5406 神戸鋼 2021-08-05 15:30:00
株式会社神戸製鋼所による株式会社神鋼環境ソリューションの簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ [pdf]
2021 年 8 月 5 日
各 位
会 社 名 株式会社神戸製鋼所
代表者名 代表取締役社長 山口 貢
(コード: 5406、東証第一部)
問合せ先 執行役員 総務・CSR 部長
中森 慶太郎
(TEL.03-5739-6010)
会 社 名 株式会社神鋼環境ソリューション
代表者名 取締役社長 大濵 敬織
(コード: 6299、東証第二部)
問合せ先 総務部長 芳野 真弘
(TEL.078-232-8018)
株式会社神戸製鋼所による株式会社神鋼環境ソリューションの
簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ
株式会社神戸製鋼所(以下「神戸製鋼所」といいます。
)及び株式会社神鋼環境ソリューション(以下「神
鋼環境ソリューション」といい、神戸製鋼所と神鋼環境ソリューションを総称して「両社」といいます。
)は、
2021 年 8 月 5 日開催の両社の取締役会において、神戸製鋼所を株式交換完全親会社とし、神鋼環境ソリュー
ションを株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。
)を行うことを決議し、両社
間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。
)を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせ
いたします。
なお、本株式交換は、神戸製鋼所においては、会社法(平成 17 年法律第 86 号。その後の改正を含みます。
以下同じです。
)第796 条第2 項の規定に基づく株主総会の承認を必要としない簡易株式交換の手続きにより、
また、神鋼環境ソリューションについては、2021 年 9 月 30 日に開催予定の臨時株主総会において本株式交換
契約の承認を受けた上で、2021 年 11 月 1 日を効力発生日として行う予定です。
また、本株式交換の効力発生日(以下「本効力発生日」といいます。
)に先立ち、神鋼環境ソリューション
の普通株式(以下「神鋼環境ソリューション株式」といいます。
)は、株式会社東京証券取引所(以下「東京
証券取引所」といいます。
)市場第二部において 2021 年 10 月 28 日付で上場廃止(最終売買日は 2021 年 10 月
27 日)となる予定です。
記
1.本株式交換の目的
神戸製鋼所は、1905 年 9 月に合名会社鈴木商店が小林製鋼所を買収、神戸製鋼所と改称したことを発祥と
し、1911 年 6 月に合名会社鈴木商店から分離、株式会社神戸製鋼所として設立されました。KOBELCO グループ
(神戸製鋼所を中核企業とした企業グループをいいます。以下同じです。
)は、2021 年 3 月 31 日現在、神戸製
鋼所及び子会社 212 社、関連会社 50 社から構成されており、鉄鋼アルミ事業、素形材事業、溶接事業、機械
事業、エンジニアリング事業、建設機械事業、電力事業及びその他事業を営んでおります。
KOBELCO グループは、鋳鍛鋼メーカーとしてスタートし、機械事業、鉄鋼の圧延、銅、エンジニアリング、
建設機械、アルミ、溶接とその事業を徐々に広げてまいりました。110 年を超える歴史の中で、社会のニーズ
に応え、選択と拡大を進めてきた結果、現在、鉄鋼やアルミ等の素材、鋳鍛鋼やアルミ鋳鍛等の素形材、溶接
材料等からなる「素材系事業」
、産業用機械、エンジニアリング、建設機械からなる「機械系事業」
、そして
1
「電力事業」の 3 つの事業領域で事業を展開しています。
KOBELCO グループが提供する製品・サービスは、輸送機、電機、建設・土木、産業機械、社会インフラ等あ
らゆる産業の基礎資材となっています。KOBELCO グループは、独自の技術をもとにした代替困難な素材や部材、
省エネルギーや環境に配慮した様々な機械製品やエンジニアリング技術等、KOBELCO グループ独自の多彩な製
品群を幅広いお客様に供給することで、競争優位性を生みだしています。また、電力事業では、極めて重要な
社会的インフラである電力の供給という公共性の高いサービスを提供しており、KOBELCO グループは社会的に
も大きな責任を担っているものと考えています。
KOBELCO グループを取り巻く事業環境としては、鉄鋼業界を取り巻く構造的な問題の拡大や、コロナ禍を契
機とした産業構造の変化に加え、カーボンニュートラルの実現に向けた社会変革、さらに、デジタルトランス
フォーメーションの進展等が予想されますが、いずれも、事業構造変革と新たな収益獲得の機会として、積極
的に取り組んでいく必要があります。こうした状況を踏まえ、2021 年 5 月に神戸製鋼所が公表した「KOBELCO
グループ 中期経営計画(2021~2023 年度)
」においては、KOBELCO グループが実践すべき最重要課題を「安定
収益基盤の確立」と「カーボンニュートラルへの挑戦」といたしました。これらの経営課題は、多様な技術と
人材をもつ KOBELCO グループにとって、多様な事業を営む企業としての強みを活かし、社会に貢献できる新た
なビジネスチャンスでもあります。
まず、この中期経営計画の期間を「素材系を中心とする収益力強化」等の取り組みを更に深化させ、
KOBELCO グループとして「安定収益基盤を確立」する期間と位置付け、新規電力プロジェクトの収益貢献がフ
ルに寄与する 2023 年度に ROIC(投下資本収益率)5%以上の収益レベルを確保し、さらに、将来の姿として、
ROIC 8%以上を安定的に確保する、持続的に成長する企業グループを目指しています。このために、5 つの重
点施策、具体的には「鋼材事業の収益基盤強化」「新規電力プロジェクトの円滑な立上げと安定稼働」「素材
、 、
系事業の戦略投資の収益貢献」「不採算事業の再構築」「機械系事業の収益安定化と成長市場への対応」を着
、 、
実に実行していく計画を進めております。
このうち、機械系事業については、社会インフラ、水素・再生エネルギー関連、MIDREX®の CO2削減をはじ
めとした環境貢献メニューの引き合いは増加傾向にあり、グループ内連携を促進しながら積極的に受注に取り
組んでおります。
また、
「カーボンニュートラルへの挑戦」に関しては、カーボンニュートラルへの移行や社会変革はグロー
バルで明確な潮流となっており、KOBELCO グループとしては、内部・外部環境において、リスクと機会、双方
の要因を抱えている中、2050 年のカーボンニュートラルへ挑戦し、その移行の中で企業価値の向上を図るこ
とが目指すべき将来像と考えております。特に神戸製鋼所は CO2排出量が多い高炉、石炭火力発電を保有して
おり、神戸製鋼所が排出する CO2に対する削減対策コストの増加や、投資家等のダイベストメントの動きが懸
念されることから、リスクの最小化に対しては、2050 年のカーボンニュートラル達成に向け、高炉での
MIDREX®技術活用等の KOBELCO グループ独自技術の開発推進、外部の革新技術の活用等により、CO2削減に果
敢に取り組んでおります。そして、機会の最大化には、MIDREX®、自動車軽量化・電動化への素材供給等、
CO2排出削減に貢献する多様なメニューと多様な技術の融合を可能にする強みを活かし、これらメニューの需
要拡大をビジネスチャンスとして捉えております。
このうち、電力事業においては、神戸発電所の蒸気をもとにした周辺地域への熱・水素供給による地域全体
でのエネルギー利用の高効率化、電力事業とエンジニアリング事業の連携によるバイオマス燃料(下水汚泥、
食品残渣)の混焼、アンモニア混焼等の取り組みを強化し、世界最先端の都市型石炭火力発電所として事業継
続を目指しております。
なお、神戸製鋼所は 2021 年 7 月に、世界的な ESG(環境・社会・ガバナンス)投資指数である「FTSE4Good
Index Series」並びに「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に初めて選定されたことを公表いたしました。
「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」は、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)の完全
、
子会社である FTSE Russell により選定される、ESG 投資における代表的な投資指数です。世界各国の企業を
調査対象として、環境、社会、ガバナンスについて優れた対応を行っている企業が選定されており、サステナ
ブル投資の対象企業の選定等に広く利用されています。
「FTSE Blossom Japan Index」は日本企業に特化して、
環境、社会、ガバナンスを調査・選定したもので、世界最大規模の公的年金積立金管理・運用組織である
「GPIF」
(年金積立金管理運用独立行政法人)において、ESG 投資指数のひとつに採用されています。
2
KOBELCO グループでは、課題を解決する技術を融合し、ソリューション提案力を磨き、社会的要請や産業構
造の変化に対応することにより、お客様や社会にとって“かけがえのない存在”としてあり続けるとともに、
「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。
」の実現を目指しており
ます。
一方、神鋼環境ソリューションは、1954 年 6 月に神戸製鋼所とファウドラー社(米国)との共同出資によ
り、グラスライニング製機器等の化学工業用機器の製造販売を目的に神鋼フアウドラー株式会社として設立さ
れ、1957 年 12 月に水処理装置、1962 年 3 月に冷却塔、同年 11 月に下水及び有機廃水処理装置のビジネスに
参入いたしました。1989 年 10 月に社名を神鋼パンテツク株式会社に変更し、1994 年の株式会社大阪証券取引
所(以下「大阪証券取引所」といいます。
)市場第二部への株式上場後、2003 年 10 月に神戸製鋼所の環境ビ
ジネス部門との事業統合に伴う現社名への変更を経て、2013 年 7 月の東京証券取引所と大阪証券取引所との
現物株式市場の統合に伴い、現在、東京証券取引所市場第二部に株式を上場しております。
神鋼環境ソリューショングループ(神鋼環境ソリューションを中核企業とした企業グループをいいます。以
下同じです。
)は、2021 年 3 月 31 日現在、神鋼環境ソリューション及び子会社 28 社で構成され、水処理関連
事業、廃棄物処理関連事業及び化学・食品機械関連事業に係る製品の製造販売に加え、各事業に関連するアフ
ターサービス等の事業活動を展開しております。
水処理関連事業及び廃棄物処理関連事業は、環境に関わる事業領域で広く積極的に活動を展開しており、
KOBELCO グループのエンジニアリング事業の一翼を担っております。神鋼環境ソリューショングループは、水
処理・廃棄物処理での多くの特長ある環境負荷低減技術を保有しており、お客様のニーズに合わせた水処理設
備、廃棄物発電設備等のソリューションを提供することにより、環境に優しい地域作りに貢献しております。
また、化学・食品機械関連事業は、創業以来多くのお客様のものづくりに貢献してきたグラスライニング製
機器等の製造・販売により高品質なものづくりが求められるファインケミカル、医薬品、電子材料、食品等の
産業分野で貢献し、人々の暮らしに寄与してまいりました。さらに、次世代エネルギーとして注目されている
水素に関し、神鋼環境ソリューションでは、水電解式高純度水素発生装置(HHOG)の製造・販売により水素
ユーティリティとしての納入実績を豊富に有し、今後は再生可能エネルギーを利用した CO2フリー水素の普及
拡大等、低炭素社会実現への貢献が期待されております。以上の事業活動を通じて、世界規模で地球温暖化や
循環型社会の構築が重要な課題となる中、その解決のため神鋼環境ソリューショングループの果たすべき役
割・使命は今後更に大きくなると考えております。
神鋼環境ソリューショングループを取り巻く事業環境は、水処理及び廃棄物処理の環境関連事業に係る国内
公共投資が、
「防災・減災、国土強靭化のための 5 か年加速化対策」等により、当面、堅調に推移すると考え
られる一方で、人口減少・広域化・官民連携等の市場変化への迅速な対応が必要であると認識しております。
また、海外においては、主に東南アジアの新興国において、上水道を中心とした水処理関連インフラの整備や
大規模工業団地の排水処理等の需要が継続している状況下、更なる受注拡大を実現するために、案件遂行力の
更なる強化、現地パートナーとの協業関係の構築・深化が必要であると認識しております。
このような認識のもと、神鋼環境ソリューションが 2021 年 5 月に公表した「2021~2023 年度中期経営計画」
においては、
「両利きの経営(既存事業の競争力強化・成長分野への積極投資)による持続的成長の実現~既
存事業で安定収益基盤を確保しつつ、成長分野へ積極的に踏み込むことで持続的成長を実現する~」を基本方
針としております。「既存事業の競争力強化」として、CO2削減につながる下水汚泥や廃棄物をエネルギー源
とした発電等の事業展開、また、化学・食品機械関連事業におけるオンリーワン技術の追求及びグローバル市
場を含めた事業拡大への基盤づくりに取り組んでおります。また、
「成長分野への積極投資」として、海外に
おける上水道整備、廃棄物発電等に取り組むとともに、CO2削減や再生可能エネルギーの利用拡大等、地域・
お客様の課題解決に役立つコア技術の提供、新規事業の推進を展開しております。さらに、国内外ともカーボ
ンニュートラルへの社会変革の中、環境負荷低減につながる投資が拡大すると予想され、DX(デジタルトラン
スフォーメーション)化等の業務基盤の整備と併せて加速させる必要があるものと認識しております。
従前から、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションは、お互いの連携強化により、エンジニアリングビジネ
スの収益力強化や新規事業創出に向けた取り組みを進めてまいりました。実際に、個別プロジェクト案件での
協業は進展しており、神鋼環境ソリューションによる廃棄物発電案件の海外展開において、神戸製鋼所エンジ
ニアリング事業が有する海外プロジェクトマネジメント力を組み合わせることで、神鋼環境ソリューションの
3
海外案件遂行力を更に高める等、一定の成果を挙げてまいりました。
他方で、世界的な脱炭素化に向けた動きが加速しており、我が国においても 2020 年 10 月 26 日の菅内閣総
理大臣所信表明演説において「2050 年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」方針が宣言され
ています。カーボンニュートラルへの移行や社会変革の進展等神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションを取り
巻く事業環境は急激に変化しております。KOBELCO グループとしての、2050 年のカーボンニュートラル達成や、
水素、バイオマス燃料、再生可能エネルギーといった CO2削減に寄与する分野での新規事業創出、環境貢献メ
ニューでの収益最大化に向けた取り組みを推進していくにあたっては、神鋼環境ソリューションが保有する多
くの特長ある技術の活用が不可欠であり、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの一層の連携強化が必要な
状況と認識しております。そして、神鋼環境ソリューションが保有する環境に関わる事業領域とその裏付けと
なっている技術は、KOBELCO グループのエンジニアリングセグメントの成長及び事業価値向上に対する貢献が
大きく、ひいては、KOBELCO グループ全体の成長と企業価値向上に繋がるものと考えております。従いまして、
かかる成長と企業価値向上を確実に取り込むために、利益相反リスクが内在する親子上場を維持することは、
KOBELCO グループ経営の観点から適切ではないものと考えております。
また、近年、上場子会社のガバナンスに関し、構造上の利益相反リスクとその対応策強化を求める動きが高
まっており、経済産業省策定の 2019 年 6 月 28 日付「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」に
おいても、上場子会社においては、
「取締役会における独立社外取締役の比率を高めること(1/3 以上や過半
数等)を目指すことが基本」とされ、2021 年 6 月 11 日に再改訂されたコーポレートガバナンス・コード補充
原則 4-8③によれば、
「支配株主を有する上場会社は、取締役会において支配株主からの独立性を有する独立
社外取締役を少なくとも 3 分の 1 以上(プライム市場上場会社においては過半数)選任するか、又は支配株主
と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為について審議・検討を行う、独立社外取締役を含む独立性を
有する者で構成された特別委員会を設置するべきである」とされる等、上場子会社の今後の更なるガバナンス
の強化は必須となっています。さらに、東京証券取引所が公表した 2020 年 2 月 21 日付「新市場区分の概要等
について」及び 2020 年 12 月 25 日付「市場区分の見直しに向けた上場制度の整備について(第二次制度改正
事項)
」によれば、2021 年 6 月を移行基準日として、2022 年 4 月より、従来の市場第一部、市場第二部、
JASDAQ(スタンダード及びグロース)
、マザーズの 5 つの市場区分は、新たにプライム市場、スタンダード市
場、グロース市場の 3 市場に整理される方針となっております。現在、東京証券取引所市場第二部に上場して
いる神鋼環境ソリューションは、新市場区分への移行に際してスタンダード市場への移行を選択することにな
るところ、現時点において、神鋼環境ソリューションは東京証券取引所が公表しているスタンダード市場の上
場維持基準である、
「流通株式比率 25%以上」の条件を充たしておりません。この市場区分の見直しに伴う上
場維持基準の変更により、神鋼環境ソリューションが現行の株主構成では上場維持ができなくなる見通しとな
り、上場を維持する場合には更なるガバナンスの強化を求められるようになったことから、神戸製鋼所は、神
鋼環境ソリューション株式に関する取り扱いにつき、神戸製鋼所内で慎重に検討を重ねてまいりました。
具体的には、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションを取り巻く事業環境、今後の企業価値向上に向けた成
長戦略、東京証券取引所の新市場区分への移行の見通し等に伴う上場維持コスト等について検討を行いました。
検討の結果、神戸製鋼所としては、神鋼環境ソリューションを含む KOBELCO グループとしてのシナジーを最大
限に発揮し、かつ取り組みを加速化させ、KOBELCO グループとしての企業価値向上を最大化するには、神鋼環
境ソリューションを完全子会社化することが最善との判断に至ったことから、2021 年 3 月下旬に神戸製鋼所
は神鋼環境ソリューションに対して、株式交換による完全子会社化に向けた初期的提案を行いました。
神鋼環境ソリューションは、親会社で支配株主である神戸製鋼所からの初期的提案を受けて、本株式交換に
係る具体的検討を開始することといたしました。また、具体的検討を開始するに際し、神戸製鋼所からの初期
的提案に対する神鋼環境ソリューション取締役会における意思決定過程の公正性、透明性及び客観性の確保並
びに意思決定の恣意性の排除を目的として、2021 年 4 月 26 日に支配株主である神戸製鋼所との間で利害関係
を有しない独立した委員から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といい、詳細については、下記
(5)
「利益相反を回避するための措置」に記載のとおりです。
)を設置し、併せて神戸製鋼所及び神鋼環境ソ
リューションは、外部専門家を起用する等の具体的検討に向けた体制を整備いたしました。
両社による検討及び協議の結果、神鋼環境ソリューションが神戸製鋼所の完全子会社となることで、神鋼環
境ソリューションによる KOBELCO グループでの新規事業創出及びカーボンニュートラル達成に向けた取り組み
4
の加速が期待できることに加えて、KOBELCO グループ全体の経営資源やネットワークの更なる活用等を通じた
神鋼環境ソリューション事業の拡大、及び中長期的な観点でのグループシナジーをより強く発揮することが可
能となること、また神鋼環境ソリューションの非上場化により、神鋼環境ソリューションが短期的な株式市場
からの評価にとらわれることなく機動的かつ迅速な意思決定が可能となることや、親子上場解消に伴う経費削
減等による経営効率の向上等を図ることができることから、本株式交換による神鋼環境ソリューションの完全
子会社化が神戸製鋼所の企業価値向上のみならず、神鋼環境ソリューションの企業価値向上のためにも有益で
あるとの結論に至りました。
本株式交換により、具体的には、主に以下のシナジーが両社に顕在化すると考えております。
1. 神鋼環境ソリューションを含む KOBELCO グループでの新規事業創出の加速
高純度水素発生装置(HHOG)に代表される水素関連技術、下水汚泥・食品残渣等のバイオマス燃料関連技
術、再生可能エネルギー関連技術等、神鋼環境ソリューションが保有する多くの特長ある技術を KOBELCO
グループ全体で活用することが可能になります。これにより、当該技術を KOBELCO グループが保有する多
様な技術、開発力と融合させることで、CO2削減に寄与する分野をはじめ様々な分野での新規事業創出を
推進・加速させることが、神鋼環境ソリューションを含めて可能となり、神鋼環境ソリューション及び
KOBELCO グループの企業価値最大化につながるものと考えます。
2. KOBELCO グループ全体でのカーボンニュートラル達成に向けた取り組み加速
2050 年カーボンニュートラルを目指し、KOBELCO グループ全体の CO2削減を推進していくにあたり、神戸
製鋼所の電力事業における石炭火力発電所でのバイオマス燃料の混焼の取り組みの他、水素関連技術につ
いては、KOBELCO グループで取り組みを進めている水素ステーション事業や MIDREX H2™(水素のみを還元
剤とする直接還元製鉄)等、国内外で実施している各種取り組みとの連携を一層強化することで、水素社
会の実現に向けたトータルソリューションの提供等が可能になり、KOBELCO グループが目指す 2050 年カー
ボンニュートラルに向けた取り組みを推進・加速させることが可能と考えます。また、この取り組みを進
める過程において、CCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)を含め、CO2削減に係る新たな技術・知見
を獲得することが期待されます。これらの技術・知見を将来的には外販することによって、KOBELCO グ
ループの収益への貢献についても、あわせて期待できるものと考えます。
3. KOBELCO グループ総合力の活用による神鋼環境ソリューション事業の拡大
KOBELCO グループは幅広い事業領域において事業を展開しており、多様な業界ネットワークやグローバル
な顧客基盤、情報ソースを有するとともに、多彩な技術領域における知的財産・ノウハウ、開発力・解析
力等を有しています。加えて、事業規模に応じた財務基盤や兵庫県をはじめとした特定地域での事業基盤、
多くの海外拠点等を有しており、これら KOBELCO グループが有する豊富な経営資源を、神鋼環境ソリュー
ションが有効的に活用することが可能になると考えております。これにより、神鋼環境ソリューションの
保有する技術・人材・資産の持つ可能性を最大限発揮することが可能となり、その結果として、神鋼環境
ソリューションを含む KOBELCO グループでの新規事業創出や、KOBELCO グループ全体でのカーボンニュー
トラル達成に向けた取り組みが加速されるのみならず、神鋼環境ソリューション既存事業である水処理関
連事業、廃棄物処理関連事業、化学・食品機械関連事業等についても、既存事業の枠組みにとらわれるこ
となく、さらなる発展・成長につながるものと考えます。
また、神戸製鋼所エンジニアリング事業が有する豊富な海外プロジェクトマネジメント力を更に活用する
ことで、神鋼環境ソリューションの水処理関連事業や廃棄物処理関連事業の海外展開・新規案件獲得を加
速することが可能になると考えます。加えて、神鋼環境ソリューションの水処理関連事業や廃棄物処理関
連事業で培った豊富なオペレーション・メンテナンス(O&M)ノウハウを、神戸製鋼所エンジニアリング
事業に活用することが可能になると考えます。これらにより、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューション両
社において、国内外における案件対応力の強化や収益拡大が期待されます。
4. 経営効率の向上及び上場維持コストの削減
5
共通機能や間接部門での効率的運用を図るとともに、両社間の人材交流を活発化させることで、両社の相
互連携を強め、また、多様で幅広い業務経験の機会とし、人材育成にもつながるものと考えております。
加えて、将来的には基幹システムやプロジェクトマネジメントシステムについても両者で一体化し、DX
化等の業務基盤整備も加速していきます。これらを通じて、効率的な運営を推進するとともに、KOBELCO
グループ全体のコスト削減を見込んでおります。また、上場会社として必要となる管理部門の維持のため
の費用その他のコスト等、上場維持によるその他の経営負担が解消され、事業成長への経営資源の有効活
用を図ることが可能となり、神鋼環境ソリューションの企業価値の向上に資すると考えております。
5. 中長期的な視点に基づく事業運営及び意思決定の迅速化
本株式交換によって神鋼環境ソリューションの非上場化を実現することにより、例えば KOBELCO グループ
全体としての CO2削減といった課題解決に向けた取り組み等、神鋼環境ソリューションとして必ずしも短
期的な利益の最大化が見込まれない先行投資や一時的なコスト増となる取り組みについても、中長期的な
視点に基づく事業運営が可能となるとともに、意思決定の迅速化が図られると考えております。
なお、今後両社は、神鋼環境ソリューションの収益最大化と企業価値向上を実現し、ひいては神戸製鋼所の
事業発展・収益拡大を実現するために、神鋼環境ソリューションの視点に配慮した経営方針の下、神戸製鋼所
と神鋼環境ソリューションとの研究開発及び新規事業推進に関する積極的な連携、神鋼環境ソリューション事
業の競争力強化に向けた各種施策、及び従業員のモチベーション維持・向上については引き続き留意しながら
検討してまいります。
完全子会社化の方法としては、本株式交換の対価として神戸製鋼所の普通株式(以下「神戸製鋼所株式」と
いいます。
)が神鋼環境ソリューションの少数株主の皆様に交付されることにより、神戸製鋼所株式の保有を
通じて、本株式交換後に想定されている各種施策の実行を通じて期待されるシナジー効果や、シナジー効果の
発現による神戸製鋼所の事業発展・収益拡大、その結果としての神戸製鋼所株式の株価上昇・配当を享受する
機会を神鋼環境ソリューション少数株主に対して提供できる一方で、流動性の高い神戸製鋼所株式を市場で取
引することで随時現金化することも可能であると考えたことから、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションは
株式交換のスキームを選択することが望ましいと判断いたしました。
これらの点を踏まえて、総合的に検討した結果、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションは本株式交換によ
り神鋼環境ソリューションが神戸製鋼所の完全子会社となることが、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューション
それぞれの企業価値の向上ひいては KOBELCO グループの企業価値の向上に資するものであり、神戸製鋼所及び
神鋼環境ソリューションの双方の株主にとっても有益なものであるとの認識で一致したことから、両社におい
て、本株式交換に係る割当比率を含む諸条件についての検討及び協議を経て合意に至り、本日、両社の取締役
会において、神戸製鋼所が神鋼環境ソリューションを完全子会社とすることを目的として、本株式交換を実施
することを決議し、本株式交換契約を締結いたしました。
2.本株式交換の要旨
(1)本株式交換の日程
本株式交換契約締結の取締役会決議日(両社) 2021 年 8 月 5 日(本日)
本株式交換契約締結日(両社) 2021 年 8 月 5 日(本日)
本株式交換契約承認臨時株主総会基準日公告日
2021 年 8 月 5 日(本日)
(神鋼環境ソリューション)
本株式交換契約承認臨時株主総会基準日
2021 年 8 月 21 日(予定)
(神鋼環境ソリューション)
本株式交換契約承認臨時株主総会開催日
2021 年 9 月 30 日(予定)
(神鋼環境ソリューション)
最終売買日(神鋼環境ソリューション) 2021 年 10 月 27 日(予定)
上場廃止日(神鋼環境ソリューション) 2021 年 10 月 28 日(予定)
本効力発生日 2021 年 11 月 1 日(予定)
6
(注1) 神戸製鋼所においては、会社法第 796 条第 2 項の規定に基づき、株主総会の承認を必要としない簡易株式
交換の手続きにより本株式交換を行う予定です。
(注2) 上記日程は、本株式交換の手続進行上の必要性その他の事由によって必要となる場合には、両社の合意
により変更される場合があります。上記日程に変更が生じた場合には、速やかに公表いたします。
(2)本株式交換の方式
神戸製鋼所を株式交換完全親会社、神鋼環境ソリューションを株式交換完全子会社とする株式交換で
す。本株式交換は、神戸製鋼所においては、会社法第 796 条第 2 項の規定に基づき、株主総会の承認を
必要としない簡易株式交換の手続きにより、また神鋼環境ソリューションにおいては、2021 年 9 月 30
日に開催予定の神鋼環境ソリューションの臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、
2021 年 11 月 1 日を効力発生日として行う予定です。
(3)本株式交換に係る割当ての内容
神戸製鋼所 神鋼環境ソリューション
(株式交換完全親会社) (株式交換完全子会社)
本株式交換に係る割当比率 1 4.85
本株式交換により交付する株式数 神戸製鋼所株式:31,982,287株(予定)
(注1) 株式の割当比率
神戸製鋼所は、神鋼環境ソリューション株式 1 株に対して、神戸製鋼所株式 4.85 株を割当交付いたします。ただ
し、基準時(以下に定義します。
)において神戸製鋼所が保有する神鋼環境ソリューション株式については、本株
式交換による株式の割当ては行いません。なお、上記の本株式交換に係る割当比率(以下「本株式交換比率」と
いいます。
)は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合、両社が協議し合意の上、変更することがあ
ります。
(注2) 本株式交換により交付する神戸製鋼所の株式数
神戸製鋼所は、本株式交換に際して、神戸製鋼所が神鋼環境ソリューションの発行済株式(ただし、神戸製鋼所
が保有する神鋼環境ソリューション株式を除きます。
)の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」といいま
す。
)の神鋼環境ソリューションの株主の皆様(ただし、下記の自己株式の消却が行われた後の株主をいうものと
し、神戸製鋼所を除きます。
)に対して、その保有する神鋼環境ソリューション株式に代えて、本株式交換比率に
基づいて算出した数の神戸製鋼所株式を割当交付いたします。本株式交換によって交付する神戸製鋼所株式には、
新たに発行する神戸製鋼所株式を使用する予定です(ただし、神戸製鋼所の判断により、上記に従い割当交付さ
れる神戸製鋼所株式の一部として、神戸製鋼所が保有する自己株式を充当する可能性があります。。なお、神鋼
)
環境ソリューションは、本効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、基準時の直前の時点におい
て保有している自己株式(本株式交換に際して行使される会社法第 785 条第 1 項に基づく反対株主の株式買取請求
により神鋼環境ソリューションが取得する自己株式を含みます。
)の全部を、基準時の直前の時点において消却す
る予定です。そのため、本株式交換により割当交付する予定の上記普通株式数については、神鋼環境ソリュー
ションが保有する自己株式(2021 年 3 月 31 日現在 4,314 株)に対し神戸製鋼所株式を割当交付することを前提と
しておりません。本株式交換により割当交付する神戸製鋼所株式の総数については、神鋼環境ソリューションに
よる自己株式の取得・消却等の理由により、今後修正される可能性があります。
(注3) 単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、神戸製鋼所の単元未満株式(100 株未満の株式)を保有することとなる神鋼環境ソリューショ
ンの株主が新たに生じることが見込まれます。金融商品取引所市場において単元未満株式を売却することはでき
ませんが、神戸製鋼所の単元未満株式を保有することになる株主の皆様におかれましては、本効力発生日以降、
神戸製鋼所の株式に関する以下の制度をご利用いただくことができます。
① 単元未満株式の買増制度(100 株への買増し)
会社法第 194 条第 1 項及び神戸製鋼所の定款の定めに基づき、神戸製鋼所の単元未満株式を保有する株主の皆様
が、神戸製鋼所に対しその保有する単元未満株式の数と併せて 1 単元(100 株)となる普通株式を売り渡すことを
請求し、これを神戸製鋼所から買い増すことができる制度です。
7
② 単元未満株式の買取請求制度(100 株未満の株式の売却)
会社法第 192 条第 1 項の定めに基づき、神戸製鋼所の単元未満株式を保有する株主の皆様が、神戸製鋼所に対して
その保有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる制度です。
(注4) 1 株に満たない端数の取扱い
本株式交換に伴い、神戸製鋼所株式 1 株に満たない端数の割当交付を受けることとなる神鋼環境ソリューション
の株主の皆様に対しては、会社法第 234 条その他の関連法令の定めに従い、その端数の合計数(合計数に 1 株に満
たない端数がある場合は、これを切り捨てるものとします。
)に相当する数の神戸製鋼所株式を売却し、かかる売
却代金をその端数に応じて交付いたします。
(4)本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
神鋼環境ソリューションは、新株予約権及び新株予約権付社債をいずれも発行していないため、該当
事項はありません。
3.本株式交換に係る割当ての内容の根拠等
(1)割当ての内容の根拠及び理由
上記1.
「本株式交換の目的」に記載のとおり、2021 年 3 月下旬に神戸製鋼所から神鋼環境ソリュー
ションに対して本株式交換の提案が行われ、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、神戸製鋼所が
神鋼環境ソリューションを完全子会社とすることが、両社の企業価値向上の観点で最善と考えるに至り
ました。
神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションは、本株式交換比率の決定にあたって公正性・妥当性を確保
するため、それぞれ別個に両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することと
し、神戸製鋼所はみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、神鋼環境ソリューショ
ンはSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、それぞれのファイナンシャル・
アドバイザー及び第三者算定機関に選定いたしました。
神戸製鋼所においては、下記(4)「公正性を担保するための措置」に記載のとおり、第三者算定機
関であるみずほ証券から2021年8月4日付で受領した株式交換比率に関する算定書、リーガル・アドバイ
ザーである西村あさひ法律事務所からの助言、神戸製鋼所が神鋼環境ソリューションに対して実施した
デュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換比率は妥当で
あり、神戸製鋼所の株主の皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換比率によ
り本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
神鋼環境ソリューションにおいては、下記(4)「公正性を担保するための措置」に記載のとおり、
第三者算定機関であるSMBC日興証券から2021年8月4日付で受領した株式交換比率に関する算定書、リー
ガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソ
ン・毛利・友常法律事務所」といいます。)からの助言、神鋼環境ソリューションが神戸製鋼所に対し
て実施したデュー・ディリジェンスの結果、本特別委員会からの指示、助言及び2021年8月4日付で受領
した答申書等を踏まえて、神戸製鋼所との間で複数回に亘り本株式交換比率を含む本株式交換の条件に
係る協議を行うとともに、本株式交換比率により本株式交換を行うことについて慎重に交渉・協議を重
ねた結果、本株式交換比率は妥当であり、神鋼環境ソリューションの少数株主の皆様の利益に資するも
のであるとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いた
しました。
このように、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションは、それぞれの第三者算定機関から提出を受け
た株式交換比率の算定結果及び助言並びにそれぞれのリーガル・アドバイザーから受けた助言等を参考
に、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討
し、相手方の財務状況、業績動向、株価動向等を総合的に勘案した上で、両社間で本株式交換比率によ
り本株式交換を行うことについて慎重に交渉・協議を重ねてまいりました。
その結果、本株式交換比率が妥当であり、それぞれの株主の利益に資するものであるとの判断に至
り、本株式交換比率により本株式交換を行うことに合意し、本日開催の両社の取締役会において本株式
8
交換を行うことを決議し、本日、両社の間で本株式交換契約を締結いたしました。
なお、本株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議し
合意の上、変更することがあります。
(2)算定に関する事項
①算定機関の名称並びに両社との関係
神戸製鋼所の第三者算定機関であるみずほ証券は、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューション並びに本
株式交換からは独立した算定機関であり、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの関連当事者には該
当しません。
みずほ証券、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいま
す。
)及びみずほ信託銀行株式会社(以下「みずほ信託銀行」といいます。
)は、神戸製鋼所の株主たる
地位を有しており、また、みずほ証券及びみずほ信託銀行は神鋼環境ソリューションの株主たる地位も
有しておりますが、みずほ証券の社内において、ファイナンシャル・アドバイザー業務及び神戸製鋼所
株式の価値算定業務を担当する部署と神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの株式を保有する同社の
別部署との間において情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じている他、みずほ銀行及びみずほ信
託銀行における神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの株式を保有する同行の別部署との間において
も情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じているとのことです。これらの措置により、みずほ証券
のファイナンシャル・アドバイザー業務及び神戸製鋼所株式の価値算定業務を担当する部署は、本株式
交換に関して利益相反に係る利害関係の影響を受けずに、みずほ証券、みずほ銀行及びみずほ信託銀行
の神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの株式を保有する別部署とは独立した立場で神戸製鋼所の株
式価値の算定を行っているとのことです。
また、みずほ銀行は、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションに対して通常の銀行取引の一環として
の融資取引等は生じておりますが、本株式交換に関して神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションとの利
益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。
神戸製鋼所は、みずほ証券の社内並びにみずほ銀行及びみずほ信託銀行の神戸製鋼所及び神鋼環境ソ
リューションの株式を保有する別部署との情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置が構築されていること、
神戸製鋼所とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関と
しての独立性が確保されていること、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有
していること等を踏まえ、みずほ証券を神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューション並びに本株式交換から
独立した第三者算定機関として選定いたしました。
神鋼環境ソリューションの第三者算定機関である SMBC 日興証券は、神戸製鋼所及び神鋼環境ソ
リューションから独立した算定機関であり、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの関連当事者には
該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
株式会社三井住友フィナンシャルグループの一員であるSMBC日興証券及び株式会社三井住友銀行(以
下「三井住友銀行」といいます。)は、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの株主たる地位を有し
ており、また、三井住友銀行は神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションに対して通常の銀行取引の一環
としての融資等の取引がありますが、本株式交換に関して神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションとの
利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。SMBC日興証券によれば、SMBC日興証券の社内にお
いては、ファイナンシャル・アドバイザリー業務並びに神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューション株式の
価値算定業務を担当する部署と同社のその他部署との間において情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置
を講じている他、SMBC日興証券と三井住友銀行との間において情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体
制が構築されていること、神鋼環境ソリューションとSMBC日興証券の間において、一般取引先と同様の
取引条件での取引を実施しており第三者算定機関としての独立性が確保されていること、また、SMBC日
興証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、神鋼環境ソ
リューションがSMBC日興証券に対して、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの株式価値の算定を依
頼することに関し公正性の観点から問題はないと考えられることから、SMBC日興証券を神戸製鋼所及び
神鋼環境ソリューションから独立した第三者算定機関として選定いたしました。
9
②算定の概要
みずほ証券は、神戸製鋼所については、同社が東京証券取引所市場第一部及び株式会社名古屋証券取
引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)市場第一部に上場しており、また神鋼環境ソリュー
ションについては、同社が東京証券取引所市場第二部に上場しており、両社に市場株価が存在すること
から市場株価法(2021 年 8 月 4 日を算定基準日とし、東京証券取引所における算定基準日の株価終値、
東京証券取引所における算定基準日以前の 1 ヶ月間、3 ヶ月間及び 6 ヶ月間の株価終値の平均値)を、
また、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションいずれについても比較可能な上場類似会社が複数存在し、
類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、加えて、神戸製鋼所及び
神鋼環境ソリューションの将来の事業活動の状況を評価に反映するため、ディスカウンテッド・キャッ
シュ・フロー法(以下「DCF 法」といいます。
)を用いて算定を行っております。
神戸製鋼所の1株当たりの株式価値を 1 とした場合の各評価方法における神鋼環境ソリューションの
評価レンジは以下のとおりです。
採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価法 3.49~3.92
類似会社比較法 1.56~5.19
DCF 法 1.60~6.30
みずほ証券は、株式価値の算定に際して、公開情報及びみずほ証券に提供された一切の情報が正確か
つ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりま
せん。両社並びにその関係会社の資産又は負債(デリバティブ取引、簿外資産及び負債、その他の偶発
債務を含みます。
)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、両社から提供若しくは開示
された情報、判断又は予測を前提とし、これらについて独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第
三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。両社の財務予測(利益計画その他の情報を含み
ます。
)については、両社の経営陣により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討
又は作成されたことを基礎としております。みずほ証券の株式交換比率の算定は、2021 年 8 月 4 日まで
にみずほ証券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、みずほ証券の算定は、神戸製鋼
所の取締役会が株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
なお、みずほ証券が DCF 法による算定の前提とした神鋼環境ソリューションの財務予測においては、
大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。一方、神戸製鋼所の財務予測においては、
大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、神戸製鋼所は、経常利益にお
いて、2022 年 3 月期と 2024 年 3 月期にそれぞれ前年度に対して 3 割以上の大幅な増益を見込んでおり
ます。2022 年 3 月期の増益は、鉄鋼事業での販売数量の増加、機械系を中心としたコスト削減、鉄鋼
アルミや素形材における在庫評価影響の改善等によるもの、2024 年 3 月期の増益は、新たな発電所の
通期稼働による電力セグメントの損益改善、自動車軽量化素材の需要増による素形材セグメントの損益
改善等によるものです。また、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの財務予測は、本株式交換の実
施を前提としておりません。
他方、SMBC 日興証券は、神戸製鋼所については、同社が東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券取
引所市場第一部に上場しており市場株価が存在していることから、市場株価法を用いて算定を行いまし
た。市場株価法においては、2021 年 8 月 4 日を算定基準日として、東京証券取引所市場第一部における
1 ヶ月間(2021 年 7 月 5 日から 2021 年 8 月 4 日まで) ヶ月間(2021 年 5 月 6 日から 2021 年 8 月 4 日
、3
まで)及び 6 ヶ月間(2021 年 2 月 5 日から 2021 年 8 月 4 日まで)の各期間の終値の単純平均値を採用し
ております。
神鋼環境ソリューションについては、同社が東京証券取引所市場第二部に上場しており市場株価が存在
していることから市場株価法を、また比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社との比較に
よる株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、加えて、将来の事業活動の状況を評
10
価に反映するために DCF 法を用いて算定を行いました。
市場株価法においては、2021 年 8 月 4 日を算定基準日として、東京証券取引所市場第二部における 1 ヶ
月間(2021 年 7 月 5 日から 2021 年 8 月 4 日まで) ヶ月間(2021 年 5 月 6 日から 2021 年 8 月 4 日まで)
、3
及び 6 ヶ月間(2021 年 2 月 5 日から 2021 年 8 月 4 日まで)の各期間の終値の単純平均値を採用しており
ます。
類似上場会社比較法については、神鋼環境ソリューションと類似性があると判断される類似上場会社と
して、日立造船株式会社、栗田工業株式会社、株式会社タクマ、メタウォーター株式会社、オルガノ株
式会社、三菱化工機株式会社、株式会社ダイキアクシス及び野村マイクロ・サイエンス株式会社を選定
した上で、事業価値に対する EBITDA の倍率を用いて算定を行いました。
DCF 法では、神鋼環境ソリューションが作成した 2022 年 3 月期から 2026 年 3 月期までの財務予測に基
づく 2022 年 3 月期以降に神鋼環境ソリューションが創出すると見込まれるフリーキャッシュフローを、
一定の割引率で現在価値に割り引くことによって事業価値や株式価値を評価しております。DCF 法におけ
る継続価値の算定については永久成長法及びマルチプル法により算出しております。具体的には割引率
は 6.51%~7.95%を使用しております。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of
Capital, WACC)を使用しております。また、永久成長法では永久成長率として-0.25%~0.25%を使用し、
マルチプル法では EBITDA マルチプルとして 7.4 倍~9.0 倍を使用しております。
なお、本株式交換の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収
益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、DCF 法による算定の前提とした財務予測には
反映しておりません。また、SMBC 日興証券が DCF 法の採用に当たり前提とした神鋼環境ソリューション
の事業計画の各期において、大幅な増減益は見込んでおりません。
なお、各評価方法による神鋼環境ソリューションの普通株式 1 株に対する神戸製鋼所の普通株式の割当
株数の算定レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価法 3.67~3.92
類似上場会社比較法 3.91~5.00
DCF 法 3.97~5.85
(注)SMBC 日興証券は、株式交換比率算定書の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報は
全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行ってお
らず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであ
るとする事実又は状況等につき神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションにおいて一切認識されていない
ことを前提としております。また、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューション並びにその関係会社の資産
又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査
定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、
算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューション並びにそ
の関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務
並びに株式交換比率算定書に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提として
おります。SMBC 日興証券が、株式交換比率算定書で使用している神鋼環境ソリューションの事業計画
等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、神鋼環境ソリューションにより合理的かつ適
正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、株式交換比率算定書において、SMBC
日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供
された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC 日興証券は、こ
れらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任
を負うものではありません。
なお、SMBC 日興証券の算定結果は、SMBC 日興証券が神鋼環境ソリューションの依頼により、神鋼環
11
境ソリューションの取締役会が株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的として神
鋼環境ソリューションに提出したものであり、当該算定結果は、SMBC 日興証券が本株式交換比率の公
正性について意見を表明するものではありません。
(3)上場廃止となる見込み及びその事由
本株式交換により、その効力発生日である2021年11月1日(予定)をもって、神鋼環境ソリューショ
ンは神戸製鋼所の完全子会社となることから、神鋼環境ソリューション株式は、東京証券取引所市場第
二部の上場廃止基準に従い、所定の手続きを経て、2021年10月28日に上場廃止(最終売買日は2021年10
月27日)となる予定です。上場廃止後は、神鋼環境ソリューション株式を東京証券取引所市場第二部に
おいて取引することはできなくなります。
神鋼環境ソリューション株式が上場廃止になった後も、本株式交換の対価として交付される神戸製鋼
所株式は、東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部に上場されており、本効力発生
日以降も東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部において取引が可能であることか
ら、基準時において神鋼環境ソリューション株式を21株以上所有し、本株式交換により神戸製鋼所の単
元株式数である100株以上の神戸製鋼所株式の割当てを受ける株主の皆様は、その所有する神鋼環境ソ
リューション株式の数に応じて一部単元株式数に満たない神戸製鋼所株式の割当てを受ける可能性はあ
るものの、1単元以上の神戸製鋼所株式については引き続き東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券
取引所市場第一部において取引が可能であり、株式の流動性を確保できるものと考えております。
ただし、基準時において21株未満の神鋼環境ソリューション株式を所有する株主の皆様には、単元株
式数に満たない神戸製鋼所株式が割り当てられます。単元未満株式については、東京証券取引所市場第
一部及び名古屋証券取引所市場第一部において売却することはできませんが、株主の皆様のご希望によ
り、神戸製鋼所の単元未満株式の買増制度又は単元未満株式の買取制度をご利用いただくことが可能で
す。これらの取扱いの詳細については、上記2.「本株式交換の要旨」の(3)「本株式交換に係る割
当ての内容」の(注3)「単元未満株式の取扱い」をご参照ください。
また、本株式交換に伴い、1株に満たない端数が生じた場合における端数の取扱いの詳細について
は、上記2.「本株式交換の要旨」の(3)「本株式交換に係る割当ての内容」の(注4)「1株に満た
ない端数の取扱い」をご参照ください。
なお、神鋼環境ソリューションの株主の皆様は、最終売買日である2021年10月27日(予定)までは、
東京証券取引所市場第二部において、その所有する神鋼環境ソリューション株式を従来どおり取引する
ことができる他、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
(4)公正性を担保するための措置
神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションは、神戸製鋼所が、2021 年 3 月 31 日現在、神鋼環境ソリュー
ション株式 9,521,400 株(2021 年 3 月 31 日現在の発行済株式(自己株式を除く。
)の総数 16,115,686 株
に占める割合(以下「所有割合」といいます。
)にして 59.08%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所
有割合の計算において同じです。、また、神戸製鋼所が議決権行使の指図権を留保しているみずほ信託
)
銀行株式会社(退職給付信託神戸製鋼所口)名義の株式 3,403,200 株と合計すると、神戸製鋼所が保有す
る議決権の神鋼環境ソリューションの総議決権数に占める比率(以下「議決権割合」といいます。)は
80.20%(小数点以下第三位を四捨五入。以下議決権割合の計算において同じです。
)となります。
)を保
有し、神鋼環境ソリューションは神戸製鋼所の連結子会社に該当することから、本株式交換の公正性を
担保する必要があると判断し、以下のとおり公正性を担保するための措置を実施しております。
① 独立した第三者算定機関からの算定書の取得
本株式交換に用いられる株式交換比率の算定にあたって公正性を期すため、神戸製鋼所はみずほ証
券を、神鋼環境ソリューションはSMBC日興証券を第三者算定機関として選定し、それぞれ本株式交換
に用いられる株式交換比率の算定を依頼し、2021年8月4日付で、それぞれ株式交換比率に関する算定
書を取得いたしました。当該算定書の概要については、上記(2)②「算定の概要」をご参照くださ
12
い。
なお、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションはいずれも、第三者算定機関から本株式交換比率が
財務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
② 独立した法律事務所からの助言
本株式交換のリーガル・アドバイザーとして、神戸製鋼所は西村あさひ法律事務所を、神鋼環境ソ
リューションはアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選定し、各々本株式交換の諸手続を含む取締
役会の意思決定の方法・過程等について、法的助言を受けております。なお、西村あさひ法律事務所
及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所は、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションから独立して
おり、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションとの間に重要な利害関係を有しておりません。
(5)利益相反を回避するための措置
神鋼環境ソリューションは、神戸製鋼所が、本日現在、神鋼環境ソリューション株式9,521,400株
(所有割合59.08%、神戸製鋼所が議決権行使の指図権を留保しているみずほ信託銀行株式会社(退職給
付信託神戸製鋼所口)名義の株式3,403,200株と合計した場合の議決権割合80.20%)を保有し、神鋼環
境ソリューションは神戸製鋼所の連結子会社に該当することから、利益相反を回避するため、以下の措
置を講じております。
① 神鋼環境ソリューションにおける独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
神鋼環境ソリューションは2021年3月下旬に神戸製鋼所から本株式交換の申入れを受けたことを受
け、2021年4月26日に開催された取締役会の決議により、本株式交換に関し、神鋼環境ソリューション
の意思決定に慎重を期し、神鋼環境ソリューション取締役会の意思決定における恣意性及び利益相反の
おそれを排除し、その公正性を担保するとともに、神鋼環境ソリューション取締役会において本株式交
換を行う旨の決定をすることが神鋼環境ソリューションの少数株主にとって不利益なものでないかどう
かについての意見を取得することを目的として、東京証券取引所への届出に基づき独立役員として指定
されており、支配株主である神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションとの間で利害関係がなく、神鋼環
境ソリューションの社外取締役として神鋼環境ソリューションの事業内容や経営課題等について相当程
度の知見がある者として、本株式交換の検討を行う適格性を有すると判断され、かつ、神鋼環境ソ
リューションの2021年6月開催予定の第67回定時株主総会の終結の時をもって退任する予定のなかった
坂井慶氏(弁護士、至誠総合法律事務所)及び石田道明氏(元シスメックス株式会社上席執行役員)
、
並びに支配株主である神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションとの間で利害関係がなく、M&A業務に携
わる専門家として本株式交換の検討を行う専門性・適格性を有すると判断される独立した外部の有識者
である高橋明人氏(弁護士、高橋・片山法律事務所)及び長谷川臣介氏(公認会計士、長谷川公認会計
士事務所)の4名によって構成される本特別委員会を設置いたしました。高橋明人氏は長年に亘り企業
法務をはじめとした法律に関する職務に携わり、その経歴を通じて培った専門家としての豊富な経験、
知見を有することから、長谷川臣介氏は公認会計士としての経験を通じて培った財務及び会計に関する
知見を有することから、また、両名とも他類似案件において特別委員会の委員を務めた経験を有するこ
とから、それぞれ社外有識者として本特別委員会の委員に選定いたしました。なお、神鋼環境ソリュー
ションは、当初からこの4名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更し
た事実はありません。また、各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容に関わらず固定額の
報酬を支払うものとされております。
その上で、神鋼環境ソリューションは、本株式交換を検討するにあたり、本特別委員会に対し、(a)
本株式交換の目的は合理的と認められるか(本株式交換が神鋼環境ソリューションの企業価値向上に資
するか否かを含む。)、(b)本株式交換の条件(本株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性
が確保されているか、(c)本株式交換において、公正な手続を通じた神鋼環境ソリューションの株主の
利益への十分な配慮がなされているか、(d)上記(a)から(c)の他、本株式交換は神鋼環境ソリューショ
ンの少数株主にとって不利益でないと考えられるか(以下、総称して「本諮問事項」といいます。
)に
13
ついて諮問いたしました。また、神鋼環境ソリューションは本特別委員会の設置にあたり、 本特別委
員会を神鋼環境ソリューション取締役会から独立した合議体と位置付け、本株式交換に関する意思決定
については、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこととし、本特別委員会が取引条件が妥当
でないと判断した場合には、本株式交換を行わないことといたしました。さらに、神鋼環境ソリュー
ションは、本特別委員会の設置に係る神鋼環境ソリューション取締役会において、本特別委員会に対し
て、(a)本諮問事項の検討にあたって、本特別委員会が必要と認める場合には、自らのファイナンシャ
ル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等のアドバイザーを選任する(その場合の合理的な費用
は神鋼環境ソリューションが負担するものとされています。、又は、神鋼環境ソリューションのアドバ
)
イザーを承認(事後承認を含む。
)する権限、(b)神鋼環境ソリューションの役職員その他本特別委員会
が必要と認める者から本株式交換の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、及び(c)本特別委員会
が必要と認める場合には、神戸製鋼所との間で本株式交換の取引条件等の協議及び交渉を行う権限を付
与することを決議しております。
これを受けて、本特別委員会は、2021 年 4 月 26 日に開催された第 1 回の特別委員会において、いず
れも独立性に問題がないことを確認した上で、神鋼環境ソリューションにおいて、ファイナンシャル・
アドバイザー及び第三者算定機関として SMBC 日興証券を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソ
ン・毛利・友常法律事務所をそれぞれ選任することを承認するとともに、本株式交換に係る検討、交渉
及び判断に関与する神鋼環境ソリューションの取締役につき、神戸製鋼所との間での利害関係の観点か
ら問題がないことを確認し、本株式交換に係る検討・交渉を行う体制を構築いたしました。
本特別委員会は、2021 年 4 月 26 日から 2021 年 8 月 4 日までの間に、委員会を合計 14 回開催した他、
神鋼環境ソリューション事務局や各アドバイザー等を通じて情報収集を行った上、必要に応じて随時協
議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。本特別委員会は、かかる検討にあたり、
神鋼環境ソリューションの経営陣との間で、本株式交換の目的、本株式交換の検討経緯、神鋼環境ソ
リューションを取り巻く事業環境・経営課題、本株式交換後に想定される施策の内容、本株式交換のメ
リット・デメリット、株式交換比率の算定の前提となる神鋼環境ソリューションの事業計画の策定手続
き及び内容等について質疑応答を行っており、また、SMBC 日興証券から、株式交換比率の算定に係る
算定手法の採用理由、本株式交換における株式交換比率の算定結果に関する説明や適時神戸製鋼所との
交渉状況の報告を受けた上で、神戸製鋼所に提案する具体的な株式交換比率を含む交渉方針について審
議・検討した上で承認し、指示や要請を行う等して、神戸製鋼所との間の株式交換比率の交渉に参画し
ております。また、本特別委員会は、神戸製鋼所に対してインタビューを実施し、KOBELCO グループに
おける神鋼環境ソリューションの位置付け、本株式交換の検討経緯、本株式交換の目的及び本株式交換
後に想定される施策の内容、本株式交換のメリット・デメリット等について確認しております。また、
神鋼環境ソリューションのリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、
本株式交換の手続面における公正性を担保するための措置並びに本株式交換に係る神鋼環境ソリュー
ションの取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容に関する説
明を受けるとともに、神戸製鋼所に対する法務デュー・ディリジェンスの結果について説明を受け、質
疑応答を行っております。加えて、神鋼環境ソリューションは、EY ストラテジー・アンド・コンサル
ティング株式会社(以下「EY ストラテジー」といいます。)に対して、神戸製鋼所に対する財務
デュー・ディリジェンスの実施を依頼し、本特別委員会は、EY ストラテジーより財務デュー・ディリ
ジェンスの結果について説明を受け、質疑応答を行っております(本特別委員会は EY ストラテジーが
神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューションの間に重要な利害関係を有しないことを確認しております。。
)
さらに、本特別委員会は、神鋼環境ソリューション事務局や各アドバイザー等から提出された本株式交
換に係る関連資料等により、本株式交換に関する情報収集を行い、これらの情報も踏まえて本諮問事項
について慎重に協議及び検討して審議を行っております。なお、本特別委員会は、神戸製鋼所と神鋼環
境ソリューションとの間における本株式交換に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受
けた上で、神戸製鋼所から本株式交換比率についての最終的な提案を受けるまで、複数回に亘り交渉の
方法等について協議を行い、神鋼環境ソリューションに意見する等して、神戸製鋼所との交渉過程に実
質的に関与しております。
14
本特別委員会は、かかる経緯の下、これらの説明、算定結果その他の検討資料を前提として、(a)本
株式交換を通じた、神戸製鋼所による神鋼環境ソリューションの完全子会社化のための取引(以下「本
取引」といいます。
)の目的は合理的と認められる(本取引は神鋼環境ソリューションの企業価値向上
に資するものである)旨、(b)本株式交換比率は妥当なものと考えられ、本取引の条件の公正性が確保
されている旨、(c)本取引において、公正な手続を通じた神鋼環境ソリューションの株主の利益への十
分な配慮がなされている旨、及び、(d)神鋼環境ソリューション取締役会が本取引の実施を決定するこ
とは、神鋼環境ソリューションの少数株主にとって不利益なものではない旨の答申書を、2021 年 8 月 4
日付で、神鋼環境ソリューションの取締役会に対して提出しております。
本特別委員会の意見の概要については、下記8.
(3)
「当該取引等が少数株主にとって不利益なもの
ではないことに関する、支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要」をご参照ください。
② 利害関係を有する取締役を除く取締役全員の承認及び利害関係を有する監査役を除く監査役全員の異
議がない旨の意見
本株式交換に関する議案を決議した本日開催の神鋼環境ソリューションの取締役会においては、神鋼
環境ソリューションの取締役 8 名のうち、大濵敬織氏は 2020 年 6 月 24 日まで、中村学氏は 2020 年 3
月 31 日まで、神戸製鋼所の役職員であった者であり、また、神戸製鋼所を退社してからの期間が短期
間であることに鑑み、また、元行正浩氏は神戸製鋼所の執行役員を兼務していることから、利益相反を
回避する観点から、大濵敬織氏、中村学氏及び元行正浩氏を除く他の 5 名の取締役で審議し全員の賛成
により決議しております。なお、利益相反を回避する観点から、大濵敬織氏、中村学氏及び元行正浩氏
は、神鋼環境ソリューションの立場で本株式交換に係る検討、協議及び交渉に参加しておりません。な
お、大濵敬織氏、中村学氏及び元行正浩氏を除き、いずれの神鋼環境ソリューションの取締役も、直近
5 年間において、神戸製鋼所又はその子会社・関連会社(神鋼環境ソリューション及びその子会社・関
連会社を除きます。
)の役職員ではありません。
また、上記の取締役会には神戸製鋼所との間で利害関係を有しない監査役 4 名が参加し、いずれも上
記決議に異議がない旨の意見を述べております。なお、神鋼環境ソリューションの監査役のうち、塚本
寛城氏は 2011 年 6 月 30 日まで神戸製鋼所の従業員でありましたが、神戸製鋼所を退社してから相当の
期間が経過していること、その後 2014 年 6 月 13 日まで神戸製鋼所の子会社である神鋼機器工業株式会
社の取締役であり、2019 年 6 月 19 日まで神戸製鋼所の子会社である株式会社神鋼エンジニアリング&
メンテナンスの監査役でありましたが、2014 年 6 月 13 日以降神戸製鋼所又はその子会社の業務執行を
行っていたものではないことから、神戸製鋼所との間で利害関係を有しないと考えております。
4.株式交換の当事会社の概要
株式交換完全親会社 株式交換完全子会社
(1) 名 称 株式会社神戸製鋼所 株式会社神鋼環境ソリューション
(2) 所 在 地 神戸市中央区脇浜海岸通 2 丁目 2 神戸市中央区脇浜町 1 丁目 4 番 78
番4号 号
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 山口 貢 取締役社長 大濵 敬織
(4) 事 業 内 容 ‧鉄鋼・非鉄金属及びその合金の製 ‧水処理関連事業
造販売 ‧廃棄物処理関連事業
‧鋳鉄品・鋳鍛鋼品及び非鉄合金の ‧化学・食品機械関連事業
鋳鍛造品の製造販売 ‧上記に係る設計・製作・販売及び
‧電気供給事業 アフターサービス又は事業等
‧産業機械器具・輸送用機械器具・
電気機械器具及びその他の機械器
具の製造販売
‧各種プラントのエンジニアリング
15
及び建設工事の請負等
(5) 資 本 金 250,930 百万円 6,020 百万円
(2021 年 3 月 31 日現在) (2021 年 3 月 31 日現在)
(6) 設 立 年 月 日 1911 年 6 月 28 日 1954 年 6 月 1 日
(7) 発 行 済 株 式 数 364,364,210 株 16,120,000 株
(8) 決 算 期 3 月 31 日 3 月 31 日
(9) 従 業 員 数 (連結)40,517 人 (連結)2,912 人
(2021 年 3 月 31 日現在) (2021 年 3 月 31 日現在)
(10) 主 要 取 引 先 自動車、電気機器、造船等の産業
官公需及び民間企業向け
分野及び官公庁向け
(11) 主 要 取 引 銀 行 みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三 みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井
井住友銀行 住友銀行、三菱UFJ信託銀行
(12) 大株主及び持株比率 日本マスタートラスト信託 7.75% 株式会社神戸製鋼所 59.08%
銀行株式会社(信託口)
4.18% みずほ信託銀行株式会社 21.12%
株式会社日本カストディ銀
(退職給付信託神戸製鋼所
行(信託口)
口)
2.95% 神鋼環境ソリューション従 1.55%
日本製鉄株式会社
業員持株会
日本生命保険相互会社 2.78% 神鋼商事株式会社 1.49%
1.52% 日本生命保険相互会社(常 0.50%
株式会社日本カストディ銀
任代理人 日本マスタート
行(信託口 5)
ラスト信託銀行株式会社)
株式会社日本カストディ銀 1.37% 林 充孝 0.47%
行(信託口 9)
株式会社日本カストディ銀 1.35% 大和ハウス工業株式会社 0.37%
行(信託口 6)
DFA INTL SMALL CAP VALUE 1.21% 三菱 UFJ 信託銀行株式会社 0.34%
PORTFOLIO(常任代理人 シ (常任代理人 日本マス
ティバンク、エヌ・エイ東 タートラスト信託銀行株式
京支店) 会社)
株式会社シマブンコーポ 1.21% SMBC 日興証券株式会社 0.32%
レーション
株式会社日本カストディ銀 1.21% 第一生命保険株式会社 0.31%
行(信託口 1)
(2021 年 3 月 31 日現在) (2021 年 3 月 31 日現在)
(13) 当事会社間の関係
資 本 関 係 神戸製鋼所は神鋼環境ソリューションの発行済株式数(16,120,000株)か
ら自己株式数(4,314株)を減じた株式数の59.08%(小数点以下第三位を
四捨五入)に相当する9,521,400株の普通株式を保有しており、神鋼環境
ソリューションの親会社であります。また、神戸製鋼所が議決権行使の指
図権を留保しているみずほ信託銀行株式会社(退職給付信託神戸製鋼所
口)名義の株式3,403,200株と合計すると、神戸製鋼所が保有する議決権
の神鋼環境ソリューションの総議決権数に占める比率は80.20%(小数点以
下第三位を四捨五入)となります。
人 的 関 係 神戸製鋼所の執行役員1名が神鋼環境ソリューションの取締役を兼任して
おります。
16
取 引 関 係 神鋼環境ソリューションは、神戸製鋼所に対し、設備用機器の供給及びそ
の保守点検の提供をしております。神鋼環境ソリューションは、KOBELCO
グループと資金の借入、貸付を行っております。
関 連 当 事 者 へ の 神鋼環境ソリューションは神戸製鋼所の連結子会社であり、神戸製鋼所と
該 当 状 況 神鋼環境ソリューションは相互に関連当事者に該当いたします。
(14) 最近 3 年間の経営成績及び財政状態
神戸製鋼所(連結) 神鋼環境ソリューション(連結)
決算期 2019 年 2020 年 2021 年 2019 年 2020 年 2021 年
3 月期 3 月期 3 月期 3 月期 3 月期 3 月期
純 資 産 803,312 716,369 769,375 27,543 29,365 33,450
総 資 産 2,384,973 2,411,191 2,582,873 85,836 84,694 95,993
1 株当たり純資産(円) 2,041.29 1,811.10 1,958.57 1,699.61 1,809.48 2,061.63
売 上 高 1,971,869 1,869,835 1,705,566 90,199 97,998 112,405
営 業 利 益 48,282 9,863 30,398 3,701 3,504 5,635
経 常 利 益 34,629 △8,079 16,188 3,744 3,529 5,673
親会社株主に帰属する
35,940 △68,008 23,234 2,442 2,728 3,617
当 期 純 利 益
1 株当たり当期純利益(円) 99.20 △187.55 64.05 151.55 169.33 224.49
1 株 当 た り 配当金(円) 20.00 - 10.00 45.00 45.00 60.00
(単位:百万円。特記しているものを除く。
)
5.株式交換後の状況
株式交換完全親会社
(1) 名 称 株式会社神戸製鋼所
(2) 所 在 地 神戸市中央区脇浜海岸通 2 丁目 2 番 4 号
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 山口 貢
(4) 事 業 内 容 ‧鉄鋼・非鉄金属及びその合金の製造販売
‧鋳鉄品・鋳鍛鋼品及び非鉄合金の鋳鍛造品の製造販売
‧電気供給事業
‧産業機械器具・輸送用機械器具・電気機械器具及びその他の機械器具の
製造販売
‧各種プラントのエンジニアリング及び建設工事の請負等
(5) 資 本 金 250,930 百万円
(6) 決 算 期 3 月 31 日
(7) 純 資 産 現時点では確定しておりません。
(8) 総 資 産 現時点では確定しておりません。
6.会計処理の概要
本株式交換は、企業結合に関する会計基準における共通支配下の取引等に該当する見込みです。
7.今後の見通し
神鋼環境ソリューションは既に神戸製鋼所の連結子会社であるため、本株式交換が神戸製鋼所及び神鋼環境
ソリューションの連結業績に与える影響は、現時点ではいずれも軽微となる見通しですが、今後、業績予想修
正の必要性及び公表すべき事項が生じた場合は、速やかに開示いたします。
8.支配株主との取引等に関する事項
(1)支配株主との取引等の該当性及び少数株主の保護の方策に関する指針への適合状況
神戸製鋼所は、本日現在、神鋼環境ソリューション株式9,521,400株(所有割合59.08%、神戸製鋼所
17
が議決権行使の指図権を留保しているみずほ信託銀行株式会社(退職給付信託神戸製鋼所口)名義の株
式3,403,200株と合計した場合の議決権割合80.20%)を所有することから、神鋼環境ソリューションの
支配株主に該当するため、本株式交換は神鋼環境ソリューションにとって支配株主との取引等に該当い
たします。
神鋼環境ソリューションは、2021年6月25日に開示したコーポレート・ガバナンスに関する報告書
(以下「コーポレート・ガバナンス報告書」といいます。
)の「Ⅰ 4. 支配株主との取引等を行う際
における少数株主の保護の方策に関する指針」及び「Ⅰ 5. その他コーポレート・ガバナンスに重要
な影響を与えうる特別な事情」において、神戸製鋼所との取引条件ないし取引条件の決定方針等につき
ましては、営業取引については、いずれも他の取引先と同様に見積書をベースに価格交渉し決定してい
る旨、土地等の賃借については、契約時点において再取得するのに要する金額又は相続税評価額をベー
スに、価格交渉し決定している旨を開示しております。
神鋼環境ソリューションは、本株式交換に関して、上記3.
(4)
「公正性を担保するための措置」及
び 3.
(5)
「利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、構造的な利益相反の問題及び情報の
非対称性の問題に対応し、その公正性を担保し、利益相反を回避するための措置を講じており、かかる
対応はコーポレート・ガバナンス報告書の記載の上記指針に適合しているものと考えております 。
(2)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関する事項
上記(1)「支配株主との取引等の該当性及び少数株主の保護の方策に関する指針への適合状況」に
記載のとおり、本株式交換は、神鋼環境ソリューションにとって支配株主との取引等に該当することか
ら、神鋼環境ソリューションは、構造的な利益相反や情報の非対称性の問題に対処するため、公正性を
担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が必要であると判断し、その取締役会におい
て、本株式交換に関する諸条件について慎重に協議・検討し、さらに上記3.(4)「公正性を担保す
るための措置」及び3.(5)「利益相反を回避するための措置」に記載の措置を講じることにより、
公正性を担保し、利益相反を回避した上で判断しております。
(3)当該取引等が少数株主にとって不利益なものではないことに関する、支配株主と利害関係のない者から
入手した意見の概要
神鋼環境ソリューションは、上記3.(5)「利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本
株式交換が神鋼環境ソリューションの少数株主にとって不利益な条件の下で行われることを防止するた
め、本特別委員会を設置いたしました。
神鋼環境ソリューションは、本株式交換を検討するにあたり、本特別委員会に対し(a)本株式交換の
目的は合理的と認められるか(本株式交換が神鋼環境ソリューションの企業価値向上に資するか否かを
含む。)、(b)本株式交換の条件(本株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性が確保されて
いるか、(c)本株式交換において、公正な手続を通じた神鋼環境ソリューションの株主の利益への十分
な配慮がなされているか、(d)上記(a)から(c)の他、本株式交換は神鋼環境ソリューションの少数株主
にとって不利益でないと考えられるか、について諮問いたしました。
その結果、本特別委員会からは、2021年8月4日付で、(a)本株式交換は神鋼環境ソリューションの企
業価値向上に資するものであり、本株式交換の目的は合理的であると認められること、(b)株式交換比
率を含む本株式交換の条件の公正性は確保されていると認められること、(c)本株式交換において、
公正な手続を通じた神鋼環境ソリューションの株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる
ことから、本株式交換は神鋼環境ソリューションの少数株主にとって不利益ではないものと認められる
ことを答申内容とする答申書を入手しております。本特別委員会の答申書の概要は、次のとおりです。
① 答申内容
ⅰ 本取引の目的は合理的と認められる(本取引が神鋼環境ソリューションの企業価値向上に資す
る。)ものと考える。
ⅱ 本株式交換比率は妥当なものと考えられ、本取引の条件の公正性が確保されているものと考える。
ⅲ 本取引において、公正な手続を通じた神鋼環境ソリューションの株主の利益への十分な配慮がなさ
れているものと考える。
18
iv さらに、上記ⅰ乃至ⅲを含めた本取引に係る状況を踏まえれば、神鋼環境ソリューション取締役会
が本取引の実施を決定することは、神鋼環境ソリューションの少数株主にとって不利益なものでは
ないと考える。
② 答申理由
ⅰ 「本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が神鋼環境ソリューションの企業価値向上に資す
るかを含む。)」について
・ 神鋼環境ソリューションらから説明を受けた(a) 本取引の目的及び必要性・背景事情、並びに
(b) 本株式交換を通じて実施される本取引のメリットについて、神鋼環境ソリューションの現在
の事業内容及び経営状況を前提とした具体的なものであると考えられること。特に、世界的な脱
炭素化に向けた動きの加速、カーボンニュートラルへの移行や社会変革の進展等神戸製鋼所及び
神鋼環境ソリューションを取り巻く事業環境が急激に変化しているとの認識の下、新規事業の創
出、環境貢献メニューでの収益最大化に向けた取り組みを推進していくべく、神鋼環境ソリュー
ションが保有する多くの特長ある技術を活用するために神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューション
の一層の連携強化が必要と考えることは、既に従前から、神戸製鋼所及び神鋼環境ソリューショ
ンがお互いの連携強化により、エンジニアリングビジネスの収益力強化や新規事業創出に向けた
取り組みを進めてきているとの点も踏まえると、十分に合理的な経営判断であると言えること
・ 上記(a)及び(b)について、神鋼環境ソリューションの属する業界及び市場の環境として一般に説
明されている内容とも整合すると考えられること
・ 同じく上記(a)及び(b)について、神鋼環境ソリューションにおける将来の競争力強化に向けて現
実的なものであると考えられること。具体的には、1.神鋼環境ソリューションを含む KOBELCO グ
ループでの新規事業創出の加速、2.KOBELCO グループ全体でのカーボンニュートラル達成に向けた
取り組み加速、3.KOBELCO グループ総合力の活用による神鋼環境ソリューション事業の拡大、4.経
営効率の向上及び上場維持コストの削減、5.中長期的な視点に基づく事業運営及び意思決定の迅
速化等については、神鋼環境ソリューションと神戸製鋼所との連携の下、新たな事業創出を試み、
また今後直面するであろう新たな課題に取り組むものと言え、いずれも神鋼環境ソリューション
における中長期的な事業強化への取り組み及び企業価値の向上等、将来を見据えて講じる施策と
して合理的なものであると言えること
・ 神鋼環境ソリューションと神戸製鋼所との間で、神鋼環境ソリューションの属する市場環境や将
来における動向予想等も踏まえて本取引の必要性及びメリットの検討を行っていると言えること
・ 神鋼環境ソリューションらから説明を受けた神鋼環境ソリューションの今後の事業見通し及び成
長見通し並びに本取引後に実施を検討している施策等について、神鋼環境ソリューションの事業
内容及び経営状況を前提とした上で、神戸製鋼所の経営方針をも踏まえたものと言え、いずれも
不合理なものとは認められないこと
ⅱ 「本取引の条件(本株式交換における株式交換比率を含む。)の公正性が確保されているか」につ
いて
・ 本取引は、上記ⅰ中の(a)及び(b)に関する具体的な内容として列記した各事情のもとで神戸製鋼
所による神鋼環境ソリューションの完全子会社化を目的とするものであるところ、本株式交換を
通じて当該完全子会社化の実施を目指すこと、また神鋼環境ソリューションの株主に対して神戸
製鋼所株式を割り当てることは、いずれも当該目的に沿うものと考えられ、神鋼環境ソリュー
ションが本取引において株式交換の手続を選択すること、またその対価を神戸製鋼所株式とする
ことは、いずれも妥当なものと考えられること、神鋼環境ソリューションにおいて、本取引の条
件、とりわけ本株式交換比率の公正性・妥当性を確保するために、その検討及び判断に際して、
本株式交換比率の算定のための独立の第三者算定機関を選任し、当該第三者算定機関から株式交
換比率算定書を取得した上で、当該株式交換比率算定書を参考としていること
・ 当該第三者算定機関作成の株式交換比率算定書の結論に至る計算過程について、その算定手法は
現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること
19
・ 上記算定の内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、また当該
算定の前提となっている神鋼環境ソリューションの事業計画の内容に関する神鋼環境ソリュー
ション及び第三者算定機関から本特別委員会に対する説明を踏まえ、本特別委員会においても、
神鋼環境ソリューションの事業計画の作成経緯及び神鋼環境ソリューションの現状を把握した上
で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から事業計画の合理性を確認しており、結論
として当該事業計画を合理的なものであると考えていること
・ これらを踏まえ、当該第三者算定機関作成の株式交換比率算定書について、特段不合理な点ある
いは著しい問題等は認められないと考えられること
・ また、当該株式交換比率算定書を基礎として神鋼環境ソリューションにおいても本取引の必要性
及びメリット、神鋼環境ソリューションの今後の事業への影響といった事情等を全般的に考慮し
た上で、本株式交換比率の検討を行ってきたと言えること
・ 神鋼環境ソリューションにおいて、経験豊富なリーガル・アドバイザー及び第三者算定機関(兼
ファイナンシャル・アドバイザー)を起用し、本株式交換比率を含む本取引全般の条件交渉に関
する助言を得ていると言えること
・ 本取引は会社法の定める株式交換の手続を経て行われる予定であるところ、株式交換を含む所定
の組織再編に関連する少数株主(一般株主)の権利保護を目的とした会社法上の規定として、当
該組織再編に反対する株主(いわゆる反対株主)は、当該株主が有する株式を公正な価格で買取
ることを神鋼環境ソリューションに対して請求する権利(すなわち株式買取請求権)が認められ
ていること。この買取価格について、一定の期間内に神鋼環境ソリューションとの間で協議が調
わない場合には、当該株主(及び神鋼環境ソリューション)は、公正な価格の決定を求めて裁判
所に対して所定の申立てを行うことが可能であること。かかる申立てが行われた場合の価格の決
定は、最終的には裁判所が判断することとなり、神鋼環境ソリューションの少数株主(一般株主)
においては、上記の手続を通じて経済的な利益の確保を図ることが可能とされていること
・ これらの神鋼環境ソリューションにおける対応は、本取引の条件とりわけ本株式交換比率の公正
性・妥当性を確保し、またこれらに関する神鋼環境ソリューションの判断及び意思決定について、
その過程から恣意性を排除するための方法として合理性・相当性を有するものと考えられること
・ 以上の通り、今般、神鋼環境ソリューションにて決議が予定されている本株式交換比率は、合理
的な算定を踏まえて検討、決定、合意されたものと言え、本株式交換比率の妥当性が認められる
ものと考える
ⅲ 「本取引において、公正な手続を通じた神鋼環境ソリューションの株主の利益への十分な配慮がな
されているか」について
・ 神鋼環境ソリューションは本取引への対応を検討するに当たり、神鋼環境ソリューションにおけ
る検討及び意思決定の過程に対する神戸製鋼所の影響を排除するべく、神鋼環境ソリューション
及び神戸製鋼所のいずれからも独立した本特別委員会を設置していること、本特別委員会の委員
全 4 名の半数である 2 名は神鋼環境ソリューションの社外取締役であり、残る 2 名は外部の専門家
である弁護士及び公認会計士であること、さらに当該社外取締役のうちの 1 名が本特別委員会委
員の互選により同委員会の委員長に選定されていること
・ 神鋼環境ソリューションは、本取引への対応を検討するに当たり、本取引の条件とりわけ本株式
交換比率の公正性を確保すべく、本株式交換比率に係る算定を、神鋼環境ソリューション及び神
戸製鋼所のいずれからも独立した第三者算定機関である SMBC 日興証券へ依頼した上で、株式交換
比率算定書を取得していること、また SMBC 日興証券の上記独立性に関し本特別委員会においても
必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・ また本取引に関する法的助言を得るべく、神鋼環境ソリューション及び神戸製鋼所のいずれから
も独立したリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任してい
ること、またアンダーソン・毛利・友常法律事務所の上記独立性に関し本特別委員会においても
必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・ 今般の本取引において、神戸製鋼所は神鋼環境ソリューションの親会社であり、本株式交換は神
20
鋼環境ソリューションにとって支配株主との重要な取引等に該当するものであることから、構造
的かつ典型的な利益相反性が生じる可能性があり得るところ、神鋼環境ソリューションにおいて
は、上記の体制のもと、本取引についてより慎重に条件の妥当性・公正性を担保する必要がある
旨を認識して、神鋼環境ソリューションから神戸製鋼所に対して協議過程の早い段階から少数株
主の利益に十分配慮した取引条件を要請してきたと言えること
・ 神鋼環境ソリューションと神戸製鋼所との間の協議及び交渉の方針に関して、神鋼環境ソリュー
ションから本特別委員会に対して協議及び交渉方針等の説明が行われた上で、本特別委員会にお
いて確認された当該協議及び交渉方針の下に神戸製鋼所との交渉が進められたこと
・ 神鋼環境ソリューションと神戸製鋼所との協議及び交渉の具体的な状況についても、適時に本特
別委員会への報告が行われてきており、かつ特に本株式交換比率に関する交渉の重要な局面にお
いては、当該報告の内容を踏まえ本特別委員会から神鋼環境ソリューションに対して意見を述べ
るとともに、必要と考えられる提言及び要請等を行う等、本取引の条件とりわけ本株式交換比率
の交渉過程に本特別委員会が実質的に関与可能な体制が確保されていること
・ その上で、条件の妥当性及び公正性並びに現実性といった事情について、神鋼環境ソリューショ
ンにおいて全般的な検証を重ねた上で、神戸製鋼所との複数回に及ぶ協議、交渉を経て本株式交
換比率に関して、今般取締役会決議が予定されている比率についての最終的な調整が進められた
こと
・ その後、最終的に神鋼環境ソリューションと神戸製鋼所との間において本株式交換比率を含む本
取引の条件について合意するに至り、神鋼環境ソリューションにおいて、当該合意された比率を
もって、取締役会で決議を予定している本株式交換比率となったこと
・ 利害関係を有する神鋼環境ソリューション取締役について、意思決定過程における公正性、透明
性及び客観性を高めるために、神鋼環境ソリューションにおける本取引の検討に加わっておらず、
今後開催される本取引に関する取締役会の審議及び決議にも参加しない予定であること等、意思
決定過程における恣意性の排除に努めていると言えること
・ 以上の通り、本取引の条件の公正性の担保に向けた客観的状況の確保等の諸点について、具体的
な対応が行われているものと考えられ、公正な手続を通じた神鋼環境ソリューション株主の利益
への十分な配慮がなされていると考えられること
ⅳ 「上記ⅰからⅲの他、本取引は神鋼環境ソリューションの少数株主にとって不利益でないと考えら
れるか」について
・ 上記ⅰ乃至ⅲまでにおいて検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本株式交
換を含む本取引が神鋼環境ソリューションの少数株主にとって不利益なものであると考える事情
は現時点において特段見あたらず、従って神鋼環境ソリューション取締役会が本取引の実施を決
定することは神鋼環境ソリューションの少数株主にとって不利益なものではないと考える。
以 上
21
(参考)神戸製鋼所の当期連結業績予想(2021 年 8 月 5 日公表分)及び前期連結実績
親会社株主に帰属
連結売上高 連結営業利益 連結経常利益
する当期純利益
当期業績予想
2,030,000 80,000 70,000 40,000
(2022 年 3 月期)
前期実績
1,705,566 30,398 16,188 23,234
(2021 年 3 月期)
(単位:百万円)
(参考)神鋼環境ソリューションの前期連結実績
親会社株主に帰属
連結売上高 連結営業利益 連結経常利益
する当期純利益
前期実績
112,405 5,635 5,673 3,617
(2021 年 3 月期)
(単位:百万円)
22