5410 合同鉄 2019-02-01 13:30:00
朝日工業株式会社株式(証券コード:5456)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ [pdf]

                                                 平成 31 年2月1日
各   位
                             会 社 名    合 同 製 鐵 株 式 会 社
                               (URL http://www.godo-steel.co.jp/)
                             代表者名     代表取締役社長           明賀    孝仁
                                (コード番号        5410   東証   第一部)
                             問合せ先     執行役員総務部長          西仲      桂
                                             (TEL    06-6343-7600)


        朝日工業株式会社株式(証券コード:5456)に対する
              公開買付けの開始に関するお知らせ



 合同製鐵株式会社(以下「当社又は公開買付者」といいます。
                            )は、平成 30 年8月6日付プレス
リリース「朝日工業株式会社株式(証券コード:5456)に対する公開買付けの開始予定に関するお
知らせ」
   (以下「当社平成 30 年8月6日付プレスリリース」といいます。
                                  )において公表いたしま
したとおり、朝日工業株式会社(以下「対象者」といいます。)が本公開買付けに対して賛同する
旨及び対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の取締役会決議を
行い、当該決議が公表されており、かつ、その意見表明が撤回されていないこと、私的独占の禁止
及び公正取引の確保に関する法律(昭和 22 年法律第 54 号。その後の改正を含みます。以下「独占
禁止法」といいます。)に基づき行われる公正取引委員会の企業結合審査の結果において、排除措
置命令(独占禁止法第 17 条の2第1項)を行わない旨の通知を受けること等(その他の前提条件
は、下記本文「1.買付け等の目的等」の「(1)本公開買付けの概要」の注4をご参照ください。
                                            )
を前提条件(以下「本前提条件」といいます。)として、朝日工業株式会社(株式会社東京証券取
引所(以下「東京証券取引所」といいます。)JASDAQ(スタンダード)市場(以下「JAS
DAQ」といいます。 、コード番号:5456)の普通株式(以下「対象者株式」といいます。
          )                                 )を金
融商品取引法(昭和 23 年法律第 25 号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)に基
づく公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
                       )により取得することを決議しておりました。
 その後、平成 31 年1月 18 日付プレスリリース「朝日工業株式会社株式(証券コード:5456)の
取得に関する公正取引委員会の審査結果について」において公表いたしましたとおり、同日付で公
正取引委員会より「排除措置命令を行わない旨の通知書」を受領したことを受けて、本公開買付け
実施のための本前提条件が充足されたことを確認したことから、公開買付者は、本日開催の取締役
会において、本公開買付けを平成 31 年2月4日から開始することを決議いたしましたので、下記
のとおりお知らせいたします。


                        記




                         1
1.買付け等の目的等
(1)本公開買付けの概要
 公開買付者は、平成30年8月6日開催の取締役会において、JASDAQに上場している対象
者株式を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社化(非公開化)又は連結子会社化するための
取引(以下、これらの取引を「子会社化取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実
施することを決議いたしました。なお、本日現在、公開買付者は、対象者株式を所有しておりま
せん。
 公開買付者は、本公開買付けにおいて対象者の議決権総数(注1)の過半数を取得することで、
少なくとも対象者を公開買付者の連結子会社とし、両社が同一の企業グループとして事業を遂行
することを目的として、本公開買付けの成立後に公開買付者が所有する対象者株式に係る議決権
の数が、対象者の議決権総数の過半数となるよう買付予定数の下限(3,500,000株)
                                         (注2)を設
定しており、本公開買付けに応じて売付け等の申込みがなされた株券等(以下「応募株券等」と
いいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全ての買付け等を行
いません。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて、対象者の発行済株式の全て(但し、対
象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することで、対象者を公開買付者の完全子会社と
することを目指しているため、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予
定数の下限以上であった場合には、応募株券等の全ての買付け等を行います。
 また、公開買付者は、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者株式に係る議決権
の数の合計が基準議決権数(注3)以上となった場合には、後記「(4)本公開買付け後の組織
再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                      」に記載の手続(以下「本非公開化手続」と
いいます。)を実施することにより、公開買付者が対象者株式の全て(但し、対象者が所有する
自己株式を除きます。を取得することを予定しており、
         )               本非公開化手続が実行された場合には、
対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。また、対象者が本非公開化手続を実施す
る場合には、後述の本非公開化手続に従って、本公開買付けに応募されなかった対象者の各株主
(但し、公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様に対しては、最終的に金銭を交付する方法
が採用される予定であり、その場合に当該各株主の皆様に交付される金銭の額については、本公
開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。
                                           )
に当該各株主の皆様が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予
定です。
 一方で、当社平成30年8月6日付プレスリリースにおいて、本公開買付けの成立後、公開買付
者が所有する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合の本非公開
化手続の実施の有無については、本公開買付け開始までに対象者との協議の上で決定し、お知ら
せすることとしておりました。その後の協議の結果、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有
する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合には、本非公開化手続
を実施しないこととし、公開買付者は、対象者に対して、本非公開化手続の実施を要請しない旨
を本日の取締役会で決議いたしました。したがって、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有
する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合には、本非公開化手続
は実施されず、JASDAQ上場廃止基準に該当しない限り、対象者株式のJASDAQにおけ
る上場は維持される方針です。




                       2
(注1)「議決権総数」とは、対象者が平成31年2月1日に公表した「2019年3月期第3四半期
   決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「対象者四半期決算短信」といいます。)に記
   載された平成30年12月31日現在の発行済株式総数(7,200,000株)から、対象者四半期
   決算短信に記載された同日現在の対象者の所有する自己株式数(200,163株)を控除し
   た株式数(6,999,837株)に係る議決権数(69,998個)としております。
(注2)「買付予定数の下限」は、対象者四半期決算短信に記載された平成30年12月31日現在の
   発行済株式総数(7,200,000株)から、対象者四半期決算短信に記載された同日現在の
   対象者の所有する自己株式数(200,163株)を控除した株式数(6,999,837株)に係る議
   決権数(69,998個)に2分の1を乗じた数に1単元を加えた数(35,000個)に100株を
   乗じた数(3,500,000株)としております。
(注3)「基準議決権数」は、対象者四半期決算短信に記載された平成30年12月31日現在の発行
   済株式総数(7,200,000株)から、対象者四半期決算短信に記載された同日現在の対象
   者の所有する自己株式数(200,163株)を控除した株式数(6,999,837株)に係る議決権
   数(69,998個)に3分の2を乗じた数(46,666個)(なお、小数点以下を切り上げてお
   ります。)としております。


 対象者が平成30年8月6日に公表した「合同製鐵株式会社による当社株式に対する公開買付け
(予定)への賛同及び応募推奨のお知らせ」及び平成31年2月1日に公表した「合同製鐵株式会
社による当社株式に対する公開買付けへの賛同及び応募推奨のお知らせ」(以下、併せて「対象
者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、平成30年8月6日開催の対象者取締役
会において、本公開買付けについて、取締役(監査等委員である取締役を含みます。)の全員一
致により、当該時点における対象者の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開
買付けに賛同する旨及び対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに応募することを推奨する
旨について決議したとのことです。
 そして今般、対象者は、公開買付者から、平成31年1月18日に、同日付で公正取引委員会より
排除措置命令を行わない旨の通知書を受領し、本前提条件が充足する目処がついたことから、本
公開買付けを平成31年2月4日から開始したい旨の連絡を受け、後記「(3)本公開買付価格の
公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担
保するための措置」の「④対象者における独立した第三者委員会の設置」に記載のとおり、平成
31年1月22日に、本第三者委員会(「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び
利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④対象者
における独立した第三者委員会の設置」において定義します。以下同じとします。)に対して、
後記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④対象者における独立した第三者委員会
の設置」に記載の内容の答申書(以下「平成30年8月3日付答申書」といいます。)の意見に変
更がないかを検討し、対象者の取締役会に対して、変更がない場合にはその旨、変更がある場合
には変更後の意見を述べるよう諮問したとのことです。本第三者委員会は、かかる諮問を受けて、
対象者が後記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、
並びに本公開買付け後の経営方針」の「①本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及
び意思決定の過程」に記載のとおり、平成31年2月1日付で業績予想の下方修正をすることを見


                        3
込んでいたことから当該業績予想の下方修正による影響も含めて、平成30年8月3日以降、平成
31年1月31日までの間に、平成30年8月3日時点における本公開買付けに係る本第三者委員会の
判断を変更する要因は発生していないことを確認し、平成31年1月31日に、対象者の取締役会に
対して、平成30年8月3日付答申書の内容に変更がない旨の答申書(以下「平成31年1月31日付
答申書」といいます。)を提出したとのことです。対象者は、平成31年1月31日付答申書等を踏
まえ、平成31年2月1日開催の対象者の取締役会において、本公開買付けに関する諸条件につい
て改めて慎重に検討した結果、取締役(監査等委員である取締役を含みます。)の全員一致によ
り、本公開買付けに賛同する旨及び対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに応募することを
推奨する旨を決議したとのことです。対象者の取締役会の意思決定過程の詳細については、対象
者プレスリリース及び後記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反
を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤対象者における
利害関係を有しない取締役全員の承認」をご参照ください。


 公開買付者は、当社平成30年8月6日付プレスリリースにて公表しましたとおり、本公開買付
けの実施につきましては、対象者が本公開買付けに対して賛同する旨及び対象者の株主の皆様に
対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の取締役会決議を行い、当該決議が公表されて
おり、かつ、その意見表明が撤回されていないこと、独占禁止法に基づき行われる公正取引委員
会の企業結合審査の結果において、排除措置命令(独占禁止法第17条の2第1項)を行わない旨
の通知を受けること等(注4)を本前提条件としておりましたが、平成31年1月18日に公正取引
委員会より排除措置命令を行わない旨の通知を受領したことを受けて、本公開買付けの実施のた
めの本前提条件が充足されたことを確認し、平成31年2月1日開催の取締役会において、同年2
月4日から3月18日までを本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といい
ます。)として、本公開買付けを実施することを決議いたしました。
(注4)本公開買付けの実施につきましては、上記の条件の他、(a)本公開買付けの開始時点
    において、対象者及び対象者の子会社に関する未公表の重要事実(法第166条第2項に
    定める重要事実、並びに法第167条第2項に定める公開買付等の実施に関する事実及び
    中止に関する事実をいいますが、本公開買付けに関する事実を除きます。)が存在して
    いないこと、(b)本公開買付けの開始時点において、対象者の連結ベースでの事業、
    財政状況、経営成績、資産、キャッシュフロー、将来の収支計画等に天災・火災・爆発
    等、不可抗力なものに起因する重大な悪影響を与える又は与え得る事象が存在しないこ
    と、(c)本公開買付けの開始時点において、子会社化取引を制限又は禁止する旨のい
    かなる法令等又は司法機関、行政機関その他の権限ある機関によるいかなる命令、処分、
    決定若しくは判決等も存在していないことを前提条件としております。


 また、対象者は、平成20年6月25日開催の第17期定時株主総会において「当社株式の大規模買
付行為への対応方針」(買収防衛策)を導入し、その後平成23年6月23日開催の第20期定時株主
総会、平成26年6月24日開催の第23期定時株主総会及び平成29年6月23日開催の第26期定時株主
総会においてこれを更新したとのことですが、本公開買付けに関しては、平成30年6月22日開催
の対象者の取締役会において、少なくとも同日時点においては、平成29年5月18日付対象者のプ
レスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について」
                                         (以


                        4
下「本対応方針」といいます。)に従った手続を実施する必要性はないと判断したため、本対応
方針のⅢ.2.(1)1)に基づき、公開買付者が提案する本公開買付けを大規模買付行為に該当し
ないものとして予め承認する旨を決議したとのことです。その上で、対象者は、平成30年8月6
日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨及び対象者の株主の皆様に対して本公開
買付けに応募することを推奨する旨の決議をすることと併せて、本対応方針に従った手続を実施
する必要性はなく、平成30年6月22日開催の取締役会において行った、公開買付者が提案する本
公開買付けが大規模買付行為に該当しないものとして予め承認する旨の決議を変更する必要が
ないことを確認する旨を決議したとのことです。


(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付
    け後の経営方針
①   本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
 公開買付者及び対象者は、国内で発生する鉄スクラップを電気炉で溶解し、圧延設備を用いて
建設資材を中心とする多様な鉄鋼製品を製造する、いわゆる普通鋼電気炉メーカーと呼ばれる鉄
鋼会社です。
 公開買付者は、昭和12年に大阪製鋼株式会社として設立後、昭和32年1月に株式会社大阪証券
取引所(現在の東京証券取引所)、昭和36年10月に東京証券取引所及び株式会社名古屋証券取引
所に株式を上場いたしました。昭和35年に高炉を新設し、平成6年の休止まで高炉メーカーとし
て事業を行ってまいりましたが、その間、昭和52年以降に複数の電気炉メーカー(大谷重工業株
式会社、日本砂鐵鋼業株式会社、江東製鋼株式会社及び船橋製鋼株式会社)を合併し、各種大形・
中形形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼、線材(注)という幅広い分野の鋼材を生産する鉄鋼
会社として発展してまいりました。平成19年及び平成28年にはそれぞれ鉄筋用棒鋼を製造する電
気炉メーカーである三星金属工業株式会社(新潟県燕市、以下「三星金属工業」といいます。)
と株式会社トーカイ(福岡県北九州市、以下「トーカイ」といいます。)を公開買付者グループ
(公開買付者及び公開買付者の関係会社)に加え、現在では全国に5つの製造拠点(公開買付者
の大阪製造所、姫路製造所、船橋製造所、公開買付者の完全子会社である三星金属工業及び同じ
く完全子会社であるトーカイ)を持つ普通鋼電気炉メーカーとなり、わが国の貴重な鉄資源のリ
サイクル事業を担う企業として社会に貢献してまいりました。また、平成19年6月に提携強化を
目的として、新日本製鐵株式会社(現在の新日鐵住金株式会社)の持分法適用関連会社となりま
した。
 本日現在、公開買付者グループは、公開買付者及び9社の連結子会社、2社の持分法適用関連
会社で構成され、各種大形・中形形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼、線材の製造及び販売、
棒鋼加工製品、線材加工製品等の製造及び販売並びに機械、製鋼原料等の販売等の鉄鋼事業を主
な事業内容としております。
    (注)各種大形・中形形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼、線材は、鉄鋼製品の各種品
    種名称です。形鋼は、建築、土木等で幅広く使用される鉄鋼素材製品であり、断面形状サ
    イズによって、大形、中形及び小形に分類され、大形・中形形鋼は主として建築用鉄骨材、
    構造用材に用いられます。軌条は、レール用の鉄鋼素材製品です。構造用棒鋼は、引抜・
    鍛造・切削などの加工を経て、建設機械、産業機械、造船をはじめとする幅広い分野で重
    要な部品素材として活用される鉄鋼素材製品です。鉄筋用棒鋼は、建設工事・土木工事用


                      5
  資材として使用されます。線材は、大規模な商業施設やビル建築、高速道路や橋梁などで
  使用される鉄筋コンクリート向け鉄鋼素材製品です。


 公開買付者グループは、基礎素材メーカーとして良質な鉄鋼製品の安定供給を通して、経済・
社会の発展に寄与していくこと、及び、電気炉メーカーとして鉄鋼リサイクルシステムの一翼を
担い、省資源・省エネルギーに貢献していくことを経営の基本方針としており、公開買付者グル
ープの企業価値の向上を図るため、売上高利益率・資産効率・資本効率を重視し、継続的な企業
成長に努めております。また、公開買付者は、上記の基本方針のもと、中長期的な経営戦略とし
て、様々な環境の変化のもとで安定的に収益が確保できる経営基盤の確立を目指して、以下の取
組みを推進しております。


・ 大形・中形形鋼、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼、線材等の多様な条鋼類の製造販売を行うこと
  により、安定的な収益の確保を図ってまいります。
・ 製品の品質・コストの競争力確保に努めるとともに、財務体質の強化も図り、電気炉メー
  カーに相応しい経営体質の構築を図ってまいります。
・ 連結ベースで全国に5つの製造拠点をもつ事業所体制につきましては、事業所間での更な
  る事業戦略の共有強化を通じたグループ全体での一層の業務の効率化を図り、営業力の強
  化並びに製造拠点が有する製造設備等の資産の有効活用を進めることにより、安定した収
  益基盤の確立を目指してまいります。
・ 良質な製品の提供並びに環境面への積極的な取組みを通じて、需要家はもとより社会全体
  の信頼を確保してまいります。


 一方、対象者は、昭和10年8月に兵庫県尼崎市において創立された朝日化学肥料株式会社、及
び昭和11年11月に現在の埼玉県児玉郡神川町において創立された日本ニッケル株式会社を前身
とし、昭和35年9月に朝日化学肥料株式会社が日本ニッケル株式会社の鉄鋼建設資材事業部門を
吸収して、商号を西武化学工業株式会社に変更いたしました。その後、昭和47年1月に不動産開
発事業を行う西武都市開発株式会社(後の株式会社西洋環境開発)と鉄鋼建設資材事業及び農業
資材事業を行う西武化学工業株式会社に分社いたしました。さらに昭和60年10月に、西武化学工
業株式会社は子会社の朝日食品株式会社及び株式会社丸上と合併し、商号を朝日工業株式会社に
変更いたしました。また、平成3年10月に会社分割のため朝日スチール株式会社を設立、平成4
年4月に、朝日工業株式会社は商号を朝日食品工業株式会社に変更するとともに、朝日スチール
株式会社は朝日工業株式会社(対象者)へ商号を変更し、同社は朝日食品工業株式会社より、鉄
鋼建設資材事業・農業資材事業を譲り受けました。その後、対象者は、平成17年9月に当時のジ
ャスダック証券取引所(現在のJASDAQ)に株式を上場し、現在に至っております。
 対象者グループ(対象者及び対象者の関係会社)は、対象者、連結子会社3社及び関連会社3
社により構成されており、鉄鋼建設資材事業、農業資材事業、砕石砕砂・マテリアルリサイクル
事業を主たる業務としております。鉄鋼建設資材事業では、埼玉工場において、鉄筋用棒鋼、構
造用棒鋼、ねじ節鉄筋(鉄筋の表面の節がねじ状の鉄筋)等の製造販売をしております。農業資
材事業では、①肥料事業として関東工場、千葉工場及び関西工場において、有機質肥料、化成肥
料等を製造し、全農グループやホームセンター・園芸専門店向けに販売を、②種苗事業として、


                      6
自社開発及び海外種苗会社との共同研究により開発した野菜等種子の生産販売を、③乾牧草事業
として、オーストラリアの関連会社である「JOHNSON ASAHI PTY.LTD.」及びアメリカ、カナダか
らの乾牧草の輸入販売を、④関連会社である「莱陽龍大朝日農業科技有限公司」では、中国にお
いて有機及び有機化成肥料の製造販売をしております。砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業で
は、土木建築用の砕石と砕砂の製造販売を、また、がれき類、コンクリートくず、木くずなどの
建設廃材等の中間処理と、再生骨材・木くずチップなどのリサイクル製品の製造販売をしており
ます。
 かかる中、対象者グループは、平成30年度は3ヵ年の中期経営計画「ASAHI2018プロジェクト」
の最終年度であり、基本方針である「スペシャリティ分野(強みを有する分野)への経営資源の
シフト」の各戦略を、よりスピードアップして実行することで、収益確保・拡大を目指しており
ます。具体的には、鉄鋼建設資材事業では、底堅い需要が見込まれる高強度鉄筋、ねじ節鉄筋の
製造・販売に注力するとともに、再開した特殊鋼(構造用棒鋼)の販売拡大やOEM等の新規プ
ロジェクトの取組みにより高付加価値品への鋼種構成比変革を推進しております。また農業資材
事業では、強みである有機質肥料への経営資源シフトを推進し、砕石砕砂・マテリアルリサイク
ル事業では、平成28年に取得した新砿区の良質な資源を活用した更なる生産性向上及び販売拡大
に注力しております。


 しかしながら、公開買付者の鉄鋼事業及び対象者の鉄鋼建設資材事業(以下、両社の事業を併
せて「鉄鋼事業」といいます。)は、国内における少子・高齢化による世帯数の減少や世帯の小
規模化による世帯構造の変化、人口減少の進行等に伴う、マンション等の建設需要の減少等の影
響により、国内建設用鋼材需要の伸びが期待できない中で、鉄筋棒鋼市場では国内最大規模であ
る関東市場において、鉄鋼事業者の工場立地が全国で最も集中する一方、リーマンショック以降、
需要が低落傾向となっている中でも供給能力に大きな変化はないことから市場の需給ギャップ
が顕在化し、需要家からの販売価格の値下げ圧力が極めて大きなものとなっております。また、
流通面でも商社統合再編の動きが激しく、大手総合商社系流通は既に2社へと集約され、市場価
格形成に強大な影響力を持つに至っております。一方で、主要原材料である国内発生鉄スクラッ
プの輸出が拡大し、その価格は国内電気炉メーカーの需要動向とは無関係に旺盛な海外需要によ
り形成された国際市況に牽引される状況が完全に定着しております。
 このように普通鋼電気炉メーカーは、主原料である鉄スクラップの仕入れ及び製品の販売の両
市場における市場構造上、その市況形成において受身とならざるを得ず、主原料価格の値上げ圧
力と販売価格の値下げ圧力に挟まれた普通鋼電気炉メーカー各社は、将来に向けた設備・人材へ
の投資をはじめとする事業の継続性確保のために必要な利益の確保が困難となり、いずれも低収
益を余儀なくされる状況が続いております。
 かかる状況の下、公開買付者は、このままでは鉄スクラップリサイクルのメーカーとしての重
要な機能である鉄鋼製品再生機能を喪失することにもつながりかねない状況と認識し、同業他社
との統合による高付加価値品を中心とした商品ラインナップの拡充やデリバリー性の向上等に
よる顧客評価の向上、個社の枠を超えた抜本的なコストの削減等による競争力の向上が喫緊の課
題であるとの考えに至りました。
 特に、上記のような厳しい事業環境下において、実際に前期(平成30年3月期)において赤字
決算を余儀なくされた関東の普通鋼電気炉メーカーが存在する等、主原料価格の値上げ圧力と販


                          7
売価格の値下げ圧力に挟まれた関東鉄筋市場での将来に向けた設備 人材への投資をはじめとす
                              ・
る事業の継続性確保のために必要な利益の確保に向けた早急な対応が必要となる中で、この状況
を改善するための一つの方策として、公開買付者は、一定の事業規模があり、かつ事業シナジー
が見込める事業者の買収等の可能性を模索していたところ、支配株主が存在しない上場企業であ
るとの点で類似する歴史を有する対象者に注目し、その企業風土や従業員意識等、会社運営基盤
の根幹において自社との高い親和性を期待でき、かつ、製品ラインナップ、鉄鋼製造技術、プロ
セス及び工場立地等の観点からも両社には大きな事業シナジーの創出を見込める可能性がある
のではないかとの認識に至り、公開買付者は、平成29年7月下旬に子会社化取引も見据えた友好
的買収の初期的な提案を行うとともに、引き続き、検討を重ねてまいりました。その過程で、公
開買付者は、対象者の了解を得て、平成29年10月中旬から平成29年11月上旬にかけて、対象者に
対するデュー・ディリジェンスを実施いたしました。その後、公開買付者は、平成30年3月期ま
での対象者の決算状況等を踏まえるべく、平成30年2月下旬から平成30年5月下旬にかけて、再
度、対象者に対するデュー・ディリジェンスを実施いたしました。
 かかる対象者に対するデュー・ディリジェンス等の結果、公開買付者は、子会社化取引の実施
により、具体的には以下の諸施策の実施及び事業シナジーが期待され、対象者グループを含む公
開買付者グループ全体の鉄鋼事業における経営基盤の強化を通じた企業価値向上が可能になる
ものと考えるに至りました。


(ⅰ)顧客評価の向上
   販売面において、公開買付者グループの棒鋼販売を行っている船橋製造所及び公開買付
  者の完全子会社である三星金属工業(共に関東棒鋼市場を主要な需要地としています。 と、
                                         )
  対象者の鉄鋼(棒鋼)販売における販売方針・営業施策等を両社にて相互に共有し、また、
  製造設備、技術等の両社経営資源の相互有効活用により、公開買付者が製造していないね
  じ節鉄筋を公開買付者の顧客の要請に応じて同製品を製造する対象者から提供することや、
  高強度鉄筋をはじめとする高付加価値品を中心とした商品ラインナップの一層の拡充を図
  り、円滑なデリバリーを構築すること等によって、顧客評価の向上に繋がるものと見込ま
  れます。
   上記の事業シナジーを生じさせるための諸施策として、具体的には、早期のシナジー効
  果の実現を目指して、関東棒鋼市場を主要な需要地としている対象者を含めた新グループ
  3事業所(公開買付者の船橋製造所、公開買付者の完全子会社である三星金属工業及び対
  象者)による製造技術の共有化や販売政策の共同化を進めて効率化を図ること等を検討し
  ており、両社の企業価値向上を早期に実現させるための営業施策の展開を視野に入れた協
  議の推進を図ります。


(ⅱ)構造用棒鋼における事業シナジーの追求
   構造用棒鋼事業においては、両社の製造・販売面での市場の重複は殆ど見られず、製造
  範囲の点では、公開買付者は太径(直径 40mm 以上)が中心であり、対象者は細径(直径 50mm
  以下)が中心というように補完性の高い製品構成となっております。子会社化取引実現後
  の新体制として、それぞれの得意分野を活用した共同販売展開の可能性を追求していくこ
  とで、商品メニューの拡大やデリバリー性の向上といった顧客満足度の向上を図り、両社


                        8
  の企業価値向上が見込まれます。
   上記の事業シナジーを生じさせるための諸施策としては、両社の製造設備の強みを活用
  していき、特殊鋼製造拠点として溶鋼脱ガス設備(注)を有する公開買付者の姫路製造所
  の製造する大断面の鋼片と、対象者の最新鋭圧延ラインを組み合わせ、高品質・高級鋼を
  市場に提供していくことを検討しており、これによって、現状の両社の製品レベルを上回
  る新たな価値を創出していくことができる可能性があるものと考えております。
  (注)溶鋼脱ガス設備とは、溶鋼中の不純物を除去し、高品質な溶鋼にする設備をいいま
      す。


(ⅲ)鉄鋼製造技術、プロセスに関するシナジー効果の追求
   子会社化取引実施後は、両社技術陣による「製鋼・圧延        各技術交流部会(仮称)」を組
  成し、市場からの要請が高まりつつある高強度材等の高付加価値品に係る製造技術、安定
  操業の維持及びコスト削減手法等の操業課題などについて積極的な技術交流と情報共有化
  を図り、両社の特徴と強みを融合させた製造技術のステップアップ効果が見込まれます。
   また、業界全体の共通課題でもあるスラグ(注1) ダスト
                          、   (注2)処理につきましても、
  両社の知見の共有化を進め、利用価値の向上に関するより有効な施策の可能性が見出せれ
  ば、両社共に大きな成果を享受できるものと見込まれます。
   これらの事業シナジーを生じさせるための諸施策として、具体的には、ダスト処理の分
  野では、ダスト処理設備を公開買付者グループとして保有しておらず、社外委託している
  ため、対象者が先進的に取組んでいる RHF 設備(注3)の情報を対象者から公開買付者に
  提供することが考えられ、これにより、公開買付者グループにおけるダスト処理に関する
  知見、選択肢が広がる可能性が期待されると考えております。また、スラグ処理の分野で
  は、現在公開買付者グループで開発中である人工石化技術の商品化促進のための交流、及
  び対象者グループが有する砕石事業におけるノウハウの共有などが行われることを期待し
  ております。
 (注1)スラグとは、鉄スクラップを溶融・精錬した際に生成される酸化物をいいます。
 (注2)ダストとは、鉄鋼生成過程で生じる粉じんをいいます。
 (注3)RHF設備とは、ダストから還元鉄を生成する設備(Rotary Hearth Furnace)をいい
     ます。


(ⅳ)購買部門における調達効率向上
   子会社化取引実施後は、両社による購買情報の共有化、購買政策の共同化等により更な
  る安価購買、調達条件の改善等により両社購買部門における調達効率向上が見込まれます。


(ⅴ)物流効率化、輸送コスト削減施策の検討
   対象者は製品遠隔輸送においてモーダルシフト(注)に先行して取り組んでおり、中で
  も、関西・中国地方に至る貨車輸送手段を確立していることから、公開買付者の各事業所、
  公開買付者の完全子会社である三星金属工業及び公開買付者の完全子会社であるトーカイ
  との鋼片・鋼材輸送において、対象者において確立している貨車輸送の往復活用が可能と
  なれば、購買面におけるシナジー効果の実現に加えて、物流面での効率化・費用削減に追


                          9
  加的な効果が見込まれます。
   かかる事業シナジーを生じさせるための諸施策として、具体的には、鋼片輸送、鋼材出
  荷において各地の中継ヤード・営業倉庫等の共有、融通など、両社輸送費の効率化とデリ
  バリー性の向上も含めたシナジー効果が期待できるものと考えております。
 (注)モーダルシフトとは、CO2削減等を目的とした、自動車輸送から貨車・船舶輸送への転
     換をいいます。


(ⅵ)グループ人材育成施策の共有化・合同実施
   両社における人材育成施策の制度、内容等を共有の上、積極的な交流・共同運営を推進
  し、より一層の拡充と効率化を進めることができるものと考えております。


(ⅶ)経理・財務・資金調達関係の円滑化・効率化
   両社の経理・財務部門が協議することにより、連結決算業務の円滑化・効率化を目的と
  し、公開買付者の連結 Cash Management System(企業グループ全体の現預金を一元的に管
  理し、グループ各社で生じる資金の過不足を調整することで、効率的な資金利用を図るシ
  ステム)への対象者の参加による資金効率の向上等の検討が可能となる見込みです。
   上記の事業シナジーを生じさせるための諸施策としては、公開買付者は、現在完全子会
  社7社との間で連結納税制度を適用しておりますが、本公開買付けの成立後、対象者の完
  全子会社化を実現した場合には、対象者を連結納税制度の適用対象に加え、対象者を含む
  公開買付者グループとして、コーポレート・ガバナンス体制及び財務コンプライアンス体
  制を構築・強化することを検討しており、これにより、経理業務の一層の効率化とグルー
  プ財務管理の充実化を図ってまいります。


 公開買付者は、今後も継続が見込まれる主原料価格の値上げ圧力と販売価格の値下げ圧力に挟
まれた鉄鋼事業の厳しい事業環境下の中で両社の企業価値を維持・向上させていくためには、子
会社化取引を実施することにより、両社が緊密な関係を構築し、両社が保有する製造設備や技術
等の経営資源の相互活用を推し進めるとともに、対象者が持つねじ節鉄筋・高強度鉄筋の加工拠
点の強化並びに構造用棒鋼商品ラインナップの拡充等、両社の補完性を活かしていくことが、両
社の経営基盤を強化する上で有効かつ必須との判断に至りました。公開買付者は、グループ全体
で大阪、姫路、船橋、新潟、北九州に製造拠点を有している一方で、対象者は埼玉に製造拠点を
有しており、子会社化取引により公開買付者と対象者が連携して製造拠点の運営を行う等の積極
的な協業を通じて、製造設備や技術等の経営資源の効率的な活用が進み、国内普通鋼電気炉メー
カーとしての更なる商品力の向上や競争力に優れた事業基盤の構築に繋げていくことにより、鉄
鋼事業の収益力の強化が可能になるものと考えております。そこで、公開買付者は、平成30年6
月下旬に、対象者に対して対象者の完全子会社化を主眼とする子会社化取引を提案しました。
 かかる提案の後、平成30年6月下旬から8月上旬にかけて対象者との複数回の協議・交渉等を
経て、公開買付者は平成30年8月6日開催の公開買付者の取締役会において、対象者が本公開買
付けに対して賛同する旨及び対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに応募することを推奨
する旨の取締役会決議を行い、当該決議が公表されており、かつ、その意見表明が撤回されてい
ないこと、独占禁止法に基づき行われる公正取引委員会の企業結合審査の結果において、排除措


                         10
置命令(独占禁止法第17条の2第1項)を行わない旨の通知を受けること等の本前提条件が充足
された場合、速やかに本公開買付けを実施することを決議いたしました。
 そして、公開買付者は、対象者の業況や子会社化取引を取り巻く環境等に重大な変更が見られ
ず、対象者に対する平成30年12月上旬から平成31年1月下旬までの期間における追加的なデュ
ー・ディリジェンスの実施等を通じ、対象者の企業価値に重大な影響を与える事象はないと判断
し(公開買付者は、対象者から、(i)鉄鋼建設資材事業では、主原料である鉄スクラップ価格の
高値推移や、電力や天然ガスなどのエネルギー関連価格、合金鉄や電極など副原料価格急騰によ
り、前年度対比16%増と大幅なコストアップを余儀なくされる中で、販売単価の引き上げを行っ
て参りましたが、タイミングに遅れが生じたため、平成30年5月9日に公表した平成31年3月期
の通期業績予想(以下「前回予想」といいます。)の公表時(以下「前回業績予想開示時」とい
います。)と比べ年度平均販売単価が5%程度下振れする見込みとなった結果、売上高・損益と
もに前回予想を大幅に下回る見通しとなったこと、(ii) 砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業
では、売上高・損益ともに前回予想並みを見込んでいること、及び(iii) 農業資材事業では、主
力の肥料において、主要委託元との取引縮小やその他委託元の販売減少による影響を受けたOE
M品の減少を主因とし、有機質肥料の年間販売数量が前回業績予想開示時と比べ10%程度下振れ
する見込みとなり、加えて、窒素・リン酸・カリなど肥料の主要原料価格が急騰する中、本格的
な製品販売価格への転嫁が平成31年度へずれ込むことと、農林水産省の「農業競争力強化プログ
ラム」における生産資材価格引き下げの取組みによる価格下落圧力により、年度平均販売単価が
前回業績予想開示時に対し2%程度下振れし、売上高・損益が前回予想を下回る見通しとなった
ことから、対象者は平成31年3月期の通期業績予想を修正した(当該通期業績予想の修正を、以
下「本業績予想修正」といいます。)との説明を受けておりますが、公開買付者として、本業績
予想修正は、主に主原料価格の循環的変動に起因するものであると考えられることから、対象者
の事業計画及び企業価値に重大な影響を与える事象ではないと判断しております。)、平成31
年1月18日に公正取引委員会より排除措置命令を行わない旨の通知を受領したことを受けて、本
公開買付けの実施のための本前提条件が充足されたことを確認し、平成31年2月1日開催の取締
役会において、本公開買付価格(1株当たり1,800円)を変更しないこと、及び同年2月4日か
ら3月18日までを公開買付期間として本公開買付けを実施することを決議いたしました。
 なお、本公開買付けの結果、対象者の連結子会社化に留まった場合は、対象者の完全子会社化
が実現した場合と比較して、意思決定の迅速性が抑制されることによってシナジー効果の創出に
向けた対応及び諸施策の実施時期等に制約が生じ、それに伴ってシナジー効果の発生時期や発生
規模にも影響が生じる可能性があり、また連結納税の不適用に伴って税務処理やガバナンス面で
の差異等が生じる可能性はあるものの、依然として、前記(ⅰ)乃至(ⅶ)記載の諸施策の実施
による事業シナジーの創出が十分に期待できると考えております。


 他方で、対象者プレスリリースによれば、対象者は、前記の平成29年7月下旬の公開買付者に
よる子会社化取引の初期的な提案及び平成30年6月の子会社化取引の提案を受けて、子会社化取
引の是非等について検討を行ったとのことです。対象者プレスリリースによれば、前記の事業環
境の構造的変化に対応すべく、中期経営計画「ASAHI2018プロジェクト」で掲げた「スペシャリ
ティ分野(強みを有する分野)への経営資源のシフト」の強化とスピードアップを進める中で、
底堅い需要が見込まれる高強度鉄筋及びねじ節鉄筋の製造・販売に注力するとともに、再開した


                      11
特殊鋼(構造用棒鋼)の販売拡大やOEM等の新規プロジェクトの取組みにより高付加価値品へ
の鋼種構成比変革を早期に実現するためには、同業他社との提携により事業戦略を加速的に推進
し市場競争力を高めることが有効であるとのことであり、その結果、対象者の企業価値の更なる
向上に繋がるとの判断に至ったとのことです。また、対象者によれば、公開買付者より平成29
年7月下旬に子会社化取引も見据えた友好的買収の初期的な提案を受け、さらにその後、平成30
年6月の子会社化取引の提案を経て、公開買付者と対象者との間で両社の企業価値向上を目的と
して検討・協議を重ねた結果、公開買付者は特定の支配株主が存在しない上場会社であり、その
企業風土等に高い親和性が期待できることや、両社の製造設備や技術等の経営資源の強みを相互
に活用することで、前記(ⅰ)乃至(ⅶ)記載の事業シナジーを発生させ、対象者の企業価値を
さらに高めることができると考えられること、対象者における鉄鋼建設資材事業と農業資材事業
及び砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業の一体経営を深く理解していること等から、公開買付
者と最大限強固な連携関係を構築することが有効であり、加えて、前記(ⅰ)乃至(ⅶ)記載の
諸施策及び事業シナジーは、販売、製造、購買、物流、間接部門など多岐にわたっており、それ
らの諸施策を実施して事業シナジーを発生させるためには、対象者が公開買付者の子会社となる
ことは極めて有効な手段であるとの判断に至ったとのことです。さらに、前記記載の関東鉄筋棒
鋼市場の需給ギャップの顕在化による需要家からの販売価格に対する値下げ圧力、商社統合再編
による市場価格形成への影響力の強大化等の事業環境の構造的変化に迅速に対応し、対象者にお
ける公開買付者との提携による事業シナジーの発生を早期に実現するためには、対象者における
機動的な意思決定を実現することが必要であること、また前記(ⅰ)乃至(ⅶ)に記載の諸施策
の中には、対象者が公開買付者の完全子会社となることで、事業シナジーを最大限実現できる施
策も数多く含まれていることから、対象者としては事業シナジーを最大化するためには対象者が
公開買付者の完全子会社となることが最善の手段であるとの判断に至ったとのことです。
 対象者プレスリリースによれば、かかる判断に至る過程において、対象者は、対象者及び公開
買付者から独立した第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)
を、リーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任した上、公開買付者との間で本
公開買付価格及び諸条件について協議・交渉を重ねたとのことです。対象者はみずほ証券及びT
MI総合法律事務所からの助言を踏まえ、みずほ証券によるディスカウンテッド・キャッシュ・
フロー法(以下「DCF法」といいます。)等に基づく算定結果等を参考として、公開買付者と
複数回に亘り協議・交渉を行ったとのことです。また、対象者は、平成30年8月3日に、対象者
が設置した本第三者委員会から、平成30年8月3日付答申書の提出を受けたとのことです。
 その上で、対象者は、本公開買付価格は、(ⅰ)後記「(3)本公開買付価格の公正性を担保
するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための
措置」の「②対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のと
おり、みずほ証券による算定結果のうち、市場株価基準法に基づく算定結果の上限を上回る価格
であること、かつ、DCF法に基づく算定結果のレンジに含まれ、そのレンジの中央値を上回っ
ていること、(ⅱ)本公開買付けの実施予定について公表した日(平成30年8月6日)の前営業
日である平成30年8月3日のJASDAQにおける対象者株式の終値1,289円に対して39.6%
(小数点以下第二位を四捨五入。以下、本項のプレミアムの算出において同じです。)、平成30
年8月3日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,264円(小数点以下を四捨五入。以下、終値
単純平均値の計算において同じです。)に対して42.4%、平成30 年8月3日までの過去3ヶ月


                      12
間の終値単純平均値1,282円に対して40.4%、平成30 年8月3日までの過去6ヶ月間の終値単純
平均値1,321円に対して36.3%のプレミアムが加算されており、相応のプレミアムが付されてい
ると考えられること、(ⅲ)後記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利
益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の公正性
を担保するための措置が十分に採られた上で決定された価格であることを踏まえ、本公開買付け
について慎重に検討した結果、本公開買付けは、対象者の株主の皆様に対して合理的な対象者株
式の売却の機会を提供するものであると判断し、対象者は、平成30年8月6日開催の対象者取締
役会において、同日時点における対象者の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本
公開買付けに賛同する旨及び対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに応募することを推奨
する旨を取締役(監査等委員である取締役を含みます。)の全員一致により決議したとのことで
す。
 今般、対象者は、公開買付者から、平成31年1月18日に、同日付で公正取引委員会より排除措
置命令を行わない旨の通知書を受領し、本前提条件が充足する目処がついたことから、本公開買
付けを平成31年2月4日から開始したい旨の連絡を受け、後記「(3)本公開買付価格の公正性
を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保する
ための措置」の「④対象者における独立した第三者委員会の設置」に記載のとおり、平成31年1
月22日に、本第三者委員会に対して、平成30年8月3日付答申書の内容に変更がないかを検討し、
対象者の取締役会に対して、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述
べるよう諮問したとのことです。本第三者委員会は、かかる諮問を受けて、対象者が後記のとお
り平成31年2月1日付で本業績予想修正をすることを見込んでいたことから当該業績予想の下
方修正による影響も含めて、平成30年8月3日以降、平成31年1月31日までの間に、平成30年8
月3日時点における本公開買付けに係る本第三者委員会の判断を変更する要因は発生していな
いことを確認し、平成31年1月31日に、対象者の取締役会に対して、平成31年1月31日付答申書
を提出したとのことです。
 対象者は、平成31年1月31日付答申書等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改め
て慎重に検討した結果、平成30年8月6日以降、平成31年2月1日までの間に、平成30年8月6
日時点における本公開買付けに係る対象者の判断を変更する要因は発生していないことを確認
し、平成31年2月1日現在においても、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他条件は妥
当であり、本公開買付けは、対象者の株主の皆様に対して合理的な対象者株式の売却の機会を提
供するものであると判断して、平成31年2月1日開催の対象者の取締役会において、取締役(監
査等委員である取締役を含みます。)の全員一致により、本公開買付けに賛同する旨及び対象者
の株主の皆様に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議したとのことです(なお、
(i)鉄鋼建設資材事業では、主原料である鉄スクラップ価格の高値推移や、電力や天然ガスなど
のエネルギー関連価格、合金鉄や電極など副原料価格急騰により、前年度対比16%増と大幅なコ
ストアップを余儀なくされる中で、販売単価の引き上げを行って参りましたが、タイミングに遅
れが生じたため、前回業績予想開示時と比べ年度平均販売単価が5%程度下振れする見込みとな
った結果、売上高・損益ともに前回予想を大幅に下回る見通しとなったこと、(ii) 砕石砕砂・
マテリアルリサイクル事業では、売上高・損益ともに前回予想並みを見込んでいること、及び
(iii) 農業資材事業では、主力の肥料において、主要委託元との取引縮小やその他委託元の販売
減少による影響を受けたOEM品の減少を主因とし、有機質肥料の年間販売数量が前回業績予想


                       13
開示時と比べ10%程度下振れする見込みとなり、加えて、窒素・リン酸・カリなど肥料の主要原
料価格が急騰する中、本格的な製品販売価格への転嫁が平成31年度へずれ込むことと、農林水産
省の「農業競争力強化プログラム」における生産資材価格引き下げの取組みによる価格下落圧力
により、年度平均販売単価が前回業績予想開示時に対し2%程度下振れし、売上高・損益が前回
予想を下回る見通しとなったことから、対象者は本業績予想修正をしたとのことですが、対象者
は、本業績予想修正によって平成30年8月6日時点における本公開買付けに係る対象者の判断を
変更する必要はないと考えているとのことです。)。
 対象者の取締役会の意思決定過程の詳細については、対象者プレスリリース及び後記「(3)
本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買
付けの公正性を担保するための措置」 「⑤対象者における利害関係を有しない取締役全員の承
                 の
認」をご参照ください。


②   本公開買付け後の経営方針
 子会社化取引以降の対象者の事業に係る公開買付者の戦略や将来の事業戦略については、前記
「①本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」 (ⅰ) (ⅶ)
                                   の   乃至
の期待される事業シナジーをもとに、公開買付者と対象者との間で今後協議の上、決定していく
ことになりますが、公開買付者は、子会社化取引後も、対象者の事業の特性や対象者の強みを十
分に活かした経営を行い、対象者事業の強化を図ってまいります。
 特に、対象者の鉄鋼建設資材事業においては、考え得るシナジー効果を追求するため、製造・
販売・開発・調達・物流等のあらゆる面での連携を深めることで、両社の企業価値の最大化を図
ってまいります。
 一方、農業資材事業や砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業の今後の運営につきましては、こ
れまでの長期に亘る対象者経営の実績を踏まえ、対象者経営陣及び各事業部門の従来方針の継続
を基本方針としております。
 本公開買付け後の対象者の経営体制については、本非公開化手続の実施の有無にかかわらず、
公開買付者は、本公開買付けの成立後、公開買付者から取締役1∼2名程度を派遣する予定です
が、詳細については、公開買付者グループの経営体制も踏まえ、今後、対象者と協議の上で決定
していく予定です。併せて、子会社化取引後も、現時点では、対象者の社名の変更や、対象者を
非存続企業とする組織再編等は予定しておらず、従業員の雇用条件は従前の条件の維持を基本と
しております。


(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公
    開買付けの公正性を担保するための措置
 本日現在において、対象者は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公
開買付けに該当しませんが、公開買付者は子会社化取引を通じて対象者を公開買付者の完全子会
社とすることを企図しており、必ずしも対象者の少数株主と公開買付者の利害が一致しない可能
性があることを勘案し、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定する
に至る意思決定の過程における恣意性の排除及び対象者の少数株主と公開買付者の利益相反を
回避する観点から、以下の措置を講じました。以下の記載のうち、対象者において実施した措置
については、対象者から受けた説明に基づくものです。


                         14
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
 公開買付者は、本公開買付価格の決定にあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三
者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券株式会社(以下
「SMBC日興証券」といいます。)に対して、対象者の株式価値の算定を依頼しました。
SMBC日興証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、市場株価法及びDC
F法の各手法を用いて、対象者の株式価値の算定を行い、公開買付者は、SMBC日興証券
から平成30年8月3日に対象者の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定
書」といいます。)を取得しました。
 その詳細については、後記「2.買付け等の概要」の「(4)買付け等の価格の算定根拠
等」の「①算定の基礎」及び「②算定の経緯」をご参照ください。


② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
 対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本
公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算
定機関であるみずほ証券に対象者の株式価値の分析を依頼したとのことです。なお、第三者
算定機関であるみずほ証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買
付けに関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。
 みずほ証券は、複数の株式価値算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべ
き手法を検討の上、対象者株式がJASDAQに上場しており、市場株価が存在することか
ら市場株価基準法を、対象者の将来期待収益及びキャッシュフローの予測を算定に反映する
ためにDCF法を、それぞれ用いて対象者の株式価値の分析を行い、対象者はみずほ証券か
ら平成30年8月3日付で株式価値算定書(以下「対象者株式価値算定書」といいます。)を
取得しているとのことです。なお、対象者は、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関
する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
 上記各手法において分析された対象者株式1株当たりの価値の範囲はそれぞれ以下のとお
りとのことです。


 市場株価基準法    1,264円から1,321円
 DCF法       1,476円から2,097円


 まず、市場株価基準法では平成30年8月3日を基準日として、JASDAQにおける対象
者株式の直近1ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値1,264円、直近3ヶ月間の取引成立日の
終値単純平均値1,282円及び直近6ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値1,321円を基に、対
象者株式1株当たりの価値の範囲を1,264円から1,321円までと分析しているとのことです。
 DCF法では、対象者が作成した平成31年3月期から平成33年3月期までの財務予測、直
近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が平成31年3
月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在
価値に割り戻して企業価値や株式価値を分析し、対象者株式1株当たりの価値の範囲を1,476
円から2,097円までと分析しているとのことです。


                        15
 なお、みずほ証券が上記DCF法による分析に用いた対象者の財務予測においては、対前
年度比較において大幅な増益となる事業年度が含まれております。具体的には、鉄鋼建設資
材事業における高強度鉄筋やねじ節鉄筋、構造用棒鋼の特殊鋼の販売拡大による鋼種シフト、
OEM等の新規プロジェクトの取組み、農業資材事業における有機質肥料への経営資源シフ
ト等により、平成31年3月期における営業利益の黒字転換、平成32年3月期事業年度におい
て前期比約70%の営業利益の増加が見込まれているとのことです(なお、前記「(2)本公
開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後
の経営方針」 「①本公開買付けの実施を決定するに至った背景、
      の                       目的及び意思決定の過程」
に記載のとおり、対象者は、本業績予想修正によって平成30年8月6日時点における本公開
買付けに係る対象者の判断を変更する必要はないと考えているとのことです。)。また、子
会社化取引の実行後の諸施策により実現することが期待されるシナジー効果については、現
時点においては収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、財務予測には
加味していないとのことです。
(注)みずほ証券は、対象者株式の株式価値の分析に際し、対象者から提供を受けた情報及
  び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、
  全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全
  性の検証を行っていないとのことです。加えて、対象者の財務予測に関する情報につい
  ては、対象者の経営陣により現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成
  されたことを前提としているとのことです。また、対象者の資産及び負債(簿外資産及
  び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して、独自の評価・査定は行っておらず、
  第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。みずほ証券の分析は、
  平成30年8月3日までの上記情報を反映したものとのことです。


③ 対象者における独立した法律事務所からの助言
 対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付けを含む子会社化取引に係る検討
に慎重を期し、対象者の取締役会における意思決定の公正性及び適正性を担保するため、公
開買付者及び対象者から独立性を有するリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務
所を選任し、同法律事務所から、本公開買付けを含む子会社化取引に関する対象者の取締役
会の意思決定の方法及び過程等について法的助言を受けているとのことです。なお、TMI
総合法律事務所は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関し
て記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。


④ 対象者における独立した第三者委員会の設置
 対象者プレスリリースによれば、対象者は、平成30年6月22日に、本公開買付けを含む子
会社化取引について、対象者の取締役会が子会社化取引の是非を審議し、本公開買付けに対
する意見表明に係る決議を行うにあたり、対象者における意思決定の恣意性を排除し、公正
性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、対象者及び公開買
付者から独立性を有する、中本攻氏(弁護士・中本総合法律事務所、株式会社柿安本店社外
取締役)、田島伸一氏(対象者社外取締役(監査等委員・独立役員)、信友インターナショ
ナル株式会社特別顧問)、花枝英樹氏(対象者社外取締役(監査等委員・独立役員))及び


                    16
土屋光章氏(対象者社外取締役(監査等委員・独立役員)、日本原子力発電株式会社社外監
査役、株式会社国際協力銀行社外監査役、第一リース株式会社監査役)の4氏から構成され
る第三者委員会(以下「本第三者委員会」といいます。)を設置したとのことです。
 対象者は、平成30年6月22日に、本第三者委員会に対し、対象者が表明すべき意見の内容
を検討する前提として、(a)本公開買付けを含む子会社化取引の目的は合理的か(対象者の
企業価値向上に資するかを含む。)、(b)本公開買付けを含む子会社化取引における買付条
件(公開買付価格を含む。)の公正性が確保されているか、(c)本公開買付けを含む子会社
化取引において公正な手続を通じた株主の利益への十分な配慮がなされているか、(d)(a)
乃至(c)のほか、本公開買付けを含む子会社化取引は対象者の少数株主にとって不利益なも
のではないか((a)乃至(d)を総称して、以下「本諮問事項」といいます。)について検
討し、これらの点について対象者の取締役会に意見を述べることを諮問したとのことです。
 本第三者委員会は、平成30年6月29日より同年8月1日までの間に合計7回開催され、本
諮問事項についての協議及び検討を慎重に行ったとのことです。
 本第三者委員会は、本諮問事項の検討にあたり、対象者から、対象者より提出された各資
料に基づき、公開買付者の提案内容、子会社化取引の目的及びこれにより向上することが見
込まれる対象者の企業価値の具体的内容等についての説明を受け、これらの点に関する質疑
応答を行ったとのことです。さらに、本第三者委員会は、対象者から、対象者の事業計画に
ついて説明を受け、質疑応答を行うとともに、みずほ証券から、みずほ証券が対象者に対し
て提出した対象者株式価値算定書に基づき、対象者の株式価値の分析に関する説明を受け、
質疑応答を行い、また、TMI総合法律事務所から子会社化取引に係る手続等に関する説明
を受け、質疑応答を行ったとのことです。本第三者委員会は、これらの検討を前提として、
平成30年8月3日に、対象者の取締役会に対して、委員全員の一致で、大要、以下の内容の
答申書を提出したとのことです。
(ⅰ)子会社化取引の目的の合理性については、対象者から説明を受けた内容等について検
   討すると、子会社化取引は、対象者を取り巻く厳しい外部環境の下において、対象者
   がその経営基盤を強化するとともに、事業戦略の推進を加速させるために有効な手段
   であって、子会社化取引によって対象者には対象者プレスリリースの「3.本公開買
   付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③公
   開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」
   及び「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」記載の事
   業シナジーが発生するものと認められるとともに、これらの事業シナジーを早期に生
   じさせるためには、対象者が公開買付者の子会社となる子会社化取引を行うことは合
   理的な選択であると認められる。また子会社化取引後に想定されている諸施策の中に
   は、対象者が公開買付者の完全子会社となることによって事業シナジーを最大限に発
   揮できるものも多いと思われることも踏まえると、対象者としては、事業シナジーを
   最大化するためには、可能であるならば、対象者が買付者の完全子会社となることが
   最善の手段であると判断したことも合理的であると認められる。さらに、公開買付者
   を、子会社化取引の最適の相手方として選択した理由として対象者から説明されてい
   る、提携する同業他社としては、対象者と企業風土に高い親和性があることや、特徴
   ある両社の経営資源の強みを相互に活用することで最もシナジーを発揮できると考


                    17
   えられること、公開買付者が対象者における鉄鋼建設資材事業と農業資材事業の一体
   経営を深く理解していること等は、子会社化取引の相手方として、公開買付者を選択
   した理由として、適切であると認められる。以上からすると、完全子会社化を含む、
   子会社化取引の目的は合理的であり、また公開買付者を相手方とする子会社化取引は
   適切であることから、子会社化取引は対象者の企業価値向上に資するものであると判
   断される。
(ⅱ) 子会社化取引の買付条件については、(ア)本公開買付価格は、対象者がみずほ証券
   から取得した対象者株式価値算定書における算定結果のうち、市場株価基準法の算定
   結果の上限を上回り、かつ、DCF法による算定結果のレンジに照らして、その中央
   値を上回る金額であり、また、DCF法による算定の基礎となる割引率(WACC)
   及び永久成長率について、その感応度分析において用いた数値のそれぞれ中央値を使
   用して算出された対象者株式1株当たりの株式価値を上回っているとともに、対象者
   株式の市場株価に対して、相応のプレミアムが付されていることに加えて、みずほ証
   券がDCF法による分析に用いた対象者の財務予測(事業計画)においては、対前年
   度比較において大幅な増益が見込まれている事業年度が含まれている点も考慮する
   と、対象者の株式価値を適切に反映していると評価できること、(イ)子会社化取引
   に係る交渉過程の手続が公正であると認められること、(ウ)対抗的な買付け等の機
   会を確保していること、(エ)本非公開化手続が行われる場合において、本公開買付
   けに応募しなかった対象者の各株主に対して交付される金銭の額は、本公開買付価格
   に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定さ
   れる予定である旨が、対象者のプレスリリース等で明示される予定であること、
                                      (オ)
   本公開買付けの公表時点において、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対
   象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合の対応策が決定
   されていないとしても、子会社化取引における買付条件が公正ではないと評価する事
   情とはならないこと、(カ)公開買付者は本公開買付けの実施について、(a)対象
   者が本公開買付けに対して賛同する旨及び対象者の株主の皆様に対して本公開買付
   けに応募することを推奨する旨の取締役会決議を行い、当該決議が公表されており、
   かつその意見表明が撤回されていないこと、(b)独占禁止法に基づき行われる公正
   取引委員会の企業結合審査の結果において、排除措置命令(独占禁止法第17条の2第
   1項)を行わない旨の通知を受けること、(c)本公開買付けの開始時点において、
   対象者及び対象者の子会社に関する未公表の重要事実(法第166条第2項に定める重
   要事実、並びに法第167条第2項に定める公開買付等の実施に関する事実及び中止に
   関する事実をいうが、本公開買付けに関する事実を除く。)が存在していないこと、
   (d)本公開買付けの開始時点において、対象者の連結ベースでの事業、財政状況、
   経営成績、資産、キャッシュフロー、将来の収支計画等に天災・火災・爆発等、不可
   抗力なものに起因する重大な悪影響を与える又は与え得る事象が存在しないこと、及
   び(e)本公開買付けの開始時点において、子会社化取引を制限又は禁止する旨のい
   かなる法令等又は司法機関、行政機関その他の権限ある機関によるいかなる命令、処
   分、決定若しくは判決も存在していないことを前提条件としているが、これらは合理
   的な前提条件であり、本公開買付けの実施が合理的に見込まれること、及び(キ)本


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   公開買付けが開始される際に、本第三者委員会が対象者の取締役会に対して、平成30
   年8月3日付答申書において表明した意見に変更がないか否かを検討し、対象者の取
   締役会に対して意見を述べる機会が確保され、それを受けて対象者の取締役会が改め
   て本公開買付けに関する意見表明の決議を行うことが予定されていることからすれ
   ば、本公開買付価格その他の子会社取引における買付条件は子会社化取引における公
   正な手続に従って決定されており、本公開買付価格の水準は対象者の株式価値を適切
   に反映し、かつ、プレミアム水準も適正であること、さらにその他の買付条件は合理
   的と認められることから、子会社化取引における買付条件(公開買付価格を含む。)
   は公正であると判断される。
(ⅲ) 子会社化取引に係る手続の公正性については、(ア)独立した外部の専門家であるみ
   ずほ証券及びTMI総合法律事務所からの助言・意見等を取得していること、(イ)
   対象者は、本公開買付価格を含む子会社化取引における買付条件について、公開買付
   者との間で実質的な協議・交渉を十分に行っていること、(ウ)子会社化取引に係る
   協議、検討及び交渉の過程で、公開買付者その他の子会社化取引に特別な利害関係を
   有する者が対象者側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は存在しないこと、
   (エ)対抗的な買付け等の機会を確保していること等を踏まえれば、同種の案件にお
   いて採用されている、公正性を担保するために有効と認められる措置が複数講じられ
   ているから、公正な手続を通じた株主の利益への十分な配慮がなされていると判断さ
   れる。
(ⅳ) 前記(ⅰ)乃至(ⅲ)の事項を踏まえると、子会社化取引は対象者の少数株主にとっ
   て不利益ではないと判断される。


 また、対象者は、平成30年8月6日開催の対象者の取締役会において、本公開買付けが開
始される際に、本第三者委員会に対して、本第三者委員会が対象者の取締役会に対して提出
した平成30年8月3日付答申書において表明した意見に変更がないか否かを検討し、対象者
の取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べる
よう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で改めて本公
開買付けに関する意見表明の決議を行うこととしたとのことです。今般、対象者は、公開買
付者から、平成31年1月18日に、同日付で公正取引委員会より排除措置命令を行わない旨の
通知書を受領し、本前提条件が充足する目処がついたことから、本公開買付けを平成31年2
月4日から開始したい旨の連絡を受け、平成31年1月22日に、本第三者委員会に対して、平
成30年8月3日付答申書の内容に変更がないかを検討し、対象者の取締役会に対して、変更
がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したとのことで
す。本第三者委員会は、かかる諮問を受けて、対象者が前記「(2)本公開買付けの実施を
決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」 「①
                                       の
本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、
平成31年2月1日付で本業績予想修正をすることを見込んでいたことから当該業績予想の下
方修正による影響も含めて、平成30年8月3日以降、平成31年1月31日までの間に、平成30
年8月3日時点における本公開買付けに係る本第三者委員会の判断を変更する要因は発生し




                     19
ていないことを確認し、平成31年1月31日に、対象者の取締役会に対して、平成30年8月3
日付答申書の内容に変更がない旨の平成31年1月31日付答申書を提出したとのことです。


⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認
 対象者プレスリリースによれば、対象者は、みずほ証券から取得した対象者株式価値算定
書の内容及びTMI総合法律事務所からの法的助言等並びに本第三者委員会から取得した答
申書その他の関連資料を踏まえ、本公開買付けを含む子会社化取引の諸条件について慎重に
審議及び検討を行った結果、対象者を取り巻く事業環境の構造的変化に対応すべく、中期経
営計画「ASAHI2018プロジェクト」で掲げた「スペシャリティ分野(強みを有する分野)への
経営資源のシフト」の強化とスピードアップを進め、各施策を早期に実現するためには、対
象者の経営を深く理解している同業他社との提携により事業戦略を加速的に推進し市場競争
力を高めることが有効であり、その中でも、特定の支配株主が存在しない上場会社であり、
対象者と企業風土等の親和性が高く、両社の経営資源の強みを相互に活用することができ、
かつ、対象者の鉄鋼建設資材事業と農業資材事業及び砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業
の一体経営を深く理解している公開買付者の子会社となることで、公開買付者と最大限強固
な連携関係を構築でき、それによって、子会社化取引後に想定されている諸施策を実施し、
最も高い事業シナジーを発揮できると判断するに至ったとのことです。また、対象者は、事
業環境の構造的変化に迅速に対応し、対象者における公開買付者との提携による事業シナジ
ーの発生を早期に実現するためには、対象者における機動的な意思決定を実現することが必
要であり、また、子会社化取引後に想定されている諸施策の中には、対象者が公開買付者の
完全子会社となることで、事業シナジーを最大限、実現できる施策も数多く含まれているこ
とから、対象者としては、事業シナジーを最大化するためには対象者が公開買付者の完全子
会社となることが最善の手段であると判断するに至り、平成30年8月6日開催の対象者の取
締役会において、同日時点における対象者の意見として、審議及び決議に参加した取締役(監
査等委員である取締役を含みます。)の全員一致により、本公開買付けに賛同する旨及び対
象者の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨することを決議したとのこ
とです。
 今般、対象者は、公開買付者から、平成31年1月18日に、同日付で公正取引委員会より排
除措置命令を行わない旨の通知書を受領し、本前提条件が充足する目処がついたことから、
本公開買付けを平成31年2月4日から開始したい旨の連絡を受け、前記「④対象者における
独立した第三者委員会の設置」に記載のとおり、本第三者委員会が対象者の取締役会に提出
した平成30年8月3日付答申書の内容に変更がない旨の平成31年1月31日付答申書等を踏ま
え、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討した結果、平成30年8月6日以
降、平成31年2月1日までの間に、平成30年8月6日時点における本公開買付けに係る対象
者の判断を変更する要因は発生していないことを確認し、平成31年2月1日現在においても、
本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、対
象者の株主の皆様に対して合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断し
て、平成31年2月1日開催の対象者の取締役会において、審議及び決議に参加した取締役(監
査等委員である取締役を含みます。)の全員一致により、本公開買付けに賛同する旨及び対
象者の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議したとのことで


                     20
  す(なお、前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の
  過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「①本公開買付けの実施を決定するに至った背
  景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者は、本業績予想修正によって平成30
  年8月6日時点における本公開買付けに係る対象者の判断を変更する必要はないと考えてい
  るとのことです。)。


 ⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
   公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるとこ
  ろ、30営業日としております。公開買付期間を比較的長期間に設定することにより、対象者
  の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付
  者以外にも買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性も担保することを
  企図しております。さらに、公開買付者と対象者は、対象者が対抗的買収提案者と接触する
  ことを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で
  接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておらず、上記公開買付期間の設
  定と合わせ、対抗的な買付けの機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保
  にも配慮しております。


(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
 公開買付者は、前記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者を公開買付者の完
全子会社化(非公開化)又は連結子会社化するための子会社化取引の一環として、本公開買付け
を実施いたします。また、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者株式に係る議決
権の数の合計が基準議決権数(46,666個)以上であることを条件に、以下に記載する本非公開化
手続を実施することを企図しております。なお、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する
対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合の本非公開化手続の実施
の有無については、本公開買付け開始までに対象者との協議の上で決定し、お知らせすることと
しておりました。その後の協議の結果、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者株
式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合には、本非公開化手続を実施しない
こととし、公開買付者は、対象者に対して、本非公開化手続の実施を要請しない旨を本日の取締
役会で決議いたしました。したがって、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者株
式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合には、JASDAQ上場廃止基準に
該当しない限り、対象者株式のJASDAQにおける上場は維持される方針です。
 具体的には、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対
象者の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法(平成17年法律第86号。その
後の改正を含みます。以下同じとします。)第179条第1項に規定する特別支配株主となった場
合には、本公開買付けの決済の完了後遅滞なく、会社法第2編第2章第4節の2の規定により、
対象者の株主(但し、公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様に対し、その所有する対象者
株式の全てを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定です。
 本株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金
銭を対象者の株主(但し、公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様に対して交付することを
定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対し本株式売渡


                      21
請求の承認を求めます。対象者がその取締役会決議により本株式売渡請求を承認した場合には、
関係法令の定める手続に従い、対象者の株主の皆様の個別の承諾を要することなく、公開買付者
は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、対象者の株主(但し、公開買付者及び対象
者を除きます。)の皆様が所有する対象者株式の全てを取得します。そして、当該各株主の皆様
が所有していた対象者株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各株主の皆様に対し、
本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。なお、対象者によれば、公開買付者より本株
式売渡請求をしようとする旨の会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合
には、対象者の取締役会は、公開買付者による本株式売渡請求を承認する予定であるとのことで
す。
 株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第
179条の8その他関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主の皆様
は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨
が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の売買価格は、最終的には裁判所が判断
することになります。
 他方で、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が基準議
決権数以上、かつ、対象者の総株主の議決権の数の90%未満となった場合には、公開買付者は、
会社法第180条に基づき対象者株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び
本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うこ
とを付議議案に含む株主総会(以下「本株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買
付けの決済の完了後速やかに対象者に要請する予定です。本株主総会の開催時期は、本公開買付
けの成立の時期により異なるものの、現時点では、平成31年6月開催予定の定時株主総会を予定
しております。なお、公開買付者は、本株主総会において当該議案に賛成する予定です。
 本株主総会において本株式併合の議案についてご承認いただいた場合には、対象者の株主の皆
様は、本株式併合がその効力を生じる日において、本株主総会において承認が得られた本株式併
合の割合に応じた数の対象者株式を所有することになります。本株式併合をすることにより対象
者株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主の皆様に対して、会社法第235
条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数
がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じとします。)に相当する対象者株式を
対象者又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当
該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに
応募されなかった対象者の株主(但し、公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様に交付され
る金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主の皆様が所有していた対象者株式の数を乗じた価格
と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要
請する予定です。
 本株式併合の割合は、本日現在において未定ですが、公開買付者のみが対象者株式の全て(但
し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募
されなかった対象者の株主(但し、公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様の所有する対象
者株式の数が1株に満たない端数となるように決定する予定です。
 また、本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式
併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより対象者株式の数に1株に満たない端


                     22
数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、所定の
条件を充たす場合には、公開買付者及び対象者を除く株主の皆様は、対象者に対し、自己の所有
する対象者株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請
求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格決定の申立てを行うことができる
旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかっ
た対象者の株主(但し、公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様が所有する対象者株式の数
は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する対象者の株主の皆様は、上記
申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、
最終的には裁判所が判断することになります。
 上記各手続については、関係法令の改正や、関係法令についての当局の解釈等の状況、本公開
買付け後の公開買付者の株券等所有割合及び公開買付者以外の対象者の株主の皆様の対象者株
式の所有状況等によっては、実施に時間を要し、又はそれと概ね同等の効果を有するその他の方
法に変更する可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けの成立後、公開買付者が所
有する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数以上であることを条件に、上記各手続
を実施する予定であることには変わりありません。本公開買付けに応募されなかった対象者の各
株主(但し、公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様に対しては、最終的に金銭を交付する
方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主の皆様に交付される金銭の額については、
本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算
定する予定です。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、決定次第、
対象者が速やかに公表する予定とのことです。
 一方で、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者株式に係る議決権の数の合計が
基準議決権数未満となった場合の本非公開化手続の実施の有無については、本公開買付け開始ま
でに対象者との協議の上で決定し、お知らせすることとしておりました。その後の協議の結果、
本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権
数未満となった場合には、本非公開化手続を実施しないこととし、公開買付者は、対象者に対し
て、本非公開化手続の実施を要請しない旨を本日の取締役会で決議いたしました。したがって、
本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権
数未満となった場合には、本非公開化手続は実施されず、JASDAQ上場廃止基準に該当しな
い限り、対象者株式のJASDAQにおける上場は維持される方針です。この場合、公開買付者
は、現時点においては、対象者株式を追加で取得することは予定しておりません。もっとも、本
公開買付け後の公開買付者による対象者株式の所有状況及び公開買付者以外の対象者の株主の
対象者株式の所有状況等によっては、将来において対象者株式を追加で取得する可能性があるこ
とを否定するものではありません。
 なお、本公開買付けは、本株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものではあ
りません。加えて、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、
対象者の株主の皆様が自らの責任におかれまして税務専門家にご確認いただきますようお願い
いたします。




                      23
(5)上場廃止となる見込み及びその事由
 対象者株式は、本日現在、JASDAQに上場しておりますが、公開買付者は本公開買付けに
おいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式は、
東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。ま
た、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの
成立後、公開買付者が所有する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数以上となった
場合には、本非公開化手続を実施し、公開買付者が対象者株式の全て(但し、対象者が所有する
自己株式を除きます。 を取得することを予定しており、
          )               本非公開化手続が実行された場合には、
対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。加えて、対象者が本非公開化手続を実施
する場合には、本非公開化手続に従って、本公開買付けに応募されなかった対象者の各株主(但
し、公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採
用される予定であり、その場合に当該各株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買
付価格に当該各株主の皆様が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定
する予定です。なお、上場廃止後は、対象者株式をJASDAQにおいて取引することはできま
せん。
 一方で、当社平成30年8月6日付プレスリリースにおいて、本公開買付けの成立後、公開買付
者が所有する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合の本非公開
化手続の実施の有無については、本公開買付け開始までに対象者との協議の上で決定し、お知ら
せすることとしておりました。その後の協議の結果、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有
する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合には、本非公開化手続
を実施しないこととし、公開買付者は、対象者に対して、本非公開化手続の実施を要請しない旨
を本日の取締役会で決議いたしました。したがって、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有
する対象者株式に係る議決権の数の合計が基準議決権数未満となった場合には、本非公開化手続
は実施されず、JASDAQ上場廃止基準に該当しない限り、対象者株式のJASDAQにおけ
る上場は維持される方針です。


(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
 該当事項はありません。




                      24
2.買付け等の概要
(1)対象者の概要
① 名                  称   朝日工業株式会社
②   所        在       地   埼玉県児玉郡神川町渡瀬 222 番地
③ 代表者の役職・氏名              代表取締役社長           村上    政徳
                         異形棒鋼、構造用棒鋼、ねじ節鉄筋の製造・販売
④                        有機質肥料、無機肥料の製造・販売、家庭園芸用肥料の製造・販売
    事    業       内   容
                         野菜等種子の生産・販売
                         乾牧草の輸入・販売
⑤ 資          本       金   2,190 百万円(平成 30 年 12 月 31 日現在)
⑥ 設      立   年   月   日   平成3年 10 月 29 日
                         阪和興業株式会社                                            8.57%
                         三井物産株式会社                                            8.57%
                         アサガミ株式会社                                            7.46%
⑦                        片倉コープアグリ株式会社                                        4.29%
    大株主及び持株比率            CHASE MANHATTAN BANK GTS CLIENTS ACCOUNT ESCROW     4.25%
    (平成 30 年9月 30        (常任代理人        株式会社みずほ銀行)
    日現在)                 農林中央金庫                                              3.00%
                         東京鐵鋼株式会社                                            2.86%
                         日本マタイ株式会社                                           2.59%
                         伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社                                  2.57%
                         カネヒラ鉄鋼株式会社                                          2.57%
⑧ 公開買付者と対象者の関係
    資    本       関   係   該当事項はありません。
    人    的       関   係   該当事項はありません。
    取    引       関   係   該当事項はありません。
    関 連 当 事 者 へ の
                         該当事項はありません。
    該    当       状   況
(注)「大株主及び持株比率」は、対象者が平成 30 年 11 月 13 日に提出した第 28 期第2四半期
        報告書の「大株主の状況」より転記しております。


(2)日程等
①   日程
 取締役会決議                     平成 31 年2月1日(金曜日)
                            平成 31 年2月4日(月曜日)
 公開買付開始公告日                  電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。
                          (電子公告アドレス           http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)
 公開買付届出書提出日                 平成 31 年2月4日(月曜日)




                                         25
②   届出当初の買付け等の期間
 平成 31 年2月4日(月曜日)から平成 31 年3月 18 日(月曜日)


③   対象者の請求に基づく延長の可能性
 該当事項はありません。


(3)買付け等の価格
 普通株式1株につき、金 1,800 円


(4)買付け等の価格の算定根拠等
①   算定の基礎
    公開買付者は、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び対象者から独立した第
 三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対し、対象者
 の株式価値の算定を依頼しました。なお、SMBC日興証券は公開買付者及び対象者の関連当
 事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。
    SMBC日興証券は、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式の株式価値の算定にあた
 り採用すべき算定手法を検討の上、対象者株式がJASDAQに上場しており、市場株価が存
 在することから市場株価法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を
 用いて対象者の株式価値の算定を行い、公開買付者はSMBC日興証券から平成30年8月3日
 付で本株式価値算定書を取得しました。また、公開買付者はSMBC日興証券から、本公開買
 付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
    本株式価値算定書によると、採用した上記各手法において算定された対象者株式の1株当た
 りの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです。


    市場株価法       :1,264円∼1,321円
    DCF法        :1,440円∼2,366円


    市場株価法では、平成30年8月3日を算定基準日として、対象者株式のJASDAQにおけ
 る直近1ヶ月間の終値単純平均値1,264円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,282円及び直近6
 ヶ月間の終値単純平均値1,321円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を、1,264
 円から1,321円までと算定しております。
    DCF法では、対象者が作成した対象者の事業計画(平成31年3月期から平成33年3月期ま
 での3年間)における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象
 者が平成31年3月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定
 の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者株式の1株当
 たりの価値の範囲を、1,440円から2,366円までと算定しております。
    なお、SMBC日興証券がDCF法による分析に用いた対象者の事業計画においては、鉄鋼
 建設資材事業における高強度鉄筋やねじ節鉄筋、構造用棒鋼の特殊鋼の販売拡大による鋼種シ
 フト、OEM等の新規プロジェクトの取組み、農業資材事業における有機質肥料への経営資源
 シフト等により、平成31年3月期における営業利益の黒字転換、平成32年3月期事業年度にお


                            26
いて前期比約70%の営業利益の増加をそれぞれ織り込んでおり、前期比で大幅な増益となるこ
とを見込んでおります。なお、子会社化取引の実行により実現することが期待されるシナジー
効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、事業計画には加味
しておりません。
 公開買付者は、SMBC日興証券から取得した本株式価値算定書の算定結果に加え、対象者
取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、過去に行われた本公開買付けと同種の発行者以
外の者による株券等の公開買付けの事例(完全子会社化を前提とした公開買付けの事例)にお
いて買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアムの実例、対象者株式の市場株価の動向、
公開買付者において実施した対象者に対する平成29年10月中旬から平成29年11月上旬まで及
び平成30年2月下旬から平成30年5月下旬までの期間におけるデュー・ディリジェンスの結果
及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果等
を踏まえ、平成30年8月6日に、本公開買付価格を1株当たり1,800円とすることを決定いた
しました。その後、公開買付者は、対象者の業況や子会社化取引を取り巻く環境等に重大な変
更が見られず、対象者に対する平成30年12月上旬から平成31年1月下旬までの期間における追
加的なデュー・ディリジェンスの実施等を通じ、対象者の企業価値に重大な影響を与える事象
はないと判断し(公開買付者は、対象者から、前記「1.買付け等の目的等」の「(2)本公
開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の
経営方針」の「①本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に
記載のとおり、本業績予想修正の説明を受けましたが、公開買付者として、本業績予想修正は、
主に主原料価格の循環的変動に起因するものであると考えられることから、対象者の事業計画
及び企業価値に重大な影響を与える事象ではないと判断しております。)、平成31年2月1日
付で、本公開買付価格を変更しないことを決定しております。
 なお、本公開買付価格である1,800円は、本公開買付けの実施予定について公表した日(平
成30年8月6日)の前営業日である平成30年8月3日のJASDAQにおける対象者株式の終
値1,289円に対して39.64%(小数点以下第三位四捨五入。以下、本項のプレミアムの計算にお
いて同じとします。)のプレミアムを加えた価格、平成30年8月3日までの過去1ヶ月間の終
値単純平均値1,264円に対して42.41%のプレミアムを加えた価格、平成30年8月3日までの過
去3ヶ月間の終値単純平均値1,282円に対して40.41%のプレミアムを加えた価格、平成30年8
月3日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,321円に対して36.26%のプレミアムを加えた
価格です。また、本日の前営業日である平成31年1月31日のJASDAQにおける対象者株式
の終値1,795円に対して0.28%のプレミアムを加えた価格です。
(注) SMBC日興証券は、本株式価値算定書の作成にあたり、その基礎とされている資料及
   び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関し
   て独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。また、対
   象者及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行ってお
   らず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行なっておりません。これらの
   資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異な
   る可能性があります。さらに、対象者及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、
   環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書に
   重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。S


                       27
      MBC日興証券が、本株式価値算定書で使用している事業計画等は、算定基準日におけ
      る最善の予測及び判断に基づき、情報提供者により合理的かつ適正な手続に従って作成
      されたことを前提としております。また、本株式価値算定書において、SMBC日興証
      券は提供された資料及び情報に基づき、一定の仮定をおいて分析を行っている可能性が
      ありますが、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提として
      おります。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性につ
      いて独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。
      なお、SMBC日興証券の算定結果は、SMBC日興証券が公開買付者の依頼により、
      公開買付者の取締役会が本公開買付価格を決定するための参考に資することを唯一の
      目的として公開買付者に提出したものであり、当該算定結果は、SMB