5411 JFE 2021-05-07 15:00:00
JFEグループ 第7次中期経営計画について [pdf]
2021 年5月7日
各位
上場会社名 JFEホールディングス株式会社
代表者 代表取締役社長 柿木 厚司
(コード番号 5411 東証、名証)
問合せ先 IR部広報室長 渡辺 大樹
(TEL 03-3597-3842)
JFE グループ 第7次中期経営計画について
当社は標記について公表いたしました。
詳細は次項以降をご参照ください。
以上
2021 年 5 月 7 日
JFEホールディングス株式会社
JFEグループ 第7次中期経営計画について
~豊かな地球の未来のために、創立以来最大の変革に挑戦~
当社を取り巻く昨今の社会・経済状況は、急激かつ大幅な変化の途上にあります。
中国の台頭に伴うグローバル競争の激化や、米中対立による世界経済の不透明感や地政学的リスクの拡
大、カーボンニュートラル等の気候変動対応、革新的なデジタル技術の進展、新型コロナウイルスの感染
拡大等々、過去に経験したことの無い厳しい経営環境に置かれています。
当社は、これらの変化に適応し、中長期的な企業価値向上を確実に実現することを目指して、2021 年
度から 2024 年度までを対象とした第7次中期経営計画(以下、本計画)を策定しました。本計画期間を
創立以来最大の変革期ととらえ、長期の持続的成長のための強靭な経営基盤を確立し、新たなステージ
へ飛躍するための4年間と位置づけて、必要な施策に大胆に取り組み、変革に挑戦していきます。
Ⅰ.JFEグループの存在意義
JFEグループは、「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。
」という企業理念に基づき、今
後も長期にわたって、豊かな地球の未来のための商品やサービスを提供する存在であり続けることを目
指しています。
JFEグループは、文明社会の基礎素材として欠かせない「鉄」を事業の中核としていますが、それ
に留まらず、鉄を起点として生み出され、人々の安全で快適なくらしを支える「エンジニアリング」事
業を持ち、それらの生み出す多様な価値をグローバルな「商社」事業を通じて世界中の隅々にまでお届
けすることができる、という強みを持った企業グループです。長年の事業活動を通じて蓄積した、技
術・人材・資金・知的財産・ネットワーク等のリソースを最大限に活用することで、持続的に価値を創
出しています。
このような活動を通じて、社会の持続的発展と人々の安全で快適な生活のために「なくてはならな
い」存在としての地位を確立し、社会の皆様に広く認めて頂ける企業となることが、使命であると考え
ています。これを具現化するために、「環境的・社会的持続性(社会課題解決への貢献)」を確かなもの
として、「経済的持続性(安定した収益力)」を確立します。それにより経営基盤の強靭さ(レジリエン
ス)を確保し、グループの中長期的な持続的成長と企業価値の向上を実現します。これら一連の取り組
みを通じて、社員は「社会の持続的な発展への貢献」に対する使命感と責任感を持ち、「働きがい」を
感じながら業務に邁進していきます。
JFEグループは、今後、このような姿を目指して中長期の経営を行っていきます。
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Ⅱ.第7次中期経営計画の主要施策
1.環境的・社会的持続性の確保
(1)「JFEグループ環境経営ビジョン 2050」の推進
気候変動問題への取り組みを、経営の最重要課題と位置付け、
「JFEグループ環境経営ビジョン
2050」を策定しました。2050 年カーボンニュートラルの実現を目指し、強力に推進します。
5 月 25 日に本ビジョンの
【JFEグループ環境経営ビジョン 2050】 説明会を開催予定
・気候変動問題を極めて重要な経営課題ととらえ、2050 年カーボンニュートラルの実現を目指します。
・新技術の研究開発を加速し、超革新的技術に挑戦します。
・社会全体の CO2 削減に貢献し、それを事業機会ととらえ、企業価値の向上を図ります。
・TCFDの理念を経営戦略に反映し、気候変動問題解決に向けて体系的に取り組みます。
【第7次中期経営計画における取り組み】
2024 年度末の CO2 排出量を 2013 年度比で 18%削減(鉄鋼事業)
*2030 年度の CO2 削減目標については、技術開発の進捗を鑑みて本計画期間中に精査・公表
【2050 年カーボンニュートラルに向けた取り組み】
① 鉄鋼事業の CO2 排出量削減
カーボンリサイクル高炉+CCU(「別紙」参照)を軸とした超革新的技術開発への挑戦
水素製鉄(直接還元)の技術開発
業界トップクラスの電気炉技術を最大活用した高級鋼製造技術の開発、高効率化等の推進
トランジション技術の複線的な開発推進
(フェロコークス、転炉スクラップ利用拡大、低炭素エネルギー変革等)
② 社会全体の CO2 削減への貢献拡大
エンジニアリング事業:再生可能エネルギー発電、カーボンリサイクル技術の拡大・開発
CO2 削減貢献量目標 2024 年度 1,200 万トン、2030 年度 2,500 万トン
鉄鋼事業:エコプロダクトやエコソリューションの開発・提供
商社事業:バイオマス燃料や鉄スクラップ等の取引拡大、エコプロダクトのSCM強化等
③ 洋上風力発電ビジネスへの取り組み
洋上風力発電事業についてグループ全体で事業化を推進
エンジニアリング事業:着床式基礎構造物(モノパイル等)製造事業の検討
鉄鋼事業:倉敷地区の新連鋳機を活用した大単重厚板の製造
商社事業:鋼材、加工品のSCM構築
造船事業※:洋上風力発電浮体の製作および作業船の建造
※持分法適用会社:ジャパン マリンユナイテッド株式会社
グループ全体:リソースを最大限活用したオペレーション&メンテナンス(以下、O&M)
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CO2 を排出することなく、高機能な鉄を大量に生産できるプロセスの開発は、今後の社会の持続
的な発展のためには避けて通ることのできない取り組みです。カーボンニュートラルの実現に向け
た様々な施策を実行する上で、研究開発や新規開発設備への更新に多額のコストが発生することは
避けられず、社会全体でのコスト負担のあり方の検討や政府等による支援が必要と考えています。
高い目標である「2050 年カーボンニュートラルの実現」に向けて、脱炭素インフラの整備とグロ
ーバルなイコールフッティングの実現を前提としつつ、世界の競合他社に先んじて、必要な脱炭素
技術を可能な限り早い時期に確立することを目指します。
(2)社会課題の解決
① 安全・健康管理
最重要目標である「重大災害ゼロ」が実現出来ていない現状を重く受け止め、その達成に向け
て、設備そのもので災害の発生を防止する取り組みに更に注力します。
安全対策への優先的な投資:グループ全体で年間 100 億円規模
先進IT技術を活用した多角的な安全衛生管理(監視・検知等)の推進
② 人材の活躍推進
事業のグローバル化や複雑化が進む中で、競争力を高め成長戦略を実現していくために必要な
人材の確保と、能力を最大限に発揮できる環境の整備に取り組みます。
ダイバーシティ&インクルージョン:多様な背景を持つ従業員の能力の最大活用
人材の育成:一人ひとりの能力向上とグローバル人材の育成
働き方改革:従業員が安心・安全に働き、能力を最大限に発揮できる職場環境・社内制度
の整備
③ エンジニアリング事業を通じた地域社会への貢献
地域毎に再生可能エネルギー発電、地域PPS※、ガス、上下水道等のユーティリティサービス
や食品リサイクル、廃棄物発電等の事業を組み合わせ、サーキュラーエコノミー実現に貢献します。
※地域内で発電および供給を行い、エネルギーの地産地消に取り組むこと
④ サプライチェーンの人権尊重
自社グループだけでなく、グローバルなサプライチェーン全体での人権尊重に取り組むべく、
2021 年度より人権デューデリジェンスを実施し、今後継続的に対応を拡大していきます。
(3)コーポレートガバナンスの充実
当社は、これまでコーポレートガバナンス基本方針の制定、指名委員会・報酬委員会の設置、
役員株式報酬制度の導入、取締役会の実効性評価 等の様々な取り組みを実施してきました。
今後は更なる充実のため、環境や社会に関する非財務指標を経営目標とし、それを投資判断、
役員報酬等の様々な指標として適用することについて、本計画期間中に検討していきます。
グループ横断的なリスク管理体制をさらに強化して、環境変化に伴う多様なリスクに適切に
対処し、グループのガバナンスを一層強化していきます。
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2.経済的持続性の確立
(1)国内鉄鋼事業における量から質への転換~世界トップレベルの収益力の追求
当社にとって最も重要な国内鉄鋼市場は、今後、人口減少による縮小を想定せざるを得ません。
汎用品の価格競争激化および鉄鋼の地産地消の流れを受け、海外市場では採算性を持った輸出数
量拡大が見込めない中、国内生産体制については収益の源泉を「量」の拡大に求めず、
「質」に転
換し「鋼材トン当たり利益」を追求していきます。
① 世界トップレベルのコスト・品質競争力の確保
・鉄鋼事業の構造改革の完遂を通じ、固定費の大幅削減と損益分岐点の引き下げを図り、景気変動
に左右されにくい収益基盤を確立し、世界トップレベルのコスト競争力を確保します。
・デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)推進を通じた新技術導入による、生産効率や
歩留の改善、労働生産性の飛躍的向上を図るとともに、設備新鋭化・合理化投資の効果により、
大幅なコスト削減(1,200 億円)を実現します。また品質・デリバリーの向上により質的競争力の
確保に努め、お客様満足度向上を図ります。
② マージンの拡大と安定収益の確保
・商品の選択と集中を通じて、プロダクトミックスの高度化を図るとともに高度な技術力を活か
し、高付加価値品※の比率を大幅に引き上げ(50%)、収益改善を図ります。
・お客様が求められる高い「価値」に対して、適正な評価を頂き、販売価格体系の抜本的な見直し
を推進します。
※技術優位性を有し、お客様から付加価値を認めていただき、汎用品を上回る収益力を持つ商品
(2)成長戦略の推進
① インドJSW社との方向性電磁鋼板製造販売会社の共同設立についての検討(鉄鋼事業)
鉄鋼のグローバル戦略として、インサイダー事業を更に深化させ、収益拡大に繋げていきます。
特にインドにおいては、電力需要の大幅な増加に伴い、変圧器に使用される方向性電磁鋼板の需
要拡大が見込まれます。当社の高い電磁鋼板製造技術をもってこの機会を捕捉すべく、JSW社
とインドでの方向性電磁鋼板製造販売会社の共同設立について検討を開始しました。2021 年度内
を目途に事業性の検証を進めていきます。
② ソリューションビジネスの拡大(鉄鋼事業)
高付加価値品製造や環境負荷低減等に関する技術・操業・研究ノウハウを提供するためのプラッ
トフォームを構築し、
「ソリューション型」のビジネスモデルを展開することで、2024 年度には対
2020 年度比 3 倍の収益拡大を目指します。
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③ 2030 年度 売上収益1兆円規模への事業拡大(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業は、当社の成長セクターとして重要性が高まる環境・リサイクル分野や
再生可能エネルギー分野の事業規模を拡大し、あわせて社会課題解決へ貢献していきます。中長
期的には、運営型事業の拡大、M&Aや業務提携等も活用し、2030 年度には、売上収益1兆円規
模への事業拡大を目指します。
④ 高機能電磁鋼板の海外加工SCMの拡充(商社事業)
商社事業のグローバルなネットワークを駆使し、鉄鋼事業とのシナジーを発揮することにより、
強みである高機能電磁鋼板の海外加工SCMの拡充を図り、世界No.1のグローバル流通加工体
制を構築します。
(3)DX戦略の推進による、競争力の飛躍的向上
① 革新的な生産性向上
鉄鋼事業の競争優位の源泉である長年蓄積された膨大なデータやノウハウ等の無形資産を活用
した全製造プロセスのCPS(サイバー・フィジカル・システム)※化や、プラント操業データの
解析プラットフォームの構築等、生産性向上や業務の全体最適化を進めていきます。
※実際の設備や製品に関する膨大なセンサー情報をサイバー空間に集約・解析し、結果をフィジカル空間に
リアルタイムにフィードバックすることで価値を創出するシステム
② 既存ビジネスの変革
グループ会社間のサプライチェーンの効率化や、プラント操業データ等をデジタル化し、設計か
ら運用までを仮想空間で最適化したデジタルツイン技術の活用等により、商品やサービスの改善、
お客様との関係強化を図ります。
③ 新規ビジネスの創出
操業技術やノウハウを提供するプラットフォームを構築し、ソリューションビジネスの拡大や
デジタルサービスを通じた防災・保全ビジネス等、これまでになかった価値や市場・お客様を創造
することで新たなビジネスモデルの創出を検討していきます。
DX戦略の拡大に伴い、サイバーセキュリティリスクへの対応は益々重要になります。
サイバー攻撃やシステム不正利用を防止し、情報資産を守り、事業活動を安全に推進するため、
JFE-SIRT※を中心にセキュリティ対策とガバナンス強化を更に推進していきます。
※JFE Security Integration and Response Team
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(4)選択と集中に基づく効果的な投資の実行と財務健全性の両立
鉄鋼事業では、経営統合当初より、生産設備の集約・停止による固定費削減にいち早く取り組ん
できました。2020 年 3 月には、国内の年間粗鋼生産能力を約 400 万トン削減する構造改革を決定
し、2024 年度に年間約 600 億円のコスト削減効果と、10 年間で約 2,000 億円程度の更新投資抑止
効果を見込んでいます。今後、機能維持投資については投資効果と必要性の観点から徹底した選別
を行い、収益向上投資、設備の新鋭化、グリーントランスフォーメーション(以下、GX)、DX
投資に重点を移していきます。
更に、収益貢献度の低い資産や事業についての見直し等により 2,000 億円程度の資産圧縮を図
り、必要な投資資金を確保し持続的な財務運営を行うことにより、投資効果発現と財務健全性の両
立を図ります。
また、景気動向に左右されやすい収益の変動幅を低減させるため、鉄鋼事業におけるソリューシ
ョンビジネスや、エンジニアリング事業における運営型事業の拡充等により、安定収益基盤を確立
していきます。
<第7次中期経営計画 投資計画・資産圧縮計画、コスト削減計画(グループ/4 ヵ年)>
第7次中期経営計画 備考
設備投資 12,000 億円程度
グループ 事業投融資 2,500 億円程度
投資額 鉄鋼事業 10,800 億円程度
計 14,500 億円程度
鉄鋼事業機能維持投資の割合 30%程度
(投資額のうち) 鉄鋼事業 1,600 億円
GX投資 3,400 億円程度 エンジニアリング事業 1,300 億円
商社事業 500 億円
DX投資 1,200 億円程度
資産圧縮 2,000 億円程度
2024 年度粗鋼生産量 2,600 万トン程度 (JFEスチール単独)
鉄鋼事業コスト削減 1,200 億円
なお、東日本製鉄所京浜地区の構造改革後の用地の活用については、川崎市を始めとする行政と
協働で検討を進めています。
「土地売却」
「土地賃貸」
「事業利用」の選択と組合せを検討し経済性
の最大化を図るとともに、地域・社会の持続的発展に貢献する形での土地利用転換を推進します。
開発は、南渡田地区を先行して大規模土地利用転換の先鞭とし、扇島地区については、2023 年度
には整備方針を公表し、2030 年度までには一部土地の供用を開始できるよう精力的に取り組んで
いきます。
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<第7次中期経営計画 財務・収益目標と株主還元方針>
本計画の最終年度(2024 年度)に、ROE10%、連結事業利益 3,200 億円、親会社所有者
帰属当期利益 2,200 億円の財務・収益目標を掲げ、各施策を着実に実行していきます。
株主の皆様への還元については、配当性向 30%程度を方針とします。
第7次中期経営計画 2020 年度実績
連結事業利益 3,200 億円 ▲129 億円
親会社所有者帰属当期利益 2,200 億円 ▲218 億円
グループ ROE 10% ▲1.3%
全体 Debt/EBITDA 3 倍程度 8.1 倍
D/E(※1) 70%程度 93%
鉄鋼事業
・トンあたり利益(※2) 10 千円/トン ▲3 千円/トン
・セグメント利益 2,300 億円 ▲654 億円
事業会社 エンジニアリング事業
・セグメント利益 350 億円 240 億円
・売上収益 6,500 億円 4,857 億円
商社事業
・セグメント利益 400 億円 200 億円
※1 格付評価上の資本性を持つ負債について、格付け機関の評価により資本に算入。
※2 鉄鋼事業のトンあたり利益(連結セグメント利益÷単独出荷数量)
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Ⅲ.事業会社の第7次中期経営計画の基本方針・施策
1.鉄鋼事業(JFEスチール株式会社)
【設備投資・事業投融資計画】 10,800 億円/4 ヵ年(戦略投資 40%、機能維持投資 30%)
【2024 年度単独粗鋼生産量】 約 2,600 万トン
【2024 年度セグメント利益目標】 10 千円/トン※、2,300 億円 ※単独鋼材出荷数量
(1)「量から質への転換」によるスリムで強靭な事業構造への変革
・重点分野への「選択と集中」を柱とした構造改革の実行、プロダクトミックス高度化
・お客様に価値を認めて頂き、価値に見合った価格体系の再構築によるマージン拡大
・DX推進による労働生産性の向上、歩留改善等によるコスト削減の推進
・社会の CO2 削減に貢献する、電磁鋼板の生産能力増強(490 億円)、倉敷地区の新連鋳機
を用いた洋上風力向け大単重厚板製造能力の増強、自動車用ハイテン材の安定製造
・「質」への施策転換により、世界トップレベルの「トン当り収益」の確保
コスト削減:1,200 億円
労働生産性:+20%(構造改革効果 13%+DX活用等で 1,670⇒2,000 トン/人·年)
高付加価値品比率:50%への引き上げ
(2)「知識、技能、データを活用したソリューション提供」による海外事業の成長加速・拡大
・インドJSW社とのインドにおける方向性電磁鋼板製造販売会社設立の検討開始
・海外成長地域の需要拡大を取り込むインサイダー戦略推進(ベトナムFHS社等の関係強化)
・重要な無形資産である技術の最大活用等によるソリューションビジネス収益拡大
2024 年度のソリューションビジネス収益 2020 年度比 3 倍
(3)「デジタル」による製造基盤強化と新たな成長戦略の実行
・全製造プロセスCPS化等による生産効率化、労働生産性の向上・歩留改善
・DX推進による品質向上、デリバリー改善によるお客様満足度の向上
・技術・ノウハウ提供のためのプラットフォーム構築、ソリューションビジネス拡大
DX投資:1,150 億円/4 ヵ年
(4)「カーボンニュートラル」達成に向けたイノベーションの推進
・超革新的技術開発への挑戦とあらゆる手段の複線的推進、政府等の支援を仰ぎながら、カーボン
ニュートラル実現に向けた新技術を早期に提示できるよう、本計画期間から研究開発を加速
・カーボンリサイクル高炉+CCUは、本計画期間中に研究開発着手、2027 年度までにプロセス
原理実証を計画
・水素製鉄技術は、BHP社協業による原料ソース拡大等、海外連携の検討も加え、開発を加速
・電気炉法による高級鋼製造技術の開発、高効率・経済合理性の追求、使用原材料の多様化の検討
・日本鉄鋼連盟長期温暖化ビジョンへの主体的な参画
CO2 削減量:2024 年度末に対 2013 年度比 18%
GX投資 :1,600 億円/4 ヵ年
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2.エンジニアリング事業(JFEエンジニアリング株式会社)
【設備投資・事業投融資計画】 約 2,200 億円/4 ヵ年
【2024 年度売上収益】 6,500 億円
【2024 年度セグメント利益目標】 350 億円
(1)重点分野毎の中長期的な取り組み
【Waste to Resource 事業】
・国内環境事業において、DX活用による生産性向上・商品力の強化を推進し、M&Aも検討
・リサイクル事業では、食品、プラスチック、焼却・発電を中心にM&Aを含めた重点投資の実施
2024 年度売上収益:2,900 億円
【カーボンニュートラル事業】
・洋上風力発電事業における着床式基礎構造物(モノパイル等)製造事業の検討
・バイオマス、太陽光、地熱等のEPC強化
・カーボンリサイクル技術の実用化、水素等、新エネルギーの開発の促進
2024 年度売上収益:800 億円
【複合ユーティリティサービス事業】
・省エネ・脱炭素への貢献、高効率な設備運営までを一貫して担う複合ビジネスモデルへの転換
・地域の自立分散型社会構築に資するユーティリティサービス事業拠点の拡充
2024 年度売上収益:200 億円
【基幹インフラ事業】
・新材料、新工法、施工ロボット等の技術を活用し、インフラの強靭化、長寿命化ニーズへ対応
2024 年度売上収益:2,600 億円
(2)海外事業の拡大
・EPC競争力の強化、橋梁ODAの推進、化学プラント分野でのM&Aシナジーの追求
・環境・水・リサイクル分野:現地パートナーと協力し、事業参画を検討
2024 年度売上収益:1,000 億円((1)の内数)
(3)DXの推進
・業務全体のデジタル化の実現と、お客様への新たなデジタルサービスの提供
・デジタルツインを活用した次世代EPC・O&M構築による設計効率向上、デジタルサービス
を通じた新規事業の創出等
2024 年度設計効率:+20%
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3.商社事業(JFE商事株式会社)
【設備投資・事業投融資計画】 約 1,200 億円/4 ヵ年
【2024 年度セグメント利益目標】 400 億円
(1)重点分野毎の中長期的な取り組み
【電磁鋼板 グローバル加工流通 No.1確立】
・新たな地域におけるSCMの構築や加工機能の深化、アライアンス企業との協業拡大
・電磁鋼板加工流通分野におけるグローバルNo.1体制の構築
【自動車向け鋼材のSCM強化】
・グローバル4極(日本、中国、米州、ASEAN)におけるグループ内の連携の深化
・戦略品種の拡販、自動車向け鋼材のSCM強化
【海外建材事業の取り組み加速】
・海外(ASEAN・北米地域)建材事業における、トレードビジネスの拡大、現地企業との
協業検討
【国内鉄鋼需要の徹底捕捉】
・グループの垣根を超えたSCMの強化、二次・三次加工等の機能拡充等、事業基盤の構築
・新規取引数量拡大への取り組み、マーケットにおけるグループの存在感の向上
(2)仕入れ・販売力の強化(JFEスチール関連以外の取引拡大)
【鉄鋼・原材料・資機材分野における事業領域の拡大】
・グループ会社・アライアンス企業製品の販売増加、他サプライヤー製品の取り扱い拡大
(3)新たなビジネス機会への対応
【環境課題解決に貢献するビジネス拡大】
・洋上風力発電向け鋼材・加工製品のSCM構築、バイオマス燃料の取引拡大
・電磁鋼板・自動車用鋼板の加工・流通強化、スクラップ等環境負荷の低い原材料の取扱量増加
【DXへの取り組み】
・SCMへのデジタル技術導入によるお客様サービスの向上
・DXを活用した新規ビジネス創出の検討
・RPA導入の拡大、AI活用の推進、デジタル化に対応した新しい働き方や社内システムの刷新
以上
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本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
JFEホールディングス㈱ IR 部広報室 ℡03(3597)3842
本資料は、金融商品取引法上のディスクロージャー資料ではなく、その情報の正確性、完全性を保証するものではあり
ません。また、掲載した予測等は公表の時点で入手した情報に基づくものであり、不確定要素を含んでおります。
従いまして、本資料のみに依拠して投資判断されますことはお控え下さいますようお願い致します。本資料利用の結果
生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いません。
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「別紙」
<カーボンリサイクル高炉+CCU※について>
JFEスチールでは、高炉で発生する CO2 を再利用する「カーボンリサイクル高炉」と「CCU」
の組み合わせを、CO2 削減効果の大きい有望なオプションの一つとして検討を進めていきます。
【主な特徴】
・JFEスチールの独自技術である「カーボンリサイクル高炉」は、高炉排ガス中の CO2 をメタン化
(メタネーション)し、還元材として高炉に吹き込む技術です。
そのため、鉄鉱石の還元に必要なカーボンがリサイクルされ、総合的に排出される CO2 を削減する
ことができます。また、現状の高炉法で使用している品位の原料を用いることが可能です。
・「CCU」を活用し、CO2 のメタノール化などを組み合わせることで、高炉プロセスでの削減に加
え、さらなる CO2 削減が可能となります。
・高炉をベースとするため、既存インフラの多くが活用可能であり、社会の持続的発展に必要な膨大
な鉄の需要や高品質鋼の要求に対応しつつ、カーボンニュートラルへの移行が可能となります。
今後、カーボンリサイクル高炉による CO2 削減効果の検証、および、2027 年度のプロセス原理実証
の完了を目指し、ゼロカーボン・スチールの実現に向けた開発を進めていきます。
※Carbon dioxide Capture and Utilization:CO2 回収・利用
【カーボンリサイクル高炉の概念図】
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