5387 J-チヨダウーテ 2019-12-13 15:30:00
資本業務提携、第三者割当により発行される株式の募集並びに当社主要株主の異動に関するお知らせ [pdf]
2019 年 12 月 13 日
2
各 位
会 社 名 チヨダウー テ株式会社
代表者名 代表取締役 役社長 平田 晴久
(コード番号 5387 JASDA
号 AQ)
問合せ先 取締役管理本本部長 種田 貴志
T E L 059‐3664‐5215
資本業務
務提携、 三者割当によ
第三 より発行され
れる株式の
の募集並びに
に当社主要株
株主の異動に
に関する
お知らせ
せ
当社は 2019 年 12 月 13 日開催
は、 催の当社取締役役会において、Knauf Inter
rnational Gmb (以下
mbH 「Knauf 社」
)
との間に
において資本業 業務提携契約 約(以下、 資本提携契約
「本資 約」といい、本 本資本提携契約 約に基づく資資本業務提
携を以下
下「本資本業務 務提携」とい いいます。 締結すること
)を締 とを行うこと、 、また、本資 資本提携契約に に基づき、
第三割当
当の方法により り、Knauf 社にに対して普通
通株式を発行すすること(以下「本第三者 者割当増資」 を決議し
)
ましたの
ので、下記のと とおりお知らせします。
また、本
本第三者割当 当増資に伴い、 、当社の主要株
株主の異動が
が見込まれるた 併せておため、 お知らせいたたします。
記
Ⅰ.本資資本業務提携の の概要
1. 本資
資本業務提携の の理由
当社は 戦後1948 年(昭和23 年)1月に創業 1955 年(
は、 年 業後、 (昭和30 年)4
4月に石膏ボー
ードの製造を
を開始し、
昨年 70 周年を迎え
0 えました。 や天井に使用さ
壁や される建築内 内装材は、 質系資材が、燃えやすいと
木質 燃 という欠点
があるるのに対して、石膏ボードが、防火性と と耐熱性に優れ れていたこと とから、建築基
基準法や消防
防法等によ
り、ここれら性能が義 義務付けられ れたことを契機機に主流を占めるようにな なりました。加
加えて、石膏
膏ボードの
価格がが、木質系資材 材に比べて低 低価格で安定ししていたこと、 、石膏ボード ドの主原料が、
、肥料工場や
や火力発電
所からら副産物として て発生する化 化学石膏と古紙紙を使用してい いることから ら、資源リサイ
イクルに大き
きな貢献を
果たししてきたことが が、社会的にも支持されて てきた要因と考 考えています す。
こうして石膏ボー ードは、戦後の の建設業界に
に普及してきま ましたが、当 当社が、石膏ボ
ボードメーカ
カーとして
飛躍ししてきた背景に には、1960 年代のプレハ
年 ハブ住宅の建築 築戸数の急激 激な伸びが、背
背景にありま
ます。1962
年(昭和 37 年)に石
和 石膏ボード等の の不燃材を使用
用した鉄骨系 系プレハブ住宅 住宅金融
宅が、 融公庫の融資
資対象とな
ったこことから、プレ レハブ住宅の建築が、急激 激に増加し、そ それとともに に石膏ボードも
も急速に使用
用されるよ
うにななりました。も もともと石膏 膏ボードの最大大市場であるビル・事務所 所等の建設業界
界は、日本に
におけるパ
イオニニアとして牽引 引してきた国 国内トップ企業業が、しっかり押さえてお おり、当社が、
、入り込む隙
隙間が、ほ
とんどどなく建設業界 界以外に市場 場を求めざるをを得ないという状況にあっ って当社は、い
いち早くプレ
レハブ住宅
市場をを押さえに行っ ったことが大きな飛躍の原 原動力となりま ました。
しかかしながら、こ こうした歴史的 的背景が、今
今日の当社を取 取り巻く環境 境において、先
先行きの不透
透明感を増
す要因因となっていま ます。戦後の の日本経済におおいて、これまでもバブル ル崩壊やリーマ
マンショック
ク等の大き
な経済済変動の影響を を受けながら、住宅市場は は、増減を繰り返してきま ましたが、少子
子高齢化が進
進み、日本
1
国内の人口減少が、見込まれる中、1973 年(昭和 48 年)には、過去最高の 190 万戸に達した新設住宅着
工戸数は、2009 年度(平成 21 年度)に 100 万戸を下回り、大手シンクタンクは、新設住宅着工戸数が、
現在の 90 万戸半ばから 2030 年度には、60 万戸程度まで減少する見通しを発表しており、それに伴い、
石膏ボードの使用量も減ることが予想されます。当社が、住宅市場で伸びてきた強みが、今後は、弱点
になりかねない状況に直面しており、これまでも住宅分野以外の非住宅分野における取扱い強化を進め
てきましたが、上記で説明したとおり、その市場は、圧倒的に国内トップ企業が押さえており、新たな
ニーズの発掘や市場開拓を進めていくためには、商品力、研究開発力、人材、資金等が、ますます必要
になってきます。特に石膏ボード業界は、戦後乱立していたメーカーが、淘汰され続け、現在では、国
内トップ企業と当社の2社体制という特異な業界構造となっており、両社とも全国を同じく商圏とする
なか、当社業界シェアは、約2割と、国内トップ企業とは格段の差がある状況です。
当社は、このような業界ポジションにあって 2006 年(平成 18 年)より、石膏ボードをはじめとする建
材をグローバルに展開するドイツのクナウフ・グループと、日本における石膏ボード事業を中心とした
包括的な資本提携及び業務提携を行ってきており、特に 2015 年(平成 17 年)にはクナウフ・グループ
より専務取締役のクラウス・ケラーやスタッフが、派遣され日本に常駐しております。縮小が見込まれ
る日本の市場環境と当社の厳しい足元業績に鑑みると、早急に成長戦略を策定し、安定した企業経営に
軌道を乗せることが、ステークホルダーの皆様との共通した経営目標であり、日本の業界動向や商流等
の外部事情とチヨダウーテグループの社内事情を最も熟知し、且つ、日本市場のポテンシャルを評価し
たうえで、当社の企業価値向上に強い意欲を持つクナウフ・グループと一層強固な資本関係を進め、業
務提携を構築することが、極めて有効かつ必要と判断しました。
2. 本資本業務提携の内容
(1)業務提携の内容
① 戦略的投資に備えた財務基盤の改善
2018 年3月期決算より、業績が、頭打ちとなり、2019 年3月期は、連結・単体ともに営業損益段
階より赤字となりました。これは、建設業界においては、職人の人手不足により建築コストが、高騰
した結果、建築資材を納入するメーカーの販売価格引上げが、なかなか進まず、原材料等の仕入れコ
ストの引上げや、 物流コストの上昇により採算が悪化したことが、 主因です。加えて 2017 年度には、
人材確保や社員の健康増進を目的とする働き方改革の一環で、 所定労働時間の短縮や完全週休2日制、
製造現場社員の勤務シフトの改善を進めた結果、 人件費が、
増加していることが挙げられます。 今後、
トップラインを伸ばしていくことが、 なかなか容易ではない中、 経費抑制の取り組みは、 急務であり、
そのために一層の業務改善を強力に進めていく上で省力化投資や生産設備の更新を通じた生産性向
上、IT 技術の活用による業務の大幅な効率化に従来以上に取り組んでいく必要があります。しかし
ながら、それを進めるためには、相応の資金力が必要となるはずで、足元の業績では、金融機関から
の有利な資金調達は、厳しいと予想しており、まずは、堅実で安定した企業経営を裏打ちする財務基
盤の強化が、最優先の課題と考えています。
その財務面において、 有利子負債残高が、2019 年3月期末時点で連結売上高約 300 億円に対して約
130 億円と少なくない水準にある中、当社は、研究開発や生産設備の更新、および業務改善に向けた
IT 投資をクナウフ・グループとの間で速やかに策定し、推進していくことを基本的に合意したとこ
ろです。そのためには、クナウフ・グループと当社は、今回の増資により持ち株比率を上昇させるこ
とで提携関係強化を通じた信用力向上と、 増資資金を全額借入金返済に充てることで財務基盤の改善
を進めるべきであると判断しました。すなわち、金融機関が、独自に行う当社の財務格付の改善を速
やかに図ったうえで、今後、両社で検討し、推進する設備投資の投資効果を金融機関に説明すること
で、 有利な条件で円滑かつ機動的に資金調達するための財務基盤の強化を実現することが、 現時点で
最も有効であると判断しました。 財務指標の改善については、 「4.調達する資金使途の合理性に関す
る考え方」 で後述するように短期借入金の返済に充て、 現在四半期ごとに管理している安全性の財務
指標(流動比率、固定長期適合率)の改善を図ることを予定しています。
従いまして、今回の増資資金は、直接投資計画に充てるものではなく、戦略的投資に備えた財務基
盤の改善の実現に資するもので、 今後、策定する投資計画に合わせて機動的な資金調達が可能な財務
基盤の構築を推し進めるものであります。
2
② 安定した原料調達
当社が、利用する原料石膏の多くは、火力発電所の副産物として生じる化学石膏を利用しています
が、世界的な脱炭素社会に向けた流れから環境への負荷が、大きい石炭火力発電事業に対し、金融機
関が、融資について慎重な姿勢を表明し始めています。こうした環境配慮の措置が、一層進むと将来
的に国内の化学石膏の入手が困難になる事態が想定されます。 当社として石膏ボード事業を継続して
いく上で、化学石膏を補うために海外より天然石膏を手当てする必要が生じた際、 海外で天然石膏の
鉱山を保有するクナウフ・グループとの提携関係は、極めて有効に働くと考えています。
③ BCP(事業継続計画)の見直し
将来、発生が予想される南海トラフ地震では、国内の複数の事業所・工場で相応の影響を被ること
が予想され、当社でもBCP(事業継続計画)の見直しを継続して取り組むことが重要になります。
当社は、石膏ボードメーカーとして国内に5工場(室蘭、千葉、四日市、貝塚、下関)を保有していま
すが、国内生産拠点が、被災した場合のリカバリーを早急に実現すべく、クナウフ・グループの海外
ネットワークを活用し、 非常時における様々な原材料の調達ルートを国内だけでなく海外にも求める
ことで、安定的なサプライチェーンを確保し、それを実現するためのグローバルな BCP を両社で検
討し、将来予想される災害へのリスクヘッジを行いながら、 当社の企業価値を高めたいと考えており
ます。
④ マーケティング力の強化
当社とクナウフ・グループが持つ製品やサービスの機能・特性を踏まえた比較・検討を行い、主に
当社にない製品やサービス分野への進出の機会を検討し、 断熱材を始めとした建設資材全般での国内
上市を検討していくためにマーケティング力の強化を図っていくことを目指しております。
⑤ 業務プロセスの効率化推進
販売・製造・物流・管理の各分野においてIT投資を実行していくことで、今後、各種データの蓄
積・活用を通じ、業務プロセスの効率化を推進することで、これまでの慣習にとらわれず、一人当た
りの生産性の向上を高めたいと考えております。
(2)資本提携の内容
当社は、本第三者割当増資により、Knauf 社に対して、本普通株式を割り当てる予定です。本第三者割
当増資の詳細は、下記「Ⅱ.第三者割当により発行される株式の募集」をご参照ください。
なお、 本資本業務提携後の発行済み株式総数 23,737,165 株から現在の自己株式 418,768 株を控除した株
式数が、23,318,397 株に対して、今回新たに発行する 6,067,165 株を Knauf 社が引き受けると Knauf 社保
有株式数は既存株式 4,491,434 株から 10,558,599 株となり、出資比率は 44.48%になります。但し、Knauf
社が 50%を出資する株式会社晴山(以下、 「㈱晴山」という)の保有株式 2,200,000 株のうち Knauf 社の出
資割合に対応分の株式 1,100,000 株を本件後(10,558,599 株)に加えると 11,658,599 株となり、これら株
式を合算した Knauf 社の出資比率はほぼ 50%となる予定ですが、50%を超えません。この出資比率の背景に
ついては、㈱晴山(当社持ち株比率第2位の株主)が、2015 年3月の第三者割当増資の引き受けで、当社代
表取締役平田晴久が、代表取締役を務める株式会社平田興産(以下、㈱平田興産という)と、Knauf 社が、
50 : 50 の等分で出資し、対等な資本関係を構築し、両社が安定して当社株式を保有することで、経営諸
課題に対して対等な立場で相互に協議し合う状態を、内外の利害関係者に示してきております。今回の増
資による Knauf 社の出資割合がほぼ 50%となることは、 ㈱晴山における Knauf 社の位置付けと符合しつつ、
クナウフ・グループとの協力関係をより一層強固に進めるものです。 また、 取締役人事について、 現在は、
取締役7名のうち、クナウフ・グループからの取締役は、専務取締役のクラウス・ケラー1名ですが、本
資本提携後、クナウフ・グループと当社は、当社の総取締役数のうち各々、半数の者を指名する権利を有
することで合意いたしました。
従いまして、当社は、本資本提携後、上記の合意に基づき、取締役候補者の人選につき両社で協議のう
え、臨時株主総会を開催し、新たに取締役の選任を実施する予定です。
3
3.本資本業務提携の相手先の概要
(2019 年 12 月 13 日現在)
① 名 称 Knauf International GmbH
② 所 在 地 Federal Republic of Germany, 97346 Iphofen, Am Bahnhof 7.
代 表 者 の 役 Alexander Knauf (General Manager)
③
職 ・ 氏 名 Manfred Grundke (General Manager)
④ 事 業 内 容 持株会社
⑤ 資 本 金 60,000,000 ユーロ (72 億 50 百万円)
⑥ 設 立 年 月 日 1998 年1月 23 日
⑦ 発行済株式数 -
⑧ 決 算 期 12 月 31 日
⑨ 従 業 員 数 約 35,000 名(連結)
⑩ 主 要 取 引 先 持株会社であるため、該当事項はありません。
⑪ 主要取引銀行 UniCredit Bank AG
大株主及び持
⑫ Gebr. Knauf KG 99.99%
株 比 率
当事会社間の
⑬
関 係
割当先は、当社普通株式 4,491,434 株(発行済株式数対比で 25.42%)を保有し
資 本 関 係 ております。また、当社株式 2,200,000 株を保有する㈱晴山に 50%出資しており
ます。
クナウフ・グループのグループ会社の従業員 1 名が、 当社の取締役に就任してお
人的関係
ります。
取 引 関 係 クナウフ・グループの一部製品を日本市場で販売しております。
関連当事者
割当先は、当社主要株主であり、連結財務諸表規則第 15 条の4に定める関連当
へ の
該当状況 事者に該当します。
⑭ 最近3年間の経営成績及び財政状態
決算期 2016 年 12 月期 2017 年 12 月期 2018 年 12 月期
千ユーロ 百万円 千ユーロ 百万円 千ユーロ 百万円
純 資 産 3,589,455 433,750 3,788,268 457,774 3,995,015 482,758
総 資 産 4,352,195 525,919 4,744,632 573,341 5,049,371 610,166
経常利益 193,671 23,403 205,807 24,870 218,666 26,424
当期純利益 192,726 23,289 198,813 24,025 206,747 24,983
(注)1.提出者と割当予定先との間の関係の欄は、本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前営業日である 2019
年 12 月 12 日現在におけるものであります。
2.割当予定先の最近3年間の経営成績及び財政状態につきましては、当該会社は、株式会社に該当せず、また、
持株会社の形態であるため、売上高、営業利益、1株当たり当期純利益、1株当たり配当金、1株当たり純資
産につきましては表記しておりません。
3.最近3年間の経営成績及び財政状態について本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前営業日である
2019 年 12 月 12 日の円・ユーロ為替の仲値1ユーロ=120.84 円(2019 年 12 月 12 日現在)を適用しておりま
す。
4.米国大手企業情報サービス会社 Dun & Bradstreet が提供する「D&B Credit」の他、国内外 1,000 以上のリ
ストをカバーするデータベースを基に海外企業調査を実施している第三者機関であるエクスペリアンジャパ
ン株式会社(住所:東京都千代田区大手町1-1-1大手町パークビル7階、代表取締役コロム・ジョン・ケ
ネリー)に割当予定先、当該割当予定先の役員及び主要株主について海外コンプライアンススクリーニングチ
ェックの依頼をし、いずれについても反社会的勢力と関係を示す事項はない旨の回答を得たことを踏まえ、割
当予定先、当該割当予定先の役員及び主要株主は、反社会的勢力と一切関係がないものと判断するとともに、
割当予定先からも割当予定先並びにその役員及び主要株主による反社会的勢力等との関与の事実が確認され
なかった旨の確認を入手し、割当予定先が反社会的勢力等とは一切関係がない旨の確認書を東京証券取引所に
提出しています。
4
4.日程
(1)本資本業務提携及び本第三者割当増資に関する取締役会決議日 2019 年 12 月 13 日
(2)本第三者割当増資に関する申込日 2020 年 1 月 14 日
(3)本資本業務提携及び本第三者割当増資に関する契約締結及び 「
(2) 」の申込期日まで
提携開始日
Ⅱ.第三者割当により発行される株式の募集
1.募集の概要
(1) 払 込 期 日 2020 年 1 月 15 日
(2) 発 行 新 株 式 数 普通株式 6,067,165 株
(3) 発 行 価 額 1 株につき金 423 円
(4) 調 達 資 金 の 額 金 2,566,410,795 円
(5) 資 本 組 入 額 1株につき金 212 円
(6) 資 本 組 入 額 の 総 額 金 1,286,238,980 円
募集又は割当方 法 第三者割当の方法により Knauf International GmbH に対し
(7)
( 割 当 予 定 先 ) 6,067,165 株を割り当てます。
上記各号については、 金融商品取引法に基づく届出の効力発生を
(8) そ の 他
条件としております。
2.募集の目的及び理由
(1)本第三者割当増資の目的
前記「Ⅰ.本資本業務提携の概要 1.本資本業務提携の理由及び内容」をご参照ください。
(2)本第三者割当増資を選択した理由
当社は、公募増資についても選択肢の一つとして検討しましたが、第三者割当増資と比較したと
きに当社業績が悪化している現状下では、引受証券会社を見つけることが困難、且つ、十分な応募が
集まらない可能性が高いと想定されました。加えて公募増資の場合には、上述のように安定した原料
調達や、BCPの見直しという点において当社との間の事業シナジー実現に対するコミットメントの
強化を図ることができないと考えており、当社は、クナウフ・グループとの間の事業シナジー実現に
対するコミットメントの強化を図り、事業シナジー実現の蓋然性を高める上では、クナウフ・グルー
プの株式保有割合を高めるべきと判断したものです。結果、既存株主の議決権が、一時的に希薄化い
たしますが、財務基盤強化及び事業シナジー実現により、既存株主に対する将来の株式価値の向上に
寄与することが見込まれることからクナウフ・グループの中核企業のひとつである Knauf 社を引受け
とする第三者割当増資が適当と判断しました。
3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期
(1)調達する資金の額
① 払 込 金 額 の 総 額 2,566,410,795 円
② 発 行 諸 費 用 の 概 算 額 13,056,306 円
③ 差 引 手 取 概 算 額 2,553,354,489 円
(注) 1. 発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
2. 発行諸費用の概算額には、アドバイザリー手数料(2,000,000円)
、取引所費用(2,052,633円)
、
登録免許税(9,003,673円)からなります。
5
(2)調達する資金の具体的な使途
具体的な使途 金額(円) 支出予定時期
短期借入金返済 2,500,000,000 円 2020 年 1 月
1 年以内長期借入金返済 53,354,489 円 2020 年 1 月
合 計 2,553,354,489 円
※上記差引手取概算額 2,553,354,489 円の全額は、短期借入金返済及び1年以内長期借入金返済に充当します。当社の資
金調達の状況は、下記「4.調達する資金使途の合理性に関する考え方」に記載の通り、連結・単体ともに 2015 年(平成
27 年)3月の㈱晴山に対する第三者割当増資により長短のアンバランスを是正し、財務指標の安全性の改善に取り組みま
した。その後、僅かずつではあるものの改善傾向にありますが、依然として流動比率は 100%を下回り、固定長期適合率は
100%を上回っており、今回の増資により調達する資金を全額借入金返済に充当することで是正される見込みです。今後と
も金融機関から円滑に有利な資金調達を実行して行く上では、収益性や効率性の改善とともに流動比率や固定長期適合率
等の財務指標の改善や有利子負債額の圧縮など財務体質の改善に取り組む必要があると考えています。
なお、支出実行までの資金管理は、当社銀行預金口座にて適切に管理いたします。
4.調達する資金使途の合理性に関する考え方
2015 年(平成 27 年)3月の㈱晴山に対する第三者割当増資により調達した約 10 億円は、全額短期
借入金の返済に充当しました。それは、一般的な財務指標である安全性分析の流動比率(標準値とし
て 100%超が望ましい)、固定長期適合率(標準値として 100%未満が望ましい)が、調達資金の長短ア
ンバランスの発生によりいずれも標準値に達していなかったからです。これは、市場金利連動型の
短期資金を低利で借入可能であることから、本来長期性資金で調達すべきところを市場連動型の低
利な短期借入金で賄ってきたためです。
2015 年3月期末で増資資金により長短のアンバランスを是正し、それ以降も四半期ごとに取締役
会で推移を報告し、改善に取り組んできており、2019 年3月期末にかけて僅かずつではあるものの
改善してきていますが、依然として 2019 年3月期で単体の流動比率が 87.3%、固定長期適合率が
106.5%、連結の流動比率が 88.9%、固定長期適合率が 106.3%と連結・単体とも標準値に達してお
らず、今回増資により調達する資金を短期借入金返済に充当することにより、連結・単体ともに流
動比率が約 110%、固定長期適合率が約 95%になりそれぞれ改善できる見込みです。
その結果、抑制的に残高をコントロールしてきている有利子負債額は、一旦、減少します。今後、
必要な投資は、個別の投資効果を慎重に検討の上、適切に実施してまいりますが、老朽化によりメ
ンテナンス費用が、嵩み始めた設備投資の実施や業務効率化を目的とするIT投資等については、
その投資効果が、発現する期間を考慮すると、長期性資金により調達することが適当であり、長短
のアンバランスの是正に引き続き留意しつつ、投資により収益力を上げることで有利子負債の抑制
にも繋げていくことを予定しています。資本コストの高い手法で資金を調達しますが、長期で安定
した自己資本の充実は、財務基盤の安定に資するものであり、最終的に既存株主の利益向上にも繋
がるはずで、本第三者割当増資の資金使途に合理性があると判断しております。
5.発行条件等の合理性
(1)払込金額の算定根拠及びその具体的内容
発行価額は、2019 年 12 月 13 日開催の本第三者割当増資に係る取締役会決議日(以下、本取締役
会決議日といいます。)の直前営業日である 2019 年 12 月 12 日の終値を基準とし、1株あたり 423
円といたしました。
なお、当該発行価額は、本取締役会決議日直前の1か月間(2019 年 11 月 13 日から 2019 年 12 月
12 日まで)における株式会社東京証券取引所 JASDAQ スタンダード市場の終値の平均値である 428
円(円未満切捨て)に対しては、1.17%のディスカウント、同直前3か月間(2019 年9月 13 日か
ら 2019 年 12 月 12 日まで)の終値の平均値である 427 円(円未満切捨て)に対しては、0.94%の
ディスカウント、同直前6か月間(2019 年6月 13 日から 2019 年 12 月 12 日まで)の終値の平均値
である 427 円(円未満切捨て)に対しては、0.94%のディスカウントとなり、特に有利な条件での
発行には該当せず、この点において既存株主の不利益は限定的であり、Knauf 社は、本第三者割当
増資により取得した株式を長期保有する方針であるため、本第三者割当後、本新株が短期的・大量
に市場で売却されることによる流通市場への悪影響は生じないものと判断しております。
6
上記発行価額につきましては、取締役会に出席した監査役3名全員(うち2名は社外監査役)か
らも、上記算定根拠による発行価額の決定は、適正・妥当であり、かつ日本証券業協会の「第三者
割当増資の取扱いに関する指針」に準拠したものであり、取締役会での特に有利な発行価額には該
当しないものとする判断についても、法令に違反する重大な事実は認められず、適法である旨の意
見を得ております。
(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠
本第三者割当増資により新規に発行する株式数は、6,067,165 株(議決権数 60,671 個)であり、
これは、現在の当社発行済株式総数 17,670,000 株(2019 年9月 30 日現在の総議決権数 172,499 個)
に対し、34.34%の割合(総議決権数に対する割合 35.17%)に相当し、これにより一時的に1株当
たりの株式価値の希薄化が生じます。しかしながら、前述の通り、当該資金調達が、当社の財務基
盤の強化に寄与し、クナウフ・グループと当社との間の事業シナジー実現に対するコミットメント
の強化を図り、事業シナジー実現の蓋然性を高めるには、クナウフ・グループによる株式保有割合
を高めるべきと判断しており、その反射的効果として、他の株主の議決権が、一時的に希薄化しま
すが、財務基盤強化及び事業シナジー実現により、将来の株式価値の向上に寄与することが見込ま
れることから、 今回の発行数量及び株式の希薄化規模は、 合理的であると当社は判断しております。
6.割当先の選定理由等
(1)割当先及び割当先への出資会社等の概要
①割当先の概要
前記「Ⅰ.本資本業務提携の概要 2.本資本業務提携の相手先の概要」に記載の通りであります。
(2)割当先を選定した理由
当社は、2006 年(平成 18 年)4月に、石膏ボードをはじめとする建材を世界各国で展開するドイツ
のクナウフ グループと日本における石膏ボード事業を中心とした包括的な資本提携及び業務提携を
・
行い、 当社の財務体質の強化を図りつつ、 当社の石膏ボード製造の技術水準の向上や新製品の商業化
等を推進してきました。クナウフ・グループは、石膏ボードの世界におけるパイオニア企業として多
数の製造技術の特許を持つ米国USG社を昨年買収合意しており、 石膏ボードを含めた建材分野で世
界屈指のメーカーで、そのグループ概要は、現在、全世界 86 ケ国に展開し、250 ケ所以上の製造及
び販売拠点を有し、従業員は、35,000 名で直近のグループの売り上げは、年間約 100 億ユーロ(約
1兆2千億円)となっております。
資本関係の推移につきましては、クナウフ・グループの中核企業の一つである Knauf 社は、これま
で 2010 年(平成 22 年)2月及び 2013 年(平成 25 年)8月に当社の第三者割当増資を引受けたことによ
り資本関係を強化し、 現在 4,491,434 株(現在の当社発行株式総数 17,670,000 株に対して、自己株式
除きの出資比率 26.04%)の当社株式を保有しています。また、最近では 2015 年(平成 27 年)3月に、
当社代表取締役の平田晴久が、 代表取締役を務める事業会社である㈱平田興産と Knauf 社は、 : 50 50
の等分で㈱晴山を設立し、㈱晴山が、当社第三者割当増資により 2,200,000 株を引受け(自己株式除
きの出資比率 12.75%)、Knauf 社が、㈱平田興産と対等な資本関係を維持し、㈱晴山が安定して当社
株式を保有しつつ、 両社で当社の経営諸課題を協議し合う体制を構築しております。 このように世界
屈指の建材メーカーであるクナウフ・グループとの資本面における関係強化は、 当社取引先に対する
信用力の強化に寄与してきたものと考えております。
業務提携につきましては、クナウフ・グループと当社との両社間の工場の相互訪問により、石膏ボ
ードの製造技術や応用技術の情報交流を行ってきました。 そうした結果、 両社マーケティングチーム
によるクナウフ・グループの製品の選定と評価を行い、日本市場への導入を検討してきた結果、2011
年(平成 23 年)8月に『AQUAPANEL Cement Board』を日本市場に上市し、水に強く簡単に曲面施工が
できるセメント板の内装下地材として、温泉施設、病院、スポーツジム等の物件に採用され、認知度
の浸透とともに取扱件数は堅調に伸びており、2018 年度には 40 千枚の通期計画に対して約 51 千枚
の販売にまで至っております。また、2015 年の㈱晴山による第三者割当増資後は、クナウフ・グル
ープよりクラウス・ケラー氏が来日し、 当社取締役(現専務取締役企業戦略室長)に就任して社内の諸
会議や各事業所・工場、グループ会社を訪問のうえ、実情を把握して、製造・営業・物流面で改善す
べき課題を提言し、改善活動を推進してきました。
具体的な事例として、
7
① 製造面では、千葉工場における石膏ボード乾燥工程の省エネ推進を強く指摘し、工事実施によ
り熱エネルギー改善効果を確認することができ、その後、他工場に水平展開を実施しました。
その他、新設したロジスティクス本部の統括の下、製品をより精緻に管理することで倉庫内で
の製品の毀損を逓減すべく、在庫管理システムの投資を展開しております。
② 営業面では、製品ごとの製造原価を把握し、営業に対して顧客ごとの販売施策や収益重視の販
売策を徹底しているところです。
③ 物流面では、経費項目の中で運賃の占める比率が最も高く、改善すべき課題が多岐にわたりま
す。改善すべき課題としては、ロジスティクス本部による製品在庫の一元管理の体制を整備す
ることで製品在庫を即時で把握し、需給動向に応じた工場間移送の効率化を実現し、運賃の低
減を図ります。
今後、本第三者割当増資による資本関係の一層の強化により、これまでの両社の業務提携の成果
に加え、当社が石膏ボード事業を継続していく上で、将来、国内の化学石膏の入手が困難になる事
態が想定される中で、これを補うために海外より天然石膏を手当てする必要が生じた際、海外で天
然石膏の鉱山を保有するクナウフ・グループとの提携関係強化は、極めて有効に働くと考えていま
す。また、将来、発生が予想される南海トラフ地震では、国内の複数の事業所・工場で相応の影響
を被ることが予想されます。それに加え、昨今の自然災害の規模も大型化していることを目の当た
りにすると、社員とその家族を守ることと併せ、BCP(事業継続計画)の見直しに継続して取り
組むことが重要になります。当社は、石膏ボードメーカーとして国内に5工場(室蘭、千葉、四日市、
貝塚、下関)を保有していますが、海外のクナウフ・グループのネットワークも活用したBCPを検
討していくことを進めたいと考えています。
一方、当社の運営において、両社で取り決めたメンバーにより、日常業務の進捗状況を確認する
ことを目的とし、新たに経営委員会を組織し開催することで、取締役会・株主総会の決議に至る過
程で、迅速に経営諸課題の情報共有を図り、方向性を確認していくことを予定しています。そして
取締役会の構成メンバーに関しては、割当予定先からの経営参画の強化を実現するため、現在は、
取締役7名のうち、クナウフ・グループからは、専務取締役のクラウス・ケラー1名ですが、本第
三者割当増資の後、クナウフ・グループと当社は、当社の総取締役数のうち各々、半数の者を指名
する権利を有することで合意いたしました。
このように、クナウフ・グループの経営参画の強化を図り、業務改善を進めながら、当社の財務
格付けの改善を実現することで生産設備の更新並びに業務改善に向けたIT化が、速やかに推進で
きるものと考え、これまでも提携関係を継続してきたクナウフ・グループの中核会社である Knauf
社を割当先といたしました。
(3)割当先の保有方針
割当先からは、当社との事業提携を前提として、当社株式を長期保有する方針であることを口頭に
て確認しております。
なお、当社は、割当先が、払込期日から2年間において、割当新株式の全部又は、一部を譲渡した
場合には、譲渡を受けた者の氏名及び譲渡株式数等の内容を直ちに書面にて当社へ報告すること、当
社が、当該報告に基づく報告を株式会社東京証券取引所に行い、当該報告の内容が、公衆の縦覧に供
されることに同意することにつき、割当先から払込期日までに確約書を得る予定であります。
(4)割当先の払込みに要する財産の存在について確認した内容
前述のとおり、クナウフ・グループは、石膏ボードを含めた建材分野で世界屈指のメーカーですが、
当社は、ドイツ国で公表される直近の財務諸表(2018 年 12 月 31 日現在)を割当先から入手し、その
内容を確認した結果、本第三者割当増資の払込みに要する財産を保有しているものと判断しており、
さらに割当先から本第三者割当増資の払込みに関して懸念がない旨の確認書も受領しております。
7.募集後の大株主及び持株比率
募集前(2019 年9月 30 日現在) 募集後
Knauf International GmbH 25.42% Knauf International GmbH 44.48%
株式会社晴山 12.45% 株式会社晴山 9.27%
株式会社平田興産 9.25% 株式会社平田興産 6.89%
8
株式会社ゼロシステム 7.03% 株式会社ゼロシステム 5.23%
チヨダ共栄会 4.23% チヨダ共栄会 3.15%
基毘商事株式会社 3.97% 基毘商事株式会社 2.95%
平田 美代子 3.59% 平田 美代子 2.67%
平田 晴久 2.56% 平田 晴久 1.91%
チヨダ取引先持株会 1.92% チヨダ取引先持株会 1.43%
株式会社三菱UFJ銀行 1.70% 株式会社三菱UFJ銀行 1.27%
(注)1.上記表には、当社所有の自己株式 418,768 株(2019 年9月 30 日現在)を含めておりません。
2.持株比率は、発行済株式総数に対する所有株式数の割合を記載しております。
3.募集前の大株主及び持株比率については、2019 年9月 30 日現在の株主名簿を基準とし、募集後の大株主及び
持株比率については、2020 年1月 15 日に Knauf 社を割当先とする本新株発行による株式数(6,067,165 株)を
加えて算出したものです。
4.持株比率は、小数点以下第3位を四捨五入して表示しております。
8.今後の見通し
本資本業務提携及び本第三者割当増資により、クナウフ・グループとの協力関係が更に強化され、
中長期的な当社の営業力・技術力の強化、さらには企業価値及び株主価値の向上につながるものと考
えております。なお、2020 年3月期の業績に与える影響は、軽微であります。
9.企業行動規範上の手続きに関する事項
本第三者割当増資による資金調達は、希薄化率が、34.34%の割合(議決権における割合 35.17%)
となり、25%以上であることから、株式会社東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」第 432 条に
規定される 「経営者から一定程度の独立した者による当該割当ての必要性及び相当性に関する意見の入
手」 「当該割当てに係る株主総会の決議などによる株主の意思確認」
又は のいずれかの手続を得る必要
があります。
今回の資金調達につきましては、 当社及び当社の経営者から独立した者からの意見の聴取のため、 当
社及び Knauf 社と利害関係のない独立した者として、橋本昌司氏(弁護士、渥美坂井法律事務所) 、当
社社外取締役である武藤時裕氏(独立役員)及び当社社外監査役である金森武美氏(独立役員)を選定
し、当該3名を構成員とする第三者委員会 (委員長橋本昌司氏、以下、
「本第三者委員会」といいます。)
に対し、本第三者割当増資に関して、その必要性及び相当性について意見を求めました。なお、外部有
識者の 1 名につきましては、 当社のリーガル・アドバイザーと協議の上で、弁護士として同種の案件等
における豊富な実績及び知見に基づく適切な意見を得ることができると考え起用したものであります。
(本第三者委員会の意見の概要)
2019 年 12 月 13 日開催の取締役会において、本第三者委員会からは、本第三者割当増資の必要性及
び相当性に関して概要以下の意見が示されております。
a.本第三者割当増資の必要性
本第三者割当は、第一に、資本性資金調達方法によって資金調達を行い、調達した資金を短期借
入金及び1 年以内長期借入金の返済の充当することにより調達資金の長短アンバランスの改善を図
ると同時に、自己資本を充実させて、将来の借入金の調達の際に有利な条件で調達することができ
るよう財務格付けを改善させることを直接の目的とするものであり、第二に、当該財務格付けの改
善によって将来の設備投資の条件を整えることを間接的な目的とするものである。
そうだとすれば、本第三者割当の必要性が認められるかどうかは、第一に、短期借入金及び 1 年
以内長期借入金の返済による安全性に係る財務指標(調達資金の長短アンバランス)の改善の必要
性に加えて、自己資本の充実による財務格付け改善の相当性が認められるかどうか、第二に、当該
財務格付けの改善によって条件が整えられる設備投資の合理性及びその実施の蓋然性の程度によ
るものと考えられる。
9
(a) 短期借入金及び 1 年以内長期借入金の返済による安全性に係る財務指標(調達資金の長短アンバ
ランス)の改善の必要性及び自己資本の充実による財務格付けの改善の相当性
当社の 2019 年3月末日現在において、当社の流動比率は 88.9%、当座比率は 64.1%、負債比率は
182.6%、自己資本比率は 35.4%であり、2019 年9月末日現在において、流動比率は 86.1%、当座比
率は 57.3%、負債比率は 169.6%、自己資本比率は 37.1%となっており、これらの財務指標上は、当
社の安全性は、高いとは言えない。加えて、金融機関が融資の際に参照する運転所要資金と短期借
入金との関係及び債務償還年数分析については、 2019 年3月末日現在、短期借入金が運転所要資金
を超過している状態にあり、債務償還年数は、10 年を超えている。また、2019 年9月末日におい
ても、短期借入金が運転所要資金を超過しているのに加え、短期借入金の返済によって、当座比率
は、2019 年3月末日現在の 64.1%から 57.3%にまで低下し、債務償還年数は、28.7 年と更に悪化し
ている。 債務の返済原資であるキャッシュ・フロー (当期純利益・当期純損失) +減価償却費)も、
2016 年以降減少傾向が続き、2019 年6月末日時点においても債務償還年数が 10 年以内に至る程度
にまでは回復をしていない。加えて、2019 年9月末日現在には、営業収支尻がマイナスに転じ、収
支に基づくインタレスト カバレッジ レシオもマイナスになっており、
・ ・ 資金繰りが悪化している。
このような財務状況においては、金融機関の当社に対する財務格付けが低下しているものと思われ、
特に、キャッシュ・フローが大きく減少し、債務償還年数が 10 年を超えている 2019 年3月末日以
降においては、金融機関から相当の条件で安定的に借入を継続していくためには、短期借入金及び
1 年以内長期借入金の返済によって安全性に係る財務指標(調達資金の長短アンバランス)を早期
に改善し、財務基盤の安定化を図る必要性が高まっているものと認められる。この点、短期借入金
及び 1 年以内長期借入金の返済原資の資金調達方法としては、長期借入金、社債その他の負債性資
金調達方法と資本性資金調達方法が考えられる。安全性に係る財務指標の改善という観点から見た
場合、自己資本の充実を図る資本性資金調達方法の方が、流動比率、当座比率、短期借入金の運転
所要資金超過額のみならず、負債比率、自己資本比率、債務償還年数の財務指標も改善することが
でき、財務格付け改善の効果が大きいが、他方、資本性資金調達方法は、長期借入金、社債その他
の負債性資金調達方法に比して調達コストが高く、自己資本の充実による財務格付けの改善と調達
コストの増加は、トレードオフの関係にある。しかし、本件は、2018 年に石膏ボードに関する多数
の製造技術の特許を持つ米国市場占有率 1 位の USG Corporation の買収合意をした石膏ボードを含
む建材分野で世界屈指のメーカーであるクナウフ・グループを割当先として第三者割当を行うもの
であり、本第三者割当によって、同グループの当社の株式保有割合は、約 50%になる。同グループ
が当社株式の約 50%を継続保有することは、同グループの事業シナジー実現に対するコミットメン
トの強化につながるものであり、実際に、同グループとの間の事業シナジー実現に向けて、同グル
ープとの間で、速やかに生産設備の更新及び業務改善に向けた IT 投資の計画を策定し推進してい
くことを基本的に合意したとのことであり、当社とクナウフ・グループが、事業シナジーの実現に
向け、相当程度と検討していることが認められる。現時点では、当社は、同グループとの間の事業
シナジー実現のための具体的な計画の策定まで至っておらず、事業シナジーの実現には不確実性が
残るものの、本第三者割当については、自己資本の充実による財務格付けの改善による今後の借入
金の調達コストの低減に加えて、潜在的には、事業シナジー実現の蓋然性が高まり、当社の企業価
値の向上も期待できるのであるから、当社が、長期借入金の調達による短期借入金の返済でなく、
短期借入金の返済に加えて自己資本の充実を図ると同時に、事業シナジー実現の蓋然性を高める本
第三者割当を選択することは、不相当とは言えない。
(b) 設備投資の合理性及びその実施の蓋然性
当社の営業利益率は、2018 年3月末日に1%を割り込み、2019 年3月末日以降、営業損失の発生
が続いており、収益性の改善が急務であり、その施策として、省力化、生産設備の更新を通じた生
産性向上、 技術の活用による業務の大幅な効率化のために設備投資を行うことには合理性が認め
IT
られる。
実際に、当社は、生産設備の更新及び業務改善に向けた IT 投資をクナウフ・グループとの間で
速やかに策定し、推進していくことを基本的に合意したところであり、将来、そのような設備投資
を実施する蓋然性も認められるところである。
10
(c) 小括
前記のとおり、当社には、収益性の改善のために設備投資を行うことに合理性が認められ、また、
実際にそのような設備投資を実施する蓋然性も認められるところであるから、将来の設備投資の条
件を整えるためにも、また、今後、金融機関から相当の条件で安定的に借入を継続していくために
も、短期借入金及び1年以内長期借入金の返済による安全性に係る財務指標(調達資金の長短アン
バランス)の改善の必要性及び自己資本の充実による財務格付けの改善の相当性が認められるとこ
ろであり、本第三者割当の必要性が認められるものと言える。
b. 本第三者割当の相当性
(a) 本第三者割当の適法性
本第三者割当増資の払込金額は、株式の発行にかかる 2019 年 12 月 13 日開催の当社取締役会決
議日の直前営業日である 2019 年 12 月 12 日における東京証券取引所 JASDAQ スタンダード市場にお
ける当社株式の終値である 423 円(1 円未満は切り捨て。以下同様。)としている。なお、前記払
込金額は、それぞれ、本第三者割当増資にかかる取締役会決議日の直前営業日の直近1か月(2019
年 11 月 13 日~2019 年 12 月 12 日)における終値の平均値 428 円から 1.17%(小数点第三位を四捨
五入。以下同様。)のディスカウント、直近3か月(2019 年 9 月 13 日~2019 年 12 月 12 日)にお
ける終値の平均値 427 円から 0.94%のディスカウント、直近6か月(2019 年 6 月 13 日~2019 年 12
月 12 日)における終値の平均値 427 円から 0.94%のディスカウントをした金額である。
本第三者割当増資の払込金額は、日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(以
下「日証協指針」という。)によれば、第三者割当により株式の発行を行う場合には、その払込金
額は、原則として株式の発行に係る取締役会直前日の価格(直前日における売買がない場合は、当
該直前日から遡った直前日の価格)を基準として、0.9 を乗じた額以上の価格で決定することとさ
れているところ、本新株式の払込金額は、日証協指針にも準拠している。
当社の株価は、安定して推移していることを踏まえれば、本第三者割当増資の払込金額には相当
性が認められ、「特に有利な金額」には該当しないと考えられる。
また、 前記のほか、 当委員会が調査した範囲においては、 本第三者割当が 「著しく不公正な方法」
(会社法第 210 条第 2 号)によって行われたと推認させる事情は見当たらず、さらに、本第三者割
当は、顧問弁護士その他専門家の助言の下、会社法、金融商品取引法その他関係法令、東京証券取
引所の定める諸規則内規に係る諸手続を履践して行われるものであり、適法性に問題は認められな
い。
(b) 資金調達方法の相当性
前記のとおり、本件は、調達した資金を短期借入金及び 1 年以内長期借入金の返済の充当するこ
とによって財務指標(調達資金の長短アンバランス)の改善を図ると同時に、自己資本を充実させ
て、将来の借入金の調達の際に有利な条件で調達することができるよう財務格付けを改善させるこ
とを直接の目的とし、当該財務格付けの改善によって将来の設備投資の条件を整えることを間接的
な目的として資金調達を行うものであるが、本第三者割当については、自己資本の充実による財務
格付けの改善による今後の借入金の調達コストの低減に加えて、潜在的には、事業シナジー実現に
よる企業価値の向上も期待できるのであるから、当社が、長期借入金の調達による短期借入金の返
済でなく、本第三者割当を選択することは、不相当とは言えない。
また、短期借入金の返済に加えて自己資本の充実を図るという観点から見た場合、公募増資によ
る資本性資金調達方法も考えられるが、公募増資は、コストが高く、また、業績が悪化している現
状では、 引受証券会社を見つけることは困難であり、十分な応募が集まらない可能性もあり、 また、
公募増資の場合には、クナウフ・グループの当社との間の事業シナジー実現に対するコミットメン
トの強化を図ることができず、事業シナジー実現の蓋然性を高めることができないのであるから、
公募増資を選択しないことは、相当であると認められる。新株予約権については、将来的な市場株
価の変動によって資金調達が不確実となり得ることから、資金調達の確実性を重視する当社の状況
からは、 妥当ではないと認められ、 ワラントについては、
MS 資金調達の時期や金額が不確定であり、
現時点における資金調達方法としては合理的でないと認められる。さらに、MSCB については、株価
変動によって潜在株式数が変動することから、当社の企業価値向上の不確実性が高い現状において
は、妥当ではなく、また、引受先を見つけることも困難と認められる。
以上より、本第三者割当を選択することは、相当であると認められる。
11
(c) 本第三者割当の規模の相当性
当社の説明によれば、本件は、調達した資金を短期借入金及び 1 年以内長期借入金の返済の充当
することによって財務指標(調達資金の長短アンバランス)の改善を図ると同時に、自己資本を充
実させて、将来の借入金の調達の際に有利な条件で調達することができるよう財務格付けを改善さ
せることを直接の目的とするものであり、本第三者割当によって、クナウフ・グループの当社との
間の事業シナジー実現に対するコミットメントの強化によって、潜在的には、事業シナジー実現の
蓋然性を高め、当社の企業価値の向上も期待するところである。
自己資本充実による財務格付けの改善とコミットメントの強化による事業シナジー実現の蓋然
性の向上という観点から見た場合、第三者割当の規模が大きい方がその効果が大きいと言えるが、
他方、当社の説明のとおり、第三者割当は、長期借入金に比して調達コストが高く、自己資本充実
による財務格付けの改善、事業シナジー実現の蓋然性の向上と、調達コストの増加は、トレードオ
フの関係にある。 したがって、 クナウフ グループの当社株式の保有割合をどの程度まで引き上げ、
・
事業シナジー実現に対するコミットメントを強化するかを判断するには、他の要素の考慮も必要で
ある。
この点、当社持株比率第 2 位の株主である㈱晴山においては、当社代表取締役の平田晴久が代表
取締役を務める㈱平田興産と Knauf 社が 50:50 の等分で出資し、対等な資本関係を構築し両社が
経営諸課題に対しても対等な立場で相互に協議し合ってきたという実績があり、当社が、㈱晴山に
おける実績に照らして、当社においても Knauf 社の直接間接の株式の保有割合を約 50%とし、同社
が指名する取締役の数を当社の取締役の半数にとどめ、当社取締役会においても、既存の経営陣と
対等な立場で相互に協議し合うことが、当社とクナウフ・グループとの間の事業シナジーを実現す
る上で有効であると判断したことは、不相当とは言えない。
また、新株の発行価額は、ディスカウントをしたものではなく、日本証券業協会「第三者割当増
資の取扱いに関する指針」に準拠しており、特に有利な条件での発行には該当せず、この点におい
て既存株主の不利益は限定的であり、Knauf 社は、本第三者割当増資により取得した株式を長期保
有する方針であるため、本第三者割当後、本新株が短期的・大量に市場で売却されることによる流
通市場への悪影響は生じないから、本第三者割当の規模は不相当とは言えない。
(d) 本第三者割当の割当先選定の相当性
現時点では、当社は、同グループとの間の事業シナジー実現のための具体的な計画の策定まで至
っておらず、事業シナジーの実現には不確実性があるものの、石膏ボードを含めた建材分野で世界
屈指のメーカーであるとされるクナウフ グループの中核企業の一つである Knauf 社の高い知名度、
・
堅調な業績及び財務基盤等、2006 年 4 月 24 日以降の同グループとの間の業務提携による過去の実
績、 2015 年以来、当社の筆頭株主として取締役を派遣するなどの人材交流等を通じて当社の事業内
容、経営状況や経営課題等にも精通していることを考慮すると、本第三者割当によって同グループ
の当社株式の約 50%の継続保有を実現することは、同グループの当社との事業シナジー実現に向け
たコミットメントの強化につながり、これによって、同グループとの間の事業シナジーの実現の蓋
然性が高めることができるということができると言える。
また、当社の説明によれば、割当予定先の払込みに要する財産の存在に関しても、本件の割当予
定先として十分であることを当社において確認し、加えて、反社会的勢力に該当するか否かの所要
の調査の過程で特に問題のある情報は検出されていないとのことであるから、Knauf 社は割当先と
して相当であると判断できる。
(e) 本第三者割当に係る発行価額の相当性
前記「本第三者割当の適法性」参照。
10.最近3年間の業績及びエクイティ・ファイナンスの状況
(1)最近3年間の業績(連結)
(単位:百万円)
2017 年3月期 2018 年3月期 2019 年3月期
連 結 売 上 高 30,861 31,616 30,146
連 結 営 業 利 益 587 66 △300
12
連 結 経 常 利 益 577 204 △84
親会社株主に帰属する
429 239 △90
当 期 純 利 益
1株当たり連結当期純利益(円) 24.79 13.87 △5.22
1株当たり配当金(円) 5.00 5.00 3.00
1株当たり連結純資産(円) 731.14 747.58 726.55
(2)現時点における発行済株式数及び潜在株式数の状況(2019 年9月 30 日現在)
種 類 株 式 数 発行済株式数に対する比率
発 行 済 株 式 数 17,670,000 株 100%
現時点の転換価額(行使価額)
―株 ―%
に お け る 潜 在 株 式 数
下限値の転換価額(行使価額)
―株 ―%
に お け る 潜 在 株 式 数
上限値の転換価額(行使価額)
―株 ―%
に お け る 潜 在 株 式 数
(3)最近の株価の状況
① 最近3年間の状況
2017 年3月期 2018 年3月期 2019 年3月期
始 値 436 円 605 円 486 円
高 値 1,055 円 619 円 760 円
安 値 395 円 453 円 337 円
終 値 610 円 483 円 430 円
7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月
始 値 417 円 426 円 428 円 419 円 416 円 420 円
高 値 490 円 500 円 447 円 479 円 444 円 429 円
安 値 404 円 395 円 410 円 410 円 416 円 418 円
終 値 442 円 422 円 412 円 414 円 426 円 423 円
(注)12 月については、2019 年 12 月 12 日までの状況を示しております。
② 発行決議日前営業日における株価
2019 年 12 月 12 日現在
始 値 423 円
高 値 427 円
安 値 418 円
終 値 423 円
(4)最近3年間のエクイティ・ファイナンスの状況
該当事項はありません。
11.発行要項
(1)発行株式数 当社普通株式 6,067,165 株
(2)発行価額 1株につき金 423 円
(3)発行価額の総額 金 2,566,410,795 円
(4)資本組入額 1株につき金 212 円
(5)資本組入額の総額 金 1,286,238,980 円
13
(6)募集又は割当方法 第三者割当の方法によります。
(割当先)Knauf international GmbH 6,067,165 株
(7)申込期日 2020 年 1 月 14 日
(8)払込期日 2020 年 1 月 15 日
(9)上記の各号については、金融商品取引法に基づく届出の効力発生を条件とします。
Ⅲ.主要株主の異動
1.異動予定年月日
2020 年1月 15 日
2.異動が生じる経緯
前述「Ⅱ.第三者割当により発行される株式の募集」に記載の本第三者割当増資による新株式の発行
に伴い、主要株主である㈱晴山が、主要株主でなくなることが見込まれます。
3.異動する株主の概要
① 名 称 株式会社晴山
② 所 在 地 三重県三重郡川越町高松928番地
③ 代表者の役職・氏名 代表取締役 平田晴久
④ 事 業 内 容 1. 他社の株式の取得、保有及び管理
2. 前号に付帯する一切の業務
⑤ 資 本 金 495,000,000円
4.当該株主の所有株式数(議決権の数)及び総株主の議決権の総数に対する割合
議決権の数 総株主の議決権 大株主順位
(所有株式数) の数に対する割合
異動前 22,000個 12.75% 第2位
(2019年9月30日現在) (2,200,000 株)
異動後 22,000個 9.44% 第2位
(2,200,000 株)
(注)1.議決権を有しない株式として異動前の 2019 年9月 30 日現在の発行済株式数 17,670,000 株、異動後の発行済
株式 23,737,165 株からそれぞれ控除した株式は、418,768 株です。
2.異動前の総株主の議決権の数に対する割合は、2019 年9月 30 日現在の総株主の議決権の数 172,499 個に本第
三者割当増資に伴い増加する議決権数の数 60,671 個を加えた議決権の数 233,170 個を分母にしております。
3. 小数点第3位を四捨五入しております。
5.今後の見通し
今回の主要株主の異動による当社の経営及び業績への影響はありません。
以 上
14