。
動 業 ン ン
車 機 洋上風力 水素関連 ジグ
部 械 ニ
品 部
ア
品
・
CASE(自動車) 半導体関連製品
≪e-Axle※用減速機≫ ※減速機、モーター、インバーターを一体化した 半導体製造装置
駆動ユニット
歯車用鋼材 ・高清浄度バルブ材料（ステンレス鋼、高合金）
高周速下で要求される様々なニーズに対応 ・低熱膨張ウエハー研磨用材料
・ガスフィルター
≪主機・補機・センサ≫ ・薄膜形成/エッチング部材 半導体ガスフィルター
主機モータ用磁石NdFeB特殊配向磁石・・・モータ効率向上
センサ用NdFeBボンド磁石・・・アッセンブリ部品化
グリーンエネルギー
補機用高耐食SmFeNボンド磁石
水素関連（製造・運搬・貯蔵）
≪電流センサ・ノイズ吸収≫
高機能軟磁性材料、軟磁性粉末 ・耐水素脆化用鋼（高温高圧環境）
・水素燃焼バーナー
高周波化ニーズに対応
洋上風力
≪バッテリ≫
・増速機用材料（高清浄度鋼）
リチウムイオン電池用負極材 ・耐海水用構造材料
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２．事業体質の強靭化 部 門 別 ア ク シ ョ ン
【事業体質の強靭化】
外部環境変化への耐性強化
（既存事業のプレゼンス拡大）
営 ・適正マージンの確保
業 ・新ポートフォリオ改革（高収益品拡大）
・上方弾力性確保（生産効率改善、使用鉄源の多様化）
生 ・高機能材、難加工材の生産能力強化
産 ・低コスト生産の追求（生産集約、歩留向上、省人）
人 ・人員最適配置、適正化
員 ・DX、RPA推進による省工数・省人
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２．事業体質の強靭化 生 産 の 強 靭 化
生産効率改善に向け各工場の機能を特化する
製鋼、特殊溶解
（一部）
渋川工場
知多工場 高合金を軸とした素形材製造工場
高生産性を追求した量産工場
・難加工材の鍛造能力向上
・コスト低減 (大型高速四面鍛造機導入)
（製鋼合理化、圧延集約、省人） ・原材料低廉化
・高効率生産
（一貫生産） 量産ステンレス鋼
（線材圧延）
・高収益品へのシフト
（インゴット、特殊溶解増強） 星崎工場
・使用鉄源の多様化：鉄源不足対策 難加工品に特化した棒線工場
（スクラップ前処理設備導入）
・難加工圧延プロセス確立
・生産性、歩留改善
共通 CO 2 排出量削減、物流改善 （２次加工の２㌧コイル化）
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３．海外展開拡大 海外拡販に向けた取り組み
中国・インド・ASEANの存在感増大
東アジア市場を中心に高機能材料拡大に向けた取り組み強化
・高機能ステンレス鋼 ・高合金 ・工具鋼
サプライチェーン構築による成長分野捕捉と顧客開拓
印Sunflag社とのアライアンス活用
コスト競争力強化
・ティムケンスチール社の中国営業拠点の全持分を取得
海外規格への対応 (21年7月予定)
・中国向けのSBQ※製品の更なる拡販および高合金や
体制強化 (人員配置) 特殊ステンレス鋼の販売力を強化
※SBQ: Special Bar Quality
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４．ESG経営 脱炭素社会への貢献/CO 2 排出量削減
Daido Carbon Neutral Challenge
～素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます～
2013対比
CO2排出削減目標
【▲14%】
【▲38%】
【▲50%】
【実質ゼロ】
2013 2023 2025 2030 2050
23年度目標達成に向けた主要アクション
・熱ロス極小化改善 ・高効率燃焼改善 ・設備省エネ・効率化 ・CO2フリー電源活用
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＜参考＞ 2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ
カーボンニュートラルへ向けた３つの方針
➀既存技術を結集させた徹底省エネ ②CO2フリー電源の活用 ③脱炭素技術の導入
～2030 ～2050
➀ 高効率燃焼技術の拡大展開
Scope1
③ 水素燃焼技術の検証 → バーナー開発 → 工業炉への展開
燃料の
脱炭素化
③ オンサイトCO2回収･活用技術導入（水素電解･メタネーション技術）
➀ 自社･既存省エネ技術の全面展開
Scope2
② CO2ﾌﾘｰ電源への切換 [知多工場→在名地区→全社]
電力の
脱炭素化
② 再生可能エネルギー (太陽光) の自社導入・各所展開
ベース
改善 エネルギーのムダ・ロスの徹底改善、製造歩留改革
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４．ESG経営 社 会 的 責 任 の 遂 行
従業員の健康・安全を全てに優先し、社会からの信頼性確保、多様な取組みを深化
健康経営 ダイバーシティ
・健康経営方針、 ・社員一人ひとりの「違い」を活かし、
行動目標の策定・活動継続 個々人が充実感を得られる改革推進
働き方改革 ホワイト物流
・働きやすい環境整備を含め、 ・物流の持続的・安定的な確保のための
最大の価値を生み出すための 物流改善の取組み継続
施策を推進
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４．ESG経営 コーポレート・ガバナンスの強化
買 収 ・2021年5月の取締役会にて非継続を決議
防 衛 策 ・経営の自己規律性を高め、株主との対話強化を図る
・事業機会の創出や取引、協業関係を総合的に勘案し、
政策保有
今中期では政策保有株式の金額を純資産の20%以下まで縮減。
株 式 長期的に10%までの削減を目指す
・IFRS 導入による経営管理の正確性向上、迅速な経営判断、
グ ル ー プ 及びグループ企業のガバナンス強化
経営強化 ・低収益事業の見極め、グループ事業のシナジー最大化
・2022年度で、社外取締役比率を1/3以上へ
取締役会 ・株式報酬制度の導入検討
の 体 制 ・第三者機関による取締役会評価の実施
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主要セグメント別重点方針
特殊鋼鋼材
全社横断型WG発足
による活動強化 強 コスト競争力向上
強 ベース需要量とロールマージンの確保
『半導体製造装置WG』 成 強 電動自動車用鋼のニーズ探索と材料開発
『新燃料WG』
『洋上風力WG』
機能材料・磁性材料
成 海 CASE、情報通信産業の需要捕捉
成 成長分野の拡大 強 事業強靭化
成 強 20中期戦略投資の刈り取り
カーボン・ニュートラルに
海 海外展開拡大 Ｅ 向けた取り組み
強 高機能ステンレス鋼と高合金の生産性・歩留向上
＜営業利益計画＞
(億円) 自動車部品・産業機械部品
流通・サービス
≧400
エンジニアリング
自動車部品・産業機械部品
350 20
10 成 海 Ｅ 高機能材の拡大と脱炭素ビジネスへの参入
25 60
機能材料・磁性材料
55 成 海 海外拡販体制強化(人員最適配置)
特殊鋼鋼材
強 型鍛造事業の再構築(事業性判断)
101 245
18 230
8
122
65
エンジニアリング
40
-26
-21 成 Ｅ CO2削減に貢献する製品の拡充・拡大
20年度 21年度 23年度
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投 資 計 画
3年間累計 850億円 (決裁ベース)
□ 経営基盤投資（700億円）
・知多工場：高生産性(低コスト、高歩留）→製鋼・圧延集約
・星崎工場：高機能ステンレス鋼の競争力強化→2次加工合理化等
・渋川工場：高合金のコスト低減→原材料低廉化、歩留改善等
□ 環境投資（100億円）
・CO2削減に寄与する省エネ、効率化
・環境規制対応
□ 人材投資（50億円）
・人材(IT含む)育成、健康経営、福利厚生の充実(独身寮整備)
上記他、成長分野への投資として今中期にて投資内容を精査し、
2026中期にかけて実行する。（～300億円）
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財 務 戦 略
持続的な企業価値向上を図るため、生み出されたキャッシュを以下３つの施策に配分
① 持続可能な成長に必要となる投資資金の確保
② 財務体質の改善：環境変化に備え、財務体質を強化
③ 安定的な株主還元：前中期方針から配当性向を引上げ
創出されるキャッシュ キャッシュ配分
設備投資
（維持/更新）
減価償却費 維持/更新に関わる
設備投資は
減価償却費内で実施
環境、人材投資
政策保有株式の削減
資産圧縮 その他資産圧縮 運転資金及び
将来必要となる資金を手当て
成長投資
財務体質の改善
D/E レシオ: 0.50
負債削減
当期純利益
配当性向: 30%目安 株主還元
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経 営 計 画 目 標
20年度実績 23中期目標
営業利益 101億円 400億円以上
自己資本利益率 (ROE) 1.6% 8.0%
D/E レシオ 0.66 0.50
投資 3年累計決裁ベース 796億円 850億円
鋼材売上数量（単体） 978千㌧ 1,200千㌧
配当性向の考え 20~25% 30%目安
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＜参考＞2030年のありたい姿
高機能特殊鋼を極め、「グリーン社会の実現」に貢献する
・成長分野製品の売上を拡大し、持続的な事業成長を果たす
・生産性を高め、減少する内燃機関市場でのプレゼンスを拡大する
外部環境の変化
□ 地球温暖化抑制への取組みが本格化
（日本：「グリーン社会の実現」2050年カーボン・ニュートラル）
→CO2排出量削減を目的とした社会産業構造転換の進展
・自動車電動化加速（内燃機関自動車は2020年代半ばにピークアウト）
・化石燃料からグリーンエネルギー（洋上風力、水素）へシフト
□ デジタル革命の加速
・情報通信などデジタル化を支える半導体産業の持続的成長
□ 新型コロナウイルスの蔓延、米中貿易摩擦など不確実性の高まり
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（注記）
本資料に記述されております業績見通し等の数値につきましては、現状で
判断しうる一定の前提に基づいております。
今後発生する状況の変化によっては異なる業績結果となることも予想
されますので、投資等の判断材料として全面的に依拠されることは差し控え
て頂きますようお願いいたします。
また今後予告なしに予想数字が変更されることがあります。本資料にある
情報をいかなる目的で使用される場合におきましても、各自の判断と責任に
おいて使用されるものであり、本資料にある情報の使用による結果について、
弊社は何らの責任を負うものではありませんのでご了承ください。
大同特殊鋼株式会社