5301 東海カーボ 2019-06-17 17:40:00
COBEXの株式取得について [pdf]
COBEXの株式取得について
2019年6月17日
はじめに 1
当社は、本日(6月17日)COBEXの株式取得について株式譲渡契約を締結い
たしました。今後、競争法に基づく関係当局の承認に係る手続き等に入り、2019年
7月下旬に株式取得を完了(クロージング)することを⾒込んでおります。
2019年2月に公表した3ヵ年中期経営計画「T-2021」におきまして、主⼒の炭
素材料の周辺分野、⽤途的には⾃動⾞関連・エレクトロニクス分野への戦略投資を
掲げており、本件は当該戦略投資の⼀環となります。
本資料は、本件の背景、当社の狙い等につき、補足して説明するものとして準備い
たしました。ご理解の⼀助となれば幸いです。
なお、こちらに掲載されている経済情勢、製品の需要動向等は、本資料の発表日
現在において入手可能な情報を前提としており、今後様々な要因によって⼤きく異な
る結果となる可能性があります。
1
案件概要 2
買収対象 COBEX HoldCo GmbH
取得価額 約1,000億円(企業価値ベース)*1
資⾦調達手法 手元資⾦、借入(ブリッジローン)*2
*1 取得価額: 企業価値 = 株式取得の対価 + ネット有利⼦負債
*2 借入: ブリッジローンにて資⾦調達後、全部または⼀部を⻑期資⾦へ借り換え予定
2
COBEXの概要 3
社名 COBEX HoldCo GmbH(以下、COBEX社)
設⽴年月 2016年9月
アルミ精錬⽤カソード・高炉⽤ブロック・炭素電極等の
事業概要
製造、販売、研究開発
本社: Wiesbaden ヴィースバーデン (ドイツ ・ ヘッセン州の州都)
拠点 工場: Nowy Sacz ノビサッチ (ポーランド)
年産能⼒7万トン
Raciborz ラチボルツ (ポーランド)
売上高 EBITDA
業績 2018年12月期 235百万ユーロ 76百万ユーロ
(298億円*) (96億円*)
従業員 約900名
* 円換算レート: 1ユーロ=127.00円
(三菱UFJ銀⾏が公表する2018年12月31日における最終の対顧客電信為替相場の仲値)
3
ご参考)COBEX社 グループ体制 4
Sofian MidCo S.à.r.l.
(Luxembourg)
formerly Trition IV LuxCo No.43 SARL
COBEX HoldCo GmbH 従業員 894名
(Wiesbaden HRB 30811) (内30名ドイツ)
formerly Sofian HoldCo GmbH
COBEX GmbH
(Wiesbaden HRB 30652) ドイツ本社
(Wiesbaden)
formerly Sofian BidCo GmbH
COBEX Polska sp. z.o.o COBEX (Shanghai) Ltd.
(Poland) (China)
formerly SGL Carbon Polska S.A. formerly SGL CFL CE (Shanghai) Ltd.
ポーランド2工場 中国販売サービスセンター
(Nowy Sacz・Raciborz) (上海)
Nowy Sacz, Poland Raciborz, Poland
※赤の点線内が買収対象
4
COBEX社の沿革 5
SGL Carbonのアルミ精錬⽤カソード、高炉⽤ブロック等のトッププレイヤーへ発展。
2016年に分社化され、2017年欧州ファンドTritonが買収し現在に至る
1895年 ポーランドRaciborz市に電極工場設⽴(ZEW S.A.)
1960年 ポーランドNowy Sacz市にカソード・炭素電極工場設⽴(Polgraph S.A.)
1995年 ドイツSGL CarbonによるPolgraph買収
2000年 SGL CarbonによるZEW買収
2000年 SGL Carbonのヨーロッパ工場再編の過程で、カソード・高炉ブロック・炭素電極など
〜2007年 の事業をポーランドに集約
2016年 SGL Carbonがカソード・高炉⽤ブロック事業をSGL CFL CE GmbHとして分社化
2017年 TritonがSGL CFL CE GmbHを買収。COBEX GmbHに社名変更(2018年)
5
COBEX社の生産拠点・設備 6
2工場合計で7万トン/年の炭素⿊鉛製品の⽣産能⼒は欧州トップクラス
コスト優位性(労務費、エネルギーコスト)に加え、⾃動化設備、環境設備が充実
Raciborz Nowy Sacz
炭素質カソード
⿊鉛化カソード
高炉⽤ブロック
炭素電極
Tokai Erftcarbon ワルシャワ
クラコー
ヴィースバーデン
6
COBEX社の事業内容 7
COBEX社は、アルミ精錬⽤カソード・製鐵所の高炉に使われるブロック・⾦属シリコンなどの精錬
に使われる炭素電極の3分野において世界有数の市場シェアを有している
売上高構成
高炉用ブロック アルミ精錬用カソード
高炉の内張り⽤の炭素質・⿊鉛質 アルミ精錬⽤電解炉のライニングに使⽤
のライニング材(高炉ブロック) する炭素質・⿊鉛質のカソード(陰極)
炭素電極
⾦属シリコン、合⾦鉄、リン酸などの
精錬に使⽤される炭素電極を製造
7
アルミ精錬用カソード 8
炭素質・⿊鉛質のカソード(陰極)を供給
アルミ精錬用カソード
高リピート率、高参入障壁市場
世界アルミ精錬市場においてトップシェア(中国除き)
カソードの用途(アルミ精錬炉)
主要な⾦属地⾦製品の世界⽣産量推移
(2000年=100)
280
260 アルミ 銅 ニッケル
亜鉛 粗鋼
240
220
カソード
200
180
160
140
120
100
80
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018
アルミ精錬炉(ポット) *World Metal Statistics、World Steel Association
8
高炉用ブロック、炭素電極 9
中国を含めた世界市場で市場を牽引
高炉用ブロック
品質最重要視。高い参入障壁
②〜⑦ 温度負荷 1 Throat ⼤型高炉の改修数(東アジア)の⾒込み
の高い部分に炭素
1 Stack / Belly
質・⿊鉛質のライニ 2
ング材が使われる Bosh
10 改修高炉数
3
2 Hearth Walls
4
Hearth
5 Bottom
8
3
6 6 Tuyere Belt
4
Tap Hole
6
7 7
5
4
炭素電極 2
0
06 08 10 12 14 16 18 20 22 24
溶融⾦属の中に直接電
極先端を埋没させることか
らsubmerged arc
furnaceと呼ばれる。製
鉄⽤の⿊鉛電極とは全く
異なる製品 中国以外の市場においても地位を確⽴
特殊⽤途の安定顧客基盤が強み
⾦属シリコン
合⾦鉄 等
9
東海カーボン成⻑戦略との符合 10
本案件は、当社の抱える経営課題に合致し、⻑期的な企業価値向上に資する
当社経営課題 M&A課題
偏った事業ポートフォリオ 既存事業との親和性
既存事業における (グループシナジー)
事業領域拡⼤の限界 本案件 高い収益⼒と安定した経営基盤
企業価値の 成⻑性
継続的向上に資する投資 事業規模(サイズ)
売上高約300億円 事業ポートフォリオ改善 安定事業基盤
高い参入障壁・ニッチ高収益事業・
世界有数の市場シェア 電極、カーボンブラックに次ぐ柱に
優良顧客基盤
コスト競争⼒ 高成⻑事業への展開 アップサイドシナジー
ポーランド工場のコスト競争⼒ ドイツ⿊鉛電極事業、
高成⻑アルミ関連事業への展開
⾃動化設備 欧州ファインカーボン事業との連携
10
まとめ 11
3事業の世界市場にリーディングプレーヤーとして参入し、事業規模拡⼤及び収益⼒向上
COBEX社は、アルミ精錬⽤カソード、高炉⽤ブロック、炭素電極において世界有数の
市場シェアを有する。⽣産能⼒、顧客基盤、品質技術⼒で業界を牽引している存在
同社は、高機能・高付加価値の⿊鉛化カソードの⽣産、ポーランド工場におけるコスト
競争⼒に強みを持ち、高収益な事業基盤を築いている
歴史的に、SGL Carbonの業務集約化によるコストダウン、設備⾃動化、環境設備へ
の投資により、高い競争優位性を持つ
さらに、建材分野における都市化の進展や輸送機機器の軽量化ニーズ等を背景にア
ルミニウムの安定的な成⻑が⾒込まれている。カソード需要は安定的に伸⻑する⾒通し
当社の既存事業ではないが、炭素、⿊鉛製造技術では共通した知⾒があり、親和性
が高い。また既存事業ではないため、事業ポートフォリオのバランス化に寄与する
11
中期経営計画における本件の考え方 12
新・中期経営計画 T-2021 基本方針
本件後の売上イメージ
(通期換算後)
収益基盤の強化
コア事業における安定キャッシュフローの創出 半導体関連 エレクトロニクス ⾃動⾞関連
(FC) 関連 (負極材) 社会インフラ系
買収3案件のPMI(グローバル最適⽣産体制構築) (摩擦材)
10% (高熱) 1%
3%
⼤幅な設備の更新、環境投資 4%
アルミ関連
成⻑機会の拡⼤ (COBEX)
11%
成⻑分野における新規設備投資による能⼒増強 鉄鋼関連
事業及び製品ポートフォリオの最適化 (電極)
36%
戦略分野へのM&A投資は継続
自動⾞関連
技術開発⼒の強化も取組み継続 (CB)
連結ガバナンス体制構築 35%
本社組織・制度⾒直し
北⽶統括会社機能の拡充
人材の確保、育成
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今後のスケジュール・業績への影響 13
契約締結日 :2019年6月17日
株式取得完了日:2019年7月下旬⾒込み
日程 本日程は2019年6月17日のものであり、今後の競争法に基づく関
係当局の承認に係る手続き状況、その他クロージング条件充足等
の事情によっては変更になる可能性があります
2019年12月期連結業績に与える影響については、今後精査を⾏
業績への影響 い、業績予想の修正等、開示すべき事項が発⽣した場合は、速や
かに開示いたします
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将来の⾒通しに関する注意事項
本資料に掲載されている業績予想等の将来に関する記述は、本資料の発
表日現在において入手可能な情報及び将来の業績に影響を与える不確
実な要因に係る本資料発表日現在における仮定を前提としています。
実際の業績は、今後様々な要因によって⼤きく異なる結果となる可能性が
あります。業績に影響を与える要素には、経済情勢、原材料価格、製品の
需要動向及び市況、為替レートなどが含まれますが、これらに限定されるも
のではありません。
本件に関する連絡先
経営企画室 佐藤 TEL 03-3746-5228
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