5310 東洋炭素 2019-02-14 15:30:00
中期経営計画(具体化と行動計画) [pdf]
中期経営計画(TVC 2022)説明資料
~具体化と行動計画
2019年2月14日
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1.当社の立ち位置 P. 3
2.課題認識 P. 5
3.中期経営計画(TVC 2022) ~具体化と行動計画 P. 9
2-1. 位置づけ P. 10
2-2. 環境認識 P. 11
2-3. 目指す姿 P. 12
2-4. 重点的取り組みと各事業の位置づけ P. 13
2-5. 事業戦略の方向性 P. 14
2-6. 数値目標 P. 15
2-7. 事業戦略 P. 16
2-8. 設備投資の方向性 P. 21
2-9. 株主還元 P. 22
2-10. 組織能力強化の取り組み P. 23
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1.当社の立ち位置
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1.当社の立ち位置
特殊炭素に特化した唯一のファインカーボン専業メーカー
[カーボンメーカーの売上高に占める特殊炭素(ファインカーボン)の割合]
(当社推計)
0% 50% 100%
特殊炭素 その他
東洋炭素
国内A社
国内B社
国内C社
海外A社
海外B社
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2.課題認識
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1.課題認識 ①事業ポートフォリオの偏り
✔特殊黒鉛製品に依存した事業構造
49%
中国企業の台頭により競争が激化しており、
特殊黒鉛製品だけでは持続的な成長は困難
2018年12月期
特殊黒鉛製品売上高比率
✔エレクトロニクス市況 500
売上高 営業利益
に左右される収益構造 250
収益のボラティリティが大きいため継続的な
0
投資を実施しづらく、大きな柱が育ちにくい 05/5 10/5 13/12 18/12
月期 月期 月期 月期
✔アジア中心の展開 TOTAL 83%
日本 アジア
日本・アジアで強固な基盤を構築する一方、 37% 46%
その他の地域でのプレゼンスは限られている
2018年12月期地域別売上高比率
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1.課題認識 ②投資の不足
✔数年来中長期の成長を見据えた投資はほとんど実施していない
(単位:百万円)
設備投資 減価償却費
10,141
10,000
8,144
5,484 5,310
4,999
4,925
5,000
4,300 3,935
3,753 3,673
3,291 3,384 3,414
3,223
3,259 2,959
2,755 2,958
2,591 2,662 2,653
2,251
2,221
855
0
08/5 09/5 10/5 11/5 12/5 13/5 13/12 14/12 15/12 16/12 17/12 18/12
月期 月期 月期 月期 月期 月期 月期 月期 月期 月期 月期 月期
※ 2013年12月期より決算期を5月31日から12月31日に変更いたしました。このため2013年12月期は7ヶ月(一部子会社は9か月)の変則決算と
なっております。
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1.課題認識 ③成長シナリオ推進の壁
✔具体性を欠く成長戦略
2018年2月公表の新中期経営計画で対外的に明示した定量目標は
「戦略投資枠300億円」と「ROE8%」のみ
✔戦略推進体制の整備は途半ば
各機能軸を統括する機能がなくそれぞれの戦略は一貫性に欠ける
用途
事業 地域
統括機能
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3.中期経営計画(TVC 2022)
~具体化と行動計画
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2-1.位置づけ
2016 2018 2022
事業構造改革
成長への変革 刈り取り
フェーズ
経営方針は“成長”にシフト “変革のための道程”を作る
⇒ 資金確保・機能/組織能力強化とマネジメントの強い
指導力で戦略実行を強力に推進
成長を実現するため、
“特定市場に依存しない安定した経営基盤の構築”
“将来の飛躍に向けた生産効率向上“
に主眼を置く
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2-2.環境認識
✔エレクトロニクス分野・自動車産業・一般産業等は、
市 場 環 境 一部調整局面にあるものの、IoT・AI・EVの普及など
により中長期的には安定的な成長が見込まれる
✔市場で圧倒的なプレゼンスを持つ事業はないが、なれ
ばこそ既存の事業領域にもさらなる成長の余地が存在
していると認識
競 争 環 境 ✔競合がM&Aを含め大胆な投資を進めている中、当社と
しては、既存事業での成長を基礎に据えた上で、自前
ではカバーできない領域(カーボン関連事業/技術)を
アライアンスやM&Aで強化し、確固たる地位を確立す
る必要がある
✔将来的に等方性黒鉛の付加価値領域でも中国勢の攻勢
想定されるリスク が強まる可能性あり
✔業界再編
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2-3.目指す姿
現状の事業構造 中長期的に目指す姿
からの脱却
成長の柱の構築と収益基盤の強化
特殊黒鉛に依存した
成長領域の取り込み・高付加価値品への注力により、
事業構造 新たな成長の柱を構築し収益基盤を強化 特殊黒鉛製
品だけに頼らない事業構造へと転換
エレクトロニクス市況に 安定したポートフォリオの確立
左右される収益構造
エンドマーケットの業界を分散させることでエレキの
ボラティリティを抑制し、安定した事業基盤を構築
アジア中心の展開 グローバル企業への飛躍
欧米や新興国を中心に海外展開を加速するため、子会
社の能力(生産・販売・管理)の強化を図り、アジア
の東洋炭素からグローバルの東洋炭素へと飛躍
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2-4.重点的取り組みと各事業の位置づけ
重点的取り組み
生産技術の強化&革新 海外展開強化
・生産性の向上と製品の高付加価値 ・国内での地位は着実に築いてきた
化がメインテーマ ものの、海外ではシェアの取れて
いない用途が複数存在
・長期ビジョンで生産機能の最適化
を実施 AI・自動化を取り入れた ・海外での加工機能強化が参入の要
次世代型生産設備を適宜配置 現在各子会社で設備導入&更新と
人材の育成を推進中
・環境や将来の人材不足にも配慮
事業の位置づけ
市況が良い時は収益の稼ぎ頭だがボラティリティがあるた
特 殊 黒 鉛 製 品 差別化事業 め、むやみに規模の拡大を追わず、付加価値の高い領域に
フォーカス
一般カーボン製品 エレクトロニクス市況に左右されず、安定的にキャッシュ
安定事業 を生み出す事業基盤を構築するための下支え的位置づけ
( 機 械 用 ・ 電 気 用 )
複合材その他製品 成長事業 収益をドライブする事業に育成
(SiC・C/C・黒鉛シート)
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2-5.事業戦略の方向性
成長性・収益性・安定性に期待できる4つの領域に集中的にリソースを投入
①高付加価値領域シェア拡大 ④複合材の用途開発強化による海外顧客攻略
・収益性/安定性がともに高い ・技術力では十分な競争力あり
・品質が重要視され、中国企業の脅威は小さい ・欧米顧客を攻略出来れば、もう一段事業の安定化と
効率化が可能
成長事業
安定事業 差別化事業
②コスト競争力強化による海外顧客攻略 ③自動車/産業用カーボンブラシへの参入強化
・安定的な成長が見込める ・安定的な成長が見込める
・生産技術の強化によりコスト競争力を高めることで ・品質が重要視され、中国企業の脅威は小さい
もう一段の成長が可能
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2-6.数値目標
ア
・ラ 既存(周辺)製品・事業
Mイ 新規進出製品・事業
&ア +αの伸び代として、カーボン関連事業/技術に
フォーカスしたアライアンス・M&Aも模索中
Aン
ス
中期目標(2022年)
売上高 500億円
新規開発・育成製品
自 営業利益 80億円
ROE8%
以上を目指す
前
➢ドライバーは主力の既存事業
(自前×既存ドメイン)
既存ドメイン 新事業ドメイン
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2-7.事業戦略 特殊黒鉛製品
・日本/アジアでは一定のシェアを獲得しているが、欧米におけるプレゼンスは低い
現 状
・中国の太陽電池市場では中国プレーヤーが台頭してきている
億円 特殊黒鉛製品売上高
主要ターゲット 300
市場規模
630億円 -半導体関連 580億円
-EDM(高付加価値領域) 50億円 200 202
189
142 160
(EDM=放電加工電極) ※
100
主要ターゲット
CAGR
半導体関連 18% 0
2016 2017 2018 2019 2022
予想 目標
(’17~’22) ※中国高温ガス炉(32億円) (既存×自前のみ)
・売上高は200億円規模に育成(2022年目標)
・高付加価値領域シェア拡大
方 針 中国プレーヤーの侵食リスクが低い用途である半導体関連( MOCVD装置用サセプタ
ー・ 単結晶シリコン製造用大型るつぼ等 )や高付加価値のEDMにフォーカス。海外
での加工と技術営業の量/質の強化・リードタイム改善で、アジア・北米を中心にシ
ェア拡大を狙う。
・中国市場において変動リスクの高い太陽電池、一般汎用品のEDMはバランスを保ちつ
つ維持拡大を図る。
Copyright © Toyo Tanso Co., Ltd. All Rights Reserved ※市場規模およびCAGRは当社推計 16
2-7.事業戦略 一般カーボン製品 機械用カーボン分野
・ドイツの自動車向けに納入を開始 さらなる拡大に向け着実に前進中
現 状 ・パンタグラフ用すり板は国内では高いシェアを確保 今後の本格的な海外展開の皮
切りとして、中国の地下鉄向けの受注獲得
億円 機械用カーボン分野売上高
主要ターゲット 自動車用・ウォーターポンプ用 220億円 50
43
市場規模 パンタグラフ用すり板 20億円 29 33
36
主要ターゲット 自動車用・ウォーターポンプ用 8~10% 0
CAGR パンタグラフ用すり板 7~12% 2016 2017 2018 2019 2022
予想 目標
(’17~’22) (既存×自前のみ)
・自動車向けの海外展開強化
欧米の自動車用途を中心としたシェア獲得に向けドイツ子会社において生産体制増
方 針 強。一定の存在感あるプレーヤーを目指す。
・パンタグラフ用すり板の海外展開強化
成長が見込まれる中国市場向けすり板を開発し、市場を開拓 。日本の高速鉄道向け
すり板も開発中。
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2-7.事業戦略 一般カーボン製品 電気用カーボン分野
・家電/電動工具用および一部の自動車用では一定のシェアを獲得しているもののカー
ボンブラシ市場全体でのシェアは数%
現 状
・大手の中国プレーヤーは存在せず、直近でも中国プレーヤーの台頭リスクは少ない
ものと見られる
産業用 450億円 億円 電気用カーボン分野売上高
主要ターゲット 70
市場規模 自動車用 450億円 51 53 49 50
家電・電動工具用 600億円
主要ターゲット
CAGR 4% 0
2016 2017 2018 2019 2022
予想 目標
(’17~’22) (既存×自前のみ)
方 針 ・自動車/産業用カーボンブラシへの参入強化
製品品質向上への積極投資によるシェア拡大を追求する一方で、他社とのアライア
ンスの可能性を探り、他力を活用して強化する方向も検討
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2-7.事業戦略 複合材その他製品 SiCコーティング黒鉛製品
・MOCVD装置のアフターマーケットでは日本/韓国/台湾系顧客で高いシェアを獲得
現 状 中国系/欧米系顧客向けのシェア拡大に向け拡販中
・SiC-EpiやSi-Epiのアフタマーケットは既に高いシェアを確保
億円 複合材その他製品売上高
主要ターゲット 200 (SiCコーティング・C/Cコンポジット・黒鉛シートトータル)
市場規模
120億円 -MOCVD
アフターマーケット 90億円
91 93 100 109
100
主要ターゲット
CAGR 14% 0
2016 2017 2018 2019 2022
予想 目標
(’17~’22) (既存×自前のみ)
・2022年に売上規模倍増(2018年比)を目指す
・MOCVD装置のアフターマーケットでのシェア拡大
方 針
シェア拡大余地のあるMOCVD装置のアフターマーケットで、コーティング技術の
改善や顧客との共同研究等を通じ中国/欧米のシェアを拡大。
・MOCVD用に加えSi-Epi用やSiC-Epi用の引合いも強く、約30億円を投じコーティン
グ能力を増強。2020年に新建屋完成予定。先行して2018年に一部設備を導入。さ
らなる投資も検討中。
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2-7.事業戦略 複合材その他製品 C/Cコンポジット製品
黒鉛シート製品
・C/Cコンポジット製品の工業炉用は、国内では一定のシェアを持つが、海外でのプ
レゼンスは限定的
現 状
・黒鉛シート製品は国内の半導体や自動車向けが中心で、未参入の用途・エリアであ
る化学工場や石油・ガス向け、海外の自動車向けは開拓の余地が大きい
複合材その他製品売上高
主要ターゲット 工業炉用 350億円 億円
200 (SiCコーティング・C/Cコンポジット・黒鉛シートトータル)
市場規模 黒鉛シート製品 70億円
(化学工場/石油・ガスプラントの配管用途) 91 93 100 109
100
主要ターゲット 工業炉用 5~10%
0
CAGR 黒鉛シート製品 5~7% 2016 2017 2018 2019 2022
予想 目標
(’17~’22) (化学工場/石油・ガスプラントの配管用途) (既存×自前のみ)
・工業炉用の海外展開の強化
現状入り込めていない北米市場にフォーカスし、技術営業の強化によりシェアを拡
方 針 大。将来の需要増に備え2018年に能力増強を実施。
・黒鉛シート製品の用途展開の強化
これまでフォーカスしてきた半導体/自動車向けに加え、開拓できていない化学工場
/石油・ガスプラントの配管用途を開拓。生産効率の向上を図るため2018年に約7億
を投じ、能力増強。
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2-8.設備投資の方向性
既存×自前ドメインを中心に300億円*規模の投資を実施
億円 *2018~2022年累計
100
設備投資 減価償却
77
50 37
32
22 26 29
0
2017 2018 2019 2020 2021 2022
(予想) (計画) (計画) (計画)
➢国内4工場における設備投資グランドデザインを策定
これに基づき高付加価値&重点分野の能力増強を優先し実行
投資案件 目的 投資規模 稼働
投 SiCコーティング黒鉛製品能力増強 MOCVD、Si-Epi、SiC-Epi需要増に対応 30億円 2020年
資
例
高純度能力増強 半導体(MOCVD・SiC半導体)用等の需要増に対応 20億円 2020年
➢生産効率向上&老朽化設備の更新に向けた投資についても積極的に実施予定
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2-9.株主還元
継続的な利益成長を背景に、利益還元と成長に向けた設備投資の
バランスを取りつつ、安定的な増配を目指す
円
60 200.0%
配当 配当性向 182.4%
50 50
50
150.0%
40 128.9%
30
30 100.0%
25 25 25
22 22
20 20 20
20
15
11.5 50.0%
28.8% 30.0%
10 21.3%
16.2% 12.3%
15.0% 34.4%
6.1%
20.6%
0 0.0%
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
/5月期 /5月期 /5月期 /5月期 /5月期 /5月期 /12月期 /12月期 /12月期 /12月期 /12月期 /12月期 /12月期
(予想)
※ 1. 2013年12月期より決算期を5月31日から12月31日に変更いたしました。このため2013年12月期は7ヶ月(一部子会社は9か月)の変則決算と
なっております。
※ 2. 2013年5月期および2013年12月期は当期純利益がマイナスであったため、連結配当性向については記載しておりません。
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2-10.組織能力強化の取り組み
万全の布陣で中期経営計画を強力に推進
責任と権限を明確にし、コミットメ
経営陣 ントを強化
国内外子会社の経営陣含め、グループ全
体で経営の透明性確保
製造 経営企画本部 戦略統括機能の強化
事業戦略推進の司令塔として経営企画本
部を2019年2月1日付で設置
営業 製品
子会社管理の強化
用途 地域 本社管掌によりガバナンス・マネジメン
開発
トを一元管理
戦略実行についてもグループ全体の連携
経営企画本部のもと を強化し、盤石な戦略推進体制をグロー
管理 製品・用途・機能・地域で
一貫性のある戦略を推進 バルで実現
クロスファンクショナルチーム設置
戦略を徹底的にやりきるため、事業やテーマ別に組織横断型の課題対応チームを編成
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(注)本資料の業績見通し・事業計画等の記載は、開示時点で入手可能な情報や経済環境予想等の
仮定に基づき作成したものであり、実際の結果は、今後発生する様々な要因により、見通し
や計画等と異なる場合があります。
<お問合せ先>
東洋炭素株式会社 広報・IR担当
TEL:06-6472-5811㈹
E-mail:ir@toyotanso.co.jp
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